Rondenion - 2-5-1 EP (Roundabout Sounds:RS010)
Rondenion - 2-5-1 EP

10年以上もの長い活動を経て遂に昨年Rondenion名義では初のアルバムとなる"Luster Grand Hotel"(過去レビュー)をリリースしたHirofumi Gotoだが、今年になってもその勢いは衰える事なくダブルパック12"仕様での新作をリリースした。日本に於けるビートダウン・ハウスの先駆者の一人でもあるが、その音楽性はこの新作に於いても変わる事なくラフな質感を残しながら黒い芳香が香るファンキーなハウスを披露している。新作は3曲を収録しているが、アシッド風なベースラインが迫り来る中でおどろおどろしいボイスサンプルやフィールド・レコーディングを思わせるSEを導入した"Strange Love"は、ミニマルな展開を強調したブラック・ハウスだ。ビートダウンの持ち味を活かしたのは"That's Right"で、同じくボイスサンプルを用いながらも粘着性のあるグルーヴと煙たい音像が渦巻いて混沌とした黒さに染まっている。またアップテンポでアフロな4つ打ちが爽快な"Deep Step"も収録されており、コンガなどの原始的なパーカッションや色気のあるエレピのコードを交えて妖艶なハウスを展開。オリジナルの3曲からしてRondenionの色気や黒さが十分に伝わってくるだろう。それに加えてデトロイトからD WynnとMike Grant、そして本作をリリースしたRoundabout SoundsのオーナーであるJoe Babylonがリミックスを提供している。オリジナルよりも更にミニマル・ハウスなクール性を打ち出した"Strange Love (D Wynn's Detroit Rise Up Mix)"、デトロイト・ハウスらしく物哀しいエレピを用いて慎ましいエモーションで包み込んだ"Strange Love (Mike Grant's Late Night Mix)"、スムースな4つ打ちへと塗り替え小洒落てモダンなディープ・ハウスへと仕立てた"Deep Step (Joe Babylon's Roundabout Dub)"とリミックスの方もどれも充実している。結果的には強烈な黒い個性を発する原曲とクラブでの鳴りを意識したリミックスを収録し、濃ゆい内容となった期待通りのダブルパックだ。




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S3A - Mimesis EP (Lazare Hoche Records:LHR08)
S3A - Mimesis EP

2014年のハウスシーンで話題となっているアーティストといえば、フランス出身のS3A(Sampling As An Art)ことMax Faderは忘れてはならないだろう。2013年にはLocal TalkやPhonogrammeから作品をリリースし虎視眈々と活動を続けていたようだが、2014年に入ってからの数枚のEPでは著名なDJからもお墨付きを貰ったりと、名実共に高い評価を獲得するに至っている。Sampling As An Artと自らを名乗る通り作品性はサンプリング主体であろうファンキーなハウスが中心で、本作に於いてもそんなファンキーでフロア志向な音楽性が息衝いており、パーティーでの即戦力となる事請け合いだ。実際にA1の"4 Danilo"からしてサンプリングしたネタを使用して、執拗にベースラインやシンセをループさせた構成で、そこに熱狂的に叫ぶ女性ボーカルを落とし込みながら粘りのあるディスコ風ハウスに仕上げており、フロアを強烈に沸かすのは間違いない。サンプリング主体という制作で生っぽい質感は同じながらも、"Deep Into Amsterdam"では一転してスムースかつ弾ける軽快なビートを主体に都会の洗練されたディープ・ハウス風味で爽やかさが打ち出されている。裏面へと続くとパンピンで弾ける4つ打ちとサンプリングの煌きのある輝かしいフレーズがフレンチハウスを思わせる"Discofonk"、そしてピアノループを用いた煙たいヒップ・ホップな"Piano Interlude"と続き、変化球も効かせながら黒さをふんだんに曝け出している。芸術としてのサンプリングと名乗るサンプリングへの執着がありながら、しかし決して芸術的と鼻に付くような意味合いからは距離を置いたフロア志向な作品性が光っており、ハウスシーンで注目を集めるのも当然といった質の高さだろう。



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Carlos Nilmmns - B.L.U.E. (Skylax Records:LAXC3)
Carlos Nilmmns - B.L.U.E.

フランスを拠点とするSkylax Recordsは特にアメリカのタイムレスなハウスに影響を受けつつも、現在のディープ・ハウスにも適合しながら良質な作品を提供するレーベルだ。旧世代の実力者から今後が期待される新世代までバランスよくリリースしているが、このスコットランド出身のCarlos Nilmmnsはその後者にあたる。とは言いつつもCarlos Nilmmns名義では2010年頃からの活動でNiko MarksやDavinaらデトロイト勢との繋がりもあるが、それより前の2004年頃にはSolabというユニットでデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスに影響を受けた音楽を手掛けていたそうで、その経歴からニューカマーと表現するのは適切ではないかもしれない。さて、そんなCarlosの新作はアナログ1枚によるミニアルバムだが、これが実にSkylaxらしいクラシカルな性質のハウスが満載で素晴らしい。冒頭の"Moments Of Happiness"は物哀しいストリングスやしみじみとしたホーンがまるで映画のサウンドトラックを思わせる感動的な曲で、決してダンス・ミュージックではないもののアルバムの流れを上手く作っている。続く"I Thought I Had You"や"Raw Tape Cuts"では待ってましたとばかりに流麗なハウスを披露しているが、特に前者の凛としたピアノのコード展開と色気のあるボーカルによるオールド・スクールなハウスは時代に左右されない良質さがあり、タイムレスとはこんな作品と呼ぶのだろう。後者はデトロイトらしい煙たくも黒い空気に巻かれるディープ・ハウスだが、ラフな質感はありながらもグルーヴは適度に精錬されモダンな印象も見せている。レコードは裏面へと続くと、切ないピアノや優雅なストリングスが真夜中の色っぽさを上品に演出するしっとりしたハウスの"Gwens Song"が待ち受けており、そしてアルバムの最後は曇っていた空が一気に開けるように、明るい希望が満ち溢れたドラマティックなハウスの"106"で感動的に幕を閉じる。収録は7曲とミニアルバムの構成ながらも起承転結した内容で聴き応えは十分、Carlos Nilmmnsの才能が存分に発揮された1枚だ。



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Julius Steinhoff - Flocking Behaviour (Smallville Records:SMALLVILLE CD09)
Julius Steinhoff - Flocking Behaviour
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ドイツはハンブルグのSmallville RecordsはUSのディープ・ハウスやシカゴ・ハウス、そしてデトロイト・テクノに目を向け、それをヨーロッパ的な優美さを兼ね備えた音で表現する良質なレコードショップ兼レーベルだ。本作はJust von Ahlefeld(aka Dionne)とのユニットでもあるSmallpeopleの片割れであり、そしてレーベルオーナーでもあるJulius Steinhoffにとって初のソロアルバムとなるが、やはりその内容は前述した音楽性を含むものだ。アルバムの冒頭を飾る"Where Days Begins"は少々シリアスではあるもののデトロイト・テクノの幽玄な情緒性をハウス解釈したような曲で、乾いたハンドクラップやリズムからはシカゴ・ハウスの匂いも伝わってくる。続く"Treehouse"も内向的ではあるものの艶めく囁き声が色っぽさを発し、そこに穏やかなアシッド・ベースを絡めてシカゴのディープ・ハウスを精錬したような作風だ。"Under A Waterfall"や"Hey You"ではようやく闇から抜け出し、純粋かつ透明感を打ち出した穏やかなディープ・ハウスで、白昼夢に包まれるかのような安堵な空気が満ちている。その音楽性はタイトル曲である"Flocking Behaviour"でピークに達し、無駄な装飾を削ぎ落としながら簡素なリズムと清々しい光に包まれるような凛としたサウンドで構成されたこの曲は、初期デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのピュアな佇まいを現代版へとアップデートしているのではと思う。アルバムは通してシカゴやデトロイトのラフな質感を含みながらも非常に穏やかな流れで、控え目ながらもエモーショナルでソウルフルな感情が満ちており、オールド・スクールな音楽を丁寧に磨き上げた事でヨーロッパの音として成り立っている。派手な瞬間は一点も存在しない、それどころかパーティーの騒ぎとは無縁の位置にいるような達観した視点も伺えるが、それはLarry Heardとも共振する隠者のような音楽性が通底しているのだ。



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Manhooker - Heartbeat (Mule Musiq:MM 171)
Manhooker - Heartbeat
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2013年の初頭にBerghain/Panorama Bar傘下のUntertonから突如デビューしたManhooker。ボーカリストのSebastian Mavin MagassoubaとプロデューサーのGuiddoから成るこのユニットは、初のリリースである"Wheels In Motion"(過去レビュー)において哀愁のポップかつディスコティックな歌モノハウスを披露し、限られた分野においてかもしれないが注目を集めた。クラブで楽しむためのダンス・ミュージックではあるが、その前提を差し置いても耳に残る旋律や淡くもメロウな世界観はよりオーバーグラウンドで聞かれるべきかとは思うが、この新作もその方向性をより推し進めている。リリースは日本から世界へと羽ばたいたMule Musiqからとなれば、その音楽的な質は疑うべくもないだろう。先ずは何といってもManhookerによる"Heartbeat (Original)"が素晴らしく、路線は正に"Wheels In Motion"を踏襲するものだが、Mavinの水っぽさもある甘いボーカルとピアノやストリングスの奥ゆかしい華麗な音を用いながら、密かにエレポップ風なゴージャスさも匂わせるハウス・トラックはキュッと胸を締め付けるような切なさが溢れている。やはり歌が良い、メロディーが良い、しっとりした音質が良いと徹底して方向性にぶれがない。他にはリミックス3曲を収録しているが、ミニマル度を高めた分だけ真夜中の深い時間帯向けにダークさを強めた"Heartbeat (Kresy Remix)"、ボーカルを強調し霞の奥に消え行くような幻想的なムードを打ち出した"Heartbeat (Mia Twin & Kasp Rework)"、ビートダウン風なざらついた質感で生っぽさを打ち出した"Heartbeat (Asok Remix)"と、それぞれ異なる味わいに作り変えている。しかしやはりここでの一押しはオリジナルである事に疑いはなく、Manhookerへの期待は高まるばかりだ。




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AFMB - A Forest Mighty Black (Drumpoet Community:DPC 047-1)
AFMB - A Forest Mighty Black
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実に17年ぶりとなるアルバムをリリースしたA Forest Mighty Black。かつてRainer Trubyを擁し90年代のクラブジャズの隆盛の一端にもなったユニットであったが、00年代に入ってからは全く活動も見られなくなりユニットは解散かと思われたが…2009年に"Here & There"のカバーでシーンに返り咲いたのは記憶に真新しい。その後はスイスのハウスレーベルであるDrumpoet CommunityからEPをリリースして復活を確かなものとしていたが、その流れはこのアルバムによって完全なものとなった。残念ながらRainer Trubyはもうユニットには残っていないが、もう一人のメンバーであるBernd KunzによってA Forest Mighty Blackは過去からの変化を遂げながら見事な復活を果たしている。それはアルバム名に自らのユニット名を冠している自信からも分かる通りで、かつて繊細なブレイク・ビーツを取り入れて洗練されたクラブジャズを展開した面影は過去のものとなり、本作ではLarry Heardにも通じる情緒性を打ち出したモダンなディープ・ハウスへとがらっと様相を変えている。この変化を是か否と捉えるかは個人の好みによるが、アルバムの冒頭を飾る"Because Of..."からして内気で侘び寂びのあるピアノのアルペジオや物哀しいストリングスを配したディープ・ハウスで始まり、そのシネマティックな感もある音楽性で引き込まれる。続く"A Tribute"や"Circumstances"でも夜の香りを発するうっとり甘くメロウなメロディーが心地良いスロウなハウスを披露するが、特に"Suite For B-Boy"ではスムースなハウスの4つ打ちと静寂さえもが際立つ厳かな音楽性で、このアルバムがダンス・ミュージックではありながらもその喧騒とは離れた所に位置する事を示唆している。アルバムはその枠から外れる事なく最初から最後までハウスのリズム感としっとりとした情緒性、落ち着いて洗練された空気を保っており、見事な転身を成功させたと言えるだろう。ちなみにアナログ3枚組みではあるがCDも同梱されているので、是非ともアナログでの購入をお薦めしたい。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Davina, Carlos Nilmmns, Niko Marks - Get By Me (Ornaments:ORN 030)
Davina, Carlos Nilmmns, Niko Marks - Get By Me
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ディープ・ハウスが量産されるドイツにてデトロイトにも接近するOrnamentsからの新作は、UR関連でも歌を披露していたDavina、そして同じくデトロイトのNiko Marks、そしてレーベルの主力アーティストでもあるCarlos Nilmmnsの3人が共作した話題作だ。デトロイトの叙情性をヨーロッパ的なディープ・ハウスへと落とし込んでいるCarlosなのだから、DavinaやNikoとの相性も悪いわけが当然なく、本作においても非常にしっとりと色気のあるハウスを披露している。A面にはDavinaの呟くような色っぽいボーカルをフィーチャし、湿り気を帯びた4つ打ちや眠気を誘うような微睡むパッドが心地良くも力強いグルーヴのある"Get By Me (Alt Mix)"を収録。B面には音を削ぎ落としながら肩の力を抜くようにリラックスし、侘び寂びの内向的なムードを高めた"Get By Me (Vintage Mix)"も収録しているが、注目すべきは本場デトロイトからAndresによる"Get By Me (Andres Remix)"だろう。麗しいピアノのコード展開や美しいストリングスを導入し、ずっしりとした安定感のあるハウス・グルーヴに絡ませて、じわじわと心に染み入るような郷愁のデトロイト・ハウスへと仕上げたAndresの手腕は流石だ。色っぽくもソウルフルな感情、洗練されたアーバンな佇まいとパーティーの朝方にぴったりとハマるであろうハウスは文句無しの出来。しっかりと曲調が分かれているので、真夜中から朝方までに対応できる1枚となっている。



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Chez Damier / Heart 2 Heart - Say The Word (Balance Music/Saytheword Music:SW01)
Chez Damier / Heart 2 Heart - Say The Word

近年、再度注目を集めだしているシカゴ・ハウスの重鎮であるChez Damier。本作はそんなChezによるBalance Music傘下に新たに設立されたSaytheword Musicの1作目で、久しぶりとなる新作やBen VedrenとのユニットであるHeart 2 Heart名義でのリミックスを収録している。注目すべきはやはり新作となる"Tudo For Amor"で、膨らみのある穏やかなリズムと軽快で爽やかなパーカッションに滴り落ちるような耽美なピアノや透明感のあるシンセのラインを組み合わせて、甘く上品な佇まいさえあるアーバンなディープ・ハウスを披露している。そしてStacey Pullenと共作した永遠不滅のクラシックである曲をリミックスした"Forever Mona (Deep Mix)"も、同様に肉厚なキックを用いてリズムに太さを出しながらも、オリジナルの可愛らしいタッチのメロディーはそのまま残して円熟味のある大人のディープ・ハウスとして生まれ変わっている。裏面にはHeart 2 Heart名義で異なるリミックス2曲を収録しているが、どちらも爽やかなパーカッション使いや湿ったリズム帯からChezの個性が感じられる作風だ。セクシャルな呟きを導入した上にメロウなコード展開が華麗さを醸し出す"Shigan (Original Rex Club Mix)"、メロディーを抑えながらよりDJツール的な側面を打ち出して夜の闇の深さを感じさせる"Shigan (Detroit 3000 Dub Mix)"と、それぞれ時間帯に合わせて用途が分けられているようなリミックスではないだろうか。どちらにしてもそこら辺に溢れる凡庸なディープ・ハウスとは一線を画し、安定感のある作風ながらも流石のレジェンドたる才能が光っている外れ無しの1枚だ。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dokta Venom - Burnt Roses EP (Five Fold Records:FFOLD002)
Dokta Venom - Burnt Roses EP
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UKはロンドンにて新旧良質なブラジル音楽を手掛けている事で名高いFar Out Recordingsは、2013年から傘下にFive Fold Recordsを設立し、ジャンルやテンポといった枠組みに囚われない音楽をリリースする事を原理として新たなレーベルを稼働させている。レーベルの2作目となる本作はDokta Venomなる初めて耳にするアーティストによるものだが、実はIncognitoのリーダーであるJean-paul Maunickの息子のDaniel Maunickによるプロジェクトとの事だ。最近ではFar Out Monster Disco Orchestraのプロジェクトも手掛けて注目を集めていた彼は、どちらかといえばプロデューサー/エンジニア的な立場で活動を続けていたようだが、このソロ作品によってアーティストとしての方向も押し進める事になるように思える。A1の"Only U"は安定感のある4つ打ちにセクシーなパッドや煌めくようなシンセを配し、囁くような女性ボーカルのサンプルを用いてモダンで華麗なディープ・ハウスだが、作品としては良質なもののDokta Venomとしての個性をアピールするものではない。だがA2の"Burnt Roses"ではビートダウンとブロークン・ビーツを組み合わせたような粘り気のある生っぽいリズムが通底し、そこにオーケストラのような重厚なストリングスで荘厳な雰囲気を被せていく事で、ディープ・ハウスの変異体のような空気を発している。B2の"Space Dust"はブラジリアン音楽の影響も受けたように弾けるチョッパーベースや華麗なローズ・ピアノが清楚なムードで広がり、ハンドクラップやリラックスしたリズムが爽やかな風を吹かせ、クラブ・ミュージックと言うよりはモダン・フュージョンな趣さえ見せるのだ。Far Out Recordingsのブラジリアン音楽の爽やかさを現代のダンス・ミュージックへと落とし込んだ作風は、ハウス好きにもブロークン・ビーツ好きにも訴えかける音楽性があり、今までの経験がアーティストとして結実したかのようだ。



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| HOUSE10 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Larry Levan's Greatest Mixes Volume Two (Octave-Lab:OTLCD-5068)
Larry Levans Greatest Mixes Volume Two
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いわゆるダンクラと呼ばれる音楽の中でも75〜84年まで活動していたSalsoul Recordsの音源は、今尚ハウス・パーティーの中でもよく耳にする事がある。ディスコ、ファンク、ソウルなどの音楽をクラブという場所に適合させながら、ディスコブームの一時代を築いたレーベルであろう。そして日本にてSalsoulのCD再発が現在行われているが、本作もその作業の一環の一つ。元々は1980年にリリースされていたアルバムで、ガラージ・サウンドの創始者であるLarry LevanがSalsoulに残したミックスを纏めた内容なのだが、この度の再発に合わせてデジタル・リマスタリングを行いボーナストラックを追加した上に、更には追加で更なるミックス作品をボーナス・ディスクへと収録したLarry Levan×Salsoulの決定打とも呼ぶべき内容だ。収録されている曲の大半は昔からのダンクラファンにはお馴染みの曲が多いのだろうが、やはりここではハウス・ミュージックの方向からダンクラを掘り下げていくリスナーにお勧めしたい。作品自体は流石に古く新鮮味はないかもしれないが、時代を経ても尚その光は輝きを失う事はない。熱のこもった演奏が生み出すファンクは腰を揺さぶり、豪華絢爛なストリングス使いはカラフルにパーティーを彩り、更にLarryによるリミックスはよりパーティーで踊らせるためのグルーヴを強調して、普遍的な音楽性を維持しながらパーティー・ミュージックとしての機能も伴う事に成功した。まるで演奏している時の息遣いさえも聞こえてくるような臨場感のあるトラック群は、これぞ生身のディスコの味わいらしくラフな人間味もあり、そして何より一緒に合唱出来るような歌がやはり共感を誘うのだろう。時代を越えて心に届く名作ばかり収録されているので、ガラージやディスコに興味を持ち始めた方には是非ともお勧めしたい一枚だ。

Tracklistは続きで。
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| HOUSE10 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |