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MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog] (JUGEMレビュー »)
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名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
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James Priestley & Giles Smith - 10 Years Of Secretsundaze (Secretsundaze:ssxcd003)
James Priestley & Giles Smith - 10 Years Of Secretsundaze
Amazonで詳しく見る(US盤)

先日来日したばかりのSecretsundaze - James Priestley & Giles Smith - による公式MIXCDの中でも、この作品はパーティーの10周年を記念する物としてパーティーの主旨が最も端的に表現されているのかもしれない。Secretsundazeは真夜中ではなくそのタイトル通りに日曜の昼間に開催されるロンドン屈指のサンデーアフタヌーン・パーティであり、テクノやディープ・ハウスだけでなくジャズやディスコなども紡ぎながら、じっくりと盛り上げていくパーティーだそうだ。日本にもここ数年二人揃って来日しSecretsundazeを開催しているが、オールナイト公演という性質上どうしても上げめのプレイとなり、本国のSecretsundazeとは異なるのではという疑問を消し去る事が出来ない。そんな疑問を持つ理由としてやはり本作の印象がどうしてもSecretsundazeらしさとして当方に植え付けられている事もあるのだが、ここで展開されるクラシカルな音楽性とモダンな響きの融合は類まれなるレベルに達している。先ずJames Priestleyが手掛けたミックスはメロウなビートダウン風なハウスである"Rain Parade (Mark E Remix)"からゆっくりと始まり、そしてコズミック感のある"Transatlantic Loading Bay"へと繋がる最高にロマンティックな流れが形成される。そして"Harlequin"や"Taking Over Me"などハウスからブロークン・ブーツまでビート感に振れ幅を持たせながらも徹底的に感情的で、そして中盤以降では生っぽくも煌めく多幸感を打ち出したディスコや色っぽいシンセ・ファンクも飛び出して、Secretsundazeらしい大胆かつクラシカルなフリースタイル性が満ちている。そんな自由奔放なプレイの最後にはフレンチ・ディスコの"I Love You Dancer"を用意して、ぐっと切なさを増して綺麗に着地する。対してGiles Smithは序盤から端正な4つ打ちのテクノやハウスを積み重ねながらビルドアップさせていくスタイルで、"Make Me Feel"や"Feel It"にしても揺蕩うような浮遊感と空間的な深みを伴い、非常に伝統的とも言える丁寧なプレイを行う。流れを壊す事なく滑らかに丁寧に曲調を守りながら、そこに仄かにエモーショナルな成分も加えてこちらもJamesに負けじと洗練されたドラマティックな展開を聞かせるのだ。終盤の"Ronin"以降はその洗練に磨きをかけて淡い白色光に包まれるような幻想的なサウンドが広がり、盛り上がったまま心地良い余韻を残してミックスは終了する。JamesとGiles、Secretsundazeとして一緒に活動しながらもその対照的なプレイは、しかしどちらにもストーリー性があり、これこそがSecretsundazeらしいという印象を鮮烈に残すのだ。願わくば日本のSecretsundazeでも、いつかこのようなプレイが聴ける事を願っている。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Young Marco - Biology (ESP Institute:ESP0018)
Young Marco - Biology
Amazonで詳しく見る(MP3)

Lovefingersによって2009年に設立されNYを拠点に運営を続けるESP Instituteは、日本からもCos/MesやThe Backwoods aka DJ Kentらがリリースするレーベルであり、ニューディスコからバレアリックな作風まで親しみやすい音楽性で高い評判を得ている。そんなレーベルの中でも主力の一人として活動しているのがオランダのMarco SterkことYoung Marcoで、過去にもキラキラとしながらも哀愁漂うシンセを多用したイタロディスコ風な作品を手掛けて話題となっていたが、その延長線上で遂に初のアルバムとなる本作を2014年にリリースした。このアルバムでは今までのEPの路線を踏襲しながらも更にニューエイジ風なやや大袈裟さも取り入れており、それは冒頭を飾る"Biology Theme"からも感じられる。凛としたストリングスと金ピカな光沢を見せるシンセによる絡み、そしてそこに可愛らしいベルの響きも加わり、極楽浄土か夢の世界かのようなバレアリックな多幸感が溢れている。続く"Psychotic Particle"では生々しく純朴なマシンビートが入ってくるが、トリッピーなシンセの旋律が安っぽくも快楽的で、弛緩した空気と相まってひたすら心地良い。その一方で感傷的なメロディーと膨らみのあるパーカッションが特徴的な"Sea World"は、確かにバレアリックな空気はありながらも夕方から夜に掛けての時間帯に合いそうな、穏やかに切なさに引き込むニューディスコだ。そして最もニューエイジが強く打ち出されたのが"Out Of Wind"で、風が吹く環境音の中から瞑想へと誘うようなベルが鎮静作用を伴い響き渡り、アルバムは一旦ここで落ち着きを見せる。しかし裏面へと移るとイタロディスコ風なビートが疾走し、胸を締め付けるような感情的なシンセが先導する"Suzaku"で幕を開けるが、この切なさはオールナイト明けの朝方のフロアで最高の瞬間を提供するだろう。その後もセンチメンタルで情熱的な展開が続き、アルバムは通して非常に煌めく多幸感に包まれた作品となっている。少々安っぽくもある、しかし人間味の感じられる手作り感満載な音楽は、だからこそ愛らしくもあり人懐っこくもあるのだ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jason Grove - Skylax (Skylax Records:LAX 137)
Jason Grove - Skylax

フランスのSkylaxはハウス・ミュージック、その中でも特にオールド・スクールで時代に左右されない正にタイムレスな音楽性を追求する。決して斬新性があるでもなく、自らを誇張して大きく見せるような派手さもなく、ただただディープでエモーショナルな音楽を真摯に突き詰めるレーベルだが、その中でもJason Groveのミステリアスな存在感は注視すべきだろう。デトロイトのベテラン・アーティストと言う触れ込みではあるものの一切の詳細は不明なアーティストだが、今までにもMerwyn SandersやNiko Marksといった実力派ともコラボレートしている事から、Jasonの音楽の方向性を知る事は出来るだろう。それは、2012年にリリースしたアルバム"313.4.Ever"(過去レビュー)から殆ど変わっておらず、マシンによるビートダウンなリズム、サンプルを用いたソウルフルなメロディー、生っぽいロウ・ハウス的な質感などその全てにおいてオールド・スクールという方向性をひらすら進む。アルバムの幕開けとなる"Interlude"では古ぼけたラジオから流れてくるようなざらついた音質で、ヒップ・ホップなビートとジャジーなホーンが哀愁を漂わせ、いきなり湿っぽい感情を滲ませる。続く"The Love"では本格的にディープ・ハウスのグルーヴを刻み、微睡むような温かいシンセのコード展開と甘く囁くようなボイス・サンプルを用いて、浮遊感さえもある心地良く酔わせる。"Old Dayz"ではガチャガチャとした跳ねるようなブレイク・ビーツが特徴的だが、やはり上モノのサンプルがフィルターによって展開され生々しいファンキーさを生み出している。それ以降はラフな質感ながらも無骨な4つ打ちを刻むオーセンティックなディープ・ハウスが続くが、"John Blue"にしても無駄のない単純な構成ながらもそこには気怠くも甘い陶酔感があり、決してJasonの音楽がクラブで体験する為のダンス・ミュージックとしてだけでなくリスニング的な要素も携えている事は特筆すべきだろう。勿論"Lovedits 7"のように色っぽい女性ボーカルとスモーキーな音質が、Moodymannらしくもある黒くソウルフルなディスコ・ハウスも素晴らしい。前作からこれと言って代わり映えはないものの、だからこそ流行り廃りとは無縁のディープ・ハウスとして正しく評価されるようなアルバムだろう。前作に続いて本作も配信やCDでの販売はせずにアナログのみでのリリースとなっており、その意味でもアーティストの無骨で揺るぎない精神性が伝わってくる。



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| HOUSE10 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Shake - 3AM Jazz Club (Mahogani Music:MM-34)
Dan Shake - 3AM Jazz Club

2014年、Kenny Dixon Jr.ことMoodymannが主宰するMahogani Musicから突如としてデビューしたDan Shake。ロンドンで活動するこのアーティストは、レーベルにとってはデトロイト外からの初のアーティストとなり、執拗にデトロイトという地にこだわり続けてきたレーベルの運営にも影響を与える程だ。しかし、本作を聴けば如何にそれも極自然の成り行きであり、Dan Chakeの才能が如何に突出しているかを理解するのは容易い。J DillaやFloating Points、そしてドラムやパーカッションの面からはTony AllenやFella Kutiから強く影響を受けていると公言する通り、正にその音はMahogani Musicに相応しい黒人音楽を濃縮したようなハウス・ミュージックとして成立している。"3AM Jazz Club"は完全にMoodymannの影響下にあるだろうか、ガヤ声のようなボイスサンプルを用いながらもふらつくようなマイナーコード展開のキーボード使いに、そして厚みあるふっくらとしたキックをドスドスと打ち鳴らしてうねるようなビートを刻み、非常にソウルフルかつファンクな展開で黒く染め上げている。"Thinkin"は対処的に直線的なビート感で押し切る骨太なハウスだが、やはりうっとりと心酔するようなエレピのコード展開が艶めかしく、そこに野蛮かつセクシーな歌が夜へと誘いだすように入ってくる。どちらの曲も何も知らされなければMoodymannの新曲だと思い込んでしまう程にMoodymannらしい曲であり、その意味ではまだDan Shakeの個性を確立させているとは言えないのも事実ではあるが、だからといって本作の価値が損なわれる訳ではない。この作品が間違いなくフロアを沸かすような曲である事は言うまでもなく、何はともあれデビュー作にて強烈な印象を残している。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Life Recorder - Hope In The Soul (Soul Print Recordings:SLPVNL 002)
Life Recorder - Hope In The Soul
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2014年は4枚ものヴァイナルをリリースしたLife RecorderことKriss Kortz。フランス出身のこのアーティストは90年代のテクノやハウス、特にデトロイトとシカゴからの影響を強く受け90年半ばからDJのキャリアを開始し、2005年頃からは楽曲制作も行いトラックメーカーとしても活動をしている。2014年の複数の作品を聴けば遂にその才能が花開くような状態である事を感じるだろうが、本盤もそれを指し示す作品の一つだ。タイトル曲である"Hope In The Soul"はデトロイト・テクノ好きな人の食指を動かさずにはいられない作品で、青々しい広大な空が広がるような透明感のあるシンセの重なりとシャッキリとした軽快かつ跳ねるようなビートはどこまでも爽やかで、そして純真無垢な情緒を発している。"Night Moves"も同様の路線だが切ない郷愁を誘うシンセのコード展開が前面に出て、幾分か内向的なディープ・ハウスという趣もある。どちらの曲も彼が影響を受けたという90年代の懐かしく人肌の温もりを感じるような音質が打ち出され、古き良き時代が蘇るような懐かしさに溢れている。そして注目すべきはB面にはイタリアのシカゴ・ハウス狂いであるSimoncinoが3曲もリミックスを提供している事だ。ビートレスな上に夢のようなシンセを浮遊させてアンビエント風に仕上げた"Hope In The Soul (Simoncino Spirit Mix)"、そしてL.I.E.S.からもリリース歴がある事を思い出させるキックやパーカッションが強調されリズムを強めた意味でのダブ・ミックスな"Hope In The Soul (Simoncino Pressure Dub Mix)"、最後はシカゴ・ハウスの荒ぶるビートと物哀しくも心に染み入るようなパッドが覆う"Hope In The Soul (Simoncino Morning Mix)"と、Simoncinoらしさが存分に感じられる異なるタイプのリミックスが収録され、DJとしてもそれぞれに使い道を見い出せるであろう。



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| HOUSE10 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Glenn Underground Featuring Charles Matlock - The Isms (Strictly Jaz Unit Muzic:SJU12R13)
Glenn Underground Featuring Charles Matlock - The Isms

シカゴ・ハウスの第2世代の中でもGlenn Undergroundの近年の目覚ましい活動には、目を見張るものがある。ここ数年は自身が主宰するStrictly Jaz Unit Muzicから、アルバム/EP問わずに早いペースで新作をリリースしているが、だからといって質を下げる事もなくメロウかつ生音を打ち出した黒いハウスを量産している。本作も同様にStrictly Jaz Unit Muzicからの作品だが、ここではLil LouisとAnthony Nicholsonというシカゴ・ハウスの巨匠がリミキサーとして参加しており、ハウス・ミュージックのファンであれば注目せずにはいられないだろう。GUによる"The Isms"のオリジナルはCharles Matlockの淡々としたポエトリーを配したファンキーなハウスだが、渋いエレピやワウギターなどが終始うねって力強いグルーヴを生んでいる。大きく盛り上がる事も逆に落ち着く事もなく終始ミニマルな展開が続くので、DJ向けの機能性も高められているが、GUらしいオーガニックな作風は黒いハウスとしての匂いを発している。対してAnthony Nicholsonによる"Anthony Nicholson Sleazy Remix"は、爽やかで透明感のあるフュージョン的なシンセを導入しながらポエトリーにもダブ処理を施し、リズムはより砕けたビート感と生音の温かさを打ち出して、正にAnthonyらしい優美なフュージョン・ハウスの音楽性が前面に出た期待通りのリミックスだ。異色なのが奇才・Lil Louisによる"Lil Louis Dub"で、オリジナルに自らの"New Dance Beat"のサンプルを織り交ぜてしまったマッシュアップ的なリミックスを施しており、これはもうアイデア勝負でやったもん勝ちな内容だろう。三者三様、各々の持ち味を主張しながらそのどれもがパーティーを映えるような作風になっていて、充実した一枚になっている。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Oskar Offermann - Do Pilots Still Dream Of Flying? (White:WHITE 018CD)
Oskar Offermann - Do Pilots Still Dream Of Flying?
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一年ぶりに再来日するEdward & Oskar Offermannは、しつこいようだがベルリンのモダンなディープ・ハウスにおける注目の的だ。細かい事はEdwardによる"Teupitz"(過去レビュー)の記事を参照して頂くとして、本作はそんな二人の片方であるOskar OffermannがEdwardに続いて2012年にリリースした初のアルバムだ。ドイツのディープ・ハウスといえば内向的かつメロウなSmallville Recordsは外せないが、Oskarが主宰するWhiteのカタログにはSmallville勢も名を連ねており、つまりはダンス・ミュージックではあるものの派手なパーティーの喧騒とは異なる内なる精神性に目を向けたような方向性はSmallvilleの次世代と呼んでも差し支えないだろう。そんなレーベルの代表であるOskarによるアルバムなのだから、当然と言えば当然でシカゴ・ハウスやUSハウスの影響を感じさせながらもしっとりとした艶のある欧州的なディープ・ハウスで纏まっており、Whiteというレーベルを象徴するような作品でもある。タイトル曲となる"Do Pilots Still Dream Of Flying?"はカタカタとしたシカゴ・ハウスを思わせるビートで始まるが、遠く離れた郷里への思いを馳せるようなメランコリーなサウンドが貫き、アルバムの始まりから切なさが満ち溢れる。続く"Heading Out"では凛とした美しさを放つピアノのコード展開と色気のあるボーカルに魅了され、"Felt Comfty Right Away"では奇妙なボーカルサンプルを用いたながらもジャジーに展開する小洒落た感もあり、"Technicolour Dreams"ではシャッキリとしたビートと浮遊感のある上モノが伸びて飛翔するような軽快さも生み出しと…ディープ・ハウスとは説明したものの、その実ディープな内向性はありながらも音自体は軽やかで柔らかい。ドイツには幾つものディープ・ハウスのレーベルがあり、中にはドラッギーかつ妖艶な作風で大箱向けの作風を得意とするレーベルもあるが、Oskarを始めとしてWhiteの作品はビートの細ささえも音色の美しさをより際立たせるような繊細な音楽性があり、決して大袈裟な展開や派手なネタを用いずに心に染み入るような音楽なのだ。そんな音楽性はEdward & Oskar OffermannによるDJにも反映されており、是非とも今回の来日の際にはそんなDJを体験して欲しいと思う。



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| HOUSE10 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Edward - Teupitz (White:WHITE 016)
Edward - Teupitz
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 Amazonで詳しく見る(MP3)
一年ぶりに再来日するEdward & Oskar Offermannは、ベルリンのモダンなディープ・ハウスにおける注目の的だ。まだ日本ではそれ程知られた存在ではないだろうが2013年にはひっそりと初来日し、小箱であるGrassrootsで奇跡的なDJセットを披露してその実力を知らしめた。事実としてヨーロッパではPanorama BarやRobert Johnsonなどの大箱でもプレイし、またOskarが主宰するWhiteはディープ・ハウスを軸に他の要素も取り入れながら洒落も効いた作風で独自の路線を歩み、DJとしてもアーティストとしてもレーベル主宰者としても実力が認知されている。本作はそんな二人の片方、Edwardが2012年にリリースした初のアルバムであるが、やはりディープ・ハウスを根底に据えながら単なるディープ・ハウスには収まらない作風が見ものだ。何でも本作はEdwardがドイツはブランデンブルク州の"Teupitz"と呼ばれる御伽話に出てくるような村で元となる曲を書いたようで、自然と静寂に対する深い愛を再発見したのを契機に真のハウス・ミュージックへ辿り着いだそうだ。と、そんな背景がある影響か本作はディープ・ハウスを基軸にしながらもフロア・オリエンテッドと言うよりは随分と穏やかで、決して快楽的なダンス・ミュージックだけを目的としているようには見受けられない。勿論DJツールとしての前提は押さえつつも強迫的に踊らせるダンスのグルーヴは存在せず、全体的に線は細く無駄な音も削ぎ落とされ、最小限のメロディーやリズムで揺蕩うようなエモーションを発している。決して熱くなり過ぎずに、決して壮大に盛り上げ過ぎずに、ハウスだけでなくダウンテンポやテクノの要素も取り込みながら夢の中で聞こえるような繊細ながらも心地良いサウンドを鳴らすのだ。研ぎ澄まされ無駄を排した装飾的なダンス・ミュージックは、まるで芸術的でもあり非常に洗練されたモダンなハウス・ミュージックの体を成している。アルバムという形を活かして曲毎に変わった側面を見せる事で掴み所のない飄々とした作風ではあるものの、気軽でリラックスした音楽性は彼がプレイするDJの姿勢にも通じるものがあり、このアルバムから少なからずともDJの方向性は伝わってくるだろう。



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| HOUSE10 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Julian Alexander - Hustlin' EP (Dungeon Meat:DMT 03)
Julian Alexander - Hustlin EP

フランスのBrawtherとUKのTristan Da Cunhaが2012年に立ち上げたDungeon Meatは、アンダーグラウンドの深く暗い闇から生まれたプロジェクトかつレーベルだ。Brawtherについて述べればガラージやUSハウスにも強く影響を受けたディープ・ハウスを手掛けるDJとして高い評価を得ているが、この新たに設立されたDungeon Meatはよりアンダーグラウンドなダンスフロアで機能する事を目的としたDJツール性をコンセプトとしているようで、今までの彼等の音楽性とはまた少々異なる方向を向いている。レーベルは今までにBlunt Instruments、そして彼等自身であるDungeon Meatの作品をリリースしてDJからも好評価を貰っているようだが、レーベルにとって3枚目となる作品はJulian Alexanderなるニューカマーのデビュー作になる。公式バイオグラフィーによればJulianの家系は南アフリカ系で彼自身はオランダで活動を行っていおり、ジャズやヒップ・ホップ、ハウス・ミュージックやUKガラージに影響を受けているとの事。そんな彼にとって初となる作品は、Dungeon Meatというレーベルの方向性に的確に沿ったDJツールとしての機能に特化したハウス・ミュージックを提唱している。"Undrgr"は彼が2年前の16歳の時に制作した曲だそうだが、これが信じられない程に素晴らしい。うっすらと浮かぶ上モノにはディープ・ハウスとしての要素が見受けられるが、トラック自体はギリギリまで無駄を削ぎ落とされてシャープなリズムが刻み、必要なものだけを残した洗練されたミニマル寄りのハウスになっている。"Ascuns"は土着的なリズムが特徴だろうか、しかし温度感や有機物を排したような冷たく無機的で、徹底的に機能性を重視する事でミックスの中でこそ映えるようなトラックだ。タイトル曲の"Hustlin'"も重厚感とバウンス感のあるリズムが貫き、オールド・スクールなハウスを現代へと進化させたような出来で、また"Astral"はダブ処理も効いてより奥深い闇へと潜って行くような暗黒ハウスで、収録された全ての曲が見事にアンダーグラウンドなDJ向けツールとして成り立っている。Dungeon Meatというレーベル、そしてJulian Alexanderというアーティスト、そのどちらにも期待を抱かせるEPだ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Konstantin Sibold & Telly - I'm In Need (Mojuba Records:mojuba 021)
Konstantin Sibold & Telly - Im In Need

ドイツでは既にディープ・ハウスとして高い評価を獲得しているMojuba Recordsより、注目すべき新星が新作をリリースしている。Konstantin Siboldは1987年生まれのDJ/プロデューサーかつマスタリングエンジニアであり、2010年頃からは自身で作品も制作するようになった若手のアーティストだ。今までにもInnervisionsやCocoonにMule Musiqへの楽曲提供を行うなど既に色々なレーベルから目を付けられているようだが、そこでMojubaは彼のソロ作品を単独でリリースするまでに至っている。Mojuba自体はデトロイトなどにも影響を受けたヨーロッパ的ディープ・ハウスを得意としているが、本作はどちらかというとUSハウス寄りな印象が強い。"I'm In Need"は胸が熱くなるようなボーカルも起用したトラックだが、乾いたハンド・クラップやシンプルなシンセのリフが主導するオールド・スクールな味付けがあり、際立った新鮮味はないもののボーカル・ハウスとして90年代のDJセットにも自然と馴染むような味わいがある。それをMojubaのオーナーであるDon WilliamsことOracyがリミックスを行ったのが"I'm In Need (Oracy’s Ancient Technology Dub)"で、こちらはよりDJツール的にボーカルは一部サンプリングで反復されつつ、リズムは滑らかに研磨されてスムースさを増した色っぽいディープ・ハウスへと精錬されている。荒々しくもソウルフルな前者、深い陶酔へと誘われる後者、どちらもMojubaらしい深遠なハウス・ミュージックとして素晴らしい。盤面にはいつも通りで日本語での記載がり、今回は「ひからびちゃうよ」…いや、この作品を聴けば干からびる事はないだろう。



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| HOUSE10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |