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Jay Daniel - Broken Knowz (Technicolour:TCLR018)
Jay Daniel - Broken Knowz
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Kyle Hallと双璧を成すJay Danielはデトロイト・テクノ/ハウスの新世代を代表する若手のアーティストで、何とまだ25歳と若くして知名度を得た実力者である。Sound Signatureから2013年にデビューを果たしてからまだ数年だが、既に日本への来日も果たすなどデトロイトに於ける新世代としての期待を一身に背負い、デトロイトのアフロ・フューチャリズムの伝統を受け継ぎつつ今のサウンドを創作する。母親はPlanet-Eから作品をリリースしていたあのNaomi Danielなのだから、血筋としても裏切るどころか期待された通りの結果を残しているが、しかし母親のうっとりする官能的な歌モノハウスとは異なり、Jayの音楽性はとびきりに粗い。若さ故の衝動的なパワーと呼ぶべきか、その粗さは例えばテープでの録音や古い機材を使っている事も影響しているのだろうが、敢えて綺麗に作品を纏めるような事はせずに剥き出し感のある粗雑な音が熱いソウルをより実直に感じさせるのだ。その方向性はドラムプログラミングの制約に限界を感じた事で、本作では自分でドラムを叩く事へと繋がり、それが結果としてJayのラフな音楽に拍車を掛けつつより人間味溢れる音を鳴らす事になったのだ。ハンドクラップや生々しく土臭いドラムのリズムに先導される"Last Of The Dogons"は、何か黒いものが蠢くようなアフロ感覚もあり、単にハウスと呼ぶには異形なオープニング・トラックだ。続く"Paradise Valley"は正にドラムスティックの乾いた音がリズムを刻んでおり、何が物悲しいメロディーと相まって胸を締め付けるような感情的なロウ・ハウスだ。"Niiko"も生き生きと躍動的なドラムのリズムが土着的で、最早デトロイト・ハウスというよりはエキゾチックな原始音楽のような生命力があり、肉体から汗が吹き出すような胎動が感じられる。逆にこれぞJayのロウ・ハウスらしくあるのは"1001 Nights"で、ざらついたハイハットの粗さや骨格が浮かび上がった隙間だらけの構成が、逆説的に骨太なグルーヴを生み出している。どの曲も簡素な構成が故にドライかつ抑揚が抑えられてはいるものの、4つ打ちを逸脱した妙なリズム感が揺れを誘発し、ライブ感のある音によって直接肉体を刺激する。デトロイトの先人達のソウルを受け継ぎつつ、しかし単なる物真似にはならないオリジナリティー溢れる音楽性があり、新時代を切り開くアーティストとして期待は大きくなるばかり。



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| HOUSE12 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sun Palace - Raw Movements / Rude Movements (BBE Records:BBE389ACD)
Sun Palace - Raw Movements / Rude Movements
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過去の作品のリイシューという行為を単に懐古的と見るかどうかは人それぞれだが、少なくとも現在のダンス/ミュージックに興味を持ち、そこから遡って埋もれた作品に辿り着く事を促すリイシューには十分な価値がある。本作は正にそんな遺産の発掘であり、1983年にMike Collins & Keith O'ConnelからなるユニットのSun Palaceがリリースした"Rude Movements"らのオリジナル音源に多数の未発表曲やデモ音源を加えてアルバム化した作品だ。何でもタイトル曲はダンス・ミュージックのDJとして始祖である故David Mancusoも愛用したというロフト・クラシックだそうで、最初期のドラムマシーンやアナログシンセを用いて制作されており、ギタリストや鍵盤奏者である二人のプレイヤーが生み出した音楽はディスコというダンス/ミュージックをベースに、ファンクやフュージョンの要素も持ち合わせて所謂ツール的なモノではなく音楽的に豊かな展開を伴っている。本作の元になった"Rude Movements"にしてもふにゃふにゃとした光沢のあるシンセや優しくタッチするエレピが甘い調べをなぞり、ドラムマシーンがシンプルでローファイな4つ打ちを淡々と刻み、ディスコと言うよりは楽天的なムードが溢れるコズミック・フュージョンとでも呼ぶべきか。古臭さは熟して今になり豊潤な響きとなるような、決して懐古的になるのではなく埋もれた名作が今も尚輝く事を証明している。恐らくそのデモ・バージョンとなる"Raw Movements"はまだラフなスケッチの如くセッションの途中のような荒削りな印象もあり、オリジナルへと繋がる過程が感じ取れる。未発表曲も粒揃いでデモとして埋もれたままにしておくにはもったいなく、メロウで繊細なエレピ使いや渋いギターのカッティングにより哀愁漂わせる"What's The Time"や、優美な笛の音色とぐっと迫る分厚いベースでうっとり陶酔モードのフュージョンな"I'm Going To Lie Down"、染みるギターリフーやコズミックなシンセの効果音が甘くセクシーに染める"Love Train II"など、どれもこれも音楽的な展開や演奏を尊重したダンス・ミュージックだ。あれこれ綺麗に装飾し洗練された今のダンス・ミュージックとは異なり、まだ荒さを残しつつもその素朴な音色や単純な構成が何とも心に沁みてくる名作だ。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Amp Fiddler - Motor City Booty (OCTAVE LAB.:OTCD-5886)
Amp Fiddler - Motor City Booty
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ダンス・ミュージックの聖地であるデトロイトと言えばテクノ/ハウスに於けるオリジネーターやイノベイターが存在し、他にも数多くの才能がひしめき合って発展を遂げてきた。黒人音楽由来のファンクを電子化したのがそれらなのだが、現在形のアーティストであるデトロイトのAmp Fiddlerは、よりファンクやソウル等のルーツを打ち出したプレイヤー兼シンガーだ。プレイヤーとしてGeorge Clinton率いるP-Funk軍団への参加を初め、メジャーなアーティストからアンダーグラウンドな方までサポートを行っており、このシーンに於ける裏方では重要な存在と呼べるだろう。Amp Fiddler名義で個人の作品をリリースし出したのは2000年以降の事だが、前述のようにその芸歴が長い事もあり音楽的にはテクノやハウスを軸にしながらもそれらはより黒人音楽的なディスコやファンクやソウルの要素が自然と強くなるのだろう。アルバムの始まりはミッドテンポのニューディスコ風な"Return Of The Ghetto Fly"で、ブイブイとしたシンセベースがファンキーで、そこにFiddlerの渋い歌声も加わり何ともメロウな曲になっている。続く"Superficial"でややビートは上がりだしてハウス色の強い歌モノだが、ベースやキーボードのクラシカルな展開はやはりプレイヤーとしての経験に裏打ちされたものだ。一転してまた緩めのグルーヴに戻る"Slippin On Ya Pimpin"は、シンセ・ベースはもとよりブラスやコーラスを用いたゴージャスな輝きのあるソウルフル・ディスコで、Pファンク由来のごった煮なパーティー感が堪らない。そして今尚クラブで定番としてプレイされるジャズ・ハウス名作の"1960 What?"のカバーもあり、原曲の熱いソウルなムードはそのままに4つ打ちのPファンク/ディスコへと生まれ変わらせ、今風のダンス・ミュージックと呼べるだろう。ジュークのような素早くキレのあるビートが攻撃的で、しかし感情的なコーラスにPファンク精神が宿る"Soul Fly Part 2"、逆にビートが落ちてどっしりと安定感のあるグルーヴに賑やかで華やかなコーラスやしっとりしたピアノが乗る"Steppin'"では温かいソウルに染められる。"Funk Is Here To Stay"ではGeorge Clintonも制作に加わっているが、ハウス・ミュージックがベースながらもブイブイと主張する個性的なベースやコズミックなシンセ、そして熱き感情を吐露するコーラスなどからはPファンクの音楽性が存分に感じられる。どれもこれもメロウなりファンクなりの感情的な歌モノで、デトロイト・テクノ/ハウスがよくエモーショナルと言われるのも、きっとそのルーツがそうなのだから自然の事だと再認識させられる。Pファンクが好きな人にお勧めするのは当然として、デトロイトのテクノ/ハウスの熱心なファンにも絶対に聴いて頂きたい一枚だ。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Silver City - Projections (Catune Records:CATUNE61)
Silver City - Projections
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9dwによって2001年に設立された東京を拠点とするCatune Records、元々はポストロック寄りのインディーレーベルだったものの何時しかリリースされる音楽はクラブでプレイされるにも耐えうるダンス性を備えるようになり、今ではレーベルカラーとしてロックのライブ感とディスコやファンクのダンス性が融和したハウス・ミュージックが定着している。そんなレーベルが満を持して送り出すアルバムが20:20 Visionでも活躍するFernando PulichinoとJulian SanzaによるSilver Cityで、既にCatuneより爽やかなバレアリック感もあるディスコ・ダブを主とした2枚のEPを送り出しており、その集大成として制作に2年の歳月を掛けたと言うのが本作だ。レーベル公式の案内によれば新旧のモノフォニック・シンセにリズムマシン、そして彼等の音の響きを豊かなものにしているギターやベース等の楽器の生演奏も含み、即興的なプロダクションはCatuneのレーベルカラーを端的に表しているようにも思われる。アルバムの冒頭を飾るのは"I See You"、生っぽいドラムの4つ打ちは間違いなくディスコが根底にあり、そこに爽快に伸びるギターサウンドや光沢感のあるシンセ使いとFernandoの懐メロ的な歌が、アルバムの中でも特に感傷に引き込まれる曲だ。アルバムの為に制作された"Projections"もディスコの風味はあるものの、捻れたシンセや浮遊する電子音からはサイケデリックな芳香が漂っており、ビートダウンらしい粘性の高さも相まって中毒的だ。"Ride Away"や"Country Boots"辺りは非常にSilver Cityらしいと言うべきか、ロック風の躍動に満ちたドラムやファンキーなベースが脈打っており、そこに豊潤な響きのシンセや電子楽器も加わる事でライブ感に満ちた開放的なディスコ・ダブになっている。8分越えの大作である"Shadow"も整った4つ打ちだが、角の取れたまろやかなキックはハウス寄りで、そこに軽やかに広がっていく青々しいギターや眩いエレクトロニクスが彩ればそれはもうニュー・ディスコである。アルバムにはリミックスも収録されており、Is It Balearic?のCoyoteが原曲よりもオーガニックな温度感を増してバレアリックに仕上げた"Loading (Coyote Extended Remix)"、International Feel一派のPrivate Agendaが生っぽく湿り気を帯びたディスコ風にした"Do You Want (Private Agenda Remix)"と、リミックスも原曲の味を損なう事なくバレアリック性を強めてアルバムの中に自然と収まっている。ディスコ・ダブやニュー・ディスコが今となっては溢れ返る時代に決して彼等だけの個性的な音…と言うものがある訳ではないが、音楽性豊かでクラシカルなアルバムでありリスニングとしても十分に耳を満たすだろう。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Session Victim - Matching Half EP (Delusions Of Grandeur:DOG55)
Session Victim - Matching Half EP
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名門Freerange Recordsのモダンなハウスへと特化したサブレーベルであるDelusions Of Grandeurは、最早本家よりも評価を得ているハウス・レーベルであり、数多くの実力ある若手からベテランまでがこのレーベルからリリースして勢い付いている。そんなレーベルの主力アーティストの一人がドイツ人ユニットであるHauke Freer & Matthias ReilingによるSession Victimで、活動的は決して長くないものの既に2枚のアルバムもリリースし、サンプリング重視のブギーでファンキーなハウスが好評を得ている。本EPは一年半ぶりとなる新作だが、相変わらずの生音のサンプリング使いが効果的で、煌めくようなゴージャスさと熱きエモーションが渦巻くファンキー・ハウスで素晴らしい。パーカッシヴに若々しく弾けるリズム感の"Matching Half"はメロウなエレピのループに優雅なストリングス使いや豪勢で豊かなブラスが一体となって熱き感情の流れを誘発するハウスで、そしてしっかりと音楽的にも展開のある構成で機能性とリスニング性のバランスの良さにも長けている。裏面の"Up To Rise"は更に感情的で郷愁さえも感じさせるメロウな作風で、ジャジーな生々しいビート感に乗っかる悲哀のシンセメロディーが琴線を震わし、そしてブレイクでの泣きのサックスが炸裂する瞬間のドラマチック性によって感情の昂ぶりはピークへと達する。そして本作にはリミキサーとしてSound SignatureやWild Oatsからの作品で注目を集めているキーボーディストのByron The Aquariusが参加しており、"Matching Half (Byron The Aquarius Remix)"では元にあった耳に残るメロディーはそのまま引用しつつも、生っぽく粗いリズムを強調しフュージョンらしいキーボードも加えて、ジャジーでファンキーなライブ感溢れる作風へと違和感なく転調させている。両者のライブ感溢れる音楽性があるからこそ、原曲の良さを損なう事なく新たに魅力を付加したリミックスとなるのだろう。本EPは予定されている三枚目のアルバムの試金石となるカットであるが、これを聞けば期待を裏切らないアルバムになるに違いないと確信する。



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| HOUSE12 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr. Fingers (Rebirth Records:REB036CD)
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr.Fingers
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シカゴ・ハウスのレジェンド…とだけで括るのでは恐れ多い、時代を越えて何時までも残る曲を制作する音楽家として孤高の位置に存在するMr. FingersことLarry Heard。初期シカゴ・ハウスのロウで荒ぶれる作風から、次第にそこにツール性のみならず趣深い情緒や琴線に触れるエモーショナル性を加えた張本人であり、伝説的な存在として尊敬の眼差しを浴びながらも今も音楽家として制作を続け、求道的な生き方を続けている。アーティストとしての技量は言うまでもないが今までにDJとして公式にミックスをリリースした事はなく、活動歴30年を経てようやくMr. Fingers名義でのミックスがここに届けられた。オフィシャルでの初のミックスである事は非常に貴重ながらも、今回はイタリアのレーベルであるRebirthの10周年を記念した作品とあって、あくまでレーベルの音楽性を伝えるショーケースが前提になっている。レーベルからの作品にはテクノからハウスにディスコ、USから欧州まで幅広い要素があり、レーベルを追い続けている人でなければその全容を計り知るのは困難だろう。しかし決してDJとしては超一流という訳でもないLarryが、ここでは穏やかで慎み深い点で音楽的には親和性のある事をベースに、ショーケースとしては十分に魅力あるミックスを披露している。ショーケースというコンセプトが前提なのでトリッキーさや派手な展開はほぼ皆無で、曲そのものの良さを打ち出す事を前提としたミックス - それは普段のLarry Heardのプレイでもあるのだが - で、幽玄なディープ・ハウスからアシッド・ハウスに歌モノハウス、またはディープ・ミニマルも使用して、穏やかな地平が何処までも続くような優しさに満ちた音楽性だ。丁寧に聞かせる事でしっとりと体に染み入るような情緒性を含みつつも、勿論ダンス・ミュージックとして体が躍り出すようなグルーヴ感もあり、Larryらしい大らかな包容力とレーベルの美しく幽玄な音楽性が見事にシンクロして相乗効果を発揮している。リスニングとしての快適性が故に部屋で流していて自然にさらっと聞けてしまうBGM風にも受け止められるが、それもLarryやレーベルの音楽性としてはあながち間違っていないのかもしれない。願わくば次はショーケースとしてではなく、よりパーソナリティーを打ち出したMIXCDも制作して欲しいものだが、さて今後の活動を気にせずにはいられない。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Trinidadian Deep - Guidance EP (Rough House Rosie:RHR 011)
Trinidadian Deep - Guidance EP
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ロシアのディープ・ハウス勢から日本のアンダーグラウンドなアーティストまで独特の審美眼により文字通りディープな音楽を追求し、またクララ・ボウのスタンプがレーベル印としても印象的なRough House Rosie。その音楽性は陰鬱とアンビエントの中間のようなディープさと、耽美さの中に仄かにエモーショナルな音色を含ませた慎み深いディープ・ハウスであったが、レーベルの最新作は何とFuture VisionやNeroliからの作品で一躍注目を集めているUSのTrinidadian Deepが手掛けている。Ron Trentの愛弟子とも言える彼の音楽性はやはりUS直系の黒さと飛翔するような爽やかさを含んだ優美なディープ・ハウスなので、RHRから新作が出ると知った時は?という思いであったが、実際にリリースされた作品を聞けばその良質な音楽を前にして突っ込みを入れるのも野暮だと知る。A面にまるまる収録された"Obi"は13分にも及ぶ大作で、如何にもなカラッと弾ける爽やかなパーカッションに導かれ軽やかに疾走する4つ打ちのハウス・ビートが疾走り、そして土着的な土煙の中から浮かび上がるオールド・スクール感あるオルガンによって心地良い酩酊状態へと誘われる。大きな展開を繰り広げる訳ではないが、途中でのテッキーなシンセのコード使いやスピリチュアルさ爆発のオルガン・ソロなどぐっと耳を惹き付けるライブ感溢れるパートもあり、長い曲構成が全く無駄になる事なく壮大なジャーニーの演出として成り立っている。B面の"Italness"も音楽的には変わりはなく、土着的なパーカッションが爽快な風を吹かせて軽やかさを演出し、そこに優美でスペーシーなシンセが流れ落ちていく事でコズミック感のあるハウスになっている。残りの一曲はレーベルの主力アーティストであるHVLが手を加えた"Obi (HVL's Robotic Edit)"を収録しているが、こちらはよりレーベルのアブストラクト性を打ち出した妙技と言うべきか、奇妙な効果音も加えながら深遠さを増したダウンテンポなディープ・ハウスへと見事な生まれ変わりを披露している。RHRらしいのは確かにHVLのエディットだろうが、Trinidadian Deepの空へと羽ばたくような浮遊感あるディープ・ハウスも当然お勧めだ。



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| HOUSE12 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Black Spuma - Onda (International Feel Recordings:IFEEL057)
Black Spuma - Onda
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丁度一年前にバレアリック・ミュージック代表格のInternational Feelからデビューを飾った新星・Black Spuma、それから一年を経て同レーベルからの待望の新作をリリースした。新星とは言いながらも実はTuff City Kids名義でも活躍するPhillip Lauerと、Hell Yeah等からもリリース歴のあるFabrizio Mammarellaの二人によるユニットなので、緩くバレアリックな音楽性に関しては彼等お得意である事は極めて自然だ。尚且つこの名義ではレーベル性に合わせてより開放感や弛緩したムードが強調されており、そこにイタロ・ディスコな性質を持ち込んでオプティミスティックな鳴りを響かせている。ぐしゃっとしたドラムマシンのビートと官能的なシンセベースから始まる”Metallo Nero”は、ゆったりとした4つ打ちのイタロ・ディスコ色を打ち出してきているが、透明感のある上モノや光沢のあるシンセのメロディーが叙情的で、清涼な空気を放出する如くの正にバレアリックな一曲。"Hundred Fingers Man"も特徴のあるエグいベースがシーケンスを刻むが、空へと飛翔するように伸びる幻想的なシンセ・ストリングスと和んだシンセのフレーズが牧歌的な雰囲気を作り上げる中、次第に爽やかなアシッド・ベースが蠢きだして快楽的な世界へと突入する朝方にぴったりな曲だ。タイトル曲の"Onda"はややアップテンポでうきうきするようなビートで、そこに豊潤なシンセ・ベースと綺麗目の上モノのメロディーでスムースな展開を作る明るいイタロ・ディスコと、目立った個性はないものの明るく弾ける曲調は野外にもぴったりだろう。最後のブレイク・ビーツと毒気のあるアシッド・ベースを用いた"Gabula"は本作の中では異色なブリーピーな作品だが、それでも浮遊感のある電子音がすっと心地良く昇天するような感覚も含んでいる。どれもダンス・トラックでありつつリスニングにも耐えうる作品で、これならば更に多様性を展開出来て聴き込めるアルバムも期待せずにはいられず、是非ともアルバムを待ちたいアーティストだと思う。



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| HOUSE12 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Antenna - Primavera (Beats In Space Records:BIS023)
Antenna - Primavera
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2016年も歩みを止める事なく複数の新作をリリースしたBeats In Space、本作はその中の1作でアムステルダムを拠点に活動するAntennaのEP。ウクライナ出身のSasha Renkasとオランダの歌手であるEline Makkerから成るユニットで
2012年頃から活動をし始めてまだ4枚程のリリースしかないものの、過去の作品を聴いてみた限りでは可愛らしくキャッチーなメロディーを用いつつややオールド・スクールな風合いのハウスが持ち味のようで、実際に80/90年代のハードウェアを使用して制作を行っているそうだ。さて、この新作はオーストリアの田舎での驚くべき体験を元に制作されたそうで、確かにそんな説明の後に聴いてみると何だか和やかで牧歌的な雰囲気も漂っているような。"Primavera May"では霧の中から現れるような爽快さと美しさを伴う電子のメロディーが甘い夢を誘い、しかし一方では軽いアシッドなベースが適度な覚醒感も引き出して、現実と虚構の狭間にいるような不思議なディスコティック・ハウスを聞かせる。カタカタとしたパーカッションとドシッと硬いキックがロウな質感を生む"Before I Fall Aleep"は一見シカゴ・ハウスらしくも思えるが、しかし幻想的な上モノやパッドに儚い声が何だか悲壮感さえ漂わせ、それがヨーロッパの耽美な感覚に繋がっている。最も強いビートを刻む"Primavera April"は硬めのキックやアッパーな流れのおかげでテクノらしくあり、星空を駆けるように美しく延びるストリングスが心地良いが、その足元では強烈なアシッドが連打される陶酔と狂乱のアシッド・テクノだ。そして最後にはアナログシンセらしき極彩色の電子音がうねるアンビエント調の"Acceptance Snow"が待ち受けており、そのドリーミーな世界観はのどかな田舎の田園風景から感じるものと近似しており、白昼夢に包まれながら穏やかにクローズする。アンビエントとアシッドとディスコの交錯は、美しくも狂っているように現実と夢を行き来し、Antennaというアーティストの個性として聴く者を魅了する。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Swindle - The Circular City EP (Heist Recordings:HEIST020)
Detroit Swindle - The Circular City EP
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2013年にDetroit Swindle自身が設立したHeist Recordingsはまだ発足から3年足らずなものの、自身の作品と共に未来ある新星のアーティストもフックアップし、ブギーかつエモーショナルなハウスとしては一大勢力となるレーベルまでに成長している。本作はHesitからリリースされたDetroit Swindleの作品として当然注目を集めない訳はないが、その上に鬼才・Matthew Herbertがリミキサーとして参加しているのだから、自然と手が伸びてしまうのも仕方ない。先ずはDetroit Swindleによる"Circular Cityだが、どっしりと重心低めでざらつきのある4つ打ちが安定感を備えており、そこにうねるマッドなベースやキレのあるカットアップ風なサンプルを持ち込み、そこにアシッド風なメロディーが乗ってくる事でキャッチーなだけではなく悪っぽさもあるファンキーなハウスとして十分な魅力を持っている。しかしHerbertが手を加えればそれは彼自身の音となるのは周知の通りで、"Circular City (Matthew Herbert's Let Yourself Go Mix Featuring Zilla)"では新たにボーカリストを起用した事でポップさを加えつつ8ビットらしい上モノも響き、Herbertらしいユーモアやキッチュな音が打ち出たエレクトロニック・ハウスへと生まれ変わっている。裏面では官能的な音から始まる"Sugar Sugar"は、しかし直ぐに切れのある4つ打ちやファンキーなベースラインがうねりながらブギーな躍動を見せ、耽美な上モノを散りばめる事で優雅さも兼ね備えたハウスとなっている。ざっくりしたビートの生っぽい質感や光沢感のある上モノの使い方もあって何だかフュージョン風な要素もあり、所謂クラブトラックではありながらも温かい響きに人間味を感じさせている。そして"Runningoutof..."もやや前のめりで勢いのあるビートに引っ張られつつも、妙な動きをするベースラインが軸となったミニマルな展開のハウスで、ツール性重視ながらもブギーな雰囲気が満載だ。Herbertのふざけたような独特の世界観を持ったリミックスは言うまでもなく素晴らしいが、Detroit Swindleもそれに負けずと彼等らしいブギーな音楽性に磨きを掛け、どれも魅力あるハウスとして十分な一枚だ。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |