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Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999 (World Famous:WF-004)
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999
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Alex From Tokyoが主宰するWorld Famousの新作は、2015年末になり再始動を果たしたTokyo Black Starによるアルバムだ。元々はAlexと熊野功雄によるユニットで今となっては大御所レーベルとなったInnervisionsの第一弾アーティストであった事も懐かしいが、現在では高木権一も加わりトリオとして活動をしている。壮大なエレクトロニック・ハウスから肩の力が抜けた優しいディープ・ハウスにミニマルな作風まで作品毎に姿形を変えつつ、昨年の「Edo Express EP」ではアシッド・テクノも披露するなどその深化は止まらない。そしてこのニューアルバムは、アルバムという体でありながら恐らく全曲新曲の40分にも及ぶライブをイメージしたコンセプト・アルバムなのだ。元となったのは「東京の下北沢にあるBasement Barで、とある即興のライブパフォーマンスを録音した、伝説的でクレイジーな一夜」だそうで、それが一体何であったのかは不明なものの、真夜中の興奮をライブ風に演出したと考えてよいだろう。アルバムは開始からどぎつく快楽的なシンセのアルペジオやベースで始まり、生々しいスネアやキックがライブ感を余計に強く体感させる。そこから闇の空間を切り裂くように挿入される美しいパッドが、ゆったりと開放感のあるディープ・ハウスへと向かわせ、そしてまたもやコズミックなシンセやSEが導入されるハウスで深い世界へと潜り込み…Part1のラストはファンキーなスラップベースが前面に出たエレクトロ系で幕を閉じる。そしてPart2へと移ると次第に琴やガムランのようなエキゾチックな音色が現れ、極東のダブとでも呼ぶべき不思議な響きに包まれる。そこからのKraftwerkばりのロボット・ボイスを活用した和風エレクトロな流れからの、最後は強烈なアフタービートを刻むレゲエ風なアフロ・ハウスの"Mitokomon"と、これ程までに様々な音を経由する世界観は確かにファンタジーに相応しいライブ、ファンタジーな旅であろう。何処か垢抜けないドラム・マシーンによるリズムは生々しさが強調され、和洋折衷のコスモポリタンな旋律や、テクノもハウスも融け合いダンス・ミュージックとのみ表現出来るビート感によって、収束ではなく拡散する音楽性は3人体制になったTokyo Black Starだからこそだろうか。作品の特性上DJ向けの作品ではないものの、リスニングや仮想のライブ盤として楽しめる1枚だ。



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| HOUSE12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Satin Jackets - Panorama Pacifico (Eskimo Recordings:541416507583)
Satin Jackets - Panorama Pacifico
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ベルギーを代表するニューディスコ系のレーベルと言えばEskimo Recordingsがあり、2013年からは『The Pink Collection』(過去レビュー)に始まる全曲新録のカラーシリーズを立ち上げ、現在の『黄色』に至るまで年に1枚のペースでリリースを続けるなど、今も尚ニューディスコの普及に務めている。本作はそんなシリーズにも曲を提供していたドイツの二人組、Dennis HurwitzとTim BernhardtによるユニットのSatin Jacketsの初のアルバムで、アートワークから想像出来る通りのキャッチーなシンセ・ポップ/ニューディスコが満載だ。ポップアートのようなカラフルで大衆的なジャケット、それがそのまま音にも反映されており、これでもかと分かり易く懐っこいメロディーと甘いボーカルを軸に置いた曲は、単にダンス・ミュージックの枠に収めてしまうだけではもったいないだろう。アルバムの始まりである"Feel Good"からして朝日が登り始めるような明るいトラックに、爽やかで清らかなボーカルを合わせたシンセ・ポップで、その汚れのない素朴さが何とも可愛らしい。続く"We Can Talk"はやや俗世的でゴージャス感のあるシンセも用いて派手派手さもあるが、ゆったりまったりな4つ打ちディスコビートとシンセベースがレトロフューチャーで懐かしさを誘う。かと思えば哀愁滲むギターのフレーズと甘く溶けるようなコーラスを打ち出したダウンテンポな"Keep Moving On"、インストな分だけよりフロア寄りの弾けるビート感があるニューディスコな"Cala Banana"など、ポップな作風で統一感はありながらも幅を持たせる事にも成功している。特に黄昏時の切なさが強い"Say You"、そのしんみりとした女性ボーカルやカラフルなシンセの響きから発せられる郷愁には胸が締め付けられるだろう。アルバムの最後は2013年のEPから"You Make Me Feel Good"で、広大な青空に飛び出したようなバレアリック感のある爽快なシンセ・ポップにより、心残りのない清々しいラストを迎える。こんなにポップでラブリーな音楽は、是非ともパーティーの朝のフロアで聞いたら幸せになれるに違いないが、ダンス・ミュージックに詳しく無い人にだって訴えかけるキャッチーさがある。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Virginia - Fierce For The Night (Ostgut Ton:OSTGUTCD36)
Virginia - Fierce For The Night
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過去にはCocoonでの、そして現在はPanorama Barのレジデントとして活躍するVirginiaが、そのクラブが運営するレーベルであるOstgut Tonから遂に1stアルバムをリリースした。DJとしてトラックメーカーとして、そしてボーカリストとしても活動する彼女の音楽性は、過去のクラシカルなシカゴ・ハウスやデトロイト・テクノからの影響を強く滲ませるもので、特に自身が歌う事でより感情性豊かな作風を確立している。プレスリリースによると本作は「愛、欲望、人生などのテーマ」を基に制作されたそうだが、更にかつてから交流のあるSteffi & Martyn(Doms & Deykers名義では完全にデトロイト・テクノ影響下の作品をリリースしている)にDexterが制作に全面的に参加する事で、ダンス・ミュージックとしての機能性と共にポップ性の高いメロディーやハーモニー、そして古き良きアナログ・サウンドの中に懐かしくも情熱的な興奮を込める事に成功している。アルバムの幕開けは彼女のセクシーな歌声が映えるテッキーな"Bally Linny"だが、ブラスバンド風のシンセは80年台のシンセファンクを思い起こさせ、ポジティブな煌めきを含む。続く"1977"も80年代感が強く、エキゾチックなシンセや膨らみのあるシンセベースからは何だかフュージョンの作風に通じるものがあり、レトロ・フューチャーとは正しくこの事だ。古さを強調するだけでなく"Lies"のようにモダンなディープ・ハウスに官能的な歌を被せた曲もあるが、その耳への響きはやはり甘く懐かしい。中盤には特に切なさを誘うメランコリーなダウンテンポの"Believe In Time"があり、哀愁で覆い尽くす歌がトラックをより味わい深いものとしている。そこに続く"Subdued Colors"も小気味良いブレイク・ビーツで揺れる曲で、誘惑するような歌が夕暮れから夜にかけてのしっとりした官能を感じさせる。そこからの"Funkert"や"Follow Me"はアルバムの中では特にフロア受けするであろうストレートなダンス・トラックで、しなやかに伸びる叙情的なシンセや美しいメロディーと勢いと弾力のあるリズムはデトロイト・テクノと共振し、真夜中の興奮に一役買うのは間違いない。そしてラストの夢に溺れてしまうようなアンビエント風のハウスである"Han"で、アルバムは切ない余韻を残して締め括られる。リスニングからダンスまで程良く纏まったアルバムで、特にシンセポップを思わせる懐かしいシンセの音やドラムマシンが本作を特徴付けており、ポップなメロディーも相まって素晴らしいボーカル・ハウスを味わえるはずだ。ハードなテクノのOstgut Ton…と言う印象が強いレーベル性の中で、こうやってクラシック的な要素の強いアルバムが出てくる事は意外だが、やはりルーツは避けては通れないと言う事なのか。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - Beyond The Dance (Mr. Fingers Remixes) (L.I.E.S.:LIES-RMX01)
Simoncino - Beyond The Dance (Mr. Fingers Remixes)

シカゴ・ハウスにおける伝説的なトラック・メーカーであるMr.FingersことLarry Heard、そしてオールド・スクールなシカゴ・ハウスを妄信的なまでに愛し今という時代に於いてもその作風の持ち味を壊す事なく蘇らせるイタリアのSimoncino。両者のシカゴ・ハウスへの信頼やぶれる事のない作風には共通項があり、だからこそ2012年にはSimoncinoの曲である"Distant Planet"をHeardがリミックスするまでに至ったが、それから4年を経て再度二人は邂逅する。今回はSimoncinoの2014年作のEP「Abele Dance」に収録されていた"Beyond The Dance"を、またもやHeardが2バージョンのリミックスを行ったのだ。元々が拙いマシンビートがけたたましく荒ぶり物哀しいメロディーが心を揺さぶるシカゴ・ハウスで、それは完全にHeardの影響下にあるものだったが、それをHeardが更にリミックスするとどう変化するのかという点は興味深い。ささくれ立つハイハットやスネアを多少は抑制しながら骨太ながらもスムースなビートへと変化させた"Beyond the Dance (Mr. Fingers Remix)"は、しかし古典的な技であるハンド・クラップを導入してオールド・スクール感を保ち、オリジナルのメロディーを壊す事なく伸び伸びとした躍動も兼ね備え、より人の温もりと包容力を感じさせる正しくHeard節とも言えるディープ・ハウスだ。裏面の"Beyond the Dance (Mr. Fingers Dark Mix)"はそのタイトル通りに激しく打ち鳴らされるドラムマシンによってヒプノティックな雰囲気が増したリミックスで、うっすらと情緒を匂わせるキーボード使いのバックではオリジナルのロウな響きにはより近いリズムが激しく脈動し、攻撃的なシカゴ・ハウスの側面が強い。それぞれシーン/時間帯別に使い処はあろうが、流石のHeardのリミックスは自分の色に染め上げてしまっている。




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| HOUSE12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trux - Trux (Office Recordings:OFFICE 07)
Trux - Trux
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ベルリンのOffice Recordingsはアナログ感のあるディープ・ハウスを手掛けるBaazが主宰するレーベルで、基本的にはBaaz自身の作品をリリースするためのレーベルとして機能している。そんな運営もあってレーベルとしては年に一枚か二枚かしか作品は出ないものの、逆に数が少ないからこそ一つ一つの作品の質は保証され、トレンドに組み入る事なくレーベル性を確立している。そしてリリースされた新作は今だその名も聞いた事のないTruxなるアーティストのミニアルバムで、ジャケットのUFOの写真もそんなミステリアスな存在を示唆しているのだが、音楽性も既存のOffice Recordingsから異なる方向へとチャレンジを果たしている。"Aziol"は鮮やかなシンセが上の方で遊びまわるビートレスな曲だが、それにも拘わらず躍動感に溢れているのはその旋律の動きがある故だろう。続く"Ada"は一転してもっさりとしたダウンテンポにマイナーコードを被せ、不鮮明なボイスサンプルも用いる事で物憂げな響きがある。かと思えば輝きを放つ優雅な上モノに荒削りなジャングル・ビートが炸裂する"Skarb"、雫のように滴る清楚なシンセと落ち着きのある4つ打ちが心地良いディープ・ハウスの"Werk"と、A面からしても半ば支離滅裂なまでに様々な作風が混在している。B面へと移ってもそれは変わらず、ぼかし過ぎたボイスサンプルが反復するアブストラクトとアンビエントの中庸にある"Pattern"、溜めのあるリズムと繊細でヒプノティックな上モノに酩酊する"End 1"と、全く作風に纏まりはない。しかし"Your Cradle"は今までのOffice Recordingsを踏襲しており、ほんのりと情緒を匂わせるパッド使いと緩くはあるものの硬いビートが刻まれたハウスで、しかしグリッチ的なノイズも散りばめ刺激的でもある。テクノやハウスのみならずジャングルやアンビエントにエレクトロニカまで、曲毎に試行錯誤的に取り組みつつもローファイな味付けで全体の統一感を出しており、アルバムの枠だからこその多方向性を試しているかのようだ。レーベル性から外れた方向を試している点で、何となくBaazの変名の気がしなくもないがどうなのだろうか。



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| HOUSE12 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seven Davis Jr. - Future Society (R2 Records:R2CD027)
Seven Davis Jr. - Future Society
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USの次世代ハウスで頭角を現しているSeven Davis Jr.が、2015年の初のアルバムである『Universes』(過去レビュー)に続きリリースするのは、彼が選曲を担当したコンピレーションだ。Seven Davis Jr.と言えばかの伝説的なレーベルであるClassic Music Companyにも見初められ、そして現在はハウスへの接近を見せるNinja Tuneとも繋がり、今旬のハウス・アーティスト/シンガー/ライターである事に異論は無いだろう。Pファンク由来の熱いファンクネスと骨太な荒々しさを伴うハウス・ミュージックは、流行に寄り添う事なくSeven Davis Jr.の個性を光らせ、アーティストとしての期待を担っている。さて、そんな音楽性は本作にも如実に反映されており、大半の曲が未発表曲であるもののその熱量の高さや感情の揺さぶりはSeven Davis Jr.の音楽性に確かに通じている。Colm Kによる"Dream"は洒落たローズの下では艶かしいベースがうねり、熱くも優美でソウルフルなハウスだ。Perlairの"Dance With Me"は切れのあるジャジーグルーヴや明るめのシンセで弛緩したムードがあり、そこに囁き声のポエムも持ち込んで昼下がりの白昼夢にいるかのようだ。Ugly Discoの"Nutz"やOcnotesの"My Religion"など、土臭く荒削りな音を活かしたハウスは野性味があり、Seven Davis Jr.のファンクな音楽性と共通項を見出すのは容易い。Cave Circlesによる鈍いアシッド気味のベースがうなる"Living With Everyone"は、言われなければSeven Davis Jr.の新曲と思うようなロウでファンクなハウスだ。同じく熱量の高いのがJonna & Samwellによる"Alright"で、ディスコ風なトラックにゴスペル風なボーカルの導入もあって、血が滾るソウルフルなハウスは興奮を誘う。収録されたアーティストについて知っている事は殆どないものの、ここでSeven Davis Jr.がピックアップした事で彼等の後押しになる事は間違いなく、だからこそ未来への向かう事を示した“Future Society”と名付けられたのも納得だ。



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| HOUSE12 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Stuntman Mike Car's Soundtrack (Part.2) (Troubled Kids Records:TKR013)
Stuntman Mike Cars Soundtrack (Part.2)

スペインのディープ・ハウスのレーベルと自称するTroubled Kids Recordsは、ヴァイナルのメディアに拘りディープな音楽性を貫く。本作は、映画「Death Proof」の中に出演するキャラクターであるStuntman Mikeがドライブ中に流すサウンド・トラックという位置付けのEPのようで、2013年にはその第一弾もリリースされている。この第二弾にはデトロイトからAlton Miller、日本からはMiruga、スペインからはErnieとレーベルオーナーのJesus Gonsevとそれぞれ正しくディープ・ハウスを得意とするアーティストが参加しており、その面子からも作品の質の高さはおおよそ予想はつくだろう。Millerの"When The Morning Comes 2nd"は2010年にリリース済みの別バージョンだが、控え目に優美なローズのコード展開と生っぽく爽やかなビートを軸に麗しいシンセソロが舞い踊り、ソウルフルで王道的なデトロイト・ハウスがベテランとしての貫禄を感じさせる。Gonsevによる"Traits Of Humankind"もズンドコとした太い4つ打ちに柔らかく温かみのあるメロディーが華麗さを演出し、際立った個性を感じさせる作風ではないがディープ・ハウスとしての基本的なスタイルを守っている。非常に個性的なのはMirugaによる"Endless Waltz"で、力強く跳ねるようなジャジーなリズムの上にエレガントさを添える耽美で躍動的なエレピの旋律が華を添え、そこに様々な音色が重層的な厚みを出して華やかながらも生々しいグルーヴを生んでいるのだ。そしてErnieによる"Sharepoint"は空気感のあるパッドやリバーブを効かしたボイスサンプルを用いて、奥行きや壮大な空間の広がりを感じさせる作風で、他の3曲よりもアンビエント性も感じさせるがこれもディープ・ハウスの一種だろう。サウンド・トラックという体裁のコンセプトは理解出来ないものの、収録された曲自体は正しくハウスのパーティーで映える曲ばかりで、一見の価値ありだ。

| HOUSE12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nebraska - Look What You've Done To Me EP (Mister Saturday Night Records:MSN021)
Nebraska - Look What Youve Done To Me EP
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絶好調、USはNYの次世代ディスコ/ハウスを提唱するMister Saturday Night Recordsの新作は、同レーベルの主力アーティストの一人であり旬のHeistやDelusions Of Grandeurなどからもリリースをする実力は折り紙つきのNebraskaの作品だ。今までの作風からサンプルのループを多用してブギーでディスコな音を鳴らすのが持ち味な事は明白で、緩急の差はあれどそれぞれがフロアに即したビート感があり、聴いて良し踊って良しとバランス感に長けた制作はアーティストとしての安定感がある。A面の"What You've Done To Me"は非常に穏やかで緩いグルーヴのディープ・ハウスだが、耽美なエレピで引っ張りつつ中盤から煌めくなシンセや分厚いベースが入ってくると、途端にゴージャスなディスコ・ハウス色を強める。コズミックなエフェクトやトランペットらしき音色も綺羅びやかさを演出し、遅いBPMの曲ながらもじっくりと盛り上げる展開は朝方の幸せが満ちるフロアに合うだろうか。"SOS Dub"のざっくりとした鈍い切れ味を持つリズム感は昨今のロウ・ハウスの影響を匂わせるが、ムーディーなのか不気味なのかひらひらとしたパッドが酔ったような効果をもたらし、Mister Saturday Nightらしい前衛的なハウスを思わせる曲もある。本作の中で派手なサンプル使いが成功しているのが"Done My Best"で、パーカッション弾ける勢いのある粗いグルーヴに優美なピアノのサンプル・ループや伸びやかなストリングスが多幸感を生み、肉体の底から激しく揺さぶるディスコ・ハウスはこれぞNebraskaの作風と言うべきものだ。それぞれ一夜の中でシーン別に分けて使える作風があり便利なEPであるが、もう実力は十分に分かっているので早く次のアルバムをと思わずにはいられない。



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| HOUSE12 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tominori Hosoya - Life Goes On EP (Mixx Records:mixx-22)
Tominori Hosoya - Life Goes On EP

長らくTomi Chair名義で活動をしていた邦人アーティスト、2014年からはTominori Hosoyaとして作品をリリースするようになり、清楚な空気と爽快な浮遊感を伴うディープ・ハウスを武器として海外でも注目度を高めている。新作はUSはニュージャージーのMixx Recordsからとなるが、ここでもHosoyaの作風は流行に埋没する事はなく自身の個性を主張しているようで、実に清々しいまでのディープ・ハウスを披露している。タイトルからして希望が感じられる"Over The Sadness"は爽快なシンセの上モノと軽快に疾走するリズミカルな4つ打ちを軸に、持続感を伴いつつ音の抜き差しで程良いブレイクも作る事で緩急を付け、DJミックスに対する機能性を含みながらもメロディアスな作風が如何にも彼らしい。一方で"Strategy Meeting"はアシッドのベースラインと刺激的なパーカッション、そして崩れたビートで肉体的な揺さぶりを掛けるタイプのハウスだが、途中からすっと浮かんでくる爽快感溢れるパッドによって情熱が爆発するような感情の揺さぶりも同居している。裏面の"32-33 (One Decision)"も異なるタイプだがそのアンビエント性の高さは特筆すべきで、エキゾチックなパーカッションと弛緩したハウシーなグルーヴに透明度の高いパッドの広がりから、そして天から降ってくるようなピアノの響きはまるでパラダイスか、夢と現実の狭間を行き来する快適なアンビエント・ハウスになっている。そしてレーベル主宰のBrothers' Vibeもリミックスを提供しており、"Strategy Meeting (Brothers' Vibe Remix)"は原曲から打って変わって4つ打ちへと姿を変える事で揺れる感覚から骨太な疾走感のグルーヴへと変化し、闇が似合うアンダーグラウンド性の強さを纏っている。しかしこの作品の中でやはり魅了されるのはHosoyaのオリジナル3曲で、どれもグルーヴ感は異なるものの音色の綺麗さや情感を伝える世界観はどれも共通しており、体の隅々まで清涼さが染み渡るだろう。



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| HOUSE12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yosa - Orion (OMAKE CLUB:OMKCD-0006)
Yosa - Orion
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2008年の海外デビューから早8年、現在では大型フェスから国内各所のパーティーに出演して新世代としての立ち位置を確立させたYosa。元々はDrumpoet CommunityやDirt Crew Recordingsに曲を提供するなどアンダーグラウンド性の強いディープ・ハウスに取り組んでいたものの、近年はメジャーとアンダーグラウンドの境目を埋めるようにポップ・フィールドともリンクし、クラブだけに依存する事のない普段の生活の中に流れているようなダンス・ミュージックへと接近している。それは2014年にリリースされた初のアルバムである『Magic Hour』(過去レビュー)も感じられた事だが、1年半ぶりとなるこの新作でも更にその路線が推し進められ、よりポップにより親しみやすいハウスとヒップ・ホップの折衷主義を成し遂げている。特筆すべきは全編通してボーカリストをフィーチャーしている事で、例えばアンダーグラウンド性の強いテクノであれば意味を排すようにインストとなる傾向が強いが、このアルバムに於いては歌がある事で耳へすっと入りやすい作用を持つ事になっている。参加しているボーカリストについて筆者が知っている事は少ないが、どれも可愛らしさなりテンポの良さなりを活かした歌がトラックを更に馴染みやすいものにしているのだ。ヒップ・ホップ寄りの気怠いビートに弛緩しつつもメロウな雰囲気を添える歌が心地良い"Life with You"、NOPPALの持続感のある甘いラップとフローティングするハウス・グルーヴの"Spresh"と、序盤からポップで明るいサウンドがYosaの作風として馴染んでいる。タイトル通りに眠りへと誘うような"Sleep tight."は数少ないインストで、耽美なエレピの旋律とざっくりしたダウンテンポな作風はアルバムの中でインタールード的な効果を成している。続くのはJabba Da Hutt Football Clubを起用した"Navy"で、重心の低いヒップ・ハウス気味なトラックの上にねちっこいラップが後を引くトラックで、ネオンライトのような光沢を持ったシンセがポップな感覚を生んでいる。そしてアルバムのコンセプトを示唆する"夜明け前"ではZOMBIE-CHANG & SALUが参加しており、ファンキーで哀愁が滲み出るギターと切れのあるラップと儚げな女性ボーカルが入り乱れ、アルバムの中でも最もエモーショナルな曲になっている。どれもポップで分り易い響きがあり、アルバム通して40分弱のコンパクトな作風と、いつの間にか聴き終わってしまう程にアルバムは上手く纏まっている。停滞感が強い現在のクラブやパーティーと場所に新世代が風穴を開けるとしたら、正にこれはそんな意図が込められているように思われるのだ。決してクラブ・ミュージックを好きな人だけでなく、J-POPを好きな人にも訴求する可能性を秘めている。



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| HOUSE12 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |