John Barera & Will Martin - Milestones (Dolly:Dolly 18)
John Barera & Will Martin - Milestones
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Berghain/Panorama Barでも活躍する女性DJのSteffiは、2010年からDJ業の傍ら自身でもDollyなるデトロイト・テクノに影響を受けつつ欧州的に昇華した音楽性のレーベルを運営している。特にレーベルのここ数作はエモーショナルな方向性へと傾いているが、ボストンで活動するJohn BareraとWill Martinによる新作もやはりデトロイテッシュな音が強く出ている。両者ともまだリリースしている作品は少ない若手アーティストのようだが、この作品によって多少なりともは注目を集めるのではと思うようにこの新作は充実している。特に素晴らしいのはA1の"Nomad"で、跳ねるような疾走感溢れるアッパーリズムの上に、華麗さもあるメロディアスなシンセのメロディーが覆い尽くす作風は、デトロイト・テクノを欧州的に洗練された音で解釈したようなテクノでフロアで映えるのは間違いないだろう。"Flux"でも静かに湧き上がるシンセのメロディーは透徹しているが、ゆったりとしたリズムがしっかりと安定感のあるビートを刻んで、より大らかなエモーションが感じられるだろう。また表題曲の"Milestones"はハンドクラップも加わった荒々しいビートも相まってかオリジナルの古き良き時代のデトロイト・テクノを思わせる作風もあるが、それをThird Side(Steffi & The Analogue Cops)がリミックスした曲は、アンビエントな上モノを付加しつつ硬質なミニマル度を高めたディープなテクノへと生まれ変わらせている。実にDollyらしいデトロイトの影響が強いオリジナルの3曲とツール性を高めたThird Sideのリミックスを収録し、John Barera & Will Martinに今後の期待を抱かせるには十分過ぎる内容だ。更にJohn Bareraはこの後Dollyからのアルバムも予定されているそうなので、余計に注目せざるを得ない。




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Gonno / Inner Science - 125 Spaces / Electric Affair (EFDRSD:EFDRSD2014)
Gonno / Inner Science - 125 Spaces / Electric Affair

音楽が売れない、業界が縮小する状況の中でアナログが狭い範囲ながらも再度脚光を浴びる現象が起きているが、そんな流れを後押しするのがRECORD STORE DAYだ。2008年に開始されたRSDは4月第3土曜日に開催されているレコードの祭典で、日本を含む世界各地でRSD限定のレコードやグッズが販売され、レコードを楽しもうと言う人が店に集まったりする。それに合わせてクラブ・ミュージック業界からもRSD用のアナログが用意されたのだが、曲を提供したのはここ数年で着実な評価を獲得したGonnoとInner Scienceだ。両者ともアーティストとしても素晴らしい作品をリリースし、ここ最近の活動には目を見張るものがあるが、このアナログにおいても期待通りの結果を残している。Gonnoによる"125 Spaces"は彼が得意とするシャッフル調のビートと明るいアシッドを組み合わせた陽気なテクノだが、圧力のあるビート押し通すのではなく螺旋階段を上り詰めるように恍惚の階段を駆け上がるアシッドサウンドの使い方が快楽的で、最近流行っているアシッド・テクノの中でも独自の路線を開眼しているのは間違いない。アシッド・サウンドに中毒的な毒々しさを求めるのではなく、ウキウキする陽気な空気を生み出す使い方にはユーモア溢れる心が感じられる。そしてInner Scienceはカラフルな光の粒子が繊細に、しかし空間を埋め尽くすように溢れ出すように透明度の高い電子音が浮遊し、白色光の中に溶け込んでいくような"Electric Affair"を披露。隙間無くビートとメロディーが敷き詰められてはいるものの、重苦しさは皆無でそれどころか飛翔するようなフローティングな感覚が心地良い。どちらも単純なダンス・ミュージックと言う枠組みの中には収まらない独創性があり、今後の日本のテクノを引っ張っていくであろうと期待させる充実作だ。

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Garnier - AF 4302 EP (50Weapons:50WEAPONS#034)
Garnier - AF 4302
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DJ・アーティストとして20年以上の活動歴を持つLaurent Garnierにとって、2014年は革新的な、そして特別な一年になるのだろうか。2012、13年はEd Banger Recordsというメジャー系のレーベルから作品をリリースし、良くも悪くも昔からのファンを困惑させるようなチャレンジを見せた。そして2014年、今度は逆に5つのアンダーグラウンドなレーベルからスタイルを変えて5つの作品をリリースすると述べているが、本作はModeselektor主宰の50Weaponsからとなるそのシリーズの3作目。50Weaponsは今のテクノとベース・ミュージックの融合を成し得ているレーベルの一つではあるが、長年テクノと接してきたGarnierにとっては意外な印象も全くないわけではない。しかしテクノに限らず時代のあらゆる音を咀嚼してきたGarnierの経験を考慮すれば、ベース・ミュージックとの絡みも違和感はないのだろう。ブリーピーで毒々しい、もっと言えば中毒的なアシッド・サウンドが禍々しい"M.I.L.F."は、リズムは完全にベース・ミュージックの血潮がたぎる肉体系なそれであり、しっかりと時代性を吸収しつつGarnierらしいダーク・エレクトロとなっている。乾いたハイハットが空虚に響きハンドクラップが多用される"D.S.K."は、スカスカのリズムトラックやブリブリしたベースラインと相まって古き良き時代のジャッキンなシカゴ・ハウスを思わせる。"H.E."も同じくシカゴ・スタイルを継承しているが、膨れ上がったベースラインと闇の奥底から呟きかける狂気のボーカルが不気味さを誘発し、真夜中のフロアを狂乱に包み込むであろう。どれもシカゴ・ハウスやエレクトロといったルーツ的な音と今のベース・ミュージックを巧みに融合させているが、決して洗練させ過ぎずに生っぽい有機的な音質も残っており、そこに未だ衰えぬGarnierの挑戦的な意志が感じられるのだ。



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Den - NETA001 (Neta:NETA 001)
Den - NETA001

かつてはWAREHOUSE702でレギュラー開催として、現在では新天地を探すように各所で開催されているパーティー・FUNKTAXIだが、その主催者の一人でもあるTokuto DendaことDenの新作が届いた。op.discやTrapezといったレーベルから機能的なトラックをリリースしてきたDenだが、今年になって遂に自身でNETAなるレーベルを立ち上げ、その第1弾として自身の新作を3曲披露している。レーベル名はNETA、勝手な予想をすればDJ視点からのツールとして使うネタを意識しているのかもしれないが、それに掛けてラベル面には鯵(あじ)と寿司のネタが書いてあるのにユーモアを感じさせる。その一方でトラックは無駄のないミニマル的な要素が強いフロアでの機能性を重視した作風で、今までの音楽性を上積みするように踏襲している。A面の"Short Novel"では生っぽいキックが持ち味の4つ打ちに、控え目ながらも不穏なアシッドベースやボイスサンプルを被せ、機械的な機能美とラフさを共存させた無骨なミニマルとして成立させている。同じくボイスサンプルを使用した"Tesla"は浮遊感のあるヒプノティックなサウンドや幽玄なパッドを配置して、パーカッシヴな要素もありつつ仄かに情緒を漂わせる気品あるディープ・ハウスとして見事だ。もやもやとした掴み所のないパッドが浮遊し、ここでも導入されるボイスサンプルがファンキーな要素を持ち込む"Love Comes Quietly"も、ミニマルでありながらハウスであり音を向き合うフロアの空気を作るのに適している。3曲ともテクノとハウスのどちらとも形容しがたい、いや本人も特に意識はしていないであろうが、その音からはどこか生っぽさやライブ感もあるような機能美を磨いたミニマルであり、正にDJ向けのネタとして効果的な1枚だと思う。



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Karim Sahraoui - Eternal Life EP Part 1 (Transmat Records:MS200)
Karim Sahraoui - Eternal Life EP Part 1
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Djinxx名義ではF-CommunicationsやCocoon RecordingsにDelsinなど、そしてElectronic Resistance名義では自身のSahkatekからエモーショナルな旋律と洗練されたスタイルを伴うテクノをリリースしていたKarim Sahraoui。00年代には定期的に作品を制作し高い評価を獲得していたように思われたが、本人は業界に失望し一時期は音楽業界を身をおいていたそうだ。奇遇にもKarimから曲を受け取ったDerrick Mayは才能を見込み、彼を鼓舞しながら音楽業界への復帰を促し、その結果としてTransmatのコンピレーションである"MS00 / BEYOND THE DANCE TRANSMAT 4"(過去レビュー)でKarimの新曲を2曲も収録するに成功した。本作はその続きとでも言うべきか、Transmatにとっても4年ぶりの新作であり、Karimにとってもきっと新たな出発となるべき注目作。"Nightflow"は前述のコンピレーションにも収録されていた曲だが、デトロイト・テクノのフォロワー的な立場である彼がTransmatに捧げたのも納得なマシン・ソウルが全開のテクノだ。積み重なるように反復するエモーショナルシンセの波が覆い被さり、途中では熱さが吹き出す管楽器のメロディーも組み合わさり、星の間を駆け巡るようなハイテックな感覚が満ちていく。そして完全に新曲となる"Stella"はパーカッシヴなアフリカン・リズムに内向的でしっとりした旋律を組合せ、どこか物悲しくもある切なさが心を揺さぶる正にデトロイト・テクノと呼ぶべき名曲だ。Derrick Mayによれば更にアルバムの用意も出来ていると言うが、その言葉を真に受けるのは良くないと思いつつ(笑い)、しかしどうしたってアルバムに期待せずにはいられない程にKarimは再度輝きを増している。

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Boysnoize Presents Dance Mania (Boysnoize Records:BNRCD020)
Boysnoize Presents Dance Mania
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今になって再評価をされるシカゴ・ハウスの系譜。それは日本においてもジューク/フットワークと呼ばれる音楽が人気を高めている影響もあるだろうが、そのルーツにあるのがシカゴ・ハウスやゲットー・ハウスであり、それを実践していたのがシカゴのInternational RecordsとDance Mania Recordsだろう。本作はその後者に対するドイツはBoysnoizeによるトリビュートアルバムで、Dance Maniaにとってもハードなスタイルを強めてテクノ/エレクトロに接近した頃の音に注力している。Boysnoize周辺のアーティストが楽曲を提供しているが、注目すべきはゲットー・ハウスの代表格でもあり現Dance Maniaを主宰するDJ Funkの参加だろう。やはりオリジネーターだけでありこのトリビュート盤と言う名目の中でも、安っぽさと荒っぽさを活かして圧倒的にオリジナルの個性を放つパンピンなゲットー・ハウスを披露しているのだから、心から笑いが止まらない。他のアーティストによる曲もゲットー・ハウスを意識はしていて、無駄な音は削ぎ落とし極力肉付けを抑えたシンプルな構成と前のめりなスピード感のあるグルーヴを生み出してはいるものの、やはりオリジネーターに比べるとネジが外れたような狂った感覚は控え目であり、現在の音らしく整ったゲットー・ハウスという印象を受ける。とは言え、ゲットー・ハウスにあまり馴染みのない当方のような人にとっては新鮮な音には聞こえるだろうし、深く考えさせられる事もないこんな(良い意味で)バカげた音楽も、たまに聴くとテンションが高まりすっきり爽快な気分にさせてくれる。愉快痛快なパーティー・ミュージックを聴きたい人は、今こそゲットー・ハウスがお勧めだ。



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Deadbeat And Paul St Hilaire - The Infinity Dub Sessions (BLKRTZ:BLKRTZ008)
Deadbeat And Paul St Hilaire - The Infinity Dub Sessions
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ダブと言うスタイルが様々な音楽に侵食しその要素を働かせている中で、そのダブをテクノの中で追求しているアーティストがDeadbeatだろう。かつてBasic Channelが切り開いたダブ・テクノの路線を、踏襲と進化を両立させながら今の音へと成立させているが、本作はそんな彼とBasic ChannelことRhythm & Soundともコラボレートしていたラガ・ヴォーカリストであるPaul St. Hilaireによる共同制作盤だ。近年のDeadbeatと言えば実験的なダブ・テクノのレーベルであった~scapeを継承するBLKRTZを設立し、そこでは長尺の音響ダブ・テクノやダブ・ステップにも手を出したりと、比較的エクスペリメンタルな試行錯誤を行っているような印象もある。が本作においてはPaulとの共同制作による影響か、よりルーツ回帰を目指したであろうレゲエ色が強めのダブ・テクノを披露している。その意味では二人による奇跡的な化学反応を示したと言うよりは、良い意味では安定感のある予想通りの、悪い意味では期待の枠を越えないアルバムでもある。とは言えどもダブやレゲエに造詣の深い二人である、残響を強調したPaulによるボーカルは攻撃的ながらも快楽的な酩酊となって響き、Deadbeatによるトラックは強烈なアフタービートともっさりとした低音が力強い地響きとなり、これぞダブ・テクノと呼ぶべき紫煙が立ち込める世界は流石だ。残響も程々に音の間を活かす事で空間を生み出すそのバランス、単なる4つ打ちだけでないリズムの妙、繊細で柔らかい仄かなノイズの鳴りなど、音響系の系譜を意識しつつ更にはダンスフロアへの視線も忘れない音楽性はベテランだからこそだろう。コラボレートと言う点からの予想出来ない目新しさは無いが、Rhythm & Soundの魂を現代へと継承する音がここにある。



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Kaito - Less Time Until The End (Kompakt:KOMPAKT 292)
Kaito - Less Time Until The End
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Kompaktを代表する日本人アーティスト・ワタナベヒロシによるKaitoは、オリジナル・アルバムを制作する度にそれと対を成すビートレス・アルバムを手掛ける事が慣例化している。本作もそれに倣って2013年にリリースされた4thアルバム"Until The End Of Time"(過去レビュー)のビートレス・バージョンであるが、単にビートを抜いた作品ではなく一から構成を見なおした上でのリアレンジ作品である事を念頭に置くべきであろう。違いはまずジャケットから気付くかもしれないが、モノクロな空の写真に何処かシリアスな雰囲気も漂っていたオリジナル・アルバムに対し、本作では同様に空の写真を使いながらも深く青い空の中に星の瞬きさえもが映り込み、一転して心の中の雲が晴れたようにさえ感じられる。実際に曲の方もビートを無くした事により、よりメロディーやコード展開へと主体は移るわけだが、幾分かシリアスな雰囲気は残りつつもビートによる重厚感が無くなった事で全体としてのムードは郷愁へと傾いているように聞こえる。Kaitoにしては珍しいアコギの音色を取り込みオリジナル盤でも異才を放っていた"Smile"は、ビートレス化の際に柔らかなストリングスを上乗せするなどよりメロウな趣を強めている。またKaito節とも言える圧倒的なビートの勢いに飲み込まれる"Star Of Snow"も、ここでは静謐なストリングスが聴く者を癒やすかのように優しく包み込み、大らかな宇宙が何処までも広がっている。ビートではなくメロディーを浮かび上がらせる事で、ある意味ではオリジナル以上に心の奥底にある強い希望/意志がはっきりと伝わってくるようで、ビートを削ぎ落とした事で基盤が弱体化しているなどという事は一切無い。またビートレスだから本作がアンビエント・ミュージックかというとそうでもなく、単にBGMとして聴き流すには余りにも心象風景を誘発する音楽は、どちらかといえば音にイメージを含ませるサウンドトラック的な傾向が強い。アルバムを違う解釈で見直したら…と意義と面白味を伴い、Kaitoのより美しく深遠なる世界が広がるビートレス・アルバムだ。



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Hands - The Soul Is Quick (Ecstatic:ELP004)
Hands - The Soul Is Quick
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The Field名義ではテクノにシューゲイザーの要素を持ち込み、またLoops Of Your Heart名義ではジャーマン・プログレのように電子音と戯れ、それぞれの名義で人気を博しているAxel Willner。そんな彼による第三のプロジェクトがこのHandsで、この度はKompaktでレーベル繋がりもあるWallsによるレーベル・Ecstaticからアルバムをリリースした。なんでも2012年の3〜4月頃に制作されていたそうなので、実はThe Fieldの3rdアルバムよりも前の音源である。また制作に使用した楽器はRoland JX-3PやRoland SH-101のヴィンテージなアナログ・シンセに、リズムマシンのElektron Machinedrum、そしてTENORI-ONのみと非常にシンプルな構成で、この非常に個人的な制作から生まれた音楽はベッドルーム・ミュージックと呼ぶのが相応しい。曲は僅か4曲のみだが全体で40分程もあるアルバムと言っても差し支えないボリュームで、その多くはMy Bloody ValentineやWolfgang VoigtによるGas名義、またはBoards of Canadaなどを想起させるドローンかつアンビエントな音がただただ浮遊するように流れている。朧気なノイズの中から微かに浮かび上がるリズムは単なる背景の一部と化し、実際の体感としてはおおよそノンビートに聞こえるアンビエント・ミュージックだ。ノイズにしてもアナログの柔らかな音がぼかしにぼかされ、全く角のないサウンドがただ揺らいでいるだけの単調なドローン状態ではあるが、その掴み所のない抽象的なサウンドが靄に覆われた幻想的な風景を描くようでもあり眠気を誘う程に心地良い。Loops Of Your Heart名義でも同じようなアンビエントの感覚はあったが、それ以上に電子音としての個性を濾過した淡い音がフラットな響き方に繋がっており、アンビエント性を高めている。就寝前のBGMとして聴くと効果の高い合法的な睡眠薬となる事、間違いなし。



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Eduardo De La Calle - Somebody Has To Lose (Redpoint Alert:RPA001)
Eduardo De La Calle - Somebody Has To Lose

最近ではCadenzaやMule Musiqからのリリースで注目を集めるスペインのEduardo De La Calleだが、2011年に自身で立ち上げたAnalog Solutionsでは既に20枚以上の作品を残しており、その余りにも多作な活動には目を見張るものがある。勿論それだけのリリース量がある事から音楽性も多岐に渡り、目も眩むような音響系のテクノから酩酊感のあるディープ・ハウス、または優美ささえ発するダンス・トラックまで手掛けているが、そこには一貫したアンダーグラウンドな気質が存在する。さてそんな彼による2014年の早くも2枚目となるEPは、またしても彼が新たに立ち上げたRedpoint Alertからの1作目で、今までとは異なるデトロイト・テクノ色が何となく感じられるのが新鮮だ。特にそんな色が強く出ているのはA面の2曲で、疾走感のある無機質なビートの共に複数のヒプノティックなシンセが反復し覚醒感をどこまでも煽り続ける"Baghabathan Theories"、ブリブリとしたうねるベースラインとより明瞭で幻想的なメロディーが情緒的な"Treat Me As A Soul"、共に今までよりも直感的なダンス・トラック性を打ち出しながらエモーショナルな方向性へと傾いているのは明らかだ。タイトル曲の"Some Body Has To Loose"も幻惑的なシンセリフが導入されているが、トリッピーな音響を活かしたミニマル色が強めで内に存在する精神世界へと沈み込むような嵌め方が快楽的だ。奇抜さが目立っていた今までの作風と比べると随分とまともに聞こえるが、真夜中の密閉空間のクラブでこそ映えそうな音である。



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