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Jorge Reyes, Suso Saiz - Cronica De Castas (Nigra Sintezilo Rekord:NSR23)
Jorge Reyes, Suso Saiz - Cronica De Castas
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霊的、スピリチュアルという説明が何処か胡散臭くもあるニューエイジ・ミュージックは、しかし昨今のMusic From MemoryやMelody As Truthといったレーベルの働き掛けのおかげで、再燃という形で市民権を獲得しつつある。実際に安っぽいヒーリング・ミュージックと呼ばれるような種類に足を踏み込んだものもあるが、しかし例えばスパニッシュ・ギタリストのSuso Saizの音楽は実験的でありながら深い叙情性と瞑想的なアンビエント性があり、時代に左右されずに聞ける普遍的な質を持っている。本作はそんなSaizとメキシコのニューエイジ系のマルチ奏者であるJorge Reyesによる1991年にリリースされたアルバムで、昨今のニューエイジ再燃に合わせて国内盤が初CD化されたのだ。アルバムタイトルである『Cronica De Castas』とはカースト年代記の事で、スペインに侵略されたメキシコの歴史を音楽絵巻として表現したようだが、詳細は国内盤の解説を是非読んで頂きたい。全編エスノで生楽器と電子楽器から発せられる霊的な響きは前述に関連するものかもしれないが、アルバム冒頭の16分にも及ぶ大作である"Tente En El Aire"でおおよそアルバムのイメージを掴む事は可能だ。くぐもった音響のオカリナからうっすらと浮かび上がってくる静謐な電子音のドローン、そこに静かに民族的で土着感あるパーカッションも加わりながら、まるで未開なる深い森林の中を彷徨うように進んでいく。空間を切り裂くような神秘的なギター、魔術的でもあるボイス、静けさの中にアクセントをもたらす効果音などそれら全てが何処かスピリチュアルで宗教的でもあり、しかし安らぎをもたらすアンビエント性は一級品だ。続く"Puchuela De Negro"では神々しいシンセのアルペジオにReyesによる牧歌的なフルートやオカリナが絡む作品だが、ビートが無いながらも躍動的で、もしビートは入っていれば現在のテクノとしても聞けるような作品だ。"Saltatras Cuarteron"ではSaizの泣くように叙情的ながらも鋭利なギターとReyesによる民族楽器のパーカッションの応酬はバトルのようなセッション性があり、古代の霊的な雰囲気が時空を超えて現代へと蘇るよう。そしてまた8分にも及ぶ大作の"No Te Entiendo"、様々な楽器に様々なエフェクトを駆使して異形な響きを作り出しており、生命を感じさせる打楽器の響きや異空間を創出する電子音にサイケデリックなギター等が抽象的なアンビエント空間を生み出して、中盤からは祝祭のような歌も入ってきて生命の営みを謳歌するように盛り上がっていくドラマ性がある。ニューエイジというとどうしても宗教的なり神秘的なりという点に馴染めない人もいるだろうが、そういった先入観を一切無視して単にこの心地好く平穏を誘う音楽に耳を傾ければ、変なイメージを抜きにしてBGM的な質の高さを感じ取る事が出来るだろう。



Check Jorge Reyes & Suso Saiz
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Eleventeen Eston - At The Water (Growing Bin Records:GBR015)
Eleventeen Eston - At The Water

2007年にブログとして開始し2012年にはオンラインショップとして、そして遂に2013年にはレーベル運営に着手したGrowing Bin Recordsは、リリースしている音楽のジャンル的に一貫性はないものの、昨今のニューエイジ/バレアリック再燃という時代により輝きを放つようなレーベルだ。有名なアーティストの起用や流行を意識した音楽に向かう事は一切なく、ただ単に質の高い音楽によって長きに渡って聞かれる作品を目指しているそうで、その目的によってディスコやファンクにアンビエント、ジャズにフォークやソフトロックなどざっくばらんにリリースを行っている。そのどれもがローファイな淡さやドリーミーな世界観があり、だからこそニューエイジ/バレアリック方面からも評価されるのは自然な流れだろう。さて、本作はオーストラリア在住のEleventeen Estonによるアルバムで、以前にはGrowing BinからAndras FoxとのユニットであるWilson Tanner名義で『69』(過去レビュー)をリリースしたのも記憶に新しいが、そこでは静謐でやや神秘的でもあるアンビエントを披露していた彼が、この新作ではその雰囲気を継承しながらもフォークやソフトロックにダウンテンポ等も取り込みながらより開放感あるバレアリックへと向かっている。オープニングの"C in Sympathy"ではディレイを用いたギターで空間の広がりを演出し、伸びのある情緒的なシンセでドラマティックに染め上げ、ビートレスではありながら躍動感のあるアンビエントでこの先の期待を予感させている。続く"2 d'Or (Cab Chassis)"もギターの爽快な響きと耽美なピアノの引っ張られながら、コラージュ的な変化のあるシンセが夢想へと誘うドリーミーなバレアリック系で、広大で豊かな色彩が詰まった風景が浮かび上がるようだ。ソフトロック的でフォーキーで朗らかな響きのある"The Four Fountains"でも肩の力が抜けたビートを刻んでおり、脱力系の緩い開放感はひたすら快適だ。そこに続く"I Remember"ではサイケデリックな呟きや不穏なSEがバックに鳴っているものの、前面には美しく微睡んだシンセが浮遊して夢の中を彷徨うアンビエントを展開している。そしてオーガニックで笛やらギターの音やらも牧歌的に持続する抽象的なアンビエントの"I Float, I Am Free"、80年代シンセ・ポップを思わせるアタック感の強いドラムと妙に親しみのあるポップなサウンドのダンス・トラックである"Where There Is Rain"、安っぽいドラムマシンがローファイ感を生む郷愁たっぷりなダウンテンポの"Sand Man"など、アルバムにはバラエティー豊かな音楽性が共存しているが、やはりギターやピアノ等を使った有機的で親しみのある響きが全体を一つのモノにしている。Growing Binのファンならば当然として、Music From MemoryやMelody As Truth辺りのバレアリック系が好きな人にとっても、本作が本年度のベストの作品の一つになるであろう素晴らしいアルバムだ。



Check Eleventeen Eston
| ETC4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kaoru Inoue - Em Paz (P-Vine Records:PCD-24741)
Kaoru Inoue - Em Paz
Amazonで詳しく見る(日本盤)

ポルトガルはリスボンにて運営されているGroovementは注目すべきハウス・ミュージックのレーベルの一つではあるが、ここ数年の動きの特徴の一つにYohei SaiやSTEREOCiTIといった邦人アーティストをフィーチャーしている事が挙げられる。それは単に主宰者の日本のクラブミュージックへの興味の現れではあろうが、そんなレーベルがGroovement Organic Seriesと銘打って新たにリリースしたのは井上薫のニューアルバム(元はアナログだが、日本ではCD化された)だ。サブレーベル名からも分かる通りよりオーガニックでライブ感ある音楽性に焦点を当てているようだが、それに倣いこのアルバムも何か霊的な存在を身近に感じるようなスピリチュアルなニューエイジの雰囲気と、そしてゆったりと弛緩したチルアウト/アンビエントへと向かっており、何処かChari Chariらしい国籍を超えたエキゾチック感が打ち出されている。作品の多くは新作ではなく過去にヨガの為に制作された『Slow Motion』等からの音源を再編・再構築した内容であり、決して今の時代に合わせて制作されたわけではないのだが、ニューエイジやバレアリックが再燃する今と言う時代に本作を出す事にこれ程ぴったりなタイミングは無いだろう。アルバムの冒頭は寄せては返す波の音から始まる"Wave Introduction"、そこから生命が萌芽するような豊かなシンセのアルペジオやレイヤに降り注ぎ、いきなりこの世とは思えない現実と空想の狭間で佇むチルアウトな開始だ。ヴァイオリンやアコギにタブラをフィーチャーした"Sunset Salute"は、井上らしい辺境のエキゾチックな訝しい感覚と生命の循環を感じさせるライブ感があり、タブラのリズムは正に生命の胎動のようだ。輝く一日というタイトルが音そのものを表現しているような"A Day Of Radiance"、太陽光を全身で浴びるようなオプティミスティックなノンビート・アンビエントで、ひたすら心地好いシンセの波が放射される。そして再びストリングスやアコギを用いた"Mystic Motion"、これはヨガのゆったりとした動きをイメージしたような有機的なアンビエントではあるが、そのスロウな響きから発せられる艷やかな官能に心もとろけてしまう。そこから続く緑が生い茂る大地の躍動感や爽快感もあるリズミカルな"Healers On Fire"、柔らかくざっくりしたブレイク・ビーツと朗らかなシンセに心弾む"Ceifa"と、ここら辺の肩の力が抜けてオーガニック性の高い曲もChari Chariを思い起こさせる。体の隅々まで浄化されるような癒やしのチルアウトとして素晴らしいのは当然として、パーティーで踊り疲れた後や悩みが途切れない日常の中でも、きっとこの音楽は一時の安息の時間を提供してくれるだろう。



Check Kaoru Inoue
| ETC4 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - Knock Knock (Pampa Records:PampaCD013)
DJ Koze - Knock Knock
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DJとしてもアーティストとしてもレーベルボスとしての働きとしても、今最も注目すべき存在ではないだろうか。Stefan KozallaことDJ Kozeは元々はKompakt等を中心に捻れたダンス・ミュージックを手掛けていたものの、自身のPampaを設立後はより多彩で奇抜性の強いダンス・ミュージックへとのめり込む事になるが、そんな個性的な音の中にもしみじみとしたメランコリーが存在する音楽性は、キラートラックとしても成立する程に慣れ親しみ易さもある。前作から5年ぶりとなる3枚目のアルバムでもそういった個性に更に磨きを掛けて、多くのゲスト(Ada、Roisin Murphy、Jose Gonzalez、Mano Le Tough等)を起用したからという訳ではないだろうが、テクノからハウスにトリップ・ホップ、ポップにディスコやアンビエントにソウルなど最早ジャンルとしての壁が意味を成さない程に様々な要素が取り込まれ、捻れたポップ性に実験的でもあるユーモアとそしてダンスのグルーヴが共存している。幕開けとなる"Club Der Ewigkeiten"は優雅なストリングスやフルートにうっとりさせられつつ、ねっとりしたダウンテンポでドリーミーな夕暮れに染めていく。続く"Bonfire"は比較的ハウスのビートを保った曲ではあるが、サンプリングによる切なくも甘い歌声はネオソウル風でもあり、淡い色彩が滲む叙情に溶け込んでいく。Eddie FummlerやAdaを歌に起用した"Moving In A Liquid"はシャッフル調のリズムにうきうきとしつつ光沢感のあるポップなシンセでより弾けさせられるダンス・トラックで、そこから一転して"Colors Of Autumn"ではギターやベースも用いた有機的な序盤からトリップ・ホップ風のファンキーなリズムへと入っていく流れも、全く違和感が無いのはやはりKozeの淡いメランコリーやサイケデリアの統一性が故だろう。勿論"Pick Up"や"Seeing Aliens"のように光沢感を放つ煌めくような、または夕暮れ時のようなメランコリーが感傷的な、そんなサマーアンセム的なサンプリング系のフィルター・ハウスはパーティーが一番盛り上がっている瞬間に更にフロアを熱くするだろう。そして不鮮明な音像から甘くメロウな歌が浮かび上がってくるフォーキーなサイケデリアの"Muddy Funster"、ベース・ミュージックやダブ・ステップからの影響が感じられる可愛くも熱い感情が込められた"Jesus"など、アルバムは徹頭徹尾色々な音楽性が拡大するような構成だ。だからといって散漫な印象は一切無く、いやそれどころかクラブミュージックにしては随分とポップな世界観は、そういった異なるタイプの音を全て包み込んでDJ Kozeの個性を確立させている。夏はもうすぐ終わりだけれど、今夏を彩ったであろう素晴らしいセンチメンタル・ドリームだ。



Check DJ Koze
| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wade - Conscience EP (Unknown Season:USJS-008)
Rick Wade - Conscience EP

デトロイト・ハウスの作曲家としては恐らく最も多作を誇るであろう生粋のアーティスト、それこそRick Wade。特にここ数年のリリースペースは尋常ならざるもので、自身のHarmonie ParkやHolic Trax、HousewaxやYore Records等の著名なレーベルからよりマイナーなレーベルまで所構わず新作をリリースし、ディスコ・フィーリングな煌めくハウスからしっとりムードあるディープ・ハウスまで安定した品質を保ってアーティスト性を確立している。その反面、余りにもリリースペースが早いので作品の全てを拾い切るのは困難でもあるが、本作に於いてはブラックネス溢れるハウス〜ヒップ・ホップに素養のあるHugo LXや、叙情性を強く奏でるハウス・アーティストのTakuya Matsumotoがリミキサーとして参加している事もあり、必然的に惹かれて購入した。新曲の"Conscience"は彼にしては随分とジャジーでムーディーなハウスで、流麗なストリングスや内向的なキーボードワークを軸に軽い風が舞い込むようなラテンフレイバーもあるドラムやリム等のリズムが軽快なビートを刻み、身体が火照るようにメランコリーでしっとりした情感を滲ませるこの曲は、ピークタイムよりは例えばパーティーの早い時間かまたは朝方の寝ぼけ眼な時に聞きたくなる。また"Authentideep (Hugo LX Twelve Hundred Mix)"は原曲よりもざっくり生っぽいリズム感を強調しているが、叙情的な部分は残しつつもより上モノや散りばめられた音の粒は陶酔感が強くなり洗練されたテック・ハウスな響きもあり、黒っぽさとアダルトなエレガンスが融合している。特に個性的な作風になった"Conscience (Takuya Matsumoto's Low Position mix)"、重心が低くねっとりとしたロウなビートが先ず耳に入ってくるビートダウン・ハウスで、そこに催眠的なシンセのリフをミニマルに用いてじわじわと絡み付くように粘性を持って展開する異形な音楽性ながらも、そこから発せられる黒さは原曲以上だ。最後の"Mack Equation"はデジタルオンリーだった作品の初ヴァイナル化で、ディスコティックなストリングスが優雅に舞いエレピが色鮮やかに彩るミッドテンポのディスコ・フィーリング全開で曲で、落ち着いた展開ながらも陽気なノリに心がうきうきとする。Wadeのオリジナルには安心印があるし、またリミキサー二人も個性を発揮した曲を聞かせてくれており、全曲外れ無しの磐石な内容だ。



Check Rick Wade
| HOUSE13 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |