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Esteban Adame - Descendants EP ( Epm Music:EPM15V)
Esteban Adame - Descendants EP
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Galaxy 2 GalaxyやLos Hermanosなど伝説的なユニットの一員として、また自身が手掛けるプロジェクトのIcanやThee After Darkとして、鍵盤奏者の力量を発揮し活動を続けるEsteban Adame。当然彼が手掛ける作品も単なるツール的な音楽と言うよりは、鍵盤奏者としての才能を感じさせる展開の広さや流麗なメロディーを活かした作風が多く、テクノにしてもハウスにしても、またはフュージョン性を打ち出した音楽でもデトロイトのエモーショナル性を前面に出たものが多い。久しぶりとなる新作の"Descendants"も彼の作品にしては随分と弾けるようなキックやキレのあるパーカッションが疾走するテクノ色の強い曲だが、そこに入ってくる伸びのあるシンセやコズミックな電子音の煌めきが感情性豊かに広がり、デトロイト・テクノらしい希望に満ちた世界観を作り上げている。全く情報が見つからないTresilloなる新鋭による"Tresillo Remix"は、原曲の飛翔していくような感覚に比べるとしっかりと地に根を張るように重心は低く安定感があり、切り刻まれるような規則的なハイハットの下ではうねるベースラインが躍動し、ややダークな空気を纏った夜のテクノを匂わせる。しかし本作で多くの人が注目するであろうのはデトロイト・テクノの始まりであるJuan Atkinsによる"(Juan Atkins Remix)"であるのは間違いない。これこそ正にAtkinsが得意とするエレクトロ・スタイルであり、痺れるような重低音のベースに鋭利なキックやハイハットのリズム帯が強調された攻撃性があり、しかしそこには広大な宇宙の深さが広がるコズミックかつエレクトロなピコピコサウンドも大胆に導入され、古き良き時代のデトロイト・テクノの現在形としての形も成している。言われなければ分からない程に完全にAtkinsの作風に染まっており、近年の活発な音楽活動が実っているいる証拠だ。



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| TECHNO13 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vangelis Katsoulis - If Not Now When (Utopia Records:UTA004CD)
Vangelis Katsoulis  - If Not Now When
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古典になっているハウス・ミュージックの掘り起こしから、現代的なジャズや電子音楽にまで影響を受けたダンス・ミュージックまで手掛けるUKの新興レーベルであるUtopia Recordsは、確かにカタログにLars BartkuhnやModajiが並んでおり、まだ作品数は少ないもののレーベルの方向性は窺い知れるだろう。そのレーベルにとって初のアルバム作品を提供したのがギリシャのシンセサイザー奏者であるVangelis Katsoulisで、1980年代前半からジャズを基調にニューエイジやフュージョンも融和させながら活動を続ける大ベテランだ。2015年には彼の曲を現在のダンス・ミュージックのアーティストにリミックスさせた『The Sleeping Beauties Remixed』(過去レビュー)も送り出し、ジャズや現代音楽からよりダンスへと接近するような方向性も示唆していたが、その結果としてこのニューアルバムは確かにジャズが軸にありながらも現代的なバレアリックやアンビエントの感覚も含んだモダンな作風になっている。始まりの"All The Blue Skies"から自由なビートを叩き出すジャズ色強めだが、オーガニックとエレクトロニックの調和や美しいサウンドスケープが広がっており、やはりジャズを提示すると言うよりは結果的にベースにジャズがあるもののコンテンポラリー・ミュージックと呼んだ方がしっくりくるか。続く"Zarrin"ではビートは排除しつつ女性の優しいボーカルを導入し、静謐で研ぎ澄まれたピアノの旋律を基に白昼夢を誘うかのようなアンビエント的な面も。そしてテクノの要素を取り入れた"Grand Delusions"では硬いビートがリズミカルに弾けるが、やはり温かくドリーミーな上モノはバレアリックの開放感があり、リスニングとダンスの程良い中庸を保っている。トランペットを導入した"Midsummer Tobago"もややジャズの匂いはあるものの、情緒的な雰囲気を生むシンセサイザーのな導入によってニューエイジ的な曲調になったり、深みのある音色を聞かせるフリューゲルホルンを用いた"It Not Now, When"もジャズに加えてダブの音響や透明感を作る電子音のヴェールが効果的に作用しており、単にジャズと呼ぶには難しい現代的な感覚が通底している。音楽的にはECMや昨今再評価の高いGigi Masinと近いだろうか、単に古典に留まらずに現代音楽ともコミットする拡張性があり、それでも尚クラシカルな響きもある実にリスニングとして心地良い現代音楽だ。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Akufen - EP (Karat Records:karat 57)
Akufen - EP

途中でHorror Inc.名義でも作品を出しているのでご無沙汰という訳でもないが、Akufen名義としては実に5年ぶりとなる新作をリリースしたMarc Leclair。00年代初頭のクリック・ハウス全盛時の牽引役としてマイクロ・サンプリングなる手法でぶつ切りサンプリングを用いたファンキーなハウスを開発したアーティストだが、精神面での悪化により一時期は全く音楽活動を行っていない時期もあった。しかし近年のHorror Inc.も含めて再度シーンへと返り咲くように良質な作風は戻ってきており、そしてこの最新作にてアーティストとして全盛時にも劣らない程のマイクロ・サンプリングを披露して完全な復活した事を示しているようだ。ここに収録された曲はネットでのライブ映像を見る限りでは2015年頃にはプレイされていたのだが、ようやくリリースされただけあってどれも実にAkufenの本領発揮と言わんばかりの作品だ。"U"かしてあちらこちらに飛散するような可愛らしいメロディーとボーカル・サンプルを用いてファンキーなグルーヴを生んでいるが、そこに荘厳なストリングスが入ってくると途端にぐっとエモーショナル性を強めたり、同じ曲の中での雰囲気の変化も面白い弾けるダンス・ミュージックだ。最もAkufenの典型的なぶつ切りサンプリングの妙技を楽しめるのは"Death Of A Mascot"だろうか、序盤からぐるぐるとロールするような奇怪な旋律が躍動し、そして跳ねたシャッフル系のリズム感と細かく刻まれた有機的なサンプルが現れると一気にファンキーさとコミカルさを纏って躍り出す。対して"Make Bagels Not War"も様々なサンプリングが登場するも、音調としてはマイナーで妖艶なベルの音が真夜中のムードに染めるようだ。そしておどろおどろしい上モノが不気味な"Seizure Salad"はやや前のめり気味な勢いがあり、コロコロとした転げ落ちるようなぶつ切りサンプリングと合わせて大胆な躍動感を感じさせ、フロアにおいて力強く揺さぶるのに適しているだろう。どれもこれもAkufenらしい大量かつ繊細なサンプリングの導入と、跳ねて弾けたリズム感が炸裂したとびっきりにファンキーなハウスで、文句無しにこれぞAkufenだと言えるだろう。



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| HOUSE12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yagya - Stars And Dust (Delsin Records:118dsr-cd)
Yagya - Stars And Dust
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今や昔懐かしクリック・ハウスなるジャンルの先導的立場であったForce Inc.というレーベルが、そのバブルが弾けレーベルも休止をするその少々前に華々しくデビューさせたのがアイスランドのAoalsteinn GuomundssonことYagyaで、GasやBasic ChannelにBrian Eno等のダブテクノからアンビエントに強く影響を受けた音楽性が一部の人に注目され、レーベルが停止した影響の希少さからもカルト的な扱いを受けていた。近年はマイペースに活動を続けておりどういう訳か2014年にはデトロイト・テクノ系の音には強いオランダはDelsinからもアルバムをリリースしているが、そこでの評価も良かったのだろうか次作の2016年作となる本作も同様にDelsinからリリースされている。作品毎に極寒に覆われたようにチリノイズが浮遊するダブテクノから、女性ボーカルも導入したポップでアンビエント性の高いテクノ、またはビートに重きを置いたグルーヴ重視のダブテクノなど、多少の変革を用いながらアーティストとしての進化/深化を遂げているが、本作でもまた今までの作風から変化を見せている。浮遊感と抽象的で淡い響きのある上モノが広がっていく"Train Station's Dustlight"からして、4つ打ちのビートは入るもののパーティーでの強烈なグルーヴとは異なる水面に波紋が広がるような穏やかなリズムで、アンビエント性を高める事に寄与しているようだ。"Crepuscular Rays Over The Horizon"は雪の中でほんのりと火が灯るような温かいピアノの旋律をしんみりと聞かせて、そこに荘厳なパッドや宗教的な女性の声を楽器的に伸ばしながら、実に幻想的で儚いダブテクノを聞かしている。日本人女性のNatsuko Yanagimotoを起用した"Motes In The Moonlight"は、ダウンテンポ気味の詰まったようなリズムと程良いリバーヴを用いてダブの音響面が強調されているが、やはり幻のような声が用いられる事で世界観としてはドリーミーなアンビエントに満たされている。確かにどれもダブの音響やアンビエントな浮遊感はあるが、例えば傑作と呼ばれるデビュー作の『Rhythm Of Snow』(過去レビュー)のような極寒の中の吹雪が吹き荒れるような荒々しいアブストラクトなダブテクノではなく、同じ雪景色でも静寂の白の世界にしんみりと雪が降り積もるような感覚であり、音調は一定して穏やかだ。聞きやすい分だけYagyaとしての個性は弱まったように思う所もあるが、しかし官能的でさえある美しいメロディーや音響は特筆すべきで、この手の音楽の模範とされるべきにも思われる。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Heavenly Music Corporation - Lunar Phase (Astral Industries:AI-06)
Heavenly Music Corporation - Lunar Phase
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UKはロンドンにて昔の埋もれた奇妙な電子音楽を掘り起こすカルト的な活動をするAstral Industries。基本的にはヴァイナルに拘った制作も前提で、そんな事もありちょっとした注目を集めているであろうレーベルが次に掘り起こしたのは、1995年にKim CasconeことHeavenly Music Corporationが手掛けた『Lunar Phase』。何でもこちらは日本衛星デジタル音楽放送のSt. Giga用に制作されたアルバムだそうで、24時間環境音を流し続けるという正にアンビエントを体現していた放送局だったようだ。そんな局の為に制作された音楽なのだから当然内容は全編アンビエントやニューエイジと呼ばれるもので、特に『Lunar Phase』というタイトルからも分かる通り宇宙空間や無重力感を連想させる曲が中心で、トリップする為の音楽としては最適だろう。アナログ化に際し曲順には手が加えられており、A面には10分越えとなる"Energy Portal"と"St. Giga"が収録されているが、川のせせらぎや鳥のさえずり等の環境音に人の声も用いながら天の川の中を遊泳するような電子音が漂うドリーミーなアンビエントの前者、星が瞬くような電子音を散りばめて広大な夜空を表現したような無重力アンビエントの後者、どちらも地球の重力から解き放たれ宇宙遊泳に没頭するようなトリップ感が溢れている。一方でB面には6分前後の曲が4曲収録されており、遠くまで広がっていくような電子音のリフレインが心地良い"Lunar Phase"、光の粒子のような音がアルペジオをなぞり上昇気流にのって宇宙空間を飛翔するような"Cloudless Light"、最後には空間が捻れるような電子音の奥でアシッドが蠢く不気味なジャーマン・プログレ風の"Orgone"と、A面に比べると何だか躍動感も多少は感じられる。地球から浮上し自らが月となって地球や宇宙を見渡す如くの何処までも広がりのある揺蕩うアンビエント、決して今聞いても古臭さは感じさせずに十分にインナートリップを誘発するには十分過ぎる程の内容だ。本作のリイシューはAstral Industriesというレーベルの評価を高める事にも寄与するに違いない。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |