CALENDAR
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>
RECOMMEND
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog] (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
RECOMMEND
Mezzanine
Mezzanine (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
メザニーンのリマスターに、上記のダブバージョンを合わせたCD2枚組。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
VISIBLE CLOAKS,YOSHIO OJIMA,SATSUKI SHIBANO
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Mark Barrott - Nature Sounds Of The Balearics (Running Back:RBINC003CD)
Mark Barrott - Nature Sounds Of The Balearics
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
International Feelを主宰する事でバレアリック・ミュージックの芳醇を促し、そして自身もアーティストとしてもその音楽性を開花させている現行バレアリック・シーンの代表格であるMark Barrott。その彼によるニューアルバムは何とInternational FeelではなくGerd Jansonが運営するRunning Backからのリリースになるが、これは単純に彼とTalamanca Systemなるユニットを組んでいる関係性もあっての事であり、「Nature Sounds Of The Balearics」というタイトルからも分かる通りそのバレアリックな世界の中にある自然的な音響は全く変わっていない。その一方で本人曰く本作について「テクノ・アルバム」とも呼んでいる事もあり、過去の木々が生い茂るトロピカルでオーガニックな世界観に加え爽快で透明感のある綺麗な電子音響やカチッとしたリズムも前面に出ており、大自然とエレクトロニクスの見事な調和が結実している。過去の作風はリスニング重視でビートレスな曲も珍しくは無かったが、本作はカタカタとしたローファイなビートが入った"Aroon"で幕を開ける。と言っても有機的な笛らしき音色やニュー・エイジ調なシンセが融和しており、最後には虫の鳴き声も混ざりながら自然の中で深い瞑想へと誘われるような感覚から始まる。続く"Morning Star"は完全にビートが無いインタールード的作品で、アシッドなベースが生命の営みのように自由に蠢きつつ美しい複数のシンセのラインが豊かさを演出するバレアリック志向な曲。"Point & Figure"も豊かな大自然を感じさせる曲で、アタック感の強いキックを用いた緩いビートに合わせ深い森林を想起させる生命の音や透明感のあるオーガニックなシンセの響きが壮大な世界観となり、いつしか心は南国のトロピカルな森の中。一方で"TRIX"はキレのある電子音局が大胆に躍動しシカゴ・ハウスにも近い乾いたビートが荒ぶるテクノ色の強い曲で、とは言ってもビートが走る事はなく溜めを効かせたまま引っ張り続け、爽快な電子音響が刺激的に肉体に降り掛かってくる。そして一般的にイメージされるであろうバレアリックという曲なら大らかな青空に包み込まれるような緩いダウンテンポの"Keltner & Chalkin"もあれば、"Ichimoku"では心地好いアシッド・ベースのシーケンスが走りながら90年代前半のArtificial Intelligenceを思わせるギャラクティックな宇宙遊泳を楽しむ如く浮遊感のある曲もあったりと、バレアリックとテクノの自然な調和が存在するアルバムだ。最後は夜の帳が降りてきてしっとりムーディーに染まる"Evening Star"、幻想的なシンセのレイヤーがメランコリーで静かに幕を閉じていく。過去の作風に比べ随分とシンセサイザーの瞑想的な旋律を用いており、テクノやアンビエントにニュー・エイジの要素も濃くなった作風ではあるものの、根底にある自然主義のバレアリック性も変わらず実にBarrottらしくもある。記事にするのが遅れて間に合わなかったものの、2018年のベストアルバムに入れたかった程に素晴らしい作品だ。



Check Mark Barrott
| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1 (Planet E:PEDL001CD)
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
「デトロイト・ラブ」、何とも直球ストレートなタイトルのMIXCDシリーズが立ち上げられたのだが、そのプロジェクト元はデトロイト重鎮のCarl Craigだ。2014年頃からデトロイト・テクノ/ハウスのシーンの後押しをする目的で同名パーティーを世界各地で行っているが、その雰囲気を家でも体験出来るようにとMIXCDとしても企画されている。その第一弾を担当しているのは当然デトロイトのDJでありまたベテランの一人でもあるStacey Pullenで、現在は制作活動は見受けられないものの数年に一度はMIXCDをリリースしてはいるので、DJとしての手腕が買われているのだろうか。過去に手掛けたMIXCDではアフロ・パーカッシヴなファンキーなテクノやハウスから、ヨーロッパ系の流麗なテック・ハウス系、派手なプログレッシヴ・ハウス調までその時々で色々な音楽性を披露しているが、今回はUSの作品を軸とした作品になっている。開始こそUS勢ではないSoulphictionの"Ann Arbor"だがアフロなパーカッションが土着的なドス黒いハウスで重厚感があり、そこからはデトロイト勢の曲が続く。どっしり重さを保ってサイケデリックな"The Fader"、ミニマルなスタイルで洗練された"They're Coming"、そして序盤のピークはざらついた質感がファンキーな名曲のハウスの"Raw Cuts (Marcellus Pittman Remix)"でやってきて、低空飛行ながらもじわじわくるスムースなハウスの流れが序盤を作っている。中盤からはやや上げてきてベテラン勢の一人Gary Martinによる"Galaxy Style"の爽快なパーカッションがなるファンキーなハウスから、ギャラクティックな上モノと荒々しいリズムに躍動する"Horney Chords"、ダークな雰囲気からデトロイトらしいエモーショナルな旋律が浮かび上がってくるテクノの"Delray"、ディープな雰囲気を作る太いベースラインが脈動する"Wired Everything"など、デトロイトというコンセプトはありながらも一般的なデトロイト・テクノ/ハウスというイメージよりは更に拡張性が感じられるだろう。終盤はテンションを落としてきて空間の広がりと浮遊感が存在するスペーシーな"Purple Pulse"から女性のシャウトが印象的なトライバル系の"Low Down"、最後はデトロイトの叙情性が発揮されたアンビエント系の"Detroit State of Mind"で気分を落ち着かせながら幕を下ろす。所謂昔の安っぽさや素朴さの中にファンクネスやスペーシーな感覚が込められたデトロイト・テクノというタイプの選曲ではないが、これが現在のデトロイトのシーンの一部である事を提示するような音楽性で、その意味では懐古的ではなく未来の視点を向いたMIXCDだ。テクノとハウスを横断し大人びてスムースな流れのプレイはベテラン的だが、欲を言えばもっと野性的で荒々しいファンキーなプレイも聞いてみたいとも思うが、このシリーズには今後も期待したい。



Check Stacey Pullen

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO14 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Opal Sunn - Parallax EP (Touch From A Distance:TFAD2)
Opal Sunn - Parallax EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

数多の才能光るアーティストを送り出しレーベルとして順風満帆だったBerghainが主宰するOstrut TonのA&Rかつマネージャを退任した事は当時は不可解だったものの、こうして自身でTouch From A Distanceなるレーベルを立ち上げて送り出してきた作品を聴いてみると、確かにその両者の音楽性には差がありOstrut Tonを離れた事も納得だと今なら感じられる。それはBerghainではなくPanorama BarのレジデントであったNick Hoppner、現在はどうかは定かではないがつまりハウス・ミュージックの方面を担っていたPanorama Barの番人でもあった事を考慮すれば、BerghainをイメージさせるOstrut Tonの硬派で厳ついテクノではなくどちらかというとハウス・ミュージックやエモーショナルなテクノに興味があったのだろう。そんな事もあって自身の音楽性を反映させたTouch From A Distanceからリリースされた2作目は、Utopia Records等からもコンテンポラリー・ミュージックやハウスをリリースするAl Kassian(Alex Kassian)とベルリンで活動するHiroaki OBAからなるOpal Sunnで、ハードウェアを用いてセッション性の強いライブを行うユニットだそうだ。過去には作品リリース前の2016年、そして2018年と「Rainbow Disco Club」にも出演するなどライブユニットとして既に高い評価も得ていたのだろうが、この新作を聞けば確かに魅力的な音楽である事をはっきりと感じ取れる。先ずは何と言っても"Parallax"が素晴らしく、跳ねて揺れるパーカッシヴなリズムから始まり幻惑的な上モノやヒプノティックなシンセがぐるぐると巡るモダンなテック・ハウスは、音圧や勢いではなく恍惚感のある魅力的なシンセのリフやメロディーで引っ張っていくタイプだが、じわじわとする持続性にしっかりとブレイクも持ち込んで実に整った機能的な曲だ。"Aura"はスピード感は抑制しながらもタフなビート感に骨太さが現れているテクノで、そこにデトロイト・テクノとも共鳴するな上モノとキラキラと光を放つようなリフが絡んでいくエモーショナル性が発揮されて、広大な宇宙空間を疾走する如くのドラマが展開される。対して更にテンションを抑えて内省的なディープさがありながらも繊細な電子音の残響が美しい"Mirage"、こちらもディープな音響ながらもエレクトロのビートを取り入れならも甘くメロウなシンセに陶酔させられる"Phantom"と、どの曲に対してもシンセの響きや旋律に叙情的な美意識がありしっかりと意識を引き付ける魅力があるのだ。勿論パーティー/フロアで耳を引き付け肉体を揺さぶるダンス・トラックとしての機能性は文句無しで、こんなに格好良い曲を作るのだからセッション・ライブもどうしたって気になるものだ。次回来日した際には是非とも彼等のライブを体験してみたい。



Check Opal Sunn
| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Moth (De:tuned:ASG/DE015)
John Beltran - Moth
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
昨年から季節のコンセプトを打ち出した「The Season Series EP」のリリースを開始、そして過去の名作のリイシューがなされ、今年は22年ぶりに別名義でのPlacid Anglesでリリースを予定していたりと、再度活動が活発になっているデトロイト第二世代のJohn Beltran。ここ数年も決して活動が止まっていたわけではないが、その音楽はおおよそテクノからは離れてリスニング志向なエレクトロニカ/アンビエントが中心だった事もあり、昔からの生粋のファンにとっては物足りなさもあったに違いない。しかし2017年にはベルギーのDe:tunedからアルバムをリリースしていたのだが、このレーベル自体がデトロイト周辺を含む名作の復刻も行うレーベルでオールド・スクールへの理解は深い事も関係るのだろうか、そのアルバムは恐らく多くのファンがBeltranに求めている初期のアンビエント成分も強いダンス・トラックで占められており期待に応えた内容だ。アルバムの冒頭にある"Wet With Rain"からして期待通りな音楽性で、ざらつきのあるリズムは変則的なブレイク・ビーツを刻んで跳ねており、そこに複数のシンセのメロディーが重層的に重なってアンビエントな雰囲気を作っているのはAIテクノの路線だ。そして中盤から入ってくるドリーミーなパッド、これが聞ければもうデトロイト・テクノのエモーショナルな世界観そのもので、後半はリズムも消失しひたすら桃源郷のこの上ない幸せな時間が続く。続く"Flight"は太いキックが大地を揺らす力強いハウス・トラックで、爽快な鳥の鳴き声らしきサンプリングや懐かしいシンセの響きを用いて青々しく楽園的な風景が広がるこの曲は、808 Stateの"Pacfic"を思い出すだろう。そこから一点して、落ち着いたハウス基調のグルーヴに懐かしいアナログ・シンセの素朴で簡素な旋律を合わせた"The Retuning Dance"や、ざらつきのある荒いリズムから徐々に叙情的なシンセが浮かんで伸びていく牧歌的なテクノの"Nineteen Eighty Nine"は、90年代のBeltranそのもので新鮮味はないものの彼に期待されている音がそのまま反映されている。また淡いアンビエント性が強く出ている曲もあり、崩れたブレイク・ビーツとカラッと乾いたパーカッションを用いながらも純朴で淡い色彩が滲んだようなシンセが甘く誘う"Whatever The Road Brings"、ビートレスでドローン的にパッドが持続する奥で人の声が反響している静謐な"Street Lights"と、大きく躍動する曲から静けさが広がる曲でもBeltranのピュアなアンビエント性が発揮されている。昨年Peaceflogから再発された名作『Ten Days Of Blue』の続編と呼んでも差し支えはないデトロイト・テクノとしては久しぶりにそれらしいアルバムで、時代の流行や先進性とは無縁なもののそんなものに左右されない素晴らしい作品だ。



Check John Beltran
| TECHNO14 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Octave One presents Random Noise Generation - Endustry (430 West:4WLP 710)
Octave One Presents Random Noise Generation - Endustry
Amazonで詳しく見る(MP3)

Burden兄弟によるデトロイト屈指のハウス系ライブ・ユニットであるOctave One。デトロイトのベテラン勢の制作は依然として停滞している状況において、流行にも目もくれず愚直にも自分達が確立したスタイルを貫き通して歩みを止めない信頼すべき古参の一組であり、ある種の金太郎飴的スタイルだからこそ強靭さも兼ね備えている。そんな彼等がテクノ・ソウルを展開するプロジェクトがRandom Noise Generationであるが、近年はOctave Oneでもほぼテクノと呼んでも差し支えない状態ではあったので新作はどうなるかと思いきや、ああこれは確かにテクノだと断言出来る音だ。この名義では実に13年ぶりとなるアルバムではあるものの、良くも悪くも大幅な変化はなく彼等らしい骨太なグルーヴと厳ついシンセを纏ったダーク・ソウル爆発なデトロイト・テクノが鳴っており、大きな驚きは無いもののベテランらしく貫禄十分な作品になっている。幕開けはアルバムのタイトル曲となる"(Age Of) Endustry"からで、骨太なキックが打ち付けつつノコギリのようなギザギザするシンセが脳髄に切り込んでくる刺激的なテクノで、初っ端かな粗雑で荒々しいグルーヴが押し寄せる。続く"Refraction"も勢いのあるキックで疾走するテクノだが、やや無駄な音を削ぎ落として身軽になったところにミニマルなリフが続く構成は、デトロイト・テクノと言うよりはライブ感のあるミニマル志向なDJツールといった印象だ。"Soul Xchange"はタイトル曲と似たタイプでノコギリにギリギリと削られるような鈍いシンセが底辺で唸り、厳ついリズム感と一緒になって肉体を殴打する激しさがある。そんな中で特に印象的なのは"Alkalyze"で、すっきりと隙間を強調しながら硬いリズムが刻まれ軽快なパーカッシヴが弾けて、メロディーは強く強調する事なく淡白な雰囲気ながらもファンキーなノリによって突き抜けるこの曲は、Random Noise Generationのファンキーなテクノ性を象徴している。また配信ではかつてリリースされた名曲のニューリミックスである"Rock My Soul (Reborn Mix)"も収録されているが、魂を吐き出すような歌や耳に残るキャッチーなリフで引っ張っていく厳ついテクノは、正にデトロイトのテクノ・ソウルと呼びたくなる曲で、この曲が新曲よりも目立ってしまう点にはやや困惑も残るが兎にも角にも名曲なのは間違いない。時代を先取りするような革新性のある音楽ではないが、デトロイト・テクノという古典を追求するユニットとして、Random Noise Generationはこれからも自分達の道を突き進む事を約束するであろうアルバムだ。



Check Octave One
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kim Brown - Pleasuredome Continuum EP (Needwant Recordings:NEEDW 056)
Kim Brown - Pleasuredome Continuum EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

Sven Weisemannの変名でありつつ当初は謎のアーティストだったJouemや全く経歴の分からないProstituneらを送り出してきたJust Another Beat自体も派手な活動をするでもなくミステリアスな佇まいを発しているが、そんなレーベルの主軸であるのがこのKim Brwon。当初はソロアーティストかと思っていたら、実はJi-Hun KimとJulian Braunの名からアーティスト名を取ったユニットである事が判明するなど、やはりその幻のような存在感は他のレーベルメイトと同様だ。柔らかい有機的な音色や美しい電子音のパッドを活かしたディープ・ハウスは、静謐の一言でダンス・ミュージックと言うよりはリスニング性が強く、気品ある響きは熱狂や興奮とは真逆の快適性に優れている。しかし目下最新作である本作は過去のどの作品よりも躍動感を増してダンス寄りに接近し、明らかに夜のフロアを意識した音楽性へと向かっている。"Helical Scan"はそんな躍動感をエネルギッシュで生々しいブレイク・ビーツで表現しており、そこに羽毛のようにふわっとしたパッドが幻想的な旋律を被せながら、真夜中のダンス・フロアから朝焼けが登ってくる時間帯にかけての雰囲気を伴った清々しい高揚感を得たエモーショナルな展開をし、ダンスでありながらもKim Brownらしい情緒豊かな作品だ。同様にブレイク・ビーツを用いた"Ceramic Unicorns"は疾走するのではなく抑えめのビート感で、マイナーコード調のか細いパッドにディレイをかけながら奥深い空間演出を行うが、ざくざくとした荒々しいハイハットなどのリズムがオールド・スクール感を強めている。そして他にはLet's Play Houseなどからもリリースする新興勢力のEarth Boysと、ブリストルのニューカマーであるKembackがリミックスを提供している。"Helical Scan (Earth Boys Remix)"は原曲の雰囲気を全く損なわずにリズムはフラットなディープ・ハウスに均し、その分だけ水平線をすっと滑っていくような心地好い浮遊感が生まれており、透明感のある上モノも上手く綺麗に活きたリミックスになっている。対して"Ceramic Unicorns (Kemback Remix)"は原曲よりも厳ついキックを用いて杭を打ち込むような力強い4つ打ちを刻み、反復するヒプノティックな上モノやアシッド寄りなドラッギーなベースラインも強調して、ピークタイム向けのパワフルなハウスでがらっと様相を変えているが、このEPの中では単純に一番盛り上がれる印象だ。Kim Brownにしては随分と荒ぶれたリズムを刻むダンス性の強いEPではあるが、それと共に流麗でエモーショナルなシンセワークも健在で、彼等の魅力を損なわずに新たなる魅力も獲得している。



Check Kim Brown
| TECHNO14 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rolf Trostel - Edward Versions (Die Orakel:ORKL-11)
Rolf Trostel - Edward Versions
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
かつてはWhite、そして現在はGieglingと職人芸のように繊細で美しい音響を聞かせる電子音楽を得意とするレーベルの主軸アーティストであるEdwardが、2018年にDie OrakelからリリースしたEPが興味深い。2013年にはクラウト・ロック方面で多大なる功績を残したConny Plank、そして2015年にはアンビエント重鎮のHarmonia & Enoのリミックスを行ったEdwardが次に挑戦をしたのは、Rolf Trostelの1982年作のリミックスだ。Trostelは1980年代初頭に活動していたシンセサイザー奏者で、特にTangerine Dreamなどのような奇妙な電子音が特徴的なジャーマン・プログレに影響を受けて音楽制作を行っていたようだ。本作は彼がリリースしたアルバム『Der Prophet』からの曲がリミックスされているが、原曲はTB-303のベースシンセやTR-808のリズムマシンも取り入れながらもそれよりもPPG Waveの毒々しいデジタルシンセ音が印象的なイマジネーションを刺激するエレクトロ・ポップ調な曲でもあり、その当時からの遠い未来を想像するようなレトロ・フューチャーな雰囲気もある。そんな曲を現代的なダンス・ミュージックとして解釈すると、"New Age Of Intelligence (Edward Version)"では原曲のシンセの雰囲気は残しながらも壮大なサウンド・トラック的な雰囲気は削ぎ落とされ、逆に軽く歯切れの良い4つ打ちのリズムを終始保ちながら細かい電子音響も散りばめて、如何にもEdwardらしい繊細な音響の美しさが際立つテクノへと生まれ変わっている。12分にも渡る長尺にて大きな展開をする事はなくミニマルとしての機能性を強調して持続感を引き出し、その長い時間ながらも微細な変化によって飽きさせずに酩酊感を作っていくモダンなミニマル・テクノは、Edwardの新作と呼んでも差し支えはない。そしてよりフロアでの機能性を高めたのが"Der Prophet (Edward Version)"で、ザクザクとしながらうねるリズムによってグルーヴ感が持続するトラックはミニマル・ハウスそのもので、そこに快楽的なミニマルなシンセの反復の中を奇妙に変化する電子音が掻い潜り、そして中盤からはオーケストラ風の豊かなシンセメロディーが感情性豊かに展開する事でドラマティックな盛り上がりも演出する。揺さぶりを生む激しさではなくグルーヴの持続性とメロディーの快楽性によって、フロアの雰囲気をコントロールしながらもじわじわと高揚を誘う曲で、Edwardのミニマルな美学が感じられるだろう。



Check Edward
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Darling - Tulipa Moves (Safe Trip:ST 012-LP)
Darling - Tulipa Moves
Amazonで詳しく見る(MP3)

Young Marcoが主宰するSafe Tripは現在形のダンス・ミュージックのレーベルではあるが、何処か懐かしい時代感を含んで特にシンセサイザーの多幸感ある響きにこだわりがあるように思う。実際にMarcoはイタロ・ハウス/ディスコの再燃への貢献、またはGaussian Curveの一員としてモダンなバレアリック/ニュー・エイジの開拓に励んでおり、Safe Tripの音楽性はいなたくもほのぼのとした快楽性がある。Darlingはそんなレーベルで中心的に活動する一人で、本作は2018年にリリースされた彼にとっての初のアルバムだ。オランダのアーティストであるという以外はDarlingについての詳細は不明なものの、過去の作品を聞いても辿々しいドラムマシンによるリズムやアナログであろうシンセを用いて、イタロの系譜上にありディスコやエレクトロも盛り込んだダンス・ミュージックは古い味わいもありながら若々しいエネルギーに満ち溢れている。そしてこのアルバム、ダンスのリズムがある電子音楽ではあるが熱狂的なクラブの中のダンス・ミュージックではなく、ほのぼのとした田園風景が広がる仄かにバレアリックな曲群は底抜けにポジティブでドリーミーだ。神秘的な電子音のソロから始まり闊歩するようなリズムが入ってくる"Estimu"からして、無意味ながらも楽観的で豊かな電子音のメロディーや動物の鳴き声にも似た電子音の反復がコズミック感を作っており、70年代の電子音と戯れていたジャーマン・プログレが幾分かダンス化するとこんな曲調だろうか。"Tulipa Moves"はTR系の乾いたリズムがカタカタと軽快に躍動しオールド・スクール感のあるハウス調だが、透明感のある清涼な電子音の上モノは遊び回りながら長閑な世界に包んでいく。落ち着きながらもエレクトロ気味のリズムである"So Did We"はやや内向的で沈み込むようなメランコリーがあり、しかし光沢感のあるサウンドはシンセポップ調でもある。"The M Song"ではリズム無しで神秘的なシンセが描くメランコリーな旋律は、火照りを冷ますニュー・エイジやチルアウトの系譜上にある。"Pillow People"はその安っぽく原始的なリズムが初期テクノを思わせ、チャイムらしき可愛らしい音色や幻想的なシンセのメロディーも加わる事で、90年代のベッドールーム・テクノであるArtificial Intelligenceを思い起こさせる。アルバムは曲それぞれが異なる個性を持っているが総じてレトロフューチャーと呼ぶべきか、ヴィンテージな音の響きや野暮ったいリズム感を伴っており最新の音楽でありながらどこか懐かしく、聞いていると心がほっと安心する穏やかさに満ちあふれている。



Check Darling
| TECHNO14 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Test-File (Ostgut Ton:O-ton114)
Marcel Dettmann - Test-File
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
世界的名声を獲得しているクラブ・Berghainのレジデントの中でも、取り分けて高い人気を(日本においても)博しているMarcel Dettmann。DJとしてはベルリンらしい硬質なテクノを軸に、そこに機能的なミニマルから狂気のシカゴ・ハウスに鈍い響きのエレクトロまで織り交ぜて、退廃的で色褪せたテクノの世界を創り上げるプレイが素晴らしく、その手腕は一流である事に異論は無いだろう。一方でアーティストとしてはただ単にハードで勢いだけのテクノではなく、やはりDJ志向の機能的なグルーヴを武器にクラブでの鳴りを意識したテクノを制作しており、DJとアーティストの活動がおおよそ同じ方向を向いている。Ostgut Tonからは久しぶりとなるソロ作品である本作もやはり基本はフロアでいかにミックスの中でツールとしてハマるか、という事が念頭に置かれたようなミニマルな作風で、それはある意味では展開の少ない地味な響きをしているがそこをディープな世界観でカバーしている点は流石だ。たった6曲のみのDJツールを寄せ集めた感さえもありながら、それぞれの曲の個性が尖っていて、例えば変則的に切り込んでくるキックの連打とパーカッションに逆回転風の音響が空を浮遊する"Test-File"は、明確なメロディーや大胆な展開も無いがその躍動するリズムと不安気な音響が真夜中のパーティーでの興奮を高める。"Ascending"はもっと分かりやすいゴツゴツとした粗いノイジーなテクノで、これも殆ど展開という展開もせずにひたすら嵐のようなノイズと激しいビート感で終始攻めてている。一方で音を削ぎ落として間を活かしたハウス調の"Autumn77"は、その代わりに骨太なキックが大地に突き刺さりながら空間の広がりを感じさせる電子音や怪しいボイス・サンプルによって、精神作用のあるヒプノティックな響きを強調する。また特に強烈な曲が"Torch"で、液体が爆ぜるようなリズムに合わせて呻き声を思わせる電子音とヒスノイズが持続し、聞いているだけでも疲労が溜まり精神がすり減らされていくインダストリアル風なテクノは、地下深くの一寸の光も届かない荒廃したテクノフロアの景色が浮かび上がってくる。それぞれツール性に特化されながら3〜5分台の曲尺とコンパクトな構成ではあるが、DettmannがDJ時に作り上げる世界観そのものがここにあり、アーティスト/DJの活動が相互作用として働いている事が伝わってくる新作だ。



Check Marcel Dettmann
| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI (Air Texture:AIR006CD)
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
2011年にニューヨークにて設立されたAir Textureは、KompaktのPop AmbientシリーズやExcursions In AmbienceにInstinct Ambientといったレーベルに触発されているそうで、端的に言うとアンビエントに焦点を絞ったそのレーベル名まんまのシリーズを提供している。それぞれの作品はCD2枚組で1枚のCDを1アーティストがコンパイルを担当し、そして収録曲は未発表曲のみで構成されているという、アンビエントのシリーズ作品としては十分に期待を寄せられるだけの魅力が伝わってくる(当方はこの6弾がリリースされるまで、このシリーズの存在を知らなかったが)。そして最新作はOstgut Ton等でも活躍し近年交流を深めているSteffi & Martynが担当しているのだが、過去のシリーズが比較的ノンビート中心でアンビエントやドローンに焦点を絞っていたのに対しここではダンス・フロアを沸かすDJの性質故か、基本的にはダンス・フロア寄りでありながらアンビエントな性質もある、もっと言ってしまうと現代版「Artificial Intelligence」と呼んでも差し支えない曲が選曲されている。事実Steffiが主宰するDolly周辺はAIテクノの影響を匂わせているし、Martynの作風にしてもダブ・ステップやデトロイト・テクノからの影響を滲ませ、両者とも単純な4つ打ちからの乖離してリズムの自由さやベッドルーム内での想像力を働かせる音楽性があり、それらが端的に表現されているのが本コンピレーションだ。AIテクノの現代版という説明は決して過去を懐かしむようなものではなく最新のアーティストによる曲がある事で、例えばApollo等でも活躍するSynkroの"Observatory"は夢の中へと落ちていくようなパッドを用いたねっとりとしたダウンテンポを披露しており、穏やかな近未来感が心地好い。Ostgut Ton一派のAnswer Code Requestもここでは普段のハードな作風は封印しているが、ハートービートのようなリズムに美しく広がる残響を用いたディープなアンビエントの"Pasiris"を披露し、熱狂に入っていく前のパーティー序盤の感覚がある。元祖AIで忘れてはいけないのがKirk DegiorgioことAs Oneで、"The Ladder"は90年代前半のそのAIテクノそのものな自由なブレイク・ビーツや流麗な響きのシンセのメロディーなど、一見踊り辛いようなテクノがしかし今の多様性の中では自然と鳴っている。他にも知名度の高いテクノ系のアーティストから殆ど作品をリリースしていないマイナーなアーティストまで、それらは区別される事なく収録されており、テクノやエレクトロにブレイク・ビーツやダブ・ステップなどのジャンルも、大きな枠で捉えるとアンビエント的な感覚に包まれている。これらがしかも全て未発表曲というのだから、その質の高さも含めて驚いてしまう。



Check Steffi & Martyn

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |