The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds (Cooking Vinyl:COOKCD711)
The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds
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アンビエント・テクノの重鎮であるAlex Paterson率いるThe Orbの目下最新アルバム、2018年6月にリリースされた本作はある意味では非常にThe Orbらしく多くのアーティストとの交流によって生まれた作品だ。ここ数年はThe Orbとしても長らく活動しユニットの音響的な面で多大なる影響を残しているThomas Fehlmannとの共同作業が多かったものの、このニューアルバムでは旧友であるYouthや過去にも繋がりのあるRoger EnoやGuy Pratt、Public Image Limitedの元ベーシストであるJah Wobbleにイタリアのダブ・アーティストであるGaudi、勿論Fehlmann含めその他多くのアーティストが制作に参加している。その影響なのか、またはFehlmannとの濃密な共同作業ではないせいなのか、所謂Kompaktらしいクールなテクノ色は薄れつつよりバラエティーに富んでポップかつメジャー感のある作風は2001年の作品である『Cydonia』を思い起こさせる点が多い。例えば冒頭の"The End Of The End"では女性ボーカルを起用しながら最早アンビエントですらないエグいシンセが豪華絢爛さを演出するダウンテンポな作品で、その中にもThe Orbらしくヒップ・ホップやR&Bにダブなどごった煮は要素はあるものの、純度の高いテクノとアンビエントの融合は失われている。"Rush Hill Road"ではぶっ飛んで奇想天外なサンプリングから始まるも、直ぐにノリノリなレゲエ調のダンス・ビートが入ってきて更に色っぽい女性の歌も加わればポップなダンスそのもので、Patersonらしい面白いサンプリングの妙技よりもどうしてもメジャーな作風の前に抵抗感が強い。聞き所が全くないわけでもなく、かつての名曲である"Blue Room"の延長線上と考えてもよい"Pillow Fight @ Shag Mountain"はダブのぬめったリズムとしっとり艷やかなピアノによってズブズブと沼にハマるような音響と奇抜な世界観があり、色々なサンプリングも交えながらThe Orbらしい快楽的なダブ・アンビエントを展開する。余り外野を入れずにFehlmannと制作された"Isle Of Horns"は、非常に多くのサンプリングを用いて異空間世界へとぶっ飛ばしつつ、その足元にはダブ/レゲエのスローモーで重心の低いビートを張り巡らせ、Fehlmannらしく音の間を強調しながら研ぎ澄まされたアンビエントを作り上げている。ラストの"Soul Planet"はゲストがほぼ勢揃いした15分にも及ぶ大作で、全くビートの無い空間に静謐で物悲しいピアノや浮遊感のある電子音を配置した序盤、勢いのあるダンス・ビートが入ってきてソウルフルな歌も加わり熱量を増して躍動する中盤、そして再度ビートが消失しメランコリーなアンビエントの流れから最後は悲壮感漂うピアノの旋律で幕を閉じていくなど、長尺を活かす事で一曲の中に感動的なドラマが存在する。曲毎に随分とバラエティーに富んでいるのはやはり多様なゲストを迎えた事が影響しており、ある意味ではThe Orbらしいジャンルを横断するごった煮なサウンドは下世話な感もあってそれも司令塔Patersonのユーモアと考えられるが、やはり個人的にはテクノ音響職人のFehlmannが全面参加している時の方が音楽性は優れているように思う。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann - Los Lagos (Kompakt:KOMPAKT CD148)
Thomas Fehlmann - Los Lagos
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ベルリンのニューウェーブ変異体であるPalais Schaumburgの元メンバーであり、Moritz von Oswaldとの3MBによってベルリンとデトロイトを結び付け、そして何よりもThe Orbのメンバーとしての輝かしい功績を持つベルリンのダブ・テクノ/アンビエントの重鎮中の重鎮であるThomas Fehlmann。DJではなく生粋のライブアーティストである彼が生み出す音楽は、揺らめくダビーな音響と緻密な電子音の変化、そしてシャッフルするリズムを組み合わせてダンスとしての機能性に芸術的な美学を持ち合わせた職人芸的なものだ。特にその音響面の才能は、例えばAlex Patersonがコンセプトを生み出すThe OrbではFehlmannがダブ音響の多くを担っているのではと思う程に、研ぎ澄まされた電子音の響きには個性を持っている。ソロアルバムでは前作から8年ぶりと随分と間は空いてしまった本作、繊細な音響面に於いては全く陰りは見られないものの年を経たせいもあるのだろうか、一聴して以前よりは地味でアブストラクト性を増している。オープニングの"Loewenzahnzimmer"は地を這うようなのそのそとした粘性の高いダブ・テクノで、モワモワとしたヒスノイズの奥には繊細な電子音響が散りばめられ、闇が広がる深海を潜航するようだ。続く"Window"で浮遊感ある上モノとしっとりしながらも軽く走り出す4つ打ちのテクノに移行するが、過剰な残響を用いずとも空間に隙間を残してダブらしき音響効果を作っている。"Morrislouis"ではお得意のシャッフルするビートで軽快に上下に揺さぶられ、徹底的にミニマルな構成ながらも微細な鳴りの変化によって展開を作り、ヒプノティックな世界に嵌めていく。元Sun Electricの一人であるMax Loderbauerが参加した"Tempelhof"は比較的幻想的なアンビエントの性質もあるが、シャッフルするリズムに加えて敢えて金属的な歪な響きの電子音を加えて目が眩むようなトリッキーさを加えている。しかしここまで聞いても以前と比べると随分とアンビエントの性質や甘美なメロディー等は抑えられており、ひんやりとした温度感で閉塞的な印象だ。しかし中盤以降、官能的ですらある妖艶なメロディーのループと溶解するようなねっとしたダブ・アンビエントの"Freiluft"、ギターサンプリングのループや色彩豊かな電子音を用いて祝祭感が溢れ出すダウンテンポの"Neverevernever"、そして惑星や星々が点在する無重力の宇宙に放り出されたかのように繊細な電子音が散りばめられたノンビート・アンビエントの"Geworden"と、前半とは打って変わって途端に鮮やかな色彩を伴いながら叙情性が現れて、こちらの方が以前のFehlmannの作風の延長線上だろう。アルバムの前半後半でがらっと雰囲気が変わる点でバランス感はやや崩れているが、それでもベルリン・テクノの音響職人としての才能はいかんなく発揮されており、するめのような噛みごたえのあるアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - COW / Chill Out, World! (Kompakt:Kompakt CD 134)
The Orb - COW / Chill Out, World!
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コンセプトは単純にアンビエント・アルバムを作る事、それに従って制作された本作は、アンビエント・ユニットとして名高いThe Orbにとってユニット史上最も"チルアウト"と宣伝されているが、その謳い文句も決して嘘ではないだろう。前作から僅か1年でチルアウトを打ち出したアルバムに携わっているのは、中心人物であるAlex Paterson、そしてThe Orbの第二の中心人物であるThomas Fehlmann、そしてユニットの初期に参加していたKilling JokeのYouthと、つまりはアルバム毎に制作メンバーが変わるユニットの中でも鉄板メンバーが揃っているのだから、当然悪い訳がない。路線としては限りなく幻想的で美しい音響を打ち出した『Orbvs Terrarvm』(過去レビュー)に近いだろうが、そちらがアンビエントなのに対し本作はやはり自然主義に根付いたチルアウトとしての要素が勝っている。何しろThe Orbと言えばヒップ・ホップやダブからの影響を受けた土着的なリズム感に定評があるが、本作ではそういった躍動的なビート感は希薄で、霞がかった繊細なヴェールのような電子音やオーガニックな楽器の音色に鳥の囀りや水の流れる音などのフィールド・レコーディングを軸として、緑が溢れる田園地帯を揺蕩うような牧歌的なイメージが通底している。音響的には奥深いダブの要素は当然あるもののリズム感で踊らせる展開は回避し、あくまで電子音と有機的なサンプルによって自然回帰的なほのぼのと穏やかな音響空間を構築し、Alexお得意のユーモアを盛り込んだサンプリングが無い訳ではないが、本作のキーはやはりThe Orbのインテリジェンス溢れる方面を担うFehlmannの繊細で耽美な音の使い方が肝だ。基本は豊かな色付けで装飾を行う電子音が前面に出ており、それがオーガニックなサンプリングと融和する事でチルアウトとしての効果が高まっている。例えば時間軸が遅くなったような南国のリゾート感溢れる"Sex (Panoramic Sex Heal)"では爪弾きのような弦楽器の音とドリーミーな電子音が入り混じり、当然そこに虫の鳴き声のサンプルも落とし込む事で余計にナチュラル・トリップを生み出しているし、"The 10 Sultans Of Rudyard (Moo-Moo Mix)"では人の呟きや虫の音のサンプリングを用いた定番的なチルアウトに合わせてRoger Enoによる静謐なピアノの調べを導入し、何か神聖な雰囲気も加わり壮大さを増している。その美しい音響には最早意識さえも融け込んでしまうような、つまりはチルアウトとしては最適な音楽であるのだが、タイトルからして『牛/チルアウトの世界』なのだから聞かずとも想像は付くだろう。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/7/22 FRUE -To the Moon and Beyond- @ Unit
知名度ではなく、まだそれ程知られてはいなくても間違いのない実力を持ったDJ/アーティストを招致し、日本のパーティーに新風を巻き込んでいるFRUE。今回はテクノを聴く者ならば恐らく大半の人がご存知であるThe OrbのAlex Patersonを呼んだのは、一見前述のコンセプトには反している。しかし、アンビエント黎明期から活動しテクノやハウスにヒップ・ホップやダブ、そしてロックまでを自由に繋ぎ合わせユーモア溢れる世界観を創るPatersonのDJは、唯一無二と言っても過言ではなく、今回はそんなプレイをオープン〜ラストの6時間で体験出来るのであれば、貴重な体験を提供する意味に於いて決して間違いではない。
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| EVENT REPORT6 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Alpine (Kompakt:KOMPAKT 339)
The Orb - Alpine
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昨年に久しぶりのアルバムをリリースしたThe Orbが早くも新作EPを完成させているが、ここでもそのアルバムと同様にAlex PatersonとThomas Fehlmannによる黄金コンビによる制作である事から、その内容はつまりはThe Orbの本流と言えるテクノとアンビエントとダブの融合が成されたファンが期待する内容は保証されている。元々は『Pop Ambient 2016』(過去レビュー)に収録されていた"Alpine Dawn"があり、実はそのアルプスの各時間帯が名付けられた作品を纏めたのが本作で、ジャケットのマッターホルン山の写真からも分かる通り正にアルプスをコンセプトにした作品なのだ。"Alpine Evening”はFehlmannの影響が感じられるシャッフル調のリズムとダブの音響に、Patersonのユーモアか狂気が炸裂したヨーデルのサンプリングも被せて、何とも愉快な雰囲気もあるアンビエント・テクノだ。浮遊感よりはどんよりとした重みでずぶずぶとサイケデリアに飲み込まれ、太いビートもあってフロアでも難なく嵌るダンス・トラックにもなっている。"Alpine Morning"はビートが消え去ったリスニング寄りのアンビエントだが、濃霧のような曇ったシンセの音響の中にカウベルや自然音が鳴り響き、まだ瞼が重い早朝の重力から穏やかに目を覚まさせる快適さがある。そして前述のコンピに収録されていた"Alpine Dawn"、一層とコラージュ性が強くなりグニャグニャとした音から輝きが零れ出すような抽象性を高めた音響アンビエントは、正に日が昇り始める夜明けを告げるが如く。その壮大で美しい音響はFehlmannによるものだろうが、そこに色々入ってくるサンプリングの遊び加減はPatersonの十八番で、このコンビならではの対照的な音楽性が一つになるのは長年お互いを理解し合っているからだ。久しぶりにこの路線でのアンビエント・アルバムも期待したくなってしまう。



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| TECHNO12 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes / Sin In Space Pt.1 (Kompakt:KOM 336)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes Sin In Space Pt.1
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Alex PatersonとThomas FehlmannによるゴールデンコンビのThe Orbが2015年にリリースした『Moonbuilding 2703 AD』(過去レビュー)から、そのシングルカットの第1弾が到着。ここではアルバムのタイトル曲である「Moonbuilding 2703 AD」を3アーティストがリミックスしており、The Orbも属するKompaktの創立者であるWolfgang VoigtとBrainfeederから奇才を放つTeebs、そして前述のVoigtの変名であるWassermann名義のアーティストが参加している。元々はブレイク・ビーツ気味のレゲエやミニマルも含んで徐々に変容する展開が壮大な13分にもアンビエント・ダブであったものの、それぞれのアーティストがそれをどうリミックスするのか想像するだけでも、本作への興味は尽きないが実際の音はどうだろうか。Voigtによる"Wolfgang Voigt AntiretroAmbientPsycholkamix"は原曲に負けじと13分越えの大作リミックスだが、原曲以上にそのアンビエント性・ミニマル性、そしてスペーシーな浮遊感のある音響を強調し、更なる大作志向へと進んでいる。序盤の残響が広がり音の粒子が散りばめられ浮遊するアンビエントなパート、徐々に覚醒感のあるシンセベースと締りのあるキックが入り中毒的な快楽が放出するミニマルへと突入する中盤、そしてオーケストラ的な荘厳なシンセも加わりスペーシーさも増す後半と、各々の箇所で異なる要素を含みながらも一大絵巻のように展開する作風は圧巻だ。そしてVoigtが変名で手掛けた"Wassermann Psychoschaffelclustermix"は、こちらもVoigtらしいズンチャズンチャとしたシャッフルするリズムが特徴で、時折入るアシッド・ベースやヒプノティックなシンセが精神を麻痺さえるように働き、なかなかのドープなテクノになっている。そしてTeebsは余りKompaktらしくはないというか、彼の作風を踏襲したざらついたビートダウン風な"Teebs Moon Grotto Mix"を提供。破壊音のようなパーカッションや粘度が高く粗いダウンビートの上には、ドリーミーで甘い音像が揺蕩う事でチルアウト的な感覚も滲ませつつ、そこからシャッフル調のビートへと移行したりとその忙しない変化も相まって、奇想天外ながらもアーティストの個性が強く感じられる点が面白い。3曲だけとは言えども、ぞれぞれ個性的なリミックスで充実した内容だ。ちなみにレコードのラベルや配信のページでは、WassermannとTeebsの表記が反対になって間違っているので要注意。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mirror System - N-Port (A-Wave:AAWCD018)
Mirror System - N-Port
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ダンスとアンビエント、元は同じ楽曲を異なる視点から再構築した『Point 3』のコンセプトを、それから21年後の現在で再現する…その結果として完成したダンス寄りの作品がSystem 7名義の『X-Port』(過去レビュー)であり、そしてその残りのもう一つがMirror System名義の本作である『N-Port』だ。とは言いながらも『Point 3』ではかなりの部分でダンス/アンビエントの2バージョンが制作されていたものの、この新作では2曲程しかそのような試みはされていないので、『X-Port 』と『N-Port 』ではジャンルだけではなく元の曲からしても基本的には別物と考えるべきだろう。その中で別バージョンが制作された"The Colour of Love (N-Port Version)"や"Chic Psychedelic (N-Port Version)"は、X-Port Versionの怒涛の勢いを発するビートに比べると随分と緩みながらもしなやかで、逆にイマジネーティブなシンセのメロディーが強調される結果になっている。アンビエントと言うよりはバレアリックな多幸感が強く、ギターのリフレインも綺麗に遠くへと広がるような開放感へと繋がり、屋外に合いそうなリスニング・バージョンへと上手く生まれ変わっているのだ。これら以外の曲は『N-Port 』にしか収録されていない曲だが、"Warn the West"では『X-Port 』にも参加していたThe OrbのAlex Patersonが制作に参加しており、The Orbらしいダブなリズム/音響とそこに切り込む噎び泣くようなギターの咆哮によるトリップ感は切なくも快楽的だ。"Far Journeys"は水平方向にゆったりと進むような4つ打ちがプログレッシヴ・ハウス風だがやはり緊張感よりも開放感が打ち出され、重力から解放されたシンセやギターの伝播は青々しい空を突き抜けて何処までも広がるようだ。宗教的な力にも惹かれるSystem 7らしくヒンズー教の儀式からインスパイアされた"Batu Bolong"は何やら妖しい呪術的なダウン・テンポだが、それをJam & Spoonがリミックスした"Batu Bolong (Jam's Retouch)"は派手な装飾は取り除かれながらディープかつアンビエントな味付けが施され、原曲以上に瞑想的になっている。『X-Port』がやや中毒的なサイケデリック・トランス色が強かったのに対し、本作は全体的に晴々しいバレアリックな雰囲気に満たされており、そのかもめの鳴き声のような奇妙なギターサウンドや美しく神々しいシンセサウンドは本作でこそ映えるようだ。純然たるアンビエントではないがリラックスして陶酔したいリスニング系の作品として、System 7のトリップ感が発揮されたアルバムだ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - X-Port (A-Wave:AAWCD019)
System 7 - X-Port
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オリジナルアルバムに対してダブ・バージョンやアンビエント・バージョンを制作する事は今となっては然程珍しくもないが、System 7が1994年に『Point 3』をリリースした当初は、そういったプロジェクトはまだ殆ど行われていなかった。『Point 3』はダンス寄りの「Fire Album」とアンビエント寄りの「Water Album」の2枚として制作され、元は同じ曲が異なる魅力を放つ作品として興味を惹く内容であったが、それから21年が経過してSystem 7は再度同じ試みに挑戦した。Point 3 × System 7 = 21年…つまり1994年のあの時から21年が経ったから、二人の音楽活動の軌跡を祝うメモリアル的な意味合いも込めているそうだ。System 7名義の本作は勿論ダンス・ミュージック寄りのアルバムだが、そんな背景も知ってから聴いてみると確かに20年前のプログレッシヴ・ハウスやトランスなどのジャンルを巻き込みながら、音自体もほんの少し90年代を思わせるような安っぽいケバさが感じられなくもない。少なくとも4年前の前作『Up』(過去レビュー)でミニマル化しDJ寄りになった作風とは異なり、ある意味ではこれぞSystem 7とも呼べる猥雑感とライブのノリを重視した方向性へと回帰している。アルバムはフニャフニャとしたスペーシーなシンセがこれからの壮大な旅を予感させるイントロの"Hinotori Call Sign"で幕を開けると、ダンス・バージョンとして構築された"Chic Psychedelic (X-Port Version)"でフルスロットルで一気に加速する。骨太でエナジー溢れる4つ打ちと快楽的なシンセのリフ、そこに控え目にSteve Hillage特有の不思議なギターが効果音的に挿入され、トリップ感満載で突き抜けるこの曲は正にSystem 7らしい。そしてSystem 7と言えば何といっても他アーティストとのコラボも醍醐味の一つで、本作では活動当初から関係のあるThe OrbのAlex Patersonが”The Queen”や"Angelico Presto"に参加し、重苦しくはないがダブの効果を活かした空間の広がりを打ち出したり、以前に共同でアルバムを作り上げたRovoの曲をトランス感に染め上げた"Batis (System 7 Remix)"で再構築したりと、何でも使える要素はどんどん取り込んでいく雑食性の高さは愉快でもある。その他にも清々しく壮大なシンセの明るい基調がプログレッシヴ・ハウス風の"Love for the Phoenix (X-Port Version)"や、毒々しく攻撃的なシンセベースと覚醒感溢れるギターが咆哮するサイケデリック・トランスな"Opal Flash"など、作風は何でもありだった90年代を思わせるようだ。個人的な好みとしてはテクノ色の強いSystem 7の方に愛着があるが、しかし本作のような雑多な要素を持っているのがSystem 7なのだから、これこそが彼らしいのだろう。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD (Kompakt:KOMPAKT CD 124)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD
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テクノやハウスにダブやアンビエント、ヒップ・ホップやレゲエまで様々な音楽性を溶け込ませ、独自の亜空間を作り出すAlex PatersonことThe Orbにとってはアルバム毎にその音楽性が変化するのは当然の流れだが、やはりThe OrbとKompaktの絡みこそ最もテクノ色が強くなりベストな相性だと思う。そして近年はLee 'Scratch' PerryやDavid Gilmourとのコラボにサントラ作品等企画的なアルバムが多かったが、純然たるThe Orb名義では『Baghdad Batteries』(過去レビュー)より6年ぶりとなるアルバムが完成した。本作ではPatersonのベストな相棒でもあるThomas Fehlmann(Kompakt関連のアーティストである)が制作に参加し、リリース元もKompaktからなのだから、彼等の作品の中でもクールでインテリジェンスな方向性が打ち出されているのが特徴だ。しかし本作が完成するまでの道のりは長く、元々は2009年頃にロンドンにあるオペラ・ハウスに提供する曲を作っていたがそれが中止になり、そのベースとなった曲からオペラ的な要素を排除しながら紆余曲折の末に完成したのが本作だそうだ。元々がオペラ向けな曲だった事が影響しているのかは断言出来ないが、かつてのThe Orbのスタイルでもあった大作志向が復活し、収録された4曲それぞれが9〜14分と長尺の構成となっている事は嬉しい限り。彼等の発言によればクラシック音楽のように曲の中で変化と発展を設けたかった意図があるそうで、多様な音楽性とサンプリングを持ち込むThe Orbにとっては、今回の長尺な方向性こそ彼等の音楽性が活きるのは当然の理だろう。スポークン・ワードが入りアンビエントな雰囲気から始まる"God’s Mirrorball"は、徐々に荘厳なシンセや可愛らしいサウンドにダビーな音響が被さり、Patersonお得意の環境音サンプリングを持ち込んでからのミニマル・ダブのようなねっとりドープなリズムが入ってくれば、The Orb流のダンス・トラックへと変容する。後半に入ってからはリズムも入れ替わり、確かに一つの曲の中で大きなストーリーが語られているようだ。よりミニマル・ダブ的な残響が快楽的な"Moon Scapes 2703 BC"もどんどんと展開を繰り返す構成だが、繊細な電子音の粒子が無重力空間に散らばるように配置され、大胆で躍動的なビート感と繊細な電子音が高濃度に融解する。アルバムの中で最もサイケデリックな音響を放つ"Lunar Caves"は、スペーシーなSEやサンプリングも多く導入され得体の知れない何かが闇の中で蠢いているような壮大なアンビエントで、初期の作品を思い起こさせるようなユーモアとドープさが混在している。アルバムの最後の"Moonbuilding 2703 AD"ではレゲエ色の強いねっとりしたブレイク・ビーツを披露するが、何度もリズムは変化をするもそのパーツ自体は非常にミニマル的で、終始宇宙の中をのんびりと散歩をするような心地良いグルーヴ感で進んでいく。またやはりFehlmannの手腕は繊細な電子音や音響として明らかに影響を及ぼしており、PatersonのいたずらなユーモアとFehlmannの知的な成分が組み合わさった本作は、The Orbとしてのバランス感が最も良い瞬間であろう。蒸し暑い夏をクールに過ごしたいのであれば…本作は欠かせない一枚だ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory (Cooking Vinyl:COOKCD587)
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory
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アンビエント・テクノを代表するThe Orbとレゲエ界の至宝であるLee Scratch Perryがコラボレートした"The Orbserver In The Star House"(過去レビュー)はThe Orbのレゲエへの偏愛を再度明らかにした興味深い作品であったが、恐らくそのアルバムからのアウトテイクを集めたであろうアルバムが本作だ。6曲の新曲にそれらのダブ(インスト)バージョンを収録したアルバムなのでボリューム的には物足りないところもあるが、前作に引き続きマスタリングにはPoleことStefan Betkeも参加していたりと質的な面での低下は見受けられない。多少の変化と言えば前作が比較的レゲエ色を盛り込んでいたのに対し、本作ではいわゆるテクノらしいダブの残響音がより強く感じられる。Perryによる浮ついた酩酊感のあるトースティングが曲全体を湿度の高いレゲエ色へと染め上げてはいるが、しかしダブバージョンの方を聴いてみるとBasic ChannelやPoleの深い残響と揺らぎを伴うミニマルダブにも感じられ、やはりこのコラボレートではPerryの歌がレゲエたらしめる肝になっていたのだ。テクノをより好む筆者としてはダブバージョンの方が自然に聞こえ、例えば数年前にKompaktからリリースした"Okie Dokie It's the Orb on Kompakt"のサイケデリックな狂気とクールな知性が融合した感覚にも被り、アウトテイクとは言えども歴代の作品に見劣りしない高い完成度を誇っている。そこら辺はAlex Patersonの右腕であるThomas Fehlmannが制作に参加している影響もあるのだろうし、この二人がユニットを組んでいる限りはThe Orbは安泰と言えよう。日本盤にはRicardo Villalobosによるリミックスも収録。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2012/10/20 THE ORB JAPAN TOUR 2012 @ eleven
先日Lee 'Scratch' Perryとコラボレートしテクノとレゲエ/ダブを高純度で融合させたアルバムをリリースしたThe Orb。アルバムリリースパーティーとしてAlex Patersonと共に、長年の彼の右腕とも言えるThomas Fehlmannを引き連れての来日となり、更にはライブのみならず各人がDJも行う貴重な一夜に遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee 'Scratch' Perry - The Orbserver In The Star House (Cooking Vinyl:COOKCD555)
The Orb Featuring Lee 'Scratch' Perry - The Orbserver In The Star House
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アンビエント・ハウス/テクノの先駆者であるAlex PatersonことThe Orbが新作で手を組んだのは、なんとルーツ・レゲエの巨匠であるLee 'Scratch' Perry。それだけではない、本作ではAlexの右腕とも言えるThomas Fehlmannがプロデュース&作曲で参加し、ミキシングをTobias Freundが、マスタリングをPoleことStefan Betkeが手掛け、その上Alexの盟友であるYouthがベースで参加している。しかし今更Perryと手を組むのは驚きでもあったが、よくよく考えればAlexがThe Orbの活動当初からレゲエ/ダブへの偏愛を示していたのは事実であるし、新たなる試みとしてアルバム全編に歌をフィーチャーするのであればPerryであると言うのも納得させられる。Perryの歌なのか呟きなのかも曖昧な啓示はThe Orbのトラックをアンビエントから乖離させ、生き生きとした人間臭さを発しながらレゲエ/ダブの底無し沼に引きずり込んでいくが、Thomasらが参加している影響も強く出ていて音の研ぎ澄まされ方は彼が参加していないアルバムに比べると段違いだ。レゲエ/ダブの粘着性や野性味溢れる土臭さもあるのだが、一方では単なるルーツに回帰するのではなくモダンなテクノに基いて未来へと向かう意志の感じられる意欲的な作品でもある。彼らのデビュー・アルバムはアンビエントとダブを奇跡的なバランスで融合させたアルバムではあったが、ここでは奇想天外なサンプリングや過激なダブ処理は抑制され、酔ったような歌をフィーチャし適度な尺の曲に仕上げた洗練されたテクノとなっている。AlexもThomasも随分と長く音楽に身を捧げているからだろう、レゲエとテクノをこんなにも格好良く纏められるアーティストはそう多くはない。確かにThe Orbとしか表現の出来ないアルバムとなっていたのだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Screen - We Are Screen (Malicious Damage Records:MD705)
Screen - We Are Screen
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"We Are Screen"と高らかに宣言されても誰なんだと突っ込みたくなるでしょうが、実はThe OrbのAlex PatersonとChester TaylorとGaudiと言うアーティストが手を組んだ中年オヤジの新ユニットです。The Orbでも作品毎に外部からアーティストを招き入れ常に変化を繰り返してきましたが、本作はなんとダブ/レゲエに焦点を当てたエレクトロニックミュージックを展開するプロジェクトだそうで。しかし考えてみると元々Patersonはダブやレゲエを好んで聴いていたレイヴカルチャー世代を代表する人間であり、雑食性のある音楽は彼にとって求道的な事なのです。寧ろ本作を聴けば直ぐに分かるでしょうが、ここ数年のThe Orbの作品の中では初期のダブ/レゲエ色が強かった頃のThe Orbに最も近い作風であり、その意味では懐かしさすら感じられるダブテクノです。まああの頃の様なエクスタシーから生まれるこの世のものとは思えない美しき音響の世界は既に忘却の彼方に消えているが、しかし大衆を嘲笑う悪意にも似たユーモアから生まれるトリッピーなサンプリングやSEはぶっ飛んでおり、しかし何故か地に落ちゆく重く粘るボトムに引きずられてレゲエの沼へとようこそです。中には重力から解き放たれたアンビエントもあったりしますが、基本的にはぶっといキックで夢から醒めさせられるようにあくまでリアリティー重視ですね。う〜ん、しかしこれはどう聴いてもThe Orbだよね、中年不良オヤジの悪っぽいノリが本当にカッコいいです。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - C Batter C (Malicious Damage:MD704)
The Orb - C Batter C
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2010年にPink FloydのDavid Gilmourとコラボレートした企画盤に続き、今度はアート・フィルム作品"Battersea Bunches"にサントラとしてThe Orbが曲を提供した。流動的に活動するThe Orbだが今回はAlex PatersonにThomas Fehlmannも参加し、最高の相性を誇るユニットでの新作だ。と言っても新曲は17分のフィルムに合わせた17分の1曲のみで、他7曲は全てそのリミックスと言う企画盤である。気持ち物足りなさはあるがオリジナルトラックに関して言えば(David Gilmourとコラボレートを除けば)久しぶりの長尺な曲であり、フィールドレコーディング風の雑踏な音や声のサンプリングを駆使したかつてのThe Orbらしいユーモアと倒錯に満ちたアンビエントを奏でている。全く以って普通のダンスミュージックからは乖離しており、かつての奇想天外なアンビエンスが戻ってきているようにも感じられる。さてフィルムが収められた映像の方はと言うとこちらはAlexの叔父が録り貯めていた映像を基に編集された物だそうで、ノイズ混じりの古い映像がフラッシュバックを引き起こすかのように断片的に纏められている。映像を眺めると本作の意図、記憶を呼び覚ます音楽の旅である事が明確になり、映像と音によるタイム・スリップを引き起こすであろう。リミックスはと言うとThomas Fehlmannは分かるのだが、Gaudi、David Harrow、Nocturnal Sunshineと言った自分には馴染みの無い面子が並んでいる。どれも比較的オリジナルの旋律やダブな空間処理を残しつつ、勢いのあるダブステップや浮遊感のあるダウンテンポ、乾いたレゲエ風から幻想的なディープハウスまで展開を広げなかなか良いリミックスが揃っているので、名前を知らなくとも十分に楽しめるはずだ。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Orb and Youth presents Impossible Oddities (Year Zero:YZLTD006)
The Orb and Youth presents Impossible Oddities
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90年前後のUKはロックもテクノも、いやロックとテクノが歩み寄り至福の黄金時代を迎えていた様に思う。リアルタイムで聴いていた訳でもないのでその盛り上がりを感じた事はないけれど、兎に角何だか分からない何かが動き始めていたに違いない。そんな時代の中でThe OrbのAlex PatersonとKilling JokeのYouthが設立したWAU / Mr. Modo Recordsも、その時代を象徴する様なアシッドハウスやブレイクビーツ、テクノ、UKハウスをリリースしていたそうな。そうな…と言うのは大半がアナログな上に当時余り売れなかったそうでどうにもこうにも耳にする機会が無いからです。結局は後に再評価され今に至る訳ですが、そんな手の入りにくかった作品がリリースから20年を経て2枚組のCDにコンパイルされました。音自体は流石に旧時代と言うか古臭く良くも悪くもチージーなんですが、アーカイブとしての価値は勿論あり自分の様な人間にはその時代を感じられる事に意義を感じます。90年前後の享楽へと突き進むレイヴサウンドの様に特定のジャンルには依存せずに踊らす事の出来る快楽的な音は、確かにAlex PatersonやYouthの音楽性その物であり、狂乱じみた馬鹿げたノリを体感出来る事でしょう。またコンパイルCD2枚組とは別にAlex Patersonがミックスをした3枚目のCDがあり、それが一番享楽的な時代の雰囲気を感じ取る事が出来ます。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Orb featuring David Gilmour - Metallic Spheres (Columbia:88697 79645 2)
The Orb featuring David Gilmour - Metallic Spheres
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The Orbと言えばテクノ、アンビエントと言うジャンルで括られておりますが、中心にいるAlex Patersonの影響か初期の頃のアートワークや音自体にはプログレッシヴロックの影響が出ていたのは周知の事実。また数年前にはPink FloydのセッションメンバーのGut PrattらともTransit Kingsと言うユニットも組んでいました。そして新作はPink Floydのギタリスト・David Gilmourを呼び込んでの、正にアンビエントと言うべき壮大なアルバム。近年は曲の尺も短くなりアンビエントらしい壮大な構成は聴けなくなっておりましたが、ここではThe Orb初期の馬鹿げた様に長尺な構成とドロドロのトリップ感が復活している模様。一応2曲で50分構成ですが、1曲の中に幾つかのセッションがあり景色が移り変わる様に展開が広がっています。そして何よりもDavid Gilmourの空間を彷徨い浮遊するギターが前面で主張していて、この存在だけで本作をテクノと言うよりはプログレッシヴ臭くしてしまっているのです。バックにはAlex Patersonお得意のトリッピーなSEやダビーなリズムトラックが入っており、最近のThe Orbと比べると時代錯誤な古臭い音ではあるけれど往年のファンには懐かしく感じられるのではないでしょうか。その点では部屋の中で聴き流すのに丁度良いアンビエントなBGMでもあります。デラックス盤には3D60と言う立体音響で録音されたCDも付きます。ヘッドフォンで聴くと音に左右だけなく前後の奥行きも感じられる印象。

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| TECHNO8 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Thomas Fehlmann - Gute Luft (Kompakt:KOMPAKT CD 81)
Thomas Fehlmann - Gute Luft
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Alex Paterson率いるThe Orbの右腕だか左腕だか知らないが、とにかくこの人が参加してるかしてないかでThe Orbのサウンドもかなり変わってくる位の影響力があるThomas Fehlmannのソロ最新作。ベルリン市民の24時間と言うドキュメンタリー番組のサントラと言う位置付けらしいですが、そんなコンセプトには全く関係無くいつものフェルマン節全開なダブアンビエントサウンドが満載。揺らめく重いダビーな音響空間が終始続くアンビエントワールドでありながら、各曲はコンパクトにまとめられ、そして不鮮明なノイズ混じりの霧靄から浮かび上がるポップなメロディーがあるおかげか、不思議と重苦しいだけでなく温かみのある優しさも感じられます。そしていつも思うのは、この人の発する音の美しさはまるでキラキラと煌くガラスの破片の美しさと似たような感覚があり、その洗練された耽美な音色にうっとりする程の陶酔感を感じてしまうのです。もう余りの気持ち良さに身も心も融解してしまうんじゃないか、そう思う位の圧倒的な音の粒子の煌き。The Orbの美的音響を担当しているのは、間違いなくThomas Fehlmannでしょう。ちなみに聴いた限りでは幾つかの曲はThe Orbやフェルマン自身の過去作品から、リメイクと言うか同じネタを借用しているみたいです。

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| TECHNO7 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/11/22 LIQUIDROOM and root & branch presents THE ORB @ Liquidroom
一年ぶりのThe Orb来日。去年はLe Petit Orb名義だったけど、結局The Orb名義のライブでもAlex Paterson+ Thomas Fehlmannのセットなんで、一体何が違うんだと突っ込みたい。

The OrbのライブまでThomas FehlmannのDJはすっ飛ばして、LiquidloftのラウンジでDJ YogurtのDJを聴いて楽しんでいました。昨日はLoftまでは何と無料開放と言う太っ腹で、そのせいかはどうか分からないけれどオープニングのDJ Yogurtの時から結構客が入っていて、彼のプレイにも熱が入っておりました。アンビエント、ダウンテンポ、ダビー系、ディスコ物?、ディープハウスと徐々に変容をしていたけれど、これがめっちゃトロトロかつメロウで気持ち良かったぁ〜。今までは彼のアンビエントな音をそれ程聴けていなかったけど、昨日のプレイはSecond Summer Of Loveの天にも昇る心地良さが吹き荒れていて、やはりThe Orbの来日に合わせたのかなと感じさせる音でした。途中で愛の夏のウルトラアンセム"Can You Feel It (Spoken Word : Dr. Martin Luther King Jr.)"とか回したりして、もう泣けてしまう。僕には夢はありませんが、クラブに夢はあると思います。
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| EVENT REPORT2 | 14:45 | comments(4) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2009/10/31 (SAT)
GRASSROOTS 12th ANNIVERSARY DAY 2 @ Grassroots
DJ : Altz, DJ Nobu, Keihin

2009/10/31 (SAT)
De La FANTASIA 2009 -Vol.ZERO- FANTASIA Night @ Liquidroom
Live : Lindstrom, Nikakoi aka Erast, AOKI takamasa, d.v.d
DJ : TOWA TEI, EYE, MOODMAN

2009/11/02 (MON)
Body & Soul 2009 @ ageHa
DJ : Francois K., Joaquin "Joe" Claussell, Danny Krivit
Live : JOI

2009/11/07 (SAT)
AIR & Primitive Inc. present DERRICK L. CARTER @ Air
DJ : Derrick L. Carter, Remi, Mako

2009/11/13 (FRI)
THE OATH @ Oath
DJ : Masanori Ikeda, DJ Yogurt

2009/11/14,15 (SAT-SUN)
音泉温楽vol.1 @ 渋温泉
ACT : DE DE MOUSE(アンビエント・セット), ASA-CHANG & 巡礼, 七尾旅人
渚ようこ, metalmouse(アンビエント・セット), SNOW EFFECT, コーヒーカラー
Double Famous DJ Team(坂口修一郎 / 高木次郎, サワサキヨシヒロ a.k.a Naturally Gushing Orchestra

2009/11/14 (SAT)
CLASH49 @ ageHa
DJ : Derrick May, Ken Ishii, Takkyu Ishino

2009/11/22 (SUN)
LIQUIDROOM and root & branch presents THE ORB @ Liquidroom
Live : The Orb
DJ : Alex Paterson, Thomas Fehlmann
Liquidloft : DJ Yogurt, Univesal Indiann, DJ Wada

31日はリキッドルームでもFANTASIA Nightがあるけど、Grassrootsのアニバーサリーも気になる。後者の方が断然安くて酒はいっぱい飲めるしな…、酒いっぱい飲みたいねん。7日のデリックカーターは絶対行くしかねーだろ、ゴリゴリワイルドシカゴハウス。14日の音泉温楽行きたいけど、予算的に厳しいかな。無理ならデリック+ケニシのデトロイトへの旅へ。22日のジ・オーブは絶対行く、ウルトラワールドを体感せよ。
| UPCOMING EVENT | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Orbsessions Vol.3 Baghdad Batteries (Malicious Damage Records:MD645)
The Orb-Orbsessions Vol.3 Baghdad Batteries
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前作から2年、Alex Paterson率いるThe Orbの最新作が到着。既に活動暦20年にもなるのにコンスタントに作品を届けてくれるのですが、新作は盟友・Thomas Fehlmannとの共作と言うだけあって実に質が高い。と言うよりも大傑作であった前々作・"Okie Dokie…"(過去レビュー)の続編と言っても差し支えないだろう。The OrbはAlex主導のユニットである事は間違いないが、そこに色んなゲストが加わる事で常に音楽性を変化させてきた。そしてFehlmannが参加した時の音に共通しているのは、知的でクールなテクノ一直線な事であろう。勿論この新作には、テクノ、レゲエ、ダブ、アンビエント、ポップ、様々な要素が詰まっている。しかしそれらの要素がFehlmannの前では理路整然と解体・再構築され、The Orbとしか表現出来ないウルトラワールドを創り上げているのだ。これは自分の予想だけど多分音作りはFehlmann主導で、後はAlexがミックスなり横から口を出したりしているではないかと思う。美しい粒子系上物ダブサウンドはどうしたってFehlmannの物としか思えないんだよね。レゲエとかのねちっこいリズムや奇妙なエフェクトは、やはりAlexの趣味なんじゃないかと予想。しかしこんなベテラン達がこんなにもエネルギーに満ちた新鮮なテクノを作るというのは、やはり天才だわ。

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| TECHNO7 | 09:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
The Orb - The BBC Sessions 1989-2001 (Universal Island Records:5311516)
The Orb-The BBC Sessions 1989-2001
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マスゴミに圧力かけて北野誠を追放したと思われるSK学会はまじで基地外。朝鮮と一緒にどっかの孤島に隔離すべき。つかね、マスゴミも学会なんかに屈してどーすんのよ。そんなんじゃもう誰もTV見なくなるわな。俺は何年も前からNHKを除いて、アニメ以外は殆ど見てないけどな。

発売は去年で購入していたものの、棚の奥底に眠っていたThe OrbのBBC Sessionsのライブ盤。放置していてごめんなさい。でもThe Orbのライブは、精神がどこかにぶっ飛んでしまうくらい凄いよ。アルバムよりもライブにこそ彼らの真骨頂が感じられるのは、やはり大ネタ使いのサンプリングが聴けたり、色んな音がよりごった煮状態になっているから。89〜01年までの12年間の彼らの軌跡が、この2枚組みの中にその場その時の空気まで一緒に閉じ込められています。一言で言うとドラッグでぶっ飛びすぎたウルトラアンビエントワールド。阿鼻叫喚と恍惚の間を右往左往し、天上から地獄までを巡る亜空間ハイパーダブ。ドロドロの快楽の沼に落とし込まれる"Little Fluffy Clouds"、ドラッグ決めまくりなオーブ流トランス"Assassin"、レゲエとヒップホップをダンサンブルに仕立て上げた"Perpetual Dawn"、かと思えば涅槃の境地に辿り着いた神々しい世界が垣間見える"Towers Of Dub"や"O.O.B.E."もある。そして何より彼らの代表曲"A Huge Ever Growing"こと通称"Loving You"だ。20分にも渡る夢と現実の狭間の音の洪水。ピンクフロイドやミニー・リパートンの曲、ボイスサンプルや飛行機のSEなどをふんだんに散りばめた絶対無敵のアンビエント。まさか誰がこんな壮大で非現実的な曲を、Alex Paterson以外で思いつけるって言うの?これがデビュー盤だって言うんだから、驚愕としか言えまい。もしまだThe Orbのライブを体験した事がない人は、是非ともこのライブ盤を聴いて彼らのライブに足を運んで欲しいと思います。そこにはきっと四次元空間が待っているに違いない。

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| TECHNO6 | 06:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2008/12/12 root & branch presents UBIK @ Unit
年末はパーティーいっぱい、夢いっぱい、Le Petit OrbとMoodymann+Moodmanが被ってこれは悩ましい。結局Moodymannは去年行ったから今年はオーブで。クラブ行く前にみんな集合して飲み屋で飲んでいたんだけど、なんだかお洒落なダイニングだったので気分はそわそわ。男だけで飲む時は赤提灯みたいな所だし、一人で飲む時はバーで黙々と飲んでいるので、慣れない所だと緊張します。S田さん、僕の分を含め奢って頂きありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

24時開演だったのでそれに合わせて入りましたが、今回は激混みでもなく丁度良い客の入りで良いムード。最初はThomas FehlmannのDJタイム、ねちっこく濃厚に、重くダビーに効いてくるKomapktスタイルな印象。硬派、ストイックでいかにもテクノ的な音なんだけど、どこか妖艶さと知的さを含んだプレイは親父の枯れた味わいですね。なんとOctave Oneの"Blackwater"も回したりして驚きましたが、彼が回すとデトロイトっぽいと言うよりはねちっこくなるので不思議。去年のライブも盛り上がっていたけれど、DJも良いなんて憧れます。途中フロアでぶらぶらしていたら目の前にAlex Patersonが?!

自分:「ア、アレックスですよね?(英語で)」
アレックス:「Ye〜〜〜s(みたいな)」
自分:「オーブ、超大好きっす!!(英語で)」
アレックス:「サンキュー(みたいな)」

とそんなオーブ馬鹿になって少しだけ何か話しました。アレックスも色々言ってたんだけど、自分も酔ってたし難しい英語までは理解出来ないから、良く分からんかったわ。やっぱり英語はしっかり勉強しないとね。そういやアレックスが居たから近くに居た女の子にアレックスが目の前にいるよ〜っと教えてあげたら、「誰それ?」みたいな反応でオレが白い目で見られましたよ。ちょっと寂しい…(まあ大概の女の子はそれが普通なんだろうけど)

その後はAlexとFehlmannが合体してLe Petit Orbのライブが開始。ちょっと酒飲み過ぎて音の記憶が断片的にしか無いので、説明が出来ん。ダンサンブルでぶっ飛んだ亜空間テクノって言っておけば間違いなさそうだけど。最後のAlexのDJもそんなに記憶が無いのだけど、色々回していたような??自分はグダグダだったんでレポートも適当、最近ダメだね…。取り敢えず一晩中踊れる楽しいパーティーだったとは思いますよ。60近いおっさん達なのにほんとエネルギッシュで素敵。

■The Orb - Okie Dokie It's the Orb on Kompakt(過去レビュー)
The Orb-Okie Dokie Its the Orb on Kompakt
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■Thomas Fehlmann - Honigpumpe(過去レビュー)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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| EVENT REPORT1 | 08:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/11/08 (SAT)
Escape @ Air
DJ : Âme -Open - Last 7 Hours Long DJ Set-

2008/11/14 (FRI)
root & branch presents UBIK @ Unit
DJ : Moritz von Oswald, Tohru Takahashi, DJ NOBU

2008/11/15 (SAT)
X-Party @ Womb
DJ : Ken Ishii
Live : Technasia Solo Live By Charles Siegling, A-Inc A.K.A. Akira Ishihara

2008/11/22 (SAT)
PHUNK!!! Regis Japan Tour @ Colors Studio
DJ : Regis, Rok Da House, N.A.M.I.

2008/12/05 (FRI)
groundrhythm -7th Anniversary- @ Air
DJ : Kaoru Inoue -7 Hours Long DJ Set-

2008/12/12 (FRI)
root & branch presents UBIK @ Unit
Live : Le Petit Orb
DJ : Alex Paterson, Thomas Fehlmann

2008/12/12 (FRI)
MOODYMANN “DET.RIOT 1967” JAPAN TOUR 2008 @ Liquidroom
DJ : Moodymann, Moodman

2008/12/13 (SAT)
Spirit Catcher Japan Tour @ Air
DJ : Spirit Catcher

取り敢えず幾つか行きたいパーティー。モウリッツはライブに続きDJでも来日ですか、今度も激混みが予想されますね。ムーディマンとルペティオーブは同日か、両方行きたいのに。後は暇があればちょこちょこと小さなパーティーに行ければ良いかな。

追記
Moritz von Oswaldは急病で来日中止だって(泣)
| UPCOMING EVENT | 22:00 | comments(7) | trackbacks(0) | |
The Orb - Orbvs Terrarvm [Original Recording Remastered] (Universal Island Records:530 674 2)
The Orb-Orbvs Terrarvm
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二年位前からAlex PatersonことThe Orbのアルバムがデラックスエディション化されリイシューされているのですが、オリジナルアルバムを持ってなかった人達はこの機会に購入されると良いと思います。何と言っても未発表曲等が収録されたボーナスディスク付きなのですから。自分もこの機会に4枚目のオリジナルアルバム"Orbvs Terrarvm"を買い直しました。と言うのも以前所持してたんすけど、つまらなく感じて一度売っ払ってしまっていたのです…。Alex Paterson様、すいませんでした。なんせこのアルバムはパターソンの一番のお気に入りでもあるらしく、聴き直したら意外にも良かったですわ。The Orbと言えばアンビエントテクノながらも、ダブやレゲエ、ヒップホップの要素も取り込んだ作風が特徴なのですが、本作は意外とギャグも悪意に満ちたユーモアも振りかざす事なくアンビエントに忠実で、ノンビート又はビートの弱い曲が多くThe Orbの中では落ち着いた楽曲が多いと思います。その分音色の美しさが強調されていて、360度の方向から七色の光線が降り注ぐような色彩に包まれて、音の洪水に意識も飛ばされてしまいそうです。毒気や中毒性は無くとも快適性・快楽性に関してはThe Orb史上最大級かもしれないですね。とそんな調子でボーナスディスクを聴いてみると、こちらの方は普段のThe Orbらしく天と地を行きかう様なハイパーダブが披露されていて、相変わらずのぶっ飛び加減。ぐっちゃぐちゃの壊れ気味でダビーなリズムトラックは、やはりレゲエやダブの影響を感じさせますね。どう考えても葉っぱ喰ってんだろと突っ込みたくなります。

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| TECHNO6 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Orb - Back To Mine (DMC Publishing:BACKCD12)
The Orb-Back To Mine
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クラブで踊り狂って聴くだけがテクノではなく、家の中でまったり寛ぎながら聴く事が出来るテクノ。電子の音を心落ち着かせ静かに聴いてみるのも乙だと思います。この"Back To Mine"シリーズはパーティーの後、家に帰り喧騒の後の余韻を楽しむ為の音楽、みたいなコンセプトのMIXCDなのですが、ここで注目すべきはThe OrbのAlex Patersonが手掛ける本作。ネットで色々読んだ話だと実際のDJではテクノに限らず何でも回すぶっ飛んだプレイらしいですが、本作では良い意味でリラックスしたムードにまとめていて彼の普段のアンビエントな雰囲気が好きな人にはすんなり受け入れやすい内容となっております。冒頭ではAphex Twin、Charles Webster、Juno Reactor、B12などのテクノ、トランスで一見普通なのですが、その後突如ヒップホップやフォーキーな曲が入ってきます。ですが、特に違和感も無いのは全体的に牧歌的なムード漂う曲を選曲しているからでしょうか。その後もノンビートなアンビエントやエレクトロニカっぽいものまで無秩序に投入されますが、ジャンルはばらばらなれど何にも違和感が無いのは不思議。まあMIXCDと言っても大した繋ぎをしている訳でもないのである意味ただのコンピなのですが、選曲センスがやはり良いんですよ。このCDを聴いている間だけは時間がゆっくり進んでいるかの様な感覚に陥り、確かにパーティー後の安らぎの空間を的確に表現しているんじゃないでしょうか。しかしこういうのを聴いていると、クラブでのチルアウトルームに行きたくもなってしまいますが。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/01/25 (FRI)
Taicoclub Presents So Very Show! @ WOMB
LIVE : Sleeparchive, Kuniyuki Takahashi
DJ : Fumiya Tanaka, Foog

2008/01/25 (FRI)
SQ presents FINE : Frogman “Cold Sleep” Party @ UNIT
SPECIAL LIVE SET : Quadra (a.k.a. Hiroshi Watanabe / Kaito), Hitoshi Ohishi
DJ : Kagami, Taichi Master, Toby

SALOON (B3F)
DJ : C.T. Scan (a.k.a. CMJK), Hirofumi Goto (a.k.a. Rondenion), Susumu Yokota, KEN=GO→
SPECIAL LIVE SET : Hulot, Jun Yamabe (a.k.a. Mexico), Riow Arai

2008/01/26 (SAT)
FACE presents ANDRE COLLINS JAPAN TOUR 2008 @ YELLOW
DJ : Andre Collins, Ryo Watanabe

2008/02/02 (FRI)
LUKE SOLOMON "The Difference Engine" Release Tour @ YELLOW
DJ : Luke Solomon, Remi

2008/02/07 (THU)
SPiN30 : ElecTek @ YELLOW
Guest DJ : Rennie Foster
DJ : DJ Khadji, Shigeru Tanabu

2008/02/08 (FRI)
Orbdjsessions feat. Alex Paterson & Thomas Fehlmann @ UNIT
DJ : Alex Paterson & Thomas Fehlmann

2008/02/08 (FRI)
King Street Sounds presents Kerri Chandler Japan Tour @ YELLOW
DJ : Kerri Chandler

2008/02/10 (SUN)
Deep Space @ YELLOW
DJ : Francois K.
LIVE : Henrik Schwarz, Kuniyuki Takahashi
| UPCOMING EVENT | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Art of Chill 4 Mixed By The Orb (Platipus:PLATCD160)
>The Art of Chill 4 Mixed By The Orb
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アンビエントMIXシリーズである"The Art of Chill"の最新作は、アンビエントのマスター・The Orbが原点を見つめ直しそして現在をまとめた彼の自伝的な作品です。ライナーノーツを読む限りだと89年にAlex PatersonがPaul Oakenfoldに"Land Of Oz"のチルアウトルームでプレイする様に頼まれて、踊って熱くなったクラバーの体の火照りを冷ます為に新旧構わずチルアウトトラックを回していたそうな。その時のクラシックを中心としたのが一枚目、そして近年のアンビエントを中心としたのが二枚目と時代を隔てた構成になっています。一枚目はやはり古めの曲が多いせいかテクノと言うよりはポストロックやダブなども収録され、アコースティックな音が強調されております。チルアウトと言うよりは神秘的で神々しいオーラが出ていて、古き良き音楽に対し敬服したくなる、そんな真摯な内容ですね。対称的に二枚目は近年の音かつKompaktメンバーが揃っていて、これはテクノ好きな人ならばみんなハマル内容でしょう。大半がノンビートもしくは緩めのビートで、トロトロとただ甘くメランコリーで、電子の音だからこそ成せる幻想的な音を聴かせてくれます。アンビエントであり一時のチルアウトを体感出来る極上の内容です。いやー、最近出たニューアルバムより遙かに快楽度が高くうっとりしてしまいました。

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| TECHNO5 | 17:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - The Dream (Traffic Inc.:TRCP-14)
The Orb-The Dream
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傑作と謳われる前作「Okie Dokie…」(過去レビュー)ではThomas Fehlmannと手を組みThe Orbの新たなる面を見せつけ復活の狼煙を上げましたが、それから2年、今度は盟友YouthやSystem 7のSteve Hillageと手を組んだ新作がやってきました。前作では見事に研ぎ澄まされた知性を感じさせるKompakt流テクノだったのですが、本作はと言うと…古っー!!!Alex Patersonはぼけちゃったのか、とち狂ったのか?いえいえそんな事はありません。確かに初期を意識したレゲエ、ダブサウンドは時代錯誤感がありますが、内容自体は決して悪くないしぼちぼちと言った所かな。初期を意識してはいるけれど幾分かポップでドリーミーだし、1stがEでぶっ飛んだ世界なら本作はそこまでヤバイ空気はありません。アンビエントの要素も当然あるんだけれどもそれよりも僕はダンスミュージック的なご機嫌なグルーヴを感じたし、"夢"と言うタイトルの幻想的なイメージよりももっと悪ふざけしてニヤニヤしているAlexの顔が浮かんでくるよ。前作が余りにもシリアスだったその反動なのか、本作でAlexのお茶目な面が前面に出てきたのだと思います。サンプリング、ブレイクビーツもばりばり入っていてウニョウニョと横揺れ系のトラックが多く、The Orbの中でもかなり踊れる要素が高いかと。あ、でもなんだかTransit Kings名義のアルバムとも似てる気がしてきた。何にしても幾ら古くさい懐古的な音だろうが、これを聴けばAlexが未だ元気なの位は分かるよ。昔からのThe Orbファンなら本作を聴いて懐かしい気持ちになれるだろうし、昔の冗談の様に長い曲もないからこれからThe Orbに触れる人も抵抗は少ないのでは。

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| TECHNO5 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Thomas Fehlmann - Honigpumpe (Kompakt:KOMPAKTCD59)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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やっと注文していたThomas Fehlmannの新譜が届いたけど、予想以上にかっちょいいな。Kompaktってどんだけ〜?全く次から次へと素晴らしいテクノミュージックを、しかもアルバムでリリースするんだからそのレーベルの層の厚さには驚きですよ。さて、取り敢えずThe OrbのAlex PatersonやBasic Channelとも交流の深いベテラン中のベテラン、Thomas Fehlmannだけれどもその交流の為かやはりダブやアンビエントを基調にしつつ幻想的な空間を創り上げています。幻想的と言うとただ気持ち良いだけなイメージになりかねませんが、それ以上にここで聴ける音はトレンドとは全く関係の無いピュアな美しさ。以前から音の美しさ、音響の奥深さには定評があったけれど、彼が歳を経る毎に輝きを増すのはほんと異常な位。流行と共に消え去ってしまうアーティストが多い中、確実に自分の音を確立し音響美に磨きをかけてきたのでより輝きを増すのでしょう。Gas(=Mike Ink=Wolfgang Voigt)+The Orb+Basic Channelみたいなダビーでアンビエントなミニマルのテクノ…って、どんだけー?(良い所取りなんだよと)。よく見たらマスタリングはPoleことStefan Betkeじゃん、ここでもBasic Channel繋がりね。とにかく朝靄の中に迷い込んだ様な幻想的な景色が浮かんでくる新作は、またまたKompaktファンを増やす要因となる事でしょう。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Thomas Fehlmann - Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight) (Apollo:AMB8951CD)
Thomas Fehlmann-Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight)
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Kompaktからの新作がヤバイ事になってそうな感じの御代・Thomas Fehlmannですが、このApolloからリリースされていたベスト盤も相当にヤバイです。The Orbにおいての手腕、Basic ChannelのMoritz von Oswaldらとドイツにデトロイトテクノを持ち込んだ成果に依って才能を認められた彼ですが、Kompaktに身を移す以前から既に彼の音楽性と言うのは確立されたいた事が本作に依って証明されています。本作は彼の90〜98年の音楽活動の総集編とも言えるベスト盤なのですが、大半が未発表曲なのでオリジナルアルバムと言っても差し支えない内容ですね。最近の作品に比べると重厚さは稀薄ですがダビーな残響音の深さは既に表れていて、やはりBasic Channelとの親交の深さが見え隠れしています。そして何よりもえも言わせぬ美しい音、特に粒子の輝きの如く繊細でしなやかな上音は身も心も柔らかく包む様でふわふわと浮遊感を生み出しています。一言で言うと格が違う、さすがベテランだと言わんばかりの存在感。だからと言って気難しい音楽を聴かせるでもなく、むしろよりテクノの可能性の広がりを示唆していた自由性はむしろこの頃の方が上だと思います。テクノはクラブだけで聴くと思っている認識を根底から覆す奇想天外な構成で、まるで完全にコントロールされた知性を以てして創られたアートにさえ思う事でしょう。自由な音楽なのにコントロールされたとはこれ如何にとなりますが、フォームは無くともこの美しい音響はFehlmannの統治下にあるのです。Alex Paterson、Moritz von Oswald、Sun Electricが参加し、マスタリングはPoleことStefan Betkeとかなり豪華な面子が脇を固めており、その面子に違わぬ素晴らしい一枚です。

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| TECHNO4 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Pomme Fritz (Island Records:ORBCD1)
The Orb-Pomme Fritz
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普段全く運動しないせいか体は硬く贅肉も付いてきて歳を感じるこの頃ですが、リラックスの為去年からヨガに通っています。ゆったりとした動きで全身をくまなく動かすのですが、意外にもこれがじわっと効いて汗びっしょり。全然思った通りの動きが出来なくて、自分の体が硬い事を再度実感しております。体に良いのかどうかはまだ分かりませんが、精神的にもほっと出来てスピリチュアルで良いんじゃないでしょうか。

今日はそんなスローライフに合わせた音楽と言う事で、やはりThe Orb。アンビエントテクノでは必ず外せないThe Orbですが、本作は彼らの作品の中で評価が真っ二つに割れている作品です。と言うか一般的に不評なみたいで、僕も昔聴いた時は理解出来なくて一度売り払ってしまった経緯がありました。その後また興味本位で買った時には、半端ない衝撃を受けてThe Orbの隠れ名盤じゃないかと自分では思っております。一般的に不評な訳は心地良いアンビエント的な浮遊感は少なくて、音響工学に奔った様な音色の聴かせ方をしているからでしょうか。確かにサンプリングやコラージュを多用した音響は狂おしい程美しいのですが、肉体的に感じる心地良さは少なめだと思います。Alex Patersonの倒錯と偏屈、悪意と狂気を以てして、現実とは異なるパラレルワールドを展開し、聴く者を困惑させそして思考を麻痺させる。この音楽の前では考える事自体が無意味で、ただ音に身を委ねるしかする事はないのです。The Orbの中では異色度No.1の作品ですが、Thomas Fehlmann、Sun Electricも参加しているだけあってハマリ度もNo.1なのは確かです。

以下は収録曲のPVです。催眠的な動画でしたよ。



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※2008/05/26 追記
デラックスエディションの2枚組がリリースされました。2枚目には未発表リミックスなどが収録されております。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
FFWD (Inter-Modo:INTA001CD)
FFWD
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市場ではかなり高額で取引されているアンビエントアルバム・FFWD。これを見ただけで何か分かる人は相当のマニア。実はRobert Fripp、Thomas Fehlmann、Kris Weston、"Doctor" Alex Patersonから成る最強のアンビエントユニットで、もし中古で販売されているのを見かけたら例え高額でもATMで即座に出金して購入すべきであります。一応アーティストの説明をしておくと、Robert FrippはKing Crimsonと言うプログレッシブロックバンドの中心人物で、その筋では頂点に君臨する偉大なお方です。で残りの3人はと言えばテクノ好きは周知の通り、The Orbに参加している人達。つまりはプログレ Meets テクノとも言えるユニットなのですね。音の方はエレクトロニック中心でアンビエントの一言でも説明出来てしまうのですが、The Orbの様なクラブ系サウンドとはまた異なりかなり自然回帰を意識した様な静謐な神秘を感じさせます。たゆたう音の揺らぎはまるで空気の揺らぎ、音の輝きは宇宙に存在する星の瞬き、まるで宇宙空間に放り出されたかの無重力な空間。神秘的で美しい音響空間は摩訶不思議な想像を喚起させ、今ある場所では無いどこか別の空間へのスピリチュアルジャーニーを誘起します。かなり濃厚なチルアルトでもあり寝る時に使えば、安眠出来る事間違いなし。こう書くとただ気持ちの良い作品と捕らわれかねないですが、一貫した作品の流れがありかなりコンセプチュアルです。天才達が織りなす奇跡の一枚。

Check "Robert Fripp" & "The Orb"
| ETC2 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
The Orb - Bicycles & Tricycles (Sanctuary Records:06076-84704-2)
The Orb-Bicycles & Tricycles
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今日は何もする事が無く暇な一日でした。何か痛快な音楽でも聴いて気分を盛り上げようとして選んだのが、アンビエントテクノの重鎮・Alex PatersonことThe Orbの7thアルバム。重鎮とは言っても一時期低迷していた頃もあったのですが、この作品位から吹っ切れたような爽快さが戻ってきたんですね。しかも痛快・爽快と言う言葉から分かる通り、この作品においてはアンビエントの要素は少なめ。どちらかと言うとオールドスクールなテクノにダブやトリップホップをぶち込んで、ごった煮にしたような踊れてハイになれる要素が多いです。まあThe Orbってアンビエントとは言われているけれど、元々ダビーな音響空間を生み出すプロダクションに長けてはいるので、その点から考えると以前と変わらぬ点もあるのでしょう。ただ今まで異なる点は、音が完全にメジャー化したと言うか表面的にはポップな曲が多いです(この点に関しては本人もメジャーレーベルからのリリースの為とコメントしてた覚えがあります)。良くも悪くも普通のテクノが好きな人なら誰でも聴けるようなメジャー感覚が溢れていて、The Orbらしい瞑想じみた奥の深い世界は無くなってしまったかの様に思います。だからと言って本作が嫌いかと言うとそうでもなく、むしろ個人的には結構気に入っています。メジャーレーベルに移った事で、結果的には迷走を振り切り明るく陽気でパワー全開なテクノへシフトし、どこを聴いても退屈な点などありません。"Hell's Kitchen"や"From A Distance"などが今作を象徴しているので、是非聴いてみてください。ちなみに日本盤と輸入盤では収録曲が異なるのですが、僕がコメントしているのはUS盤についてです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Transit Kings - Living in a Giant Candle Winking at God (Victor Entertainment:VICP-63534)
Transit Kings-Living in a Giant Candle Winking at God
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さー遂にやってきましたよ、コイツラが。The OrbのAlex Paterson+元KLFのJimmy Cauty+Pink Froydのセッションメンバー・Guy Pratt+エンジニア・Dom Beken=Transit Kings!!テクノ好きの人ならばご存じ、90年代においてアンビエントテクノをナショナルチャート1位に送り込む偉業を成し遂げたアンビエントの伝道師・Alex Paterson。そして様々な無断サンプリングを使用し、著作権解放前線として奇行を繰り返したJimmy Cauty。KLFの傑作アンビエントアルバム「Chill Out」(過去レビュー)ではAlex Patersonも手を貸していたとか、またThe OrbにおいてJimmy Cautyと共作したりだとか、昔から何かと縁のある二人が遂に再開を果たしました。

さてその最新の音はどうかと言うと、アンビエントハウスを全く含まない今更的なレトロテクノになっていました。リズムはブレイクビーツやドラムンベースがメインで、そこに派手なシンセ音やらサンプリングやらを取り入れ、90年代に戻ったかの様な錯覚を覚える音。Guy Prattらの影響かギターやドラムなどがふんだんに使われ、生楽器による生き生きとしたプレイも目立ちます。去年のThe Orbが出したアルバムみたいにシリアスで生真面目な点は無く、むしろThe Orbの初期のパロディーな作風が蘇った様にも感じられます。下世話で享楽的、メジャーにかなり足を突っ込んだレトロテクノなので、果たしてこれは今の時代に通用するのでしょうか?90年代のOrbitalやNew Orderらに共通する懐古さがプンプン。斬新な音を求めるのであれば受け入る事は出来ないでしょうが、馬鹿さ加減を求めるのであれば通用するのでは。

ちなみにアルバム制作完了直後に、Jimmy Cautyは早速脱退。相変わらずの奇行を繰り返してますね。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
2005 Best Seller
今年も遂に終わりがやってきました。と言う事で年間ベストなんですが、その前に今年は年間売り上げベストを行おうと思います。皆様今年もこの「Tokyo Experiment」経由@アマゾンで、多くの商品を購入して頂いてありがとうございました。アフィリエイトのおかげでより多くのCDを購入出来、色々な音楽を紹介する事が出来たと思います。ただの趣味で始めたこのブログですが、テクノやハウス、自分の好きな音楽をもっとみんなに聴いていただけたらなんと素晴らしい事かと。それでは僕が紹介したCDで、今年売り上げの良かった順に紹介させて頂きます。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Orb - Okie Dokie It's the Orb on Kompakt (Kompakt:KOMPAKT CD44)
The Orb-Okie Dokie Its the Orb on Kompakt
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The Orb復活!The Orb復活!The Orb復活!
声を大にして言いたい!本当に待ちに待ったThe Orbの完全復活だ。思えば近年のThe Orbは多少迷走気味で、色々な路線変更を繰り返し試行錯誤を行っていた段階だったのかもしれない。それが今作ではAlex Patersonと盟友Thomas Fehlmannとの完全共作となった事で、完全なるThe Orbと成ったのだろう。アンビエントから始まり、ダブ、ポップ、テクノ、ハウス、サイケデリック、ドラムン・ベースなど色々な音楽を取り入れながらメジャー路線も通過して、拡大再生産を行って来た。しかしここ近年Kompaktから出した数枚のEPは、Kompaktの先進性とポップさを前面に出しテクノの純度を高めた良質な作品だった。そして遂にKompaktからの初のアルバムが出たのだが、これは紛れもなくThe Orb史上の最高傑作と迷わず断言出来る。Fehlmann参加の下知的で統制の取れた構成の中に、Patersonの狂気と毒々しさがぐちゃぐちゃに注入され、不気味かつクールなサウンドを鳴らしている。相変わらずのダビーで深く、Kompakt直系の霧のかかった視界の悪い薄いシンセのヴェールが空間を支配し、毒々しいベース音は新世代のジャーマンアシッドだ。今までの様に冗談の様に長い曲よりも、一曲一曲をコンパクトにまとめてバリエーションを増やしアルバムとしての聴き易さも兼ね備えている。勿論快楽性を失わずにアンビエントミュージックとしての面もあるが、かつての馬鹿げたギャグは存在せず知性(Fehlmann)と狂気(Paterson)と言う相反する様な意識が存在する。狂っているけれど美しく儚い世界、The Orbに二度目の春がやって来た。。。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(6) | trackbacks(7) | |
Transit Kings - Token EP (Malicious Damage Records:MD602)
Transit Kings-Token EP
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誰もが期待せずにはいられない面子がここに集まる。KLFのJimmy CautyとThe OrbのAlex Paterson…と後二人。世界中を見ても彼らほどユーモアに溢れ、お笑いと狂気に満ちた音楽を作る者はそうはいない(と言いたいだけw)。90年代初頭にも一緒に音楽を作ったりしていたが、ここ何年かでまた手を結び新ユニットの結成をした結果がこのEPだ。EPと言う事もあり5曲で25分程度、まだまだ物足りない感じもするがアルバムが出るまでは我慢。じゃあ内容はと言うと…時代錯誤にも程があるぞ!極度にレイドバックしたださめのシンセ音が嫌と言う程使われ、ボイスや車の音などのSEもばしばしと導入されている。テクノって言うよりダンスポップって方が分かりやすいか?しかしなんだかAlexの気持ちも分からないでも無い。UNITに「Le Petit Orb」として来日した時に、しょっちゅうフロアに現れては客と戯れて踊っていた。最近のAlexは妙に高揚していて楽観的なのではないか。そんな彼と旧友のJimmyが再会したんじゃ、そりゃ出てくる音だって意味も無く笑いに満ちているだろうさ。この路線で更にポジティブにナンセンスを追求したら、きっと面白いアルバムが出来るんじゃないかと。古臭いと言って聴かなければそれで終わりだが、彼らの原点がここにある。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005/04/02 UNITE @ UNIT
首をなが〜くして待っていたLe Petit Orb(Alex Paterson & Thomas Fehlman)に行ってきました。年越しのTRANSIT KINGS(ALEX PATERSON & JIMMY CAUTY)@メタモがはずれだっただけに、今回は相当期待してましたよ。11:45に会場に着くと、あれ?もうKAITOやってるじゃん…しかも12時までだって(;´Д`)と言う訳でKAITOは少ししか聴けなかった。どう考えてもタイムテーブル作った奴は、馬鹿!いっぺん死ねと思いました。

12時からはフェルマンがDJを開始。最初は幾何学的な変則ビートで、ゆったりなスタート。アレックスとは対照的に知的だけど、見かけはRichie Hawtinみたいだしちょっと怖い。ダビーなリズムや浮遊感のある上物も混ぜて少しずつ盛り上げていく。さすが50越えてるおじさんだけあって、インポでも舌だけでベロンベロン舐め尽くして女を逝かせるような粘っこいプレイ。後半に入ればライブ目前と言う事もあり、4つ打ちでドンドンあげてきて会場を盛り上げていた。
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| EVENT REPORT1 | 17:35 | comments(8) | trackbacks(2) | |
The Orb - Live 93 (Island Records (US):162-535 004-2)
Orb-Live 93
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今週末、待ちわびていたLe Petit Orb(Alex Paterson & Thomas Fehlmann)のライブがUNITで行われる。Le Petit Orbとは?UNITの説明を掲載しよう。
小規模なクラブでは実現不可能とされるジ・オーブのショウを、自由な発想と実験精神によって、数々のヒット・チューン及び未発表音源を使用して再構築するのが、ル・ペティ・オーブのライヴ・セットである。それは、フロアに直結するダンサンブルな内容である。粘っこいグルーブ、キレと浮遊感を備えた上モノ、ズンドコとスカスカを往来するリズムなどが、異次元/異空間を演出してくれることでしょう。オーブ・ファン、フェルマン・ファン、テクノ・リスナー、クリック・ハウス・リスナー、コンパクト好き、ダブ好きは勿論、全てのダンス・ミュージック・リスナー対応!!

と言う訳で、是非ともライブを見に行かねばなるまい。これを見逃してはきっと後悔する。だいたいマッドなパターソンとインテリジェンスなフェルマンが組んだら、想像出来るかい?一体当日はどんな亜空間が発生するのだろうか?ちなみに僕はオーブのライブは未経験。このライブCDを聴く限りだと、とんでもないドュープな世界の様だ。とんでもなく高い宇宙に飛ばされたと思ったら、次の瞬間には奈落の底に落とされる。狂気とユーモアの混在する世界。光が射したと思うと闇に引き込まれ、美しい情景が浮かんだと思うとその次には歪んだ風景を見せる。一体現実はどこにあるのだろう?Le Petit Orbが答えを教えてくれるに違いない。

Check "The Orb"

Tracklistは続きで。
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| TECHNO1 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/04/02 (SAT) UNITE @ UNIT
Live : Le Petit Orb (Alex Paterson & Thomas Fehlman)
DJ : Alex Paterson ,Thomas Fehlman ,更にKAITOも追加!

2005/04/10 (SUN) NAGISA @ お台場OPENCOURT
DJ : Carl Craig ,Ken Ishii ,Q`HEY and more.

2005/04/15 (FRI) ESCAPE @ YELLOW
DJ : Carl Craig

2005/04/23 (SAT) VADE feat. MARCO CAROLA @ WOMB
Special Guest : Marco Carola (Zenit)
Guest : Ryukyudisko (DJ Set)

2005/04/28 (THU) Standard 1 in association with REEL UP @ WOMB
DJ : Ken Ishii, Funk D'Void, Bryan Zentz

2005/04/28 (THU) secret service meets kompakt night vol.8 @ UNIT
DJ : MICHAEL MAYER, Toshiya Kawasaki
LIVE : LO SOUL (playhouse), dublee (mule electronic)

2005/05/03 (TUE) MIN2MAX or MINIMIZE to MAXIMIZE tour @ WOMB
DJ : Richie Hawtin

2005/05/06 (FRI) STERNE @ WOMB
DJ : HARDFLOOR ,TAKYUU ISHINO ,TEN

2005/05/14 (SAT): VADE @ WOMB
DJ : Surgeon

Le Petit Orbの時はワタナベヒロシさんの参加も決まり、KOMPAKTの重鎮が揃いました。これはテクノ好きは必ず行くべきイベントですね。
NAGISAはちょっとしけた面子だけど、ケンイシイとカールクレイグで1500円なら問題無し。野外イベントでのんびり楽しめれば良いかな。
WOMBのKen Ishii, Funk D'Void, Bryan Zentzの3人が揃うイベントもかなり強烈。WOMBは行きたくないけど、この面子が揃えば行かねばなるまい。
HARDFLOORは多分ライブだと思います。Surgeonはマニアックラブでプレイしてこそなのだけどね…残念。
| UPCOMING EVENT | 19:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/02/10 (THU) RECLOOSE JAPAN TOUR 2005 @ MODULE
DJ:RECLOOSE, KZA

2005/02/11 (FRI) IN:FLAME @ AIR
DJ:John Tejada, DJ SODEYAMA

2005/02/18 (FRI) ART OF SEDUCTION @ Yellow
DJ:KING BRITT

2005/02/19 (SAT) IAN POOLEY @ Yellow
DJ:IAN POOLEY, Remi, Nako

2005/02/25 (FRI) ROBERT HOOD JAPAN TOUR 2005 @ MODULE
DJ:Robert Hood

2005/03/05 (SAT) DEEP SPACE JAPAN TOUR 2005 @ Yellow
DJ:FRANCOIS K

2005/03/26 (SAT) CLASH06 @ ageHa
DJ:Juan Atkins, Ken Ishii, Hitoshi Ohishi

2005/04/01 (FRI) "The Theory Of Everything" Tour 2005 in Japan @ Liquid Room
Appearance:Octave One / R.N.G (Full Live Set)
featuring Ann Saunderson & P. Gruv

Special VJ:Chuck Gibson a.k.a. Perception

2005/04/02 (SAT) UNITE @ UNIT
Live:Le Petit Orb (Alex Paterson & Thomas Fehlman)
DJ:Alex Paterson ,Thomas Fehlman

未定だが3月AIRにJoe Claussell

とまあパーティーは腐るほどある訳だが、勿論全てに行ける訳じゃない。
個人的に行きたいのはプーリーとフランソワ、ホアンアトキンス、
プチオーブ(他も行きたいのはあるが…)。超やばめがやはりプチオーブか。
フェルマンとのコンビで来るんだし、期待せずにはいられない。
ホアンアトキンス+ケンイシイもデトロイト好きを裏切らない
プレイをするでしょう。
| UPCOMING EVENT | 20:05 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Orb - The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld (Big Life:BLRDCD05)
The Orb-The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld
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さあ、まだまだFreedom Villageの復習は続きます。先日Freedom VillageでもTransit KingsとしてプレイをしていたAlex Patersonですが、メイン活動はこのThe Orbです。特にこの1stは彼らの中でも最高傑作と謳われている作品で、参加メンバーも超豪華です。KLFやTransit KingsのJimmy Cauty、System 7のSteve Hillage、老いて尚盛んなThomas Fehlmann、そして元Killing Jokeで現在はゴアに走っているYouth等が参加しています。

内容はと言うとアンビエントテクノの金字塔とも謳われる作品だけに、とにかくぶっ飛び具合は半端じゃないです。KLFの「Chill Out」も実はAlex Patersonが殆ど作ったのではないかと言われているけれど、その噂も理解出来ます。Orbのアンビエントは単純なアンビエントではなく、ダブを多様した腰にずっしりくるグルーヴが特徴です。泥沼にズブズブとはまっていき抜け出せないような重さ、そしてスペーシーな上物がキラキラと入ってきたり、陰と陽を行ったり来たりする感じです。コンセプトは「地球軌道」、「月起動」、「超世界」と三つの世界と言う事で曲名もそれにちなんだ名前が付けられています。取り分け「超世界」のダビーでドゥープな曲群は、まるで異次元世界に彷徨ってしまったかのような錯覚を覚えます。ラストの通称「Lovin' You」=「A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld」は19分にも及ぶ大作ですが、どうしてAlexがこんな曲と思いついたのか全くもって謎ですね。ラリッてないと作れない曲だと思います。これにはJimmy Cautyも参加していますけど、やっぱり黄金コンビは偉大です。

先日のTransit Kingsのライブは、まだパラレルワールドの入り口を垣間開いただけでは無かったのでしょうか。今度は是非The Orbのウルトラワールドを体験してみたいですね。

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| TECHNO1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
KLF - Chill Out (Wax Trax! Records:WAXCD7155)
KLF-Chill Out
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新年一発目のレビューはFreedom VillageにもTransit Kingsとして参加してたJimmy Cautyのユニット、KLFのアルバムを紹介します。Transit KingsはOrbのAlex PatersonとKLFのJimmy Cautyが組んだユニットだけど、元々Orb自体がAlexとJimmyが組んだユニットだったんですよね。Jimmyが脱退して新たに作ったユニットがこのKLFなんです。で、実はこのアルバムにはAlexが参加していてじゃあOrbと変わらないじゃん…って、まあはっきり言って初期Orbとあんまり変わらないと思います。変わらないと言うのはあくまで世界観がね。Orbはダビーアンビエントなのに対して、このアルバムは更にいっちゃってて殆どノンビート。サンプリングを多様しまくってお経の様な声や羊の鳴き声、汽車の走る音、飛行機の音などフィールドレコーディング中心に作られています。そこに時折入る美しいシンセが被さったりして、極上の涅槃の世界に連れて行かれる事必至。クラブで踊りまくった体を冷ますための「Chill Out」、これに身を委ねれば何も考える事なく天国に行ける。しかし世の中で流行っていたヒーリングアンビエントとは全く違う事を認識して欲しい。真面目に作ったいっちゃってる(=トリップ)音楽なのだから。今後も指標となるべきアンビエントハウスのお手本的作品です。

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| TECHNO1 | 22:34 | comments(10) | trackbacks(2) | |
2004/12/31 FREEDOM VILLAGE COUNT DOWN 2004-2005 @ パシフィコ横浜
あけましておめでとうございます。
皆様はどんな年越しを過ごしたでしょうか?
僕はFREEDOM VILLAGEで年越しを過ごしました。

まず結果から言うと少々ご不満でございます。と言うのも期待のアレがつまらんプレイをしたもので…。まずは11時位に会場について早速DJ KRUSHを見に行くが、肌に合わず5分で退散。EYEに移動すると踊りやすいハウスセット。こっちの方がいかにもパーティーな感じでした。お酒をぐびぐび飲みつつX-PRESS 2が始まると、そっちに移動。10分間聴いてロックなノリだったのですぐにEYEに戻り、カウントダウンを待ちます。年越しの曲は…「炎のファイター/イノキ・ボンバイエ」。こんな曲で年越しを迎えた瞬間に何かパーティーの悪い予感を感じました。その後X-PRESS 2がどうなっているか見に行くとテクノっぽくはなっていましたが、そこでメールが入ります。「kahansinのTechno Memo」のkahansinさんからお呼びがかかって、kahansinさんグループに会いに行きました。
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| EVENT REPORT1 | 16:06 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Upcoming Event
ageHa 2ND ANNIVERSARY feat. LAURENT GARNIER
2004/12/18 (Sat) @ ageHa, Tokyo _ 23:00 〜
Door : Y4,000
Arena DJs : Laurent Garnier. DJ Maar
Music : Techno, House

PARADISE BALL VOL.9 feat. FRANKIE KNUCKLES
2004/12/25 (Sat) @ ageHa, Tokyo _ 23:00 〜
Door : Y4,000
Arena DJs : Frankie Knuckles, Wara
Music : House

DOUBLE TROUBLE 09 feat.TIMMY REGISFORD and JOEY NEGRO
2004/12/29 (Wed) @ ageHa, Tokyo _ 23:00 〜
Door : Y5,000 _ Adv : Y4,500
Arena DJs : Timmy Regisford, Joey Negro
Music : House

ageHa COUNT DOWN 2005
2004/12/31 (Fri) @ ageHa, Tokyo _ 21:00 〜
Door : Y5,000 _ Adv : Y4,500
Arena DJs : Special Guest DJs
Music : House

Freedom Village 2004
2004/12/31 (Fri) @ パシフィコ横浜展示ホールA/B _ 20:00 〜
Door : Y10000 _ Adv : Y8500 _ Pre Sale : Y7500
DJs : Transit Kings DJ Set -alex paterson&jimmy cauty-
Theo Parrish, Sebastian Leger, X-Press 2, Basement Jaxx
Audio Active, 勝井 祐二(ROVO), Kaoru Inoue, etc

ローランガルニエもフランキーナックルズもYellowでもプレイするけど、
ageHaの方が確実に踊れるだろうな。雰囲気を取るか、快適さを取るか。
ageHaの年末のハウスは誰なんだろう?ダニーテナグリアがこの値段では
ないだろうし。ルイベガはもう来たしな。予想がつかん。
フリーダムヴィレッジはアレックス&ジミーとセオが見たいな。
メタモの客をセオは踊らせる事が出来るのだろうか?
そしてアレックス&ジミーは吉と出るか、凶と出るか。
こいつはAll or Nothing、素晴らしいか最悪かのどっちかでしょう。
メタモ側はベースメントジャックスをメインに考えている様だけど、
勘弁してほしーわ。セオとアレックス&ジミーで4時間はやって欲しい。
| UPCOMING EVENT | 21:37 | comments(2) | trackbacks(0) | |
System 7 - Power Of Seven (A-Wave:AAWCD004)
System 7-Power of Seven
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System 7で一番のアルバムを選べと言われたら、迷わずこのアルバムを選びます。この頃が一番テクノっぽくてアルバムにもバラエティーがあって、バランスが良かったんではないかなと。冒頭「Interstate」ではNEUをサンプリングしてあったり、続いての「Civilization」ではCarl Craigとコラボ。当然デトロイトっぽいです。続いてアンビエント大作「Davy Jones' Locker」ではAlex Patersonとコラボ。アコースティックギターが心地よく響き、柔らかい空気に包まれるような錯覚を覚えます。続いてはデトロイトの巨匠Derrick Mayとのコラボ「Big Sky City」。これは完璧にDerrickっぽい特有のリズムに、美しいシンセライン、素晴らしいです。その後はブレイクビーツ、ハウスっぽい作品も混じって、7、8、9曲目はOsmosis Suite3部作。アッパーな流れですが、目まぐるしく展開が変わってゆきます。そして10曲目「Mektoub」でYouthと競演。ばりばりのゴアトランスですな。ラストは美しい展開を見せる「Europa」。なんとSueno Latinoをサンプリング。あの名曲の快楽的なシンセ音が鳴り響きます。System 7はコラボをする事によって成長してきたけど、この頃の人選が一番良かったと思います。色々なジャンルを含んではいるけれど、テクノ好きな人なら普通に馴染めると思いますよ。

試聴

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| TECHNO1 | 19:57 | comments(2) | trackbacks(0) | |