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FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
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John Beltran - Moth (De:tuned:ASG/DE015)
John Beltran - Moth
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昨年から季節のコンセプトを打ち出した「The Season Series EP」のリリースを開始、そして過去の名作のリイシューがなされ、今年は22年ぶりに別名義でのPlacid Anglesでリリースを予定していたりと、再度活動が活発になっているデトロイト第二世代のJohn Beltran。ここ数年も決して活動が止まっていたわけではないが、その音楽はおおよそテクノからは離れてリスニング志向なエレクトロニカ/アンビエントが中心だった事もあり、昔からの生粋のファンにとっては物足りなさもあったに違いない。しかし2017年にはベルギーのDe:tunedからアルバムをリリースしていたのだが、このレーベル自体がデトロイト周辺を含む名作の復刻も行うレーベルでオールド・スクールへの理解は深い事も関係るのだろうか、そのアルバムは恐らく多くのファンがBeltranに求めている初期のアンビエント成分も強いダンス・トラックで占められており期待に応えた内容だ。アルバムの冒頭にある"Wet With Rain"からして期待通りな音楽性で、ざらつきのあるリズムは変則的なブレイク・ビーツを刻んで跳ねており、そこに複数のシンセのメロディーが重層的に重なってアンビエントな雰囲気を作っているのはAIテクノの路線だ。そして中盤から入ってくるドリーミーなパッド、これが聞ければもうデトロイト・テクノのエモーショナルな世界観そのもので、後半はリズムも消失しひたすら桃源郷のこの上ない幸せな時間が続く。続く"Flight"は太いキックが大地を揺らす力強いハウス・トラックで、爽快な鳥の鳴き声らしきサンプリングや懐かしいシンセの響きを用いて青々しく楽園的な風景が広がるこの曲は、808 Stateの"Pacfic"を思い出すだろう。そこから一点して、落ち着いたハウス基調のグルーヴに懐かしいアナログ・シンセの素朴で簡素な旋律を合わせた"The Retuning Dance"や、ざらつきのある荒いリズムから徐々に叙情的なシンセが浮かんで伸びていく牧歌的なテクノの"Nineteen Eighty Nine"は、90年代のBeltranそのもので新鮮味はないものの彼に期待されている音がそのまま反映されている。また淡いアンビエント性が強く出ている曲もあり、崩れたブレイク・ビーツとカラッと乾いたパーカッションを用いながらも純朴で淡い色彩が滲んだようなシンセが甘く誘う"Whatever The Road Brings"、ビートレスでドローン的にパッドが持続する奥で人の声が反響している静謐な"Street Lights"と、大きく躍動する曲から静けさが広がる曲でもBeltranのピュアなアンビエント性が発揮されている。昨年Peaceflogから再発された名作『Ten Days Of Blue』の続編と呼んでも差し支えはないデトロイト・テクノとしては久しぶりにそれらしいアルバムで、時代の流行や先進性とは無縁なもののそんなものに左右されない素晴らしい作品だ。



Check John Beltran
| TECHNO14 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Harvey Sutherland - Amethyst (Clarity Recordings:CRC-03)
Harvey Sutherland - Amethyst
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2013年にデビューを果たしたオーストラリアはメルボルンの新星は、しかしかのMCDEからのジャズやファンクも咀嚼したディープ・ハウスのリリースが起爆剤となった事は事実であるものの、その後は自身でClarity Recordingsというレーベルを設立しよりセッション性の高いジャズへと向かい自身の音楽性を確立させ、MCDEからのリリースがハイプでなかった事を証明している。その人こそMike KatzことHarvey Sutherlandで、DJだけではなくJuno 60などアナログシンセを用いセッションを組んでのライブも積極的に行うなど、資質としてはDJとしてよりは演奏家/作曲家の方にあるのだろう。Clarity Recordingsから作品をリリースするようになってからはよりセッションを行いながらジャズ/ファンク色を強く打ち出した音楽性が顕著だが、そのレーベル3作目も同様に演奏する人達の風景が眼前に浮かぶようなライブ感に溢れている。本作でもギターやダブルベースにドラムとサックスらの奏者を迎え、そしてSutherland自身はキーボードを演奏し、完全にハウス・ミュージックの影も残さずに昔のジャズの偉人のようなスピリチュアル・ジャズへと向かっている。繊細ながらも優美なエレピとざっくり変則的なドラムから始まる"Amethyst"、直ぐに艷やかなサックスと温かみのあるベースも加わって完全なジャズそのものな曲で、確かにクラブ・ミュージックの反復とは異なりどんどん自由に展開するセッション性と各楽器が交互に見せ場を作りながらも一体感のある演奏と、統制はとれながらも溢れ出してくるテンションは情熱的だ。そこからストリングスがエレガントに舞う後半への展開の変化して、グルーヴはしなやかに躍動するなど自由な構成ながらもジャズの統一感が全体を包括している。"I Can See"は素早く激しく打ち付ける変則ドラムがまず印象に残るが、光沢のある伸びやかなシンセやギターなどは逆にゆったりとしたメロディーで哀愁を奏でていて、高速ビートから一旦力が抜けて小刻みで繊細なビートに変化したところにしみじみとした心情を吐露するギターソロのパートは特に感情的だ。そこから再度ドラムの振動するビートは力強さを増して、ラストへと向かってキーボード等含めて全体が一枚岩の音の層となって盛り上がっていく展開は圧巻だ。
そしてリミックスで参加しているのは同じくメルボルンのDan WhiteことRings Around Saturnで、Firecracker傘下のUnthank等のレーベルからリリースした作品ではAI系テクノを思い起こさせるレトロ・フューチャーな響きが特徴のアーティストだ。ここでリミックスした"I Can See (Rings Around Saturn Remix)"はしかし完全にアートコア系のドラムン・ベースへと正に生まれ変わっており、強烈なグルーヴという点はオリジナルと同様だがサンプリングによるクラブの雰囲気に染まった鋭利で跳ねるリズム感が素晴らしい。そして揺蕩う如く浮遊している透明なパッドが揺らいで甘い香りを発するその響きは、AIテクノらしい近未来的なSF感もあり何処までも意識を遠くへと飛ばしていく。そう、きっとGoldieの"Inner City Life"を思い起こす人も決して少なくはないだろう。ルーツ志向ながらも古典に陥らずに今っぽさのあるSutherland、そして強烈なドラムン・ベースを披露したRings Around Saturn、どちらもお見事な手腕を披露しておりお勧めな一枚だ。



Check Harvey Sutherland
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motohiko Hamase - Reminiscence (Studio Mule:studio mule 10)
Motohiko Hamase - Reminiscence
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アンビエントやニューエイジの再評価、そして7〜80年代の日本の音楽の再発掘、ここ数年のこの動きは最早一種のムーブメントであるのは間違いなく、そんな動きに追随するのはダンス・ミュージックの業界において日本から世界へと羽ばたいたMule Musiqだ。別ラインとして立ち上がったStudio Muleはダンスに拘らずに制約から解放され、その動きは現時点では和モノへと向かっているようで、2018年にはジャズ・ベース奏者である濱瀬元彦の『Intaglio』(過去レビュー)をリメイクという形で復刻させている。それから間髪入れずにリメイクされたのが本作『Reminiscence』で、こちらは1986年にリリースされた濱瀬の初のソロアルバムだ。本作も『Intaglio』と同様に諸般の事情により本人によって新たに再レコーディングとなっているが、一般的なジャズという音楽から想像される音楽そのものではなく、エレクトロニクスも大幅に導入しながら現代音楽のミニマル性やアジアのエキゾチックな雰囲気、勿論濱瀬の武器でもあるフレットレス・ベースのジャズ性もあり、もし何かの言葉で述べるとすればアンビエント・ジャズという事になるのだろうか。木琴系のミニマルなフレーズがパーカッションが先導する"Childhood"はその構成が現代音楽的な要素があり、そこにオーケストラも加わるとクラシックにも聞こえ、咽び泣くような感情的なベースやしみじみとした笛の音色も渾然一体となり、幕開けから非常にドラマチックに展開する。"Intermezzo"も高速に連打されるマリンバのミニマルなフレーズが耳に付くが、静かに躍動するフレットレス・ベースはジャズのスウィング感があり、エキゾチックな軽く響くパーカッションの連打も加わって後半に向かって徐々に盛り上がっていく流れはミニマル性が活かされている。もう少しジャズの要素が感じられるのは"Tree"だろうか、繊細で優美なピアノのメロディーや朴訥とした笛の音色、そして自由に踊るベースラインはエモーショナルなのだが、そこに民族系のメタル・パーカッションや壮大なオーケストラも入ってくるのは最早ジャンルの形容がし難く面白い。"Na Mo Che"では打楽器や木管系の笛も用いて、メロディーというよりはリズム的に用いる事でビートは入っていないものの疾走するリズム感を生んでおり、Steve Reichを思い起こさせる世界観もあるのはやはりコンテンポラリー・ミュージックや現代音楽としての要素も含んでいる。ただどの曲にしても濱瀬によるフレットレス・ベースはリズムとなるための単なるベースラインではなく、これが曲の印象を作っていくメロディーの一つとして存在している事で、それがジャズの雰囲気を醸している事もありベース奏者らしい音楽性も十分にある。こんなユニークな音楽が80年代の日本にあった事は驚きだが、廃盤になった憂う状況から現代になって再評価されるも、時代を越えて聞けるエモーショナルかつメロウな普遍性があるかであり、文句無しに素晴らしい名作と断言する。



Check Motohiko Hamase
| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dalholt & Langkilde - Sur Plus (Music For Dreams:ZZZV17001)
Dalholt & Langkilde - Sur Plus
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現行バレアリックを引率するレーベルの一つ、2000年初頭にKenneth Bagerが設立したデンマークのMusic For Dreamsはそのジャンルの中では最早老舗と呼んでも差し支えないレーベルで、膨大なカタログにはイビサ系のベテランから新進気鋭のアーティストまで名を連ねており、このレーベルからリリースされる事はある意味では太鼓判を押されているのと同義だ。そんなレーベルから2018年5月に突如リリースされたのが本作で、デンマーク出身のMads DalholtとFrederik Langkildeのデュオによる初のアルバムとなっており、過去にEPさえもリリースしていないアーティストがこのようにいきなり名門レーベルからアルバムを出すのだからレーベルとしてもそれなりの一押しでないかと伺える。アルバムはもはやダンス・ミュージックの延長線上ですらなく、レイドバックしたダウンテンポ〜バレアリックが中心で、哀愁が滲むスパニッシュギターも効果的に用いる等バンド的なサウンドも強い。虹色に染まった夕日の中に薄く広がっていくようなスパニッシュギターがサウダージを奏でる"Charite"でアルバムは始まり、朗らかながらも咽び泣くようなギターソロに心酔する緩やかなダウンテンポの"Doucement"で何だか空が暗い闇へと移ろい変わる時間帯のよう。"Disco Disco"は軽いキックの4つ打ちも入ってスムースなグルーヴに乗り、そこに喋り口調の歌やチョップ風なコズミックなシンセも加わってバレアリックを通過したモダン・ディスコか。そしてタイトル曲の"Sur Plus"、静寂の中にか細いアコギの残響が広がりオルガンや乾いたパーカッションが無味乾燥に味付けする非常にブルージーな曲で、この枯れた感もある円熟味は長年活動を続けたベテランアーティストかのよう。また比較的ハウス・ミュージック寄りな"Groovin Man"では爽快なタブラが空へと抜けつつメランコリーなアコギとキラキラしたシンセが絡み合いながら、ぐっと情感を強めて興奮も高まりながら夜が深まっていく曲調でもある。ただやはりアルバム全体の印象としてはバレアリックではありながらも、明るい青空が広がるよりは夜の闇が広がる空のイメージで、大きな空間に残響が広がっていく開放感がありながらもそれは多幸感よりは侘び寂びにも近い質素な美意識が通底している。



Check Dalholt & Langkilde
| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chris Coco - Indigo (Music Conception:MUCOCD031)
Chris Coco - Indigo
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バレアリック・ミュージックが世界的に盛り上がる現在のシーン、日本においてはその道を求道的に歩み続けるCalmがその先駆者である事は間違いないが、そのCalmが自信を持って彼が主宰するMusic Conceptionから送り出したのがChris Cocoによるニューアルバムだ。Cocoは80年代後半から活動を開始し、90年代初期に訪れたイビザのバレアリック・ミュージックに強い影響を受け開眼し、その中心的存在であるイビザのCafe Del MarやCafe MamboのレジデントDJを務めるなどこのシーンの重鎮の一人。そんなアーティストが最新作に名付けたタイトルは『Indigo』で、日本に何度か訪れる度に日本の藍色に魅了されたそうで、この色に対するイメージや意味を音楽へと転換させたと本人は述べている(参照)。そんなコンセプトから生まれた音楽は全編淀みの無いクリアな多幸感に満たされたチルアウト/バレアリックな響きで、開始となる"Event Horizon (In)"からしてビートレスな空間にほのぼのとした電子音のメロディーが静かに浮遊しながら淡いシンセのディレイが広がるこの曲は、Meditation Y.S.(Yoshihiro Sawasaki)の音に意味を込めずに底抜けにオプティミスティックなアンビエントを思い起こさせる。続く"Pou Des Lleo"もビートの無いぼんやりとしたアンビエントだが、ピアノやギターにベース等の有機的な音色を前面に打ち出しながら透明感あるエレクトロニクスも自然に溶け込んで、喧騒から離れた何処か落ち着いた時間が過ぎる田園地帯の牧歌的な雰囲気に心が安らぐ。そしてCalmと一緒に制作した"Indigo"は胸を締め付けるトランペットやピアノも用いられて確かにCalmらしいセンチメンタルな雰囲気が強く出ており、ざっくり生っぽいリズムも合わせてしみじみとした郷愁が溢れ出る音楽は、静寂の中に凛とした気品が感じられる。"You Are Exactly Where You Need To Be"も繊細で美しいピアノが静けさの中に点々と描かれ、抽象的でぼやけたシンセがキャンパスに滲みながら広がっていくようで、淡くも美しい色彩感覚がドリーミーな風景を喚起させる。"Onda"はまたしてもMeditation Y.S.路線のオプティミスティックな響きを活かしたダウンテンポ・アンビエント、天上へと誘われる夢心地な時間。最後は"Event Horizon (In)"と遂になった"Event Horizon (Out)"、豊かな色彩とクリアの響きの電子音と壮大なオーケストラの音が一つとなり豪華絢爛でありながら、音の隙間を活かす事で気品良さも残した壮大なバレアリック・サウンドは、またここからアルバムの開始へと繋がる事でアルバムの世界は何度でもループする。イビザと言うとどうしても夏の商業的で享楽的なパーティー・シーズンが有名なものの、其の地には豊かな自然が自由奔放に広がる場所もあるようで、このアルバムからはやはり後者のイメージが適しているだろうし、それは日本の藍色の深い感情や穏やかな安堵のイメージと被さる点もあったのだろう。ただひたすら心の安静を取り戻す清々しくもドリーミーなこのバレアリック・ミュージックは、流石イビザでの長い音楽経験に裏打ちされた真髄がある。



Check Chris Coco
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |