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Cassy & Demuir - Please Me - Fred P Reshape Project (Kwench Records:KWR002)
Cassy & Demuir - Please Me - Fred P Reshape Project
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アーティストとしてはもう15年以上もキャリアを持ち、そしてPanorama BarやRexでもレジデントを担当するDJとしての手腕を認められているCassyが、2017年に立ち上げたレーベルがKwench Recordsだ。本作はそのCassyとNite GroovesやYorubaからもリリースをするカナダのDemuirのレーベル第一弾である共作で、そこに収録されていた"Please Me"を現在のUSテック・ハウスのトップアーティストであるFred P.が3バージョンに渡ってリミックスを行なった、つまりは完全にFred P.の作品と呼べるシングルだ。原曲は荒々しくロウな質感もあるリズムが弾けややアシッディーな感覚もあるパワフルなハウスだったが、このリミックスに於いては完全にFred P.のエモーショナルで幻想的な空気に満たされた流麗なテック・ハウスへと生まれ変わっており、最早これはFred P.による新作と呼んでも差し支えない程の素晴らしいリミックスを披露している。A面には10分超えの大作となる"Journey Mix"を収録しているが、ここに原曲の面影すら見る事は難しい程に滑らかでうっとりとした叙情性が充満した作風へと上書きされており、抜けの良いパーカッションが乱れ打ちつつもスムースに流れる柔らかいビート感やふわっと広がるようなパッドの使い方はFred P.らしいコズミックな浮遊感を生んでいる。機能性という意味では全く失われているものはないが、エモーショナルな成分が十分に添加されパーティーの朝方、つまりはアフターアワーズの淡く夢と現実の狭間の寝ぼけ眼の心地良い状態に持っていくようなテック・ハウスで、疲労の溜まった心身を浄化するような感覚さえ伴っている。それよりももっとしっかりと杭を打ち込むようなビート感重視のテック・ハウスに仕上がっているのが"Fixation Mix"で、流麗なパッドのコード展開による幻想的な世界を繰り広げるデトロイト・テクノ的なエモーショナル性は、最もFred P.らしくあり得も言われぬ恍惚状態を引き起こす。そしてタイトル通りにやや崩れたビート感で厳つさを演出した"Broken Vibes Mix"は3つのリミックスの中では最も骨太さが現れており、Cassyのボーカルも他のリミックスよりも強めに用いてはいるが全体的にやや暗めの色調にする事で、変則的なリズムによるグルーヴ重視な内容だ。どれも元の曲をイメージ出来ない程に新たなる個性で上書きされたリミックスは、しかしそれぞれに異なる雰囲気や機能が発揮されており、パーティーの時間帯それぞれで効果的な演出をする事が可能だろう。Fred P.の才能が光る一枚だ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hiroshi Yoshimura - Music For Nine Post Cards (Empire of Signs:EOS01LP)
Hiroshi Yoshimura - Music For Nine Post Cards
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2017年に再発された『Pier & Loft』(過去レビュー)も予想以上に人気を博し直ぐに売り切れ続出となったのは記憶にも新しいが、それに続き1982年に制作された本作もほぼ同時に再発されたのは運命的と言うべきか。昨今世界的に著しく注目を集める過去の日本の音楽に於いてアンビエント・ミュージックも例外ではなく、本作を手掛けた吉村弘もダンス・ミュージック側のリスナーからも少なからず新たなる再評価を獲得しているようだ。吉村は日本の環境音楽の第一人者であるそうで、例えばBrian EnoやErik Satieらを発祥とするアンビエント・ミュージックからの影響を強く受け、音を空間の一部としてみなしたサウンド・デザインを主に行っていたアーティストだ。本作も原美術館のために提供された環境音楽であり、そしてまた9枚のポストカードに記した最少の音の構成を核に変化と反復によって拡張されたコンセプチュアルな作品でもあり、そういった点からも実に興味を引くに違いない作品だ。基本的にはフェンダー・ローズとオルガンやキーボード等数少ないシンプルな楽器で制作された本作は、全体を通して飾り気の無い音の単純な響きや持続の変化によって構成されており、その意味では装飾ではなく引き算の美学にも思われる静謐なアンビエントだ。本人の説明では「静かな音風景、水墨画のような色調」を表現したかったようで、確かにゆったりと波紋が広がっていくような静かな動きや混じりけのない色彩感覚が通底しており、寧ろ音の間の静寂が空間演出にもかっているようである。無駄を削ぎ落としたミニマルな構成は淡白と表現するよりは単に意味を込めないと言うか、連なりであるメロディーではなく音一つ一つの響きと間に意識を向かせ、単なるBGMとは異なる空間の一部へと昇華される。空間と同化する音、空間に溶け込む音、正に環境音楽であり生活の一部で鳴っていてもおかしくないような日常感がある。ただただ静謐で美しく、フラットな感覚が心地良い。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Julion De'Angelo, Thomas Xu - Roots That Talk (Sound Signature:SS069)
Julion DeAngelo, Thomas Xu - Roots That Talk

基本的にはTheo Parrish自身の作品を中心にリリースを行うSound Signatureも、近年は積極的に外部のアーティストを招いてより音楽的な拡張と深化を行っているが、2017年の中盤にリリースされた本作では完全なるニューカマーを二人もフィーチャーしたスプリット盤だ。Julion De'AngeloとThomas Xuなる経歴も分からないその二人、後者は今までに同レーベルのアートワークを手掛けていたそうだが、どちらともデトロイトのローカルで活動するアーティストだそうだ。勿論、新人とは言えどもそこはレーベル運営において妥協はなくある程度の品質は保証されており、Sound Signatureらしいブラックネス溢れる音の彫刻が収録されている。まずDe'Angeloによる"Chase The Summer"だが、乾いて金属的な響きのリズムが生々しさを演出するロウ・ハウスは正にレーベルの音楽性を主張しているようで、変則的なビート感ながらも無駄が削ぎ落とされたミニマリズムによってずぶずぶと嵌めながら、途中から入るヒプノティックなシンセの音色が簡素な構成の中に味わいを添えている。対してThomas Xuによる"Alottochewon"は極度にブーストされた鈍いベースラインが浮かび上がり、覚醒的な上モノが控えめに持続する悪っぽいハウスで原始的な衝動も感じさせるが、レーベルの実験的な方面の音楽性が強いだろう。対してB面の方は両者の曲共に粗雑な生々しさはありながらも比較的メロウな作風で、De'Angeloによる小刻みに揺れ動くエレピの愛くるしい旋律にヒップ・ホップなテイストもあるラフなビートが走って爽やかなエモーションを発する"Pocketfull"と、そしてThomas Xuによるポコポコと抜けの良い土着的なパーカッションを用いて軽さを演出しつつエレピのしみじみとしたリフで心に染みてくる味わい深いハウスの"Acceptance"と、これらも確かにレーベルの熟したソウルネスを継承している。Parrishが敢えてニューカマーを紹介しているだけあって、彼自身の音楽性を継承する存在感があり、今後の活動にも期待したい。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jun Fukamachi - Nicole (86 Spring And Summer Collection - Instrumental Images) ( We Release Whatever The Fuck We Want Records:WRWTFWW022CD)
 Jun Fukamachi - Nicole (86 Spring And Summer Collection - Instrumental Images)
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近年著しく注目を集める過去の日本の音源、それはダンス・ミュージックに限らずサウンド・トラックやジャズにアンビエント等多岐に渡り、それらの再発によって若いリスナーに対しても新鮮さと魅力を提供している事と間違いない。本作もそれらと同様に1986年に深町純によって制作されたアルバムで、タイトルの通りファッション・ブランド「ニコル」の86年春夏コレクション時に流すための作品集だ。深町は作曲家でありピアノ/シンセサイザー奏者でもあり特にフュージョンを制作する音楽家として知られているようだが、決してそれだけではなくフォークにソフト・ロックにジャズやファンク、そしてディスコやニューエイジまで幅広い音楽性にまで手を広げていたようで、実際に本作もただフュージョンと一括りに出来る内容ではなくジャンルをクロスオーヴァーするシンセサイザー音楽と呼んだ方が適切だろう。始まりの"Morning Glow"では透明感あるフローティングなシンセに華麗なピアノソロを被せて美しい桃源郷のような世界観を展開する音楽はアンビエント的でもあるが、実に品の良いモダンな感覚は今も尚古臭さを感じさせない。続く"Breathing New Life"は様々な電子音楽によって装飾されたヨーロピアンを思わせる美しい室内楽で、イメージを含ませるような性質はサウンド・トラック的でもある。そして一転してピアノのみで演奏された"Garden"では柔らかく繊細なタッチで心を落ち着かせるクラシックな作風を披露する等、電子音楽に依らず元々の曲自体の素晴らしさは作曲家としての才能にも秀でている。他にも"Nile Blue"のマリンバの朗らかなシーケンスにフローティングなシンセや弦楽器が伸びていくアンビエントの夢心地、"At The Cutting Edge"で聞ける金属的でアタックの強いリズムマシンと共に郷愁たっぷりなシンセやファンキーなベースから成るシンセ・ポップな懐かしさ、どれもこれも人間的な感情の動きが誘発される電子音楽ならも有機的な音楽性で豊潤な芳香さえ漂ってくるようだ。最近のMusic From Memory等のオブスキュアな音楽を求めている人にはばっちりな内容で、ホームリスニングとして部屋を豊かに彩ってくれるに違いない。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trap10 - Three EP (a.r.t.less:A.R.T.LESS 2182)
Trap10 - Three EP

2015年にベルリンのディープ・ハウスを先導するレーベルであるMojuba傘下のa.r.t.lessよりデビューを果たしたJanis & FabianのコンビによるTrap10は、生粋のライブアクトかつ制作者だ。年に一枚程度のゆっくりとしたペースではあるが新作をリリースして近年のa.r.t.lessを代表するアーティストにまでなっているが、レーベル自体がデトロイト・テクノの音楽性を継承している事と関連し、彼等も90年代のデトロイト・テクノの叙情性を吸収しつつ更にハードな側面も含む音楽性によって、現代のシーンにも適合したテクノを開拓している。本作は前述のa.r.t.lessから彼等にとって3枚目のEPとなるが、ここでもフロアを激しく揺らす鋭く攻撃的なテクノ性は全く変わっていない。それは特にA面に収録された"VLV"で顕著で、図太く冷気を帯びたハードな4つ打ちのキックや荒々しいハイハットが押し迫る激しいビート感の中に幻想的なパッドやエモーショナルなリフを執拗にループさせて、単純な流れながらもスピード感ある勢いと美しい叙情性で押し切るピークタイム向けの仕様になっている。リズムやシンセの音からは90年代のオールド・スクールながらもハイエナジーなレイヴ感も漂っており、懐かしく感じつつもデトロイトに影響を受けた新世代としての視線もあるだろう。"ABV"はよりレイヴ色が強いと言うか、強烈で荒々しく揺れるブレイク・ビーツはダブ・ステップのようにも思われるが、毒々しく禍々しいベースラインが点々と刻むのとは対照的に上モノは流麗で叙情感さえもあるメロディーを展開し、自然と体をグラグラと揺さぶりつつ深く精神にも作用するエモーショナルなテクノだ。"DST"は反復する鈍い響きを持ち催眠的なアシッド・ベースが特徴的な4つ打ちテクノで、その上をリヴァーブの効いたシンセが疾走り切れのあるハイハットが疾走感を生みながら持続感を含む機能的なツール色が強い。どの曲もひんやりとした質感や響きを持つアンダーグラウンドなテクノではあるが、一方で淡白にはならずに耳を引き付ける魅力的な旋律やリフで引っ張っていく音楽性はデトロイト的で、十分にフロアで心も体も震わすダンス・トラックの制作者として期待は高まるばかりだ。



Check Trap10
| TECHNO13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |