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FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
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Paris Underground Trax - Vol.1 (My Love Is Underground:mliu12)
Paris Underground Trax - Vol.1

My Love Is Undergroundと言うフランスから正にアンダーグラウンドなハウスを手掛けているレーベルから、Paris Underground Traxなる未だ耳にした事のないアーティストの作品がリリースされた。と思いきや実はフランスからの有望な若手アーティストであるAlexandre GouyetteことBrawtherが、2010年にリリースしカルトヒットした作品のリイシューとの事。オリジナルから3年も経たない内に復刻されるのだから随分と人気があったのだろうが、それも納得なDJにとては使えるハウス4曲が収録されている。Brawtherのオールド・スクールへの傾倒は紛れもなく本物で今までもそれを証明する作品をリリースしていたが、当然の如く本作も90年代初期のNYハウスを思い起こさせるものだ。懐古的だとか進化が無いだとかやっかむ人間は相手にする必要はなく、ただ単に素晴らしい作品であればフロアで人を踊らす事が出来るのだから、僕はBrawtherを断固支持している。"Nyc Underground"はファットなキックが床を揺らしバウンシーに弾け、そして小刻みかつ滑らかにコード展開をするパッドにうっとり心酔するディープ・ハウスで、控え目にロマンティックでさえもある。"Sexy Thing Remix"も勢いがあるのだが、エコーを効かした官能的な女性ボーカルを起用しつつオルガン風の滑らかなシンセリフが小気味よく鳴り、背後からはうっすらと情緒あるストリングスがより官能を強めるアッパーなディープ・ハウスだ。他の2曲も含め特別な事をするでもなく伝統的なハウスを忠実に守っているだけではあるけれど、だからこそ好きな人にとっては心底愛せる作品になるのだろう。

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Trinidadian Deep - Deep Love EP (Neroli:NERO 023)
Trinidadian Deep - Deep Love EP

Ron Trentの秘蔵っ子とも言えるTrinidadian Deepの新作が、クロスオーバー路線を突き進むイタリアのNeroliよりリリースされている。2006年にRon Trent主宰のFuture Vision Recordsからデビューして以降、忠実にRonの音楽性を引き継いでディープ・ハウスの伝統を踏襲していたが、その音楽性は例えばこのNeroliと言うレーベルの音楽性とも言葉通りにクロスオーバーするものだ。最初に断言しておくと3曲どれもが言葉を呑む程に華麗で爽やかなディープ・ハウスで、特にラテンの爽快なパーカッションと滝となって流れ落ちる繊細なピアノ使いが、まるで滝から広がるマイナスイオンのシャワーとなって全身を包み癒す。A面の"Sweet Gal"と"Mama Yemeya"は軽快に弾ける乾いたパーカッションが涼風を誘い込みながら、洗練されたスペーシーなシンセの上にお淑やかにピアノの旋律が舞い踊り、それはまるで燦々と太陽光が降り注ぎながらも快適な空気が流れる南国のパラダイスを演出している。土の香りもするが決して纏わり付くような湿っぽさはなく、あくまで軽やかで清々しい。B面の"My Eshu"はよりアップビートでフュージョンらしい豊かな音色のシンセが伸びていき揺れるハモンドオルガンの音色が郷愁を誘い、浮遊感がたっぷりと乗って青い空へと吸い込まれるように上昇気流を生み出している。これらは正しくRon Trentらが生み出したディープ・ハウス直系であり、そしてディープではあるが突き抜ける開放感も溢れている。素晴らしいとしか言いようがないが、それ以上に本当に大好きな一枚だ。



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Lord Of The Isles - Geek Chic / Radio Lollipop EP (Catune:Catune-48)
Lord Of The Isles - Geek Chic / Radio Lollipop EP
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UKはスコットランドからの期待の新星・Neil McDonaldことLord Of The Islesの活動には、目を背ける事は最早出来ないだろう。DJ Chidaが主宰するEne Records、エジンバラのカルトレーベル・Firecracker傘下のUnthank、またはVakulaが主宰するShevchenkoなど名立たるレーベルからの作品で注目を集めているが、本作は日本のポスト・ロックを主軸とするインディー・レーベルであるCatuneから意外とも言えるリリースだ。しかし前述のレーベルからのリリース歴を見れば想像が付く通りで、Lord Of The Islesの音楽性はニューディスコやバレアリックと呼ばれる弛緩した多幸感が満ち溢れた煌めきがある。デケデケとしたシンセベースの麻薬的な心地良さに様々なシンセのメロディで攻勢をかける開放的なニューディスコの"Geek Chic"、柔らかいコズミックなシンセ使いとざっくり荒っぽさも残した仕上げの"Radio Lollipop"、どちらも白色光に包まれるようなトランシーなシンセが多用され長閑でリラックスしたグルーヴが継続する。何処か生っぽさも感じさせるそのアナログ的な感覚も、彼等の音楽性をより人懐っこいものとしている。両者ともオリジナル自体が素晴らしいのだが、更に本作では各々に対し高橋クニユキとVakulaが極上のリミックスを施している。Kuniyukiにしては珍しくアシッドベースを使用した内なる精神世界に沈み込む危ない香りのするディープ・ハウスな"Geek Chic (Kuniyuki's Journey Remix)"、煌めきを排除し日本語のスポークンワードと蝉の声に不鮮明な音の層を被せてミステリアスな空気を生み出したビートダウンな"Radio Lollipop (Vakula Autumn Cicada Mix)"、これがまたオリジナルからがらっと作風を変えているのだが非常に個性を主張するリミックスなのだ。計4曲収録しているがどれもこれも外れ無しの内容で、Lord Of The Islesへの期待が一段と高まる一枚だ。



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Herbert - Bodily Functions (Special 10th Anniversary Edition) (Accidental Records:AC66CD)
Herbert - Bodily Functions (Special 10th Anniversary Edition)
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誰が何と言おうとMatthew Herbertが2001年にリリースした"Bodily Functions"は、彼の数ある作品の中でもベストである事を覆す事は出来ない。いや、それどころか21世紀に入ったばかりにして、後世に名を残すであろうエポックメイキングな作品になった。ドラムマシンや既存のプリセット音源、既存音源からのサンプリングを禁止したPCCOMと言うコンセプトを掲げて、実験的な創造と並行しながらユーモアとポップな音を両立させた奇跡的なまでのバランスの上に存在するハウスアルバムだ。本作品はそれから10年以上が経った事を記念してのリイシューとなるのだが、オリジナル盤を持っている人もこのリイシューは買って損はしない、いや購入すべき作品である事を断言する。何故ならばボーナスディスクとして当時アナログでリリースされていたリミックスが纏めて収録されており、リミキサーにはJamie LidellやPlaidにMatmosと言った奇才から、Reclooseや竹村延和に意外にもJane's AddictionのPerry Farrell、そして新録リミックスにはDJ KozeとDave Ajuまでもが参加しているのだから。どのアーティストも強い個性を発するからこそHerbertの作品をどう塗り替えていくのかと言う楽しみがあるのだが、オリジナルのポップな遊び心は残しつつもそこにモータウン・ソウルやカットアップしたようなファンク、華麗なブロークンビーツにPCと睨めっこしたIDMやエレクトロニカ、そして端正なディープ・ハウスまで見事に個性を開花させたリミックスが聴けるのだ。またオリジナルが半ばリスニング向けであったのに対し、やはりアナログEPに収録されていた事も影響があるのかリミックスは比較的フロアに寄り添った傾向であるのも興味深い。実験的でありながら肉体を揺らすグルーヴ感も添加され、クラブ・ミュージックとしてのリミックスワークを分かりやすく体験させてくれる模範的な仕事と言えるだろう。オリジナル盤にリミックス盤も付いて、お買い得と言う以外に言葉が見つからない。

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Defected Presents House Masters Derrick Carter (ITH Records:HOMAS18CD)
Defected Presents House Masters Derrick Carter
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翌週末にelevenの3周年記念にClassic Music Companyの看板を背負って来日するDerrick Carterは、シカゴ・ハウスの第二世代を代表すると言っても過言ではないアーティストだ。彼とLuke Solomonが主宰するClassic Music Companyはオリジナルのシカゴ・ハウスを継承しつつも、ヨーロッパーのハウスとも共振を見せ、ハウスの伝統を守る事を革新を続ける事を同時に行なってきたアンダーグラウンドなレーベルだ。それとは別にCarter自身もディスコ・リコンストラクトな手法に則り野暮ったく汚れていて、しかしファンキーである意味では麻薬的なサウンドを生み出してきた。しかしやはりアーティストであるよりはDJとしての活動が中心なせいか、アルバムとして纏められたCDが少なかったのは聞き手にとって敷居を上げていたのが事実だろう。そんな問題点を上手く補完してくれたのが古典ハウスを掘り起こすシリーズである"House Masters"であり、本作ではCarter名義・変名問わずに彼が関わった作品を盛り沢山で収録しているのが、何が凄いって大半の作品が彼のDJの為に使われるであろうエディットなど今まで未発表であったバージョンを収録している事だ。これだけ未発表の作品を詰め込んだのであればもはや新作集と言っても間違いではなく、その上で恐らくはディスコネタのリサイクルであろうファンキーな曲が嫌と言う程味わう事が出来る。CD1は彼のオリジナル作品を、CD2では彼が手掛けたリミックス作品を収録しているが、両者を聴いても音に違和感は全くなくリミックスさえもCarter色に染め上げられている。荒く研磨された粗雑な音で陰鬱な覚醒感に支配されるハウスから鋭いキレがあり跳ね上がるファンキーなまで、遅効性の多幸感が効いてくる曲から即効性のある肉体を刺激する曲まで、ある意味では相反するような作風を並行して披露している。また全てに共通しているのは芯の図太さであろうか野暮ったくも無骨なグルーヴが貫いており、彼がDJ業を生業としてきた経験がここに収束されている。100%Derrick Carterな2枚組アルバム、これはシカゴ・ハウス好きならば間違いないでしょう。

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Manhooker - Wheels In Motion EP (Unterton:U-TON 03)
Manhooker - Wheels In Motion EP
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ドイツクラブシーンに於いて息巻いているBerghain/Panorama Barが新たに立ち上げたレーベルがUntertonだ。今でも運営を続けているOstgut Tonのサブレーベル的な扱いになるのだろうが、Untertonの音楽性は恐らくテクノではなくPanorama Bar路線のハウスを基軸にしているように思われる。レーベルにとって3枚目となる本作はSebastian Mavin MagassoubaとGuiddoの二人から成るこのManhookerの作品だが、ここで聴ける音楽はおおよそ荒涼としたテクノのBerghainからは対極の位置にある愛に満ちたハウスなのだから。甘ったるいセクシャルな男の歌が耳に付くボーカル・ハウスの"Wheels In Motion"は、ゴージャズなピアノやコズミックなシンセのメロディーに華麗なストリングスを配した半ばケバケバし過ぎる感も否めないが、しかしこのレトロな空気やディスコ黎明期の輝かしく弾けるポップさへの回帰は懐かしさを通り越して心へ訴えかけるものがある。"Club Anonymous"もボーカルは挿入されているが、こちらは膨らみのあるパッドを用いつつも厳かで内向的なディープ・ハウスへと向かっており、展開もそれ程作らずにミニマルな作風でモダンハウスへと寄り添った印象だ。両曲に対して感じるのは琴線に触れるメロディーが誘発するハウスの愛と幸福で、その先にはUntertonが目指しているであろう普遍的な音楽性が見えている。また両曲をブラジルの新鋭であるRotcivがリミックスしているが、オリジナルよりも生っぽくディスコテイストを打ち出して、ミラーボールが頭の中でキラキラと輝きを発しながら回転する映像を浮かび上がらせる。とても人間臭くて温かみがあり、そして歌としてのハウスの良さが再認識出来る作品だ。

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Marcus Worgull - Muwekma EP (Innervisions:IV41)
Marcus Worgull - Muwekma EP
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リリースペースは二年に一枚程度と非常に遅いながらも、ドイツが誇るハウス・レーベルであるInnervisionsから最高品質のハウスを送り出しているMarcus Worgull。Innervisions以外での活動が全く無い上に、恐らく来日経験も無い為に活動の全貌は見えてこないが、しかしInnervisionsからは四枚目となる本作でも期待通りのトランシーなハウスサウンドを完成させていてる。本作で注目すべきは各曲で著名なアーティストとコラボレートを行い、それぞれ違った特色を披露している事だ。Peter Pardeikeをフィーチャーした”Salam”は不気味なイントロから始まり、アシッディーなシンセが底で蠢きながら徐々にトランシーな空気に包まれる危険な香りがするテック・ハウスで、いやいや確かにこれはInnervisionsらしい退廃的な世界観が感じられる。続く"Reno"ではスピリチュアル・ハウスのOsunladeと手を組みこれまたダークなハウスを披露しているが、どことなくトランシーなのか宗教的なのかギターらしき音で妖しいメロディーを奏でている点がOsunladeらしさなのだろう。金属的なパーカションやハンドクラップは荒廃した現在のドイツテクノを思わせる側面もあり、非常に今っぽいトラックと言えるだろう。そして裏面にはInnervisionsを代表するÂmeのメンバーであるFrank Wiedemannが参加した"Muwekma"が収録されている。これはもしかすると2013年の上半期を代表するアンセムにも成り得るビッグボムで、気の抜けたキックのリズムから始まりオリエンタルな上モノが見え隠れしながら、空間が歪むように混沌とした世界へと突入する。鋭角的ながらも芯のあるリズムは疾走し、物悲しさとトランス感と荘厳なムードが入り混じりながら、長いブレイクも交えてドラマティックな展開を生み出している。見事にÂme色に染め上げた繊細かつディープなハウスは、間違いなくフロアで大爆発を引き起こす筈だ。またジャケットはエンボス加工がされて装飾面での拘りも感じられ、音楽を芸術としても捉える志向がさすがInnervisionsだと感服した。

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Fudge Fingas / Linkwood - Untytled (Firecracker Recordings:FIREC 009)
Fudge Fingas Linkwood - Untytled

ほぼ一年に一枚とのんびりとしたペースでリリースを続けているUKはエジンバラのハウス・レーベルであるFirecracker Recordings。Linkwoodが主宰するこのレーベルの音楽はデトロイトのビートダウンやディスコにブギーなどを咀嚼し、ポスト・デトロイトとも言える音楽として形成し、世界中の玄人たちをも呻らせている。新作はFudge FingasとLinkwoodにスプリット盤だが、相変わらずのFirecrackerらしいメロウネスとディープネスを存分に含んだハウスで素晴らしい。Fudge Fingasによる"Untytled"は小刻みに躍動するファンキーなベースとぶりっとしたコズミックなシンセが先導しながら、途中からはデトロイト・テクノ風な揺らめくパッドがすっとムードを作っていく温かさで包み込むディープ・ハウスだ。途中から入ってくる綺羅びやかなシンセは手弾きなのだろうか、枠に嵌ることなく自由に旋律を奏でている。それは遠く離れた故郷への思いを馳せるように郷愁じみていて、それと共に大らかな包容力もあり実に開放的だ。裏面にはLinkwoodの"Secret Value (Fudge Fingas Remix)”が収録されており、原曲よりもエレクトロとしてのベースラインやリズムを強調しながら、その一方では静謐なピアノとアトモスフェリックなパッドが繊細な美しさを作り上げている。エレガンスとファンクネスが融け合ったブレイク・ビーツ的ハウスとでも呼ぶべきか、躍動的かつ耽美なトラックとなっている。ボーナス的に収録されたFudge Fingasによる"Minus 616"は、ほぼピアノだけによるビートレスな構成でエピローグとして聴けるメランコリーな一曲。本作も期待通りでFirecrackerは本当に素晴らしいレーベルであり、ハウス好きなら是非チェックすべきであろう。

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Delano Smith - Reconstructed (Sushitech:SUSH20)
Delano Smith - Reconstructed

昨年DJキャリア30年以上にして初のアルバム"An Odyssey"をリリースしたデトロイトのDelano Smith。アルバムは長い活動の果てに辿り着いた実直なハウスミュージックで満たされていたが、そこからのシングルカットなる本作はDelanoと故郷を同じくするデトロイトのCarl CraigとMike Huckabyがリミックスを提供する注目の一枚となっている。タイトル通りに真夜中の空気が漂うハウスである"Midnight Hours"のCarl Craigによるリミックスは、彼にしてはオリジナルを尊重したのか意識的に元からあるエレピのフレーズも借用しつつ元のムードを踏襲する作風に仕立てた上げ、最近のC2にしては珍しくディープ・ハウスを聞かせている。その意味ではリミックスとしての役割は少ないように思われてしまうかもしれないが、しかしそこはデトロイトの大天才、オリジナルよりもリズムやメロディーをくっきりと浮かび上がらせ、よりダンストラックとして芯のあるグルーヴを生み出している。その一方で自らの個性を尊重したのはMike Huckabyによる"What I Do"のリミックスで、オリジナルが湿っぽく内向的なハウスだったのに対し、Huckabyは完全にテクノとも思われるごっつくて硬い音質に染め上げている。しかし骨太で猛々しい表層でありながら、新しく湿っぽいボイスサンプルを追加したり情感のあるしっとりしたシンセのレイヤーで色気も醸し出し、結局はデトロイトらしいソウルを感じさせるトラックとなっている事に安心した。音楽の大先輩であるDelanoに敬意を示したのか両者ともデトロイト魂を打ち出したリミックスを提供していて少々手堅い印象が無くもないが、DJが使うにはもってこいの内容となっている。

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Elbee Bad The Prince Of Dance Music - The True Story Of House Music (Rush Hour Recordings:RH 121 CD)
Elbee Bad The Prince Of Dance Music - The True Story Of House Music
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あのバレアリック名曲"Smokebelch II"には元ネタがあった!と言う事で、その元ネタが収録されたアルバムを買わずに見過ごす事など到底出来やしない。デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのカルト作品を根こそぎ復刻しているオランダのRush Hourが次に目を付けたのは、80年代後半にNYハウスシーンで活躍していたと言うElbee Badの作品だ。様々な名義で活動していたそうだが、名義の中の一つは"ダンスミュージックの皇子"と言う自信過剰な名義ではあるし、本コンピレーションも"ハウスミュージックの正統なる伝承"と銘打っている事から、逆にその実力を疑いたくなってしまうのも無理はないだろう。しかしだ、そこは抜群の嗅覚を誇るRush Hourが掘り出したのだから、きっと時代を超越しクラシックと呼ばれる類の音楽に違いない。何はともあれ"Smokebelch II"の元ネタである"New Age Of Faith"だが、これは木琴やピアノに笛の音らしき生っぽい音が可愛らしいメロディーを奏でる非ダンスミュージックで、ここにある無邪気な多幸感は確かに"Smokebelch II"へと継承されているのが分かる。しかし異色なのはこの曲のみで、他の曲は音楽として完成する前のオールド・スクールなハウスばかりで、無骨で洗練されていないその鳴りには懐かしさを飛び越えた初期衝動さえ感じられる。悪戯に満ちたファンキーなシカゴ・ハウス、歌に豊かな感情を乗せたソウルネスを奏でるNYハウス、その両者とも異なる無意識的かつ無感情的な空気が漂うドライな質感のハウスは、あくまで空虚にリズムやメロディーが鳴っているだけにも思われる。中にはシカゴ・ハウスのネジがぶっ飛んだ不気味さもあるが、この質素な骨組みのハウスはやはりDJツールとして最大の効果を発揮するものに違いない。Rush Hourはよくぞまあ、こんなカルトな作品を掘り出すものだ。

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