CALENDAR
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>
RECOMMEND
RECOMMEND
I KNOW YOU LIKE IT(アイ・ノウ・ユー・ライク・イット)
I KNOW YOU LIKE IT(アイ・ノウ・ユー・ライク・イット) (JUGEMレビュー »)
Shinichiro Yokota,横田信一郎 Shinichiro Yokota,横田信一郎 Shinichiro Yokota
RECOMMEND
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog] (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
RECOMMEND
Mezzanine
Mezzanine (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
メザニーンのリマスターに、上記のダブバージョンを合わせたCD2枚組。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
VISIBLE CLOAKS,YOSHIO OJIMA,SATSUKI SHIBANO
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Joseph Ashworth - Trooper EP (Life And Death:LAD041)
Joseph Ashworth - Trooper EP
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
AnjunadeepやNeedwant Recordingsを含む様々なレーベルからリリースをしているロンドン出身のJoseph Ashworth、公式サイトの案内ではテクノやハウスにエレクトロニカの狭間に存在する独特の音楽を制作し…という記載もあり、確かに過去の作品を聞いてみても力強いクラブトラックからメランコリーなリスニングまで手掛けている。当方はこの作品までアーティストの存在自体を知らなかったもののバナナののほほんとしたバレアリックなムードのジャケットと、そしてシカゴ・ハウスのレジェンドであるRon Trentがリミックスを行っている事に惹かれて購入した次第だ。タイトル曲の"Trooper"はシューゲイザー風な音響の甘いメロディーとズンチャズンチャと軽快なリズムによる明るいエレクトロ・ハウスといった趣きで、大きな展開は無くのびのびとフラットな流れで心地好さが続く。対照的に"Laminated"は爽快なパーカッションが力強く空間に響くトライバルな要素の強いハウスで、中盤にぐっと艷やかなシンセのメロディーが入ってきてドラマティックなブレイクが挿入されているが、基本的にはグルーヴ重視のツール特化型でありフロアを確実に揺らすのは間違いない。だがやはり圧巻はRon Trentのリミックスである"Trooper (Ron Trent Remix)"で、太く力強いキックの端正な4つ打ちが走りつつ陶酔感のあるパッドがすっと伸びていく(まあいつもの彼の作風ではあるのだが)壮大なディープ・ハウスは、色っぽい呟きや優美なシンセの響きも導入しつつエレクトロニックなトリートメントを施されながら、余りにも広い宇宙の中を旅行するようなハイテックな感覚に包まれる。もう一つのリミックスはLife And Deathを運営するDJ Tennisとの共作もしているSebra Cruzによる"Trooper (Sebra Cruz Remix)"で、原曲の雰囲気を変える事はないが音を削ぎ落としてミニマル性を強めながら上モノのメロディーを浮かび上がらせて、すっきりタイトな作風へと生まれ変わっている。オリジナル2曲とリミックス2曲、それぞれにアーティストの個性が表現されていてどれも魅力があり、メロディアスなダンス・ミュージック好きな方には是非とも。



Check Joseph Ashworth
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Papeete Sun - Pacific Soul (Voodoo Gold:VG 007)
Papeete Sun - Pacific Soul

顔面がコラージュされた怪しいジャケットだけを見ては食指は動かないが、試聴をしたところローファイながらもLarry Heardばりの憂いに満ちた切ないディープ・ハウス路線に魅了され、即座に購入を決意した一枚。Papeete Sunなるアーティストについては全く耳にした事がなかったのだが、オランダのエレクトロ・レーベルであるVoodoo Goldからのリリースであり、Voodoo Gold自体がAmazon ClubやAquarian MotionにJeremiah R.といったMarvis Deeの変名の作品をリリースしている事から、どうやら本作もMarvis Deeの変名活動の一つのようだ。様々な変名を用いて膨大な作品をリリースしているDee、切れ味鋭いオールド・エレクトロから情緒の強いシカゴ系のディープ・ハウスにアンビエントな雰囲気やテクノの質感も伴っていたりとその名義の広さと比例して音楽性も幅広いが、どれもオールド・スクールなリズム・マシンの味わいという点で共通項を持っている。さてこのPapeete Sun名義でのデビューアルバムは前述の通りシカゴのディープ・ハウス路線の音楽性が強く、冒頭の"Island Sunset"はビート無しの幽玄なシンセパッドが望郷を誘うアンビエントな曲で、静かな幕開けとして雰囲気を作っている。続く"Pacific Soul"では乾いてカタカタとしたTR系のリズムも入ってきて早速シカゴ・ハウスを見せつけ、そこにHeardばりの胸を締め付けるような切ない感情性豊かなシンセのメロディーも入ってくれば、この時点で心は鷲掴みされるだろう。続く"Life"も全く同じ路線で安っぽいリズム・マシンによる4つ打ちのビートが空虚に響き、そこに悲しみに黄昏れるようなシンプルなコードラインの上モノを配して、メロウさを際立たせたディープ・ハウス。"Exploring Rivers"はややダウンテンポにも寄り添った落ち着きのあるビート感で、シンプルなコード展開とほのぼのとしてベースラインも相まって穏やかさを演出している。裏面も対して大きな変化はなく、"Voices In Your Head"はチャカポコなパーカッションが爽やかに響く中をドリーミーなアナログシンセが夢現な幻想に浸らせるように鳴り、これもいかにもHeardらしいアンビエント感あるディープ・ハウスだ。そして荒れた質感のリズムにスリージーなシカゴ・ハウスらしさが現れている"Expedition"はほんのりと情緒漂うシンセのメロディーも効いていて、悪びれた激しさの中にも優しさが感じられる。最後の"Voices From The Past"ではアルバム冒頭に戻ったかのように再度リズムは無くなり、アンビエント感に満ちたシンセが揺らいで霧に包み込むように微睡みながら消えていく。LPで9曲と実質アルバムとしての作品なのだろう起承転結らしい流れがあり、また1曲1曲がリスニングとダンスのバランスをとったそつのない作りで、この名義でのデビュー作ながらも非常に聴き応えのあるアルバムだ。古典的なディープ・ハウスやシカゴ・ハウス好きな人には、有無を言わさずお勧め出来る。



Check Papeete Sun
| HOUSE14 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pepe Bradock - Exodus 8 (Atavisme:ATA 018)
Pepe Bradock - Exodus 8
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

配信でのリリースが勢いを増すこのご時世にアナログでのリリースにこだわり、そしてアルバムを制作する事なくEP単位でのフロア即戦力となるべきダンス・トラックに重きを置き、奇怪なリズムと音響で聞く者を興奮させ惑わすフランスの奇才・Pepe Bradock。2018年には2枚のEPをリリースしたが本作はその1枚目となる作品で、片面1曲ずつの僅か2曲のみの収録ながらも相変わらずのアブストラクトで奇妙な音響を用いた変異体ハウスによって強烈な個性を発している。"Is This Really A Party?"は鈍いキックが前のめりかつ崩れたビートを叩き出して勢いのある曲だが、序盤から蠢く不気味なベースの低音や摩訶不思議な音響コラージュが炸裂し、明確なメロディーを聞かせる事もなくもやもや抽象的なアブストラクトな雰囲気のままビート感重視で貫く。定形というものが存在しないに等しく常に色んな効果音や響きが現れては消えるコラージュ、掴みどころのない変容性に惑わされながらも、しかし刺激的でアップテンポなグルーヴに体が突き動かされるダンスフロアへと向かう完全にBradockの個性に染まった曲だ。逆サイドの"Grandgousier"はテンポは落ち着きがありフラットな4つ打ちハウスでややクラシカルな趣きもあるが、仄かに情緒的な上モノを配しながらトリッピーで細かいボイスサンプルも織り交ぜつつ、中盤からは幽玄なストリングスも浮かび上がってきて名曲「Deep Burnt」を思い起こさせる上品で優雅なディープ・ハウスになっている。しかしそんな単純な流れだけには当然収まらず、終盤のブレイクで音は一旦全部消失してからダウンテンポを通過し、マッドかつアシッドなハウスへと展開するなど、やはり一筋縄ではいかないのがBradockらしい。両面奇才の才能が現れた変異体ハウス、唯一無二の個性と呼ぶに相応しい。



Check Pepe Bradock
| HOUSE14 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rai Scott - Detached Observation (Church:CHURCHW016)
Rai Scott - Detached Observation
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
Seb Wildblood主宰のChurch Recordsはアンビエントやバレアリックといった流れを汲む新興ディープ・ハウスのレーベルとしては勢いがある一つで、リリースするアーティストもベテランよりはこれからの世代を担うであろう存在が多い。そして2019年の初作はユニットである2DeepSoulとしても活動するスコットランドの女性アーティストであるRai Scottによるもので、過去にはInner Shift MusicやTH Pressingから透明感ある美しいサウンドによる叙情的なディープ・ハウスをリリースしており、おおよそ統一されたその世界観は大らかに包み込むアンビエント性さえ感じ取る事が出来る。ソロ作としては3年ぶりとなる本作もその流れからぶれる事はなく、A面に収録された"Paradise Of Crane"は深い古された言葉で表現するならアンビエント・ハウスといったところか。しかしその緩やかなグルーヴ感は浮遊感が心地好く、大らかなアンビエンス性は澄み切った程に綺麗で、靄がかかったようなパッドの薄い層の上に仄かに情緒を漂わせるシンセが遠くで鳴りながら、深遠な夢の中へ誘う瞑想系ディープ・ハウスはひたすらフラットで安堵の時間が続く。ベルリンからディープ・ミニマルを実践するValentino Moraがリミックスをした"Paradise Of Crane (Valentino Mora Remix)"は硬いリズムによって上下の揺れが生まれてややテクノ化しているが、原曲の大きな空間の感覚を損なわずに、それどこからディレイやダビーな残響を用いる事でより奥深い鳴りを作り出して、体をゆっくりとしかし大きく揺らすダブ・ハウスへと生まれ変わっている。"Lazy Sunshine"も作風は同様で穏やかでフラットなビート感が何処までも伸びていき、しかしここでは薄っすらしたパッドの上にメランコリーな笛らしき音色の旋律がドラマチックな景色を見せる。最後のタイトル曲である"Detached Observation"、フラットな感覚はこれも変わらずだがビートはやや躍動感を増し、そしてパッドの層は厚みを増して空間に充満するように湧き出して、じわじわと壮大に盛り上がっていくスケールの大きさもありEPの中では最もダンスフロア寄りだろうか。どの曲もやや似ている所もありもう少しバリエーションもあると曲毎の個性も際立つかとは思うが、しかし滑らかでフローティング感あるアンビエント・ハウスが彼女の作風でもあり、十分にアーティストの魅力が込められている。



Check Rai Scott
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - The Godson IV (Mahogani Music:MM-42)
Rick Wilhite - The Godson IV
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
デトロイト・ハウスの重要レーベルであるMahogani Musicと言えばKenny Dixon Jr.が率いるだけあり、何はともあれどんなアーティストによる作品だろうと最新のリリースはひと目置かれるが、2018年8月頃にリリースされた本作は特に注目せずにはいられない作品だ。手掛けているのはDixonらとも3 Chairsを結成していたりしたデトロイト・アンダーグラウンドのベテランの一人であるThe GodsonことRick Wilhiteで、所謂スローモーで重心の低いデトロイト・ビートダウンを広めた立役者の一人でもある。本作はアナログではダブルパックながらも4曲のみ、つまりは片面1曲のみと気合の入った構成で、その上Moodymannのかつての名曲"Technologystolemyvinyl"のリミックスも収録されているのだから、是非ともアナログで入手して頂きたいものだ。"Xanadu 3.0"は典型的なビートダウン・ハウスと呼べるだろうか、淡々と刻むキックは錆び付いたような響きでローファイ感があり、そこにジャジーでくぐもったエレピ風のコードを展開するが、大きな衝動を生む事もせずクールな空気感でただただマシンビートが虚空に響く。"Sonar Funk"は呻き声のようなサンプリングから始るが、直ぐに金属が錆びてざらついたキックやハイハットが走り出し、そこに闇の中で蠢くようなキーボードがぼんやりと情緒を添える。奥底では鈍い電子音が微小な音量でループしておりヒプノティックな感覚も加えて、すっきりしながらも荒々しいグルーヴと合わせて燻りながら熱くなるファンキーなハウスを聞かせる。目玉はやはり"Technologystolemyvinyl (Godson's Cosmic Soup Mix)"だろう、キーボードにAmp FiddlerやトランペットにPitch Black Cityらのデトロイトのアーティストを迎えるなど、豪華なアーティストが揃ってのリミックスだ。オリジナルはサンプリングを駆使しながらも生々しくファンキーなジャズ・ハウスであったが、このリミックスではその音楽性を継承しながらも生演奏中心で再現する内容で、けたたましく野性的ながらもジャジーなドラミングと優美なエレピの装飾、そこに熱く咆哮するトランペットも加わって衝動的かつライブの創造性に満ちたジャム・セッション版ハウスを構築している。そして最後はデトロイトのユニットであるFolson & Tateの曲をリミックスした"Is It Because I'm Black (Godson's Flip Mix)"、スカスカな音の構成ながらもどっしりと重いビート感とゴスペル・ハウス風な歌も一緒くたになりP-FUNK風なノリもあるが、このプリミティブなファンク感は正にデトロイトという地から生まれた音楽で、Mahogani Musicからのリリースも納得の出来だ。どうせならこの流れでアルバムのボリュームで作品を聞きたくなる程だが、一先ずはここに収録された曲はどれもDJがフロアでプレイしても盛り上がるであろう内容で、ビートダウン先駆者としての貫禄が発揮されている。



Check Rick Wilhite
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tominori Hosoya - Moments EP (Lights:LIGHTS 01)
Tominori Hosoya - Moments EP

2018年はキャリア初のアルバムをリリースするなど、今まで以上に躍進を果たしたのがTominori Hosoya。Tomi Chairの変名も含めれば随分と長い活動歴を持ち、ここ数年はTH PressingやTC Whiteなど自身のレーベルも立ち上げて、自身の作品をリリースする傍らでは音楽性に共感するアーティストの作品も送り出したりと、音楽に対する熱意は高い状態を保っている。そして2018年に新たに立ち上げられたレーベルがLightsで、他のレーベルとの違いについては把握していないものの、音楽性自体はHosoyaらしい透明感や爽快感にエモーショナル性が込められたテクノ/ハウスとなっており期待を裏切らない内容だ。本作は実は既発の曲も含まれているのだが、2017年に配信で他のレーベルからリリースした作品が、しかしそれらはレーベルの消滅と共にオンライン上から失われてしまったそうで、そんな曲のアナログとしての形での復活に加え未発表バージョンや新曲も収録する事で、新たな一枚として完成した。"Midnight Drive On St. Valentine"はその失われた1曲で、叙情性豊かなシンセのメロディーとパーカッシヴなグルーヴで快活に走り抜けるディープ・ハウスは爽快感抜群で、底抜けに青い大空へと吸い込まれていくようだ。コンガらしきパーカッションが心地好く空を抜ける"Palm Springs (Pure Memory Version)"も安定感あるビートが続きながら疾走するハウストラックで、エモーショナルで澄み切ったシンセの美しさはあるもののしかし空間を埋め尽くされないように音を選んだすっきりした構成で、そのおかげかより疾走感が活きている。"Mother's Pride"は失われたもう1曲、どっしりと重いキックが安定したグルーヴを刻みそこにアトモスフェリックな上モノが覆い被さっていくアンビエント色強めなディープ・ハウスでだが、薄っすらと情緒を発する中に入ってくる豊かな色彩感のあるメロディーによって壮大な景色が広がっていく。最後の"Slow Growth In Womb"は新録で水蒸気に満たされたようなしっとりとしたアンビエントの雰囲気に中にキレのあるハイハットやずっしりしたキックがリズムを作り、シュワシュワと情緒が溢れ出してくる上モノのシンセが持続する曲は、しかし他の曲に比べるとやや密閉されたフロアで鳴るテクノ的な印象を受ける。野外の開放感、または暗き闇が支配するフロアなど曲によって受け取る雰囲気は異なるが、しかしどれにもHosoyaらしい情感豊かなシンセによる耳を引き付けるメロディーが魅力的に存在しており、エモーショナルな響きが体の隅々まで伝わってくる。



Check Tominori Hosoya
| HOUSE14 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
S3A - Sydmalaide EP (Local Talk:LT090)
S3A - Sydmalaide EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

日本のハウス・パーティーでもありレーベルでもあるEUREKA!でお馴染み、そしてSoundofspeedやQuintessentialsといった人気レーベルから作品をリリースするなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する新生代ハウス・アーティストであるS3A。Sampling As An Artを称するその音楽性は勿論サンプリングを武器にジャズやファンクにディスコを咀嚼したクロスオーヴァーなハウスで、エネルギッシュに弾けるグルーヴと陽気かつエモーショナルなムードに染めながらご機嫌なパーティー感覚に包み込む。新作はスウェーディッシュ・ハウス代表格であるLocal Talkからとなればお墨付きを頂いたようなもので当然外す事はないのだろうが、それでも期待を裏切らずに見事な曲を揃えている。冒頭の"Premiere Rexidence"からしてファンクかディスコをサンプリングしたであろうその手腕が映える作風で、流麗なキーボードのコード展開に対して魂を吐き出すような熱い歌やギターカッティングがファンキーで、派手派手しくも優雅さも兼ね備えたファンキー・ディスコ・ハウスはS3Aに期待する音楽そのものだ。"End Track For A DJ"は更に手数が多くイケイケアッパーなハウスで、ゴリゴリと骨太で荒いビートを叩き出しつつゴスペル風の雄叫びやボイス・サンプルをたんまりと織り交ぜ、そして分かり易いシカゴ・ハウス風なピアノのコードや麗しいストリングスの装飾なども現れて、これ以上はないという位にポジティブなエネルギーが爆発するピークタイム仕様だ。また光沢感を発するような輝かしいディスコ・フィーリングに溢れた"Searching Force"はエフェクトをかけて展開する懐かしくもあるフィルター・ハウスで、作風としての目新しさはないものの優美なピアノやストリングスのサンプリングネタのセンスが断然に素晴らしく、フロアを盛り上げる術を熟知したと言っても言い過ぎではない。最後の"Deep Mood Vol.4"はそれまで上げ上げだった曲への反動という事でもないのだろうが、パーカッションは弾けながらも重心の低いベースラインとマイナー調のコード展開による訝しいディープ・ハウスで、このぼやけた黒さはデトロイト・ハウスの系譜上にあってもおかしくはない。単にアッパーに盛り上げるだけではなく雰囲気を持続させるための曲でも才能を発揮するS3A、そこに懐の深さを見出だせるのだ。EP単位では文句無しに魅力的な作品をリリースし続けているので、そろそろ総括としてアルバムも期待したいところだ。



Check S3A
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Session Victim - Dawn EP (Delusions Of Grandeur:DOG71)
Session Victim - Dawn EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

近年は遂に自分達のレーベルであるPen & Paperも立ち上げて更なる躍進を果たしているSession Victim。ディスコやファンクにジャズの要素をサンプリングを用いて取り込み、ライブフィーリング溢れるディープ・ハウスの制作を得意とする彼らの活動は、事実DJではなくライブによって完成する。つまりキモはサンプリングとライブ性にあるのだが、彼らの拠点の一つでもあるDelusions Of Grandeurからの新作は、様々なアーティストをフィーチャリングする事でより豊かな音楽性を獲得する事に成功している。先ずタイトル曲である"Dawn"は音楽的に共通項が多く同様にサンプリングやエディットを武器にするNebraskaとの共同制作で、ざらついて生々しいハウスの4つ打ちを下地にファンキーで温かいベースライン、そして耽美なピアノやギターカッティングらしき音など生音風な要素を合わせて非常にSession Victimらしいエモーショナルなディープ・ハウスを展開している。目新しさとか流行とかそんな物には一切目もくれず、どれだけ自分達のスタイルの濃度を高められるかという気概さえ感じられる作風で、これだけでSession Victimの魅力は十分に伝わる筈だ。"The Taste Of Life"ではシンセサイザーにJimpsterとKettenkarussellの一人でもあるLeafar Legovが参加するなど非常に豪華な人選だが、こちらもざっくりと艶めかしいジャジー・グルーヴを基調に、シンセ・ファンク的なボーコーダー使いやふわふわとした耽美なシンセが多層に展開し、リラックスしつつメロウな雰囲気を作り出しているのはシンセサイザーに起用された二人の音楽性が影響を及ぼしているのは明白だ。またIron Curtisとの共同制作である"Hear The Sun"も強力な曲で、ボーコーダーを用いたボーカルのレトロ感覚にコズミックかつ哀愁滲むシンセワークによって、懐かしさと切なさがぐっと込み上げる感動的な展開を繰り広げるディスコ・ハウスは特に耳に残る。そして意外な組み合わせにはなるのだろうが、深遠なダブ音響を得意とするエレクトロニックなディープ・ハウスのSven Weisemannがリミックスで参加している。"Dawn (Sven Weisemann's ReDawn Inbassed Mix)"は完全に原曲のイメージをWeisemannの個性で塗り替えており、音の隙間を強調しながら残響によって美しい余韻を作るダビーなディープ・ハウスで、やや温度感を下げて淡々としたムードに抑制しながら美しさを閉じ込めたような上品というか優美なリミックスだ。4曲どれも文句無しの力作で期待を軽く越えてきたEP、その才能は本物でまだまだSession Victimの躍進は止まりそうもない。



Check Session Victim
| HOUSE14 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Altz.P - La Toue (ALTZMUSICA:AMNCD007)
Altz.P - La Toue
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
大阪を拠点に活動しディスコ・ダブやコズミックの流れにおいて異彩を放つAltz、過去にはBear FunkやDFAに時空などから土着感溢れサイケデリックな空気が充満するDJトラックを送り出してきたが、その音楽性をバンドという形で昇華させたプロジェクトがAltz.Pだ。2013年にはCrue-l Recordsから『Dodop』(過去レビュー)をリリースし、アシッド・ベースを用いながらも中近東辺りの訝しいエキゾチックな音と原始的な力が溢れる肉体性を伴うディスコ・サウンドを披露し、バンドという形でこれまで以上の生々しいサイケデリアを成し遂げていた。それから6年を経てようやく完成したアルバムはドラマーやベースにエレクトロニクス、そして4人の女性ボーカルグループも迎える事で、『Dodop』が成し遂げた音楽性が更に芳醇に熟成しながらAltzの土着サイケデリアが爆発している。タイトル曲の"La toue"からしていきなりダビーなドラムや生々しいベースが土臭さを放っており、しかしロボット・ボイスも用いたりコズミックな電子音はシンセ・ファンクの要素も所々に感じられ、一体何処の国の音楽なのかという不思議な異国情緒に包まれる。そして初CD化の"Dodop"も当然素晴らしく、深い密林の奥で催されているようなスピリチュアルな祭事というか、アシッド・ベースが催眠的に効きながらもアシッド・ハウスの快楽性とは異なる肉体の目覚めを促すファンクネスが貫いており、そして途中から加わる祈りのような女性コーラスが更に神秘性を強めて、秘境に誘うサイケデリック・ディスコ・ダブを展開する。Altzらしいディスコ・ダブだったタイトル曲のバージョン違いである"La toue (Breaks Version)"は、よりサイケデリック・ロック化したドラムが強調されてリズムは生き生きとしているが、奇妙に飛び交うコズミックな電子音やレトロなシンセの作用によって、ニューウェーブ調に染まった退廃的なロック調か。最もAltzらしい正体不明の異国な雰囲気を纏うのが"Esti Chaloe"で、民族楽器であろう不思議な弦と歪な電子音による鈍重としたサイケデリアを演出し、そこに不気味ながらも祈りにも似た歌が加わって一気にスピリチュアル性を増していく。そして10年前にAltzが制作した"Epics and Donuts"の現代バージョンである"Step Step Step"で祝祭感もあるニューウェーブ色強いロックを通過し、最後は4人組女性コーラスグループの「マリリンズ」による歌のみを用いた"Dodop vox"でその執拗で魔術的な歌が頭の中にこだましながら、サイケデリックな空気が渦巻きながらアルバムは幕を閉じる。Altzらしいディスコ・ダブやコズミックな要素はバンドという体型を成す事でDJツールという形から解放されてより表現力が豊かになり、更に艶かしい妖艶さやスモーキーな土着性を獲得して、怒涛のディスコ〜ファンク〜ロックを展開するに至っている。来週末にはヴィジュアル演出も加わったバンドライブが予定されており、ライブへの期待は高まるばかりだ。



Check Altz
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mr Raoul K - African Paradigm EP 1 (Compost Records:CPT 536-1)
Mr Raoul K - African Paradigm EP 1
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
西アフリカはコートジボワール出身のMr Raoul K、自身のBaobab Musicを始めとしMule MusiqやInnervisionsにStill Musicから作品をリリースする実力派。西アフリカ出身から想像される音楽性、つまり民族楽器や有機的な響きの楽器を駆使したオーガニックな音楽性を現在活動の拠点としているドイツのディープ・ハウスと融合させて、アフロ・アフリカンなダンス・ミュージックを自分の個性として確立させている。DJとしてよりもアーティスト性を重視しており積極的に色々なアーティストとコラボレーションを行い、他者の音楽性も活かしながらディープな音楽性を開拓しているが、本作でもそんなコラボレーションは見事な形となって結実している。"Tamale"はボーカルにギニアのボーカリストであるSona Diabateを迎え、そしてInnervisions等でも活躍し頭角を現しているRancidoをフィーチャーしているが、そんなアーティストの起用の影響は音に現れている。アフロで民族的なパーカッションは当然としてダークでエレクトロニックなベースラインや妖艶な上モノはRancidoの影響か確かにInnervisionsの系譜上にあり、そして曲の途中から挿入される魂を捻り出すようなソウルフルな歌はひんやりとしたトラックに熱い感情を付け加える。今までの作風以上に強いエレクトロニックな音響や祈るような歌は、トランス効果となって働き快楽性を誘いながら、疾走するビート感も伴ってフロアを撹拌する非常に攻撃的な曲になっているのだ。そしてもう一曲はコラボレーションではないものの以前から交流のあるHiroshi Watanabeがリミックスをした"African Paradigm (Kaito Remix)"が収録されており、原曲が収録されていない為それとの比較は出来ないものの、有機的で柔らかい響きのギターを導入している点は新生Kaitoの流れの一環だろうか。リズムは跳ねながらも間を作ってすっきりとした軽さがあり、そこにメロウなギターや美しく荘厳なシンセストリングスを織り込んでじっくりとドラマティックに盛り上がっていく民族的かつテック・ハウスな作風は、Mr Raoul KとKaitoの個性が融合し一つとなっている。両曲とも長く壮大な構成でそれ一曲でインパクトを与える威力があり、互いのアーティストの音楽性が存分に発揮された一枚だ。



Check Mr Raoul K
| HOUSE14 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |