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Scott Gilmore - Another Day (International Feel Recordings:IFEEL 069)
Scott Gilmore - Another Day
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好調な活動を続けるバレアリック・ミュージック筆頭格のInternational Feel、2018年の初作品はロスアンゼルスのScott Gilmoreによるもの。2017年には同レーベルよりアルバムをリリースしているものの、他には殆ど作品が無く詳細については分からないが、そのアルバムを聞く限りではチープな録音マシンやHammond 102200など古いシンセやリズムマシンを用いて宅録を行うDIYアーティストのようで、確かにレーベルのリラックスした開放感はありながらもまた今までのレーベルのアーティストとは異なる音楽性も含んでいる。本作でもその宅録な雰囲気ははっきりと感じられ、"Electric Gestures"からほのぼのとしたシンセで和みの旋律を描きつつ臨場感ある安っぽいリズムが爽やかなグルーヴを刻み、その力の抜けきったリラックスした雰囲気は正に海沿いの景色が広がるバレアリックではあるのだが、根源は何だか70年代のサイケデリック・ミュージックやプログレ等からの影響が感じられる。"Things Forgotten"は哀愁染み出る味わい深いギターと豊かなシンセストリングスによるAOR風で、やはりInternational Feelの他のダンス系のアーティストとは異なる方向性からレーベルの音楽性に適合している。"Lately"はエモーショナルで色鮮やかなシンセがリードしつつ、バックではか弱くギターカッティングがしみじみとした味わいを付け加えるビートレスなAORで、ぼんやりと夕暮れの景色を眺める郷愁ムードだ。そしてタイトル曲の"Another Day"、うきうきとノリの良いリズムが入り妙に光沢のある多層のシンセが多幸感を生むコズミックかつポップな曲で、やはり太陽の日が燦々と降り注ぐ野外の開放的な雰囲気はダンス・ミュージックの枠には当て嵌まらずともInternational Feelが示すバレアリックな方向性と一致する。どれもコンパクトに纏まった構成でDJMIX向けではないかもしれなが、曲そのもののリスニングとしての質の高さは保証されており、快適な時間を提供するホームリスニングとして素晴らしい。



Check Scott Gilmore
| HOUSE13 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Preacher's Comin (Sound Signature:SS071)
Theo Parrish - Preachers Comin

Theo Parrish率いるSound Signatureから2018年最初のリリースは、Parrish自身による新作だ。ここ2〜3年はレーベルに新風を吹き込むように積極的に外部の、特にデトロイトという地域性をも越えたアーティストを招いて音楽性の拡張を行っていたが、何だかんだ言ってもやはりParrish自身の作品が期待されてしまう。ハウスからジャズ、ファンクやソウルなどどんな音楽でも彼の手にかかれば、それは音の彫刻として削り出されてParrishの個性に染まってしまうが、それが本作ではジャケットからも分かる通り「手拍子」をコンセプトにして実践されている。A面に収録された"Preacher's Comin (In Memory Of Jerome Parrish)"は相変わらず粗悪な録音風な荒々しい音質を強調しつつ、軽快なハンドクラップに合わせてジャズ風なピアノのコードやガヤガヤとした環境音やボイスサンプルを散りばめた騒がしい雑踏の音楽といった趣きで、ハウス・ミュージックと言うよりは何か忙しない生活の中から生まれたファンクネス溢れるダンス・ミュージックに感じられる。だがより強烈な個性が際立っているのはB面の方で、こちらにはJovia Armstrong, Keith Beber, Carolyn Ferrari, Craig Huckaby, Theo Parrishの5人によるハンドクラップと入れ替わり登場するスピーチのみでリズムを走らせる"Gullah Geechee (Original)"が元になり、更にそれをParrishがプロデュースした"Gullah Geechee"でParrishらしいドープなブラック・ミュージックへと深化する。蠢く地響きのような分厚いベースが加わり、錆び付いたハイハットが鋭利なリズムを刻み、途端にドロドロとした黒いビートダウン・ハウスへと様変わりし混沌としたファンクネスが湧き出てくるのだ。家の中で聞いているだけでもParrishが真っ暗闇のフロアでこれをプレイしている姿が目に浮かぶような、つまりは彼らしい削り出されたような粗くも激情が渦巻くダンス・ミュージックなのである。



Check Theo Parrish
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
AD Bourke & ROTLA - RAW (includes Ron Trent Remix) (Far Out Recordings:JD42)
AD Bourke & ROTLA - RAW (includes Ron Trent Remix)
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1992年に設立されたFar Out Recordingsはブラジリアン音楽に於いては名門と呼べる老舗レーベルであり、ジャズやボサノヴァだけでなく例えテクノやハウスのリリースに於いてもブラジルの要素を含んだ音楽性での一貫性があり、そんな事もあってジャンルによらず多くの確かな才能が集まっている。そのレーベルの新作にはイタリアのモダンディスコを手掛けるMario PierroことRaiders Of The Lost ARPと、そして同じくローマのAdam Bourkeによるコラボ作品で、Far Outからのリリースはやや意外かと思う点もあるが実際に作品を聞いてみれば成る程と納得させられる。お互いがディスコやファンクにフュージョンといった音楽に対して理解を示していたのは過去の作品からも分かってはいたものの、ここでは二人が出会う事でその音楽性はより強くなり、"RAW (Original LP Mix)"では強烈で生々しいドラムが叩き出され大胆に躍動するエレピやシンセソロがエモーショナルな旋律を刻み、ブイブイとしたベースも動き回り、まるで目の前でブラジリアン・バンドが生演奏を繰り広げているかのようなライブ感が表現されている。コズミックなシンセの使い方なんかはROTLAのデトロイト・テクノからの影響も感じられ、ブラジルの爽やかな風が吹きつつも宇宙の壮大な世界観もあったり、今後予定されているアルバムに期待が寄せられる。そして本作では何と最早説明不要なシカゴのディープ・ハウスのレジェンドであるRon Trentがリミックスを提供しており、"RAW (Ron Trent Remix)"では新たなパーカッションやキーボードも付け加えて原曲よりもアッパーで力強いハウスグルーヴを刻み、そしてTrentらしい流麗でスペーシーなシンセが空高く舞い上がっていくような開放感を生んで、メロウでエモーショナルなクロスオーヴァー系のハウスへと仕上がっている。



Check AD Bourke & Raiders Of The Lost ARP
| HOUSE13 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jon Dixon - Fly Free EP (4EVR 4WRD:4EVR-002)
Jon Dixon - Fly Free EP

レーベルであり共同体でありユニットでもあるデトロイトの神格化されたUnderground Resistanceは、しかし近年は他のデトロイト勢と同様に決して活動が著しく盛んというわけでもなく、特にその中心人物であるMad Mike Banksの動きが少ないとどうしても停滞している雰囲気は否定出来ない。しかし決して活動が完全に停止したわけではなくそんな共同体の中から新世代の台頭もあり、例えばURの別名義であるTimelineの一員としても活動するキーボーディストのJon Dixonもそんな一人だ。2011年以降はTimeline名義でのEPの制作に加わったりもしていたが、本作がソロアーティストとしては初の作品となり、自身のレーベルである4EVR 4WRDからのリリースとなる。過去にはソロ作品が無い事からアーティストとしての素質は未知数だったものの、本作を聞けば確かにDixonがTimelineの一員になった事、そしてURの新世代である事も確かにという納得させる程の音楽性があるのを理解出来る。A面にはUR一派のベテランであるJohn Collinsがエディットした"John Collins Edit"が収録されているが、幸せな気持ち溢れるポジティブなピアノや伸びやかなシンセ・ストリングスを用いて宇宙へと飛翔する、つまりはTimelineやGalaxy 2 Galaxyを喚起させるジャズ色もあるハウス・ミュージックで、ブレイク後からのソウルフルなボーカルが入ってきて熱くなる流れもあって特にパーティーでも皆の心が一つになって盛り上がれるエネルギッシュなエディットだ。B面には異なるエディットが2曲、その内の1曲はデトロイトのアーティストであると思われるAl Esterがミックスを行った"Al Ester Mix"があり、こちらは前半はややダブ処理がなされて美しいシンセのリフを聞かせつつも落ち着きのある時間が続き、中盤からは一気に雲が晴れて明るさの中に飛び込んでいくような耽美なエレピが効いたソウルフルなミックス。そして最後はDixonのオリジナルである"Jon Dixon Edit"で、序盤から弾けるパーカッションに加えキーボードによる細かい旋律による装飾がなされ、そしてDixonによる温かみのあるキーボードのソロも入ってくれば途端にジャジー・ハウスな雰囲気を増す未来へのポジティブな思いが馳せるTimeline路線で、音楽性としては正にMike Banksを継承しているのが感じられる。勿論まだBanks程の神々しいまでの存在感は無いにしても、しかしこのようにそれを継承する後継が育っているのも確かであり、これからが楽しみな存在だ。



Check Jon Dixon
| HOUSE13 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Mental Breakdown (Mojuba:MOJUBA G.O.D. 4)
Chez Damier - Mental Breakdown

ダビーで美しい音響の深遠なるディープ・ハウスを聞かせるドイツはMojuba Recordsは、その一方でシカゴ・ハウスのレジェンドを招いてもはや古典とも言えるディープ・ハウスをリリースしたりと新旧関係なく素晴らしい音楽に取り組んでいるが、その後者の方で活動盛んな一人がChez Damierだ。近年は他アーティストと共演しモダンなミニマル・ハウスへの接近も見せたりしているが、ここMojubaに於いてはやはりDamierらしい叙情的でメロウな人間味溢れる作風が反映されている。本作では新作1曲と共に過去にリリースされたリミックス2曲を収録しているが、レーベルを主宰するDon WilliamsことOracyがエディットした"Mental Breakdown (Oracy's Psychic Rainfall Edit)"はシカゴ・ハウスの荒々しいファンキーさとデトロイト・テクノの叙情性が一つになったような作風で素晴らしい。シャリシャリとした粗くざらついたハイハットが目立つビート感は寒々しいものの、次第に入ってくるオーケストラを思わせる荘厳なストリングスは正にデトロイト的な響きがあり、Damierの作品にしてはややテクノ的な質感を感じるが跳ねた感のあるグルーヴと合わせてファンキーかつエモーショナルな太いハウスになっている。裏面には1994年にリリースされたリミックスの再録にはなるが、ハウスのグルーヴはありながらもDamierのボーカルをぶつ切りサンプリング的に用いながらミニマル的な持続感とアシッド・サウンドもひっそりと混ぜて持続性を重視した"Never (Jeff + Gregg’s Favourite Original Foxy's Classic)"、そしてフレンチ・ハウスの名手であるSt. GermainによるDamierのソウルフルなボーカルを活かして気品さえもある洗練されたジャジー・ハウスに仕上げた"Never (St Germain Revamp)"と、90年代クラシックのような時代性を感じさせつつも時代を越えていく普遍性もある楽曲は魅力的だ。こういったリイシューが単に懐古主義とみなされるのではなく、アーティストの再評価に繋がる意味でMojubaの掘り起こしは評価すべきだろうし、そして現在のDamierの後押しになるに違いない。



Check Chez Damier
| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Julion De'Angelo, Thomas Xu - Roots That Talk (Sound Signature:SS069)
Julion DeAngelo, Thomas Xu - Roots That Talk

基本的にはTheo Parrish自身の作品を中心にリリースを行うSound Signatureも、近年は積極的に外部のアーティストを招いてより音楽的な拡張と深化を行っているが、2017年の中盤にリリースされた本作では完全なるニューカマーを二人もフィーチャーしたスプリット盤だ。Julion De'AngeloとThomas Xuなる経歴も分からないその二人、後者は今までに同レーベルのアートワークを手掛けていたそうだが、どちらともデトロイトのローカルで活動するアーティストだそうだ。勿論、新人とは言えどもそこはレーベル運営において妥協はなくある程度の品質は保証されており、Sound Signatureらしいブラックネス溢れる音の彫刻が収録されている。まずDe'Angeloによる"Chase The Summer"だが、乾いて金属的な響きのリズムが生々しさを演出するロウ・ハウスは正にレーベルの音楽性を主張しているようで、変則的なビート感ながらも無駄が削ぎ落とされたミニマリズムによってずぶずぶと嵌めながら、途中から入るヒプノティックなシンセの音色が簡素な構成の中に味わいを添えている。対してThomas Xuによる"Alottochewon"は極度にブーストされた鈍いベースラインが浮かび上がり、覚醒的な上モノが控えめに持続する悪っぽいハウスで原始的な衝動も感じさせるが、レーベルの実験的な方面の音楽性が強いだろう。対してB面の方は両者の曲共に粗雑な生々しさはありながらも比較的メロウな作風で、De'Angeloによる小刻みに揺れ動くエレピの愛くるしい旋律にヒップ・ホップなテイストもあるラフなビートが走って爽やかなエモーションを発する"Pocketfull"と、そしてThomas Xuによるポコポコと抜けの良い土着的なパーカッションを用いて軽さを演出しつつエレピのしみじみとしたリフで心に染みてくる味わい深いハウスの"Acceptance"と、これらも確かにレーベルの熟したソウルネスを継承している。Parrishが敢えてニューカマーを紹介しているだけあって、彼自身の音楽性を継承する存在感があり、今後の活動にも期待したい。



Check Julion De'Angelo & Thomas Xu
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Allstarr Motomusic, Manuel Costela - Love Souls (TH Pressing:THPVS04)
Allstarr Motomusic, Manuel Costela - Love Souls

感情的な響きを武器にテクノ/ディープ・ハウス方面で躍進を続けるTominori Hosoyaが、どちらかと言うと自身の為ではなく他のアーティストの後押しをすべく感情に訴えかける音楽性に共感するアーティストの作品をリリースするレーベルがTH Pressingで、過去にもAnaxanderやRennie Foster、Life RecorderやTakuya Yamashitaらのまごうことなきエモーショナルな曲をリリースして確かな評価を獲得している。そんなレーベルの新作はdeepArtSoundsを主宰するDan PiuのプロジェクトであるAllstarr Motomusic、そしてスペインのディープ・ハウスで知名度を高めつつあるManuel Costelaによるスプリット盤だが、両者とも同じEPにHosoyaの曲と共に収録されたりと音楽的な共通項があるのは間違いない。A面にはAllstarr Motomusicによる2曲が収録されているが、爽快に広がるダビーなパーカッションを用いつつ豊かな色彩感覚を持ったシンセのメロディーや開放的なボーカルで青々しい空を突き抜けていくディープ・ハウスの"Night Romance"からして、滴り落ちるようなピアノの旋律も入っていてHosoyaの清々しくエモーショナルな音楽観と合致している。"Light Of The Soul"の方も微睡んだシンセによってドリーミーな開始から、ゆったりと大らかな4つ打ちのキックが刻む中を清々しい女性ボーカルで抱擁するような柔らかい質感のディープ・ハウスで、淡い色彩で滲んだ風景画のような美しさを含んでいる。B面はCostelaが担当しており、凛とした輝きのあるピアノを軸にジャジーなリズム感で揺蕩うように心地良いビートを刻む"Sunshine Love"ではボーカルがしっとりソウルフルな雰囲気に繋がっており、優しく情熱的なハウスだ。一方"Hurt"ではブレイク・ビーツながらも勢いを落ち着かせて透明感のあるパッドやしっとりとしたシンセによって温かみと仄かな情緒感を打ち出したメロウな曲で、控えめに官能を誘うボーカルも相まってムーディーな世界観を作り上げている。4曲とも心に訴えかけるエモーショナル性を伝えるハウスは、確かにHosoyaの音楽性と共鳴するのは間違いなく、だからこそ自信を持ってTH Pressingから送り出す事が出来たのだろう。



Check Allstarr Motomusic & Manuel Costela
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paradise Box - Hookup EP (Crimes Of The Future:COTF 014)
Paradise Box - Hookup EP
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ロンドンのCrimes Of The FutureからリリースされたParadise Boxの新作は、このアーティストについて全く情報を持ち合わせていなかったものの、試聴した際にオールド・スクールかつ懐かしい雰囲気やメロウネスを持っているハウスに耳を惹かれてついつい購入したものだ。この名義では過去2014年にEPを1枚出しているだけだが、どうやらメルボルン在住のS. Woodwardのプロジェクトによるものらしく、全くの新人というわけでもなさそうである。"Hookup"はざらついてロウなシカゴ・ハウスらしいリズム感にアシッドの響きや陰鬱なメロディーを用いたハウスではあるが、アシッドのベースに煽られながらも何処かメランコリーな雰囲気は情緒感がふんだんだ。"Running Up That Hill"はKate Bushによる80年代のシンセ・ポップのカバーだが、原曲の壮大でゴージャスな響きや歌を抑制しながらその悲哀に満ちたメロディーをより浮かび上がらせ、シンセ・ポップの感覚は残しつつもコズミック感溢れるニューディスコ的な作風へと生まれ変わり、これはフロアでも心に深く訴えかける見事なカバーに仕上がっている。"Ya Mo Be There"も同様にJames Ingram & Michael McDonaldの80年のシンセ・ポップのカバー作品で、原曲の80年代風の強いアタック感は残しつつインストにした上で温かいドリーミーなシンセで上書きする事で、メロウな郷愁と刺激的なファンク性がより色濃く発揮されたディスコ・ハウス/シンセ・ポップになっている。最後の"Sunrise Energy"は鳥の鳴き声なども取り入れながらブレイク・ビーツで揺らすバレアリック感溢れる開放的なハウスで、しかしこちらもやはりその懐かしいリズム感や音の響きにオールド・スクールな音楽性がある。そもそもが80年代のシンセ・ポップを2曲もカバーしている辺りにParadise Boxのレトロ志向な音楽性は散見しており、それはオリジナルの楽曲へも素直に反映されているのだが、それが現在のシーンにもフィットした作風へと昇華されているのだから単に懐古主義として見過ごすには勿体無い作品だ。



Check Paradise Box
| HOUSE13 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aybee & Lars Bartkuhn aka The Astral Walkers - Passage EP (Deepblak:DBR-V031)
Aybee & Lars Bartkuhn aka The Astral Walkers - Passage EP
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遂に2017年末にはディープ・ハウス大旋風を巻き起こしたNeeds名義で作品をリリースしそのプロジェクト復活の狼煙を上げる事に成功したLars Bartkuhn、そしてDeepblakからは才能ある新星を送り出しつつ自身でもアフロやディープ・ハウスから実験的なテクノまで制作するAybee、その両者が手を組んだ話題性十分のプロジェクトがThe Astral Walkersだ。両者ともDJよりは演奏家としての才能が光っており、それは勿論豊かな楽曲性へと反映されているが、電子音楽を用いたダンス・ミュージックに於いても非常に有機的でライブ感溢れる演奏がその根本となっている。本作でも当然の如くギターからピアノにパーカッションやドラム・プログラミング、果てはボーカルまで披露しており、電子音楽と生演奏の狭間を埋めていくような楽曲性はほぼ完成の域に達している。"Passage (Full Experience)"の方は最早Needsの新作として紹介されてもおかしくないフュージョンからの影響も伺えるディープ・ハウスで、弾けるような爽快な4つ打ちのハウス・グルーヴを軸にディレイの効いた開放感あるギターや空間の広がりを演出するシンセで彩り、そしてマリンバらしき朗らかなリフや耽美なピアノなど様々な装飾を緻密に編み込んでいるが、それらは決して過度にはなり過ぎずに絶妙なバランスで用いられているのがセンスの良さなのだろう。ともすればコテコテの作風に成りかねない煌めくような装飾性の高さだが、豊かな響きはありながらも実に洗練されたディープ・ハウスは優雅でさえある。同じ楽曲の異なるバージョンである"Passage (Astral Stroll)"はぐっとテンポを落としつつミニマル性を高めながら、サイケデリックなギターソロなどによって混沌としてディープなスピリチュアル・ジャズ性を増し、より奥深い空間性が際立つ異色なバージョンだ。やはりNeedsの音楽性に期待するのは前者の方でそちらの華々しい作風に惹かれるが、この作品で手応えを掴んだのか二人は現在もセッションを行っているようで、今後の活動も期待せずにはいられない。



Check Aybee & Lars Bartkuhn
| HOUSE13 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Unknown Artist - Drive Time (Feel International:FEELI002)
Unknown Artist - Drive Time

バレアリック・シーンに中心に居るInternational Feelの傘下に2016年に新たに立ち上げられたFeel International、その第二弾は片面プレスで限定300枚のEP。正直なところレーベル毎のコンセプトの差などは明確には提示されていないので分からないものの、本作は10ccの名曲である"I'm Not In Love"をネタにしており話題性は十分だ。と思ったら過去にInternational Feelから2009年にEFEELシリーズの第一弾として同じ曲をネタにしていた"Forbidden Love"もリリースされており、前回と今回が同じ製作者によるものかは不明なものの余程この曲に愛着があるのは間違いないだろう。"Forbidden Love"の方は比較的原曲の形を残したダウンテンポなバレアリック・エディットという趣きだったものの、こちらの"Drive Time"は原曲の一部のボーカル・パートをサンプリングして繰り返し用いた作品だ。哀しげで切なさが染みるリバーブの効いたギターパートとしっとりとしたピアノ、そしてスローモーなドラムのリズムから始まり、前述のメランコリーな歌の部分が繰り返される事で、幾分かツール的な要素も増したバレアリック・バージョン。夏や秋の夕暮時の切なさにも近いメランコリーを誘う、ギターやピアノの有機的な響きがじんわりと体の奥底まで染みるスローモー・ニューディスコでもある。恐らく"Forbidden Love"も本作も手掛けているのはレーベルを主宰するMark Barrottであろうと勘ぐってしまうのは、どちらもダウンテンポな作品でありそれこそBarrottの自然な状態だからだ。このエディット路線、匿名にやるにはもったいない位の良質な内容で、是非ともアルバム単位で聞いてみたいものだ。

| HOUSE13 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |