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MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
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名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
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Brother Nebula - Going Clear EP (Touch From A Distance:TFAD4)
Brother Nebula - Going Clear EP
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世界的な知名度を誇るBerghainが主宰するOstrut Tonというレーベルで、長年A&Rかつマネージャを務めていたNick Hoppnerがそんな名誉ある役職を捨ててまでやりたかった音楽とは一体何なのか、その答えこそが新たに立ち上げたTouch From A Distanceにあるだろう。レーベルとしては4作目となる本作を担当するのはイギリスのBrother Nebulaで、詳細については存じていないが2018年にLegworkから2枚EPを出している位の活動なので、比較的若手のアーティストなのだろうか。オープニングの"Double Helix"はスペーシーな電子音に語り口調のボイスサンプルが乗っかった壮大なサウンドトラック的なアンビエントで、短い序章ながらもEPの道標となる曲だ。そこに続く"Infinity 2"ではタイトな4つ打ちにディスコやエレクトロを思わせる電子ベースが躍動し、荘厳なパッドと透明感ある叙情的なメロディーの絡みによるデトロイト・テクノ的なスペーシーさも現れ、すっきり洗練されながらもエモーショナル性を発揮したグルーヴィーな一曲。情緒的で耳に残るメロディーの秀逸さは"Sky Walking"でも変わらないが、鋭く細かく刻まれるブレイク・ビーツと陽気なアシッド・サウンドは非常に刺激的で、レトロ・フューチャーなロボット・ボイスも加わると途端に未来的な景色を浮かび上がらせる。更に大きく揺れるレイヴ色もあるブレイク・ビーツが特徴の"Going Clear"でも幽玄な電子音響が活きており、そこに鈍いアシッド・ベースやスペーシーなボイスサンプルを細かく配置して、SFの近未来的世界観を描き出すその音はエレクトロだ。Ostrut Tonが比較的クラブでの機能性重視な音楽性に偏っているのに対し、やはりこのBrother Nebula、ひいてはTouch From A Distanceはダンスとしての機能性が無いわけではないが、それよりも魅力的なメロディーやムードにより重点を置きミックスされずとも魅了するような音楽性に向かっているのは明白だ。HoppnerがOstrut Tonを離れたのも納得であり、そしてTouch From A Distanceという場所でHoppnerの音楽観はより一層これからを担う若手の後押しをするに違いない。



Check Brother Nebula
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther - Transient States (Negentropy:NGYLP1)
Brawther - Transient States

活動初期にはBalanceからリリースされた優雅に大らかな海を揺蕩うようなディープ・ハウスで注目を集め、その後はMy Love Is UndergroundやCabinet Recordsからミニマル性の強いディープ・ハウスでよりフロアを意識した方向性も見せ、実際に近年はFumiya TanakaのChaosにもゲストとして招かれるなどミニマル・グルーヴを武器に名声を高めているBrawther。その一方で日本の古き良き時代のハウス・ミュージックをこよなく愛し、その思いは『ハウス Once Upon A Time In Japan...』(過去レビュー)というコンピレーションで結実を果たすなど、ジャパニーズ・ハウスの再興を担うDJ/アーティストという側面も持っている。さて、そんな彼による2018年にリリースされた3年ぶりとなるアルバムは、1stアルバムである『Endless』(過去レビュー)が編集盤としての意味合いで寄せ集め的な感覚が強かったのに比べると、ここでは近年のミニマル・グルーヴを実直に盛り込みながらもDJユースにこだわらずに変化球的な作風も用いてより深い表現力を発揮している。遠くでディレイによる残響が鳴っているようなアンビエント・ダブの"Flow"によってアルバムは幕を開けてドラマ性のある演出だが、そこに続くダブな残響を活かしながらも音の間を活かしたミニマル・ハウスな"Another Dub"は如何にもBrawtherらしい曲で、ずっしりシンプルなキックの4つ打ちに繊細でか弱いギターも用いてファンキーな要素を付け加えている。しかしスクラッチやトランペットも導入した"Theme From The Dungeon"では一転してヒップ・ホップやダウンテンポの流れを組んでおり、もっさりとしたロービートながらも艶っぽく官能的なメロウネスがアルバムに豊かな演出を加える。"I Can't Explain"では近年活躍中のJavonntteがボーカルとして参加しているが、しっとりとしたソウル性の強い歌と優美なエレピのコードが情緒を添える実に洗練されたブロークン・ビーツとなっていて、今までのBrawtherの作風からすると意外ではあるが決して小手先には陥っていない。そして本人がシカゴ・ハウスから影響されたと述べる"Jaxx Freaxx"、ここで骨太なキックを打ちながらもスカスカな構成のミニマルを極めたハウスによって再度ダンスフロアへと振り戻される。"Hazy Groove"も音を削ぎ落としミニマル性がありながら、薄っすら耽美な上モノや色っぽいボイス・サンプルが用いられたオールド・スクール調のハウスで、そこから最後は勢いは弛緩しながらも残響心地好いダブ・ハウスのグルーヴに妖艶なギターが空虚に響く"Pickney"で静かに幕を閉じていく。アルバムは想像よりもバラエティーに富んでいて、ミニマルというスタイルを軸に他のスタイルも盛り込んだ事で単調さを回避し、単にDJツールとして提供する以上に聴き込める内容となったのはアルバムとして適切だろう。クラシカルな風格さえあるハウス・ミュージックだ。



Check Brawther
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Musica Esporadica (Nigra Sintezilo Rekord:NSR-24)
Musica Esporadica
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アンビエントやニュー・エイジの再考/再興が著しい電子音楽のシーンにおいて、神秘的でありながら深い叙情性によって心に染み入る音楽を制作するSuso Saizはそのムーブメントを本人が意図せずとも結果的に牽引しているアーティストの一人だ。その為新作のリリースのみならず過去の作品も積極的に再発や編纂されており、その流れの一環になるのがMusica Esporadica名義では唯一の作品である本作だ。リリースされた1985年当時はSaizは歌手のMaria VillaとパーカッショニストのPedro Estevanと共にOrquesta De Las Nubesというバンドを組んでおり(2018年に『The Order Of Change』(過去レビュー)というコンピレーションがMusic From Memoryより発売されている)、更にそれが発展してより辺境音楽らしい神秘性にミニマルの性質等も取り込んだプロジェクトがこのMusica Esporadicaだ。前述の3人に加え、フレームドラム奏者のGlen VelezとLayne Redmond、そしてスペインのギタリストであるMiguel Herreroが加わったこのプロジェクト、結果的には本作のみしか歴史に残す事は出来なかったがたった一枚の作品だからこそ現代という時代の中でより強い視線を向けられる事にもなっている。コンガやカリンバの民族的であり軽く爽快に広がるパーカッションが心地好い"Musica Esporadica"、SaizやHerreroによる繊細で掴みどころのない神秘性を生む透明感のあるギターや電子音響が浮遊しながら、そこに祈りを捧げるような声も加わってひたすら静かに漂流する如く12分にも渡ってアンビエントの海を漂う。"I Forgot The Shirts"ではマリンバとギターの音階やミニマル性は現代音楽のミニマル、もっと言えばSteve Reichを強く思い起こさせる作風で、囁くような声も歌というよりはミニマル性を強めるリズム的に用いられており、繰り返しという構成ながらも少しずつ変化を行い実に豊潤な響きを生み出している。再び"Meciendo El Engano"は静けさが支配するニュー・エイジ色の強い曲で、どんよりとしたフレームドラムが薄っすらとリズムを刻む中で、そこに線の細い浮遊感あるギターや透明感のある綺麗な電子音、可愛らしいヴィブラフォンがゆったりと絡み合い溶けていくようで、穏やかな空気がゆっくりと満ち溢れて安堵する。そしてどこか古代的な感覚もあるドラムのリズムに肉体性なり生命力を感じる"Combustion Interna"、そこにマリンバのミニマルな音階が動きを作り電子音が豊かな色付けを行っていくこの曲は、現代音楽のミニマルに影響を受けながらもバレアリックな雰囲気もあり心も自然と弾む。僅か4曲だけではあるがそこにはミニマルに民族音楽、アンビエントやニュー・エイジといった要素が含まれており、それらが一体となった霊性サウンドは正にSaizの音楽そのもの。プロデュースはSaizなのだからそれも当然で、実質Saizの作品と呼んでも過言はない名作だ。



Check Suso Saiz
| ETC4 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Blue Closet - To The Ocean Floor (Mojuba Records:Mojuba 027)
Blue Closet - To The Ocean Floor

毎週毎週大量のEPがリリースされるダンス・ミュージックの業界においてその中から良質な作品を掬い上げるにはそれなりの時間と労力を要すわけだが、しかし特定の質の高いレーベルからリリースされた作品は太鼓判を押されたようなもので、比較的レーベル買いを安心して行う事も出来る。本作はBlue ClosetによるデビューEPで、これでデビューしたばかりなのだからアーティストについての詳細も経歴も何もかも分からないものの、ドイツの深遠なる電子音楽の探求に務めるMojubaからのリリースという事で購入に至った。作風はいかにもMojubaらしいやや謎めきながらもディープでダビーな音響、そしてひんやりとしながらも奥には叙情を隠し持ったような慎み深さもあり、例えばデトロイトの叙情性とも共鳴する(それよりはより洗練されているが)。"To The Ocean Floor"は11分越えの大作で、すっきりと細く軽いビートを刻む4つ打ちが淡々と響きながらも、そこに乗ってくる朧げで幻想的なパッドやヒプノティックなパルスのようなループによって非現実的な夢の世界へと誘われるような、長い時間をかけて意識を融解させて深く溺れさせていく。更に変則的なキックとリバーブを強調したダビーな音響によって奥深さが聞こえる"Dreaming Of Paradise"はこれぞMojubaとでも呼ぶべきディープな美しさが光るダブ・ハウスで、オーロラの如く揺らぐパッドや繊細な電子音響の美しさが素晴らしい。感情を吐き出すような歌がこのレーベルにしては珍しいが、それはテクノ・ソウルを打ち出す事にも貢献している。そしてレーベル主宰者であるDon WilliamsことOracyがリミックスを行った"Dreaming Of Paradise (Oracy's Leaving Eden Dub)"、こちらは原曲から直球ダンスへと作り変えて太いキックがパワフルな4つ打ちだが、圧力はありながらも全体は音の間を活かしたクリアな響きで、軽くダビーさも残しつつ無駄を削ぎ落としながら硬いテクノ仕様となっている。どれもダンスな作風ではあるがじっくりと耳を傾けて、その深遠なる音響に耽溺したくなる音楽で、今後を期待させてくれるアーティストになりそうだ。



Check Blue Closet
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lay-Far - War is Over (In-Beat-Ween Music:NBTWN011S)
Lay-Far - War is Over
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ブロークン・ビーツからフューチャー・ジャズ、ディープ・ハウスからディスコ、ダウンテンポからヒップ・ホップへ、様々な音楽性を匠に操り言葉通りにクロスオーヴァーな音楽性を体現するLay-Farは、今やロシア勢の筆頭格の一人と呼んでも過言ではない程に実力と人気を兼ね備えている。Local TalkやSoundofspeedといった実力派レーベルからのリリースと共に、この日本においても若きパーティー・グループであるEureka!の積極的な後押しもあり正当な評価を獲得しているように思われるが、この3枚目となる2018年リリースのアルバムでその評価は盤石となるに違いない。アルバムの音楽性は前作である『How I Communicate』(過去レビュー)から大きく外れてはいないが、前作がサンプリング性が強かったのに対し本作ではより艶かしい生音も多くなり、これまで以上に多様性がありながらも円熟味という味わいで纏め上げている。始まりはPhil Gerusのローズ・ピアノをフィーチャーした"Sirius Rising"、比較的ハウスマナーに沿った曲ではありローズの耽美な響きが美しく、実に上品かつ優美に舞い踊る。続く"Decentralized Spiritual Autonomy"はダブ・ユニットのRiddim Research Labとの共作で、確かにダブの深くスモーキーな残響とずっしり生っぽく湿っぽいキックを活かした訝しい世界観が広がっている。そしてディスコ・バンドのThe Sunburst BandのシンガーであるPete Simpsonをフィーチャーした"Be The Change"、力強くソウルフルな歌と熱が籠もりファンキーな躍動のあるディスコ・ハウスと、アルバム冒頭3曲からしてLay-Farらしく様々な表情を見せている。"The Pressure"ではデトロイトの鬼才・Reclooseも参加しているが、それは相乗効果となりトリッピーながらも優美な音使いに変化球的にしなやかなブロークン・ビーツを刻んで、本家西ロンのアーティストにも負けず劣らずなリズムへのこだわりも見せる。かと思えばサンプリングを打ち出してややレイヴなブレイク・ビーツ感もある"Market Economy VS Culture (The Year Of The Underdog)"では切り込んでくる小気味良いビートに毒気のあるベースサウンドがB-BOY的だが、アイルランドのシンガーであるStee Downesが参加した"Over"はビートはエレクトロニックながらもそのうっとりと艶を含んだ声もあってネオソウルにも聞こえ非常にエモーショナルだ。曲毎のリズムやメロディーのバリエーションの豊富さはありながら、アルバムとしてそれらはばらばらにならずにLay-Farの洗練されたモダンなダンス・ミュージックとして一つの世界観となっており、表現力に更に磨きをかけている。なお、日本のみでCD化されているがオリジナルの倍近くである15曲収録となっており、アナログよりもCDの方が一層楽しめる事だろう。



Check Lay-Far
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |