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Kez YM - Random Control (Berlin Bass Collective:BBC-004)
Kez YM - Random Control
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Yore RecordsやFaces Recordsにフィーチャーされる等、日本人としてそのブラックネス溢れるハウス・ミュージックは日本よりも寧ろ海外で認められているKazuki YamaguchiことKez YMは、昨今の他のアーティストと同様に日本を離れ現在はベルリンを拠点として活動している。異国の地での活動が一体彼にどんな影響を及ぼしているのかは定かではないが、新作を聴く限りではKez YMはKez YMで、以前と全く変わらずにディスコ・サンプリングを武器にエネルギッシュで骨太なハウスを披露しており、先ずは一安心だ。エレピらしき音色のサンプリング・ループを軸にした"Trapezoid Dance"はドズドスとした低音の効いた4つ打ちでねっとりと攻めるハウスで、ボイス・サンプリングやファンキーなベースラインが躍動して重くも躍動感があり、ファンキーなディスコ・ハウスは如何にも彼らしい。"Blood Heat"はガヤガヤとしたサンプリングを用いて騒がしさが目立っており、下降していくようなマイナーコードの展開がビートダウン・ハウス的で、ピークタイムではなく一旦力を抜くような時間帯向けのトラックか。"Rhythm Circulations"は爽やかでアフロなパーカッションが弾け開放的な雰囲気があり、そこにやはりサンプリングによるループが輝かしい楽天的な響きとなって引っ張っていく展開で、非常に単純明快な反復重視な構成のディスコ・ハウスではあるが故に体も即座に反応するだろう。そして"Mind Scope"ではやや隙間を作って軽さを出したビート感にうねりのあるワウギター風なループやホーン風のメロディーでじわじわと引っ張るハウスで、勢いは抑えられながらも持続感が心地好い。金太郎なサンプリング・ハウスの作風は完全に確立されており、目新しさは無いものの徹底的にフロアに視線が向けられておりDJとしての才能が作曲にも反映されている。



Check Kez YM
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
HVL - Hidden Valley EP (Rough House Rosie:RHR 013)
HVL - Hidden Valley EP
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グルジアのGigi JikiaことHVLは深遠でアブストラクトなディープ・ハウスな音響に特徴があり、それが評価を獲得したのかここ2〜3年は異なるレーベルから作品をリリースしていた。しかし1年半ぶりの新作は彼にとって古巣とも呼べるドイツはケルンのRough House Rosieからとなり、そのアンビエンスな性質もあるレーベルとの相性で言えばやはり間違いはない事からこの新作も期待する事だろう。しかし今までのゆったりとして深いアンビエンス性と意識的に聞くようなリスニング性を予想していると、A面の"Enslaver"にはやや驚きを覚えるかもしれない。変則的なビートでありながらもしかしそれは疾走するスピード感を得ており、そこにアシッドにも近い覚醒的なメロディーが明確なシーケンスで上昇と下降を繰り返し、もはやツール的なテクノとして響いている。薄氷のような繊細なパッドを潜ませてアンビエントな雰囲気を含ませながらも、このフロアを駆け抜けるような爽快感は今までのHVLには殆ど見受けられなかった性質だ。一方で"Distom Spook"は従来のHVLらしいと言うか、ヒプノティックなアシッドのラインやカタカタとした粗雑なリズムを用いた作風はアシッド・ハウスであるものの、そこに空間的の広がりを生む音を加える事で幻惑的なアンビエント感も生まれており、快楽的な中毒性に侵される。カタカタとしてエレクトロ・ビートが耳に残る"Lemon Stealer"もロウなハイハットやファンキーなビート感やに対し、すっと入ったり消えたりとする上モノはアンビエントの要素があり、ふわっと足元が浮かび上がるような心地好い浮遊感や陶酔感に繋がっている。そして最後は大らかなブレイク・ビーツを刻む"Crow Hill"で、スペーシーな効果音が浮遊する中にアトモスフェリックなパッドが濃霧のように満ちてきて、最もアンビエント性の高いディープ・ハウスはHVLらしい。深い空間創出を生む音響のディープ・ハウスに関してはやはりHVLの得意とするところであり、アシッドからテクノにエレクトロと表面的には違いはあってもどれに一貫した音響空間が存在している。



Check HVL
| TECHNO13 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chmmr - Auto Remixes Pt.1 (Full Pupp:FPLP 013 RMX 1)
Chmmr - Auto Remixes Pt.1
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ノルウェーのニューディスコ旋風の一派であるPrins ThomasとStevie Koteyが主宰するFull Puppは、本人の作品からこれから注目になるであろう若手までの楽天的なニューディスコを軸に紹介するレーベルで、このレーベルからの作品であれば少なからず太鼓判が押されたようなものだ。そのレーベルでアルバムもリリースするなど躍進を果たしているのが同じくノルウェーからEven BrendenことChmmrで、2014年から同レーベルからEPをリリースし出してからはここを拠点に活動し2017年の初のアルバム『Auto』へと繋がっているが、本作はそのアルバムからのリミックス作品となる。手掛けているのは同様にこのレーベル初期に作品をリリースしていたTelephones、そしてDJ DogことFett BurgerとDouble Dancerのコンビで、両者とも原曲を軽く凌駕しながら新たなる個性を植え付ける素晴らしいリミックスを披露している。爽快な多幸感を含むバレアリックな音楽性を得意とするTelephonesは正に期待に応えたリミックスを提供しており、"Pretty Space (Telephones' Energized Mix)"は原曲のイメージを大きくいじってはいないもののそれよりもドライブ感のあるビートで力強くリズムを刻み、清流のような透明感のあるシンセの音色も加えて源泉から豊かな色彩を持った音が溢れ出すようなトロピカルなハウスを展開。対照的に"Pretty Space (Telephone's Gren Fatarik Oo-mox Dub)"はそのダブというタイトル通りで豊かなメロディーの展開を抜き去りリズム中心のトラックにした事で、荒々しいハイハットや太いキックと奇妙な効果音が前面に出て、ツール性を高めて持続感を持ったファンキーな曲に生まれ変わっている。奇抜さと言う点ではFett BurgerとDouble Dancerのリミックスが勝っており、いきなり酔ってふらついてたようなトランペットのメロディーから始まる"WALL-Y (DJ Dog & Double Dancer's Spit Daddy's Jazz Lounge Mix)"はしかしスペーシーなシンセで流麗が入ってきて、そして力強い4つ打ちのキックがドシドシと地面を揺らすように刻みキレのあるパッカーションが弾け、宇宙の中を駆け巡るようなスペーシーな多幸感に満たされる。トリッキーなボイスサンプルや効果音的な電子音も各所に織り交ぜて絶妙なトリップ感を含ませながらも、基本的には爽快なダンス・トラックとしてフロアで映える作品だ。そして"WALL-Y (DJ Dog & Doubler Dancer's Spit Daddy's Hock-A-Loogie Mix)"はスペーシーな上モノが取り除かれたダブ・バージョン的な意味合いか、骨太なグルーヴ感やロウな響きのパーカッションによって逞しさが強調されており、展開の少なさもあってツール的な作風になっている。4曲どのリミックスも文句無しに素晴らしいのだが、但しFett Burgerはアナログ信仰らしく彼のリミックスはデジタルには収録されていないので、聞くにはアナログ盤を買うしかない。



Check Chmmr
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Takkyu Ishino - ACID TEKNO DISKO BEATz (Ki/oon Music:KSCL-6299)
Takkyu Ishino - ACID TEKNO DISKO BEATz
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6年ぶりのアルバムとなった『Lunatique』(過去レビュー)はテクノという音楽からは全くぶれずに、しかし官能性を高めてアーティストとしての円熟の極みを見せ付けたような作品だったが、しかし音楽制作への意欲が更に増したように前作から1年半も待たずしてニューアルバムが送り届けられた。そんなアーティストこそ電気グルーヴの石野卓球で、その間にも電気グルーヴとしてアルバムをリリースしていたりする事を考えると結構なハイペースではあるが、だからと言って本作が手抜きだったり片手間に作った感は一切無い。それどころかやはり新作もDJとして活躍する手腕が反映された機能的なテクノ、それも底抜けに陽気でポジティブな世界観は、前作が夜の色気だとしたら本作はその時間帯を抜け出た朝から昼間の音楽的だ。アルバム名はアシッドでテクノでディスコなビーツだから何となく音楽性もイメージは出来るかもしれないが、決して全てがアシッドでもなく(寧ろニュアンスとして用いられてる位だろう)やはりテクノが軸にある。"BambuDo"は確かに陽気なアシッドが蠢きながら始まるが、引っ張っていくのはポップでカラフルな色彩を持った電子音のメロディーで、そしてズンドコと硬く引き締まった4つ打ちが安定感を作り、じわじわと盛り上げていくある意味では古典的な雰囲気も感じられる。続く"Pinoccio"はエレクトロ的なファンキーな音使いとじっくりと腰を据えたような粘りのあるビートがあり、中毒的なアシッドの反復性によってよりツール的な構成が卓球のDJ的視点が反映されているだろう。そして生々しくラフなビートや金属が歪んだような効果音がローファイな粗さに繋がる"DayLights"は、鈍く錆びたディスコティックなテクノか。"JackTaro"のように古典的なアシッド・ハウス/テクノな作品もあるが、ここまで来ると完全にDJが使用するためのツールとして機能性が磨かれつつも、アルバムの中で卓球の味としても活きている。シャッフル気味のリズム感で弾けファンキーなリフで飲み込んでいく"Kitten Heel"、モコモコと膨れ上がるようなアシッドをトリップ作用として用いながら多幸感のあるウワモノを広げて楽天的なテック・ハウスに仕上げた"Nicole_Nicole"など、他にもと言うかどれも卓球らしく無意味で楽しく踊れるテクノばかり。今までも流行には左右されない卓球らしいテクノという音楽であったが、本作も決して新しさを感じるどころか何処か懐かしさを感じさせるような趣きがあり、円熟という位にリスニングとしても耐えうるテクノなアルバムだ。

Check "Takkyu Ishino"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joe Morris - Jacaranda Skies (Pleasure Unit:PU 07)
Joe Morris - Jacaranda Skies

日本ではそれ程流通していないように思うイギリスのニュー・ディスコ/バレアリック系の新興レーベルであるPleasure Unit、過去の作品を聞いてみても現在形にアップデートされた哀愁漂うディスコの音楽性があり、懐かしさと共に未来への視線が感じられる。その最新作はリーズで活動するJoe Morrisによるバレアリック志向なハウスだが、そう言えば以前に橋本徹が『Good Mellows』シリーズにもこのアーティストの曲を選択していたり、またIs It Balearic?やBalearic Socialからもリリース歴がある事からも分かる通り、やはりメロウで温かい感情性のある作風が発揮されている。タイトル曲の"Jacaranda Skies"が正にそんな音楽性を示しており、金属的なパーカッションの持続やバウンドするキックによる4つ打ちが心地好いビートを作りつつ、その上を走るメロウで懐かしさを生む可愛らしいメロディーや幻想的なシンセストリングス、そしてトランペットらしき高らかなソロも入ってくれば、それは開放感溢れるバレアリックなハウスなのだ。対して"Mangrove Dawn"は抽象的な霧のようなサウンドに包まれるアンビエント・トラックで、そのぼやけた音像の中からドロドロとした酩酊感溢れるアシッド・ベースがうねるように浮かび上がり光に包まれるようなシンセが溢れ出すその壮大な展開は、「マングローブの夜明け」と題されているのも納得の密林の奥地に広がる神秘的で美しい光景をイメージしているのか。"The Lost Garden"もぐっとテンポを落としたサウンド・トラック的なリスニング指向の曲で、エキゾチックなパーカッションが土着感を生みつつ、ぼやけて霧の中に消え入るようなスライド・ギターや民族的な木琴系の音で意識を溶かしていくような甘美なサイケデリック性もあり、その異世界の夢の中を彷徨っている。最後はタイトル曲のビートを弱めに変えた"Skies Reprise"だが、若干おとなしくしっとり目の空気が強くなりよりメランコリーさが際立っているように思う。全4曲、それぞれに持ち味がありながらバレアリックな方向性での纏まりもあり、捨て曲無しの力作。これからやってくる夏のシーズンにもはまりそうな野外向けのサウンドだ。



Check Joe Morris
| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |