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FRKWYS Vol.15: serenitatem
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Assorted Elements E.P. (NDATL Muzik:NDATL005)
Assorted Elements E.P.

DEMFのアフターパーティ会場で200枚だけ販売されたと言う触れ込みのEPが、そこから一年を経て新曲も追加した上で公式リリース。とは言っても今回もワンショットのみなので、気になる方はお早めに。NDATL MuzikはKai AlceがNew Yorkで立ち上げたレーベルで、しかし音の方向性は確実にデトロイトハウス/シカゴハウスのオールドスクールへと向けられているアンダーグラウンドなレーベルです。特にデトロイトの伝説的なクラブ"Music Institute"のアニバーサリー時には、偉人らの未発表曲を発掘してコンピレーションとしてリリースするなど特異な運営を行っています。本作でもKai Alce(=KZRC)自身以外にも、Theo ParrishとLoosefingers(=Larry Heard)らの曲が収録され内容は抜群。Kai Alceの"Lost"、Loosefingersの"303 Indigenous"ではトリッピーで不気味なアシッドが反復するTB-303アシッドハウスは彼らのお家芸で、変わらない事が良くも悪くも彼らの信条。お薦めはTheo Parrishの"Voice Echoes In The Dark"、最近の彼の方向性とは異なるボイスサンプルを執拗に繰り返すミニマルなトラック。シカゴハウスの雑な音質を出しながらも普段よりエレクトロニック度も高めで、彼の作品の中ではかなりフロア向けです。KZRC名義の"Thoughts...Sunny Day"のみソウルフルな面を打ち出したジャジーハウスで、ラフな音質の中にも色気が漂っており官能的。駄曲一切無し、デトロイト/シカゴ好きには涎が出る一枚です。

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Derrick Carter - Fabric 56 (Fabric:fabric111)
Derrick Carter - Fabric 56
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お茶目で愛らしい性格とは裏腹にタフなDJプレイを聴かせるシカゴハウスの巨匠・Derrick Carter。彼の残した足跡と言えば様々な奇才を世に知らしめたClassic Music Companyの運営と言う点があるが、またそれとは別に彼自身のパワフルでマッドなDJプレイも世に知られている。そしてMIXCDシリーズとしてロングランとなっているFabricシリーズに、遂にDerrick Carterも召喚された。結論から言ってしまえば最高にファンキーで最高にイカしている。昨年の来日プレイでは終始アゲアゲで飛ばしまくっていたが、ここではそこまでアゲアゲではないものの序盤のチージーで馬鹿っぽいノリのハウスで始まり、アホアホな声ネタやファンキーなフィルターハウス、お馴染みのシカゴハウスクラシックも混ぜつつ、中盤から終盤に渡り緩やかに高揚とテンションを上げながら最後には痛快に突き抜ける期待通りのプレイを披露している。最新のハウストラックを使用しながらも伝統のシカゴハウスの音を受け継ぎ、Carterの野暮で汚らしく粗雑な音色とマッチョでタフネスはグルーヴは健在だ。上げるとか下げるとか山場を作るだとかそんな理性的な展開は気にもせず、一本調子で力強く猪突猛進するCarter節、踊れない訳がなかろう。

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Mistanomista - Another Day (Black Sunshine Recordings:BSR-002)
Mistanomista - Another Day
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今ロシアのディープハウスがじわじわと盛り上がっている模様。その中でも昨年のデビュー盤が既に賞賛を浴びているYuri ShulginことMistanomistaは、自身で様々な楽器を演奏出来るマルチプレイヤーとしての才能を駆使した音楽性で話題沸騰中。本作でもその手腕は活かされていて、タイトル曲の"Another Day"ではセッション的なライブっぽさを感じさせるプレイでホーンやエレピが物憂げに哀愁を発していて、適度に枯れた味わいがあります。Moodymann直系のディープハウスながら、そこまではくどくなく適度な加減なのが上手いですね。裏面の"And You Can Get It"は完全にセッションを意識したブロークンビーツで、細かいリズムの刻みや綺羅びやかなシンセの動きに躍動感があり、生っぽさを強く打ち出しております。そして同じくブロークンビーツながらもアシッドなベースも入るファンキーな"Sukarajam"と、3曲どれもが充実した内容。ディープハウス/ブロークンビーツ系のアーティストでは、今後目が離せない存在となりそう。

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Trax Re-Edited : The Original Chicago House Label Reborn (Harmless:HURTCD098)
Trax Re-Edited The Original Chicago House Label Reborn
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シカゴハウスの歴史において重要な位置付けである二つのレーベル、一つはDJ International、そしてもう一つがTrax。なんでも2010年はTraxの創立25周年だったそうで、Harmless RecordsとDJhistory.comがチャット上でのその為に何か記録を残したいと言う話題が発展し、この度このTrax Re-Editedコンピレーションへと結実しました。Trax Recordsに関して言えばシカゴハウスの基礎となる音を形成したレーベルでもあり、アシッドハウス拡大に貢献したレーベルでもあり、そして音楽で一儲けしたいと淡い夢を抱いたアーティストが集結したレーベルでもあります。才能や理論に後押しされた音楽性ではなく、衝動や欲望を優先して作られたある意味一発屋みたいなアーティストも多かった。がそれでもそこにはハウスの初期衝動と可能性があったのでしょう。そんな偉大なるレーベルの音源をリエディットするのだからきっと大胆な事は出来なかったのであろうか、結論から言えばまあ予想通りでオリジナルの良さを越えられない平凡なリエディット集になっています。オリジナルの雰囲気はそのままに曲尺を伸ばしたり、ミニマルな展開でDJユースにしたりと使い勝手は良くなっているものの、25周年記念としての意味合いは正直余り無いかなと。オリジナルから遠からず的なトラックが多いので、入門者向けにシカゴハウスの歴史の道標としては意味合いがあると思います。

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Zepp001 - The Warm (Delusions Of Grandeur:DOG14)
Zepp001 - The Warm
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モダンディープハウスをリリースしているらしいUKのDelusions Of Grandeurから、2009年に同レーベルからデビューを飾った新人・Zepp001なるアーティストの2年ぶりの2枚目。全然詳細を知らないのに購入したのは、リミキサーに元Wild BunchのDJ MiloことDJ Natureが参加していたから。しかしそれを抜きにしてもこのEPは、今後の期待を感じさせるモノがありました。まずはA1の"The Warm"、幻想的で薄く延び行くシンセのコードに女性のセクシーな吐息を絡めたこれぞモダンディープハウスとでも言うべき、小洒落た感もあるトラック。アダルティーで夜の帳が下りた後の時間帯にぴったり。そしてこってり脂の乗ったギラつくサウンドがエレクトロハウスを思わせるA2の"Dearly Beloved"も、スローなビートでじわじわと覚醒感が効いてくる。そして裏面にお目当てのDJ Natureのリミックスが。原曲のエレクトロニックな音を艶めかしくオーガニックに変容させ、そしてボトムにはぶっといキックで強靭なグルーヴを生み出し、妖艶なセクシーさと湿っぽい土着的な雰囲気に粘度の高い黒さが混沌と溶け合ったディープハウスへと深化。ドス黒い沼へと引きずり込まれ、真っ黒に染め上げる。

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Wbeeza - Void (Third Ear:3ELP-2010_06)
Wbeeza - Void
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近年のディープハウスの流行の中でデトロイトやシカゴの重鎮たちの再評価が著しい昨今ですが、それと同時にその流れを汲むニューカマーも続々と育っております。Wbeezaは2007年にデビューしたUKベースのアーティスト。ビートダウン〜ディープハウスを得意とするThird Ear Recordingsからのリリースも多く、Wbeezaの音楽性も同様に黒くメロウでありChez DamierやDelano Smithら先人の技と心を受け継ぐ物です。決して無闇にアッパーに上げる事もしないし、大箱で受けるようなど派手な展開も無い…が厳かで内向的なソウルを燻るように燃やし続け、それと同時にヒップホップやジャズからも影響と受けたと本人談の通りに、黒い音の統一感を保ちながら小技を効かせたアルバム作りをしております。大半は叙情感たっぷりにロマンスの満ちたディープハウスで心地良く羽ばたきながらも、所々で渋いヒップホップやジャズトラック、インタールード的なトラックで沈静化もさせて、マンネリ化を感じさせないバランスの取れたアルバムと言えるでしょう。前述の通り決して派手な音楽ではないけれど、時代に関係なく普遍的に聴ける音楽とは得てしてこの様なアルバムなのだと思います。

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Virgo Four - Resurrection (Rush Hour Recordings:RH113CD)
Virgo Four - Resurrection
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デトロイトテクノやシカゴハウスの復刻に勤しむオランダのRush Hour Recordingsがまたもややってくれました。昨年はEric Lewis & Merwyn Sandersから成るシカゴハウス最古参であるVirgo名義の唯一のアルバムを復刻させたのに続き、今度は85〜90年に録音されたテープ音源から厳選した未発表曲を纏め、Virgo Four名義としてコンピレーションをリリースしました。主だった活動は89年からの数年間と短い期間ながらもリリースされたトラックは大御所DJのMIXCDにも収録される程の実力を持ち、シカゴハウスと言うジャンルにおいてはカルト的な存在であるらしい。しかし不幸にもシカゴハウスの歴史を語る上で大々的に扱われる事は無かった存在が、ようやくRush Hourの力を借りて2010年代に日の目を見るのでした。ネタは前述の通り古いので新鮮味は無いかと思いつつも、シカゴらしい荒削りながもアナログ感の強い音質やシンプルに無駄を省いたチープなハウスは、今と言う時代に聴くと新鮮味を感じる人も多いかもしれない。はっきり言ってしまえば素人的な面も無い訳ではないけれど、それ以上にアナログソウルとでも言うべき生温い人情味に溢れているし、時代が変わろうとしていた胎動も見受けられます。音楽的な面で言えば決して成熟はしていないしプロの業と言うのも無いかもしれない、それでもシカゴハウスが格好良いのは偏に彼らのセンスやノリが理性ではなく本能から生まれているからなのでしょう。

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Pop & Eye - Out To Punch EP (Editainment:TAIN5)
Pop & Eye - Out To Punch EP

クレジットは特に無し、無許可非合法の可能性大なホワイト盤のみでリリースを行うドイツ発らしい新興レーベル・Editainment。今までにTiger & Woods、Cleo & Patra名義でのリリースときて、新作はPop & Eye…って、多分名義は違えども中の人は確実に同じであろうその人を食ったようなネーミングセンス。今までの作品でも過去のファンクやソウル、ディスコ、ロックなどを大胆にサンプリングし、リエディットで現在のダンスミュージックとして再生を施してきた手腕は、今注目の的となっております。レコ屋の説明を見た限りでは本作でも有名なアーティストの曲をサンプリングしているそうで、A面の"Spinach Spaceship"は鮮やかに舞い上がるシンセにカットアップな声ネタを散りばめ、調子もイケイケなファンキーかつブギーなディスコハウスに仕上げております。ズンズンと力強く粘り強く響くリズム、煌めきを越えた派手派手しい上物で、これはフロアでもどんちゃん騒ぎで盛り上がるの間違い無し。そしてB面の"Can't Let Bluto"は肩の力が抜けたバレアリックなディスコ。懐かしさと切なさが入り混じるも、朝方のフロアに合いそうな幸せいっぱいの空気でフロアに和みを生んでくれそうです。このレーベル、間もなくアルバムもリリースするとか、いやいや目が離せないですね。

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Various - MCDE 1206-07 (MCDE:MCDE 1206-07)
MCDE 1206-07
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タイコクラブへの出演も決まったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowが、自身のレーベルからダブルパックのコンピレーションをリリース。ドイツからデトロイトハウスとも共振するビートダウン系のハウスを送り出す今脂が乗りまくっているアーティストの一人で、この新作もリリースから即座に売り切れ続出となる人気っぷり。自身の新曲"Monorail"からして秀逸で、トリッピーな効果音が鳴り続けその下をくぐもったシンセがゆらゆらと浮遊するブルージーで情緒漂う横ノリ系ディープハウス。途中からストリングスが華麗に舞い、力強いグルーヴに揉まれて高みに到達する文句無しの一曲。更にそれをJohn Robertsがリミックスした曲も、シカゴハウスよろしくなラフなキックと哀愁香るピアノで古い時代へと時間を戻し、懐かしさを増量した素晴らしい内容です。またMCDEの共同運営者でもあるPablo Valentinoのユニット・Creative Swing Allianceのセクシーでしなやかなディープハウス、Danilo Plessowの変名ユニット・Hundred20のどぎつい毒を発散するアシッドハウスなど、シカゴ〜デトロイトを経由した伝統をバックに完成度を高めた二人のトラックも収録しており、充実したコンピレーションとなっております。

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Moody - Freeki Mutha F cker (All I Need Is U) (KDJ:KDJ40)
Moody - Freeki Mutha F cker (All I Need Is U)

レコードの売れない時代においても、レコードのみでの流通に拘るデトロイトの不機嫌な男・Moodymann。売れない…と言うものの、レコ屋に行けばこの新作も多めに置いてあるし、やはり実力・人気を兼ね備えていれば売れないモノも売れるのであろう。本作は新作と言う訳でもなく、三部作の一つ"Det.riot '67"から"Freeki Mutha F cker"の未発表フルレングスを収録。艶かしくも不機嫌なKDJの呟き、極度に強調されたダーティーでエロファンキーなベースライン、真夜中の誘惑に満ちたピアノの美しい旋律は単なるハウスではなく、Moodymannの音楽と言う他に無い芸術性の高い曲へと昇華されております。KDJは怒っているのに苛立っているのに、それでも尚いつだって僕らを魅了する。そして裏面には同郷のデトロイトから御大・Juan Atkins aka Model 500と、そしてヒップホップ/エレクトロの大ベテランEgyptian Loverの二人がエレクトロの真髄を体現するリミックスを提供。前者はオリジナルの不機嫌な雰囲気を生かして暗く冷たくも引き締まったエレクトロへ、後者は音を肉付けしてファンキーで躍動感のあるヒップホップ〜エレクトロへと調理。どちらもよりフロア向けになっているので、オリジナルよりも使い易さも増していてDJ向きなリミックスです。KDJには時代に抗うように、いつまでもこのヴァイナルでの発表と言うスタンスを貫いて欲しい。

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