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Earth Trax & Newborn Jr. - Truth EP (Phonica Records:PHONICA026)
Earth Trax & Newborn Jr. - Truth EP
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Bartosz Kruczynskiとしてオーガニックなニューエイジやアンビエント方面で評価も高いEarth Trax、そしてヒップ・ホップやダウンテンポも取り込んだアルバムをDopeness GaloreからリリースしたNewborn Jr.によるポーランドのコンピは、2016年頃から手を組んでヒット作を送り出しているが、活動初期はアンビエンス感溢れるシンセを用いたエモーショナル性の強いディープ・ハウス色が特徴だったものの、リリースを重ねるに連れてアシッド・サウンドやうねるブレイク・ビーツが徐々に現れはじめ、レイヴ再燃の動きに同調している予兆は既にあった。そしてそれが完全に顕になったのが本作、90年代の懐かしくもエネルギッシュな興奮が詰まったレイヴを、彼等のかねてからの音楽性とミックスして自分達のモノとしている。タイトル曲の"Truth (Main Street Mix)"からしてTB-303らしきアシッド・サウンドがビキビキとうなりつつダーティーなベースが下部を支え、熱狂的なシャウトやギトギトしながらも派手なシンセサウンドのメロディーが引っ張っていくこのレイヴィーなハウスは、90年代のクラシカルな雰囲気さえ漂わせている。別バージョンとなる"Truth (Back Alley Mix)"も大きな違いはないものの、一部にダブな処理を加えて揺らめくような残響がシカゴのアシッド・ハウス的にも聞こえたりもする。一転して"Old Way, New Way"は従来の彼等らしいアンビエント・ハウスで、若干アシッド風なベースは用いつつもフルートの朗らかなメロディーと優美なピアノのコードを展開し、軽快なブレイク・ビーツで快適なグルーヴを生むこの曲も90年代のオールド・スクール感がある。"And Then"も同様にフルートを用いているが、先程の曲が陽だとしたらこちらは陰、夜の怪しい雰囲気に覆われ激しいグルーヴではないものの真夜中の熱狂的なダンスパーティーへと次第に移っていくような時間帯のブレイク・ビーツ調のハウスで、じわじわと感情を揺さぶっていく。再燃しているレイヴサウンドを意識しながらも、単なる焼き直しに終始せずロウな感覚やアンビエント性も取り込み、強い印象を残す作風として素晴らしい。



Check Bartosz Kruczynski & Newborn Jr.
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Akis - Remixed (Into The Light Records:ITL005.5)
Akis - Remixed
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近年、世界各地に眠るニューエイジやアンビエントの秘境音楽の発掘が著しいが、特にギリシャに焦点を当てて発掘を行っているのがInto The Light Recordsだ。2017年にはギリシャのコンポーザーであるAkis Daoutisの埋もれた曲をコンパイルした『Space, Time and Beyond (Selected Works 1986-2016)』(過去レビュー)をリリースしちょっとした話題を集めていたが、そこに収録された曲を現在のアーティストがリミックスを行ったのが本作。PejzazやEarth Trax名義も含めてニューエイジやダンス方面で活躍中のBartosz Kruczynski、オルタナティブなダンスを手掛けるBenoit BやTolouse Low Trax、Miltiades名義でも活動するロウテクノのK100 Signalとやや癖があるというか個性的なアーティストがリミックスを提供しているが、どれも今風なサウンドになっておりリミックスの妙技を楽しめる。原曲はカラフルなシンセ・ポップの感覚もあったのが"Into The Light (Tolouse Low Trax Remix)"ではかなり抑揚は抑えられ淡々としたマシンビートとカラコロとしたパーカッションが引っ張っていき、ベースにしろ上モノにしろ全てが整然と変わらないループを繰り返すリズム重視なリミックスで、その執拗な反復が催眠的でもありずぶずぶハマっていく。比較的バレアリック寄りな作風が爽快で心地好かった"Ecological Awareness"、これは2アーティストがリミックスしているが、"Ecological Awareness (Benoit B Remix)"は原曲の雰囲気を受け継ぎつつ音や構成をクリアにする事で綺麗なアンビエント/バレアリック性が増し、非常に素直なリミックスと言えよう。一方"Ecological Awareness (K100 Signal Remix)"は原曲の明るさから一転、重苦しくミステリアスな雰囲気が漂うディープな瞑想系アンビエントへと生まれ変わり、ズブズブとしたロウなリズムと重苦しい電子のドローンが持続して、何処までも深く潜っていくよう精神世界へと誘われる。圧巻のリミックスは"Christmas (Bartosz Kruczynski Remix)"で、元々夢のようなニューエイジ曲だったのがこのリミックスでは更にそれ推し進め、静謐なドローンと美しい電子音やピアノを繊細に組み合わせて実に幻想的に仕上げており、中盤からは覚醒的なアシッド・サウンドも出現してドラマティックなのにトリッピーなアンビエント空間を創出するのだ。全体的にリスニング寄りの曲なのでダンス中心のクラブで使うのは難しいかもしれないが、ニューエイジやアンビエントが再燃する今という時代にぴったりなリミックスである。



Check "Akis Daoutis"
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | - | |
BEST OF 2019
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年は昨年以上にBandcamp等の配信での購入量が増え、聴き込めていない音源がどんどん溜まっていくなど、もはや配信地獄と化している状況。音楽業界自体が決して栄えているわけではないにも関わらず、配信のおかげでリリースが容易になり世に放たれる音楽の量は増え、素晴らしい音楽に出会える機会は過去以上に思う事も。ただクラブへと足を運ぶとフロアの隙間が大きく寂しい状態だった事も少なくはなく、特に真夜中に出歩いてパーティーへ赴く人が減っているのは、健全なのか活気が無いのか。当ブログの以下に紹介したベストでもテクノ/ハウスは殆どなくリスニング系が中心ではありますが、それでもクラブへ遊びに行った時の高揚感は別物で、パーティーでのDJによる素晴らしい音楽の世界と仲間との出会いはやはり現場に行ってこそだと思います。また来年もパーティーで踊りつつ、引き続き素敵な音楽を紹介出来たらと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:30 | comments(0) | - | |
Bartosz Kruczynski & Poly Chain - Pulses (Into The Light Records:ITLIntl02)
Bartosz Kruczynski & Poly Chain - Pulses
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2019年にEarth Trax名義ではEP2枚、そして本人名義では本作を含めてアルバム3枚をリリースと精力的な活動を行うポーランドのBartosz Kruczynski。複数の名義を用いて幅広いジャンルの音楽を手掛けているが、この本人名義では過去にはGrowing Binからアルバムをリリースしており、ニューエイジやアンビエント再燃のムーブメントの中でモダン派アーティストとして頭角を現している。そしてこの新作、ギリシャ産の辺境音楽の発掘に力を入れるInto The Light Recordsからの珍しくギリシャ産音楽ではないリリースとなり、Kruczynskiと同じくポーランド出身のエクスペリメンタンル・ミュージックを手掛けるSasha ZakrevskaことPoly Chainとの共作となっている。本年度のアルバムである『Baltic Beat II』(過去レビュー)もニューエイジ路線という点では同じもののフィルド・レコーティングも用いたオーガニックな響きを打ち出していたのに対し、本作は彼等がライブで行った経験を元に複数のアナログシンセを用いてセッション的に制作された内容だそうで、その点で電子音響性の強いアンビエントが中心になっている。オープニングは霧のようなドローンが持続する"Jacana"、幻想的な雰囲気の中からシンセのアルペジオが浮かび合ってきて、キックレスではるものの次第にアシッド風に変化するシンセが快楽的なグルーヴを生む。続く"Solacious"もアナログシンセの微細な揺らぎが抽象的なアンビエント性となっているが、次第に壮大なシンセのシーケンスも加わってくると70年代の電子楽器を用いたエクスペリメンタルなジャーマン・プログレと共鳴した、例えばTangerine Dream辺りを思い起こさせる壮大なメディテーション世界へと突入していく。一方で序盤はぼやけたドローンの音像が続いてから、次第に電子音の反復がメランコリーを誘う"Quietism"は安らぎに満ちたアンビエント性があり、桃源郷へと誘うような叙情的な電子音のレイヤーは余りにも切ない。"Fluxional"はアルバム中最も刺激的な曲で、ボコボコとしたリズムと神経を逆なでするエグいアシッド・サウンドがこれだもかと脈打ち、キックレスではあるもののダンス・フロアでも興奮を呼び起こすであろうドラッギーな一曲。そこからラストの"Echolalia"では微睡むようなシンセのレイヤーが叙情的で色彩豊かな風景を描き出しつつ、徐々にそれらが溶け合いながら静かに霧散するドラマティックな流れで、安静を取り戻してアルバムは綺麗に幕を下ろす。Kruczynskiらしい情緒豊かなアンビエント性、そしてZakrevskaの前衛的なドローンが一つなり、電子音響の海が広がる現在形ニューエイジ/アンビエントとして見事なアルバムだ。



Check Bartosz Kruczynski & Poly Chain
| ETC4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II (Growing Bin Records:GBR019)
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II
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アンビエントやニュー・エイジの再評価は過去への視点だけでなく未来へも向いており、その後者において特に躍進を果たしたのがポーランドのBartosz Kruczynskiだ。Earth Trax名義ではレイヴ色の強いドラッギーなディープ・ハウスを、Pejzaz名義では甘く気怠いチルウェイブやダウンテンポを、Ptaki名義ではダビーなニュー・エイジ寄りと、それぞれの活動でも注目を集める才人であるが、大本命こそはこのKruczynski名義である事に異論を唱える者は少ないだろう。この名義でのデビューとなったGrowing Bin Recordsからの2016年作『Baltic Beat』(過去レビュー)は、有機的な響きが幻夢に溶け込む叙情的なサウンド・スケープで、その年を代表するアンビエント・アルバムの一つであったと思う。それから3年、その続編となる本作も前作同様にフィールド・レコーディングやギターやベースにフルート等のオーガニック性を盛り込んだ内容で大きな変化は無いが、より瞑想的な作用を増して深い自己の世界へと潜っていく世界観を獲得している。川のせせらぎのサンプリングで始まる"Pastoral Sequences"は、そこに静けさが際立つ静謐なピアノと電子音が微細な装飾を行いながら、途中からは祈りのような歌とミニマルなマリンバのフレーズも入ってくると途端に瞑想感を増して、宗教的な空気もあるニュー・エイジ風の曲。"In The Garden"は優しいピアノの和音と共にボッサ風なパーカッションが軽いビート感を生み、流麗なストリングスや穏やかなマリンバの旋律が心の奥に眠った懐かしい記憶を呼び起こすようなセンチメンタルなバレアリック系。微細なパルス音が持続する中に"Petals"もビートレスなアンビエントだが、動きの多い電子音の反復に合わせて悲哀のピアノが情緒を付け加えて、躍動を感じさせる。"Voices"になるとマリンバと電子音のシーケンスは現代音楽のミニマル的で、そこにギターやピアノがキャンバスに絵を描くように感情の高まりを加えていく。B面に移るとより現代音楽的な雰囲気は強くなり、"If You Go Down In The Woods Today"はマリンバや弦楽器のミニマリズムに霊的なコーラスが加わりまるでSteve Reichの"Music for 18 Musicians"を思わせ、その反復をベースにした流れでぐっとインナースペースへと潜っていく催眠性を発揮する。"The Orchard"も同様にマリンバの反復を基盤にしつつ咆哮しながら遠くへと霞となって消えていくようなギター風な響きや、微睡んだシンセが流体の如く動いて、宗教的な匂いもあるニュー・エイジ色が強くなっている。そんな観念的な世界から一転して"Along The Sun-Drenched Road 1 & 2"はフルートやピアノ等も導入しながら有機的な響きをただ垂れ流すように聞かせ、何も無いおおらかな大自然の中で一人夢想し佇むような感覚に陥る安堵に満たされたバレアリックな世界観で、もはや意識さえも霧散する。アコースティックとエレクトロニクスの自然な調和に安寧を感じ、瞑想や催眠をしつつも魂の開放を目指すおおらかなサウンド・スケープは、またしても2019年のアンビエントやニュー・エイジを代表する一枚となった。



Check Bartosz Kruczynski
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2019/8/12 Euphony @ Aoyama Zero
ニュー・エイジやアンビエントの再燃・再発掘が作品のリリースとしては肌に感じるものの、実際にそれをクラブ/パーティーで聞く機会は未だ少ない。どうしてもクラブ側が盛り上げようとするとメインフロアもセカンドフロアもダンス中心に向かいがちな現状において、敢えてアンビエントやニュー・エイジ、いやそれだけでなくエクスペリメンタルやワールド・ミュージックとダンスに執着する事ない音楽を軸に、オーガニックからエレクトロニクスが交差し時代や国境を超越した世界を構築するパーティー『Euphony』が立ち上がった。元来ワールド・ミュージック性が強いInoue Kaoruが発起人となり、バレアリックやアンビエントに造詣の深いmaa、そしてサイケからアンビエントまで広範囲なshunhorの3人が紡ぐバレアリックのその先へ。時代にジャストにハマるパーティー『Euphony』が始動する。
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| EVENT REPORT7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tommy Awards - Inre Rymden (Remixes) (Origin Peoples:OP005)
Tommy Awards - Inre Rymden (Remixes)
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静謐なアンビエントやバレアリックを手掛けるJonny Nash、Earth Trax名義でのディープ・ハウスで注目を集めるBartosz Kruczynski、UKの現行バレアリック前線のCoyoteらがリミキサーとして参加した本作、そういった名前でピンと来た人はTommy Awardsなるアーティストを知らなくても本作を聞いておいて損はないだろう。Awardsはスウェーデンのバレアリック系のユニットだそうで、2017年中頃にはアルバム『Inre Rymden』をリリースしている。そちらは購入はしなかったものの試しに聞いてみた限りでは、ゆったり夢現なニュー・エイジやニュー・ディスコの要素を用いながら桃源郷広がるバレアリック色に染め上げており、朗らかでメロウな世界観を作り上げていた。そんな作品を前述のアーティストがリミックスしたのが本作で、参加しているアーティストからも分かる通りリスニング向けな落ち着きのあるバレアリック・ミュージックを更に深化させており、元の作品を一切知らなくてもこの手の音楽を好む人にとっては愛聴盤になるに違いない。"Prometheus (Jonny Nash Remix)"は原曲よりも更にビートや音数を削ぎ落としサックスやピアノを用いながらも、音の間に美学を見出すような静謐さ際立つディープ・ジャズへと姿を変え、如何にもNashらしいスピリチュアルな作品だ。本アルバムで特筆すべきは15分まで拡大した"Hans Logan (Bartosz Kruczynski Remix)"だろうか。元々は空高く飛翔するような開放感溢れるバレアリック作品だったが、序盤の想像力を刺激する重厚な瞑想ドローンによるニュー・エイジの展開から、清々しい電子音のシーケンスが浮かび上がって反復によるアンビエントへと移行、その間もピアノや木琴が耽美な響きを聞かせながら瞑想状態を持続させる流れは、壮大な一大叙事詩のようだ。こちらも10分に及ぶ大作の"Mike Sierra Foxtrot (Eirwud Mudwasser Nag Champa Radio)"は元のサイケデリアを活かしながら、廃れたような簡素なリズムも導入して侘び寂びなエレクトロニカ風にも思われる。"Ursa Minor (Coyote Remix)"は原曲の牧歌的なムードを壊す事なくおおよそ予想のつく開放感のあるバレアリック仕立てだが、"Rexy (The Normalmen Savana Reinterpretation)"は元の幻想的なスローなバレアリックからがらっと姿を変えて、奇抜な効果音もふんだんに用いて陽気なトリップ感のあるニュー・ディスコでアルバムの中で一番のダンス色強い曲だ。5曲のみなものの40分を超えるボリューム、そして期待通りに各アーティストのバレアリック性が現れた充実した内容で、Music From MemoryやMelody As Truth周辺の音楽が好きな人には食指が動くに違いない。



Check Tommy Awards
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2016
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も例年と変わらず音楽/パーティー三昧…とはいかず、私生活の変化により忙しくなりなかなか音楽へ時間を割く事が出来ない一年でしたが、それでも音楽に対する情熱は全く変わらず新しい音楽への探求が途切れる事は変わりませんでした。パーティーに関しても新風営法が現場の感覚にはやはり馴染んでいないと感じる点がありつつも、新しいクラブが生まれ少しずつではあるけれどこの業界も活気を取り戻しているようにも思われ、ダンス・ミュージックの未来に展望が見えてきた年でもありました。当方は今後も毎週のようにパーティーに行く事は出来ないと思いますが、来年も新しい音楽も古き良き時代の音楽も分け隔てなく楽しみ、そして素晴らしい音楽をこのブログでアウトプットしていく事を続けられたらという気持ちは変わりません。そんな気持ちで選んだ年間ベスト、皆様の素敵な音楽ライフに少しでも参考になれば。それでは、来年も良いお年を!

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| BEST | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat (Growing Bin Records:GBR006)
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat

A.r.t. Wilson(=Andras Fox)の作品をリリースしているレーベルとしても知られているドイツはハンブルクのGrowing Bin Recordsは、ニューエイジ/アンビエント系のレーベルとして人気を高めている。そのレーベルの第6弾はポーランドのBartosz Kruczynskiによるアルバムで、Ptaki名義ではシンセ・ポップの要素もあるニューエイジをリリースしたり、最近ではEarth Trax名義でアンビエント感もある有機的なディープ・ハウスをリリースしたり、複数の名義を使い分けて活動をしているようだ。さて、この本名での初の作品だが緑に覆われた森の静謐なジャケットのイメージ通りに、フィールド・レコーディングも取り入れつつオーガニックな瞑想世界を展開し、得も言われぬ現実離れをしたサウンド・スケープを描き出している。何と言ってもA面丸ごと使用した"Baltic Beat"は20分にも及ぶ大作で、シンセやギターにドラムマシンやパーカッションなどを自身で演奏しナチュナルな響きを強調している。森の奥深くへ消え入るように響くギターサウンド、ミニマルに優しく微睡むようなマリンバのメロディーが軸となっており、そこに雷鳴などの環境音や幽玄な電子音も取り込んでここではない何処かの神秘的な世界へと誘うのだ。ミニマルな現代音楽と電子音響の組み合わせとしてSteve ReichとTangerine Dreamが邂逅したような音楽と表現すればよいだろうか、パターン化された構築で段々と展開する様は組曲的でもある。裏面は計4曲収録しており、マリンバのアルペジオに幻惑的なギターが咆哮して霞として浮遊するような抽象的アンビエントの"Post Tenebras Lux”、温かく広がりのある電子音や小鳥の囀りを用いて自然性の強いバレアリック感を打ち出した"Parco Degli Acquedotti"、静謐なピアノが神々しく降り注ぐメディテーション系の"Supplement 1"など、こちらもどれもリラックスしつつ神秘的な荘厳さがあり、ジャケットのイメージは嘘偽りない。Music From Memory辺りの美しい音響を聞かせる音楽が好きな人にとっては、間違いなく心酔する一枚に違いない。



Check "Bartosz Kruczynski"
| ETC4 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |