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PBR StreetGang - Shade EP (Crosstown Rebels:CRM 166)
PBR StreetGang - Shade EP
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ロンドンを拠点とするCrosstown Rebelsは節操がない位に様々なDJ/アーティストの作品をリリースし、テクノ/ハウス構わずに大量のカタログを所有する名門レーベルの一つだ。そんなレーベルの新作はイギリスはリーズのユニットにであるPBR StreetGangによるもので、今までにもWolf Music Recordingsや20:20 VisionにToy Tonicsなどから作品をリリースするなど何処かのレーベルを拠り所とする事ない事もあってか、作品毎にテクノ~アシッド・ハウス〜テック・ハウス〜ニューディスコと多様な姿を見せている。本作ではハウス寄りながらもダークでアンダーグラウンドな匂いを発する作風が強く、タイトル曲でもある"Shade"では地べたを這いずり回るような低いアシッド気味なベースラインとざっくりしたリズムを強調し、そこにスカスカの上モノが幻惑的な作用を引き出すように使用され、隙間を活かす事で軽快な走りを見せながらツール的な機能性を高めて汎用的な使い方の出来るトラックに仕上げている。A面のもう一つの曲である"Reading"も作風に差はなくハンドクラップを用いる事で弾けるようなリズム感がありながらも、やはりアシッド気味なベースラインと小刻みに揺れ動くヒプノティックなシンセを配置し、展開は極力抑えながらもちょっと悪っぽくて危ういムードがフロアの深い闇に似合っている。どちらも派手な作風ではないものの、展開を抑える事でじわじわと神経を侵食するような効果が持っているだろう。そしてB面にはフレンチ・ハウスの大ベテランであるI:Cubeが"Shade (I:Cube Remix)"を提供しており、原曲からの雰囲気をがらっと変えたアーリー・ハウス/ブレイク・ビーツ色を強めてレイヴの雰囲気にぴったりなリミックスを披露している。大波に揺られるような崩れ気味のビートに耽美なピアノの旋律やスクリュー音のようなSEも加えて、闇の中に美しさが舞う荘厳な世界観を展開し、アンダーグラウンド性はありながらも大箱のピークタイムに合う派手目の仕様だ。そしてその後にはクレジットにはないものの、この曲の後にはおそらく"Reading"の別バージョンも収録されており、計4曲どれもフロア即戦力となるであろう充実のEPだ。



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| HOUSE12 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kim Brown - Wisdom Is A Dancer (Just Another Beat:JAB 12)
Kim Brown - Wisdom Is A Dancer
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Kim Brownというソロワークっぽい名前なものの、実はJi-Hun KimとJulian Braunの名前を拝借したそのまんまのユニットである二人組は、ベルリンの柔らかめのディープ・ハウスを得意とするJust Another Beatの主力アーティストの一人だ。ちなみに同レーベルには他にSven WeisemannやProstituneも作品を提供しており、決してメインストリームを歩むような派手さはないものの、ベッドルームにも耐えうるリスニング性の高い音楽性で統一感を持っている。Kim Brownも2013年に同レーベルより初のアルバムである『Somewhere Else It's Going To Be Good 』(過去レビュー)をリリースしており、柔らかく繊細な電子音によって洗練された気品と淡い情緒を溶け込ませたディープ・ハウスを聞かせ、新人ではありながら流行に左右される事のないクラシカルな存在感さえ発していた。それから3年、ようやく2枚目となるアルバムが到着したが、良い意味で前作から変わりがなく、羽毛のような軽く柔らかさを持った電子音による穏やかなディープ・ハウスを鳴らしている。始まりの"Rehearsed Engineering"では変化球的なリズム感につんのめりつつも、清流が湧き出すような透明感のある上モノがゆっくりと流れ、じわじわと仄かな情感が溢れ出す事でアルバムの開始を告げる。続く"Optionism"は刺激的なハンドクラップと柔らかいキックが端正な4つ打ちを刻み、幾分か夜のダンス的なムードが現れるも、揺らめく上モノの電子音は官能的でしっとりとした質感を含む。やはりアナログ感のある4つ打ちのキックを刻む"Everything But A Piano"は電子音の奥にはピアノ等の有機的な音色が密かに隠れており、実は動きのあるベースラインとも相まって落ち着きながらも躍動を伴うディープ・ハウスだ。特にピアノの音色を強調した"Millions"や"Transparent "はクラシカルで気品が漂い、音の隙間を強調するようなシンプルな作風だからこそピアノの旋律がより際立ち、波が引いていくような余韻を残す。終盤の"We Are Elementary"ではクラシック的なストリングスが美しく伸びて、生っぽいキックやスネアとの相乗効果で人肌の温もりが伝わってくるようだ。何処を切り取っても真夜中の興奮を誘うダンス・ミュージックらしさはなく、昼下がりから夕暮れ時のうたた寝してしまう時間帯にぴったりな穏やかで物静かな響きが心地良く、前作に続きノスタルジーに包まれる良作だ。本作も以前と同様にアナログ盤にはダウンロード・コードが付いてくるのも、非常にありがたい。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
L.U.C.A. - I Semi Del Futuro (Edizioni Mondo:MNDCD02)
L.U.C.A. - I Semi Del Futuro
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2013年にイタリアに設立されたEdizioni Mondoは60年代のモンド映画にインスパイアされ、有機的なハウス・ミュージックにダウンテンポやバレアリックなどの要素を持ち込んだ音楽を送り出しており、Music From MemoryやInternational Feel辺りを好む人とも共振するようなレーベルの一つだ。そんなレーベルを立ち上げたのがイタリアのDJ/プロデューサーであるFrancesco De Bellisで、Raiders Of The Lost ARPとして活躍するMario PierroともユニットであるJollymusicやMAT101としても活動をしたりと、イタリアのハウス/イタロ系としてはそれなりの経験を持つベテランだ。本作はそんな彼がL.U.C.A.名義でリリースした初のアルバムであり、この名義ではイタロ系と言うよりはレーベルを重視してサウンド・トラックやバレアリック性を重視しており、家の中で心を落ち着けて耳を傾けて聞きたくなるリスニング・アルバムとなっている。事実、L.U.C.A.の曲は橋本徹(SUBURBIA)が選曲したコンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』(過去レビュー)にも収録されるように、大らかで瑞々しい有機的なサウンドとメロウな旋律はひたすら爽快で心地良い。本作の始まりとなる"In Principio"でも生のベースやギターをフィーチャーし、鳥のさえずりもサンプリングしながら如何にもなバレアリックな空気を放出しているが、ハウスともディスコとも異なる感覚は言葉に表すのが難しい。そこに続く"Il Valzer Del Risveglio"では優美なストリングスに豊潤なオルガンの響きと共に祝福の雄叫びも交えしっとりとした郷愁を誘い、"In The Sun"ではそのタイトル通りに燦々と日が降り注ぐ下で大海原の航海に出るようなオーシャン・フィールに溢れた清涼感があり、アルバムの雰囲気は野外や自然を強く匂わせる。滝のイメージかどうかはさておき、しなやかなストリングスに乗ってシタールらしき弦の音が幻惑的に響く"Niagara"はエキゾチックかつサイケデリックで、異国情緒の中にメロウネスが存在している。最後の"Plancton"に至っては完全にビートは消失し幻想の中に消え入るようなドローンが持続するアンビエントだが、テクノのアンビエントとは異なる生っぽさは特徴だろう。何か特定のジャンルに属すのではなく、モンドやサイケロックにディスコやハウスが融和して映画のような風景を喚起させる音楽と言うべきで、特に肉体を突き動かすのではなく心に染みるメロウな感覚はEdizioni Mondoというレーベル性を主張している。



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| HOUSE12 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
STEREOCiTI - Lost Land (Mojuba Records:mojuba lp 5)
STEREOCiTI - Lost Land
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良質なテクノやハウスが大量に生まれるドイツはベルリン、その中でも美しいメロディーや奥深い音響にデトロイトやシカゴの叙情を盛り込んだ音楽を武器とするディープ・ハウスの深層部であるMojuba Records。そのレーベルに唯一所属する日本人DJこそ神奈川出身のKen SumitaniことSTEREOCiTIで、2014年初頭には長く活動した日本からベルリンへと移住し、現在のダンス・ミュージックの中心的な場所で経験を積みつつ制作を続けている。2011年にリリースされた『Kawasaki』(過去レビュー)では既にベテランとしての貫禄のあるディープ&ダビーな音響に仄かな情熱を含ませて、荒くれた情景の奥に繊細な響きが鳴るいぶし銀的なディープ・ハウスを完成させていた。それから数年はMono Village名義でのシカゴ・ハウスやMojubaからは2枚のEPを出したりとゆっくりとではあるが成熟するような深化を見せていたが、前作から5年をしてベルリンでの活動や経験から生まれた2ndアルバムが完成した。前作と同様に大きなクラブにおけるやたらめったらに刺激するようなダンストラックは無く、やはり厳かで慎ましささえ伴うミニマルなディープ・ハウスは、ベルリンの影響なのか前作以上に内向的で闇に落ちていくような微睡む感覚を発している。ミステリアスな雰囲気を誘う揺蕩う上モノ、少々ヒプノティックでアシッドなベースラインに導かれる"Rouse Out"は、微かな残響が引いては押し寄せる波のように揺らぎを生み出し、軽快なグルーヴで闇の中に進み出す。続く"Initial Assumption"ではほっと空気は弛緩し温かみのあるメロディーにはデトロイト・テクノような叙情も感じられ、すっきり洗練はされているのに何だかオールド・スクールな懐かしい感覚も。シカゴ・ハウスの荒ぶるファンキーさを打ち出した"Kraken"は、しかしハイハットの繊細な強弱や段々と連なる残響に入念な音響への拘りが感じられつつも、粛々と叙情を放出するフロアに即したダビー・ハウスだ。より鈍くも地味なアシッドのベースラインを強調した"Interstellar Substance"、ゴリゴリと破壊的なリズムと覚醒的な上モノが退廃的な"D.W.D.P."にしても、さりげない残響は闇の深遠さを体感させ深い処まで魂が吸い込まれるようだ。またブレイク・ビーツ気味のトラックに懐かしさ溢れるメロディーが心地良い"Lost Land"は、90年代のAIテクノや初期デトロイト・テクノに投影する人もいるかもしれない。アルバムにおいて何かキラートラックと呼べる物はないかもしれないが、寧ろアルバム全体の纏まりや一つの世界観を尊重しているのだとすれば、通して聴く事で喚起される風景の移り変わりのようなサウンド・スケープが感じられる丁寧な作品だ。そしてそこにはSTEREOCiTIの内に秘めたる静かなソウルがあり、低温で燻るような火が灯っている。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Eddie C - On The Shore (Endless Flight:Endless Flight CD 16)
Eddie C - On The Shore
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ビートダウン・ハウスやスローモー・ディスコでは名高いカナディアンのEdward CurrellyことEddie Cが、古巣Endless Flightから3年ぶり3作目となるアルバムをリリースした。真夜中のクラブに於けるハイエナジーで興奮を誘うダンス・ミュージックとは真逆の、むしろリラックスして遅いBPMによりメロウかつファンキーな音を丁寧に聞かせる音楽性は、リスニング性の観点からも素晴らしいものだ。新作はベルリンに移住してからの生活にインスピレーションを受けたそうで、スタジオに面しているベルリンのパンケ川の風景などリラックスした雰囲気の影響があり、確かにアルバム全体は和みに富んでいる。初っ端から随分とスローモーで肩の力が抜けたディスコ・テイストな"Fenyek"で始まり、長閑な田園風景が広がるような牧歌的な雰囲気さえ発している。続く"Low Road Dubs"はヒップ・ホップのリズム感が練り込められ、そのサンプリングベースであろうざっくりとした生っぽいビート感とミニマルな構成はEddie Cの得意技だ。爽快に闊歩するようなグルーヴに乗ってフルートらしき朗らかなメロディーが先導する"Wish You Were Here"、清涼かつ透明感のあるコズミック・ディスコな"Beyond Reality"など、野外にはまるであろうバレアリック感さえもある曲は実に心地良い。また本作では南国のトロピカルな空気も盛り込まれており、浮遊感のあるストリングスと爽やかなアコギに導かれる"Boipeba Praia"は穏やかで陽気なムードに溢れている。"Take Me (Extended Mareh Vacation Mix)"だけは硬質で重いキックと覚醒的な上モノのシンセが屋内型、または夜中のダンス・ミュージック的な迫力を兼ね備えており、アルバムの中ではやや異質だろう。それでも全体的にはヒップ・ホップにブレイク・ビーツのサンプリングやビート感を前面に出し、まったりと和んだメロウネスと切れ味あるファンクネスを生み出す事に成功しており、実にEddie Cらしい作品だ。ダンス・ミュージックとしての前提はありながら、部屋の中で空気と馴染むようなBGMとしての聞き方がぴったりだろう。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Andres - Mighty Tribe (La Vida:LA VIDA 004)
Andres - Mighty Tribe

自身で主宰するLa Vidaからのリリース量は決して多くはないものの、そこからのリリースは最早ヒットする事が約束されたまでにデトロイト・シーンでの立ち位置を築き上げたDJ DezことDes Andres。本作は同レーベルからは一年ぶりとなる新作で、相変わらずのスィングするジャジーな感覚とダンスフロアに適応した曲調に磨きをかけている。A面の"Mighty Tribe"が特に素晴らしく、原曲はEarth, Wind & Fireの"Mighty Mighty"のDoug Carnによるカバーをサンプリングして転がり落ちるようなエレピやディスコなズンドコと弾けるビートで疾走するハウスは単純明快な作風で、その刺激的でポジティブなエネルギーは間違いなくフロア向けだ。熱量の高いシャウトやジャジーなエレピ使いからはブラック・ミュージックの芳香もたっぷりと噴出し、Andresのサンプリングのセンスがここでも光っている。それに対しB面の2曲はややヒップ・ホップの才能が影響しているだろうか、ざっくりとした生っぽいリズム感はヒップ・ホップのそれっぽくもあり、コンガに湿度のあるメロディーが陽気なラテンのノリを生み出す"Chevy Status"、アコースティックギターやストリングスの響きによって爽やかなトロピカル感を演出した開放的なハウスの"Pluck Away"、どちらもほっと落ち着くようなしっとりした作風でAndresの温かみのある作風が息衝いている。サンプリングを存分に活用しながら異なる作風を披露しながらも、しかし最終的にはこれぞAndresの作品に仕上がっている3曲で、どれもフロアで慣れば間違いなく盛り上がるのは言うまでもないだろう。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Keita Sano - The Sun Child (Crue-L Records:KYTHM-158DA)
Keita Sano - The Sun Child
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今ではダンス・ミュージックにおいて日本のアーティストが海外で注目を集めるのも珍しくはなくなってきているものの、それでも尚この新生代を代表する一人のKeita Sanoの注目度は、特に海外でこそ高いのは稀有な事だろう。2012年頃から作品のリリースを始めたものの、デジタル/アナログ問わずに忙しない程のリリースを続け、Mister Saturday NightやHolic Traxを始めとした著名なレーベルのカタログに並ぶなど、今や時の人と言っても間違いではない。その作品の多作さは音楽性の幅広さ - それはある意味では纏まりの無い - に繋がっていて、錆びたロウ・ハウスやアシッド・テクノ、陽気なディスコ・ハウスに捻れた電子音が鳴るテクノなど、作品毎に姿を変えつつも踊る快楽を表現したダンス・ミュージックという点に於いては揺るぎない信頼を持っている。そして、待ちわびたニューアルバムは日本のダンス・ミュージックの秘境・Crue-l Recordsからと、また何か期待せざるを得ない蜜月の出会いとなった。何でもCrue-lのボスである瀧見憲司のDJを聴いたSanoが衝撃を受け、それを契機にほぼ一週間で衝動的に作った曲を纏め上げたのが本作だそうで、アルバムではありながら今までと同様に多彩な作風がダンス・ミュージックを軸に展開している。幕開けとなる"Babys"で既に勢いはトップへと達しており、迫り来る強迫的なリズム帯と躍動するベース、そして快楽的な上モノによって多幸感が爆発するハウスに一気に引っ張られていく。続く"The Sun Child (Album Version)"ではボイス・サンプルのループを用いて徐々に快楽へと上り詰めるようなDJ仕様で、過去にリリースしたディスコ・ハウスの作風を踏襲する。と思えば冷気漂い勢いが抑制されたミニマルやテック・ハウスの系譜上にある"Airport 77"、アシッド・ハウスとディスコ・ハウスが邂逅した"Dance (Album Version)"、視界も揺らめくサイケデリックなギターが咆哮するスローモーな"The Porno King"など、想像していた通りに作風は収束する事なく拡散するように曲毎に姿を変えている。しかし"Acid Romance (Album Version)"は底辺で蠢くアシッドのラインやコズミックな電子音によって官能と倒錯で包み込むニューディスコで、非常にCrue-lらしい奇妙な恍惚やトリップ感があり、そしてロマンティックでもある。本作では過去に見られたロウ・ハウスの質感は存在せず、以前よりも荒唐無稽ではっちゃけた雰囲気は抑えられており、アルバムというフォーマットを意識したのは当然だろう。EPに於ける爆発力とは異なるダンス・ミュージックとしての魅力があり、アーティストとしての可能性を示す事に成功している。

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| HOUSE12 | 13:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Prism - Metronome Melody (Sublime Records:MMCD20009-10)
Prism - Metronome Melody
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2015年3月に急逝した日本のテクノ/ハウス・ミュージックの開拓者の一人でもある横田進、そんな彼に捧げるべくか再評価に伴う動きなのか、特に初期作品に絞った復刻が進んでいる。第一弾はレイヴシーンのピークアウト後の物哀しさを表現したアシッド・テクノの『Acid Mt.Fuji』だったが、第二弾には横田史に於ける最高傑作と呼んでも過言ではない1995年作の『Metronome Melody』が選ばれる事になった。様々なレーベルから、様々な名義を用い、様々な音楽に取り組んだ横田にとって本作は特に美しく甘美なメロディーとある種の儚さを表現したハウス・ミュージックであり、今となってはクラシックとでも呼びたくなる程の完璧なアルバムだ。出だしの"Sunday Brunch"からして傑作であり、凛として弾けるハウス・グルーヴに日曜昼間のうっとり感が正に漂うシンセのフレーズが反復し、滑らかに流れるビート感でふわふわと心も浮き立つ至福のダンス・ミュージックだ。続く"Aurora Mind"による太いキックやスネアによるヘビーな鼓動のハウスも堪らないが、"Gemini"にようにまったりと弛緩して溶けていくリズム感と耽美なピアノの和音、そしてアンビエントなムードも相まって真夜中のクラブとは対照的な開放感のある曲を聴くと、最早この頃から横田が既にクラブ・ミュージックの枠を越えた先を見据えていた事に驚きを感じずにはいられない。可愛らしく朗らかなメロディーに複雑で崩れたブレイク・ビーツが不思議な感覚を生む"Prominence"、コミカルなシンセのフレーズと少女のボイス・サンプルに何だか日常の中に癒やしを生む"Where"、そして何故かラストには『Acid Mt.Fuji』のアシッド・ハウスの残像なのかTR-909やTB-303によるトリップ感の強いアシッド・ハウスである"Ocean Blue"まで収録されており、やはりハウス中心とは言えどもそこには多彩な仕組みが散りばめられているのは横田の自由な創造性が故だろう。決して無から新しさを生むような新鮮さがある訳ではないが、既存の音楽を組み合わせながらも明るの中に侘び寂びや憂いを込めた音楽性は横田らしく、しっかりと彼の音であるという個性が成り立つのは才能の証だろう。そしてボーナスディスクは喜ばしい事に全曲未発表曲で構成されているが、アシッド・ハウス/テクノ中心ながらも素朴さと荒々しさが同居する点に、何か初期衝動を感じずにはいられない。

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| HOUSE12 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sauce81 - Make It Move (Endless Flight:ENDLESS FLIGHT 73)
Sauce81 - Make It Move
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若く新しい才能を育てる事を目的として設立されたRed Bull Music Academy、そこには勿論日本人も抜擢され世界へと羽ばたいて行ったDJもいる。そして2008年の卒業生の中には、ファンクやソウルなどをライブフィーリングたっぷりに披露する仮面を被ったN’gaho Ta’quiaとして、またはブラック・ミュージックを元に自由な形を見せる77 Karat Goldというユニットの一員として、そしてこのソロユニットであるSauce81として、様々な名義を用いての活動が花開いたアーティストである日本人のNobuyuki Suzukiがいる。Sauce81名義では2008年にコンピレーションに曲が収録されたのをきっかけに、それ以降はWonderful Noise ProductionsやCatuneにEglo Recordsなど注目すべきレーベルからもソロ作品をリリースし、そして今度は日本が世界に誇るEndless Flightからの新作となれば注目を浴びる事は必至だろう。Sauce81も基本的にはブラック・ミュージックが根底にあるのは変わりはないが、方向性としてはハウスやディスコなどより直球ダンス的な要素が強いだろう。耽美なエレピやストリングスにうっとりと陶酔する"Faithless Egos"は、しかし弾けるベースやブギーなリズム感が肉体的な躍動を含んでおり、ヒップ・ホップやジャズの感覚を匂わせるハウスでいきなり耳を惹き付けられる。今年のEndless Flightのコンピレーションに収録された"Make It Move"は、雑然としたガヤ声や引っ掛かりのあるスラップ・ベースを用いる事で黒さ滲むファンキーさが強調され、そこに端正なシンセのコードも交えて滑らかなビートで闊歩するようだ。そしてもはやハウスと言うよりはバンド演奏らしさを発するファンクかフュージョンか、鮮烈なシンセの響きが前面に出つつローリングするベースラインに揺さぶられる"Dissonance In Control"、またグッとテンポを落としたメロウなトラックに熱い感情を吐露するような歌が挿入された真夜中のソウルである"Nothing Solved"と、クラブ・ミュージックにリンクしながらもボーカリスト/演奏者としての手腕が活きた作風は見所だ。



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| HOUSE12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Honey Rocks EP (Aus Music:AUS1697)
Recloose - Honey Rocks EP
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デトロイトの才人であるMatthew ChicoineことRecloose、何と2年半ぶりとなる新作は今までに関わりのなかったAus Musicからとなるが、近年のReclooseらしさは変わらずフュージョン・テイストを含む煌きのあるサウンドをここでも鳴らしている。かつてデトロイトからニュージーランドへと移住したばかりの頃はやけに生音志向への拘りを見せ、クラブ・ミュージックらしさを失いファンの心は離れていたように思うが、昨今のRush Hour RecordingsやDelusions Of GrandeurからリリースしたEPにおけるハウスへの帰還は初期以上の素晴らしさがあったと思う。そしてニュージーランドでの生活を終えて2014年にはいつの間にかNYへと移り住んでいたようで、それ以降に作られた本作も初期にPlanet-Eからリリースした頃の未来感を含みつつエレクトロニック性も高めたハウスとなっており、期待を裏切らない作品になっている。正に未来的な電子音がピコピコとなるイントロから複雑で躍動的なパーカッションと弾けるハンド・クラップの勢いに乗り、そしてしなやかな柔軟性と光沢感のある優美なシンセのコード感による煌きを発する"Honey Rocks"は、最早Reclooseの十八番と呼んでも良い作風だろう。ファンキーなボーカル・サンプルを用いた"On & On"は、浮遊感のあるシンセがすっと伸びつつ跳ねるリズムのおかげで軽くて爽快な雰囲気があり、途中で聴ける眩いばかりの光を放つような歌がフュージョンらしさを匂わせている。対してB面の"Sidewalks"はねっとりと絡み付く重心の低いビートダウン的なグルーヴが目立っており、そこにダビーな音響の効いたボーカル・サンプルや音を散りばめて、サンプル・ループ重視のディスコ・ハウスなノリでじわじわと攻める異色の作風だ。本作を含めここ何年かの内にリリースされたEPでReclooseの個性は完全に確立され、デトロイト・テクノの枠だけには括られない耽美なフュージョン・ハウスの音楽性の素晴らしさは言うまでもないが、あとはこの路線でのアルバムが制作される事だけが待ち遠しくなる。



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| HOUSE12 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |