Terrence Parker - God Loves Detroit (Planet E:PLE65380-2)
Terrence Parker - God Loves Detroit
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電話機型ヘッドフォンを用いながらスクラッチをガシガシと多用したDJスタイルが印象的なTerrence Parkerは、敬虔なクリスチャンでもあり、それを反映したように祈りにも似たゴスペル・ハウスとも呼ばれる音楽性を武器にDJとして高い評価を獲得している。勿論アーティストとしてもファンキーで骨太なディスコ・ハウスから熱きソウルが燃えるボーカル・ハウスまで良質なDJ向けのトラックを手掛けてはいるが、過去に於いては決してアーティスト業がメインではなく積極的に継続してリリースを続けるタイプではなかった。しかし2013年にPlanet-Eよりリリースした17年ぶりのアルバムである『Life On The Back 9』(過去レビュー)を機に、再度アーティスト業にも力を入れ出しDefectedやGroovementにLocal Talkなど多くのレーベルから新作/リイシューのラッシュ状態。そしてPlanet-Eからの前作が評判が良かったのかまたしても同レーベルからニューアルバムが届けられた。ここでは近年Parkerと活動を共にするデトロイトの女性DJ/アーティストであるMerachka、そして過去にもParkerの作品のボーカリストとして共演しているCoco Streetが参加しており、彼らしいボーカル・ハウスの魅力も詰まっている。先ずはMerachkaをフィーチャーした"Bassment Beats (TP's Bassment Mix)"で幕を開けるが、熱量の高い歌ではなくスピーチとして声を利用し野太いベースラインとパーカッシヴで力強いトラックによって、初っ端から勢いと熱さが発せられる。続く"Don't Waste Another Minute (TP's Classic Piano Mix)"もMerachkaを起用しているがゴスペル的なピアノコードと希望を語るような歌を前面に打ち出し、これぞParkerらしい魂揺さぶるデトロイト・ハウスで、何か笑顔さえ浮かぶようなハッピー感だ。その後の"God Loves Detroit (The Resurrection)"は逆にDJツール的と言うか継続したハンドクラップと展開の少ないループ構成のハウスだが、メロディーではなくグルーヴ感重視な作風が爽快なファンキーさに繋がっている。面白い事にCoco Streetを起用した曲では"Latter Rain (The Healing Rain Mix)"と"Latter Rain (TP's After The Storm Mix)"と異なるミックスが連続しているが、ビートレスにした事でストリングスが映えてアンビエント的な前者とクラシカルなガラージの流れを汲んだUSハウスらしい後者と、元は同じ曲でも随分と違う表情を見せている。そしてシンプルに反復する電子音を用いてテック・ハウス仕立ての"Let's Go"、デトロイト・テクノのアンビエント解釈と言うべき"The Sabath"など今までよりもテクノに寄り添った作風も開花させつつ、ラストにはピアノ主導に神々しいストリングスも用いた祈りを捧げるようなビートレスの"Will You Ever Come Back To Me"で、鎮魂歌を捧げるような慎ましく幕を閉じる。前作からの大きな変化は然程無くおおよそParkerに期待している音楽性だから驚くような作品ではないのだが、これがデトロイト・ハウスなのだという主張は存分に伝わってくる。何と言ってもタイトルが「神はデトロイトを愛している」なのだから。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Soul Of Hex - Lip Reading EP (Cvmr:CVMR010)
Soul Of Hex - Lip Reading EP

Soul Of Hex、先ず誰も耳にした事のない新人アーティスト…しかし初のリリースである本作にシカゴ・ハウスの孤高の存在であるMr. FingersことLarry Heardのリミックスが収録されているとなれば、どうしたって注視せざるを得ない。後からSoul Of Hexについて調べてみれば、実はQuintessentialsやFaces Recordsから煙たくドス黒いビートダウン・ハウスをリリースしていたメキシコからの4004 & Sebastien Vorhausの変名である事を知ったが、となれば既にLarryは彼等の音源をサポートしている事から今回のリミックスへと繋がったのも合点がいく。オリジナル曲である"Lip Reading"は今までの作品よりも穏やかでLarryを意識したようなディープ・ハウスだ。温かいパッドのメロディー、しっとりとしながらも豊かなJunoのベース・ライン、隙間を活かしながらもカラッとしたキックやパーカッションの4つ打ちと作風自体は非常にシンプルだが丁寧かつ洗練された作り込みで、Larryが得意とする叙情を打ち出している。US西海岸のVin Solによる"Vin Sol Remix"は寧ろ4004 & Sebastien Vorhausを意識したのか、厚みのあるキックを用いた低重心のグルーヴに微睡むような温かいパッドを用いて煙たさも表現したビートダウン系に仕上がっている。同様にUKの新鋭Ny*Akによる"Ny*Ak Remix"もぐっとテンポを落としたビートダウン系ではあるのだが、ヒップ・ホップを意識したようなリズム感と絡み付く粘り強い音質が濃密な黒さを匂わせている。そしてやはり特筆すべきはLarryによる"Mr Fingers Jazzy Dub Mix"であるのは間違いなく、仄かに情緒を匂わす軽いエレピのメロディーと透明感のあるパッド、そしてカラッとした爽やかなパーカッションによる絡みは何処までも開放的で、穏やかな感情が広がるディープ・ハウスだ。どう聴いてもLarryによるオリジナル音源にしか聞こえない程にLarryの個性が光る作風は、昔から現在に至るまでに変わる事のない普遍性を伴っている。



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| HOUSE10 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013 (Faces Records:FACES CD004)
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013
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デトロイト・ハウス、またはビートダウンと呼ばれる音楽はUSから海を越えてヨーロッパへと渡り、それぞれの場所で根を張りその個性を育んでいる。特にオランダやドイツではその影響は強いが、例えばフランスでその例を挙げるのであればFaces Recordsは忘れてはならない。フランス出身のPablo Valentinoが主宰するこのレーベルはディスコやジャズやファンクにも影響を受けた上でのハウスにフォーカスしたレーベルであり、特に黒人が発するスモーキーな芳香を纏っているが、Motor City Drum Ensembleのために設立されたレーベル・MCDEの設立者がPabloである事を知れば、Pabloが目指す音楽性も理解出来るだろう。本作はそのPabloが来日ツアーを行った際にパーティー会場で販売されていたFaces Recordsのレーベル・コンピレーションであり、レーベルの方向性を占うと共に未発表曲も多く含まれているなど、話題性は抜群だ。日本からはKez YMとRondenionの二人が曲を提供しているが、両者ともディスコをサンプリングしたであろう方向性を支持しながら黒人音楽への真摯な愛情が現れたファンキーなハウスを披露。Ketepicaによる生っぽく艶やかなジャジートラックや、Champsによる優雅なメロディーとしなやかなビートが弾けるブロークン・ビーツからは、Faces Recordsが単なるハウス・レーベルではなく黒人音楽がルーツにある事を証明もしている。またフランスのアンダーグラウンドから浮上し最近話題となっているS3Aを早くからフィーチャーしていたりと、Pabloの音楽に対する目の付け所は正当に評価されるべきだろう。勿論Pabloも本人名義に加えCreative Swing Alliance名義でも煙たく仄かに情緒的なビートダウンを提供し、更にはMotor City Drum Ensembleによる新曲も収録するなど話題に事欠かさない充実した内容だ。レーベルの方向性としてDJに使用して貰う事を前提にEP/アナログでのリリース中心なので、こうやってCDや配信でレーベル・ショーケース的に様々な作品を聴ける点でも価値がある一枚だ。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE10 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
福渡温泉 不動の湯
不動の湯1

こんにちは、温泉マチュです。先日3年ぶりに那須塩原へと温泉旅行に行ってきました。塩原温泉は数多くの温泉宿があると共に、共同浴場や足湯なども充実しており温泉好きには堪らない場所です。勿論自分も大の露天風呂好きなので、福渡温泉の不動の湯にも入浴してきました。この温泉は福渡地区の箒川に架かる福渡不動吊橋の奥にある岩の湯(過去レビュー)から更に5分程森の中を進んだ場所にあり、如何にも秘湯っぽい雰囲気の漂う露天風呂です。脱衣所も一応ありますが壁とかは無く、単なる荷物置き場みたいなものなんで女性には少々厳しいかもしれませんね。それでも川のせせらぎを聞けて緑に囲まれた自然満点の環境なので、もし度胸があれば是非とも女性にも入って欲しい素晴らしい温泉です。
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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
子どもの貧困 - 日本の不公平を考える (岩波新書)
子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
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生まれてくる全ての子供には、幸せになる権利がある。

初等教育までの義務教育が保証されている日本においても、「相対的貧困」が存在していて特に先進諸国の中では日本がそれが高いと言う現実。統計データを基に子供の頃の貧困が大人になっても不利に働き、それが世代を越えて連鎖していくなどの問題を鋭く指摘する。問題は色々あって若い親と年配の親においての子供の貧困率の高さ、母子家庭においてのその高さ、子供への無関心な政策による教育的支援の不足、低所得者の負担が大きい事など問題は山積みだ。

自分の話を持ち出すが人生において裕福であると言う事は、圧倒的に有利なのである。勿論貧困だからと言って、必ず不幸せになると言う訳ではない。が、幸せになるのにスタートラインで遅れを取ってしまうと言う事なのである。僕も兄も高校・大学と上から数えてすぐに名前が出てくる所に通っていたのだが、やはりそう言った学校は裕福層が多いのである。何故か?子供の教育には莫大な金がかかるからなのである。別に僕はみんながみんな勉強しろとは言わないが、日本においてはエリート高→エリート大学のルートが将来的に安定を掴む為の最短ルートである事は間違いない(自分は大学はドロップアウトしちゃったけどね)。で結局そのルートを歩む為には、金銭的余裕が必要なの。勿論勉強だけじゃなくスポーツでも芸術でも習わせるのには、同じ事。じゃあ裕福だからが良いのかって言うとそれだけじゃなくて、やはり裕福層は精神的にゆとりがあり子供が金銭的危機感を感じない事が親との揉め事を減らしたり、環境の悪化の影響を受ける事が少ない訳。つまり精神的な負担も受ける確率が少ない訳。

ではまず親がすべき事、それは親は子供の為に一生懸命になる事。最近ニュースでもある親がパチンコ行っててその間に子供が焼死とか、そんな話を聞くと子供を産むなと言いたくなる。自分は結婚もしていなければ子供もいないので大口を叩く義理は無いかもしれないが、親は子供の犠牲になってでも子供を幸せにしないといけないと思う。何故ならば自分の親は好きな事を我慢して自分たちに精一杯したい事をさせてくれたので、自分ももし子供が出来たら子供に不自由なく好きな事をさせてやりたいんだ。その為には自分は子供の為に犠牲になっても構わない、それ位の心構えは必要なんじゃないだろうか。

そんな前提を踏まえてそれでも子供の貧困率が高い日本においては、現在において最も必要なのは国・政策による子供の教育的支援なのである。子供は宝とよく言ったもので、子供に教育を受けさせ知識や経験を積ませ、教養を身に付けさせる事は、将来的に日本の繁栄につながるはずなのである。なのに今の日本において優遇されるのは高齢者であり、子供を育てる20・30代の方から搾取が増えるのでは余裕のある子育てなど出来る訳がない。また確かに格差を無くすのは難しいが、スタートラインにおける平等は本来は保証されるべきであると僕は思う。本書によれば他の先進諸国では貧困を減らす為の政策がもっと充実しているんだけど、なんで日本はこんなに駄目なんだろうね(答え:自民党が分母の多い年配の票を欲しいから、年配向けの政治しかしない為。日本の将来など全く考えていない)。少なくとも子供に精神的・金銭的負担を強いるような世の中には、なって欲しくないね。

僕は切に願う。生まれてくる全ての子供には、幸せになる権利がある。
| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC1 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) | |