Omar-S - FXHE 10 Year Compilation Mix 1 (FXHE Records)
Omar-S - FXHE 10 Year Compilation Mix 1

数多くいるデトロイトのアーティストの中で、00年代を代表する一人と言えばAlex. O. SmithことOmar-Sではないだろうか。デトロイト・ハウスの情熱と機能的なミニマルを掛け合わせた - 本人は「モータウン・ミニマル」と呼ぶ - スタイルで、エモーショナルながらも荒くれた衝動を発するハウスをアナログで量産してきた。作品の多くは自身が主宰するFXHE Recordsからリリースされているが、このレーベルではKyle HallやLuke HessにBig Strickら新世代の発掘にも貢献するなど、デトロイトの新世代の活動の場としても高い評価を得ている。そんなレーベルも活動10周年になるのに合わせ、レーベルのコンピレーション・ミックスがリリースされた。作品の多くはOmar-Sによる曲だが、中にはGunnar WendelことKassem MosseやKai Alce、Luke Hessらによる曲も収録されており、アナログでしか手にする事が出来なかった曲がふんだんに使用されている事に先ず価値がある。その上で音楽性にも言及すると、やはり一般的なデトロイト・ハウスとは異なりハウスが根底にはありながらもよりローファイな電子音を打ち出しており、確かにソウルフルな感情もありつつも何処か冷えているような黒さが特徴だ。荒涼としたデトロイトの空気を音像化したようにも聞こえる廃退的な音質の中から、仄かな情緒を含むシンセのメロディーが浮かび上がり、希望の火を灯すように低温の熱量が蓄積していく。決して高熱量の盛り上がりを引き起こす事はなく、どちらかと言えば地味に燻り続ける機能性重視でミニマル度が高いハウスなのだが、これこそがデトロイトの中でもOmar-Sに対して独特の個性として評価されているのだろう。ミックスはされているがあくまでレーベル・コンピレーションとしての作品なので、ミックスの妙技を楽しむのではなくFXHEのレーベル性を知るための作品として楽しむべきアルバムだ。




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Todd Terje - It's Album Time (Olsen Records:OLS006CD)
Todd Terje - Its Album Time
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筆者がTodd Terjeに出会ったのは2009年、ニュー・ディスコ好きな友達に誘われてTodd Terje来日ツアーに遊びに行った時だが、まだその頃はニュー・ディスコに対する思いも特になかったし、日本においてもTerjeの知名度は限られた範囲であったと思う。その後ニュー・ディスコの流行が日本のクラブシーンを賑わす中でTerjeは多大なる注目を集める事になり、リリースするEPはヒットを重ねながらアルバムのリリースが期待されるアーティストへと成長していた。そしてデビューから10年、満を持して初のアルバムがリリースされたが、ユーモアを感じさせる「It's Album Time」とタイトルからして期待を感じさせる。結論から言ってしまえばこのアルバムは本年度のベストにも選ばれるべき高品質なニュー・ディスコを収録しているが、今までのフロアを意識したEP作品から比べると、単なるダンス・トラックの寄せ集めではなくホームリスニングを意識してアルバムの流れを楽しませる、つまりはDJ視点と言うよりはアーティスト視点で丹念に考えられた作品だと思う。"Strandbar"や"Inspector Norse"といった煌めくシンセが享楽的なムードを作り上げるダンストラックの素晴らしさは言うまでもないが、アルバムの前半には物哀しさを誘うジャジーなトラックや南米音楽のサンバを意識したトラックもあり、それも生真面目に取り組んだと言うよりはどこかおちゃらけた気楽なムードが漂っている。中盤のわくわくする未来感を含む"Delorean Dynamite"は既に著名なDJも使用する名曲だが、Robert Palmerのカバーである"Johnny And Mary"ではBryan Ferryをボーカルに迎えてスペーシーながらも静かな感動を湧き起こすバラードを披露し、アルバムの中で実に見事な盛り上がりの対比を用意している。最後はネオンライトに照らされた都会の中をドライブするような"Oh Joy"でハイな気分になり、そしてあまりにもメロウな多幸感が降り注ぐ"Inspector Norse"でしっとりした余韻を残してアルバムは完結する。ダンス・ミュージックがフロアでの機能性を特化してアンダーグラウンドに向かう流れもある中で、Terjeはアルバムだからこそ表現出来る世界と目的を理解しそこに水っぽさもある享楽を遊び心として馴染ませた事で、アルバムには一点の暗闇さえない万人受けするであろうポップでカラフルな空気が満たされているのだ。

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Tony Lionni - Just A Little More (Madhouse Records:KCTCD627)
Tony Lionni - Just A Little More
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UK出身、ベルリンで活動をするTony Lionniは2008年にWave Musicからデビューを果たし、それ以降はVersatile RecordsにFigureやOstgut Tonなど著名レーベルから引っ張りだこ状態、そして2010年にはFreerange Recordsより初のアルバム"As One"(過去レビュー)をリリースした。ハウスをベースにしながらも西洋の流麗なテック感を盛り込んだ音楽性は一躍注目集めるが、EPで高まった期待は今思うと良くも悪くもないアルバムで萎んでしまったように思える。が転機は訪れた。2011年にはKerri Chandlerが主宰するMadhouse RecordsからEPをリリースし、よりNYハウスやニュージャージーなどのルーツを意識した音楽性へと向かい、堅実なハウストラックを手掛ける事となった。そして3年ぶりの新作はやはりMadhouseからだが、前述のKerriやRon Trentを尊敬していると本人が言うように、アルバムの最初から最後までリズムは骨太ながらもハウス・ミュージックのソウルフルな面を強調したUSハウスが並んでいる。勿論Tonyらしく手に汗握るような熱気や泥臭い汗臭さは無いのだが、Robert OwensやRachel Fraserといったボーカリストを迎えた事も相まって、仄かに見え隠れする黒っぽさと洗練された音色のバランス感は丁度良い点の上にある。アルバムの前半はしっとりとしたメロウなコード感と控え目にソウルフルなボーカルが絡むトラックがあり、後半には夜も深くなり盛り上がってきたフロアを意識したダンストラックが並んでいるが、やはり情感のあるコード展開やキーボード使いが冴えてTonyのメロディアスな個性を伸ばす事に成功しているようだ。勿論ジャンル的な新鮮味は全く無いのだが、目指す音楽性がはっきりと見定められた上で揺るぎないソウルフルなアルバムとなっており、ハウス・ミュージック好きには間違いなく薦められる良作だ。



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So Inagawa - Logo Queen (Cabaret Recordings:CABARET 001)
So Inagawa - Logo Queen

dj masda主宰、Kabuto、Kazuki Furumiを擁するパーティー・Cabaretだが、2013年には遂にレーベルとしても始動し作品のリリースに着手した。その第一弾がop.discやTsuba Recordsにも曲を提供する傍ら、dj masdaと共にレーベルを主宰するSo InagawaによるEPだ。リリースは2013年だが今月末にはCabaretのレーベルショーケースでSo Inagawaがライブを披露する事もあり、レーベルの方向性を掴む意味でも本作を購入してみた。タイトル曲でもある"Logo Queen"は一見ファットなベースラインとかっちりしたリズム重視のミニマル・ハウスだが、そこに夜道を彷徨うかのような虚ろなシンセのメロディーがもやっと浮かび上がり、不安なムードに包まれながらも繊細な美しさを発する機能美を磨いたトラック。裏面にはか細くもパーカッシヴな4つ打ちの上を奥深い空間を創出するダビーな上モノが覆い被さる"Scan Runner"、そして羽毛のような柔らかく可愛らしいメロディーと消え去りえそうな物哀しい女性ボーカルを起用した"Selfless State"の2曲を収録。基本的にはどの曲も抑制のとれたハウスのグルーヴ感としっとりした控え目な情緒で耳を惹き付ける魅惑があり、単にアッパーな勢いで盛り上がるのではなくツールとして混ぜ込む事でより闇の深いフロアで機能するようなスルメのような味わい深い音楽性だ。実際にCabaretにも何度か足を運んでみた事はあるが、確かにテクノ的な硬質な音もありつつもグルーヴはミニマル・ハウスのそれであり、勢いではなく揺蕩うリズムの波にゆったりと揺らされる感覚に支配されていた。その点から確かに本作はCabaretというパーティーの延長線上にあるようで、それを抜きにしても微睡みを約束する心地良いハウス作品である。




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Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997 (Strut:STRUT114CD)
Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997
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ジューク/フットワークの隆盛と共にその原点として再度注目を集め出しているシカゴ・ハウスだが、本作品はその決定打とも言えるシカゴ・ハウスの老舗・Dance Mania Recordsの2枚組コンピレーションだ。Dance Maniaは1986〜1997年の活動期間にアナログで膨大な作品を残しシカゴ・ハウスの基礎を成したレーベルである事に間違いはないが、シカゴ・ハウスらしく良くも悪くも玉石混淆であり全ての作品が高品質ではなく、その点からも公式にレーベル・コンピレーションが手掛けられた事は素直に喜ぶべきであろう。さて、Dance Maniaというと当方もそうだが一般的な評価としてゲットー・ハウス系のイメージが先行しているが、本作においてはレーベル初期の作品を多く収録する事でそのイメージを覆す事にも成功している。CD1にはレーベルの初期〜中期までの作品を収録しているが、これが予想外にもオーセンティックなハウスが並んでおり、Dance Maniaにもこんな時代があったのかと意外な印象を受けつつ普遍的なハウス作品として素晴らしい。特にVincent Floydによる"I Dream You"やDa Posseによる"Searchin' Hard (Mike Dunn's AC Mix)"はピアノの旋律がラブリーなディープ・ハウスで、その流れは90年代のメロディアスなUSハウスにも通じるものがある。その他にもジャッキンな感覚を強調した安っぽくもファンキーなトラックもあったりと、しかしまだテンポはまだ加速せずに普通の形態を保っている。CD2にはレーベル中期〜後期の作品が収録されているが、その辺りからレーベルはゲットー・ハウスなるシカゴ・ハウスの変異体としてより注目を集めるようになっていたようだ。特に今再度高い評価を獲得しているDJ Funkは2曲収録されているが、チージーな音質ながらも高速ビートに合わせ下品なボイスサンプルを執拗に重ねた作品は、これぞファンキーなゲットー・ハウスの一例だろう。またPaul JohnsonやRobert Armaniの曲はもはやテクノ方面で評価されるべきハードなスタイルへと進化しているし、今をときめくTraxmenは"French Kiss"をパクったようなリフにアホアホボイスサンプルを被せて遊び心とファンク溢れる曲を披露するなど、Dance Maniaが一般的なシカゴ・ハウスのその先へと向かった軌跡を見つける事は容易い。その点で当方のようなシカゴ・ハウスが単純に好きな人には当然お勧めなコンピレーションだが、ジューク/フットワークと呼ばれる音楽に魅了された若者にとっても、そのルーツを掘り起こす意味で本作は価値のある作品である。



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Brother G - Break Me Completely EP (Rawax:RAWAX 014)
Brother G - Break Me Completely EP
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ドイツのRawaxはまだ新興レーベルながらも、Chiwax、Housewax、Dubwaxと並行して複数の傘下レーベルを運営しながら、大量のリリースを行いながら続々とその勢力を拡大している。もちろんその中にはまだ新鋭も多くいるが、ウクライナのGennady IvanovことBrother Gは注目すべき存在だ。G-Transition名義ではBoe Recordingsからモダンなディープ・ハウスをリリースし、また今注目のRough House Rosieのコンピレーションにも曲を提供するなど、メキメキと頭角を現し始めている。本作もやはりウクライナのディープ・ハウスらしくレイドバックしてアナログ感の強い作風で、アンビエンス感もある不明瞭なパッドから情緒が湧き起こり、そこにもやっとした質の4つ打ちのキックを絡ませた"Dominatrix (Pump Mix)"は白昼夢のように淡い快適性を含んでいる。アナログ感の強いキックを用いながらもブロークンビーツのように変則的なビートを刻む"Untitled"は、ディープ・ハウスにふらふらと揺れる酩酊感と腰を揺らす躍動感を付加し、Brother Gの懐の深さを予感させるような作風だ。裏面では一転してデトロイト・テクノの未来感覚と陽気なアシッドを組み合わせたロウ・テクノ的な"String"が面白いが、その次の"Apoena Yuriy"では荒いリズムトラックとは対照的に優美なピアノコードや煌めくパッドでジャジーな感覚も打ち出した厳かなディープ・ハウスを披露しており、ウクライナのディープ・ハウス勢の一人ではありながらその作風はバラエティーに富んでいる。



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The Power Plant Experience - The Power Plant EP (Mathematics Recordings:MATHEMATICS 073)
The Power Plant Experience - The Power Plant EP

ロウ・ハウスやジュークといった音楽に共振するように、にわかに感じさせるシカゴ・ハウス復権の流れ。その中でもイタリアから妄信的にシカゴ・ハウスへの偏愛を見せるアーティストがSimoncinoであり、古いドラム・マシンなどのアナログな音を基軸に本物と全く変わらない初期シカゴ・ハウスを世に蘇らせている。本作は様々な変名を用いて活動する彼にとって新たな名義となるThe Power Plant Experience名義でのデビュー盤であるが、これは言うまでもなくかつてFrankie Knucklesがオープンさせたクラブの名前から取られているのだろうから、やはりシカゴ・ハウスへの愛は相当なものだ。何と言ってもタイトル曲の"The Power Plant"から素晴らしく、ハンドクラップやどたどたとした野暮ったいドラム・マシンのリズム、そこに郷愁の念を誘う深遠なシンセがリードしていくこのハウス・トラックは、生まれてくる時代を間違えたのかと錯誤する程に初期シカゴ・ハウスの音として成立している。"My Father's House"にはシカゴ・ハウスの巨匠・Virgo FourからMerwyn Sandersがボーカルで参加しており、呟きのような優しく癒やすような歌い方が作品に色っぽさと深みを与えている。また"Plant Tracks 3 (1991 Kai Alce Remix)"はデトロイトシーンのKai Alceによるリミックスで、切なさや古い空気感を残しながらもリズムを骨太に肉付しつつ光沢感のあるシンセや導入し、現代の音にも馴染むように手が加えられている。計5曲収録のそのどれもがオーセンティックなシカゴ・ハウスであり、迷いなき方向性がSimoncinoへの期待をより高めるだろう。

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Jouem - Episodes 3/8 - Feel The Visible Light (Mojuba Records:MOJUBA JOUEM 3)
Jouem - Episodes 3/8 - Feel The Visible Light

着々と進行するSven Weisemannの変名と明らかになったJouem名義の8部作だが、おおよそ一年ぶりの新作になる3作目がリリースされている。Jouemプロジェクトとは別に本人名義でも平行して活動しており、その名義からの音楽性の違いを見つけるのは難しいが、手掛かりとなるのはジャケットのデザインだろうか。8つの作品を全部集めて並べると一つの風景となるこのシリーズは、Svenの作品の中でも特にダンストラックとしての機能性よりは、想像力を刺激し風景画を喚起させるような印象を受ける。音数は減らした分だけ淡々としたシンセの残響が目の前に空間を生み出すような"Dazzling Light"は、大きな展開を作る事はなく微細な音の増減でゆったりと風景を描いていくようなダブ・ハウスだ。対して"Hyperion"は淡々としたダビーな4つ打ちを刻みながら幻惑的な呟きや幽玄なストリングスを軸にしながらも、途中からは物哀しいサックスのメロディーも登場しオーガニックな芳香さえ立ち上がる余りにもディープなダブ・ハウスとなっている。クラシック音楽にも影響を受けているというSvenらしく、どことなく生っぽい音質に情緒を込める作風が特徴で、その艶っぽく柔らかい音響は夢の中で鳴っているようだ。作品としては文句無しの出来だが、しかしこのペースで進むと完結するのは何年後になるのだろうか。



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Theo Parrish - 71st & Exchange Used To Be (The Trilogy Tapes:SSTTTPLC 1)
Theo Parrish - 71st & Exchange Used To Be

カセットやアナログ、はてはTシャツなど衣類まで手掛けるUKの変異体テクノ・レーベルのThe Trilogy Tapes、ロンドンのスケーター系ブランドのPalace Skateboards、そしてデトロイトはTheo ParrishによるSound Signature、その3組が連携して手掛けた話題作がリリースされている。2000円以上の高価格でありながらリリースされるやいなや即完売となった本作は、全てTheo Parrishによる楽曲であるが、その人気の高さも納得の内容だ。近年は歪な構造を成す変異体とも言えるフリーキーなハウスが多かったTheoだが、この作品に於いては初期の頃を思い出させる煙たくも色っぽく、その紫煙から情緒が沸き上がるような一際官能的なハウスを披露しているのだ。目玉はタイトル曲の"71st & Exchange Used To Be"で間違いなく、ハンドクラップが連打されながらもジャジーヴァイブスを取り込んだ変則的なビートの上を、物静かで内向的なフェンダーローズやパッドが官能的に染め上げる。ビートには生々しい荒さが見えながらもしなやかに編みこまれたような柔らかなビートを保っており、何より上モノのアドリブ的なライブ感がありながらも控え目に妖艶な空気を発する旋律に、Theoのソウルフルな側面が最も顕出している。裏面にはよりロウ・ハウス的にざらついたリズムを浮かび上がらせながらもアドリブ的にフリーキーさを残したファンキーな"Petey Wheetfeet"、もはや打ち込みによるハウスと言うよりはフュージョン的なライブ感のある湿っぽい"Blueskies Surprise"と、こちらは朝方のアフターアワーズにもしっくりはまりそうな曲が収録されている。どのリリースも総じて品質は高いのは間違いないが、この路線でアルバムも制作してくれたら…と思う程の快作だ。

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| HOUSE10 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013 (Faces Records:FACES CD004)
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013
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デトロイト・ハウス、またはビートダウンと呼ばれる音楽はUSから海を越えてヨーロッパへと渡り、それぞれの場所で根を張りその個性を育んでいる。特にオランダやドイツではその影響は強いが、例えばフランスでその例を挙げるのであればFaces Recordsは忘れてはならない。フランス出身のPablo Valentinoが主宰するこのレーベルはディスコやジャズやファンクにも影響を受けた上でのハウスにフォーカスしたレーベルであり、特に黒人が発するスモーキーな芳香を纏っているが、Motor City Drum Ensembleのために設立されたレーベル・MCDEの設立者がPabloである事を知れば、Pabloが目指す音楽性も理解出来るだろう。本作はそのPabloが来日ツアーを行った際にパーティー会場で販売されていたFaces Recordsのレーベル・コンピレーションであり、レーベルの方向性を占うと共に未発表曲も多く含まれているなど、話題性は抜群だ。日本からはKez YMとRondenionの二人が曲を提供しているが、両者ともディスコをサンプリングしたであろう方向性を支持しながら黒人音楽への真摯な愛情が現れたファンキーなハウスを披露。Ketepicaによる生っぽく艶やかなジャジートラックや、Champsによる優雅なメロディーとしなやかなビートが弾けるブロークン・ビーツからは、Faces Recordsが単なるハウス・レーベルではなく黒人音楽がルーツにある事を証明もしている。またフランスのアンダーグラウンドから浮上し最近話題となっているS3Aを早くからフィーチャーしていたりと、Pabloの音楽に対する目の付け所は正当に評価されるべきだろう。勿論Pabloも本人名義に加えCreative Swing Alliance名義でも煙たく仄かに情緒的なビートダウンを提供し、更にはMotor City Drum Ensembleによる新曲も収録するなど話題に事欠かさない充実した内容だ。レーベルの方向性としてDJに使用して貰う事を前提にEP/アナログでのリリース中心なので、こうやってCDや配信でレーベル・ショーケース的に様々な作品を聴ける点でも価値がある一枚だ。



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