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Newworldaquarium - Chubby Knuckles EP (NWAQ:ape 05)
Newworldaquarium - Chubby Knuckles EP

コンピレーション等への提供を除けば自身の新作としては実に8年ぶりとなるEPをリリースしたのはオランダのNewworldaquarium。Ross 154としても活動するJochem Peteriによるこのプロジェクトは、大胆にビートを落としてアンビエント性もあるスモーキーな音像で包み込む迷宮的ディープ・ハウスが特徴で、ヨーロッパからデトロイトのビートダウン・ハウスに対する回答の一つとも思っている。実際にPlanet-Eに作品がライセンスされリリースされそうになったり(結果的にはプロモのみ出回った)もするなど、鈍く黒光りするようなデトロイトらしさもあり、最近は活動していなかったせいで忘れ去られていた感もあるが実力に関しては嘘偽り無しの存在だ。本作は新作とは言いながらもどうやら過去に制作された未発表曲のお蔵出しのようだが、そのせいもあってか00年代のNewworldaquariumらしさが発揮されている。"Chubby Knuckles"は彼にしては比較的アッパーなハウスではあるが、湿り気を帯びたキックによるタイトな4つ打ちビートの上にお得意のサンプリング・ループを執拗に用い、軽やかなパーカッションやトリッキーな効果音を織り交ぜながら、土着的かつダーティーでファンキーな黒さのあるディープ・ハウスを展開している。がしかし、やはりNewworldaquariumらしい作品と断言出来るのは"42"の方で、感情が失われた如く機械的に錆び付いたキックを延々と刻、むスローなビート、そこに微妙に揺らめきながら幻惑させるアブストラクトなシンセが浮遊し続けるサイケデリックで抽象的なディープ・ハウスは、10分以上に渡って出口の無いラビリンスの中を彷徨わせる。殆ど抑揚の無い展開にもかかわらず、徐々に現実の時間軸から遅れを感じる遅効性の麻酔が効いたかのようなドープでトリッピーな音像が、長い展開だからこそじんわりと効いてくるのだ。久しぶりの新作は期待を裏切らないNewworldaquariumの個性が輝いており、この流れで新作も期待したいものだ。



Check "Newworldaquarium"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lars Bartkuhn - Massai (Utopia Records:UTA005)
Lars Bartkuhn - Massai

ダンス・ミュージックの界隈においてはDJが中心にあり、ミュージシャン/バンドは何故その外側にいるのか?という問題提起をFacebook上で行っていたLars Bartkuhn。かつてドイツからディープ・ハウスの大旋風を巻き起こしたNeedsの一員でもあるBartkuhnは、楽曲として間違いなくフロアでも機能するハウスを制作していたが、しかし前提としてミュージシャンである影響かその楽曲はフュージョンやジャズも吸収した豊かな響きを持っており、一過性ではない普遍的な音楽をダンス・ミュージックに求めているように思われる。一時期は音楽活動が見られなかったBartkuhnではあったが、近年NeroliやUtopiaから復活を果たしてからはまた以前のような優美なディープ・ハウスを手掛けるようになっているが、この新作では一転して演奏家としての面を強調してリスニング性の強いクロスオーヴァーな音楽を披露している。薄っすらとしたパッドと美しいシンセの絡みで始まる"Massai (Part I)"は序盤から叙情が湧き立つエモーショナルな曲だが、特に耳を惹き付けるのがPat Methenyを思わせる耽美なギターのフレーズで、そこに入れ替わるように物悲しいピアノがしんみりと切なさを増し、様々な生演奏を駆使しながら感情性豊かにドラマティックに展開する。派手さは抑えつつもじっくりと静かに熱量を高めていくソウルフルな流れで、ダンス・ミュージックとしての前提もありながら聞く/感じるという事を尊重した楽曲性は、やはりミュージシャンとしてのプライドが込められている。別バージョンとなる"Massai (Part II)"は柔からなパーカッションを用いながらもビートレスな作風で、複数のシンセ音やピアノによる望郷の念が込められたようなしみじみとした切なさとがより琴線に触れ、アンビエントな雰囲気と共にBartkuhnの感情的な内面がより投影された感もある。どちらのバージョンにおいても演奏家としてのハーモニーやコードの流れを重視し、心の奥底まで響くであろう感情を吐露した作風は通底しており、その音楽のスタイルがハウスであろうとなかろうとBartkuhnの情熱的な音楽愛が現れている。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Space Dimension Controller - Exostack (R & S Records:RS 1703)
Space Dimension Controller - Exostack
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2016年には2枚目となるアルバムをNinja TuneからリリースしたJack HamillことSpace Dimension Controller、しかしその音源はリリースの8年も前に制作された音源であり、デビュー以降のR & S Recordsからリリースしていた音楽性とはやや乖離していたと思う。そのアルバム以降初の作品となるのが本EPで、R & Sへ帰還しての新作はこれこそSpace Dimension Controllerらしいコズミックなシンセ・ファンクで、レーベルとの親和性の高さを伺わせる。タイトル曲の"Exostack"が何と言っても素晴らしく、キラキラとしたサウンドとモヤモヤした抽象性のコズミックな幕開けから軽くも鋭い4つ打ちが入ってきて、そして彼らしい分厚いベースがファンクを鳴らすダンス・トラック。宇宙遊泳を体験するような浮遊感あるシンセに導かれながら、奇抜なSEが入ってきたりうねる電子音が炸裂する中盤はその険しい旅路を表現しているのか、ストーリー仕掛けのSFを展開する彼らしさは十分だ。"Biopan"はストレートなハウストラックで、シカゴ・ハウス風な安っぽくカタカタしたリズムに宙を浮遊するモヤモヤしたシンセを配して、ややアンビエントな夢想の中を漂い懐かしさも含んだレトロ・フューチャーな世界観がある。そしてスウェーデンのStudio BarnhusからリミキサーとしてKornel Kovacsが"Exostack (Kornel Kovacs Remix)"を提供しているが、上モノの浮遊感ある印象はそのままにボトムは太いキックに差し替えた4つ打ちディープ・ハウス色が強く、更にディレイする耽美なパッドも加えてエレガントに彩られてガラッと様相を変えており、フロアでの使い易さも意識した機能性を兼ね備えている。Space Dimension Controllerの宇宙志向なオリジナル、リミックスのハウス・グルーヴも上手くはまっていて、どれも期待通りの作品だ。



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| TECHNO13 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Satoshi & Makoto - CZ-5000 Sounds & Sequences (Safe Trip:ST 006)
Satoshi & Makoto - CZ-5000 Sounds & Sequences
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販売されていなくても素晴らしい音楽は実はひっそりと存在している、但しそれを見つけるには飽くなき探究によってのみなのだろう。イタロ・ディスコ/ハウスをこよなく愛するYoung MarcoがCZ-5000というカシオのシンセサイザーを調べているうちに、YoutubeでCZ-5000を演奏している双子のSatoshi & Makotoの動画を見て、それに感動したMarcoはリリースする為に二人とコンタクトを取り音源を送ってもらったそうだ。結論から言うとこのアルバムは本年度の電子音楽系のベスト5に入れたい程に素晴らしい作品で、CZ-5000という発売から30年以上経過している古い電子楽器を用いても、こんなに豊かな表情を持った音楽を作れるなんて驚き以外にない。二人はYMOやKraftwerkに興味を持っていたそうだが、正に電子音楽への探究心はいつしかCZ-5000を舐め回すように愛着へと変わり、その結果CZ-5000の魅力を最大限に引き出す事に成功したのだろう。ジャンル的にはビートの無いアンビエントか多幸感ふんだんなバレアリックかと言った印象だが、クラブに向けてではなくベッドルーム内での音楽はやはり内省的にも思われる。ふわふとしたサウンドの反復によって長閑な日常を彩るような明るいアンビエントの"Flour"、ノスタルジーにも近い切なさを誘発するしんみりしたメロディーと抜けの良いパーカッションを用いた"Bamboo Grove"、決して享楽的な志向ではなくイマジネイティブでもある豊かな情景が浮かび上がる。控えめにリズムも入った"Untitled"はプロト・ハウスとでも呼ぶべきか、素朴さが可愛くもある。広大な夜空に瞬く星のように電子音がきらきらと広がる"Ar"、夢の中を浮遊するドリーム・アンビエントは優しく、そして心地良い。"Lumiere"も同様に昼下がりに微睡みに落ちて行くようなアンビエントだが、"Poincare"では一転して目が覚めた如く電子音が軽快に弾けるポップさもあり、CZ-5000だけを用いた制作ながらも実に曲毎に豊かな表情を見せる。偏に二人のCZ-5000への愛情がその可能性を引き出した事実、それがSafe Tripというレーベルのバレアリック性に適合した事、そしてその音楽がMarcoの目に留まった流れは奇跡的にすら思える。シンセサイザーの魅力がたっぷりつまったドリーミーなバレアリック/アンビエント、聴き逃す事なかれ。



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| TECHNO13 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
GAS - Narkopop (Kompakt:KOMPAKT CD 136)
GAS - Narkopop
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2017年のテクノシーンに於いて絶対に欠かす事の出来ない話題の一つに、本作は間違いなく含まれている。それこそドイツはKompaktの創始者の一人であるWolfgang VoigtによるGas名義のニューアルバムであり、この名義では何と17年ぶりとなる新作だ。30にも及ぶ変名を用いながら様々なジャンルを展開してきたVoigtにとっても、このGas名義はかつてのMille Plateauxで成し遂げたアンビエント×ミニマルの究極的な形であり、4枚のアルバムを送り出してからはパタリと活動が停止した事で逆に伝説的なプロジェクトとして評価されていた。近年はGas以外の複数の名義を用いてテクノだけに留まらない音楽性とそこにアートとしての要素も加えて芸術家的な活動を精力的にしていたVoigtだが、やはりこのGas名義は別格と言うべきか、その音の存在感や快適性は格段にスケールが大きい。アルバムには10曲が収録されているがそれらは便宜上トラック分けされているだけであり全ては繋がっており、またイメージを排除するようにかつてのアルバム同様曲名は付けられておらず匿名性を際立たせて、ミニマルの性質と抽象的なアンビエントによって終わりの時を迎える事が無いような音楽の旅を展開している。寒々しく虚構の中にあるような森の写真がジャケットに用いられているが、鳴っている音楽も正にそのようなイメージで、フィールド・レコーディングと電子音のドローンとオーケストラのサンプルによって生まれるシンフォニーは何処までも抽象的だ。アルバムは重厚で荘厳なオーケストラによる"Narkopop 1"で始まり、寒々しい電子のドローンが重苦しくガスの様に充満しつつその中からハートビートらしきリズムが現れる"Narkopop 2"、一転して物哀しいオーケストラによって悲壮感に包まれる"Narkopop 4"と全ては繋がりながら境界を不明瞭にしながら展開を繰り広げる。そしてドローンに満たされながら潰れたような4つ打ちのリズムがエレクトロニック・ボディ・ミュージックを思い起こさせる"Narkopop 5"、歪なノイズが持続しながら華やかで美しい弦楽器が明瞭なメロディーを奏でる"Narkopop 6"、そして最後の17分にも及ぶ"Narkopop 10"で総決算の如くぼんやりとした4つ打ちのリズムと不鮮明なドローンと荘厳なオーケストラが一体となり、ミニマルな展開の中で時間軸も分からなくなるような迷宮的な流れによってなだからに終焉を迎えていく。音だけを聞いてもGasというアーティスト性が分かる完全に個性が確立されたミニマルかつアンビエントな音はここでも変わらず、前作から17年の歳月を経てもそこから途切れる事なく続いていたかのような音楽で、VoigtにとってもGasはライフワークと呼べるものに違いない。催眠的で快眠なアンビエント、意識は深い森の中に埋もれていく事だろう。



Cjheck "Wolfgang Voigt"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |