Pirahnahead - NGTV NRG EP Stage 1 (Third Ear Recordings:3EEP-109)
Pirahnahead - NGTVNRG EP Stage 1
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Mahogani MusicやMoods & Groovesからも作品をリリースしている事からも分かる通り、Moodymann直系のムーディーかつジャジーなハウスを得意とするPirahnaheadの新作。がここに来て"ネガティブエナジー"なるタイトルから予想の付く路線の変わった音を打ち出しまして、"Mirror Muse"はモロにオールドスクールなアシッドハウス。TB-303のベースラインと思われるアシッディーなベースがうにょうにょと強烈な印象を発していて、時代を20年は遡ったんじゃないかと思うほど。更に強烈なのが"Disconnected"でこちらもシカゴハウスの荒々しさに多少ムーディーな色気も含むのですが、電話の最中のボイスやコール音をぶった切って曲中にばらばらに配置した奇天烈なハウスで、途中でぶつぶつと途切れる展開もあったりで一回聴いただけで非常に印象を残す曲です。そしてダークなミニマル系のトラックに語り調のボーカルを被せた"Self-Conscience"、今までのムーディーな作風からは想像も出来ない不穏な空気。とどの曲も彼にとって挑戦的な作品とも言うべき内容で、面白さもありつつしっかりとフロアを盛り上げる事が出来る充実した一枚。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega (Ministry Of Sound:MOSCD208)
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega
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なんだか一年に一枚以上のハイペースでMIXCDなりコンピレーションを出している印象を受けるMasters At Workの片割れ・Little Louie Vegaが、UKのパーティー・Soul Heavenの10周年を記念して2枚組のMIXCD+1枚のコンピレーションを手掛けました。Louie Vegaと言えばイメージとしてはNYハウス、ラテンハウスと言うのが真っ先に上がりますが、DISC1の序盤では意外にも暗さを感じさせるディープテックでエレクトロトニック度高めの音が出て来ます。その後もテック度高めの音を中心にパーカッシヴな曲やアッパーで躍動感溢れる曲で、真夜中の狂騒にあるピークタイムが繰り広げられる展開。対してDISC2ではこれぞLouie Vegaとでも言うべきメロディアスな歌物中心のハウスを中心に、ソウルフルかつ小気味良いグルーヴを生み出しております。インストハウスも好きですが、歌謡曲みたいな歌物ハウスはやはり愛を感じてしまいますね。そしてDISC3はここ10年でLouie Vegaにとってのクラシックと呼ぶべき曲を収録したコンピレーションだそうで、確かに聴いた事ある名曲もちらほら。これぞハウス、メロディアスでBPM120前後の丁度心地良いリズムを刻むキックが詰まったぐっと心が温かくなるハウス、そんな事を思い出させるDISC3。実の所近年のハウスの低迷、そしてLouie Vegaのハイペースなリリースに食傷気味だったものの、本作ではLouie Vegaの底力を感じる事が出来ました。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gerald Mitchell - Strongholds (Cast Em Down) (Still Music:STILLM028)
Gerald Mitchell - Strongholds (Cast Em Down)
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3年前にCDでリリースされていたStill Musicのコンピレーション"Analog Soul"(過去レビュー)から、Gerald Mitchellのトラックがようやくシングルカット。既発の曲はタイトルにもなっている"Strongholds (Cast Em Down)"で、これは彼が所属しているLos Hermanosそのまんまなトライバルで攻撃的な一曲。テッキーなリフに咆哮するギターが雪崩れ込み、疾走感が持続しながらドラマティックに展開する様は、まるでロックミュージックのダイナミズムにも共通する。そして新曲"Fly High Like Eagles"、こちらはデトロイトハウス寄りのソウルフルで熱い一曲。情熱的なフェンダーローズと華麗に彩るストリングスが絡み合い、そして魂を揺さぶる熱の籠もった男性ボーカルでぐっと感情的にさせるデトロイトマナーに沿った名曲。そしてB面にはInnervisionsからMarcus Worgullがタイトル曲のリミックスを提供していて、こちらはMarcusの音まんまなディープテックハウス。ミニマルの如くテッキーなリフを何度も繰り返し展開を抑えつつも、螺旋階段を上っていく様に快楽が増していく使い易いリミックス。そんな訳で3曲全てが文句無しに素晴らしいので買い!

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| HOUSE5 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dream Driftin' Edition "Slow Jam" Mixed By Calm (Music Conception:CMC-004)
Dream Driftin' Edition

日本のミスターバレアリックことCalmの最新MIXCD。もうタイトルまんま、ゆったりと夢の中を漂流するバレアリックサウンド満載。Bryan Ferryの涙がこぼれる程に切ない"Slave to Love"から、Calmの新ユニット・Field.echoの新曲"Blue Moon"でゆったりとした時間軸と深い夢の世界へと突入し、そこからはシンセポップやフォーク、チルアウトが続いてまだまだ霧に覆われた夢の世界を突き進む。そして90年代バレアリックの名作が2連発、プライマルズの黒いグルーヴ"Screamadelica"とOne Doveの甘く切ない"Why Don't You Take Me (Underword Remix)"で、スローモーションな音にダンスの要素も合わさり一気に快楽志向へと向かう。自分と同じ30代にはツボにはまりまくる90年代前半の黄金時代が蘇る瞬間。終盤はディスコ系で熱を帯びたと思いきや、ラストはDJ Vadimの土着的で大地の生命に呼応しつつラストへと終着。これはほんの一時の白昼夢か、夢か現か、ここではない何処かへの音楽の旅。スロウなビートながらもじんわりと染み入るグルーヴに誘われて、現実の世界に居ながらにしてパラダイスへと旅立てるアーバンバレアリックミュージック。と言う事で、とにかくトロトロうっとりする程に気持ちの良い一枚。

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| HOUSE5 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mahogani Music (Mahogani Music:Mahogani M-17 CD)
Mahogani Music
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2005年にリリースされるも早々と廃盤となってしまったMahogani Musicのコンピレーションが目出度くリイシュー(何度も言いますが、最近のリイシューばかりな傾向は良くないんじゃ?)。Mahogani Musicはデトロイトの反骨精神の塊・MoodymannことKenny Dixon Jr.が主宰するレーベルで、自身の活動の場と言うよりはAndresやPirahnahead、Randolph、Amp Fiddlerなどの新生代の為に用意された場所と言っても差し支えはないでしょう。重要なのはMoodymannが関わっているからと言ってハウスだけをリリースするのではなく、そこにはヒップホップやソウル、ジャズなどの黒い音楽が集まっていて、つまりはクラブミュージックだとかハウスだとかの観点はなく彼のルーツである黒人音楽をデトロイトから掘り起こす為にMahogani Musicを運営している事でしょう。ここにはやはりMoodymannと同じ魂持ったブラックネスが溢れていて、それはセクシーでもありソウルフルでもエモーショナルでもあり、そしてロマンスがある。ジャンル的にハウスであろうがヒップホップであろうがジャズであろうが、Mahogani Musicの音、Moodymannの選んだ音と言うのがしっかり感じられるでしょう。ボーナスCDにはなんとNikki-Oのオリジナルアルバムも付いている。こちらは股間も濡れてしまう位に夜を感じさせる内容だ。DJ中はファッキンファッキンと呟き抗うMoodymannは、同時に艶めかしい情感を持った男でもある。

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| HOUSE5 | 08:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Michel Cleis Feat. Toto La Momposina - La Mezcla (Strictly Rhythm:SR12698)

Michel Cleis Feat. Toto La Momposina - La Mezcla
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Michel Cleisなるアーティストが作品リリースした"La Mezcla"のリミックスEP。元々はLuciano主宰のCadenzaからリリースされていたそうですが、それにリミックスが加わりStrictly Rhythmがライセンスリリース。オリジナルはまあ良くも悪くもCadenzaらしいエスニックトライバルなハウスで、声ネタをふんだんに使用していて一般的には盛り上がり易いんじゃないかと感じます。ただ良くも悪くもと言った通りで、Cadenzaの型にはまっていて確かに質の高さはあるんだけどその先は無いかなと思う点もあったり。このEPで面白いのはやはりリミックスの方で、その一つはDefectedでも活動しているCopyrightのプログレッシヴハウスサウンドに染めたリミックス。アゲアゲな4つ打ちを強調し、テッキーな上物を追加して夜の喧騒に耐えうる内容へと変貌を遂げております。そしてそして更に素晴らしいのが甘めのハウスをやらせるとピカイチなCharles Websterのリミックス。原曲のトライバルな雰囲気は全く感じさせず、蜂蜜と砂糖を混ぜまくって甘めに調理したラウンジ風のしっとりハウスを披露。トラックが変わったせいか声ネタもオリジナルとは違い哀愁を発するようになり、大人のムーディーな愛を語るトラックへと深みを増しております。リミックスの面白さって言うのは、まさにこんな感じなんでしょう。

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| HOUSE5 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Sound Signature Sounds & Sound Sculptures Vol.1
(過去レビュー)
Theo Parrish-Sound Signature Sounds
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来日に合わせてかどうかは知りませぬが、Theo Parrishのアルバムがリイシューされております。"Sound Signature Sounds"は彼の初期のEPからのコンパイル集で、最近の作品に比べると比較的ハウスのフォーマットを保っていて今聴くと意外と聴き易い。しかし単なるディープハウスとも違う彼の雑で汚らしい音の中には、闇の奥底で何かが蠢いているような狂気と不気味さがあり、単純に心地が良いだけの音楽とは全く別物。エモーショナルでソウルフルだけれども、何にも代え難い混沌とした感情が鬩ぎ合う音の彫刻(Sound Signature)。ここら辺は現在はデトロイトに移住している彼が、幼少期にはシカゴで過ごした影響もあるのかもしれない。

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(過去レビュー)
Theo Parrish-Sound Sculptures Vol.1
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こちらは2008年作の2枚組完全オリジナルアルバム。元々は2007年にLPでリリースされた物に、追加曲を大量に加えたCDバージョン。この頃になるとハウスと言った枠組みを外れ、ジャズやブルース、ファンク、ディスコなどクラブミュージックだけに留まらない黒人音楽を凝縮した音楽性が強くなってきております。強烈な4つ打ちトラックは身を潜め、ゆっくりとねちっこい絡み付きの強いグルーヴが支配するビートダウントラックが満載。不思議なのはサンプリングから生まれたトラックが、何故か生々しくそして臨場感のある音色を発している事。サンプリングは単なる真似ではなく、使い方によってはオリジナリティーを生み出す方法である事を実証している。最後にセオの言葉を載せておきます。
「音楽への愛」こそがプロデューサー、パフォーマー、DJ達の原動力であるべきだ。この想いがあれば、サンプリングという方法は、盗作でもなく、音作りへの近道でもなく、個性ある音のコラージュになる。
Theo Parrish

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mirko Loko - Seventynine Remixes (Cadenza:CADENZA45)
Mirko Loko - Seventynine Remixes
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Lazy Fat People分裂後の初のソロアルバム"Seventynine"(過去レビュー)が好評だったMirko Lokoが、リミキサーにCarl CraigとRicardo Villalobosを起用した超力作なアルバムからのシングルカット。今回才能を爆発させたのはやはりC2、毎度毎度リミックスワークの質の高さには頭の下がる思いですが、今回は本気の中の本気。空間に乾いて響き渡る乱れ打ちパーカッションの下を、優美に煌めくシンセがうなりを上げて徐々にビルドアップし、ブレイクした後の中盤以降は地響きの様な低音の効いたベースやキックで再度じわじわと上げてくる非常にスリリングな展開。12分と言う長尺な曲でありながら、長さを全く感じさせず壮大な展開に引きずり込む引力は圧巻と言うべき。対してVillalobosは相変わらず掴み所が無いと言うか、ジャブジャブとした水っぽいエフェクトが鳴りつつ再度子供の声を使用しミニマルのサイクルを続けるアンビエント風なリミックスを披露。レゲエ・ダブっぽい音響やアンビエントな浮遊感は初期のThe Orbを思い出せる点も多く、理性も溶けるような恍惚感を誘発します。両面全く違う音ながら、両面ともフロアで気持ち良く使える大傑作。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Billy Love - Melloghettomental (Sound Signature:SS038)
Billy Love - Melloghettomental

かつてデトロイトのボーカルユニット・Members Of The Houseに在籍していたBill BeaverことBilly Loveを、デトロイトのソウルメーカー・Theo Parrishがプロデュース。Billy Love自身はソロでの楽曲は殆ど無いものの、Members Of The Houseでは作曲を手掛けていたり、他のアーティストの楽曲で歌っていたりと地味な活動に続けているアーティストらしいですね。本作はセオのSound Signatureからのリリース、そしてバックにセオが付いた事により、かなりセオ色の強い4曲が収録されています。基本はBPM100ちょいのビートダウンなハウスですが、13分にも及ぶ大作"Can't Keep Running Away"のジャジーでソウルフルでスモーキーでカオスな音はまんまセオじゃないですか。魂を絞り出すように歌うBillyの声は艶めかしく、そして心に熱く訴えかける感情が剥き出しになっております。これはハウスなのか、いやソウルでもありブルースでもある。気怠いムードに覆われた楽曲なのに、神懸かりな荘厳ささえ漂うスピリチュアルな一曲。他3曲も生々しい熱き血が煮えたぎるブラックミュージックで、セオプロデュースに嘘偽りは無しの名作です。

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| HOUSE5 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The La's - There She Goes (Yo&Ko's Super Long Edits) (Unknown:YOKO001)
The La's - There She Goes (Yo & Ko's Super Long Edits)

昨年からクラブで何度も耳にしていたThe La'sの大傑作"There She Goes"のエディットがようやくリリース。The La'sはビートルズと同じくリバプール出身のギターポップバンドなんだけど、オリジナルアルバム(過去レビュー)を一枚だけリリースして解散しまった伝説のバンドです。彼等の楽曲はどれも美しいハーモニーやコード展開を持ったポップでメロウな物ばかりですが、特に"There She Goes"はUK国歌と言っても差し支えない位の素晴らしい楽曲です。それを噂のYo&Koなるユニットがクラブでも聴くに耐えうるエディットを施したのが本作。原曲は3分にも満たずあっと言う間に幸せの時間が終わってしまう美しくも儚い構成ですが、それを長く長く幸せよ終わらないでと引き延ばしてしまいました。特にお勧めはB面のInstrumental Editで、歌の代わりにキラキラと多幸感に満ちたシンセを被せてサビを何度も何度も繰り返し、原曲の和んだ牧歌的な雰囲気よりも体が自然と踊り出すアグレッシヴさを前面に出しております。勿論美しいアコースティックギターの響きも健在で、原曲への愛がとっても感じられるのではないでしょうか。お勧めです。

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| HOUSE5 | 10:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |