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Ron Trent vs. Lono Brazil vs. Dazzle Drums - Manchild (In The Promised Land) (BBE:BBE443SLP)
Ron Trent vs. Lono Brazil vs. Dazzle Drums - Manchild (In The Promised Land)
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シカゴ出身、The Beastie Boysをはじめ多くのヒップ・ホップやR&Bの制作に携わり、またハウス・ミュージックの広がりに貢献したとされるLono Brazil、そして同じくシカゴのディープ・ハウスの重鎮であり現在も尚一向に勢い収まらずに新作を大量にリリースしつつDJとしても世界各地を飛び回るRon Trent、そんな二人による新作が到着。そして何と日本からはDazzle Drumsがリミックスとして参加したという点でも話題性があり、ハウス・ミュージック好きな人にとっては見逃せない一枚だ。元となる曲自体はBrazilによるものだが、それをTrentやDazzle Drumsがそれぞれ手を加えたようで、"Ron Trent Full Vocal Version"の方は完全にTrent色に染まっておりもはやリミックスというか彼の新作と呼んでも過言はないだろう。Brazilの音楽性については詳しくないので曲にどれ程の影響が反映されているか知る由もないが、囁くようなポエトリーや大空へと響き渡る爽快なアフロ・パーカッション、そして透明感のあるシンセの下に滴るような耽美なピアノも添えて、アンビエント性や浮遊感のあるディープ・ハウスは正にTrentの個性だ。10分以上にも渡り重力から解放されて空を飛翔するような幻想的なアフロ・ジャーニーは、爽快かつ優雅で体が揺れながらも心はリラックスされる。対して"Dazzle Drums Dub"もアフロなパーカッションをふんだんに用いながらもそれはより硬質で、リズム感もかっちり硬い4つ打ちでビート感が強めに出ているが、妖艶なシンセや笛の音色のようなメロディーが入ってくるとヨーロッパ的なテック・ハウス感も現れてきたりとモダン性を伴っている。どちらのリミックスもアフロ・グルーヴという点では共通項を持ちながら、しかしそこにそれぞれのアーティストの個性が正確に反映されており、パーティーでも時間帯や屋内/屋外といった使い分けもしっかり出来る内容になっている。



Check Ron Trent & Lono Brazil & Dazzle Drums
| HOUSE13 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mike Dunn - My House From All Angles (Moreaboutmusic:MAMBB001)
Mike Dunn - My House From All Angles

何があったのか昨今のシカゴ・ハウスに於ける名作のリイシューラッシュの勢いは驚くべきもので、Dance ManiaやTraxにChiwax等含む多くのレーベルから数え切れない程に過去の作品の掘り起こしが行われている。そんなシカゴ・ハウスが賑わう状況で2018年にはそのレジェンドであるLarry HeardことMr.Fingers名義のアルバムが24年ぶりに発表された事は記憶に新しいが、それにも負けないのが2017年の年末にリリースされたMike Dunnによる2ndアルバムである本作で、こちらは何と1990年以来の27年ぶりのアルバムになる。Dunnはシカゴ・ハウスの黎明期から活動するDJでゲットー地区生まれと言う事も影響しているのか、そのTB-303やTR-808を用いたアシッド・ハウスは荒々しく正にジャッキンなもので、それだけに留まらず数々の変名を用いてガラージやディープ・ハウスにも取り組んでいたが、アルバムを制作しなかったのはやはりDJツール的な音楽性が故だったのだろうか。しかし本人曰くやる気とアイデアが湧いてきたそうでこのアルバムへと繋がったのか、そして久しぶりのアルバムと言う事もあるのか不穏なアシッド・ハウスだけではなくボーカル・ハウスや流麗なテック・ハウス気味の曲もあったりと、ベテランとしての集大成的な構成にはただ野蛮なけではなく完成されたベテランとしての貫禄が漂っている。出だしの"Acid Rush"はうねるアシッドのベースが古典的なアシッド・ハウスではあるものの、魔術的な呟きの導入もあってか激しいと言うよりは催眠的でアシッドの幻惑的な効果が打ち出されている。"Body Muzik"もファンキーなボーカル・サンプルや呟きが用いられており、こちらはよりラフなハイハットやリズムの鳴りがジャッキンに響いており、オールド・スクールでB-Boy的だ。だがアルバムは進む毎に多様な表情を見せるようになり、4曲目の"DJ Beat That Shhh"ではMD X-Spressをフィーチャーして野暮ったくもどこかメロウな歌とスカスカなリズムのヒップ・ハウスを聞かせ、"Have It 4U Babe"では切り刻んだようなサンプリングやディスコなベースラインを用いて熱量あるソウルフルなハウスを展開し、"Modulation"に至っては潜めるようなアシッドを混ぜながらも快楽的で美しいシンセのリフがモダンで洗練されたヨーロッパ的な雰囲気のテック・ハウスを匂わせており、Dunnに対する古典的なアシッド・ハウスのアーティストという間違ったイメージを正しく塗り替える。それでも尚安っぽくて垢抜けなくも狂気が滲むアシッド・ハウスの魔力は魅力的で、その後にも"Move It, Work It"のようにたどたどしいTR系のリズムとねちっこいTBのアシッドなベースの単純な構成のシカゴ・ハウス等も用意されており、長い経験から生まれた幅のある豊かなハウス・アルバムでありつつアシッド・ハウスというルーツは変わっていない。久しぶりのアルバムだからと言って甘い評価は必要なく、シカゴの重鎮としての力量が爆発したファンキーな一枚だ。



Check Mike Dunn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Akufen - Music 2 Wiggle 2 (Telharmonic Texture:TTX003)
Akufen - Music 2 Wiggle 2

ぶつ切りサンプリングを特徴とするマイクロ・サンプリングの先駆者であるMarc Leclairによるメイン・プロジェクトのAkufen、一年ぶりの新作はJeff Samuelが新たに設立したTelharmonic Textureのカタログ3番となる。一時期病気によって活動を停止していたのも今や昔、昨年の『EP』(過去レビュー)でも初期にも負けず劣らずなぶつ切りサンプリングを用いて面白くもファンキーなグルーヴを作り出していたが、本作でもその流れを引き継いで様々なサンプリングを盛り込みながらコミカルな面白さのあるハウストラックを披露している。"The Sketchiest Sandwich In Town"はマイナー調のややどんよりムードのコード展開から始まるが、線の細いリズムは軽快に踊り回るように跳ねて序盤から体を軽々と揺らす。細かいボーカル・サンプルや細切りになった音のサンプリングが丹念に編み込まれ、オルガンの音やうねるベースラインに可愛らしいシンセのメロディー等がかわるがわる現れてどんどん拡張する展開は、手の平からするすると抜け落ちていくように飄々としており、Akufenにしか成しえないフュージョン・テック・ハウスか。"I Love To Wiggle"はそのタイトルを呟くボーカル・サンプルを用いて生っぽいジャジーなリズムを軸に、ファンキーなギターカッティングらしき音や怪しくも色っぽいキーボードの旋律でループさせながら引っ張っていくミニマル的な構成で、生っぽい音質による生温い温度感が蒸し暑い夏にもぴったりだ。"Ritalin Swing"は鍵盤らしきリフのループに吐息のようなボーカル・サンプルを連続させて軽い爽やかなムードだが、オーボエらしき笛の音色も加わってくると妙な高揚感に包まれ、更に輝きを放つゴージャスな展開へと雪崩れ込むなどドラマティックな展開も待ち受けており、フロアをあっと沸かす事も出来るような構成だ。どれもAkufenらしい細切れのサンプリングを用いて繊細ながらもファンキーなグルーヴが走っていて、流石この種の音楽の先駆者としての自信に満ちあふれている。



Check Akufen
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Odeon - Galaxies (Edizioni Mondo:MND008)
Odeon - Galaxies
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60年代のモンド映画に触発されハウス・ミュージック側からライブラリー・ミュージック的な音楽を手掛けるEdizioni Mondoは、まだ発足から僅か5年程ではあるものの現在のバレアリック・ミュージックとも共振しながら単にダンスのためだけではない豊かな風景を換気させるような音楽性を持っている。目下レーベルの最新アルバムである本作はローマからLuciano & Valerio RaimondiとMichele & Giacomo Righiniの二組の兄弟による4人組のユニットであるOdeonによるもので、このユニットは過去にも同レーベルから2枚のEPをリリースしており、サイケデリックなロックや夢のようなコズミック・ディスコに微睡みのアンビエント性を咀嚼して、基本的にはリスニング志向ながらもロードムービーのように音楽が旅情を描写するような音楽性を披露している。アルバムでは特にそんな音楽性が活かされる事になっており、霞の奥に消えていくような4ADを思わせるサイケデリックながらも甘美なビターのディレイが特徴のロック風な"Recovery"で始まり、続く"Landing"も同じ幻想的なギターを前面に出しそこにぼやけたシンセのドローンやコズミックなSEを導入して、序盤から夢の中を旅するような心地好い陶酔の世界へ。"Parsek"は溜めが効いたロックなリズムとディレイされたボーカルに惑わされ、"Fauna"ではビートは消失し鳥の鳴き声や波の音などを用いたフィールド・レコーディングで一旦息を入れつつ、そして甘美なギターのアルペジオによってどんよりとしたメロウな雲に包まれる"Capricorn"は特に幻夢なサイケデリック性が強く、途中のアンビエントな展開もあって意識も朦朧とするようなドリーミーな世界観だ。終盤には先行シングルの"Rocket Launch"も収録されており、もはや70年代プログレッシヴ・ロックとディスコがミックスされたように、轟音ギターから甘く透明感のあるギターの変化する展開や静と動が切り替わる大胆なビートの変化など躍動感のあるダンス・ロックが、4人組でライブ演奏しているようなダイナミズムを打ち出している。アルバムという大きな作風だからこそ彼等の心情の変化を描き出すような展開の大きさが活かされており、最初から最後まで夢と現実の狭間を進むようなサイケデリックな世界を堪能する事が出来るだろう。



Check Odeon
| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Caissard DJ - BAH040 (Bahnsteig 23:BAH040)
Caissard DJ - BAH040

2015年にベルリンで設立されたBahnsteig 23は、まだ活動3年程ながらも既に作品数は20を超える程に勢いがある。生っぽいディスコやシンセ・ポップやニューウェーブの要素を含む異形なエディット作品が中心で、決して有名なアーティストの作品をリリースしているわけではないが、独自のレーベル性を着実に確立させながら勢いを強めている。そのレーベルからデビューを飾ったのがフランスからのThomas CaissardことCaissard DJで、デビューしたばかりなので詳細は不明なものの、一聴して耳を惹き付ける位には印象的な作品だったのでついつい購入した次第だ。出だしの"Bright Dance"こそタイトル通りにキラキラとしたシンセを用いたシンセポップな曲調で、随分と懐かしくもあり哀愁のある音楽性だなと思っていると、"Market Anthem"は安っぽいリズムマシンのビートやベースが浮かび上がる作風は80年代のニューウェーブな雰囲気もあったりと、序盤から全く的を絞らせない。更にはアジアな雰囲気を思わせる弦の音色を用いた原始的エキゾチックな"La x5"、奇妙な電子音が唸りローファイなビートが刻まれるマシン・ファンクな"Arrakis (Melange Dub)"、黒魔術を唱えているような不気味なゴシックでインダストリアル風の"Demo-cracy"、そして妙な高揚感のあるベルの連打と生々しい太鼓のビートが中国を思わせるようなハイエナジーの"The God Emperor"と、曲毎に様々な様相があり一枚のEPの中でも雑多ながらも折衷主義とも認められる音楽性が詰まっている。その余りの纏まりの無さはここまでやると清々しい位で、Bahnsteig 23というレーベルの強烈な個性の一つと思えば、十分にレーベルの魅力性を伝える事にも寄与している。アーティストとレーベル共に、今後も注目せざるを得ない衝動的な一枚だ。



Check Caissard DJ
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kez YM - Random Control (Berlin Bass Collective:BBC-004)
Kez YM - Random Control
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Yore RecordsやFaces Recordsにフィーチャーされる等、日本人としてそのブラックネス溢れるハウス・ミュージックは日本よりも寧ろ海外で認められているKazuki YamaguchiことKez YMは、昨今の他のアーティストと同様に日本を離れ現在はベルリンを拠点として活動している。異国の地での活動が一体彼にどんな影響を及ぼしているのかは定かではないが、新作を聴く限りではKez YMはKez YMで、以前と全く変わらずにディスコ・サンプリングを武器にエネルギッシュで骨太なハウスを披露しており、先ずは一安心だ。エレピらしき音色のサンプリング・ループを軸にした"Trapezoid Dance"はドズドスとした低音の効いた4つ打ちでねっとりと攻めるハウスで、ボイス・サンプリングやファンキーなベースラインが躍動して重くも躍動感があり、ファンキーなディスコ・ハウスは如何にも彼らしい。"Blood Heat"はガヤガヤとしたサンプリングを用いて騒がしさが目立っており、下降していくようなマイナーコードの展開がビートダウン・ハウス的で、ピークタイムではなく一旦力を抜くような時間帯向けのトラックか。"Rhythm Circulations"は爽やかでアフロなパーカッションが弾け開放的な雰囲気があり、そこにやはりサンプリングによるループが輝かしい楽天的な響きとなって引っ張っていく展開で、非常に単純明快な反復重視な構成のディスコ・ハウスではあるが故に体も即座に反応するだろう。そして"Mind Scope"ではやや隙間を作って軽さを出したビート感にうねりのあるワウギター風なループやホーン風のメロディーでじわじわと引っ張るハウスで、勢いは抑えられながらも持続感が心地好い。金太郎なサンプリング・ハウスの作風は完全に確立されており、目新しさは無いものの徹底的にフロアに視線が向けられておりDJとしての才能が作曲にも反映されている。



Check Kez YM
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chmmr - Auto Remixes Pt.1 (Full Pupp:FPLP 013 RMX 1)
Chmmr - Auto Remixes Pt.1
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ノルウェーのニューディスコ旋風の一派であるPrins ThomasとStevie Koteyが主宰するFull Puppは、本人の作品からこれから注目になるであろう若手までの楽天的なニューディスコを軸に紹介するレーベルで、このレーベルからの作品であれば少なからず太鼓判が押されたようなものだ。そのレーベルでアルバムもリリースするなど躍進を果たしているのが同じくノルウェーからEven BrendenことChmmrで、2014年から同レーベルからEPをリリースし出してからはここを拠点に活動し2017年の初のアルバム『Auto』へと繋がっているが、本作はそのアルバムからのリミックス作品となる。手掛けているのは同様にこのレーベル初期に作品をリリースしていたTelephones、そしてDJ DogことFett BurgerとDouble Dancerのコンビで、両者とも原曲を軽く凌駕しながら新たなる個性を植え付ける素晴らしいリミックスを披露している。爽快な多幸感を含むバレアリックな音楽性を得意とするTelephonesは正に期待に応えたリミックスを提供しており、"Pretty Space (Telephones' Energized Mix)"は原曲のイメージを大きくいじってはいないもののそれよりもドライブ感のあるビートで力強くリズムを刻み、清流のような透明感のあるシンセの音色も加えて源泉から豊かな色彩を持った音が溢れ出すようなトロピカルなハウスを展開。対照的に"Pretty Space (Telephone's Gren Fatarik Oo-mox Dub)"はそのダブというタイトル通りで豊かなメロディーの展開を抜き去りリズム中心のトラックにした事で、荒々しいハイハットや太いキックと奇妙な効果音が前面に出て、ツール性を高めて持続感を持ったファンキーな曲に生まれ変わっている。奇抜さと言う点ではFett BurgerとDouble Dancerのリミックスが勝っており、いきなり酔ってふらついてたようなトランペットのメロディーから始まる"WALL-Y (DJ Dog & Double Dancer's Spit Daddy's Jazz Lounge Mix)"はしかしスペーシーなシンセで流麗が入ってきて、そして力強い4つ打ちのキックがドシドシと地面を揺らすように刻みキレのあるパッカーションが弾け、宇宙の中を駆け巡るようなスペーシーな多幸感に満たされる。トリッキーなボイスサンプルや効果音的な電子音も各所に織り交ぜて絶妙なトリップ感を含ませながらも、基本的には爽快なダンス・トラックとしてフロアで映える作品だ。そして"WALL-Y (DJ Dog & Doubler Dancer's Spit Daddy's Hock-A-Loogie Mix)"はスペーシーな上モノが取り除かれたダブ・バージョン的な意味合いか、骨太なグルーヴ感やロウな響きのパーカッションによって逞しさが強調されており、展開の少なさもあってツール的な作風になっている。4曲どのリミックスも文句無しに素晴らしいのだが、但しFett Burgerはアナログ信仰らしく彼のリミックスはデジタルには収録されていないので、聞くにはアナログ盤を買うしかない。



Check Chmmr
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joe Morris - Jacaranda Skies (Pleasure Unit:PU 07)
Joe Morris - Jacaranda Skies

日本ではそれ程流通していないように思うイギリスのニュー・ディスコ/バレアリック系の新興レーベルであるPleasure Unit、過去の作品を聞いてみても現在形にアップデートされた哀愁漂うディスコの音楽性があり、懐かしさと共に未来への視線が感じられる。その最新作はリーズで活動するJoe Morrisによるバレアリック志向なハウスだが、そう言えば以前に橋本徹が『Good Mellows』シリーズにもこのアーティストの曲を選択していたり、またIs It Balearic?やBalearic Socialからもリリース歴がある事からも分かる通り、やはりメロウで温かい感情性のある作風が発揮されている。タイトル曲の"Jacaranda Skies"が正にそんな音楽性を示しており、金属的なパーカッションの持続やバウンドするキックによる4つ打ちが心地好いビートを作りつつ、その上を走るメロウで懐かしさを生む可愛らしいメロディーや幻想的なシンセストリングス、そしてトランペットらしき高らかなソロも入ってくれば、それは開放感溢れるバレアリックなハウスなのだ。対して"Mangrove Dawn"は抽象的な霧のようなサウンドに包まれるアンビエント・トラックで、そのぼやけた音像の中からドロドロとした酩酊感溢れるアシッド・ベースがうねるように浮かび上がり光に包まれるようなシンセが溢れ出すその壮大な展開は、「マングローブの夜明け」と題されているのも納得の密林の奥地に広がる神秘的で美しい光景をイメージしているのか。"The Lost Garden"もぐっとテンポを落としたサウンド・トラック的なリスニング指向の曲で、エキゾチックなパーカッションが土着感を生みつつ、ぼやけて霧の中に消え入るようなスライド・ギターや民族的な木琴系の音で意識を溶かしていくような甘美なサイケデリック性もあり、その異世界の夢の中を彷徨っている。最後はタイトル曲のビートを弱めに変えた"Skies Reprise"だが、若干おとなしくしっとり目の空気が強くなりよりメランコリーさが際立っているように思う。全4曲、それぞれに持ち味がありながらバレアリックな方向性での纏まりもあり、捨て曲無しの力作。これからやってくる夏のシーズンにもはまりそうな野外向けのサウンドだ。



Check Joe Morris
| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
CC:DISCO! Present First Light Vol.1 (Soothsayer:SS0036)
CC:DISCO! Present First Light Vol.1
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シティーポップを思わせるキッチュなジャケットに目を奪われ、そして実際に音を聞いてみれば緩く開放的な雰囲気のバレアリックかつブギーなディスコが満載のコンピレーションに、もう心は即座に虜になってしまう。本作を編纂したのはメルボルンで活動するCourtney ClarkeことCC:DISCO!で、15歳の頃からラジオDJを開始し現在は自身でClub Cocoなるパーティーを運営しながら地元との密接な繋がりを持っているようだが、その音楽的な才能が評価され今では世界各地の大きなフェスティバルやパーティーにも出演をして忙しないツアー生活になっている。調べてみると公式な作品のリリースは無くDJのみによって正確な評価を獲得しているのだから、音楽への嗅覚や審美眼もきっと間違いないのないものなのだろうが、それは本作を聞けば確信へと変わる。ここに収録された曲は全てが未発表曲のようで、オーストラリアやニュージーランドで活動するローカルなアーティストの曲をCC:DISCO!が見事に掬い上げており、低い知名度に反比例して曲の質はどれもこれも素晴らしい。ニューカマーであるAngophoraによる"Settled"は、哀愁が滲むギターとぼんやりとしたシンセによって白昼夢に誘い込まれるニューエイジ風だが、オーガニックな響きが温かく体を包む。続くRings Around Saturnによる"Abarth"は大手を振って闊歩するような4つ打ちのブギー・ディスコだが、ここでも揺らぐ情緒あるギターやフュージョン風なシンセが懐メロ的な味わいを持っており、リラックスしたムードの中に甘い陶酔も仄かに混ざっている。Jace XLの"Really Want That"では光沢のあるポップなシンセ使いと甘く誘うような歌声もあって、80年代の都会的なシンセ・ポップで非常に甘美な懐かしさがある。一方で滑らかで心地好い浮遊感を持つディープ・ハウスを聞かせるのはLove Deluxeによる"Ivan's Hymn"で、霞の中で鳴るような繊細なピアノのコードとポコポコとした軽いパーカッションに引っ張られながら、揺らめく官能の世界を展開する。またDJ Simon TKによる"Never follow a druid to a second location"は安っぽい音によるリズムや荒々しいギターが鳴るローファイなシンセ・ロックだったり、Midnight Tendernessの"Precipitation Meditation"では爽やかなフルートや透明感のあるシンセを用いてドリーミーな情緒が浮かび上がるバレアリックなアンビエント風だったり、Sui Zhenの肩の力が抜けたアフタービートが気怠さを誘う甘いレゲエな"No More Words"もあったりと、決してディスコだけではなく多方面の音楽を咀嚼して多幸感への統一感を纏めている。真夜中の熱狂的なフロアと言うよりは昼間の野外フェスで鳴っているようなリラックスした選曲で、明るい時間帯のホームリスニングにもぴったりなコンピレーションだ。来週には初来日もある真夜中のパーティーではどんなDJをするのか、楽しみでならない。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - 5 (Prins Thomas Musikk:PTM 001 CD)
Prins Thomas - 5
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ニューディスコの隆盛の中で特に影響力の大きいノルウェーから一派であるPrins Thomasは、その中でも多くのEPやアルバムを送り出しMIXCDも手掛けるなど、アーティストとしてもDJとしてもこのムーブメントを引率する一人だ。アンビエントへと向かった傑作の『Principe Del Norte』(過去レビュー)から早1年半、早くもリリースされたニューアルバムは原点であるニューディスコへと回帰しているが、それは単にルーツへ戻るだけでなくそこにはクラウトロックやテクノにエクスペリメンタルやアンビエントにアシッドなどが存在しており、ニューディスコを軸にその深みを醸したような円熟味のあるアルバムになった。"Here Comes The Band"の正にバンド的な生音が主張する生き生きとしたディスコ・サウンドから始まり、ブリブリとしたベースラインが躍動感を生みコズミックな上モノが広がるバレアリック系の"Villajoyosa"、眠気を誘うような朧気な電子音が揺らめくアンビエント寄りの"Bronchi Beat"と、アルバムの冒頭からニューディスコを軸に多方面への拡張を行っている。アルバムの多様性を特に示すのが"Æ"で、何かをとち狂ったかのようなネトネトした粘性の高く暗くミニマルなアシッドは普段のThomasからは予想も出来ない作品だが、決してそれがアルバムに組み入れられた事で雑然とした雰囲気にはなっていない。また最もドラマティックに盛り上がり多幸感に包まれる"Lunga Strada"は、様々な打楽器が鳴るパーカッシブなイントロから輝かしいシンセが伸びながら徐々にギターも入ってくるコズミック・ディスコで、艷やかな光沢感は眩しくもある。ニューディスコらしく心地好い陶酔感のあるアルバム、しかし瞬発力やアッパーな曲調は後退し寧ろ全体のムードとしては地味でさえある程に落ち着きある内容だが、だからこそ逆にしっかりと噛み締めて味わいたくなる良く練られた作品だ。



Check Prins Thomas
| HOUSE13 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |