Balearic Gabba Sound System - What You Really Need EP (Hell Yeah Recordings:HYR7133)
Balearic Gabba Soundsystem - What You Really Need EP
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今年1月に初来日を果たしたEnzo Elia。イタリアから「Balearic Gabba Edits」なるシリーズで過去の名作をバレアリック化した作品は、ニュー・ディスコやハウス方面でも御用達となり若手ながらも注目を集めている。本作はBalearic Gabba Sound System名義での作品となるが、中身はEnzoによるエディット作品という点で今までのシリーズの延長線上にあるものだ。しかし内容については今までの中でも格別で、イタリアのアーティストらしくイタロ・ハウスのクラシックに手を付けるなど、懐かしさと新鮮さが同居する素晴らしいエディット作品だ。A面にはSoft House Companyが1990年に放った"What You Need"のエディットが収録されているが、原曲を2倍以上の11分へと引き伸ばした事で先ずはDJとして使い易いように手が加えられている。また元々は今となっては野暮ったいハウスのリズム感だったが、ここでは細かく刻んだようなアレンジも施して今っぽいニュー・ディスコへと生まれ変わらせ、燦々とした太陽が降り注ぐようなトロピカルなピアノのコード感もより活きた開放感のあるエディットへと生まれ変わった。B面にも同じくイタロ・ハウスでは定番ともいえるDon Carlosによる"Ouverture"と"Chicago"のエディットが収録されているが、前者はアマゾンの中に居るような鳥の鳴き声もサンプリングされよりトロピカル感を増した透明感のあるディスコへと、そして後者はセクシーな女性の喘ぎ声をサンプリングしつつキックを抜いた事でよりリラックスしたリゾート感溢れるトラックへとアップデートされ、正にバレアリックなエディットを披露している。オリジナルからして既に名作といえるものだったが、その雰囲気を壊さずにモダンなバレアリックな要素を加えた本作が悪いわけがない。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Silent Movie Sounds II (Rough House Rosie:RHR 005)
Silent Movie Sounds II
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ディープ・ハウスでめきめきと頭角を現しているドイツはケルンのRough House Rosie。徹底したアナログでのリリースやまだ未知なる新興勢力の探求という観点で、そのレーベルの気概は十分に伝わるであろうが、そういった話題性だけでなく質の高い現在形のディープ・ハウスを手掛ける点で正しく評価されるべきレーベルだ。本作は「Silent Movie Sounds」なるコンピレーションの第二弾でやはり若手の作品を中心に纏めているが、このレーベルは以前からロシア勢に注視しているのだろうか本作にもロシアからA5とGamayunをフィーチャーしている。A5は振り子が左右に振れるようなベースラインとジャズ・ピアノを組み合わせたアンニュイな優雅さを放つ"Dzhaz"を、Gamayunはブレイク・ビーツを更にビートダウン化したような眠気を誘う幻想的な"Slum Odyssey"を提供しており、どちらもアナログ的なざらついた生々しい音質と相まって人肌の温いディープ・ハウスとして実に優美だ。またLaakによるソナー音のような覚醒感のあるシンセと切れ味のあるパーカッションが刺激的な"So Much Inside"、そしてEthereal SoundからもリリースするPjotrは本盤の中で唯一開放感のある清々しいディープ・ハウスの"June"と、もう少しフロア寄りな作品も収録されている。ただどの作品もいわゆる享楽的な雰囲気とは真逆の、スピリチュアルな趣さえある慎ましさと微かなトリップ感を含む作風で統一されており、Rough House Rosieのレーベル性がよく伝わってくるコンピレーションだろう。

| HOUSE10 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sound Of DJ International / Underground (P-Vine Records:PCD-93802)
Sound Of Dj International / Underground
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ロウ・ハウスが注目を集める中でそのルーツでもあるシカゴ・ハウスの再評価が著しいが、TraxやDance Maniaと並ぶシカゴ・ハウスの元祖でもあるDJ International(とその傘下のUnderground)の作品集が日本企画でリリースされている。ハウス・カタログ本である「HOUSE definitive 1974-2014」(過去レビュー)との連動企画で、本作に収録された多くの曲は前述のカタログ本でも紹介されているので、合わせて購入すると尚更DJ Internationalへの見識を深める事が出来るだろう。さて、本作にはシカゴ・ハウスの生粋のファンでなくとも知っているであろう名曲が多数収録されている。今尚クラブでプレイされるJoe Smoothによる"Promised Land"、Sterling Void & Paris Brightledgeによる"It'S All Right"などはそうで、例えばガラージの延長線上にあるような琴線に触れるボーカルハウスは、勢いや安っぽさが味のシカゴ・ハウスというイメージを覆すには十分過ぎる程のエモーションと豊かな音楽性を含んでいる。何と言ってもDJ Internationalの初の作品であるSteve "Silk" Hurley(J.M. Silk名義)の"Music Is The Key"さえもが、いたないドラム・マシンのビートや安っぽいシンセのメロディーで構築されたハウスながらも、既にそこにはソウルフルな歌が存在しており実に感情的な世界を作っているのだ。その一方でシカゴ・ハウスを特徴付けていた"Jack"="盗用する"作風も当然あったわけで、Hurleyの"Jack Your Body"やFingers Inc.(aka Larry Heard)の"It's Over"では、ディスコ・クラシックス化した"Let No Man Put Asunder"をネタに使用(盗用)し、前者は今でいうロウ・ハウス的な安っぽくもファンキーな、後者はセクシャルな歌も相まって自己陶酔系の音楽性を開花させている。ディスコからのネタの拝借を行いながら、その先へ進んだ結果としてハウスがそこにあったのようにも今思う。他にも亡くなったばかりハウスの父でもあるFrankie Knucklesによる"Only The Strong Survive"も収録されているが、初期ハウスの垢抜けない空気ながらも可愛らしいタッチのキーボードの旋律や美しい音色には既にFKのその後の王道ハウスのセンスが現れており、DJ Internationalというレーベルがハウスの王道を担っていた事も新たに気付かされるのだ。こういった名曲は色褪せない輝きをいつまでも発するので、是非若いハウスリスナーにも聴いて頂きたい一枚だ。

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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Panoram - Everyone Is A Door (Firecracker Recordings:FIREC012CD)
Panoram - Everyone Is A Door
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DJ HarveyがMIXCDに起用した事で突如として注目を集めているPanoram。2012年にEPを1枚リリースしただけのアーティストが、今年になって突如としてエジンバラのカルト・レーベルであるFirecrackerからアルバムをリリースしたのだから、余計に注視してしまうのも当然だろう。特にEPでのリリースが中心となるFirecrackerからのアルバムという事なれば、それこそレーベルとアーティスト共々に揺るぎない自信があるのは間違いない。最初に述べておくとアルバムではありながら30分程のボリュームであり、各曲も2分前後の随分とコンパクトな作品になっている。しかしそれに反して音楽性は拡張を行うように、情緒豊かでシネマティックなオープニングから始まり小気味良いリズムを刻むブギーな曲、光沢感のあるシンセが優雅に伸びるジャジーな曲、安っぽいマシンビートを刻むロウ・ハウス、果てはBoards Of Canadaの淡い霧の世界に覆われたサイケデリアやThe Black Dogのようなインテリジェントなブレイク・ビーツまで、本当に一人のアーティストが手掛けているアルバムなのかと疑う程にスタイルは多彩だ。尺の短さとその多様性が相まって、各曲の世界観を堪能する間もなく次々と心象風景が浮かび上がっては消え、あっという間にアルバムも聴き終わってしまう。だからといってアルバムが散漫になっているかというとそうでもなく、矢継ぎ早に展開される曲とは対照的に各曲の中に流れる時間軸は世間の喧騒を忘れるようにゆったりとしており、優雅かつ甘美な香りが満たされたデイドリームを満喫するようなリラックス加減が心地良い。あれこれと試みながらもコンパクトに纏めた事が功を奏し、いつの間にか聴き終えると再度デイドリームを求め、自然とプレイヤーのリピートボタンを押すような魅力がある。短いながらもノスタルジーに浸るには十分過ぎるベッドルーム向けの音楽で、Firecrackerの音楽性をも拡張する特異なアルバムだ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lord Of The Isles - 301C Symphony (Permanent Vacation:PERMVAC113-1)
Lord Of The Isles - 301C Symphony
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ニューディスコからバレアリック、またはシネマティックなリスニング曲まで様々なレーベルカラーに合わせて姿を変えていくNeil McDonaldことLord Of The Isles。Firecracker傘下やLittle Strongから、または日本のMule MusiqやCatuneからもリリースするなど、その活躍の場はワールドワイドに広がり高い評価を得ている。今年2枚目となる新作は奇抜で陽気なハウスを得意とするPermanent Vacationからとなるが、そんなレーベル性を体現するように5曲というEPの中でLord Of The Islesの可能性を拡張しているのが素晴らしい。"301C Symphony"はこのアーティストにとっては比較的ビートが強めで随分とテクノ寄りな印象を受けるが、サイケデリックながらも朧気なシンセの使い方が如何にも彼らしい。"Co2o"も同様にエグいシンセサウンドと野性的なビートがフロア寄りな質を生み出していて、何処か不気味さえ漂うダークな作風は未だLord Of The Islesが進化中のアーティストである事を気付かせる。と思いきや裏面では一転して今までの作品の延長上にあるように、小気味よい跳ねたリズムとバレアリック感漂う煌めくシンセのフレーズが開放感を生み出す"Fyne"や、小鳥の囀りや子供の笑い声をサンプリングしたビートレスなアンビエント・トラックの"Western Electric"も披露するなど、ダンスフロアの中で特別な瞬間を作るような奇抜な音楽性が息衝いている。特定のレーベルに属さずに作品をリリースするのも納得と言うべきその音楽性だが、DJ視点ではなくアーティスト視点で作られた楽曲はどれもメロディーが中心にあり、心に訴えかけるものがある。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sai - Flying With You EP (Groovement:GR021)
Sai - Flying With You EP
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必ずしも名のあるレーベルから作品をリリースする事がアーティストの評価に直結するわけではないが、Ornate MusicやFreerange Records、または日本のPan RecordsやRagrange Recordsから作品をリリースしているならば、日本だけでなく海外においても確かな評価を得ている証明にはなるだろう。それは金沢出身のYohei Saiの事であるが、2010年のデビュー以降前述のレーベルからリリースされた作品群が注目を集め、更なる飛躍としてポルトガルのGroovementから新作がリリースされている。今までの作風から大きく外れる事はなく新作も陶酔感と情緒を伴うディープ・ハウス - 本人はディープ・ハウスという意識はしていないそうだが - で、Saiというアーティストに期待しているものが見事に表現されている。A面には流れるようにスムースな4つ打ちにうっすらと情緒が薫り立つパッドが伸びて行く"I Don't Mind Flying With You"、アシッド・ベースを用いて攻撃的でありながらも吐息のようなセクシーな歌で陶酔を誘発する"An Abstract View"と、フロアの覚醒感を持続させるであろうダンス・トラックが収録されている。一方B面の"Virtual Region"はパーカッシヴなリズムと多少エグい音の効果でテクノ風にも聞こえ、"To Be"では更にオールド・スクールを意識したような郷愁のアシッド・ハウスを披露し、音楽性の拡張にも挑んでいる。勿論Saiらしいしっとりと控え目な情緒の点での統一感も失う事なく、どの曲も仄かにエモーショナルで厳かな美しさを鳴らしており、エレクトロニック・ソウルと呼びたくなってしまう。



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| HOUSE10 | 20:03 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Swindle - Boxed Out (Dirt Crew Recordings:DIRTCD06)
Detroit Swindle - Boxed Out
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オランダはアムステルダムからの成長著しいニューカマーのデュオ、Detroit Swindleは「デトロイトの詐欺師」と言う人を食ったようなユニット名ではあるが、2012年にベルリンのハウス・レーベルであるDirt Crew Recordingsからデビューを飾って以降、作品のリリース毎に着実に高い評価を獲得し注目を集めている。例えばFreerange RecordsやTsuba Recordsといったテック・ハウス〜ディープ・ハウス系の実力派レーベルから良質なディープ・ハウスをリリースしてきたのだが、待望の初のアルバムは古巣Dirt Crewからとなった。デトロイトと言う単語が入ったユニット名ではあるがこのアルバムを聴くと、決してデトロイト・テクノ/ハウスだけに影響を受けているのではなく、むしろUSのオールド・スクールな音楽からの影響の方が強いのではと感じる。アルバムの冒頭を飾る"B.Y.O."ではシャッフルする緩やかなビートとメロウな旋律を伴うディープ・ハウスで、これからテンションを高めていくのに相応しい出だしだ。次の"64 Ways"では女性ボーカルを起用して控え目ながらも艶のある優雅な佇まいを含み、単にツールとしてのトラックではなく聞かせる事を目的とした音楽性も備えている。かと思えば"For The Love Of..."や"You, Me, Here, Now"では確実にヒップ・ホップを意識したであろう刻んだようなビートメイクを見せ、いやしかしそれでも尚甘くメロウな音が広がっている。他にも小洒落たジャジーなハウスや疾走感のあるNY系のファンキーなハウス、ビートの遅いブギー・ハウスまで、Detroit Swindleの音楽性をこれでもかと見せ付けるように今までのEPよりも多彩な音楽性を披露している。こう書くと色々と手を広げすぎて散漫した作品と誤解されてしまうかもしれないが、そこはメロウネスと黒いスモーキーな統一感があり、アルバムとして良質な曲が上手く纏まっている。斬新ではなく伝統派的な音楽性であるのは否定しないがが、初のアルバムにして既にベテランのような豊潤な成熟が感じられ、その実力は間違いないだろう。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Move D - Fabric 74 (Fabric Record:fabric147)
Move D - Fabric 74
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ロンドン屈指のクラブであるFabricが送り出すMIXCDシリーズも既に74作目、ミックスを手掛けたのはDavid MoufangことMove Dだ。アーティストの面から言えば90年代のReagenz名義ではインテリジェンスなテクノを開拓し、故Pete Namlookとは実験的なアンビエントに取り組み、近年のMagic Mountain High名義ではよりロウで奇妙なハウスを試みている。その長い音楽活動をただ一つのジャンルに定義するのは難しい程に、アーティストとして多才である事は明白だ。がこのMIXCDにおいてはそんな多岐に渡る音楽性とは真逆の、フロアを意識したハウスに焦点を絞っている。幕開けはRoy Davis Jr.による余りにもエモーショナルなディープ・ハウスで始まるが、太いボトムがありながらも決して享楽的になり過ぎずに、慎ましい世界観にインテリジェンスを感じる。そこからもしっとりした音質をベースにファンキーな歌モノやソウルフルなハウスで、熱狂的ではなく穏やかな微熱で包み込むような音が続くが、中盤では幾分か昂揚するパーティー感を演出するように開放的なサウンドが増えていく。しかしやはり安定感、継続感のあるハウスの4つ打ちを頑なに守り、決して道を外すような独創的なミックスは行わずにハウスに収束する。思い出すと2年前にパーティーで彼のDJを聴いた時には、ハウスだけでなくディスコやエレクトロなども巧みに混ぜながらパーティーを盛り上げるプレイだった記憶があるが、このMIXCDでは敢えてハウスに焦点を絞っているのが意外に思える。アルバムの後半に進むと再度しっとりとしつつリズムは落ち着きを取り戻し、深く潜って行く厳かで流麗なディープ・ハウスへと回帰し、儚くも夢の世界にいたような余韻を残してミックスは終了する。作曲家としての多才さとは真逆のハウス一本に絞った本作は確かにMove Dの個性を感じ取るのは難しいだろう。しかし90年代のクラシカルなハウスと、またJuju & JordashやSmallpeopleなど近年のモダンなハウスまでが自然に編み込まれ、最初から最後までメロウな聞かせる音で貫き通した事でセンチな感情に浸れるのは請け合いだ。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jerome Derradji - Stilove4music (Stilove4music:STILOVE4MUSIC01CD)
Jerome Derradji - Stilove4music
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2004年にシカゴに生まれたStill Musicはアナログから生まれるソウルを元にデトロイト周辺のアーティストを世に送り出してきた良質なレーベルだが、2005年からは並行してStilove4musicというエディット物を中心としたレーベルも始動させ、DJを虜にするような作品をリリースし続けている。そんなレーベルを運営しているのがJerome Derradjiでアーティストというよりはレーベル・マネージャーとしての手腕で評価は高いが、本人もStilove4musicから複数のEPをリリースしており、今回はそんな作品を初のCD化した。CD1にはJeromeによるエディット作品が収録されており、SeawindやEarth Wind & FireにPeople's Choiceらのファンクやディスコといった古典的な作品が、オリジナルの持ち味を無くさないように手が加えられている。オリジナルを聴いた事がないのでどれ程の編集がされているかは分からないが、恐らくオリジナルから殆ど乖離する事がないDJツール向けにエディットされたかなと感じる程度のエディット集であり、その意味ではオリジナルを知っている人にも安心して聴けるようなノスタルジーを発する時代感がたっぷりつまった作品である。そしてCD2には同じくStilove4musicからリリースされてきたEPから複数のアーティストの曲が収録されており、Rick WilhiteやJustus Kohnckeといった有名な人から、シカゴのBruce IveryやRicardo Mirandaらアンダーグラウンドな人までが、こちらもCD1と同じく古典のエディットを披露している。がディスコやブギー、ファンクやフュージョンなど黒人音楽を元にしているのは同じだが、エディットと言うよりはサンプリングを用いたリミックスに近い作風で、現代っぽい4つ打ちのリズムやベースラインを強調した作風はよりフロアで機能するだろう。全編どれもがエディット作品と音楽的な新鮮味は薄いものの、黒人音楽を下地にシカゴ・フィーリングな力強く荒っぽい性質も付加した作品は、ダンス・ミュージックとしての衝動に溢れている。今となっては入手困難な作品が一纏めになっている事もあり、ディスコやファンク好きな人にとっては間違いのないコンピレーションだろう。



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| HOUSE10 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kerri Chandler - Watergate 15 (Watergate Records:WG 015)
Kerri Chandler - Watergate 15
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世界中からテクノ/ハウスのDJが集まるベルリンで、Berghainに次ぐ第2のクラブと言えるのがWatergateだろう。2002年頃にオープンしてから圧倒的な規模を活かして、夜な夜な人気DJを招致してはミニマルやディープ・ハウスのパーティーを開催している大型クラブとして有名だ。本作はそんなクラブが手掛けるMIXCDシリーズの15作目で、ニュージャージー・ハウスのベテランであるKerri Chandlerを制作に迎えている。なんでも2008年からずっとこのシリーズに参加してくれるように説得してきたそうだが、KerriにとってもMIXCDを手掛けるのは2007年から7年ぶりなので、久しぶりのミックスとしては良い機会になったのではなかろうか。内容はというとヨーロッパからの、しかも大型クラブのシリーズという事もあってか多少は欧州系のテクノ臭が強めな印象はあるが、元々ディープ・ハウスをベースにしながらも硬いテクノも取り込んでいた音楽性があったわけで、その意味からすれば違和感は然程感じない。序盤こそソウルフルなボーカルは入っているが、それ以降はやはりクールな電子音が前面に出て洗練されたテック・ハウスが中心で、黒っぽく渦巻く汗臭さは皆無と言っても過言ではない。最新のトラックを多用しつつもKerriらしい跳ねるリズム感や骨太なグルーヴがあり、ミニマル節を披露する中盤で一旦クールダウンしつつ、再度ズンドコしたリズムと幻想的なテック系の音で丁寧に選曲するプレイはベテランの技だろう。しかしKerriの作品にしては随分とヨーロッパ風に機能的で洗練した内容に纏めたせいか、荒っぽくも豪快な展開や熱気溢れるソウルフルな音は消え去っており、Kerriのニュージャージーな背景が聞こえてこないのは残念な点である。例えばWatergateのような大型クラブの爆音で聞けば、テクノ色強めの本作もまた違う印象を受けるのかもしれないが、ホームリスニングとしてはいささか平坦な印象は拭えない。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |