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Sorcerer - Step Pyramid / Universal Vision EP (Catune:CATUNE-49)
Sorcerer - Step Pyramid / Universal Vision EP
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ロックとダンスの両方をリリースする日本のCatuneは、最近は微妙にダンスに傾倒しつつあるようで筆者も注目しているレーベルだ。新作はそのCatuneにおいてもWindsurfと言うバレアリック・ロックなユニットでも活躍しているDaniel Saxon Juddが、ソロでの変名としてSorcerer名義でリリースしたEPだ。Sorcerer名義の過去の作品を一聴した限りでは緩いディスコ風なトラックが多かったので、Windsurf名義に比べるとダンス寄りの名義なのかと推測される。なのでと言うかやはりこの盤もその路線を踏襲し、"Step Pyramid"はリズムトラックは生っぽいロックな質感がありながらも4つ打ちのグルーヴをキープし、上モノには底抜けに楽天的なボイスサンプルやメロウなシンセが和やかに広がるバレアリック感もあるダンストラックとなっている。全く緊張感の無い時間がのんびりと過ぎるこの曲は、太陽の陽射しが照り付ける真夏のビーチにも合いそうな空気感がある。そして実は本命はこれをTraks Boysがリミックスした曲の方で、リズムなどはフロア対応型ハウスへと肉付けされ、更にはアシッドなシーケンスを加えて陽気なトリップ感が付加されている。原曲の和やかさ陽気さを損なわずに、中毒性の無い心地良いアシッド感覚を加えているのが妙技だ。裏面にはベースラインが強調された上に眩いシンセ音のディレイが降り注ぐ夏真っ盛りのAORかバレアリックか、とても開放感のある"Universal Vision"と、それを更にThe Beat Brokerがディスコティックに派手な華やかさで装飾したリミックスが収録されている。オリジナルもリミックスも外れ無しに素晴らしく、これから蒸し暑くなる夏に向けてささやかな清涼剤となるだろう。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Altz.P vs Being Borings - Dodop / The Romance Edit Sculptors (Crue-l Records:KYTHMAK15)
Altz.P vs Being Borings - Dodop / The Romance Edit Sculptors

関西を代表すると言っても過言ではない変態DJ・Altzが新たに立ち上げたバンド・Altz.Pは、既にライブを中心とした活動で注目を集めているが、この度正式に音源がリリースされる事となった。リリース元は瀧見憲司が主宰するCrue-l Recordsとなり、瀧見憲司+神田朋樹=Being Boringsによる新曲も収録したスプリット盤となっている。Altz.Pによる"Dodop"は女性によるソウルフルな歌もフィーチャーしているが、確かにバンドと言う形態をとっている影響か生の臨場感や躍動感を生かしたサイケデリックかつファンキーな要素が強い。密林の奥で息づく原始的な胎動が鳴り、脳味噌を刺激するアシッドなベースラインが咆哮する鈍くも強烈なダンストラックだが、中盤以降は曲調が変化してもドコドコとトライバルな地響きが炸裂するより肉感的なディスコ・ダブへと流れ込む展開が面白い。そして再度アシッドへの回帰…と10分にも及ぶトラックは中毒的に粘りながらぶっ飛んでいる。対してBeing Boringsによる"The Romance Edit Sculptors"は瀧見氏曰くロマンティックなミニマルだそうで、Altz.Pの曲に比べると随分と明快で軽快だ。コズミックなシンセや金属的な光沢のある音が眩い光を放ちながらも、実は色々なサンプルが細かく入り混じったミニマルな構成にもなっており、徐々に闇夜を抜けだして朝方の開放感へと変遷するアフターアワーズ系なドラマティックな構成が息を呑む程に美しい。両面で2曲の収録ながらもどちらも10分超えの大作で、聴き応えは十分だ。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcello Giordani - Respect Yourself (Endless Flight:Endless Flight CD 10)
Marcello Giordani - Respect Yourself
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平均して高品質な作品が大量にリリースされている近年のテクノ/ハウス界隈だが、フロアにどでかい一撃を加え記憶に鮮烈な印象を残す曲はなかなか生まれてこない。しかし2012年にリリースされたMarvin & Guyと言う覆面プロジェクトによる"Town"のディスコ・リエディットは、その年のパーティーにおいてはとにかくプレイされまくり皆の記憶に残っている事だろう。本作はそのMarvin & Guyの片割れと言われているイタリアのアーティスト・Marcello Giordaniのデビューアルバムだ。"Town"の大ヒットで注目を羨望を一身に集めたが、そもそもは何年も前からMule Musiqなどから作品をリリースはしていたようだ。リリースをMule Musiq傘下のEndless Flightへと移してはいるが、基本的にはやっている事にそう変化はない。アルバムの冒頭を飾る"Stand By"からしてChaka Khanをサンプリングしており、古き良き時代のブギーな空気を残しつつもよりも洗練されたモダンなハウスビートへと塗り替え、現在のフロアのモードへと適した作品へと作り替えている。その後にもErykah Baduのサンプルが出てくる事から推測するには、このアルバム全体が恐らくサンプリングを土台に据えた作品の集まりなのだろう。サンプリングが中心の為に反復を基調にしたツール的なディープ・ハウスとはなっているが、ディスコのコテコテな哀愁や胸を締め付ける切なさは全く損なわれていない事に、Marcelloの過去の作品に対する敬意も伝わってくる紳士的なアルバムになっている。"Town"程の爆発力のある曲はないけれど逆に駄曲も無い粒揃いなアルバムで、夜遅くに酒を片手に聴きたいしっとりしたムードがある。

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| HOUSE9 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Louie Vega - Vega On King Street : A 20 Year Celebration (King Street Sounds:KCD276)
Louie Vega - Vega On King Street A 20 Year Celebration
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ハウスミュージックと言うジャンルにおいて、定番と言えるメジャーどころからコアなリスナーまで唸らすカルトな作品まで幅広く手掛け、そしてハウスミュージックに関わる有望なアーティストと密接な関係を保ち続けてきたKing Street Sounds。ハウスミュージックの浮き沈みの中でも逞しく生き残り、そして遂にレーベルの運営が20周年を迎えた記念として、レーベルに数々の名作を残してきたLouie Vegaがレーベル音源を使用したMIXCDを制作した。Louie自身もこのレーベル音源を用いたMIXCDをかつて制作しているし、レーベル自体が重ね重ねショーケース的なMIXCDをリリースしているので今更新鮮味はないが、しかし往年の傑作から比較的新しい音源まで網羅されているのだから十分にハウスを味わい尽くせるだろう。以前に比べるとレーベルもこてこてのハウスは減り、時代に合わせてテッキーなハウスも増えているように思うが、本作では序盤から中盤にかけては正にそんな印象が強い。歌物も多く入っているが洗練されていて表面的にはクールな温度感が強く、NYハウスも時代と共に少しずつ変化しているのが伝わってくる。中盤以降はざっくりした生っぽく湿り気のあるビートも浮かび上がりソウルフルな展開、そしてズンドコとした重たいキックが迫力のあるNY系ディープ・ハウスも入り混じりながら、ラスト間際はラテンフレイヴァーを強めながらドラマティックにラストへと情感を強めていく。ハウスにも色々な要素と作風があるけれど、本作を聴くとKSSが実にハウスの変化に適合しながら本物の質を守り続けてきた事が分かるはずだ。CD2にはLouieがKSSへ残してきたリミックス作品が収録されているが、それらはハウスのパーティーに遊びに行けば普通に耳にするであろうクラシックばかりだ。中空へと抜ける爽快なパーカッションの響き、湿っぽく臨場感のある生の質感、そしてハウスのエモーショナルなメロディーを強調した作風は、これぞLouie Vegaと言う揺ぎない個性の塊である。お世辞抜きによくぞまあこれだけの名作を残せるものだと、ただただ感嘆するばかり。ハウス・ミュージックの過去〜今がここに詰まっている。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pepe Bradock - Acid Test 07 (Acid Test:Acid Test 07)
Pepe Bradock - Acid Test 07

R&S Recordsからアルバムをリリースすると話題になっていたフランスの奇才・Pepe Bradockだったが、まあ予想していた通りでアルバムが出る事はなく、昨年から4枚に渡る"Imbroglios"シリーズを継続してリリースしている。しかし彼は作品を制作しては溜めているのだろうか、02〜03年と07〜09年、そして12年〜現在までと周期的に纏めて作品を放出しているような気がするのは私だけだろうか。新作はTin ManやDonato Dozzyの作品も話題になっているAcid Testからのリリースとなるが、当然内容はPepeにしては珍しく思われるアシッド物だ。とは言っても普通のアシッド・ハウスではなく、Pepeらしい憎めない飄々としたムードが漂っているのが売りだ。脳味噌を直接こねくり回すようなキレのあるアシッドベースが反復する"Lifting Weights"は、そのキチガイじみた変化を見せるアシッド音の上の方では気の抜けたシンセが浮遊し、入れ込み過ぎない遊び感覚に溢れた音使いが際立っている。対して"Mujeres Nerviosas"は序盤はPepeらしい優雅な黒さが顔を覗かせながら、徐々にアシッド・ハウスとしてのじわじわと侵食する遅効性のスタイルへと変遷する展開で、アシッドの覚醒感を際立たせるドープなミニマル・ハウス仕様になっている。両曲ともアシッドに焦点を当てたせいか普段よりも4つ打ち性を高めたダンストラックになっており、機能性も兼ね備えた変態系トラックとしてお勧めだ。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
3 Chairs - Demigods (Three Chairs:3CH07)
3 Chairs - Demigods
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デトロイトのMoodymannことKenny Dixon Jr.、Theo Parrish、Rick Wilhite、Marcellus Pittmanとどす黒い4人が集結したスペシャルユニット・3 Chairsの7年ぶりとなる新作が到着。個々の才能だけでも並々ならぬ異形めいたものではあるが、そんな4人が集まっただけで話題となるのは当然であろう。実のところこのユニットにおける制作の役割や分担は明確にされていないので、個々のアーティストの音楽性がどれ程反映されているかは掴めないところがあるのも実情だ。しかし"Demi Gods"を聴く限りではハイハットやキックが味気なく鳴る中で、シカゴ・ハウスの悪さが滲み出る中毒的なアシッドサウンドが低い所で這いずり回るのを聴くと、これは恐らくはTheoとMarcellusが掛けているのではと思う。続く"Elephant Ankles"では一転してドタドタしたリズムがスモーキーな音像に包まれるも、光沢のあるスピリチュアルなジャズを意識した作風はこれもTheoによる制作に思われる。気が抜けて湿ったキックが妖艶なビートダウンの"6 Mile"は、掴みどころの無いファンクネスが感じられるのを考慮するとMoodymannによる曲なのかもしれない。"Celestial Contact"も随分と粗い音質のビートではあるもののミニマルで骨が露出したような無駄の無いハウスで、これもTheoとMarcellusが手掛けているのだろうか。本作ではRickらしい直球ストレートでファンキーなハウスは収録されていないが、何処にどう絡んでいるのかは分からないままだ。とは言っても表面的には異なる音が出つつも、しかしどれも地味にドープな黒光りをしているところにはデトロイトからの音である事を示しており、流石の存在感を放っている。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Dance Of The Medusa (Sound Signature:SS049)
Theo Parrish - Dance Of The Medusa

オリジナル/リミックスを含め本当に精力的に音楽制作を行なっているデトロイトの奇才・Theo Parrish。2013年もその勢いは止まらないって、リリースから3ヶ月以上経っての紹介となり旬は過ぎてしまったが、それでもやはりその尖った個性を爆発させた作品の魅力は他では代替えのきくものではない。いつも一体どんな機材をどんな風に扱ったらこんな奇っ怪なハウス・ミュージックが生まれるのか不思議だが、新作もその印象は変わらない。これが俺が作るビートダウンだと主張するゆったりとしながらも、錆びた金属音らしき濁った打音がドープな"Dance Of The Medusa"。まるで廃工場から生まれた錆びれたソウルを鳴らすように物悲しいが、抗うように力強い。増長されごりごりとした歪なリズムトラックの上を微かにシンセが鳴っているが、しかし鈍器で殴打するような鈍いパーカッションが連打される"Bubbles"は、シカゴ・ハウスの系譜と言って間違いないだろう。更に裏面の"Ambalamps"になると定型にはまったリズムは全くなく、ローファイなシカゴ・ハウスのリズムを解体してずらして再構築させたような変容を遂げており、もはやハウスと呼ぶのも難しい。それでも尚、そこには混沌とした熱いソウルが燻っているのだが。個性が強いが故に多分に自身でプレイする事で一番はまった使い方をするんだろうなと想像され、クラブでこんなトラックを爆音で浴びたら一体どうなってしまうのだろう。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Flori - Foldings (Aim:Aim 010)
Flori - Foldings
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ベルリンはテクノだけでなくディープ・ハウスでも注目を集めているが、本作はそんなベルリンの新興ハウスレーベルであるAimからの新作。手掛けているのはまだ若手であるJamie TaylorことFloriで、Ethyl & Flori名義によってQuintessentialsやSecretsundazeと言った実力派レーベルからの作品は既に高い評価を得ている。本作ではデトロイトらしさが多少強いだろうか、"Dusty Socks"では序盤のざらついたスモーキーな音像がMoodymannを思い起こさせるが、淡い叙情に包まれる上モノのシンセがしっとりと広がり控え目に美しい。"Frosty Leo"はハイハットやハンドクラップの構成がオールド・スクールを思い起こさせるが、希望の光を灯したオプティミスティックなシンセのメロディーが躍動するところに、デトロイト・テクノのあのエモーションを感じずにはいられない。裏面には優雅なピアノのメロディーと共にふんわり浮遊感のあるアンビエンスが継続するドリーミーな"Foldings"、力強いキックが地面を打ち鳴らしスペーシーなシンセ使いがデトロイトの未来感を継承するハイテックな"SU-3150"を収録。どれもデトロイトに影響を受けたような内に秘めたる心情を吐露する情熱的な作品だが、ヨーロッパらしく洗練され控え目なエモーションがFloriの特徴なのだろう。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF (tearbridge records:NFCD-27351)
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF
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最初に断言しておくとこのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを様々なスタイルで纏め上げた"Crustal Movement"シリーズは、MIXCDが良くも悪くも大量に生産されるこのご時世において決して安い値段ではない。がミックスの技術からメジャーでリリースする事によるライセンス許可の取得、そしてマスタリングまで手抜き無しに仕事がされている事を考慮すればこその価格であり、実際に聴き終えた後にはその価格に見合った内容であると理解出来た。このシリーズは国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたのだが、今日紹介するのはジャンルに囚われる事なく振り幅を敢えて持ちながら時代を駆け抜けてきたMoodmanが手掛けている盤だ。本作が面白いのはもう15年以上も前のJohn BeltranとTerraceの曲である往年のインテリジェンス・テクノから始まり、そしてKirk Degiorgioのリミックスへと続いて行く事だ。序盤にしていきなり90年代前半を象徴するスタイルが出現するが、実はそれ以降はここ2~3年の作品で纏められており、特に後半は近年のダブ・ステップがそれ自体を強く主張させる事なく自然と並んでいる。インテリジェンス・テクノ、ブロークン・ビーツにダブ・ステップ、ディープ・ハウスやエレクトロニカと小刻みに曲調は変わっていくのだが、不思議とその直列には違和感はなく自由奔放なビートの組み合わせが各所に散りばめられているのだ。恐らく本人もインタビューで述べているように曲としてではなく素材/ツールとしてデジタル的なミックスを行った事がそれを可能としているのだろうが、曲自体が存在感を主張しない為にBGM的な平たくスムースなムードを生み出し、何時の間にか聴き終わっているような心地良さが発せられている。とてもさり気なく過去から現在へと繋がりを聴かせる知的さ、そして今と言う時代の空気も取り込んだ洗練さを兼ね備え、大人の余裕さえ漂う音にただただうっとり。

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| HOUSE9 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jovonn - Stump It EP (Mojuba Records:MU 2)
Jovonn - Stump It EP

ドイツはディープハウスの深層部に位置するMojuba Recordsは、積極的にオールド・スクールなシカゴ・ハウスの復刻作業も行なっている。本作は90年頃から活躍しているNYハウスの大ベテラン・Jovonnが、94年にリリースし今ではレア化している傑作のリイシューと言う事だ。Jovonnについて言えば大量の作品を残しながらそのどれもがアナログ中心で、CDアルバムとしては一枚しか作品が残っていない事もあり、DJからの評価は高いのだろうが恐らく一般的な人気と言う面からは正統な評価を得られていはいない。その意味では音楽的に信頼性のあるMojubaがJovonnの名作を、現代に掘り返した事は良い仕事をしていると言える。目玉は15分越えの大作ディープ・ハウスである"Garage Shelter"で、オルガンサウンドのシンプルなリフに「ガラ〜ジュ、シェルタ〜」と言う黒い呟きが反復する簡素で淡々としな作品ながらも、全体から滲み出る粗雑な力強さや音の圧力が堪らない。またチキチキとしたハイハットや古ぼけたキックにハンドクラップの使用などから受けるオールド・スクールな感覚など、90年代の空気を目一杯含んでいる。またその曲をGerd JansonとPhillip Lauerによるユニット・Tuff City Kidsがリミックスしているが、こちらは突き刺すようなリズムを加え攻撃的かつ疾走感を増したテクノ的な要素も打ち出した内容となっている。B1の"Love Destination"は音が割れている程に荒いキックの迫力があるが、上モノは色気のある幻想的なパッドがうねりながらホットな女性ボーカルがソウルフルに歌いあげており、これぞ人情味のあるNYハウスの真骨頂と言う出来栄えだ。またC2の"Tribal"は曲名通りの荒れ狂うリズムトラックから野性味が溢れ出るハウスで、野蛮なグルーヴの中に愁いのメロディーが流れ来るその対比に耳を奪われる。とダブルパックで十分なボリュームと高品質なハウスが収録されており、大変ありがたい復刻作品だ。

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Check "Jovonn"
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |