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BEST OF 2018
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年は節約も兼ねてBandcamp等の配信でも積極的に音楽を購入するようになった結果、輪をかけて購入する量は増えたもののそのおかげで聴き込めていない音楽も増えてしまい、レビューも書けずにこの年末のベスト紹介で掲載する機会も逃してしまう始末。また昨年に続きパーティーへと足を運ぶ機会も減っており所謂ダンス・ミュージックに対する関心は減少というか、良い意味でそこへの拘りは少なくなり、その半面ホームリスニングにも耐えるうバレアリック/アンビエント/ニュー・エイジといった音楽への興味がより増えた一年でした。そんな今の趣向から選んだ年間ベストは当ブログの昔のベストに比べると確かに方向性が変わったのは事実ですが、音楽への愛や興味は全く変わっておりません。また来年も素敵な音楽に出会い、そして色々と紹介出来たらと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Afriqua - Vice / Principle EP (R & S Records:RS1808)
Afriqua - Vice/Principle EP
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80年代テクノを代表するレーベルの一つであるR & S Records、ニュービートから始まりハードコアなテクノやデトロイト・テクノを先取りし、時代を象徴するムーブメントの一旦を担った重要なこのレーベルは、しかしある意味では頑さが故にその後は流行に乗り切れずに2000年頃に一度は倒産してしまう。その後復活を果たして以降はやや流行も意識して新しいジャンルにも手を伸ばしつつ再度の繁栄を見せているが、それでもしかしこういった艶かしく催眠的なミニマル・ハウス/テクノにまで手を拡げてきた事にはやや驚きを隠せない。本作を手掛けたのはアメリカはバージニア州出身のAdam Longman ParkerことAfriquaで、これより前の作品でも生っぽい湿り気を帯びた流行りの繊細なミニマル・ハウスを手掛けていたものの、本作でその機能性と芸術性は極致へ辿り着いている。レーベルインフォでは70年代のクラウト・ロックやジャズに触発されたとの触れ込みだが、それ以上に掴み所のない滑った音楽性は個性的だ。ビートレスながらも繊細で変則的なパーカッションと彷徨うように方向性の無い電子音の旋律によってふらふらと酩酊する"Vign"に始まり、映画のシーンからのボーカル・サンプルを用いた"Melamed"でそのミニマル・ハウスは艷やかな花弁を開くように、妖艶な美しさを露わにする。官能的な電子音のリフ、生っぽい弦楽器風を民族的に用いたループは覚醒感を誘い、太いどころか細く連なる繊細でしなやかなビートはその軽さにしなやかに揺らされ、霊的なトライバルビートとなってエキゾチック・トランスとでも呼ぶべき原始的な快楽を呼び覚ます。"Noumenon"はアシッド・ハウスとは異なりながらも鈍いアシッドのベースが跳ねながらつんのめったようなリズムと合わせて、細いグルーヴ感を活かしながら躍動的に跳ねながらコズミックかつファンクな、それは何処かデトロイト・テクノのエモーショナル性とも共振するような響きがある。そして10分越えの"Cerch"は例えばチリアン・ミニマルの線が細くも艶めかしさを強調した作風で、ここではジャジーなベースが正に生命が胎動するようにリズミカルにビートを刻み、様々な電子効果音と爽快なシンセのメロディーを散りばめながら陽気にウォーキングするノリで軽快に引っ張っていく。残りの曲も基本的には骨格が浮き出て音の隙間を活かしながら繊細なグルーヴ感と生っぽく滑りのあるミニマルな曲調で纏められており、基本的にはここ数年の流行りのミニマルなモードを踏襲はしているのだが、没個性にならずにジャズ/エキゾチック/コズミックといった要素を自然と取り込み自分の音として消化出来ているように思う。非常に素晴らしいモダンなトラックではあるのだが、思い出の中の頑固職人的なテクノをやっていたR & S Recordsの音とは随分異なる点も面白くもある。



Check Afriqua
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cesar Merveille / Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II (Cadenza Records:CADCD13)
Cesar Merveille Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II
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チリアン・ミニマルを代表するレーベルとして名高いLuciano主宰によるCacenzaだが、近年はイビサを中心に世界各地でレギュラーパーティーとして“Vagabundos”を開催している。本作はそのパーティーに関連したMIXCDシリーズの3作目だが、ここではCadenzaからのヒット作で注目を集めたCesar MerveilleとMirko LokoがDJに起用されている。Cadenza自体は今でもチリアン・ミニマルとしての要素も残しているが、それ以上にバレアリックな多幸感や慎ましやかな優美さを追求しているようで、その傾向は本作にも如実に表れている。Cesarが担当した方はレーベルによれば「ディープでアンダーグラウンドなハウス」との事だが、ハードではないが安定感のあるリズムを刻みながらふらふらと酩酊するメロディーが漂い、確かに浮上する事のないアンダーグラウンドな感覚が通底している。快楽の殻を突き破る事もなく深い世界の中を迷い込んだままのような適度にヒプノティックな感覚が続き、ミニマル〜ディープ・ハウス〜テック・ハウスをしなやかに紡ぎ合わせ、後半に進むに連れてメランコリーが増す展開がえも言われぬ酩酊感を発しているのだ。対してMirkoが手掛けたミックスはよりメランコリーが強く打ち出されており、半ば恍惚のトランス感にさえ包まれる程に快楽的だ。"Dea"から"Tarzan (Âme Remix)"に繋がる瞬間の美しくも深い快楽に包まれるも、そこから一転して荒々しいシカゴ・ハウスの"House Room (Paul Du Lac Vocal Remix)"で目を覚まされ、そして繊細なピアノやストリングスが端正にメロディーを組みながら長くドラマティックに盛り上がる"The Rebirth"で一旦ピークを迎える。そこから終盤にかけては更に感情の吐露による揺さぶりをかけながら、ラスト間際ではMaster C & JとVirgoによる懐かしい物悲しさを含むシカゴ・ハウスが続き、ラストには正にコズミックな深宇宙が広がる"Cosmic Race"で感動的なフィナーレを迎える。2枚どちらもCadenzaに連綿と受け継がれてきたひれ伏してしまう神々しさ、官能的なエレガンスが最大限発揮されているが、特にMirko Lokoによるミックスがオールド・スクールとモダンが自然と溶け合っており素晴らしい。

試聴

Check "Cesar Merveille" & "Mirko Loko"

Tracklistは続きで。
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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |