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Cluster - Sowiesoso (Captain Trip Records:CTCD-598)
Cluster - Sowiesoso
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先日来日公演を行ったClusterの76年作。初期のClusterと言えば無感情に奇妙な発信音や電子変調音を鳴らしているだけの抽象性を極度に高めた音楽でしたが、NEU!のMichael Rotherと結成したHarmoniaの活動を経てからは重みや閉塞感も減り、むしろ外向的で奇天烈ながらもほのぼのとしたムードの漂う電子音楽性が強くなりました。特に本作のジャケットを見れば感じるであろうこの自然回帰志向。これまでのおどろおどろしい重さは皆無で、逆にどこまでもフラットに伸び行く叙情溢れるシンセや環境音の様なSEが導入され、色彩鮮やかなロマンスさえ溢れている。タイトル曲の"Sowiesoso"は開放感に溢れオプティミズムの塊その物ではないか。勿論これまでの電子楽器を弄くり回して遊ぶ様なユーモア溢れる音使いは健在ながらも、単に鳴っているだけの音楽から美しい色彩さえも感じられる人間味が表現された事は、テクノソウルにも通じる物があるのでは。ラストの"In Ewigkeit"は自己主張、抑圧の無いただ奇妙な音が鳴っているだけのいかにもClusterらしい曲だが、これは後のアンビエントテクノとも言えるでしょう。実験的・前衛的ではあるけれど、同時にポップなエレクトロニックミュージックとしてお勧めです。



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| ETC3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tracey Thorn - Love And Its Opposite (Strange Feeling:CD005FEEL)
Tracey Thorn - Love And Its Opposite
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Everything But The Girlのヴォーカリスト・Tracey Thornの3年ぶりのアルバム。前作同様、プロデュースはクラブミュージック系のアーティスト・Ewan Pearsonが手掛けております。が、前作のエレクトロニックポップな路線は受け継がずに初期の"A Distant Shore"(過去レビュー)にも近いアコースティック路線へと回帰しておりました。個人的にはこの変化は嬉しい限りで、ピアノやギターを中心としたシンプルな歌物中心なおかげでアンニュイなTraceyの声も際立ち、リラックスした朗らかな空気に溢れたアルバムとなっております。全体的なトーンはしっとりしながらも内向的な訳ではなく、母性に満ちたTraceyの声が優しく染み渡り清々しささえ感じられますね。しかし初期のアコギ一本で歌っていた頃から20年が経ちTraceyも大人になった分、剥き出しのささくれ立つ感傷じみた印象があったTraceyも、今では余裕さえ感じさせる落ち着きがあり円熟味も感じられます。カフェでお茶でも飲みながら、ほっと一息つきながら聴きたい一枚。

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| ETC3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The La's - Callin' All (Polydor:5326495)
The Las - Callin All
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80年後半から90年と言う短い期間にオリジナルアルバム(過去レビュー)を一枚リリースしただけの活動ながらも、多くの賞賛を浴びたギターポップバンド・The La's。タイムレスなポップなメロディーと実に単純なアコースティックサウンドだけで聴く者を魅了した素晴らしいバンドですが、実はアルバムに関しては過剰にプロデュースされたと本人達は余り気に入っていなかった様です。本人達としては荒くて粗雑だとしても、もっと生々しくライブの様な音を表現したかったとか。そんな彼等の思いに応えたのが、4枚組の本作。デモトラックやリハーサル音源、ライブ音源などこれまで世に出る事の無かった未発表音源全92曲を収録。曲はかなり被っているし、ラフな演奏に録音でお世辞にも綺麗な音とは言えず、これに価値を見出す人は本当に極少数だとは思いますが、それでもこれこそがThe La'sが求めていた剥き出しの音と言う物は感じられます。そしてやはりThe La'sのポップなセンスは超一流、シンプルな歌が何故に心をこうも震わすのか。ただただ素直に良い曲だなと20年経った今でも思います。60ページにも及ぶブックレットには、当時のライブ写真やフライヤー、EPの素敵なジャケットなどが収録されていて、ファンには堪らない内容となっております。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cantoma - Out Of Town (Leng:LENGCD001)
Cantoma - Out Of Town
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UKバレアリックシーンでは大ベテランであるらしいPhil MisonことCantomaのニューアルバムは、これからの季節にぴったりな正にソフトにチルアウトで心神喪失する程のバレアリックなリラクゼーション。ライナーノーツには「カントマの手掛ける温かい音楽は、イビサのチル・バレアリックな魂に実に繋がっている」と書いてありますが、全くそれに異論は無い。アンビエントとは違うし電子音楽とも異なり、スパニッシュギターやベース、ヴァイオリン、トランペットがPhil Misonらの人間の手によって鳴らされていて、アコースティックで人肌を感じさせる温かい仕上がりになっております。ともすれば安易なヒーリングミュージックにも分類されかねない程の享楽的な心地良さが満ちておりますが、イビサなんてそりゃ快楽の街なんだからそれで良いのかもしれない。これからの蒸し暑い夏に向けての清涼剤となるか、またはイビサの黄昏時をバーチャル体験させてくれるBGMとなるか。気怠い夏に向けて枯れたサウダージを全身に浴びられる一枚。

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| ETC3 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Walls (Kompakt:KOMPAKT CD 82)
Walls
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テクノ帝国ドイツの中心的存在であるKompaktが自信を持って送り出すニューカマー・Wallsの1stアルバムは、新人らしく初々しい爽やかさとカラフルでサイケデリックな世界観を持った素晴らしい内容となりました。Kompaktからのリリースとは言えフロア直結なダンスビートは殆ど無く、むしろリズムはほぼロック風。テクノとの接点と言えば電子音と言う位なもので、フィードバックギターが炸裂するシューゲイザーロックもあればセンチメンタルなエレクトロニカもあり、果ては淡い霧靄に包まれるサイケデリックなアンビエントまで色々と取り組んでいます。しかしそのどれもに共通するのは、甘くてとろけるメロディーをカラフルでキュートかつ眩いばかりの輝きを放つ音がなぞっていて、多幸感が徹頭徹尾貫いている事。特に自分が本作に感じたのはジャーマンプログレのHarmoniaやNue!にも通じる楽天的な突き抜けるヒッピー思想で、何物にも縛られないその独創性はKompaktのレーベルの方向性と同じなのかもしれない。8曲で30分程とコンパクトにまとめられたこのアルバムは、何度もリピートしてしまう程に清々しい心地良さに満ち溢れていて、そして自然と幸せな気持ちになれる事でしょう。ここには不安も悲しみも無い総天然色ハッピーな世界が待ちわびていたのでした。最近の大推薦盤、Animal Collective、The Field辺りのファンは必聴。

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| ETC3 | 06:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - One One (Accidental:AC 40CD)
Matthew Herbert - One One
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元ミニマルハウス職人でサンプリング職人でもあり、現?ビッグバンド主宰のMatthew Herbert最新作。00年代前半でクラブミュージックとのリンクがピークに達したのを機に、それ以降は逆に少しずつ距離をおきながらビッグバンドを編成しジャズにも取り組むなど、音楽性を広げてきた彼が行き着いた場所はハウスの影響が無くなった歌物ポップ。以前彼が提唱していたPCCOM理論(既存の音源の使用不可などの制約)は取り払われ、彼が全ての楽器を演奏し更には自ら歌ってしまうなど、明らかに今までとは変化が見受けられます。まあしかし、今までの作品と比べると随分と地味で内向的、聴いていると内に内にと沈み込むような音楽であります。クラブミュージックとしての性質も無く踊る事は当然出来ず…だが、それでも彼の穏やかな歌とドリーミーな楽曲は、眠る為の子守歌の様でもあり和みと憂いが充実している。僕は彼が徐々にフロアから遠のいて行く度に失望していたのだけれでも、この作品に限っては素直に評価したいと思える程だ。今までの複雑な理論や奇天烈な音楽性は見事に裏返り、シンプルな歌物でメロディーや歌の魅力を実直に伝えるアルバムだと感じる事が出来ます。シリーズ物の第一段らしいので、今後のシリーズにも期待してしまいますね。

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| ETC3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales (Late Night Tales:ALNCD22)
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales
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"真夜中の物語"とタイトルからして素晴らしいシリーズ物の最新作を手掛けるのはThe Cinematic Orchestra。The Cinematic Orchestraは電子ジャズを展開する人気ユニットだそうですが、自分は彼らについてはよく知らないものの選曲が興味深い内容だったので迷わず購入。オープンニングは注目を集めるFlying Lotusのアラビナンで荘厳なトラックから始まり、序盤はアコースティックな響きが優しく広がるフォークやジャズなどで深い夜への誘いが待ち受けます。中盤ではThom YorkeのポストロックやReichの現代音楽などで意外性を打ち出しながらも、しっとりと情緒を漂わせながらBjorkのメランコリーな歌物へと繋がり妖艶なムードが広がりました。そこからはSt GermainとSongstress、Sebastian Tellierとクラシック3連発で、一転して真夜中の狂騒に導かれ興奮はピークに。そして盛り上がった余韻を残したままBurialや自身らのサウンドトラックで、静かにしかしドラマティックに狂騒の終わりを向かえ就寝につく展開は、まるで真夜中の一大絵巻みたいですね。色々なジャンルが詰まっているせいかミックスと言うよりはコンピレーションの様な印象を受けるミックスですが、対称的な夜の喧騒と静寂を含んだ選曲で見事にコンセプトを100%表現していると思いました。良い意味でBGMらしく部屋で流しておくと自然と空気に馴染み、生活の邪魔にならない優しい夜の音楽です。

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| ETC3 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
DJ Yogurt & Koyas - Chill Out (Third-Ear.:XECD-1127)
DJ Yogurt & Koyas - Chill Out
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随分前から噂になっていたDJ YogurtとKoyasによるKLFの大傑作チルアウト"Chill Out"(過去レビュー)を再構築?再解釈した"Chill Out"。話自体は2008年頃から出ていて2009年の夏にはリリースされる予定だったのが、紆余曲折ありましてようやくリリースです。詳しい経緯はDJYOGURT.COMをご覧あれ。元々はカヴァーアルバムと紹介されていたものの色々と経緯があり、完全なるオリジナルアルバムへと変貌を遂げておりました。KLFの方はサンプリング主体に無茶苦茶やった内容でしたが、ここではシンセサイザーやヴァイオリンやギターも導入し、ナチュラルなサウンドはとても優しく体の隅々まで清らかな清流が流れ込む如く、心身共に浄化と癒しをもたらしてくれる。KLFのコード展開を解析した上で再構築しているので、所々に「あれ?この展開は?!」みたいに感じる所もあり、現代風の洗練されたチルアウト感覚と同時に懐かしさも感じられる事でしょう。KLFのギャクやユーモア、悪意に満ちた内容から、DJ YogurtとKoyasの和みとオプティミズムに溢れたチルアウトに大変身。そしてアルバムのラストには収録曲を20分に凝縮ダブミックスした、正にアンビエントなトラックを収録。こちらはKLFのぶっ飛び具合を継承していて、これもまたとても気持ち良いです。

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| ETC3 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Sade - Soldier Of Love (Epic:88697638812)
Sade - Soldier Of Love
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Sadeって今までセイドゥって読んでたんですけど、本当はシャーデーって読むんですね。自分はこのユニットはついてはよく知らないんですけど、なんでもR&Bでは非常に人気のあるユニットだそうですね。彼女たちのオリジナルアルバムは持っていなかったんだけど、ブートのハウスリミックスのEPは数枚持っていたので、この度ニューアルバムをなんとなく買ってみました。ふむふむ、普通に良いんじゃないでしょうか。基本はあま〜くてしっとりとしたR&Bなんだけど、胸の締め付けられる憂いもあったりして酸いも甘いも知り尽くしたアダルティーを感じさせますね。ボーカルはしっとり愛液も滴るようなセクシーさがありながらくどくはなく、トラックもすっきりシンプルに聴かせる落ち着いた印象で、何度聴いても胃もたれしないライトな聴き応え。逆にインパクトなりオリジナリティーって言うのは希薄だと思うんだけど、メインストリームを突き進む人達にそう言うのは不要なのかもしれないですね。だから気軽に聴けると言う意味では、部屋でぐだぐだ過ごす時のBGMとし重宝しそうです。リピートしまくっているけれど、普段R&Bを聴かない自分の耳にも馴染んでおりますよ。

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| ETC3 | 06:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Massive Attack - Heligoland (Virgin:CDV3070)
Massive Attack - Heligoland
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既に活動暦も20年に及ぶブリストル系の先駆者・Massive Attackの7年ぶり通算5枚目のアルバム。これだけ活動が長ければ当然音にも変化が生じるのでしょうが、もう彼らはクラブサウンドには全く興味が無いんだと感じさせるのが本作。1stでのヒップホップやレゲエ、ダブをサンプリングなどを駆使して練り上げたトリップホップなる音は本作には皆無で、ここでは以前よりも更に生演奏の割合が増えポストロックとエレクトロニカの折衷主義が前面に出ています。その分地面を這うような重いベースラインは全く聴こえてこず、薄っぺらい上物の平坦なメロディーだけでだらだら引っ張る曲が多数。腰を揺らすリズムの妙や光と闇を行きかう色彩豊かな感覚、そして滲み出ていた絶対的な黒さは失われ、モノトーンで人工的な感触だけが残りました。サンプリングやプログラミングを多用しクラブサウンドだった頃の方が、今よりも吐息も漏れる艶があり温かい血が通っていたのはなんとも皮肉な事でしょうか。クレジット見る限りだとDaddy Gはプロデュースに名を連ねていないし、もしかしたらボーカルとして参加しているだけの気がする。と言う事はやはり本作も3Dが指揮を取って制作したアルバムの可能性が高いけれど、それでマッシブアタックと言うユニット名を名乗るのは正直どうなのよと思う。マッシュルームが抜けてからのマッシブアタックは精彩を欠いているけれど、3人揃ってこそ輝いていた事からも音楽はマジックなのだと痛感した。

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| ETC3 | 06:30 | comments(6) | trackbacks(1) | |