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Pan Sampler Vol.2 (Pan Records:PAN 04)
Pan Sampler Vol.2

Ryo Murakami、DJ PI-GE、Sisiが運営するPan Recordsのレーベルサンプラー第二弾。新進気鋭のアーティストを起用しながら日本から世界へ向けて発信されるディープ・ハウスは、正にディープと言う表現が適切なフロアに広がる闇夜に密接にリンクした音を鳴らしている。本作ではRyo Murakami自身の曲と共に、MojubaからはSven Weisemann、海外のレーベルからのリリースで注目を集めつつある日本人アーティストのImugem Orihasamの曲も収録され、それぞれが空気の揺らぎさえも伝わるような奥深い音響を生み出している。Svenによる"Nandus"は所謂体が動き出すダンストラックではないが、彼らしいナチュラルで繊細な音質をねっとりとしたダブ処理で平たく延ばし、様々な音が融解するアンビエンスを生み出している。対してImugem Orihasamの"Hellucination"はダブ・ステップも意識した躍動するリズムとダブ音響が刺激的だが、しかし淡々と発しては消えて行くソナー音のようなパッドが物悲しくもあり、深海を航行する潜水艦のように孤独でもある。徹底して感情を排した冷たさが思考を停止させ、真っ暗闇に包まれたフロアに居る人達を更に深く深く潜らせて行くだろう。際立った個性を放っているのはRyo Murakamiによる"Deep Forest"だろう。タイトル通り濃霧が広がる森の奥へと誘われるようにフィールド・レコーディング風にも聞こえるノイズやSEを多用し、霧の奥からはアコースティックな音やぼやけたシンセ音が浮かび上がっては消え、宗教的にも感じられる崇高な世界を創り上げているのだ。Mike InkによるGas名義にも似たドローンアンビエントは、ただひたすら心地良い。

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| HOUSE8 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes (Rush Hour Recordings:RH 046)
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes
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一時期の低迷から脱して絶好調な活躍をみせるRecloose、2012年における3枚目のリリースは蜜月の関係にあるオランダはRush Hourより。Reclooseと言えば元々はCarl Craigに見出されPlanet Eからデビューしているが、Rush Hourもデトロイトを深く掘り下げるレーベルである事から、両者の相性はきっと良いのだろう。本作はReclooseの作品をデトロイト関連としてAndresとThe Oliverwho FactoryがリミックスしたEPだが、これが期待していた以上に素晴らしい。Andresによる"Electric Sunshine (Andres Remix)"はオリジナルのフュージョンを思わせる艶のあるシンセサウンドは残しながら、見事にフロア仕様の4つ打ちへと変わっている。ざっくりと生の質感が強いキックやパーカッション類は体温とフィットするようで、ブギーハウスな聞こえ方さえする。オリジナルはR&Bシンガーを起用したソウルフルなフュージョンハウスだったのを、完全なテクノ仕様にリミックスしたが"Magic (Oliverwho Factory Remix)"だ。ボーカルも残してはいるものの南国の温かなムードは消え去り、展開を抑えて肌に突き刺さる攻撃的な染め上げたテック・ハウスだ。また新曲である"Chamois"も収録されているが、これはReclooseの活動に脂が乗っている事を証明する最高の曲だ。ディスコテイストな綺羅びやかシンセを用いつつ、ファンキーなベースラインや疾走感のあるリズムによって体が自然と動いてしまう。フィルターを使用した展開の付け方が派手でもありながら優雅な佇まいさえある洗練された音の選び方には、Reclooseの繊細さと大胆さが見事に共存している。リミックス、新曲のどれもが心底素晴らしい内容で、そろそろこの路線でアルバムをリリースして欲しいと思う。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Invisible - Generational (Ninja Tune:ZEN12342)
The Invisible - Generational
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Matthew HerbertのAccidentalからデビューし、その後はヒップホップやブレイク・ビーツを開拓したかのNinja Tuneへと移籍し活動を続ける事は、言うまでもなくユニークな音楽性を持っている事の証だろう。そんな経歴を持つのがUKのトリオバンドであるThe Invisibleだが、本作で驚くべきはそんなバンドの作品をTheo Parrishがリミックスを施している事だ。ジャンルを超えてさえその手腕が求められた結果と、そしてNinja Tuneとの絡みと言う意外性も楽しみではあるが、先ずはThe Invisibleのオリジナルについて。"Generational"はくぐもったサイケデリックなギターが目も眩むような毒々しさを放つが、それと共に哀愁がたっぷり乗ったボーカルやメロディーが現世に意識を保つエレクトロニックなロックだ。ラフで荒々しい音作りは良い意味での臨場感や空間の広がりへと繋がってロック感を生み出しているが、DJによってはミックスの中に組み込めるダンスな4つ打ちのビートもある。それを完璧に自分の色に染め上げたのが"Generational (Theo Parrish Remix)"なのだが、先ず驚くべきは5分程のオリジナルを15分と言う大作に生まれ変わらせている事だ。その上でロック色を払拭したロービートの無骨なリズムが下地を強化し、もやもやと奥の方で鳴る不鮮明なシンセとは対照的に表面ではギラついた光沢のあるシンセが酩酊のメロディーをなぞり、徹底して底を這うようにずぶずぶとした足取りのグルーヴで異形の世界へ引きずり込む音響が圧巻だ。テンポは遅いのにひりつくような緊張感、神経質に差し込んでくる気の抜けない音が、15分と言う長い時間を全く飽きさせる事なく強い吸引力を持って耳を惹きつけるのだ。もはや完全にオリジナルと呼べる程までのリミックスで、Theo Parrishの個性がひしひしと感じられる一枚だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Yuri Shulgin - Beluga (Black Wall:blwa-001)
Yuri Shulgin - Beluga

2010年に突如としてMistanomista名義でデビューし、自らも各楽器の演奏が出来るマルチプレイヤーとしてのロウなハウスで注目を集めたYuri Shulgin。ロシアを含めた旧ソ連圏のディープ・ハウスは、例えばVakulaやAnton Zapを含めてにわかに盛り上がっているが、このShulginも注目に値するアーティスだ。本作は自身のレーベルであるBlack Wallを設立しての第一弾作品となるが、DJではなくアーティストとしての面を打ち出した楽曲制作を十分に活かした内容となっている。オリジナルはしなやかに跳ねるブロークンビーツの上を透明感のあるパッドで滑らかに統制をとりつつ、束縛から解放されて自由気ままに幻想的なメロディーを奏でるシンセを被せ、セッションを思わせる躍動させ見せるディープ・ハウスだ。自然であるがままの温かさが通底しており、また煙たくなり過ぎない適度な黒さのバランス感覚が長けている。ノルウェーからの新星であるAnders Wasserfallのリミックスはよりディープ・ハウスとしてのスタイルを進めた4つ打ちの安定したリズムを刻んでいるが、端正なエレガンスを纏いしっとりとしつつDJツールとしてハウスの機能を上手く高めている。対してShulginと同じくロシアで活動するAlex Danilovのリミックスはふらつく酩酊感を打ち出したロウな質感のディープ・ハウスで、肉を削ぎ落して何処か気の抜けたドライな感情が漂っている。最後のInsane Bass Versionは誰が手掛けたのかは不明なものの味気ないアシッドなベースやハンドクラップを多用したシカゴ・ハウス仕様だが、途中から徐々に幽玄なメロディーが微かに入ってくる対比の展開が美しくもある。それぞれ個性のあるリミックスとなっておりどれもフロアで機能する事も間違いなく、ロシアンハウスの躍進は目が離せない状況だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Bodily Functions Remixes (Accidental Records:AC61)
Herbert - Bodily Functions Remixes
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Matthew Herbertが2001年にリリースした大傑作である"Bodily Functions"が、12年の時を経てリイシューされるのに合わせ新たなリミックスを収録し先ずはEPがリリースされました。新録はエレクトロニック・ミュージックの奇才であるDJ Kozeとポップでユーモア溢れるテクノを手掛けるDave Ajuによる2曲で、実験的なHerbertの曲を生まれ変わらせるのに最適な人選だったと言えるでしょう。"You Saw It All (DJ Koze Mix)"はワルツ風に優雅な舞踊を思わせるギクシャクとしたリズムに作り変え、笑い声やノイズ交じりの可笑しな音響の中にオーボエや鉄琴など可愛らしい音も盛り込んで、脱力気味なダウンテンポとして再生させています。一方原曲の物憂げなイメージを追いかける"Foreign Bodies (Dave Aju Mix)"は、細かな音が入り組んだ原曲から音を削ぎ落として歌によるムードをより強調したディープなダウンテンポへと作り替えています。どちらもHerbertの小洒落た感覚と実験的な精神を受け継ぎながら、しかし決して難解さを強調するような事もなく、あくまでユーモア溢れる愛らしい作品である事が素晴らしいですね。裏面には2001年当時にリリースされていた"Back To The Start (Mr.Oizo 'Non' Mix)"も再録されていますが、こちらはMr.Oizoらしい癖のあるファンキーなエレクトロトラックで、オリジナルの繊細で耽美なメロディーを払拭した完全個性派仕様。どれも踊り疲れた朝方のフロアで良いムードで聴けそうな内容で、是非ともDJによってミックスされながら聴きたいものです。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Homepark - Fill Emptiness EP (Ornate Music:ORN 014)
HomePark - Fill Emptiness EP

ロンドンからの新星ハウスユニットであるHomeparkの一年ぶりの新作。2010年にはアンダーグラウンドで注目を集めている3rd Strike Recordsからのリリースもあり注視していたところ、2012年には遂にOrnate Music - ロンドンの新興ハウスレーベルで、美しいディープ・ハウスが特徴 - からも本作をリリースし、その実力が本物である事を証明した。タイトル曲の"Fill Emptiness"はOrnate Musicが得意とするゆったりとしたディープ・ハウスであり、シカゴ・ハウスを思わせるベースサウンドや幻想的なパッドの延びはアナログ感覚が打ち出され、耳への優しい響きがとても心地良い。淡白なパーカッションや精密に編み込まれたキックやハットも含めて何処か乾いた印象があるが、その実淡々としたエモーションが通底していてラグジュアリーなムード感さえある。"Fall Down On Me"もシカゴ・ハウス色を覗かせるキックやパーカッションに幽玄なパッドを組み合わせたディープ・ハウスだが、そこに女性ボーカルのサンプルを加えた事でファンキーな要素が際立っている。また一見テクノ的な硬いキックが支配する"Ninety"、しかし大海原で揺蕩うようになだらかな雰囲気に包まれながらもかっちりした4つ打ちに勢いがあり、そこでデトロイト・テクノを思わせる情緒的なシンセコードがすぅっと入ってきて、上品かつ優雅なハウストラックとなっている。全てに通じるのはアトモスフェリックな軽さ、幽玄さで、グルーヴ感だけに頼らない雰囲気を活かした音作りと言うべきか、ディープ・ハウスを的確に表現した楽曲だと思う。

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| HOUSE8 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Frankie Knuckles Presents Tales From Beyond The Tone Arm (Nocturnal Groove:NCTGDA007)
Frankie Knuckles Presents Tales From Beyond The Tone Arm
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昨年末のクリスマスの時期にリキッドルームに降臨した黒いサンタクロース、その人こそシカゴからのHouse of GodfatherであるFrankie Knuckles。シカゴ発ながらも今ではNYハウスの典型的なアーティスト、つまりは模範とされるべきハウスのフォーマットを形成した重要な人物でもあり、NYハウス苦境の時代に於いても色褪せない後光を発し続けているアーティストだ。本作はそんなナックルズの魅力を嫌という程味わい尽くせるMIXCDだ。何故ならMIXCDでありながら8割以上はEric Kupper & Frankie KnucklesによるDirector's Cut名義の作品やリミックスで構成されており、つまりは音そのものがナックルズによって作られたものであるからだ。内容はもう目玉が飛び出る程に凄くて永遠不滅の自身のクラシックである"The Whistle Song"のリメイクに加え、ディスコ・クラシックである"You Make Me Feel"やLil' Louisの新作"Fable"に"Back Together"などの名曲群のリミックス、そして彼等が近年制作した新曲まで出し惜しみする事なく収録している。熱くシャウトするボーカルにゴージャスなストリングスや優雅なピアノ使い、そしてどこまでも終わらない定番の4つ打ちビートと温度感は常に高く、余りの甘さとソウルネスにコテコテ感があるのは否めない。しかしNYでのハウスが光明を見出だせない現在に於いても、彼等はアンダーグラウンド化の流れに飲み込まれる事なく、彼等が信じるハウスを堂々と信念を持って体現している事に感動すら覚えるのだ。確かにここに収録されているハウスが今のトレンドとは言えない事は分かっているが、それでも尚揺ぎないハウスの愛を、温かさを、メッセージ性を伴っているのは、ナックルズがハウスの基本を守り続けているからなのだろう。これはHouse of Godfatherの愛に満ちたハウス名作集である。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hacienda 30 (Newstate Entertainment:newcd9121)
Hacienda 30
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1982年5月21日、ロンドンなどの先進都市に比べれば到底モダンとは言えない工業都市であるマンチェスターにて、後々語り草となるクラブ"Hacienda"はオープンした。途方もない資金を投資し野暮ったい街には似つかわしくないハイセンスなクラブを造り、エクスタシーが流行ったせいで酒が売れずに常に赤字経営にもかかわらず、クローズするまで妄信的にもHaciendaを走らせ続けた共同運営者の中にはNew OrderのPeter Hookもいた。決して経営的には成功とは言えないこのクラブが、しかし名声を獲得したのはジャンルを超越したオープンマインドな音楽性だった。当方も含め勿論リアルタイムでそれを体験している人はそれ程多くはないだろうが、それでもこのHacienda創立30周年記念のCDを聴けば幾らかは、いや十分に時代の空気を感じ取れる筈だ。本作でミックスを手掛けたのは前述のPeterに、HaciendaのレジデントDJでもあったGraeme ParkとMike Pickeringだ。Graemeは徹底的にハウスに拘りを見せ、ソウルフルで胸が熱くなるトラックから覚醒感のあるアシッディーなトラックを緩いBMPながらも跳ねたグルーヴで繋ぎ、Mikeは毒気付いたブリープ・ハウスから始まり粗悪なシカゴ・ハウスやレイヴィーなテクノまでクラブの混沌とした空間を描き出している。Peterはお世辞にも上手いDJとは言えないが(笑)、お得意のロッキンな曲もふんだんに使用しマッドチェスターな時代を再現している。ここにパッケージされたその多くの曲が、今となってはクラシックと呼ばれる時代を越えて愛される曲であり、Haciendaを狂乱の渦に包み込んでいた曲であったのだろう。決して新鮮味があるでもないし余りにも時代を象徴し過ぎている音はダサくもあるのだが、このごった煮な狂騒が一夜をどんなに素晴らしいものとしていたかは、きっと伝わってくるだろう。

Check "Graeme Park", "Mike Pickering" & "Peter Hook"

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| HOUSE8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Soul 223 - Eastern Promise (Boe Recordings:BOE019)
Soul 223 - Eastern Promise
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元Stasisと言う肩書きにどれだけの人が反応するか、恐らくそう多くはないだろうが、しかしStasis名義で活躍していたSteve Picktonは確かにシーンに返り咲いている。フロアを離れてベッドルームへと足を踏み入れたAIテクノの90年代前半に於ける黄金時代、その中で秘匿性の高い活動と知的な音楽性で注目を集めていたのがStasisだった。2000年代に入ってからもその他の変名で細々と活動はしていたようだが、以前程には名を聴く機会が減っていたのは事実だろう。しかし2012年に入ってオランダのDelsinからリリースしたSoul 223名義でのEPは、予てからのAIテクノとビートダウンを同時に鳴らすフロアへ寄り添った作品だった。この新作もやはり前作と同じくフロア対応型となっていて、宇宙やSFを意識した未来的なシンセサウンドやびよびよ唸るファンキーなシンセ、そしてスペーシーなボイスサンプルも加えた"Age Of Peace"は、黒さの無いモダンなディープ・ハウスで実にAIテクノ的ありながらフロアでの機能面も伴っている。また生っぽいざっくりしたリズムの上をデトロイト・テクノを思わせる郷愁感が溢れる"Wide Open Spaces"、華麗なストリングス使いが軽快なフュージョンを思わせる"Hand In Hand"など、アナログ盤は曲毎に特徴を持った計6曲が収録されている。ベテランらしい丁寧に作られた安定感と、そしてダンストラックの要素を持ち合わせて復活した更なる前進も見せつけ、再度Steve Picktonは注目される事になる予兆を感じさせる名盤だ。

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| HOUSE8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Disco Nihilist - Moving Forward (Running Back:RBDN-2)
Disco Nihilist - Moving Forward
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Gerd Janson主宰、ドイツにてディスコ色強めのハウスで快進撃を続けるRunning Backの新作は、珍しくテキサス在住のアーティストであるMike TaylorことDisco Nihilistの作品。ディスコニヒリストなんてふざけたアーティスト名を冠しているが、しかし作品の方もシカゴ・ハウスの狂った感覚を今に継承していて名前負けしない才能を発揮している。どうやら彼はヴィンテージアナログ機材のマニアらしく本作もアナログ機材を中心に作られているそうだが、そこから生まれたハウスは質素で汚らしいドラムマシンの音が炸裂するジャッキンなシカゴ・ハウスだ。マリンバもどきの艶めかしい音が怪しさを演出する"House Rent Boogie"、前のめりに乾いたキックとハイハットが淡々と繰り返される"Beatdown Drums"、そのどちらもがドタドタとしたリズムマシンの音が否応無しに脳髄を刺激する狂気がある。幽玄なシンセサウンドが華麗なリフを奏でる"Film Grain"も夜の舞踏会を喚起させる滑らかなハウスではあるが、クラップ音の連打が多用される辺りでやはりローファイな味を感じずにはいられない。そして極め付きはスローな流れの中で悪戯じみたアシッドベースがウニョウニョ這いずり回る"Operator Select"で、古典的なアシッド・ハウスを忠実に守りつつ微妙な展開の変化がえも言われぬ高揚感を生み出す。アナログ機材をフル活用したどこか懐かしいサウンド、そして古臭くなり過ぎないモダンな空気も纏っていて、狂った構成ながらも温故知新と呼ぶべき素晴らしいハウスが聴ける。

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Check "Disco Nihilist"
| HOUSE8 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |