Daniel Avery - Song For Alpha (Phantasy Sound:PHLP09CD)
Daniel Avery - Song For Alpha
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
2012年にデビューを果たしたUKのDaniel Averyはその当時にして大物DJからの絶賛の評価を獲得し、アンダーグラウンドな雰囲気を纏いながらも新世代のテクノアーティストを代表するような風格を持って、制作家としてもDJとしても一躍時の人になった印象がある。広義な表現ではテクノと呼ばれる音楽性ではあるが、4つ打ちのみにとらわれずブレイク・ビーツやアンビエントのスタイルにサイケデリックやドローンといった要素も含むその音楽は、フロア志向ながらも多彩な表情を見せる表現力のあるダンス・トラックとして機能する。そして比較的フロア寄りだった2013年のデビューアルバム『Drone Logic』から5年、随分と時間は経ってしまったが待望の2ndアルバムが到着したが、これを聞くとAveryはハイプではなく最早その才能は疑うべくもない事を確信した。本作でもダンス・トラックが無いわけではないが、しかし何と言っても90年代前半にWarp Recordsが提唱したArtificial Intelligenceの続編的な、例えばPolygon Window(Aphex Twin)やAutechreにB12やSpeedy J、そしてF.U.S.E.(Richiw Hawtin)のそのシリーズの音楽性 - レイヴから解放されるべく想像力を膨らませるような精神に作用するホームリスニング・ミュージック - があり、テクノが決して踊る為だけの音楽ではなく自由な音楽である事を指し示している。アルバムはインタールード的な扱いの"First Light"で始まるが、ここから既にビートの入らない霞んだ電子のドローンによるメランコリーなアンビエントで、続く"Stereo L"ではF.U.S.E.よろしくなTB-303のうねるアシッド・サウンドを用いながらも、それは毒々しいと言うよりは気の抜けたオプティミスティック感で煌々としており、やはり真夜中のクラブの雰囲気とは異なっている。"Projector"に至ってはそのざらついたアナログな響きのリズム感とぼんやりと夢幻の電子音響は、初期のメランコリーなAphex Twinを思わせる。再びインタールード"TBW17"で凍てついたノンビート・アンビエントを展開し、そこに続く"Sensation"や"Clear"では繊細な電子音響を展開したディープかつモダンなテクノによって機能的なグルーヴを刻んで、フロアとの接点も失わない。しかしやはりアルバムの肝はAI的なイマジネーション溢れる感覚であり、前述のダンストラックに挟まれた"Citizen // Nowhere"の歪で破壊的なリズムが打ち付けながらも夢想のアンビエントなメロディーに包まれるこの曲は正にAIテクノらしい。勿論、先行EPの一つである"Diminuendo"のように痺れる電子音が空間を浮遊しながら粗いハイハットやミニマルなリズムに強迫的に闇に連れて行かれるテクノは、ただ90年代のノスタルジーに浸るだけのアルバムになる事を回避させている。そしてアルバムの後半、アシッドを用いつつも深いリヴァーブによって夢の中を彷徨うダウンテンポの"Slow Fade"や、何処でもないない何処かにいるような淡く霞んだドローンに覆われるアンビエント・ハウス的な"Quick Eternity"と、またしてもAphex Twinの残像が現れる。モダンとレトロ、肉体性と精神性、ダンスとリスニング、そんな相反する要素が自然と同居したアルバムは、インタビューによればクラブの枠を超える為と語っている。成る程、そのコンセプトは確かに達成されており、イマジネーションを刺激するようなアルバムは、これまで以上に表現力に磨きをかけた素晴らしい作品となった。



Check Daniel Avery
| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - Cheetah EP (Warp Records:WAP391CD)
Aphex Twin - Cheetah EP
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
2014年の『Syro』(過去レビュー)での華々しい復活劇(後にこのアルバムはグラミー賞を受賞した!)以降、SoundCloudには膨大な未発表音源をアップロードするわ、コンセプチュアルなEPを2枚もリリースするわ、間違いなく活動が再度活発化しているRichard D. JamesことAphex Twin。常に人を食ったような音楽性、またはプロモーション方法やPVなどは何が本当で何が嘘かも分からない所もあるが、本作はタイトル通りにCheetah社の非常にレアなシンセサイザー・MS800を使用した作品だそうで、その扱い辛い機器をわざわざ用いる事でその機器自体のデモストレーションを自ら買って出たと捉えるべきなのだろうか(機材の使用が本当ならば)。そのシンセサイザーの音を楽しむという観点で聞くと、"CHEETAHT2 [Ld spectrum]"ではふらつくような不安定なパッドの裏で鳴っている多少光沢も含んだような朧気な電子音が恐らくそれなのだろうが、確かにその独特な鳴りはなかなか他では聞けるものではない。よりその音色を明確に体験出来るのはそれぞれ30秒前後のインタールードである"CHEETA1b ms800"や"CHEETA2 ms800"で、ただ音で戯れているだけのようにも思われるが、覚醒感と清涼感とほんのちょっとの毒気を含んだその電子音の個性はテクノ好きを十分に魅了するだろう。機材の特徴を率直に聞かせる為に近年の作品に比べると随分とシンプルで洗練されており、リズムもかつて程には奇抜ではなく分り易いダンス・グルーヴを刻んでいるが、明るさの中にも何処か歪んで捻くれた感覚が練り込まれており、Richard独特のユーモアとシニカルの狭間が展開されている。極度に扱い辛い機材を使用してこんなの簡単だぜっ!みたいに軽々と楽曲を披露しつつも、機材の特徴を生かしつつ自身の個性もしっかりと表現する辺りに、やはりRichardの天才肌があるのだ。と言う事で比較的大人しい作品ではあるものの、恍惚を誘う電子音の魅力を存分に味わいつつ、インテリジェンス/IDM系のテクノとしての確かな自負も伺える作品だ。尚、アナログ盤にはダウンロードコードも付いてくるので、買うならやはりアナログを勧めさせて頂く。



Check "Aphex Twin"
| TECHNO12 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Space Dimension Controller - Orange Melamine (Ninja Tune:ZENCD231)
Space Dimension Controller - Orange Melamine
Amazonで詳しく見る

音楽により壮大な宇宙旅行や近未来のSFの世界を展開するJack HamillことSpace Dimension Controllerは、2009年のデビュー当時でさえ19歳であった近年稀に見る早熟のアーティストだ。しかしながらその音楽性は前述の趣向と共に、何処かノスタルジックな回帰志向さえもあり、2013年リリースの初のアルバムである『Welcome To Mikrosector-50』(過去レビュー)ではテクノ/エレクトロの中にPファンクやシンセ・ポップを盛り込んで、若い年齢にしては随分と過ぎ去りし時代への甘い夢に浸るような郷愁が込められていた。そこからの2年はSDC名義でよりフロア志向のテクノを打ち出した3部作をリリースし次のアルバムはその路線を踏襲するかと思っていたところ、意外や意外に3年ぶりのアルバムは何と奇抜な音楽性を発揮するNinja Tuneからとなり、その上Hamillが18歳であった2008年当時に制作された秘蔵音源集との事なのだ。今になって8年も前の音源がリリースされた経緯については謎なものの、確かに本作はまだロウで粗削りなビートと未完成的な部分さえ残す青々しいテクノが纏められている。基本的には規則正しい4つ打ちの曲はほぼなく、始まりとなる"Multicoloured Evolving Sky"からして既に金属が裂けたようなスネアの上に望郷の念が込められたような上モノが鳴っており、一昔前のIDMを思わせる作風も。そこに続く"The Bad People"は重苦しささえ漂うダークアンビエントな感があるが、やはりビートはひしゃげて刺激的なまでに暴れている。"Scollege Campus"では安っぽいボコーダー・ボイスも利用しシンセ・ポップの懐かしさを導き、"Gullfire"ではうねるチョッパーベースや熱量の高いシンセのメロディーを導入しPファンクのような躍動を生み、"Multipass"に至ってはAutechreのような支離滅裂な破壊的なビートに幻想的な上モノを用いた作風が正にIDMらしい。どれもこれも荒削りでドリルン・ベース的なリズム感と破壊的な電子音、そして淡い郷愁を放つシンセが懐かしさを誘い、90年代初期のAphex Twinを含むR&SやWarpからの影響が色濃く出たベッドールーム・テクノなのだ。肉体に突き刺さるような刺激的な音、それと対照的なメランコリーが共存し、若さ故の衝動が前面に出つつもHamillのSFワールドが見事に展開されている。



Check "Space Dimension Controller"
| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Magnus International - Echo To Echo (Full Pupp:FPCD012)
Magnus International - Echo To Echo
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Prins Thomasが主宰するFull Puppはノルウェーのニューディスコを手掛ける著名なレーベルの一つで、本人の作品のみならず輝きを放つ前の原石とも呼べるアーティストまで発掘し、今も尚活発な活動を続けている。本作はそんなレーベルの初期から散発的に作品をリリースしているMagnus InternationalことMagnus Sheehanによる初のアルバムで、彼がレーベルから初めてEPをリリースしたのが2006年なのだから、当初からファンだった人にとっては随分待たされたに違いない。当方はこのアルバムでSheehanの存在を知ったので特に待った訳ではないのだが、しかし初めて耳にするだけでも耳を惹き付けたのだから、その才能は推して知るべしだろう。何でも本作の制作中には古いテクノやハウスを聴いており、そんなダンス・ミュージックのフィーリングをアルバムに取り込みたかったそうで、特にデトロイト・テクノやLFOにAphex Twin等のWarp Recordsの音にも影響を受けたそうだ。そんな背景もあってか如何にもFull Puppらしいディスコ・フィーリングは弱いものの、レーベルの光沢あるキラキラした音も伴いつつモダンなテクノ〜ハウス路線のブレンドは、ニューディスコのファン以外にも訴求出来るような音楽になっている。ミッドテンポで長閑なグルーヴから切れのあるファンキーなベースが躍動し、そこから煌めくゴージャスなシンセが浮かび上がってくるオープニングの"Big Red"から、既に爽快かつ開放感のあるハウスで空へとゆったりと羽ばたくようだ。滑らかなパッドのコードの上を舞い踊るように流麗なシンセが奏でられる"Energi"、か弱くふんわりとしたストリングスをバックに奇妙なボコーダーや煌めくシンセのフレーズが彩る"Rise Above"など、緩くはあるが地に足の付いた安定感のあるディスコ系ハウスなど、やはりその緊張とは無縁な世界観はFull Puppらしくもある。奇妙なシンセを効果音として用いつつブリブリしたベースが地を這う"Metroid Boogie"は正にコズミックなニューディスコの典型だが、シャッフル調に弾けるゴージャスなメロディーや快活なリズム感が程良い高揚感を生む"A Man Called Anthony"はTodd Terjeらしい茶目っ気が感じられる。豊かな色彩を感じさせるメロディーや音色、それは決してケバいものではなく上品な華麗ささえも感じられ、一聴して耳を離さないメロディアスな作風は本作の特徴だろう。



Check "Magnus International"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
AFX - Orphaned Deejay Selek 2006-08 (Warp Records:WAP384CD)
AFX - Orphaned Deejay Selek 2006-08
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
2014年の『Syro』(過去レビュー)、2015年の『Computer Controlled Acoustic Instruments Pt2』と続けて作品をリリースし、休火山が突如噴火するように突発的な活動を見せるRichard D JamesことAphex Twinが、前述の作品に続いてリリースしたのが本作。AFX名義では10年ぶりという売り文句が元々作品毎に音楽性が全く違う彼にとっては意味のない事であるが、やはりそれでも前の2作とは表向きは異なる路線なのだから、その奇才/多彩性に驚かずにはいられない。タイトルからは2006〜08年頃に制作された事を匂わせるが、実際にそうであるかは全く分からない。音楽的には特有のふざけたアシッド+ドリルン・ベース路線ではあるのだが、かつての荒唐無稽に発散するような暴力的なビートは抑えられ、音を間引きながらより鮮明にリズムや奇妙な音が浮かび上がり、それによって確実にAFXらしさが伝わってくる。冒頭の"Serge Fenix Rendered 2"からエグいシンセが早急に動き乱れるコミカルなアシッド・テクノで、そこに続く"Dmx Acid Test"では変則的なビートに変化したリズムにビキビキなアシッドが絡み、序盤から疾走感のある勢いはありながらも支離滅裂な世界観は感じられない。"Bonus EMT Beats"では荒れ狂う硬いドラムマシンのビートが生々しい臨場感を生み出し、"Midi Pipe1c Sds3time Cube/Klonedrm"では逆に牧歌的な感覚もある電子音が眠気を誘いそうでありながら不協和音で崩し、相変わらずEPという小さなボリュームの中でさえ色々な要素が詰まっている。しかし『Syro』とは確かに異なる音楽性ではあるが、かつてのAFXのイメージを塗り替える理路整然とした制作を思わせる点では類似点も見かけられ、そのハイファイなサウンド自体にまた感嘆してしまうのだ。



Check "Aphex Twin"
| TECHNO12 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/5/23 Nick Hoppner "Folk" Album Tour @ Air
一般的には硬質で無骨なテクノのBerghainに対し、官能的でしなやかなハウスのPanorama Barというイメージはある程度あるものの、過去にSteffiやこのNick Hoppnerのプレイを現場で聴く事によってその印象はより強まった経験がある。Berghain/Panorama Barが主宰するOstgut-Tonの元レーベルマネージャーであり、また両者のクラブでプレイをするHoppnerであればこそ、その音楽性への理解はレーベル関係者の中でも人一倍なのではないだろうか。そんなHoppnerが遂に自身のソロアルバムをリリースし、ワールドツアーの一環としてここ日本にも久しぶりに降り立つ機会がやってきた。
続きを読む >>
| EVENT REPORT5 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - Syro (Warp Records:WARPCD247)
Aphex Twin - Syro
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
2014年8月、突如としてロンドンの空にAphex Twinのロゴが記載された飛行船が出現し、話題と疑問を振りまいた。そして、その後AphexのTwitterアカウントでは暗号化されたURLが呟かれ、正しい特設サイトへとアクセスすると「ARTIST NAME」や「ALBUM TITLE」が記載されている事が見つかった。そう、これはRichard D. JamesことAphex Twinによる13年ぶりとなる新作の壮大なプロモーションだったのだ。相変わらずの奇行とユーモアを振りまくAphexにとって13年ぶり、いや2005年にリリースされた「Analord」シリーズ、2006年にはそれを纏めた"Chosen Lords"(過去レビュー)がリリースされていたので、正確には8年ぶりとなる新作となる本作は相も変わらずAphexらしい音を鳴らしている。巷では"Selected Ambient Works 85-92"(過去レビュー)の頃のような作品とも評価されているそうだが、確かにあの頃のような夢のような無邪気なアンビエント性が通底しているが、しかしリズムはそれ以降のより壊れかけの複雑なビートを刻むダンサンブルな要素もあり、決して懐古的な作品とも異なっている。それどころかAphexも時代に合わせて進化しているのだろうか、穏やかで優しい音は今までの中でも最も綺麗な響き方をしており、過去の作品のように敢えて録音状態を悪くしている点は見受けられない。また、曲の展開・構成に関しても捻りのきいたユーモアや奇抜性はあれども、かつてのように悪意を持って崩壊していくような暴走気味の意志は感じられず、それどころか冷静な意志をもってして音と戯れるような抑制の取れた感さえもあるのだ。ビキビキとしたアシッドのベース・ライン、脱力された骨抜きグルーヴから躍動するダンス・グルーヴにファンクなリズム、そして大量のハードウェア機材から生み出されるファットな音質などから構成されたトラックは、確かに普通ではない異形なテクノではあるが決して荒唐無稽ではないのだ。そういった意味では毒々しい悪意もなければ破天荒な壊れ方もなく、かと言ってアンビエント一辺倒な作品でもない本作が、Aphexの音楽史の中で必ずしも傑作と呼ばれる事にはならないだろう。しかしそういったAphexらしい奇抜で狂ったような音楽性に頼らない本作だからこそ、Aphexの素が見れるような作品でもあり自然体と受け止められる人懐っさがあるのだろう。




Check "Aphex Twin"
| TECHNO11 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Clark - Iradelphic (Warp Records:WARPCD222)
Clark - Iradelphic
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Warp Recordsから衝撃のデビューを果たしてから早11年、Chris Clarkの6枚目となるアルバムが届いた。ポストAphex Twinの立場から半ば破滅的かつ衝動的に改革を続けてきたClarkだったが、このアルバムはそれまでのテクノが前提である音楽から驚く程に方向性を変えている。破天荒に刺々しく散らかったビートは鳴りを潜め、アルバム全体がしっとりとしたアンニュイなムードで統一され非常に温かみのあるサウンドを発している。アコースティック・ギターやピアノを始め生の質感を重視した音の比重が増え、物悲しいボーカルも取り入れた事で、寂れて朽ち果てたような枯れ具合まで感じさせるソウルフルなトラックばかりが並んでいる。今までエネルギッシュに前進し続けてきた反動なのだろうか、妙に人間臭く内面を見つめるように懐古的な音楽に収束してしまっている。ビートよりもメロディーを、無機的な電子音よりも有機的な生音を重視したその組み合わせは思惑通りに成功はしているし、彼の傑作である1stアルバムにもあるノスタルジックな世界感は感じられるが、しかしまあ兎に角普通なのである。それは決して悪い事ではないし粒ぞろいに切ない郷愁を誘う曲は揃っているが、劇薬のような毒が抜けてしまい聴き易くなった分だけオリジナリティーも失ったように思われる。これからも続く彼の音楽活動の休憩点としての作品と考えるなら、理解出来なくもないだろうが。

試聴

Check "Chris Clark"
| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
World's End Girlfriend - Ending Story (Virgin Babylon Records:VBR-004RE)
World's End Girlfriend - Ending Story
Amazonで詳しく見る

2000年当時、全くの無名の新人ながらも称賛を浴び発売から間もなくして店頭から姿を消したアルバムがあった。それこそれが今ではポストロック寄りの電子音楽で一定の評価を得ているWorld's End Girlfriendのデビューアルバム"Ending Story"。このアルバムは永らく廃盤となり、それ以降WEGはGodspeed You! Black Emperor的なノイズと生音を大幅に導入し、一般的には評価を上げていく。しかしようやくだ、幻とさえなっていたこのデビューアルバムがリイシューされる事になった。当時はAphex Twinの分裂病的な電子音楽とも比較されたWEGは、しかしAphexの様に破錠して夢の中に没頭するでもなく、切迫感のある喜怒哀楽に満ちた現実を奏でている。歪に切り刻まれたリズムトラックと共に可愛い - そうファニーでユーモラスな - 電子音や荘厳なストリングスが構築する世界観は、確かに壊れ行く破滅的な夢想でもありながら、しかし最後には結局夢の終わりから醒めてしまい現実へと強制的に戻されるのだ。どこか無邪気な遊び心に溢れているがしかしクラシックをバックボーンに持つWEGの音楽は、楽曲性やスマートなコード展開に長けており、崩れ落ちそうで崩れない積み木の様に音が構築され現実の世界観を保っているのだろう。夢の世界に溺れずとも、ロマン溢れるストーリーに溺れれば良い。エレクトロニカが繁栄していた一時代の中でも、本作は凡百のエレクトロニカに埋もれずに独創的なスタイルを既に確立していた。

Check "World's End Girlfriend"
| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
Amazonで詳しく見る(MIX盤)
 Amazonで詳しく見る(UNMIXED盤)
アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

試聴

Check "Motor City Drum Ensemble"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
2011/01/08 SANDWELL DISTRICT ALL - NIGHT @ Unit
Surgeonと双璧を成すインダストリアルテクノの開拓者・Karl O'ConnorことRegis、Synewave等からのリリースでアンダーグラウンドなハードテクノシーンで活動してきたDavid SumnerことFunction、そしてその二人によるユニット・Sandwell Districtがパーティーの最初から最後までを演出する。間違いなくハードな一夜が体験出来そうなので遊びに行ってきました。
続きを読む >>
| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gold Panda - Lucky Shiner (Notown:NOTOWN003CD)
Gold Panda - Lucky Shiner
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Dommuneにも出演して巷で話題になっているそうなGold Panda。ネットや紙面の至る所で見かけていたので手を出してみましたが、これはいわゆるIDM(Intelligent Dance Music)に属する新世代のダンスミュージックになるのだろうか。一部ではAphex Twinも引き合いに出されるなどしておりますが、むしろインテリジェントと言う言葉の意味からはかけ離れた遊び心に溢れたおもちゃ箱をひっくり返した様な電子音楽世界と言ってもいいかもしれない。腰に来るダンスミュージックや歪なグリッチ、夢見がちなチルアウト風やインドらしき異国情緒匂う音まで、纏まる事を一切拒否するかと言う位にごっちゃごちゃ。Border Communityにも通ずる毒々しいサウンドと相まって奇想天外な印象が強い。けれどリスナーを突き放す様な音楽ではなく、牧歌的で人懐っこいメロディーがアルバムを貫いているおかげか、強烈なサウンドの割には不思議と優しく温かい感情を感じ取る事が出来るだろう。ただ単に奇抜さだけを狙うのではなく、インストではあっても非常に歌心溢れたアルバムと言えよう。

試聴

Check "Gold Panda"
| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/11/20 AT-FIELD @ EFFECT
祝・脱DJ童貞!!

友達の下川カユコさんと全玉ちゃんが企画するAT-FIELDと言うパーティーでDJしました〜。自分が思ったよりも多くの人に遊びに来て頂いて、本当にどうもありがとうございました。ミキサーも持ってないんで当然繋ぎも出来ないので内心不安でしたが、取り敢えず自分の好きな曲をがしがしと回させて頂きました。う〜ん、レコードはやはりピッチ合わせや繋ぎが難しい…。後でCDJも使ったんだけど、BPM出るからレコードよりかなり扱いが楽でしたね。続きで回した曲やパーティーのお写真でもどうぞ〜
続きを読む >>
| EVENT REPORT2 | 17:45 | comments(12) | trackbacks(2) | |
Arpanet - Quantum Transposition (Rephlex:CAT161CD)
Arpanet-Quantum Transposition
Amazonで詳しく見る

Underground Resistanceに所属していたデトロイトの最後の謎・Drexciya。そのオールドスクールなエレクトロは恐怖すべき程暗く、そして深い。世界中のアーティストから賞賛を浴びていたユニットも、メンバーの一人・James Stinsonの死によって終焉を迎える。しかし先にDrexciyaを脱退していたGerald Donaldがその血を受け継ぎ、様々な名前で現在も活躍しております。そしてその名義の一つ、Arpanetの2005年作はなんとRichard D. JamesことAphex TwinのRephlexからリリースされてるんだ。リチャは以前インタビューでデトロイトテクノには全く興味は無いけれど、Drexciyaだけは大好きみたいな事を言っていたんだな。だからきっとRephlexからDrexciya関連の作品をリリース出来た事は、きっと彼にとっても名誉な事に違いない。内容の方もばっちりでかつてのオールドスクールなKraftwerk系のエレクトロにアンビエントっぽい浮遊感も感じさせ、そしてDrexciyaの悲壮感漂う暗さも充満しております。光の射さない深海を彷徨う潜水艦の如く、やはりDrexciyaには明るい地上からは徹底的に隔絶された求道的な物を感じるね。ただDrexciyaの時からは幾分か音もすっきり洗練されてきているので、比較的聴き易くなっている印象もある。それを良しとするかどうかは人それぞれだけど、僕は好きです。

試聴

Check "Drexciya"
| TECHNO7 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Warp20 (Recreated) (Beat Records:BRC-242)
Warp20 (Recreated)
Amazonで詳しく見る

冷静になるとブログにひでぇ事書いたなぁと気付く。時々狂ったりモヤモヤすると書かずにはいられなくなるが、これじゃあただのキモメンがスーパーキモメンになり、今まで以上に女の子はドン引きだ。しかし記録は記録、自分への戒めとして消去はしない。

テクノと言う常に改革を望む世界において、一つのレーベルが20年も続くと言うのはある意味奇跡でもある。そんな奇跡を実現したのがUKのWarp Recordsで、今年で遂に20周年だそうだ。それを記念してリリースされたのが本2枚組で、Warpの音源をWarpのアーティストがリメイクしたコンピ。とは言え正直なところ自分には物足りなさの残る企画で、昔のWarpの音を期待している人は完全に肩透かしを喰らうだろう。当たり前の事なんだけど、これはテクノの殻をぶち壊してレフトフィールド的な自由性を持った音楽性を進んでいる今のWarpの音が中心だと言う事。僕はやっぱり昔のインテリでダンスフルな頃のWarpに思い入れがあるから、その時点でこの企画とはもう合わなかったんだろう。またリミキサーにBoards Of CanadaやAndrew Weatherall、Aphex Twin、Speedy Jら重鎮が入ってないのは、物足りなさどころか失望さえ隠せない。ぶっちゃけな話90年代の重鎮に比べると、今のWarpのアーティストってそんなに魅力的には感じられないんだ。色々手を広める事で時代を生き抜いてきたのは分かるけど、テクノの可能性をもっと見つめ直して欲しい。ま、単純に言えばもっとテクノを聴かせろってだけだ!

試聴

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO7 | 09:45 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Applescal - A Slave's Commitment (Traum Schallplatten:TRAUM CD21)
Applescal-A Slaves Commitment
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
田中美保のアヒル口はパネェ破壊力。カワユスなー。単純に最近TVに出ていてなんとなくね。

Dominik Eulberg、Thomas Brinkmannなどのケルンミニマル、そしてNathan Fake、Minilogue、ExtraweltらのプログレッシヴなサウンドまでリリースするドイツのTraumから新星が掘り出されました。そのアーティストこそApplescal。このデビューアルバム、やばいよ、とても新人とは思えないディープな出来です。Aphex Twinの牧歌的な夢の世界とBorder Communityの淡いサイケデリックな世界を足して4つ打ち、またはミニマルにした超ぶっ飛びサウンド。時にトランシーに時にアシッディーに流麗なメロディーを奏でながらも毒々しい狂気が滲み出ていて、かなり精神的に病んでいそうな中毒性を感じさせます。中にはNathan Fakeまんまな有機的なシューゲイザー的なトラックもあったりまあ色んなアーティストの良い処取りみたいな面もあるんだけど、それを踏まえてもかなりの完成度なんじゃないかな。童心に還った遊び心とフロアでの実用性、そして濃厚なエクスタシーの蜜月の出会いから生まれたダンストラックが満載。

試聴

Check "Applescal"
| TECHNO7 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Clark - Totems Flare (Warp Records:WARPCD185)
Clark-Totems Flare
Amazonで詳しく見る(US番)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Aphex Twinフォロワーと言っても差し支えない同じくWARPに所属するChris Clarkの最新作。初期のノスタルジーなエレクトロニカ、ポストロックも取り入れた前々作、そして強烈なダンスビートを叩き出しフロアへと足を踏み込んだ前作と常に変化し続けている訳ですが、新作では更に変化を遂げてギクシャクとした捻りのあるビートを高速で鳴らしたり、狂ったようにノイズが注入されたり、ある意味Aphex Twinの未発表音源と言われても気付かないトラックもあったりする。勿論これは進化ではなくただの変化であり、既に革新的な要素も無い事は承知している。しかし壊れかけの世界観を演出しながらもどこかノスタルジックな感情を呼び起こす旋律が入っていたり、やかましいトラックが多い割には意外にもしっかりと聴ける音楽的要素が大きい。何よりリミッターが解除された様に自由気ままに作った風に感じられて、遊び心に溢れた奇怪なトラックは聴く者をポジティブにしてくれると思うのです。アルバム終盤の静謐さを活かしたメランコリーなアルバムなんかも、次は作って欲しい気持ちもありますが。

試聴

Check "Chris Clark"
| TECHNO7 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Aphex Twin - Drukqs (Warp Records:WARPCD92)
Aphex Twin-Drukqs
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
テクノの歴史上、最も物議を醸し出していると言っても過言ではない狂った天才・Aphex Twinが、サマーソニックにおいて7年ぶりの来日を果たします。海外では結構ライブ(DJ?)しているみたいだし、大金をすぐに積んであげる日本にもちょこちょこ来てくれると嬉しいのですが。エレクトラグライドにも来日してたけどその時はRadio Boyのライブに行った為エイフェックスに行けず、そして今回も仕事があるのでまたしてもエイフェックスのライブは体験する事が出来ません。さてこの10年程は初期の頃に比べるとリリースペースががくんと落ちている彼ですが、この2001年にリリースされた本作も前作から5年ぶりだったので注目を浴びていました。内容的には賛否両論で、個人的にもそんなに思い入れの無いアルバムです。それまで時代の遥か先に位置していた彼が遂に時代に追い越され、そして平凡とまでは言わないものの斬新性が失われてしまった作品でしょう。いびつで不規則かつ強靭なビートによるドリルンベースと、そして対照的に悲壮感に満ちたメランコリーを感じさせるダウンテンポ、その二つがほぼ交互にやってくるだけのユーモアの無い構成。各曲も未発表曲を寄せ集めただけの様なクオリティーだし、快楽の後の虚脱感みたいな落ち込み具合はやはりタイトルのドラックスと関係あるのでしょうか?周りに期待され過ぎるのに疲れちゃったのかとも感じます。初期の頃の夢見る少年的なノスタルジックな世界観も笑えるユーモアも、もうここには存在しておりません。と自分的にはかなり評価を落としたアルバムですが、数年後に"Analord"(過去レビュー)で彼は復活した訳でした。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO7 | 02:00 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

試聴

Check "Joris Voorn"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Aphex Twin - Classics [Original recording remastered] (R & S Records:RS95035RM)
Aphex Twin-Classics
Amazonで詳しく見る

続いてR & Sリイシューシリーズ第二段の一つ、奇才・Aphex Twinの初期作品集"Classics"。"Digeridoo"、"Xylem Tube E.P."から全曲、そしてリミックスやライブ盤を収録したコンピレーションですが、間違っても"Classics"などと言うタイトルを鵜呑みにして臨んではいけない作品です。初めてテクノを聴く人に本作を聴かせたとしたら、間違いなく頭が狂っていると思われるでしょうし、大音量でかけた日には近隣から苦情が来る事請負の音楽。何と言っても狂った様にディジェリドゥが暴走する"Digeridoo"こそがハードコア中のハードコア、よくぞまあこんな音楽を思いついたもんです。そしてその後に続くメタリックかつインダストリアルで破壊的なテクノサウンドこそが、彼の変態な音楽性を象徴していると言っても過言ではないでしょう。かと思えば快楽性を追求した"Polynomial-C"や"Analogue Bubblebath 1"の様に、まるで夢見るメンヘラーの世界を表現したテクノもあるし、正直リチャードの頭がどうなっているのか理解出来ません。両極端な凶暴性とロマンスが表裏一体となって、リスナーを悩ましそして虜にする唯一無二のリチャードワールド。90年前半のテクノ黄金時代を象徴する名作の一つではないでしょうか。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Aphex Twin - Selected Ambient Works 85-92 [Original recording remastered] (Apollo:AMB3922RM)
Aphex Twin-Selected Ambient Works 85-92
Amazonで詳しく見る

さてこの度のR & Sのリイシューシリーズの中でも特に注目すべきは、やはりこの作品、Aphex Twinの"Selected Ambient Works 85-92"でしょう。数年前までは中古で見かけるのも珍しくなかったのですが、いつのまにかレア化していた様で最近ではオークションなどでも高騰していたみたいです。こんな傑作が手に入れづらいなんて、テクノの普及にとっては大変なマイナス要因であり残念な事でありました。なので今回のリイシューは本当に喜ばしい事で、今こそ全世界で一家に一枚普及させる時なのです。内容に関しては過去レビューでも書いているのですが、夢と現実の狭間で快楽と狂気を行き来するテクノって感じでしょうか。今更特に説明なんか必要無い位の歴史的大傑作なので、テクノ好きは必ず買っておけと言うアルバムです。しかしこの作品が世に出てから既に15年が経っているのに、尚もこのアルバムはそのオーラを失うどころか輝き続けております。多分このアルバムは一生聴き続けるんだろうなと僕は思います。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO6 | 20:45 | comments(2) | trackbacks(1) | |
The Orb - Back To Mine (DMC Publishing:BACKCD12)
The Orb-Back To Mine
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤) Amazonで詳しく見る(US盤)
クラブで踊り狂って聴くだけがテクノではなく、家の中でまったり寛ぎながら聴く事が出来るテクノ。電子の音を心落ち着かせ静かに聴いてみるのも乙だと思います。この"Back To Mine"シリーズはパーティーの後、家に帰り喧騒の後の余韻を楽しむ為の音楽、みたいなコンセプトのMIXCDなのですが、ここで注目すべきはThe OrbのAlex Patersonが手掛ける本作。ネットで色々読んだ話だと実際のDJではテクノに限らず何でも回すぶっ飛んだプレイらしいですが、本作では良い意味でリラックスしたムードにまとめていて彼の普段のアンビエントな雰囲気が好きな人にはすんなり受け入れやすい内容となっております。冒頭ではAphex Twin、Charles Webster、Juno Reactor、B12などのテクノ、トランスで一見普通なのですが、その後突如ヒップホップやフォーキーな曲が入ってきます。ですが、特に違和感も無いのは全体的に牧歌的なムード漂う曲を選曲しているからでしょうか。その後もノンビートなアンビエントやエレクトロニカっぽいものまで無秩序に投入されますが、ジャンルはばらばらなれど何にも違和感が無いのは不思議。まあMIXCDと言っても大した繋ぎをしている訳でもないのである意味ただのコンピなのですが、選曲センスがやはり良いんですよ。このCDを聴いている間だけは時間がゆっくり進んでいるかの様な感覚に陥り、確かにパーティー後の安らぎの空間を的確に表現しているんじゃないでしょうか。しかしこういうのを聴いていると、クラブでのチルアウトルームに行きたくもなってしまいますが。

Check "The Orb"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Autechre - Quaristice (Warp Records:WARPCD333)
Autechre-Quaristice
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Autechreの1stアルバムはまだアンビエンス漂う聴き易いテクノでしたが、アルバムをリリースする毎に定型を崩しながら奇妙で無機質になり理解が難しくなっていきました。そんなこんなで自分も近年のAutechreの作品は惰性で買い続けると言う形が続いていて、ぶっちゃけそんなに聴き込んでおりません。そして最近新作が出たのでやはり惰性で買っておきましたが、まあ意外と良かった(失礼)。進化か退化かは分かりませんが、初期の頃のアンビエンスなムードが多少なりとも復活している事、そして曲数が20曲もあり一曲が短いので聴き易くなっている事、それらが良い方向に作用していると思います。勿論アンビエントミュージックだけでなくどぎついマシン音が奇天烈に弾けるメタリックかつインダストリアルな作風もあるし、その壊れっぷりは相変わらず。しかしAphex Twinが直感や衝動に因って生み出してきた音に比べると、やはりAutechreは全て計算の上で難解なテクノを作っているので、Aphexの壊れ具合とは良くも悪くも度合いが異なるんですね。インパクトなり破壊的なパワーはいまいち欠けている気がします。逆に言うと実験性と単純に音を楽しむバランスが上手く取れているとも考えられるし、それが彼らの特徴なのかもしれないですね。近年のAutechreの作品の中では一番楽しめる内容だと思うし、まだまだAutechreは終わったりなんかしないはずです。

試聴

Check "Autechre"
| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Autechre - Incunabula (Warp Records:WARPCD17)
Autechre-Incunabula
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
UKテクノの牙城・Warp Recordsにおいて初期から現在まで末永くレーベルを支えているユニット・Autechre。テクノの変異体と言うかインダストリアル、ヒップホップをテクノに取り込み無機質な感覚で再構築するとっつきにくい音楽性。それが最近の彼らの持ち味。最近新作が出たばかりなのですが、その前に彼らの衝撃の1stアルバムを久しぶりに聴いてみました。うむ、やっぱり初期のAutechreの方が断然良いですね。実はこれWarpの名物シリーズ・Artificial Intelligenceの7作目で、だから音もまんまメロディアスでアンビエント調の曲が多いのです。近年程ビートは強烈ではないのだけれど、適度に尖ったブレイクビーツも聴けるしヒップホップを多く取り込むその後の予兆も垣間見えていますね。最近の作風と比べると古臭いと感じる人もいるかもしれませんが、90年前半のテクノが黄金時代と感じる人が多いのはここら辺の音の影響が大きいのです。新しい音がどんどん出て来て一番テクノが面白かった頃の音って感じです。ちょっとAphex Twinの「Selected Ambient Works 85-92」の後を追っている感も強いですが、夢見がちなテクノ少年にはお勧めの一枚ですよ。

試聴

Check "Autechre"
| TECHNO5 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Clark - Turning Dragon (Warp Records:WARPCD162)
Clark-Turning Dragon
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!Chris Clarkがパワーアップして帰ってきたんだ。家の中からドアを蹴り上げ飛び出し、フロアに舞い降りたんだ。

そうChris Clarkと言えば良くも悪くもAphex Twinフォロワーであり、Warpのインテリジェントな音を的確に表現していたはずであった。前作は買っていないけれど、ポストロックに歩み寄った作品であったらしい。そして最新作は見事にフロアを意識した4つ打ちテクノになっていたのである。しかしその尖り具合、壊れ具合は依然沈黙しているAphex Twinを尻目に更に凄みを増し、Warpのインテリジェントなイメージを破壊しようとすらしている。チープなシンセの歪んだ音色も相変わらず昔からのテクノ好きな人に受けるだろうが、何より4つ打ちを叩き出しながらも細かいリズムも入ってくるプログラミングが素晴らしい。やたらと手数が多いけれどハードかつ勢いのあるグルーヴは、かつてリスニングミュージックであった頃のClarkのイメージを一片に払拭させている。と言うよりも本作を聴いて浮かんだイメージは、ハードテクノのSurgeon。勿論Surgeon程に極ハードな訳ではないけれど、同じようにインダストリアル色を纏っていて無機質な感触がある。まさかこんな路線に転向するとは思っていなかったが、冒険は成功したと言える名盤だ。

試聴

Check "Chris Clark"
| TECHNO5 | 16:40 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Surgeon - This Is For You Shits (Warp Records:WARPCD151)
Surgeon-This Is For You Shits
今年も残り僅かになってきましたが、年内のレビューは今日で最後です。日頃このサイトをまたーりとご覧になって頂いている方、コメントして下さる方、どうもありがとうございました。見てくださる方がいると思えればこそ、ブログの更新が続く理由の一つかもしれません。偏見と極度に偏った音楽の好みで役に立たないレビューも相当数ありますが、来年もテクノ中心で聴く所存であります。

さて今年のトリを飾るのはミニマル、エレクトロハウス流行の中において全くシーンに目を向けずに独自の路線を突き進んでいるAnthony ChildことSurgeonのミックスCDです。以前にもMIXCDは出してるけれどその時は自身の作品だけを使用していたので、本作でようやくSurgeonの本領発揮と言う感じですかね。本作では自身のBritish Murder Boysも当然回しているんだけど、そこにAutechreやAphex Twinの金属的な音を発する曲も打ち込んで重機工場や製鉄所が頭に思い浮かぶ様な音を発しています。テクノを聴かない人に聴かせたら、一言"うるせえ"と一蹴されそうな位うるさいハードテクノのオンパレード。あ、でもハードだけどリズムは4つ打ち一辺倒じゃなくてつんのめり系も混じっていたり良い意味で展開に波があって聴きやすいと思います。音だけ聴けばハードでガチガチで派手っぽいけれど、サドスティックな音で統一されている所には彼のストイックさを感じます。ハードテクノ復活の鍵はSurgeonが握っていると思うから、来年以降もSurgeonには頑張って欲しいですな。

ちなみに限定1000枚でオンラインのみの販売なので、気になる方は早めに。送料含めて約1500円なり。クレジットカードが必要ですよー。
WARPMARTで注文はこちら

Check "Surgeon"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO5 | 11:25 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Surgeon - Communications (Downwards:DNCD01)
Surgeon-Communications
Amazonで詳しく見る

去年はSurgeonのDJ見れなかったから今回は行くど〜と息巻いているマチュでございます。今までManiac Loveと新宿Liquidroomでと確か2回程彼のプレイを体験したはずですが、ハードミニマルDJではありながらそれ以上の内容を聴かせるプレイは圧巻。バキバキズンドコのハードミニマルにAphex Twinのメタリックな曲や、Akufen系のクリックハウスもぶち込んだり、何でも混ぜたごった煮状態。音数はかなり多めで絨毯爆撃を受ける様な破壊的なサウンドは、ディープなミニマルに移行してしまった他のハードミニマリストとは異なり常に一貫性があります。とにかく今ハードな音が聴きたければSurgeonに任せればOKと言う訳です。

そんなSurgeonの1stアルバムが本作。当初はJeff Millsフォロワーなんて言われていたけれど、今聴けばJeffとは路線の異なるミニマルだなと思います。Jeffの音は黒いファンクに満ちているけれど、Surgeonにはそうゆうファンクと言うのは余り感じられないかなと。寧ろ徹底的に感情を排したクールな音はDJ仕様を前提とするならば使い勝手の良い曲ばかりで、家で聴くよりも完全にフロアで有効なトラックが多いです。また勿論Jeffの楽曲に影響も受けてはいるんだろうけど、それ以上に彼が好きだと言うインダストリアルミュージックの影響の方が前面に出ているのも特徴ですね。非人間的な硬質でメタリックなサウンドが正にそうで、最近のしけたクリックだとかミニマルだとかを圧倒する凶悪な音は今でも格好良いです。でも出た当時はこれはこれでかなりハードな部類だったと思うけれど、近年のSurgeonは更にハードなんだよね。時代と逆行してどんどんハードに進化するSurgeonは、我が道を突き進む信頼出来るアーティストの一人です。

Check "Surgeon"
| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nav Katze - Never Mind The Distortions (Victor Entertainment Japan:VICP-62424~25)
Nav Katze-Never Mind The Distortions
Amazonで詳しく見る

多幸!歓喜!至福!感動!
この際Nav Katzeが誰だとかどんな音楽をやってるかなんて、知らなくたって問題ありません。とにかくNav Katzeのリミックスアルバムがテクノ好きには涙の出る様な内容でありまして、Ultramarine、Aphex Twin、Black Dog Productions、Reload=Global Communication、Sun Electric、Seefeel、μ-Ziq、Autechreなど通常では有り得ない素晴らしく感動的なまでの人をリミキサーに呼んでいます。これをNav Katzeと言う日本人ユニットが企画してるんだから本当に凄いと思うんだけど、果たしてNav Katzeファンはこれをどう思ったのだろう。こんな事して喜ぶのはテクノマニアだけだと思う(笑)

一応曲毎に紹介でもしておこうか。Ultramarineの仕事は可愛くポップさを強調したバブルが弾ける様なドリームポップ。これを聴く限りだとNav Katzeって、控えめにポップなメロディーを活かしたユニットだったのかしら?Aphex Twinも一見ポップなメロディーは残しつつも、硬質なインダストリアルサウンドを前面に出した廃退的な出来が素晴らしいです。Black Dogも良く特徴が前面に出ていて、細かいブレイクビーツなリズムを使って軽やかに跳ね回ります。GCもアレだな、いつも通りの幻想的にシンセサイザーが被るビートレスアンビエントで期待通りの仕事をしてくれてます。シューゲイザーを意識したSeefeelも、こだまする残響音が儚く美しいです。Autechreは無味乾燥化したAphex Twinって感じで、人間味をどこまでも廃し冷たいマシンビートを奏でています。各アーティストとも手抜き感は無くしっかり自分の味を出していて、コンピレーションにありがちな質のばらつきが無くて良いじゃないですか。こんなコンピは滅多に聴けないですよ〜。

Check "Nav Katze"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Apollo (Apollo:AMB926CD)
Apollo
Amazonで詳しく見る

古き良き時代のテクノを再考してみる。多分テクノの黄金時代は90年前半、デトロイトテクノリヴァイヴァルとそしてヨーロッパでR & S Records、Warp Records、Rising Highが活気づいていた頃だと思っています。自分はリアルタイムで体験してないのであくまで想像ではあるのですが、この頃は目まぐるしく新しいテクノが生まれてとにかく凄かったのだと思っています。とは言いつつも今でも残っているのはWarp Redordsだけと言うのは、やはりクラブシーンは流行廃りのサイクルも早いのですね。その中で最もデトロイトとコネクションを作っていたのは、R & S Recordsだったんですよね。そしてそれ以外でも素晴らしいアーティストを多く抱えていて、昔はR & Sならとにかく買えみたいな流れが自分の中にありました。ストレートなテクノから変化を求めた革新的なテクノ、そして後期はドラムンベースまで幅広く取り扱っていて、節操は無くとも勢いはあったと思います。

前置きは長くなりましたがそのR & Sのサブレーベル・Apolloのコンピレーションは、久しぶりに聴いてみると古臭くはありますがアンビエントテクノの名作がづらりと並んで居る事に気付きました。リリースは93年だからそういやアンビエントハウス熱がまだ冷め切ってない頃で、今と比べるとアンビエントが無駄に乱立していた頃でもあります。しかしだ、一曲目のKinetic (David Morley Remix)がヤバスギ。Golden Girlsって言うアーティストが作った曲なんだけど、コレ実はOrbitalの片割れ・Paul Hartnollのユニットですよ。ちょっとエスニックでトランシーなメロディーが繰り返される幻想的な曲で、Orbitalの作品以上に快楽度が高いんですよ。これを聴くだけでもこのアルバムは買う価値があると断言します。ちなみにリミキサーのDavid Morleyのオリジナル楽曲も2曲も収録されていて、こちらもモロにアナログな艶のあるシンセ音が心地良し。他にもModel 500、Aphex Twin、The Orbらも収録されていて全編微睡みの世界ですな。ほんとにApolloも良い作品が多かったんだけど、時代の流れには逆らえず2001年頃にクローズしたと思われます、合掌。

ちなみにジャケットはデトロイトテクノでは引っ張りだこのAbdul Haqqが手掛けています。

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
COM.A - Coming Of Age (ROMZ:rmz-027)
COM.A-Coming Of Age
Amazonで詳しく見る

コーマ星からやってきたヨシダエイジは、地球上にスペルマを撒き散らしエイジの時代到来となる…のかどうかは分かりませんが、エイジの射精とエイジの時代をかけたそうです。ってかけたのはどうせスペルマなんだろう。ほんとくだらない事に関してはどこまでも底抜けになれるコーマさんは、彼がテクノなんか知らなかった頃にAphex Twinに打ちのめされて電子音楽にはまった新世代のアーティストなのだ。確かコーマさんとの最初の出会いはエレクトロニカが大流行した2001年頃だったかな、日本からAphex Twin系のアーティストが出て来たみたいな紹介がされてるので興味を持ったんですね。そしてそれもあながち間違いではない様なトリッキーで精神分裂気味なハードブレイクコア、狂人エレクトロニカみたいなぶっとんだ音を日本から届けてくれたのでした。余りにも面白かったので今は無き渋谷のISMと言うクラブにわざわざコーマのライブも見に行く程で、その時の彼はPCを操りつつ腕を振り上げてノリノリで楽しんでた顔が今でも記憶に残っています。とにかく元気が有り余っているのか決してダウナーになる事もなく、笑えて幸せになれて元気を与えてくれるのがコーマさんなのです。それでやっと4年ぶりの新作が届いたのですが、狂気の面は抑えめによりポップにより楽天的に落ち込んだ日本人を励ます様にぶっとんだ音が満載です。エレクトロニカブームの終焉を余所に独自の壊れ気味なビートとハイエナジーな奇天烈サウンドを武器に、コーマの地球侵略は止まる事を知らないのでした。

試聴

Check "COM.A"
| TECHNO4 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Two Lone Swordsmen - The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate) [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1004)
Two Lone Swordsmen-The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate)
Amazonで詳しく見る

連日紹介している「Electric Soul Classics」シリーズ第二弾もコレで最後、名プロデューサー・Andrew Weatherallが舵を取るTwo Lone Swordsmenの1stアルバムが再発です。彼の音楽性の広さはプロデュースやリミックス作品を聴けば分かる通り、テクノからハウス、ダブやエレクトロ、そしてブレイクビーツやなんとパンクまで本当に幅が広いんですね。ただ一貫して根底にあるのはアンダーグラウンドスピリッツと言うべき物で、ドロドロと闇の奥底で蠢き黒光りするソウルがあります。どんなジャンルの音楽を手掛けたとしても常にどこか影のある憂いを秘め、安易でコマーシャルな世界からは離れた位置に距離を置いています。彼がそんな姿勢を失わない限りは、きっとこれからも僕は音楽に失望しなくて済みそうです。それはさておき本作は彼の作品の中でも、一番テクノと言う音楽に接近しています。テクノと言っても4つ打ちオンリーでも無く、ダブの音響とエレクトロの音質、そしてブレイクビーツのリズムを組み合わせたほんとにユニークなサウンドですね。踊れなくもないけれどネチネチとした世界観がある深い音は、家の中でじっくり聴き混むとずぶずぶと沈み込んで引き籠もれるので気持ちが良いです。救いの無い闇に囲まれていくようで決して幸福になれる音楽だとも思えないけれど、闇には闇の美しさがあると言うの身を以て教えてくれるんですね。(Drexciya+Aphex Twin)÷2みたいな狂気の大作2枚組なんで、しっかり体調を整えてから聴くべし。

試聴

Check "Two Lone Swordsmen"
| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2006
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年はPRIDEの不祥事で格闘はK-1しかTV放映されません。非常に残念です。さて、今年の年越しは万座温泉で過ごすので、31日から3日までは外出しています。なのでこの更新も前もってまとめておいたのが、自動でアップされるようになっています。今日は年間ベストを選ぶと言う事で、時間をかけて今年リリースされた物で印象に残ったのを探していたのですが、あちらを立てればこちらが立たず状態でどれを切るか本当に迷いました。年間ベストとは謳っておりますが、実際の所数日後に選び直したらまた内容は変わるだろうし、今の時点の気持ちで選んで物と考えた頂いた方が宜しいかと。でもどれも最高に素晴らしい音楽ばかりなんで、是非参考にしてみてくださいね。

それでは続きをどうぞ。
続きを読む >>
| BEST | 12:00 | comments(12) | trackbacks(4) | |
Urban Tribe - Authorized Clinical Trials (Rephlex:CAT180CD)
Urban Tribe-Authorized Clinical Trials
Amazonで詳しく見る

こんばんわ、Tokyo Experimentの管理人・マチュです。と言っても毎日更新しているのも当然私です。残念ながら今日でCDレビューは終わりです、今年のですが。来年もどんどん紹介し続ける予定ですので、これからもヨロシク。今年最後のレビューはデトロイトのダークサイド、Sherard IngramことUrban Tribeです。Mo Waxからリリースされた1stアルバム(過去レビュー)には、Anthony Shakir、Carl Craig、Kenny Dixon Jr.(Moodymann)が参加して強力なダウンテンポ作品となっていたのですが、この2NDもなかなかの物。リリースはなんとAphex Twin(Richard D. James)主宰のRephlexからと言う事で、作風が見事なまでに変容を遂げていました。いかにもRephlexらしい音で、簡単に言うとエレクトロ。電気仕掛けの鞭でビシバシとしなやかにしばかれる棘のある音で、前作のディープでメランコリーな世界は何処へやら。あ〜これは故Drexciyaを思い出してしまったよ。そう言えばAphex Twinは、デトロイト系にはそこまで関心なさそうだったけどDrexciyaだけに関しては相当興味を示していたな。だからDrexciyaにも通じるこのアルバムを、自身のレーベルから出したのかな?作品自体はシンプルなエレクトロと言ってしまえば終わりだけど、狂った感もあるハードで無機質な感覚はまるで怒ってるみたいだ。デトロイトの反骨精神が出ていると考えれば、これもデトロイトテクノの一つなのかもね。

試聴

Check "Urban Tribe"
| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - 26 Mixes For Cash (Warp Records:WARPCD102)
Aphex Twin-26 Mixes For Cash
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
オンラインで注文している新作が取り寄せになっていたりして(新譜なのに!)、一向に新しいCDを入荷出来ません。そんな困った時はテクノ史の狂った天才・Aphex Twinのアルバムでも紹介しておけば、取り敢えず場は持たせる事が出来そうです。夢心地のアンビエントから奇天烈なドリルンベース、狂気のアシッド、またはハードコア以上のハードコアまで、テクノシーンの荒れ狂う暴風雨として活動してきたAphexことリチャードさんですが、彼の場合リミックス作品も元のアーティストを馬鹿にした様な作品が多く本当に素晴らしいです。彼自身の発言で良い作品はリミックスする必要はないから、悪い作品だけリミックスを手掛けているそうですが、それって微妙にリミックスを依頼したアーティストが可哀想…。そんなリチャードさんに依るリミックストラックを集めたのだが、この2枚組アルバムです。まんま「金の為の26リミックス」、金になるからコンパイルしたのでしょうか。まあ僕は彼の曲が聴ければ構いませんが。

内容はと言うと90年代のリミックスが大半なので、可愛い電子音が踊り狂うドリルンベースから、背筋も凍り付くメタリックなテクノ、幻想的で美しいアンビエント調まで、全盛時のリチャードさんを存分に味わう事が出来ます。しかし原曲が想像出来ないようなめちゃめちゃにしたリミックスをするリチャードさん、一体彼の頭の中はどうなっているのでしょう?ただの馬鹿げた狂人かと思えば、時には子供の無邪気さが伺えるファニーさがあったり、もしこれが本当に無意識でやっているのならば天才なのかもしれない。逆に狙ってやっているのなら、相当宣伝上手な人ではあるでしょうし。そんな感情豊かな音楽ではあるけれど、不思議と音その物は無機質と言うか冷たい。クールなのかな、温度は感じずに硬質で正に金属音と言うべき音で、音その物が格好良すぎます。彼の音には、音だけでリチャードさんと分かる美学が存在します。

試聴

Check "Aphex Twin"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO4 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Global Communication - 76:14 (Discotheque:DQFDD014)
Global Communication-76:14
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
90年代のアンビエントシーンにおいて、The Orb、KLF、Mixmaster Morrisと並ぶ重要なユニット・Global Communication。かつてはAphex Twinとも活動していたと噂のあるTom MiddletonとMark Pritchardから成るユニットなのですが、前述の3人とはまた異なるアンビエントを繰り広げています。悪意とユーモアに満ちたThe Orb、ナンセンスなKLF、トラベラーズ志向のMixmaster Morrisに対し、Global Communicationは極めて真面目で音そのものの気持ち良さを追求している様に思います。このアルバムでは曲のタイトルに曲の演奏時間を付ける事により、無駄なイメージが働かないようにされ、より音その物から想像する喚起力を持っています。全編ほぼノンビートで構成されスピリチュアルなシンセ音が空間を埋め尽くし、謎めいた神秘の世界にいつのまにか誘われます。強烈な亜空間を生み出すでも無く、ドラッグでの快楽を生み出すでも無く、ただただ心地良い音色に耳を傾けるだけで良い。優しい夢の世界に身も心も任せてしまえば良いのです。

そして90年代の屈指の名盤ながらも廃盤となっていたこのアルバムが、2005年にスペシャルエディションとしてリイシューされたので、持ってない人は是非この機会に購入すべし。なんとボーナスディスクに、彼らのEPやリミックスワークを収録。アンビエント以外にもブロークンビーツやらハウスやらをやっていて、彼らの音楽性の広さを伺えます。ボーナスディスクも充実した内容で、これまら素晴らしいです。

2008/03/14追記:US盤は安いですがDISC1のみです。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Radio Boy - The Mechanics Of Destruction (Accidental:AC03)
Radio Boy-The Mechanics Of Destruction
2001/11/30の夜、日本で二つの伝説が同時に残る事となった。Electraglideにおいてテクノの狂った天才・Aphex Twinは、意外にもハードな4つ打ちテクノで万もの観衆を踊り狂わせ伝説となった。そして僕が選んだ伝説は、新宿リキッドルームにおけるRadio Boy A.K.A Herbertのユニークなライブでした。この時ばかりはさすがにスケジュールを恨みました(泣)多分僕と同じ様に困った人は、相当な数がいたのだと思う。Electraglideが行われていたにも関わらず、リキッドルームには溢れんばかりの観衆が集まっていたのだ。それもRadio Boyのライブを見る為に…。

浜崎あゆみのCDをパンパンッと割り、歌舞伎町で買ったばかりのマクドナルドのポテトフライをシャカシャカと震わし、新聞をくしゃくしゃと潰す。僕らの身の回りにある物、普段僕らが食し利用する物を次々と壊していく。(それは彼の政治への意識的な反抗を示した態度であるが、僕には良く分からないので割愛)。とにかく現場で生まれた音をすぐさまマイクで集め、サンプリングを行い音を振り分けていく。Herbert博士のぎくしゃくとした動きも面白いし、物をどんどんぶち壊していくその様も愉快そのもの。そして出てくる音はオモチャ箱をひっくり返した様に、つんのめったビートながらも笑みが浮かんでくる面白い音なのでした。彼のひょうきんな動きに合わせてリキッドルームに集まった観衆もヒートアップし、凄い盛り上がりを見せていた事が今でも思い浮かびます。

僕がAphex TwinでなくHerbertを選んだ訳は、実はこのイベントに来た人だけが貰える「The Mechanics Of Destruction」と言うRadio Boyのアルバムが欲しかったから。このアルバムはあの時のライブをほぼ再現した物であるはずですが、きっとライブを体験しないとこの凄さは伝わらないと思います。それでもやはり聴きたい方もいるかとは思いますので、期間限定で音源をアップしようかなと。以下から是非どうぞ。

The Mechanics Of Destructionをダウンロード

Check "Matthew Herbert"

(2006/06/11追加)自分で忘れてましたが、2004/10/25にレビュー済みでした…
| TECHNO3 | 22:30 | comments(10) | trackbacks(0) | |
James Holden - At The Controls (Resist Music:RESISTCD59)
James Holden-At The Controls
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
今でこそテクノやハウス方面でも注目の的になっているJames Holdenですが、元々はプログレッシブハウス畑の人です。オックスフォード大学在学中の19歳の時にリリースした「Horizons」が注目を集め、その後はSashaと共同作業をしたりリミックスを量産したり、プログレ界では若き新星として人気を誇っていたそうです。ところがその人気とは裏腹にHolden自身はレーベルの制約に縛られ、自分の好きな音楽を創れなかったと語っているのです(それで売れるなんて皮肉めいてますが…)。ならば制約に縛られない自分のレーベルを作るかと言う事で出来上がったのが、今最も旬なレーベル・Border Communityです。情報の早い人はご存じ、Nathan Fakeらを擁するプログレッシブハウスに捕らわれない真の意味で前衛的なレーベルです。ここから発信される音は、テクノともハウスともプログレともロックとも言える独特な音で、クラブミュージックとしての固定概念はありません。本当に好きな音楽を創っていると感じられるのは、その自由性の為でしょう。(逆に過去のプログレ時のHoldenが好きだった人は、今のHoldenにどう感じているんでしょうね?)

前置きが長くなりましたが、James Holdenの趣味満開のMIXCDが遂にリリースされました。これは本当に凄い、今まで数多くのMIXCDを聴いてきた僕でも結構な衝撃を受けました。いや、衝撃と言うよりもただ単純にぞっこんになってしまっただけなのですが。Richie HawtinとAphex TwinとMassive Attackが共存し、自身やBorder Communityのアーティストの曲、またはエレクトロニカやポストロックまで、多岐に渡って色々な曲が収録されています。かつては「Balance 005」(過去レビュー)と言うバリバリトランシーなMIXCDをリリースしたHoldenの姿はもはや無く、完全に一段階上がったHoldenがここに居ます。本人曰くベッドルームで聴く音楽を意識したという通り、直球ストレートなダンスミュージックはここにはありません。その代わり10代の甘酸っぱい青春を思わせる郷愁とギラギラと怪しく輝く恍惚感が共存し、身も心も溶けてしまいそうなドラッギーな世界観は今まで以上に強くなっています。Holdenの発する音は、それがプログレだろうとテクノだろうと関係無く、いつだってサイケデリックなんですね。ジャンルはばらばらでも統一感があり、そこにHoldenのセンスと言う物を感じます。これこそ新世代の到来を告げるMIXCDですよ。

試聴

Check "James Holden"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO3 | 18:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Chris Clark - Clarence Park (Warp Records:WARPCD86)
Chris Clark-Clarence Park
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
Aphex Twinを紹介したならばこいつも紹介しておかないといけない。Aphexと同じWarp Recordsから衝撃のデビューを飾った、ポストAphex Twin的なChris Clark。事前情報も全くなくいきなりWarpからデビューを飾り、多くのテクノリスナーを虜にしたサウンドとは一体。Aphexの血を濃く受け継いだいびつなブレイクビーツと擦り切れんばかりのざらついたノイズ音は、病んでいる精神世界の様でもあるが整然と組み立てられ理知的な感じが強い。また壊れかけのオモチャの如く朽ち果てながらも、時折見せるノスタルジックなメロディはBoards Of Canadaの世界観とも共振している。子供の頃の何か懐かしさが心に浮かび上がりほっとするのは、Chris Clarkの愉快な遊び心のせいか果ては狂った感性なのか。後追い的な音ではあるのだが、それでも楽曲一つ一つのクオリティーは文句の付けようの無い出来だ。そう言えば、ジャケットの赤目の子供がちょっと怖い。何とも不穏なアルバムだ。

試聴

Check "Chris Clark"
| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
AFX - Analogue Bubblebath 3 (Rephlex:CAT008CD)
AFX-Analogue Bubblebath 3
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
Aphex TwinことRichard D Jamesは最低だ、糞野郎で狂ってて、いっちゃっている。まあ色々な虚言癖があるけれど、多分それはマスメディアを小馬鹿にする為に演じてる部分も大きいんだろうけど。それにしたってここまでマスメディアやファンを騒がせ、度肝を抜き、ネタの尽きないテクノアーティストは彼の前にも後にも彼以外いないんじゃないかな。「Chosen Lords」への布石となったであろうこの「Analogue Bubblebath 3」は、なんと13年前の1993年作なんだけどこの時点から既に尋常じゃないね。ハードでメタリックなリズムが無造作に並べられて、異様かつ奇妙なアシッドな音色が絡み付き、もはやテクノとかそんな言葉で表現出来ない電子音楽化しているのだよ。正直ここまで奇抜で不愉快な音には彼の悪意さえ感じるのだけれども、何だろうね、結局僕らはAphex Twinの奴隷になってしまっているんだよね。彼の悪意の側面には子供の様な無邪気さも見え隠れし、トラック1、6、8辺りにはエンドルフィンを触発する快楽がどくどくと吹き出して来ているね。彼の対極的な2面があるからこそより彼の魅力が輝くのだろうけど、なんかそれも彼の演技の内なんじゃないかとは思う。彼の一番の力と言うのは、実はメディアへの宣伝の仕方だったのかもしれないな。勿論、音楽そのものの素晴らしさがあってこそ、ここまでの名声と評価を得たのは言うまでもないでしょうがね。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
AFX - Chosen Lords (Rephlex:CAT173CD)
AFX-Chosen Lords
Amazonで詳しく見る

去年の明けからAphex Twinが「Analord」シリーズなるものを立て続けに11枚のEPでリリースしたのですが、その頃からCD化されるんじゃないかと噂されていました。でやっぱり予想通りシリーズから10曲がChosen(選ばれて)されて、CD化されちゃいました。僕は11枚のシリーズは全部持っているのですが、EPは聴くのが面倒で余り聴いてなかったのでCD化は大賛成です。今回の「Analord」シリーズですがその名前の通り(Analog Lord=アナログ支配者)、アナログ機材を中心に作られた曲が納められています。今まで豊かな創造性と狂った感性で新しい音楽を創造してきたAphex Twinをしてもやはり限界はあるのか、「Anaload」は一昔前の彼に戻ったアシッドトラックばかりが並んでいますね。もっと言ってしまえば「Analogue Bubblebath」シリーズの一つと言われても気付かないかもしれません。不穏なアシッドサウンドで聴く者を不愉快にさせる様な音ですが、そんな視聴者の反応をAphex Twinがニヤリと笑いながら堪能していそうです。原点回帰で特に新機軸はないものの、アナログ音源だけで作ったおかげかチープな音に味があって好きな人は心底好きになりそうです。それに一聴してAphex Twinの音楽だと分かるオリジナリティーは、やはり彼の類い希なる才能の賜物ですね。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO3 | 20:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Plaid - Not For Threes (Warp Records:WARPCD54)
Plaid-Not for Threes
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤) Amazonで詳しく見る(日本盤)
昨日紹介したPlaidの1stアルバムのタイトルは「Not For Threes」。いやはや何とも凄いタイトルを付けていますね。元The Black Dogの二人組・Plaidの、The Black Dogに残った一人に対する当て付けとして思えませんが。それでも内容はやっぱり素晴らしいPlaidでありまして、1stアルバムと言う事でまだ初々さもあって結構デトロイトテクノ寄りの音だとは思います。これ以降はヒップホップ色を強めに出したりする様になるのに比べて、まだまだオリジナルデトロイトを継承しそれにブレイクビーツ載っけましたって感じが単純に好きです。今更これを聴いても衝撃も感動も無いけれど、当時聴いたならば前衛的なテクノだって感じたかもしれないですね。Aphex Twinのブレイクビーツ路線にも近い雰囲気があるし、メランコリックなメロディーとアナログ的な安っぽいサウンドで懐かしさ満載です。Black Dogに比べるとPlaidの方が楽観的で明るいのは、単純にメンバーの性格なんでしょうかね。Black Dogも現在では完全復活してるので、是非お互い競い合って頂きたいですね。

試聴

Check "Plaid"
| TECHNO3 | 23:50 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Jimmy Edgar - Color Strip (Warp Records:WARPCD116)
Jimmy Edgar-Colorstrip
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
名門テクノレーベルWARPの期待の新星、Jimmy Edgarのアルバムが遂にリリースされました。今までの別名義の作品ではポストPrefuse 73と称されるヒップホップエレクトロニカが特徴だったらしいのですが、僕がWEBで試聴したJimmy Edgar名義の作品は全然そうではなく、むしろWARPのAI(Artificial Intelligence)シリーズを思い出させるテクノでした。デトロイト出身でKevin SaundersonやJuan Atkins、Derrick Mayとも競演経験があるそうで、とにかくデトロイト新世代と言うだけで注目は集めているかもしれません。しかしデトロイト系の音を期待するよりも、やはりWARPと言うレーベルを意識した緻密なテクノサウンドが前面に出ています。綺麗目のデジタル音からチープなアナログ音まで使いこなし、ブレイクビーツやヒップホップ風のリズムの導入、デトロイトテクノの影響まんまなトラックからJuan Atkinsのエレクトロまで、とにかく良いとこ取りなアルバムです。ハイファイとローファイの組み合わせ、洗練されていながらださい所もあり、久しぶりに面白い新人が出て来たかなと言う感じです。個人的にはこうゆう破天荒なアーティストは、ポストAphex Twinに成りうるかなと思いました。でもあそこまでいかれてもなく、メランコリックなメロディーがしっかり生きていて聴きやすいですよ。

試聴

Check "Jimmy Edgar"
| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(4) | |
Sven Vath - In the Mix The Sound Of The Second Season (Cocoon Recordings:CORMIX003)
Sven Vath-In the Mix The Sound Of The Second Season
Amazonで詳しく見る

今週末はSven VathがWombに来日するので楽しみなのですが、Svenに注目し始めたのはほんと2〜3年前位からだと思います。90年代のSvenと言うとEye QやHarthouseからモロにジャーマントランスな作品をリリースしていて、それはそれで質は高かったけれど僕はかなり敬遠気味でした。それが2000年代に入るとRicardo VillalobosやRichie Hawtinらと手を組みだし、DJプレイも割とテクノ中心になって来てそこから僕も関心を持ち始めた気がします。近年は自身のCocoon Recordingsの運営も成功し、更にはイビザ島でのパーティー「Cocoon Club」も数多くの著名なDJやアーティストを招致し毎年夏の時期には大盛況となっている様です。そんな「Cocoon Club」の雰囲気をまとめたCDが、人気シリーズとなっている「In the Mix」です。彼のDJは2台のターンテーブルとミキサーのみと言うシンプルな構成で、テクニックよりも選曲を前面に押し出したプレイが特徴です。まず「Noche」サイドですが、こちらは真夜中のパーティを意識したハードなプレイ。意外にもSurgeonやDJ Shufflemaster、Speedy Jなどの曲で疾走感のある硬いハードテクノ、中盤はブリブリのジャーマンアシッド、終盤はデトロイト系で爽やかに、手堅く聴きやすい選曲です。昔のSvenからは想像だに出来ないプレイですね(笑)。そして昼間のアフターアワーズを意識した「Dia」サイドはハウシーなテクノで、うっとりまったり宴の後の和んだ雰囲気です。こちらの方がメロディーを重視した曲が多く、Svenの危なげな妖艶さが上手く生かされていると思いました。昼と夜、対照的な2枚に仕上げたので存分に彼のプレイを楽しめる素晴らしいMIXCDですが、この作品も2001年作、近年のSvenのプレイとはまた違っていたりします。

試聴

Check "Sven Vath"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I Love Techno The Classics (541:541416501453)
I Love Techno Classics
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
ベルギーのテクノフェスティバル「I Love Techno」の10周年を記念したコンピレーションアルバムが出ています。テクノにおける傑作をこれでもかと言わんばかりに収録した怒濤の3枚組、もうお腹一杯一杯なボリュームです。収録曲を見て貰えば分かるけど、最新の曲ではなくて過去の名作を集めていてテクノを昔から聴いている人には懐メロ特集みたいな感じ。しかしこうゆうコンピレーションはただヒット曲を集めましたってだけの、コンセプトも何も無い記念の為のリリースで、長くテクノを聴いている人には余り食指は動かないかもしれないですね。だけどこういったテクノベストを出す意義もある訳で、それはやっぱりこれからテクノを聴いてみたいと言う人にはうってつけだと思います。いきなり小難しいテクノを聴くよりとにかく派手で受ける曲を聴いて、それから色々なテクノを模索するきっかけになれば良いんじゃないでしょうか。もしくはEPを買わない人なんかにも勧められると思います。とにかくヒット曲満載、本当に良い曲ばかりです。

試聴

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Karafuto - Cisco Techno Shop 3rd Anniversary
Fumiya Tanaka

田中フミヤと言えばミニマル/クリックハウスのDJだと思われていますが、想像以上に器用なDJでありましてハウスのMIXCDなんかも出したりしていました。シスコの記念イベントで手に入れる事が出来たこのMIXCDは、P2Pソフトなんかでも流れているので容易に手に入ったりするのですが、実に販売しないのがもったいない位の素晴らしいハウス系のMIXCDであります。普段の田中フミヤからは想像出来ない穏やかで優しく、そしてアンビエントテイスト溢れるディープハウスを終始プレイ。トラックリストは付いてないので曲は詳しくはわかりませんが、Larry HeardやAphex Twin、Massive Attackなんかも使用されています。淡々とクールな田中フミヤの様ですが、やっぱり熱いソウルの持ち主と言うか普段はそういった面を隠していただけの様ですね。リズムありきのテクノMIXではなく、メロディーありきのハウスMIXでストレートに叙情性を打ち出しています。テクノと違ってMIXに関して難しいテクだとかそんな披露をする事もなく、ただただ緩やかに気持ち良い曲を繋げていき終始リラックスした空気を保ち続けているんですよね。これ、販売すれば相当売れると思うんですけどね…。

Check "Fumiya Tanaka"
| HOUSE2 | 23:00 | comments(9) | trackbacks(0) | |
μ-Ziq Vs The Auteurs (Astralwerks:ASW06145-2)
μ-Ziq Vs The Auteurs
Amazonで詳しく見る

Aphex Twinともよく同系列で語られているMike Paradinasことμ-Ziq。このアルバムは、μ-ZiqがThe Auteurs(って誰?)のアルバムをリミックスした物の様ですが、オリジナルを全く知らない為比較は出来ません。当然μ-Ziqがリミックスしているので音は完全にテクノ、それも彼にしては比較的ノイジーで硬派な作業を行っています。メタリックな音質であった頃のAphex Twinに近い物があり、鋭い金属音的なリズムトラックは荒廃しているかの様です。なのに牧歌的でほのぼのしたメロディーが奏でられ、優しく穏やかな世界観を演出します。なんだかやっている事がほんとにAphex Twinと似通っているのはたまたまなのか、もしくはどちらかが影響を受けたのでしょうか?Aphex Twinと比べればそこまでの変態性とか凶悪性は感じられず、思いつきよりも頭で考えて作った様な音楽だと思います。ずば抜けた馬鹿加減とか凶悪性は無いけれど、いかつい音なのに聴きやすくポップでメルヘンチックな田園風景を思い浮かべました。

Check "μ-Ziq"
| TECHNO2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
AFX - Hangable Auto Bulb (Warp Records:WARPCD138)
AFX-Hangable Auto Bulb
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
1995年、Aphex TwinがAFX名義で出した「Hangable Auto Bulb」のPart 1 & 2の激レアEPが、めでたく一枚のCDとして編集され発売されています。「Hangable Auto Bulb」は彼が当時展開していた「Analogue Bubblebath」シリーズのアナグラムではないかと言われていますが、実際は定かではありません。内容はと言うと1995年と言う時代をそのまま象徴したかの様な、ドラムンベースもしくはドリルンベースで破天荒かつメタリックなハードな作風です。現在に比べると荒々しく未成熟な面もありますが、エネルギッシュでシーンをぶち壊す様な勢いに溢れていますね。今聴くとそれ程驚く音でもないのですが、当時は奇怪な目で見られているんだろうなと想像出来ます。ハードな音にも関わらず、メロディーはドリーミィーで子供じみたチープな旋律を奏でて不思議な世界です。でもなんだろう、何故か彼の音には不安と恐怖を煽る危うさがあります。どんなに明るくてポップでも狂気が見え隠れし、一筋縄ではいかないんですよね。どんな性格してたらこんな音楽が出来るんでしょうね、ほんと不思議です。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(5) | |
COM.A - My Way〜singles and remixes collection (ROMZ:rmz-012)
COM.A-My Way〜singles and remixes
Amazonで詳しく見る

Rom=Pariの弟の方がCOM.A。コーマと読みますがコーマンコーマンと呼んであげた方が似つかわしい。このアルバムはTigerbeat6(Kid 606主宰)やFat CatからリリースされたEPや、コンピレーション提供曲、新曲、そしてリミックス曲を集めた物です。が、普通のオリジナルアルバムの様に統一感があり、違和感が全く無いのが不思議な所。Joseph Nothingに比べるとビートが強めで、同じAphex Twinチルドレンでもむしろハードでメタリックだった作品の頃のAphex Twinに近い。つんのめる様な音数多めの硬めのリズムに、ピコピコなレトロコンピューターちっくなシンセが乗っかり、相変わらず新鮮なんだか古いんだか微妙な時代感。しかし周りの全てをぶち壊す様な勢いはパンク魂を感じずにはいられない。Rom=Pariにもあったパンク感と言うのは、COM.Aが持ち合わせていたのだとこのアルバムを聴いて確信した。お笑いの為の悪戯とテクノのオタク感と下ネタを、めちゃくちゃにシャッフルした変態テクノ。ふざけてる様な音に聞こえるけど、かなりテクノしている。

試聴

Check "COM.A"
| TECHNO2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joseph Nothing - Dummy Variations (ROMZ:rmz-005)
Joseph Nothing-Dummy Variations
Amazonで詳しく見る

Rom=Pariの兄貴の方がJoseph Nothing。エレクトロニカが流行った頃に早速購入して随分はまったものでした。元々はMike Paradinasが立ち上げたPlanet Muからリリースされていましたが、その後ROMZから新たに発売される事に。Rom=Pariの片割れと言う事で破天荒かつチープなテクノ?は健在、子供がオモチャ箱をひっくり返し脳天気に遊んでいる姿が浮かんできます。音的にはもろにドリルンベースやってた頃のAphex Twinの影響受けまくり。かといって物真似的なイメージより、もっとぐちゃぐちゃに壊れてやりたい事をやって楽しんでいる気持ちの良さが伝わってきます。安っぽいストリングスの音やださめの声、外国から見た感じの勘違い和風メロディーなどとてもIDM全盛の音ではないけれど、何故か当時の印象はかなりでかかったです。今でもCOM.Aと共に精力的にインデペンデントな活動を行っていて、これからも期待の出来るアーティストです。エレクトロニカが一番楽しかった頃の思い出。

試聴

Check "Joseph Nothing"
| TECHNO2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Rom=Pari - View (Beat Records: BRC-13)
Rom=Pari-View
Amazonで詳しく見る

KID 606の紹介の時にも出て来たJoseph NothingやCOM.A。実はこの二人兄弟の関係であり、Joseph Nothing=兄とCOM.A=弟となっている。そしてなんとなんと元々は伝説のRom=Pariとして一緒に活動していたのである。数年前にエレクトロニカが大ブームになった頃、Rom=Pariの存在に僕は気付いたのだがそれよりも更に前に彼らはこのアルバムを出していたのだ。アルバムの帯にはこう書いてある。「ひずんだ音、ゆがんだ人格、そして偏執愛。時に甘く切ない、悪夢の様な物語。INDUSTRIAL?DEATH?それともFANTASY?!!!」もうこれだけで他に説明の余地はいらないとさえ思う。とにかく壊れているのだ。これは和製Aphex Twinとも言えるかもしれない。ハチャメチャなまでのドリルンベースに、メタリックで強烈な金属音がこれでもかと打ち鳴らされる。そして余りにもチープなシンセ音が愛らしくビロビロと導入され、現実と虚構の世界に飛ばされてしまうのだ。何故にここまで破壊的であるのだろうか?痛快で破滅的でテクノ版パンクとも言えるかもしれない。妄想じみた狂気の天才とも言えるかもしれない。しかし、しかしである。凶暴な暴力の裏には、最大まで膨れあがった愛がある。愛するが故の暴力なのか?狂っている、もはや常人ではついて行けないかもしれない・・・なんて事も無く、音楽を真面目に愛するが故の笑いと美意識に溢れた、早過ぎたエレクトロニカ。ジャケット見ればだいたい音も想像付くかと…。

Check "Rom=Pari"
| TECHNO2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Saint Etienne - Casino Classics (Heavenly:HVNLP 16-CD)
Saint Etienne-Casino Classics
Amazonで詳しく見る

TVであの人は今?!みたいな事を時々やっているけれど、このユニットに関しても同じ言葉を投げかけたくなる。今時Saint Etienneなんか耳にしなくなったけど、1995年頃までは結構人気あったと思うし、実際にポップでダンスフルな良い曲出してたと思うよ。このユニットが凄いのは時代を嗅ぎ分ける嗅覚力に優れていた点だと思う。リミキサーにその時代に旬になりつつあるアーティストを起用して、テクノ方面にも受けるような曲を残していたんだよね。有名所ではThe Chemical BrothersUnderworldAphex Twin、またマニア向けにAndrew Weatherall、Secret Knowledge、David Holmes、Broadcastなどにリミックスを頼んでいるよ。そんなリミックス作品をこのアルバムでドンッ!と一まとめにしちゃったのです。やはり僕はAphex Twinのリミックスが好きかな。不安げで暴力的なメタリック音で加工されて、原曲は一体どこに見えるの?って感じの相変わらずのリミックス。インダストリアルっぽい雰囲気で大好きだよ。後は、David Holmesのリミックスも良いね。これはアシッドバリバリな激渋ミックスで、彼のハードボイルドな一面が表に出ていると思うよ。しかしこれも原曲を見事に台無しにしたリミックスで、Saint Etienneファンの80%位はぶち切れそうだよね。僕はこうゆう原曲を解体して、新たな世界を作り出すリミックスと言うのも大好きだよ。Chemical Brothersも同じ曲をリミックスしてるんだけど、比べてみるとこっちはただのブレイクビーツでちょっと威力があまり感じられない。でも一番格好良かった頃のChemical Brothersらしいリミックスだとは思うよ。他にも色々リミックスが入ってるし、全体的にCOOL!に作られているからテクノ好きな人には聴いてみて欲しいな。

Check "Saint Etienne"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Bryan Zentz - Seven Breaths (Intec Records:INTECCD02)
Bryan Zentz-Seven Breaths
Amazonで詳しく見る

テクノ、この単語一つを取ってももはやテクノは収集がつかない程に幅を広げ、そして現在もその広がりは止む事が無い。Aphex TwinやKen Ishii、Carl Craigだってテクノだし、The OrbやBasic Channelだってテクノと言えるし、Rei Harakamiみたいな奇天烈なのだってテクノと言えると思う。しかしながらスタイルとして考えると去年出た「Joris Voorn-Future History」みたいなストレートなのが、正統派もしくは王道的なテクノだと僕は思っています。この作品もそんなストレートで単純だけど、かっこいい王道的なテクノだと思います。Carl Cox主催のIntecから出たこのアルバムは、ダブっぽい音響やヒップホップのビートも入ってるしどこがストレートなんだよ?って思うかもしれませんが、要は音楽に対する姿勢みたいなのが正統派だと思っています。若さ故のこの単純な勢いと言う物は、経験を重ね色々実験を積み重ねていくベテランにはなかなか無い物であり、グイグイと引っ張られる求心力を感じます。もちろん大半の曲はハードエッジで、ぶっといベースに硬質なリズム帯が連ねるグルーヴィーなIntecっぽい作品なので、特に目新しい事もないでしょう。それでもKevin SaundersonやCarl Cox、Slam等もお気に入りで、テクノクラシック殿堂入りの「D-Clash」には誰もが引きつけられる事でしょう。Inner CityのGood Lifeの上物にハードグルーヴを足した様なこの曲は、何度クラブで聴いても気持ちが良いものです。

試聴

Check "Bryan Zentz"
| TECHNO1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - I Care Because You Do (Warp:WARPCD030)
Aphex Twin-I Care Because You Do
Amazonで詳しく見る

Aphex Twinを語る上においてはアンビエント方面と、そしてもう一方のハードコアについても語る事が重要だと思っています。勿論彼の代表作は「Selected Ambient Works 85-92」と言う事に異論は少ないと思いますが、破滅的なまでの彼のハードコアには目を見張る物があります。このアルバムはそれ程ハードコアと言う訳ではないけれど、とにかくメタリックで硬質な音が最高に素晴らしいです。自分でシンセを改造していると言う事を主張していますが、あながち嘘ではないのかと思う位独自の音を発しています。半ばインダストリアルさえも感じさせる、恐怖と不安に陥れる破壊的な音。更に予測の出来ない常軌を逸脱した不規則なリズムパターンに、脳の奥底まで響き渡る強烈なノイズ。とにかく普通のテクノを通り越して、Aphex Twinの音としか表現出来ない世界を作り上げています。とは言いつつも、硬いリズムの上にAmbient Worksの流れを組んだ様な切ないメロディーが載ったりする曲もあるし、ちょっとほっとしたりします。多分ハードコアな一面しかなかったら、みんなAphex Twinの事をここまで賞賛しなかったかもしれません。彼の音楽性はハードコアとアンビエントの上を綱渡りする様な、危ういバランスの元で保たれているのではないでしょうか。きっとジャケットを見ただけで不機嫌になる人もいるかと思いますが、内容も似た様な物だと思います。そして好きか嫌いかの両極端に分かれても、好きな人にはずっと愛し愛される様な作品になる事間違いないと思います。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO1 | 11:37 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Aphex Twin - Selected Ambient Works 85-92 (Apollo:AMB3922CD)
Aphex Twin-Selected Ambient Works 85-92
Amazonで詳しく見る

寒くて寒くて家を出る気にならず、週末暇だったのにクラブにも行かずに家でネットして怠惰に過ごしてます。冬は正直クラブに行くの面倒だよね。厚着してくからクラブの中で脱いでロッカーに入れたり、手間も金もかかるし。でも後になってやっぱりパーティーに行けば良かったと思って後悔したり。

そういえばAphex Twinの久しぶりに新譜が出たけど、どーですか?僕は好きですね。今更斬新さを求めるのは酷なので、今回みたいにアシッドで単純にかっこいい作品を出してくれるだけで良いと思います。新譜ついでにAphex Twinの中で最もポピュラーな作品を紹介しましょう。と言ってもありとあらゆる所でレビューはされてるし、今更僕が紹介する必要も無いとは思うのですが…。彼の経歴から紹介しようと思ったけど、それを述べるだけでも膨大な量になるので経歴についてはGoogle検索でも参考にしてください。

でこの最もポピュラーな「Selected Ambient Works 85-92」なんだけど、これは僕がデトロイトテクノ並に影響を受けた音楽の一つで、ほんと何度聴いても飽きない作品です。まず何と言っても1曲目の「Xtal」、これによって僕はこのアルバムの虜になってしまったのです。若干アンビエントも混ざった牧歌テクノ?とでも言うのでしょうか。アンビエント風ではあるけれど、ノンビートでは無いしそんなにも快楽的と言う訳ではありません。むしろこれはAphex Twinの脳内妄想を、音として具現化したのではないかと思います。その若かりし頃のオナニー表現と言える物が、何故こんなにも多くの人を引きつけるのか、それは僕にも分かりません。ただ田舎の田園風景を喚起させるような優しいメロディーと、浮遊感のある幻想的な音が、ひたすら気持ち良いと言う事でしょう。ノイズ混じりのお世辞にも録音状態が良いとは言えない物だけど、逆にそれが手作り感覚を思わせ温かみを感じさせます。同様にこのアルバムにはアンビエント風の曲が多いのですが、それだけではありません。極度に捻り曲げられたTB303のアシッド音が、ビキビキウニョウニョなり響くアシッドテクノも入っているのです。しかしそれはシカゴから来たファンキーなアシッドハウスでは無く、電子的で狂気を感じさせる不穏なアシッドなのです。これこそがAphex Twinが他のアーティストとは一線を画するアシッドであり、最近の新譜にも感じられる物だと思います。Aphex Twinの音はAphex Twinにしか出せない独自の音だと思うのですが、何故こんなにもメタリックな音を出せるのか。かと思えば時には優しく空気の層が積み重なった様な柔らかい音を出したり、全く想像の範囲を超えています。まあそれでもこのアルバムはこれ以降の作品と比べると、かなりノーマルに感じられると思います。そうゆう意味でもポピュラーな作品なんではないでしょうか。

もしテクノが好きでかつこのアルバムを持っていないのなら、今すぐ買うべきでしょう。買えないのなら友達から強引にでも借りるべきです。これを聴かないで最近のどうでも良い様な新譜を買うなんて、断言しますが無駄です。

無駄無駄無駄無駄無駄っっっ〜〜〜〜!!!(JOJO風)(これをやりたかっただけなんじゃねーかと…)

そう言える位の名盤だと思いますよ。

試聴

Check "Aphex Twin"
| TECHNO1 | 21:00 | comments(8) | trackbacks(4) | |
WARP Vision The Videos 1989-2004
Warp Vision 1989-2004
Amazonで詳しく見る

WARPといえばイギリスの最重要テクノレーベルで、優秀なアーティストを多く輩出している。初期のブリープの流行の先駆けとなったLFO、Artificial IntelligenceシリーズとしてのPolygon Window(Aphex Twin)、Black Dog、Fuse(Richie Hawtin)、またAutechreやTwo Lone Swordsmenも擁し、そしてBoards Of Canadaもライセンスしたりする偉大なレーベルである。そのアーティストのプロモビデオを集めたのがこのDVDである。何と言ってもAphex Twinのビデオは音楽に負け時劣らず強烈で、とにかく見逃す事は出来ない。ユーモアと狂気を兼ね備えた迷作?である。Autechreのビデオも凄い。音楽とリズムをシンクロさせた動画で、フューチャリスティックな物体がノイジーに変化してゆく。個人的にはAphex Twinのビデオが見たかったので買っただけなのだが、他のビデオも充実しているのでWARPに思い入れがある人はきっと満足出来ると思う。WARPを知らない人は逆にこれを見て、お気に入りにアーティストを見つけられたら良いかな。
| TECHNO1 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Herbert - Bodily Functions (Studio !K7:!K7097CD)
Herbert-Bodily Functions
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
なかなか最近CDをじっくり聴く時間がないので、かなり聴き込んだCDを紹介。と言っても誰もが知っているHerbertです。とにかく信頼をおけるアーティストであり、テクノの中でAphex TwinやBasic Channelと並ぶ世紀の天才です。以前は無駄を削ぎ落としたミニマリズムなハウス中心だったのだけど、この作品ではジャジーな面を前面に出してきてお洒落系CDとしてもかなりヒットしたと思います。普段この手のジャンルを聴かない様な人まで引きつけていたようです、あくまでお洒落系として…。ま、それだけ素晴らしい内容なんですよ。現奥様のDani Sicilianoが全面的にボーカル参加、ナイーブな声で聴く者を魅了します。そしてPhil Parnellは小粋なピアノでジャジーな世界を演出。かと思えば正統派ハウストラックもあって、今までのファンの事も忘れてはいません。そしてどの曲にも共通するのは控えめな美しさと言う事でしょうか。POPなだけならこの作品以上にPOPな物は一杯あるけど、Herbertは丁度良い境界を知り尽くしている。甘過ぎずかといって、難解過ぎず。そして聴く者を魅了する術を知っている、正に天才です。Herbertは既成の音は使わずに音楽を作ると言う面白い理論を持っていて、その為か音には最大のこだわりを持っているのではないかと思うくらい音も繊細で素晴らしいです。まあそんな事は考えずに、夜にでもしっとりこの音楽に耳を傾けてはどうでしょうか。

試聴

Check "Matthew Herbert"
| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |