Silent Harbour aka Conforce - Noctiluca LP (Echocord:Echocord 078)
Silent Harbour aka Conforce - Noctiluca LP
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2008年頃からリリースを始め、この10年間でConforceやSevernayaにVersalifeその他含め多くの名義を用いてテクノやエレクトロにアンビエントやエクスペリメンタルと、様々な要素の音楽性を展開してきたオランダのBoris Bunnik。そしてこのSilent Harbour名義はその中でもダブ・テクノを担うプロジェクトに分類され、決して活発とは言えないこのプロジェクトは過去にダブ・テクノの名門であるEchocordとDeep Sound Channelから2枚のアルバムをリリースしており、そういった経歴からも如何にダブ・テクノへ取り組んだ名義であるからは理解出来る。様々な名義で活動するBunnikの中では休眠状態が長きキャリアの中心となるものではないだろうが、しかしその深い残響の中に潜む美しい音像は決して小手先で取り組んだものではなく、Bunnikにとって多面的な音楽性の一つとして確立されている。さてこの3枚目となるアルバムは6曲で構成されたミニアルバム的な扱いでボリュームは少なめで、今までの作風同様にダブな音響と不明瞭な響きを活かしつつ、曲によっては全くダンスフロアも意識しないアンビエント性まで取り込んでいる。実際にオープニングには全くリズムの入らない"Riparian"が配置されており、空間を切り裂くような電子音響が浮遊したドローン状態が持続して惑わされ、続く"Noctiluca"でもアブストラクトで快楽的な上モノと濃霧のようなぼやけた残響に覆われたBasic Channel直系のビートレスなアンビエントで、光の差し込まない深海の海底を潜航するようだ。序盤の2曲でダブ音響を主張したところで、それ以降はハートビートの如く安定した4つ打ちを刻むダブ・テクノが続く流れで、叙情的な上モノが心地好く伸びて時折奇妙な電子音響も混ざる"Dwelling"から、グルーヴを落ち着かせて音数を絞る事でダブの残響を目一杯強調した奥深い空間演出をした"Peridinum"、官能的な上モノのリバーブとざらついた音響がまんまBasic Channelな"Fusiformis"、そして開放的な広がりのある残響がゆったりと広がりディープかつ叙情的な風景を描く快楽的なミニマル・ダブの"Pelagia"と、決して強迫的なダンスのグルーヴを刻む事はないがリスニング性を伴いながら陶酔感たっぷりなダブの音響を活かしてふらふらと踊らせる曲を用意している。本気でダブ・テクノに取り組んだ事が明白な完全なるダブ・テクノのアルバム、意識も朦朧となるようなリバーブの残響に覆われた見事な統一感があり、Bunnikによる複数のプロジェクトの中で明確な存在感を発している。



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| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Substance - Rise And Shine (Ostgut Ton:o-ton115)
Substance - Rise And Shine
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テクノの質・人気共に最高峰を誇るベルリンのクラブ・Berghain、そのクラブが運営し音楽性が反映されたOstgut Tonも当然テクノファンから多大なる羨望の眼差しを集めている。そのレーベルの新作はミニマル・ダブの伝説であるBasic Channelの正当なる継承者、かつてはSubstance名義で活動し近年はScionやTR-101といったユニットの一員としても活躍していたDJ Peteによる作品で、コンピレーションへの提供を除けばこのSubstance名義ではおおよそ20年ぶりとなる。なんでも活動30周年を記念したとの事だが、その音楽性はダブという音響を引き継ぎながらも過去よりも更にダンスへと接近し、アーティストとして円熟という言葉で表現するよりはフレッシュなエネルギーを含みながら現在のダンスフロアへと帰還したと説明するのが適切だろう。特にタイトル曲である"Rise And Shine"は金属的でひんやりしたパーカッションをダブの音響で鳴らして奥深い空間性と共にテクノの激しさも内包しているが、そこに意外にもぼんやりしながらもエモーショナルなIDM風な上モノで覆い、ダブ・テクノとダブ・ステップが融合したような新機軸を披露している。最も破壊的で重厚感あるダブ・テクノを聞かせるのは"Countdown"で、巨大なハンマーを振り下ろすような硬いキックや鋭いシンセがズカズカと体を打ち付けるハイテンションなグルーヴの中、しかしそこにスペーシーで幽玄なシンセのメロディーが入る事で、暴力的だけにならずに全体が洗練された響きのテクノとして纏まる。中盤の2曲はインタールード的な扱いだろうか、ヒスノイズが持続する奥にダブの残響が微かに鳴る"Bird Cave"、闇の中の低い所で弦のような低音が蠢きじんわりと深みにはまっていく"Distance"、どちらも全くダンストラックではなくその代わりに繊細かつ空間性のある音響へのこだわりが強く発揮されている。最後は"Cruising"は強烈なダンス・トラックでいかにもBerghainらしいというか、鉄槌で頭を殴打される硬く重厚感あるキックの4つ打ちに金属がひしゃげたような鈍い電子音のループが続き、終始無感情な空気感で無慈悲にもガツガツと押し迫る強烈なピークタイム向けの一曲。随分と今という時代のテクノを意識している事が伝わってくるが、その一方でダブ・テクノの匠としての技量も光る音響へのこだわりもあり、クラシックとモダンを見事に咀嚼している。本作が単にアニバーサリー的な一枚で終わってしまうのだとしたらもったいない、是非ともまたこの名義で活動をと期待させられる。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Auratones (Soma Quality Recordings:SOMACD117)
DeepChord - Auratones
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デトロイトから執拗にミニマル・ダブの探求をライフワークとするRod ModellによるDeepChordは、その完成された音楽性が故に最早大きな革新や変化は見受けられない事から金太郎飴的な制作活動になっているが、オリジネーターであるBasic Channelが築き上げたミニマル・ダブに更にアンビエント性も加えて純度を高める事で、追随を許さない程に自分達の音を確立している。近年は定期的にアルバムをUKはグラスゴーの名門テクノレーベルであるSoma Recordingsよりリリースしており、本作で同レーベルより通算5枚目となる事からその実力を買われているのは間違いないだろう。前述したように本作でも作風に変化はなく、アルバムはドローンによる深い霧の中で虫の鳴き声が響くフィールド・レコーディングらしき"Fog Hotel"から始まる。そこから物静かにしっとりしたキックが入ってくる"Moving Lights"に繋がると、幻惑的な作用を生むダビーな上モノも加わって、引いては寄せる波のような残響が心地良いミニマル・ダブの世界へと突入する。これ以降はチリチリとしたヒスノイズ、蠢くように揺らぐ残響、ミニマルの一定間隔を守る4つ打ちのグルーヴといった要素を軸に、全ての曲はミックスされる事でライブ感を打ち出しながら催眠的に作用する。基本はミニマル・ダブと言う作風ではあるが、曲によってはミニマル・テクノの収束性やレゲエのリズム、ダブな残響にアンビエントの雰囲気といった要素のどれかに振れながら、単調になりがちな音楽性に変化も加えてアルバムの統一感はありながらも飽きさせない展開で持続性を持たせているのだから覚めない夢の心地良さが続くようなものだ。淡々としたキックが持続する中に官能的に揺らぐ残響に陶酔してしますダンス色強いミニマル・ダブの"Underwater Galaxies"から、一転してビートは一気に消失しオーロラのように豊かな色彩を見せながら羽ばたく上モノが広がるドローン・アンビエントの"Roca 9"への切り返し、そこから再度薄いドローンと爽やかに残響が広がる大らかなダブ・テクノの"Azure"でビートが走り出す流れ等もあり、金太郎飴的な音楽性が強いDeepChordとは言えども決してアルバムが単調で間延びすると言う事はない。精神の深層世界の探検を促すように瞑想状態を誘発するダブ/ドローンの効果は、全編に作用しながらリスニングとしてもダンスとしても満足させるアルバムになっているのだ。



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| TECHNO13 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Angles (Tresor Records:resor296)
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Angles
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Tresorがかつて成し遂げたデトロイト×ベルリンの交流の成果、それはレーベルの第一弾が今となっては奇跡的なX-101(Underground Resistance)である訳だが、今も尚その交流は別の形となって現れている。それこそがデトロイト・テクノのパイオニアであるJuan Atkinsとミニマル・ダブのオリジネーターのMoritz von OswaldによるBorderlandで、2013年に発足したこのプロジェクトは単発プロジェクトに留まらずに進化を続けている。2016年には2ndアルバムとなる『Transport』(過去レビュー)をリリースしたばかりだが、音楽への意欲は全く留まる事を知らずベテラン二人は更なる新作を投下した。僅か2曲のみの新作ではあるが、その内容たるや熟練者としての洗練された音響とテクノへの純粋な愛が表現されたもので、流石の貫禄を感じさせる。"Concave 1"は程よく厚みのあるベースラインや無機質なハイハットが機械的でひんやりしたビートを作りつつ、Atkinsらしい浮遊感とスペーシーな鳴りを伴う上モノのシーケンスで、無駄な音を付加する事なく微細な変化を織り交ぜながら徹底的にグルーヴ重視のフロア・トラックに仕上がっている。一方"Concave 2"はMoritz色が打ち出たのかBasic Channelを思い起こさせるリバーブを用いた上モノのモヤモヤした音響の艶めかしさ、曲尺は10分近くにまで延ばされてよりミニマルに、そして空間の奥ではアシッド的な電子の靄が渦巻いて、亜空間的なミニマル・ダブ音響を構築している。どちらのバージョンにも言える事は余計な音を削ぎ落としながら隙間を感じさせる空間的な響きがあり、またデトロイト・テクノ特有の宇宙への思いが馳せるようなシンセの使い方と、つまりは前述のデトロイト×ベルリン同盟の交流の成果の証なのだ。流行の音楽に一切左右されず、自ら開拓してきた道を更に伸ばしていくその仕事は職人的でさえある。



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| TECHNO13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Separate Paths EP (Delsin Records:121dsr)
Sven Weisemann - Separate Paths EP

ベルリンから美しさに秀でた音響ディープ・ハウスを追求するSven Weisemann、テクノ〜ハウス〜ダブと振り幅を持ちながらもどの作品に於いても彼らしい静謐な美的センスが現れており、ダンス・ミュージックとリスニングの間を上手く渡り歩くアーティスト。過去にはオランダに於いてデトロイトの叙情性ともシンクするDelsin RecordsからEPをリリースしていたが、同レーベルに2年ぶり復帰したのが本作だ。ともすればフロアから意識的に乖離したようなリスニング向けの作品を作る事もある彼が、ここではDelsinというレーベル性に沿ったように比較的ダンス色の強いトラックを聞く事が可能で、それでも尚繊細なダブ音響も体感出来る点で秀逸だ。特にA面の2曲が素晴らしく、うっすらと浮かび上がる叙情的で空気感のある上モノに合わせてずんずんと胎動のような4つ打ちで加速する"Dopamine Antagonist"は、朧気な呟きやリバーブの効いたサウンドを活かして奥行きを演出したディープなダブ・テクノで、勿論フロアでの機能性は前提としながらも揺らめくような官能性にうっとりとさせられる。A面のもう1曲である"Cascading Lights"はややテクノのプロトタイプのようなたどたどしさが打ち出た音質のリズムで、そこにしなやかに伸びるパッドを用いて初期デトロイト・テクノらしいエモーショナルな響きを合わせ、例えばCarl Craigの初期の作品とも共鳴するようなあどけなさが感じられる。またB面にも落ち着きを伴うダンス・トラックが収録されており、淡々とした4つ打ちで冷静さを取り戻しつつしっとりとしたダブの音響や音の強弱を用いつつ、暗闇の中で煌めくようなシンセワークも用いてBasic Channelの作風を踏襲したダブ・ハウスの"Maori Octopus"と、ビートが極端に落ちた分だけ正に空気の如く揺らぐダビーな音響が強く感じられるダブ/レゲエをテクノとして解釈したような"Separate Paths"と、これらもWeisemannの音響への拘りが如実に発揮された作品だ。僅か4曲のみ、しかしそこには個性と振り幅があり最大限にアーティストの音楽性を体験するには十分過ぎる内容だ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yagya - Stars And Dust (Delsin Records:118dsr-cd)
Yagya - Stars And Dust
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今や昔懐かしクリック・ハウスなるジャンルの先導的立場であったForce Inc.というレーベルが、そのバブルが弾けレーベルも休止をするその少々前に華々しくデビューさせたのがアイスランドのAoalsteinn GuomundssonことYagyaで、GasやBasic ChannelにBrian Eno等のダブテクノからアンビエントに強く影響を受けた音楽性が一部の人に注目され、レーベルが停止した影響の希少さからもカルト的な扱いを受けていた。近年はマイペースに活動を続けておりどういう訳か2014年にはデトロイト・テクノ系の音には強いオランダはDelsinからもアルバムをリリースしているが、そこでの評価も良かったのだろうか次作の2016年作となる本作も同様にDelsinからリリースされている。作品毎に極寒に覆われたようにチリノイズが浮遊するダブテクノから、女性ボーカルも導入したポップでアンビエント性の高いテクノ、またはビートに重きを置いたグルーヴ重視のダブテクノなど、多少の変革を用いながらアーティストとしての進化/深化を遂げているが、本作でもまた今までの作風から変化を見せている。浮遊感と抽象的で淡い響きのある上モノが広がっていく"Train Station's Dustlight"からして、4つ打ちのビートは入るもののパーティーでの強烈なグルーヴとは異なる水面に波紋が広がるような穏やかなリズムで、アンビエント性を高める事に寄与しているようだ。"Crepuscular Rays Over The Horizon"は雪の中でほんのりと火が灯るような温かいピアノの旋律をしんみりと聞かせて、そこに荘厳なパッドや宗教的な女性の声を楽器的に伸ばしながら、実に幻想的で儚いダブテクノを聞かしている。日本人女性のNatsuko Yanagimotoを起用した"Motes In The Moonlight"は、ダウンテンポ気味の詰まったようなリズムと程良いリバーヴを用いてダブの音響面が強調されているが、やはり幻のような声が用いられる事で世界観としてはドリーミーなアンビエントに満たされている。確かにどれもダブの音響やアンビエントな浮遊感はあるが、例えば傑作と呼ばれるデビュー作の『Rhythm Of Snow』(過去レビュー)のような極寒の中の吹雪が吹き荒れるような荒々しいアブストラクトなダブテクノではなく、同じ雪景色でも静寂の白の世界にしんみりと雪が降り積もるような感覚であり、音調は一定して穏やかだ。聞きやすい分だけYagyaとしての個性は弱まったように思う所もあるが、しかし官能的でさえある美しいメロディーや音響は特筆すべきで、この手の音楽の模範とされるべきにも思われる。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vakula - A (Bandura:Bandura005)
Vakula - A

ウクライナの才人・Vakula、変名も用いてFirecrackerやLelekaにDekmantelなど多数のレーベルからディープ・ハウスにビートダウンやミニマル・テクノにヒップ・ホップ、果てはニューエイジからサイケデリック・ロックまでリリースし、その音楽的な多彩性は現在のダンス・ミュージックの中でも随一だろう。クラブで効果的なツール性の高い楽曲のみならず、アルバムとしてのリスニング仕様な豊かな音楽性での表現力にも長けており、DJとしてよりはやはり制作面での評価が特に高い。そんなVakulaの新展開が自身で運営するBanduraからは3年ぶりとなる本作『A』で、実はこの後には『B』も予定されている事から、アルファベット順に作品がリリースされるのだろう。音楽的にもまた変化を促しており、端的に言ってしまえばBasic CnannelやRhythm & Soundを継承する深い音響系のミニマル・ダブを展開している。この手の音楽は既に作風が確立されほぼ完成形を成しているが故にVakulaが手を出そうとも革新性というものは無いのだろうが、だからこそ中途半端な作品を出す事いもいかない訳で、どんな音楽でも自分のモノとしてしまうVakulaの力量を以ってして水準の高いミニマル・ダブを鳴らしている。A面には14分にも及ぶ"Aberration"を収録しており、ゆらめき引いては寄せる波の様な残響が官能的な響きをなしており、間引かれたダブのリズムの隙間をしっとりと埋めていくBasic Channelスタイルのアブストラクトなになっている。裏面には3曲収録されているが、より湿ったダブのリズムが強調されたRhythm & Soundスタイルのミニマル・ダブと呼べる"Apperception"、"Quadrant Dub"を継承するもやもやしたリヴァーブに不鮮明なハウスの4つ打ちを組み合わせた”Agglomeration”、電子的なキレのあるリズムと呻き声のような低音によるオリジナリティーあるダブ・テクノな"Assertiveness"と、これまたどれも異なるタイプのダブを披露しておりVakulaのアーティストとしての底の深さはまだまだ計り知れない。



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| TECHNO12 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House (Upset Recordings:UPSETMIX33-34)
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House

これまでにもテクノやハウス、R&Bにジャズ、アンビエントやダブ/レゲエと多岐に渡ってコンセプト重視なMIXCDを手掛けているDJ Yogurt。パーティーに合わせてそのスタイルを自由自在に変えるプレイがMIXCDによって家でも聴けるのは非常にありがたく、クラブに行けない人にとってもDJ Yogurtの長年の経験に裏打ちされた幅広く深いダンス・ミュージックを体験出来る点で、価値のあるシリーズだ。そんなMIXCDの最新作は今までありそうで無かったダブ・テクノとスモーキー・ハウスという音に焦点を当てた内容で、2枚組でも1500円弱なお値打ちな事もありお勧めの作品だ。先ずはダブ・テクノの方であるが、これはミニマル・ダブやダブ・ハウスと呼んでも差し支えないのない選曲で、いきなりRhythm & Soundの乾いた残響がうっすらと広がるダブの"Music A Fe Rule (Part 2)"で始まる辺り、もうこの手の音が好きな人にとっては間違い無しの内容だ。基本的にはBasic Channelが生み出したミニマル・ダブの揺らぐ残響を伴うテクノ〜ハウス〜レゲエ辺りが中心となっており、じわじわと侵食する序盤からズブッとヌメった深みにハマる展開、極限まで無駄を削ぎ落として骨格が浮かび上がるダブな時間帯、そして軽快で膨らみのあるグルーヴが心地良いダブ・ハウスなど、つまりはBasic ChannelやDeepchord周辺のディレイやエコーによる音の広がりが感じられるトラック中心なのだ。後半では上げ気味なハウスのグルーヴから一転して重心の低いドタドタしたレゲエ色の強い展開まで広がり、そこから"E2E4 Basic Reshape"のように官能的なミニマル・ダブやアフロ・アフリカンなダブの"Ole (A Remix by Moritz von Oswald)"など、またしてもDJ Yogurtが惚れ込むベーチャンの流れで音が熟すように温かくなり終わりを迎える。そしてスモーキー・ハウスというタイトルが付けられながらも、肩の力が抜けてリラックスしたディープ・ハウスやテック・ハウス中心の方は、上げ過ぎる事なくリズミカルな4つ打ちを軸に滑らかな流れで心地良く闊歩するようだ。気怠く夢のようなメロディーや柔らかく肌に染みこむような鳴りがあり、また密閉されたクラブよりは開放的な屋外の雰囲気を感じさせる和やかなムードで、燦々と太陽光が降り注ぐ真夏の海沿いをドライブするのにぴったりな陽気なノリが感じられる。真夜中のクラブ的なダブ・テクノ、昼間の屋外なスモーキー・ハウスみたいな相反する性質も感じられたり、2枚セットで楽しめるMIXCDだ。

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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fluxion - Vibrant Forms II (Subwax Bcn:SUBWAX FX CD01)
Fluxion - Vibrant Forms II
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ミニマル・ダブの起源となったアーティストかつレーベルであるBasic Channelが、彼等以外のアーティストの活動の場として立ち上げたのがChain Reaction。おおよそ6年間と決して長い活動ではなかったものの多くの才能が巣立ち、ミニマル・ダブの雛形の完成に貢献したレーベルの一つではあるが、その奇特な音楽性故に初期作品は今では入手困難かつ高値が付く状態となっている。ギリシャのKonstantinos SoublisことFluxionの作品もその例に漏れず初期作品は困難となっているが、2013年にリイシューされた『Vibrant Forms』(過去レビュー)に続きその第2弾となる本作も遂にリイシューがなされた。体裁としてはコンピレーションの内容ではあるが、1999年のEP「Prospect」の全3曲と未発表曲、そして2000年の2枚組EPの「Bipolar Defect」を纏めたCD2枚組の圧倒的なボリュームで、第1段と揃えれば取り敢えずFluxionの初期音楽性を理解するには十分な内容となっている。だが第1段と音楽性が全く同じかと言うとそうではなく、以前よりもダンスフロアへの渇望は希薄化し、よりミニマル・ダブのスモーキーな音響を丁寧に聞かせる事を重視したリスニング性が強まっているのは明白だ。空間からガスが噴出し視界もぼやけるような"Prospect I"から始まり、"Prospect II"では11分にも及んで無駄を削ぎ落としたミニマルなリズムと引いては寄せるような残響とドローンが繰り返され、もはやアンビエントと呼んでもよい浮遊感を伴う快適性さえ含んだミニマル・ダブだ。逆に不協和音に感じられるノイズが渦巻く"Exposure"のような曲もあるが、リズムは不鮮明にぼかされながら混沌とした音響によって抽象度を高めたダンス・トラックもある。だがやはりミニマル・ダブの特徴を感じられるのは"Enhancement"のような数少ない音にエコーやディレイの処理を施して、空間の広がりや奥深さを生む曲であり、揺らぐ残響からは仄かな官能さえ感じ取れる筈だ。「Bipolar Defect」を纏めたCD2の方はツールとして十分に使用出来るダンス寄りの曲が中心で、今となって聞くとBasic Channelまんまではないかという突っ込みも出来そうな音楽性だが、様式美にさえなっているスタイルである事を考慮すればそれも止むを得ない事ではあるか。リマスタリングされている事もあり、オリジナル盤を持ってない方には是非ともお薦めしたい。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Ultraviolet Music (Soma Quality Recordings:SOMA CD 111)
Deepchord - Ultraviolet Music
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デトロイトからミニマル・ダブを偏執的に追求するRod ModellことDeepchordは、最早本家のBasic Channelがその名義での活動を停止させている状況では、その方面の極北に位置する存在だろう。ダンス・ミュージックであろうとアンビエントであろうと、そこに徹底的にミニマル・ダブの音響を駆使して制作する姿勢からは、頑固な職人気質さえ感じられる。ここ数年は自身で主宰するDeepChordやechospace [detroit]ではなく、UKはスコットランドのSomaからアルバムをリリースする事が多いが、この新作でSomaからは通算4枚目とレーベルとの仲も良好のようだ。本作についてのアナウンスからは、90年代のアンビエントや深夜の雰囲気、デトロイト・テクノやディープ・ハウスにベルリンまでの要素の幻惑的な混合と述べられているが、それはおおよそ今までの彼の作風とそれ程乖離していないようとも思うがどうだろうか。アルバムの開始からぼんやりとした朧気なキックと霞がかったシンセのレイヤーが幻惑的な響き方をし、そこにヒスノイズが浮遊しながら深い密林の奥地へと誘うような迷宮的ミニマル・ダブは、何ら今までのDeepChordと変わらないだろう。前作の『20 Electrostatic Soundfields』(過去レビュー)は意識的にクラブのダンスビートから離れてサウンドデザインを目的としていたものの、本作では元の作風へと戻り躍動感のある揺れるビートを叩き出している。官能的な残響の揺らぎ、目眩を引き起こすようなシンセやノイズにビートの層、色々な音が積み込まれ圧倒的な情報量の多さで意識を麻痺させるのは、正に彼お得意のミニマル・ダブだ。その上、アルバムの曲間は切れる事なく続いている為に、その幻惑作用は途切れる事のない持続感を持ち、アルバム2枚160分にも及ぶ非現実的なジャーニーへと誘ってくれる事だろう。ミニマル・ダブの金太郎飴的なこの存在は、一体何処まで貫き通す事が出来るのかも気になる所だ。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pole - Wald (Pole:PL13CD)
Pole - Wald
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Basic Channel以降のミニマル・ダブを推し進めたアーティストの一人として、Stefan BetkeことPoleの存在は忘れてはならない。既に完成の域にあったミニマルの機能性とダブの音響を極めたミニマル・ダブを、そこにPoleはぬめってスクラッチするようなグリッチ音を加えながら定型的なリズムからの解放を実践し、ダンスとしての機能性よりもリスニングとしての(無駄を排した)装飾性を高めていた。また~scapeの主宰者としても前衛的な嗅覚を発揮し、かつてのエレクトロニカ全盛の時代においてダブにジャズやエレクトロニカの要素を取り込みながら、実験的かつ素晴らしい作品をレーベルカタログに残している。さて、前作『Steingarten』(過去レビュー)から8年、その間もEPはコンスタントにリリースしていたものの、その時間の経過は更なる進化を遂げるには十分だったようだ。今思うと妙に躍動的でダンス寄りだった為に上滑りするような感覚さえ残す前作から一転、再度Betkeはリズムの妙を失う事なく無駄な音を削ぎ落として、ダブ・サウンドの前提を保ちながら視界は明瞭で実に抜けが良い音響を作り上げた。"Kautz"では中音が抜け落ち、湿ったベースとギクシャクとしたドラムによる低音、そして切れのある上モノの高音による対比が際立っている。今までの作風からの変化の兆しは"Myzel"にて顕著で、今までにもアンビエントな上モノはあったもののそれは優雅にさえ発展し、そして不鮮明な音響は排除しながらダブの残響を導入して、ファンクネスとエモーションに満ちた生命力のあるミニマル・ダブを完成させている。面白く不思議なパーカッションが導入された"Kafer"は一見妙な感じだが、Betkeのダブやレゲエに対する愛情も残しており、途中から紫煙のように立ち上るメロディーには惑わされるばかりだ。ディレイやエコーよってアブストラクトな音響を生むのではなく、正にミニマルと呼ぶべき引き算の美学でダブを掘り起こした本作は、Poleの作品の中でも最も端正で最もファンクネスが充実している。また生々しく浮かび上がってくる繊細な音響の良さには、流石マスタリング・エンジニアとしての手腕も発揮されており、全く古びない最新のミニマル・ダブをより心地良く聞かせてくれるのだ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/9/18 HOUSE OF LIQUID -15th ANNIVERSARY- @ Liquidroom
新宿の歌舞伎町時代から合わせると15年にもなるというLiquidroom名物のHouse of Liquid。その名通りにダンス・ミュージックに於けるハウスを根幹に様々なアーティストを招いて、その可能性を広げてきた信頼足りうるパーティーの一つだ。今回はその15周年記念に合わせてベルリンからミニマル・テクノ/ダブのパイオニアでもあるBasic ChannelからMoritz von Oswaldをゲストに、日本からは当パーティーのレジデントと呼んでも差し支えないMoodman、鰻登りで評価を高めるGonno、ユニークな電子音楽のライブを行うAOKI takamasaと贅沢過ぎる出演者での開催となった。
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| EVENT REPORT6 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vril - Portal (Delsin Records:110DSR)
Vril - Portal
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カルト、またはアンダーグラウンドと呼ぶに相応しい活動をするドイツのVril。本名や素性も明かされずに謎めいた活動を続けるそのアーティストは、しかし例えばGieglingやその傘下のForumからフロアを震撼させるディープなダブ・テクノをリリースし、そしてOstgut Ton一派からも信頼を集めMIXCDにも使われるなど、匿名性を守り単にその音楽性だけで評価される稀有な存在だ。2014年にはForumから初のアルバムである『Torus』をリリースし、ダンストラックだけでなくアンビエントや音響系まで多様な音楽性を披露したが、Delsinからのリリースとなるこの2ndアルバムではよりフロア向けのトラックで固められている。2013年11月に開催されたFuture Terrorで披露されたVrilのライブを体験した者ならば、きっとそのライブで感じ取った印象と同じ物をこのアルバムに感じるだろう。永遠に崩れる事のない端正な4つ打ちともやもやとした深い音響に包まれた"Portal 1"は、正にBasic Channelが作り上げたアブストラクトなミニマル・ダブをよりダンス性を強めたものだ。"Portal 2"では叩き付けるようなリズムによってグルーヴの勢いは増しフロアを激しく揺らすが、上モノにはDelsinらしい流麗さもある点に今までとは異なる音楽性も含まれている。よりDelsinのデトロイト志向が打ち出されたのが"Portal 3"で、ハンドクラップや潰れたようなスネアを用いたは生々しい粗さもあるが、そこにエモーショナルなメロディーが入ってくると宇宙の中を駆け抜けるようだ。"Portal 5"では毒気もあるブリーピーな音や金属的なパーカッションが荒廃さを生み出すインダストリアル・テクノへと繋がり、"Portal 7"では金属的な響きと共に闇の奥深くへと潜っていくような音響によってディープさも伴うインダストリアル・テクノを披露している。全8編のPortalは一切の煩悩や雑念を捨て去ったフロア機能型ダンス・トラックで、激しく荒々しい展開に誰しも抗う事の出来ない暴力的なエナジーが迸っている。



Check "Vril"
| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/4/28 The Choice Special -LSI Dream presents Giegling Night- @ Air
毎週火曜日はメンバーは入場無料となるAirの看板パーティーに育ちつつあるThe Choice。世間はGW間近と言う事もあってか今回のThe Choiceもスペシャルバージョンとなりドイツ・ワイマールを拠点に活動するGieglingのレーベル・ショーケースとしてGiegling Nightが開催され、主要メンバーであるKonstantin Knustと、そして彼とLeafer LegovによるユニットであるKettenkarussellがライブで来日し、日本からはdj masdaとAsyl Cahierが脇を固める。Gieglingについては2014年度Resident Advisor Pollでレーベル部門1位を獲得する等高い評価を既に得ており、テクノからハウス、そこにヒップ・ホップやIDMにアンビエントなど折衷的にジャンルを盛り込みながらも、それらをメランコリックに紡いでいく繊細なセンスが特徴だ。一般的には快楽的なものであるダンス・ミュージック…というその先に存在する何かを求めるGiegling、その音楽性を体験出来る貴重な一夜が待っている。
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| EVENT REPORT5 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deadbeat And Paul St Hilaire - The Infinity Dub Sessions (BLKRTZ:BLKRTZ008)
Deadbeat And Paul St Hilaire - The Infinity Dub Sessions
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ダブと言うスタイルが様々な音楽に侵食しその要素を働かせている中で、そのダブをテクノの中で追求しているアーティストがDeadbeatだろう。かつてBasic Channelが切り開いたダブ・テクノの路線を、踏襲と進化を両立させながら今の音へと成立させているが、本作はそんな彼とBasic ChannelことRhythm & Soundともコラボレートしていたラガ・ヴォーカリストであるPaul St. Hilaireによる共同制作盤だ。近年のDeadbeatと言えば実験的なダブ・テクノのレーベルであった~scapeを継承するBLKRTZを設立し、そこでは長尺の音響ダブ・テクノやダブ・ステップにも手を出したりと、比較的エクスペリメンタルな試行錯誤を行っているような印象もある。が本作においてはPaulとの共同制作による影響か、よりルーツ回帰を目指したであろうレゲエ色が強めのダブ・テクノを披露している。その意味では二人による奇跡的な化学反応を示したと言うよりは、良い意味では安定感のある予想通りの、悪い意味では期待の枠を越えないアルバムでもある。とは言えどもダブやレゲエに造詣の深い二人である、残響を強調したPaulによるボーカルは攻撃的ながらも快楽的な酩酊となって響き、Deadbeatによるトラックは強烈なアフタービートともっさりとした低音が力強い地響きとなり、これぞダブ・テクノと呼ぶべき紫煙が立ち込める世界は流石だ。残響も程々に音の間を活かす事で空間を生み出すそのバランス、単なる4つ打ちだけでないリズムの妙、繊細で柔らかい仄かなノイズの鳴りなど、音響系の系譜を意識しつつ更にはダンスフロアへの視線も忘れない音楽性はベテランだからこそだろう。コラボレートと言う点からの予想出来ない目新しさは無いが、Rhythm & Soundの魂を現代へと継承する音がここにある。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
STL - At Disconnected Moments (Smallville Records:SMALLVILLE CD08)
STL - At Disconnected Moments
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昨今のドイツのディープ・ハウス台頭の一つとして、ハンブルクのSmallville Recordsの成功は見過ごす事は出来ない。Lawrence、Julius Steinhoff、Just von Ahlefeld(Dionne)の3人が設立したレコードショップであり、レーベルでもあるSmallvilleは、USのシカゴ・ハウスやデトロイト・テクノに影響を受けたムーディーを作風を得意としている。特にクラブトラックとしてEPが大量生産されるご時世に於いても、それだけではなくアルバムとしての総合的な完成度を軽視する事なく、粛々とリスニングにも耐えうるアルバムを提供し続けている事はレーベルの確かな実力を証明している。そんなレーベルの最新アルバムが、Stephan LaubnerことSTLによるSmallvilleからは初となるアルバムだ。掻い摘んで言ってしまうとBasic Channelをディープ・ハウス化した現代版になるのだろうか、深く揺らめく残響音とざらついて湿っぽいリズムが脈打つミニマル・ダブである。最初から最後まで抑揚は統一され、モノトーンな感情に支配されたミニマル度の高い作風は一聴してひんやりとクールな様相ではあるが、静かに湧き出るような感情にはやはりSmallvilleらしいムーディーな叙情が見え隠れしている。あくまでBasic Channelが音響の美学と共にEP単位でフロアでの機能性を追求していたのに対し、STLのアルバムは機能性よりもホームリスニングとして部屋の空気に馴染む音に重きを置き、不鮮明な音像の中から繊細で流麗なコード展開が微かに浮かび上がらせる事で、幾分か感情的なハウス色を打ち出しているのだ。とは言え半分以上の曲が10分超えと少々大作を狙い過ぎた感も拭えなく、全体の統一感が高いだけに冗長になっている点は否めない。それでも陶酔感をたっぷり含むディープ・ハウスとミニマル・ダブの邂逅は、Smallvilleのレーベルの名声を更に高めるであろう。



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| HOUSE9 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/4/5 CABARET @ Unit
Unitにて長らく開催されているCabaretは過去の開催を確認してみると、単に人気や集客と言った面でアーティスト/DJを招致するのではなく、音がテクノであろうがハウスであろうが時代に左右されない個性を持つ事を重視しているように思われる。既に貫禄のある大ベテランから知名度は低くとも独自性を主張するアーティストまで、そこには一貫したアンダーグラウンドの美学が通底する。そして今回そんなCabaretが目を付けたのがSteve O'Sullivanだ。O'Sullivanは90〜00年代前半までデトロイト・テクノやBasic Channelに触発されたディープなミニマル・テクノで活動していたアーティストだそうだが、2003年以降は全く音楽活動を行う事もなくシーンから消えていた。そんな状況もあって当方もこのアーティストについては過去に触れる事は無かったのだが、昨年には過去の作品を掘り起こした「Bluetrain Retrospective」なるアルバムでシーンへと返り咲き、ようやく彼の音楽を聴く機会に巡り会う機会があった。そしてそのタイミングでの初来日、その上全てをハードウェアで演奏するライブが披露される。
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| EVENT REPORT5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Conforce - Kinetic Image (Delsin Records:102dsr/cfc-cd2)
Conforce - Kinetic Image
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オランダは決して大きな国ではないが、取り分けテクノと言うジャンルに関して言うとRush Hour、Clone、Delsinと言う良質なレーベルを有する先進的な存在だ。デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスなど古き良き時代の音を回収しつつ、スタイルを収束させる事なく新しさも追い求める音楽性は、前述したレーベルに共通する。そんな3つのレーベルからもリリース歴のあるBoris BunnikのメインとなるプロジェクトがConforceで、本作はそのユニットによる3枚目のアルバムだ。前2作はデトロイト・テクノ的な情緒的な世界観やメロディーやコード展開を重視したテクノであったが、本作ではがらっとスタイルを変えてBasic Channel以降のダブ音響を強調しつつも、4つ打ちのリズムやダンスフロアからの解放を目指し抽象的な音像を作り上げている。前作までも分かりやすいメロディーを取り入れながらも想像を誘発する電子音響的な面はあったが、本作ではよりふわっともやっとした捉えどころのない音が浮遊し、その裏では繊細に入り組んだキックやハイハットにパーカッションが洞窟の奥底で反響するような深い音響を奏でているのだ。不用意に音を増やす事はせずに、最低限の音にリヴァーブを被せる事で、数少ない音ながらも重層的な空間の膨らみを創出する中に浮遊感を共存させる事に成功している。エモーショナルな音楽性を回避しつつ抽象的な音響面やリズム面を強調した作風は、そのクールで幾何学的なジャケットにも表れており、Conforceはダンスフロアで機能する事よりも未だ見果てぬ世界のようなサウンド・スケープを描く事に関心があったのだろう。前2作から予想外の方向へと転換した作品ではあるが、今までのイメージを刷新しつつもテクノと言う音を強烈に主張する素晴らしいアルバムだ。



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| TECHNO10 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fluxion - Vibrant Forms (Type Recordings:TYPE117CD)
Fluxion - Vibrant Forms
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ミニマル・ダブを生み出し、そして追求するアーティスト/レーベルとしてのBasic Channelが、かつて運営していたサブレーベルにChain Reactionがある。Basic Channelの活動の場としてではなく、あくまで彼ら以外の才能を発掘するレーベルとして多数のアーティストを輩出したが、ギリシャのKonstantinos SoublisことFluxionもその一人だ。Basic Channelに認められてChain Reactionからデビューを飾ったFluxionだが、1999年に初のアルバムをリリースしたものの、再発を行わないレーベル性の為かそのアルバムは長らく廃盤となっていた。が14年の時を経てそのアルバムは遂にリマスターを施された上で復活を果たした。アルバム以前にリリースされたEPから8曲、新曲は2曲とほぼコンピレーション的な体裁で、ノイズにも近い不鮮明なアナログシンセにエコーやディレイ処理を施したサウンドは正にミニマル・ダブだが、しっかりと4つ打ちのキックが鳴っている事から本家よりも比較的ダンストラックとしての機能性を意識しているように感じられる。デビュー作と言う事もあってか今聴くと少々古臭さは否めない点と、ミニマル・ダブとしての研ぎ澄まされた音の選び方は本家には及ばないところはある。しかし情感を感じさせないひんやりとした音の中でも、有機的な揺らぎは引いては押し寄せる波のように躍動的で、現在のテクノにミックスさせても違和感なく馴染む機能性と言う点では優れている。最近のFluxionの作品がより音を減らして弛緩したダブへと接近しているのに対し、本作は青々しいと言うべきか若さ溢れる力強いミニマル・ダブではあり、目眩を引き起こすような過剰な音響が特徴だ。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Audio Tech - Dark Side (Metroplex:M-040)
Audio Tech - Dark Side

にわかにざわめき立つデトロイトのJuan Atkinsと、そしてドイツのBasic Channel一派の絡み。先立ってJuanとBCからMoritz Von Oswaldがコラボレートを果たしたが、今度はJuanとBCのもう一人であるMark Ernestusが、Audio Tech名義で共演を果たした。そもそもがこの名義はJuan単独の変名だったものの、16年ぶりの新作では何故かMarkも加わっての名義となっているのは謎だが、相互作用は予想以上の相乗効果を発揮している。浮遊感のあるスペーシーなシンセ使いとモノトーンな呟きはJuanのものであるが、そこに生音ぽいベース音や滑りのあるダブ的なリズムの付加は恐らくMarkによるものであろう。叙情的なパッドが薄く伸びながらも、まるでRhythm & Soundのようなぬちゃぬちゃと湿り気を帯びさせた生っぽさが、宇宙を飛翔するデトロイト・テクノとはならずに泥沼に埋もれるミニマル・ダブらしさを強調している。そして本作がより注目を集めているのは、ここ暫くタッグを組んでいるMax Loderbauer+Ricardo Villalobosによる"Vilod Remix"であろう。12分にも拡大解釈されたリミックスは、もはや元の様相を保っておらずに乾いたパーカッションが複雑なリズムを構築し、様々な音が絡み合いながらまるで芯を抜かれた生物のようなふにゃふにゃとしたグルーヴ感を醸し出している。指の隙間からこぼれ落ちるようなとらえどころのなさが不思議な恍惚を生み出しているが、細部まで丹念に編み込まれた繊細なトラックは芸術的ですらある。4つ打ちから融解するように解け、そして再度徐々に定型を成すように4つ打ちへと変遷していくトラックは、12分と言う長い時間をかけてじっくりと堪能とする事で、何時の間にかトリップする蠱惑的なミニマルだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/11/23 Future Terror 12th Anniversary @ Unit
12年に渡って千葉と言う場所だけに限って開催され続けていた、正に地元密着型の叩き上げパーティーがFuture Terrorだ。DJ Nobuを中心に音楽もメンバーも変化を遂げながら、しかし千葉と言うローカル性を守りながらファンを増やし続けてきた。今年の3月にも千葉でパーティーがあったものの、既にキャパオーバー状態であったのが実情で、12周年はそんな問題も考慮して遂に東京はUnitへの初進出となった。そんな12周年のゲストにはまだそれ程知名度は高くないのだろうが、DJ Nobuが惚れ込んだMetaspliceとVrilを招致している。当方もこの2アーティストについては情報を持ち合わせていないものの、有名無名に限らずDJ Nobuが惚れ込み自信を持って勧めるアーティストなのだから、期待せずにはいられない。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory (Cooking Vinyl:COOKCD587)
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory
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アンビエント・テクノを代表するThe Orbとレゲエ界の至宝であるLee Scratch Perryがコラボレートした"The Orbserver In The Star House"(過去レビュー)はThe Orbのレゲエへの偏愛を再度明らかにした興味深い作品であったが、恐らくそのアルバムからのアウトテイクを集めたであろうアルバムが本作だ。6曲の新曲にそれらのダブ(インスト)バージョンを収録したアルバムなのでボリューム的には物足りないところもあるが、前作に引き続きマスタリングにはPoleことStefan Betkeも参加していたりと質的な面での低下は見受けられない。多少の変化と言えば前作が比較的レゲエ色を盛り込んでいたのに対し、本作ではいわゆるテクノらしいダブの残響音がより強く感じられる。Perryによる浮ついた酩酊感のあるトースティングが曲全体を湿度の高いレゲエ色へと染め上げてはいるが、しかしダブバージョンの方を聴いてみるとBasic ChannelやPoleの深い残響と揺らぎを伴うミニマルダブにも感じられ、やはりこのコラボレートではPerryの歌がレゲエたらしめる肝になっていたのだ。テクノをより好む筆者としてはダブバージョンの方が自然に聞こえ、例えば数年前にKompaktからリリースした"Okie Dokie It's the Orb on Kompakt"のサイケデリックな狂気とクールな知性が融合した感覚にも被り、アウトテイクとは言えども歴代の作品に見劣りしない高い完成度を誇っている。そこら辺はAlex Patersonの右腕であるThomas Fehlmannが制作に参加している影響もあるのだろうし、この二人がユニットを組んでいる限りはThe Orbは安泰と言えよう。日本盤にはRicardo Villalobosによるリミックスも収録。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Desolate - Actaeon EP (Fauxpas Musik:FAUXPAS 011)
Desolate - Actaeon EP
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ドイツはMojubaやEssaysにてディープ・ハウスからダブ・ハウス、またはピアノに焦点を当てたクラシカルな作風まで手掛ける若手の注目株であるSven Weisemann。年齢的に若手とは言えどもかなりの量の作品をリリースしており、既に高い評価を獲得している。特に深くスモーキーな音響ハウスには定評があるものの、このDesolate名義では時流の音であるダブ・ステップをも意識したダブなテクノが強く出ているように感じられる。"Actaeon"はゆったりとはしながらもダブ・ステップのリズムを取り込み、全体としての様相は上層でメランコリーを誘うパッドがゆったりと広がっていて、夢の中に居続けるような朧気な音響がドリーミーで心地良い。"Yearning"なんかも深くリヴァーブがかかったリズムがかかったダブ・ステップのリズムを刻んでいるが、音のぬちょぬちょした湿り具合や妖艶な声が入るのを聴くと、レゲエやダブの気怠さにも通じるものがあるなと思いつつほぼBasic Channel化してなくもないような。一転して"Bitter Grief"はメランコリーなメロディーを生かしたダウンテンポな作品だが、ここでもリヴァーブがかった深い音響や夢見心地のアンビエンスが鳴っており、静謐な物悲しさは最上級だ。どれもSvenらしいメランコリーやシネマティックな性質があり、フロアから適度な距離を置いた作品においてもSvenの手腕は発揮されていると思う。ついでだがレーベルの公式サイトで試聴した限りでは33回転で聴くのが正しいようだが、しかし45回転で聴いても違和感が無いので、正直なところ正しい回転数が分からない。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/25 eleven Closing Party ARAS NIGHT @ eleven
YellowからElevenへと名を変えて再始動したこの場所も、3年弱と短い運営をこの日で終える事となった。あまりの急なクローズアナウンスで失意の念を隠せないが、この3年間で最も足を運んだクラブなので最後まで看取らずにはいられない。元々以前からブッキングが組まれていた為にelevenとは特に縁のないAndre Galluzziがゲストで呼ばれていたが、しかしクローズが決まってからDJ NobuやGonnoも参加を表明してくれたおかげで、今までelevenを支えてきた国内のDJで幕引きが出来るのはひとしお感慨深いものだった。
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| EVENT REPORT4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Sommer (Soma Quality Recordings:SOMA CD099)
DeepChord - Sommer
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視界も眩む薄膜のノイズと過剰なリヴァーブによるミニマルダブを生み出し続けるUS屈指のBasic ChannelフォロワーであるRod ModellことDeepChordが、前作から一年経たずして早くも新作をリリースした。前作同様にUKの名門テクノレーベルのSOMAからのリリースと言う影響もあるのか、長尺なミニマルトラックを得意とするDeepchordにとっては意外にも感じられる5分前後のコンパクトな曲がアルバムを占めるようになった。今までにも用いていたフィールドレコーディングは本作でも利用していて、バルセロナやアムステルダムにベルリンと言った世界各地の環境音を霧靄のように張り巡らせているが、しかしミニマルダブと言うスタイルは引き継ぎつつも今までに聴けなかった明確なメロディーが浮かび上がり、意識的にDeepchordのイメージを塗り替えるが如くよりテクノ化したスタイルへと変貌を遂げている。不鮮明なノイズの中に姿をくらますアブストラクトな閉塞感は後退し、より肉体感を刺激する外交的なダンストラックの比重が増し、そこに麻薬的な精神作用が無くともビートで耳を惹きつけアンビエンス感溢れる幻惑のメロディーで魅了するテクノへと進化しているのだ。その意味では以前よりもDeepChordらしいやり過ぎな残響音のミニマルダブの個性は減っているが、ダンストラックとしてのバランスを考えると本作は優れたアルバムとなっている。

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| TECHNO9 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
IORI - Nexus (Bitta:BITTA10001)
Iori - Nexus
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千葉から全国へと拡散を続けるアンダーグラウンドなパーティー・Future Terror、それを主宰するDJ Nobuが長いDJ経験を経た上で遂に自身で新レーベル・Bittaを立ち上げた。そしてレーベル第一弾リリースとして沖縄で活動を続けるIori AsanoことIORIのアルバムが選ばれた訳だが、なんと驚くべき事にこのアーティストが本格的に音楽制作を始めたのは2008年頃とまだそれ程古くはないのだ。しかし知っている方も多いだろうがPhonica WhiteやPrologueと言った海外のレーベルの目に止まり、この3年でEPを9枚もリリースするなど急成長を遂げ日本から世界に向けた期待のアーティストにまで存在感を強めている。本作は今までにリリースされてきたEPから7曲に新作の3曲の計10曲となるコンピレーション的な意味合いが強いが、EPから選りすぐりの曲を収録しただけありデビュー・アルバムとは言えども実に個性的で質の高いテクノを聴く事が出来る。一聴してBasic Channel的なダブ/ドローン/アンビエンスの深みいムードがありながらも、そこから陶酔感に直結するダークでトランシーなシンセの連なり、より肉体性を感じさせる躍動感のある4つ打ちを走らせてフロアでばっちりはまるトラックが多い。しかしフロア向けでありながら内向的で厳かなディープさは闇雲に音を詰め込んでヒートアップさせるトラックとは異なっており、まるで念仏に合わせて内なる精神世界に没頭して行くトランス感があり、柔らかいドローンの波に揺られながら真っ暗闇のフロアで感じる無意識なハイの瞬間をも想起させる。無機質でクールな音色で何処までも深く潜り込んで行くディープなテクノが、BerghainともリンクするDJ Nobuを虜にしたのも納得だ。

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| TECHNO9 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Porter Ricks - Biokinetics (Type:TYPE100)
Porter Ricks - Biokinetics
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ミニマルダブの極北であるBasic Channelの傘下に作られたChain Reaction、そのレーベルのアルバム第1弾が実はPorter Ricksによる本作である。アンビエント・ノイズ系のThomas KonerとエンジニアであるAndy Mellwigから成るPorter Ricksは、1996年にそれまでにリリースしたEPも纏めて"Biokinetics"としてリリースしたが、その頃は高い知名度を誇っていたとも言えず今ではプレミア化していた隠れた名作だ。ようやく今になってリイシューされた訳だが不思議と隔世の感を覚える事もなく、ミニマルにディープな音響を組み合わせたPrologue等のレーベルが流行っている現代にも適合しているミニマルダブだ。アルバムの中で殆どの曲は明確なメロディーは無く、ハートビート風にゆったりとしたモコモコしたビートが永遠と鳴り続けていて、その上をぼんやりと不鮮明なノイズが薄く覆い尽くしている。無感情に冷えきった音で隙間なく埋め尽くされたドローン系ではあるが、"Port Gentil"や"Nautical Zone"で聴ける甘美なノイズにはアンビエントな微睡みさえ感じられるであろうし、それ以外の曲では一体どれ程深い空間で音が鳴っているのかと思う位に抽象性を極限まで高めたダブ音響を聞かせる。多くのBasic Channelフォロワーが単なるダブ音響の中で個性を埋没させてしまったのに対し、ノイズから生まれる荒涼とした世界をダブの音響で空間を押し広げた作風で、例えば今ドイツの一部で盛り上がっているノイズを薄く忍ばせる音響を得意とするPrologue系テクノの先駆的存在に思えるのである。全く時代を感じさせないどころか、今が旬にさせ聴こえる早過ぎたドローンだったのでしょう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/2/17 eleven 2nd Anniversary party with Sound of Berghain @ Eleven
2010年にYellowからelevenへと復活を遂げてから早2年、その間にもクラブミュージックに於ける重鎮から海外で注目を浴びつつあるニューカマーまで招致し、常に古き良き伝統と新鮮なヴァイブスを提供し続けているeleven。そしてeleven 2nd Anniversary partyの初日では既にこのクラブで定番となったパーティー・Sound of Berghainの第3弾が開催されました。前回もこのパーティに出演したShedのライブに加え、Hard WaxのスタッフでもありBasic Channel一派のScionやSubstance名義でも活動するDJ Pete、そして日本からはBerghainでのプレイも称賛されたFuture Terrorの番長ことDJ NobuがDJとしてプレイする鉄板テクノナイト、それはそれは非常に素晴らしいパーティーとなりました。
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| EVENT REPORT3 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Hash-Bar Loops (Soma Quality Recordings:SOMACD091)
DeepChord - Hash-Bar Loops
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タイトルが"大麻樹脂の反復"と言う極めてヤバいアルバムを制作したのは、アメリカからのBasic Channelフォロワー第一人者であるRod ModellことDeepChord。なんでもオランダのアムステルダム滞在中に、大麻バーにたむろう人々などが居る街の雑踏からインスパイアされて制作したとの事。しかしDeepChordはミニマルダブの境地に辿り着いた存在であり、同時にミニマルダブを金太郎飴的に制作しており、普段と作風も変わらずいつも通りの深くてスモーキーなミニマルダブを披露しております。と言うか全編に渡ってまるでBCの"Quadrant Dub"が繋ぎ目無くミックスされているようで、際限なく深みに嵌る70分は確かにヤバイ香りがぷんぷん。紫煙をくゆらしながら不鮮明な音の揺らぎに身も心も任せれば、もはやそこは現世から離脱した涅槃の境地。リヴァーブの聴いた奥深い音は広がりを感じさせつつも、過剰とも思える紫煙が精神的に完全に自己の内なる世界へと引き込む酩酊感の強い効果があり、きっとハッシュをキメているのと似たような感覚を引き起こすのでしょう。汚らしく荒れたざらつきのあるサウンドには、しかしそれは官能的ですらある甘美な酔いを感じさせ、ハッシュが無くともうっとりと耳を傾けて聴くのもまた一興であります。どう聴いてもBasic Channelにしか聴こえませんが、そんな突っ込みは野暮ってもんです。

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| TECHNO9 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
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タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Brawther - Do It Yourself (Secretsundaze:SECRET001)
Brawther - Do It Yourself
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ディープハウスの界隈で一際注目を集めているAlexandre GouyetteことBrawtherの新作が早くも登場。今まではChez Damier主宰のBalance系列からのリリースでしたが、新作はGiles Smith主宰のSecretsundaze10周年記念の一環としてリリース。A面にはシカゴハウスらしい卑猥な声ネタを使用した沈静な佇まいの"Spaceman Funk (Deep Club Mix)"と、みぞおちにどっしり響くキックが効いたグルーヴィーな"Do It Yourself (Alternative Mix)"を収録。今までの作風に比べるとミニマル度も高めなれど、浮遊感溢れる上物シンセの使い方はChez Damierらにも共通する内容で、ディープハウスをやっていた頃のRound One(Basic Channel)をも思い起こさせます。B面にはScubaのHotflush Recordingsからも作品をリリースしているニューカマー・George Fitzgeraldのリミックスを収録。この人は新世代のダブステッパーだそうですが、かっちりタイトな非4つ打ち横揺れグルーヴに洗練されたシンセのリフで躍動感を感じさせるデトロイト風なダブステップリミックスを施しており、オリジナルのディープハウスを上手くテクノに転換させていますね。まあしかしBrawtherのディープハウスは、若くして貫禄が感じられ今後の期待を感じずにはいられませんね。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - Drawn And Quartered (BLKRTZ:BLKRTZ001)
Deadbeat - Drawn And Quartered
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1999年にPoleことStefan Betkeによって創立され音響派ダブテクノを引率してきた~scapeは、惜しむらくも昨年2010年に運営をストップさせてしまった。巨匠Basic Channelの以降のベルリンにおけるダブテクノの先導者でもあった~scapeにはJan JelinekやKit Clayton、Mike Shannonと云った奇才が集まっていたが、今日紹介するDeadbeatも同レーベルから作品をリリースしていた。~scapeのクローズを惜しむDeadbeatの新たなる指標は、自らがBLKRTZなる新レーベルを立ち上げ~scapeの意匠を継いで行く事。Wagon Repairからの前作は完全にフロアへと視点が向いていたダブテクノだったが、新作に於いては先祖返りして初期Poleらを受け継ぐ極力無駄を排しグルーヴの起伏も抑えたダブテクノで、緩いどころか極スローテンポでドロドロとした作風はレゲエへと同調したRhythm & Soundの様でもある。まあ彼等に比べれば甘美で深遠なる音響には色気があり、紫煙の様に漂う微かな上物のノイズにはアンビエンスも感じるし、粘り気のあるグルーヴはあれどRhythm & Sound程のダビーなしつこさはなくミニマルが基調になっている。全てが10分以上の長尺な5曲収録とミニマルな作風を生かしたどっぷりはまらせる構成で、蒸し暑く気怠い真夏には更に部屋の湿度を上げるであろうが、意識も朦朧とする位の中で聴く方が気持良さそうなアブストラクトなアルバムだ。



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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Resoe - Black Void Of Space (Echocord:echocord cd09)
Resoe - Black Void Of Space
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デンマーク・コペンハーゲンよりBasic Channel影響下のディープかつダビーなテクノを推し進めるレーベル・Echocordの新作は、Dennis BogことResoeの1stアルバム。Dennis自身もBaum Recordsと言うミニマルダブのレーベルを運営しておりミニマルダブへの偏愛ぷりは伝わってきますが、このResoeのアルバムを聴く限りではベーチャンの意思を汲み取りつつも更に前進する姿勢も感じられます。平たく言ってしまえばリズミカルなベーチャンと言うべきか、霞がかった不鮮明なノイズのヴェールや過剰なダブ処理は適度に抑制され、その分硬質な音質と手数の多い非4つ打ちなリズムで揺さぶりをかけてきます。この手のジャンルらしくBPMも早くないしテンションも高くはないけれど、変則的なキックで左右に揺さぶられるグルーヴには非常に躍動感が感じられ、奥深さのあるディープな音でありながら肉体的刺激もしっかりと感じられますね。なのでベルリンで流行っているダブステップと邂逅したテクノとも親和性も良さそうだし、ベーチャン以降のミニマルダブを更に推し進めているとも言えるでしょう。本家ベーチャンの様な沈静で極度のストイックさはないものの、その分この手のジャンルに精通していない人にとっても聴き易い作品であるとも思います。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures (Honest Jon's Records:HJRCD54)
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures
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ミニマルのある一つの理想型を創り上げたBasic Channelの一人・Moritz Von Oswaldが、ミニマルな構成を保ちながらも更にそこから乖離、又は更なる飛躍を遂げているMvOT。本人のプログラミングにVladislav Delayのメタルパーカッション、Max Loderbauerのシーケンス、その上Paul St. Hilaire(Tikiman)のギターとMarc Muellbauerのダブルベースも加わった最早トリオではない完全なるバンド化した本作。1stアルバムから2年も経たずにライブ盤、そしてこの2ndアルバムと早急にも思える活動ながらも、しかし遥か遠く未知なる境地へと向かっているのは間違いない。60分4曲と言う大作志向かつ余りにも時間軸の遅く感じられるスロウな展開故に、ミニマルに馴染みのない人にとっては退屈と思われる瞬間もありうるが、しかしそれでも間違いなく訪れるカタルシスへと向かう助走から幕を開けいつしか緊迫した絶頂へと達するピークの瞬間が待ちわびている。パーカッションは雷鳴の如く空間に響き渡り、そのバックで酔っているかのようにふらふらと控えめに鳴るギター、低音で地味に主張するベースライン、そしてミニマルな構成の軸となるエレクトロニクス群は、即興演奏と言う鬩ぎ合いによりひりついた緊張感を生み出している。ただ聴いているだけでは気難しく難解な音楽にも思えてしまうが、アクシデントなプレイさえも収録した本作はミニマルから無定形なフォームへと羽ばたいている自由な音楽でもある。クラウトロックやプログレ寄りな音楽性ながらも、彼らの得意とするミニマルダブも残されており、微妙にクラブとの繋がりも保っている怪作だ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
2011/01/08 SANDWELL DISTRICT ALL - NIGHT @ Unit
Surgeonと双璧を成すインダストリアルテクノの開拓者・Karl O'ConnorことRegis、Synewave等からのリリースでアンダーグラウンドなハードテクノシーンで活動してきたDavid SumnerことFunction、そしてその二人によるユニット・Sandwell Districtがパーティーの最初から最後までを演出する。間違いなくハードな一夜が体験出来そうなので遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay as Sistol - Remasters & Remakes (Halo Cyan Records:PHC02)
Vladislav Delay as Sistol - Remasters & Remakes
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最近11年ぶりに新作をリリースしたVladislav Delayの変名・Sistol。Vladislav Delayと言えばChain ReactionやMille PlateauxからBasic Channelを継承するアブストラクトなテクノをリリースしておりましたが、このSistol名義の作品はよりダンスフロアへ視点が向いているテクノです。そして最近新作がリリースされたのに合わせて11年前の1stアルバムのリイシューにリミックスアルバムも追加したのが本作。新作はちょっと手広く締りのない印象もあったのですが、こちらの11年前の作品は当時流行っていたグリッチ音も多用したシンプルに肉を削いだミニマルで、その無機質な質感や色の無い音色、芯の強い低音が極限にまで高められており非常にストイックな作風になっております。Vladislav Delayから色気を削いでリズムを強めたと言うか、又は初期Poleのダンスバージョンと言うか、Thomas Brinkmannの幾何学的ミニマルと言っても差し支えないかもしれない。そしてリミックスアルバムにはMike HuckabyやJohn Tejada、Alva Noto、Sutekh、DMX Krewら様々な方面の人が参加しており、当然統一性はないものの元々のクールな印象を保ったリミックスが楽しめる内容です。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scion - Arrange and Process Basic Channel Tracks (Tresor:TRESOR10200)
Scion-Arrange and Process Basic Channel Tracks
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近年最盛期の勢いを失っていたかつてのドイツテクノシーンの中心的存在・Tresorですが、今年に入ってから過去の名作リイシューにも力を入れる等、レーベルも俄かに動き出しております。そして2002年にリリースされその当時にも話題騒然となったMIXCDも、この度リイシューされました。これを手掛けたのはScionことPete Kuschnereit aka SubstanceとRene Lowe aka Vaniqueurの二人組み、そうミニマルダブの極北であるBasic Channelを継ぐ者。そんな彼等が全てベーチャン関連のトラックを使い、更には当時はまだ珍しかったAbleton LIVEによって、レコードを使用したDJでは到底不可能な次元にまでにDJの妙技を押し上げてしまいました。今ではPCソフトを使ったDJは珍しくもないですが、多くのDJは大量のトラックを確保しつつ、重いレコードを運ぶ苦労から解放される為にPCソフトを使っている場合が多いしょう。PCソフトの機能を最大限にまで引き出して使用しているDJは、まだまだ多くないのが実情だと思います。しかし本来であれば曲を曲として扱うのではなくミックスのパーツとして扱い、それらを同時に複数組み合わせて新たなる曲を創造する手法こそPCソフトの醍醐味の一つではないでしょうか。その意味において本作はPCソフトによる可能性を、そしてベーチャンのミニマルダブの魅力を十分に引き出しており、ベーチャンファンのみならずテクノの一つの指標として聴かれるべきでありましょう。当然ハードかつアブストラクトな要素の強いミニマルダブとしても十分聴き応えはあります。

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| TECHNO8 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord presents Echospace - Liumin (Modern Love:LOVE064)
DeepChord presents Echospace - Liumin
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目下Basic Channelフォロワーの極北を突き進むDeepChordことEchospaceの3年ぶりのアルバム。"流民"と題されたタイトルと関係あるのか、東京のざわめく雑踏をフィールドレコーディングした音も利用して作られたミニマルダブで、前作と似通いながらも踊れる要素が強くなっており1stアルバムを凌駕する出来です。1stでは過剰なまでのリヴァーブなどを駆使して霧靄の中に迷い込んでしまう程の不鮮明な世界を作り上げておりましたが、新作ではそう言った過剰なエフェクトの使用は控えて以前よりはくっきりとリズムが浮かび上がるミニマルダブになっておりました。曲によってはしっかりと重めの4つ打ちが入っていて、リヴァーブから生まれる揺らぎだけでなくグルーヴから生まれる揺らぎも感じられ、以前よりも肉体的な気持ち良さがはっきりと強くなっております。特に"BCN Dub"では土着的な上物も空間の奥底から響いてきて、ファンキーにさえ感じられるトライバルな音が鳴っていました。そして初回盤にはボーナスディスクが付いており、こちらはDisc1から大気の要素を抽出したと言う説明通りのノンビートなアンビエントになっております。まるで人込みに溢れた都会を一人彷徨うかの様なしんみりとした寂しさに満ちており、新宿や渋谷の空虚な夜の街に放り出された気分になります。躍動感のあるDisc1、静かに音の拡がるボーナスディスクと対称的な内容で聴き応え十分。

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| TECHNO8 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dettmann (Ostgut Ton:OSTGUTCD12)
Dettmann
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現在のテクノシーンにて最も注目を集めるクラブ・Berghainのレジデントとして、そしてアーティストとしても最も注目を集めているドイツのMarcel Dettmannの初のアルバムが到着。ここ数年の硬質なミニマルの復権はドイツのOstgut Tontrager勢一派による影響が大きいのでしょうが、勿論Dettmannもその中の一人。そんな訳でこのアルバムも予想に違わない無駄を削ぎ落としたシンプルなフロア向けミニマルのみで構成されています。暗く無感情で、そしてシンプルな繰り返しによるミニマルを極めているトラックばかりなので、正直言ってしまうとこれを家で一枚通して聴いても面白みは少ないかもしれない。だがノイズ混じりでどこかインダストリアルで荒廃した雰囲気も感じさせる音は、クラブの爆音の中でミックスされる時こそ最大の効果を得るのも予想出来て、彼が本作をDJの為に向けて作ったのは明白でしょう。ドイツのレコード店・Hard Waxで働いている影響もあるのかBasic Channelから繋がる適度なダビーな音響もあり、そしてダブステップにも通じるリズムの組み方もあり、現在のベルリンテクノの先端の音である事は間違いないですね。アルバムとしては淡白な印象も受けますが、DJには受けが良いのかなと思います。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - Radio Rothko (theAgriculture:AG052)
Deadbeat - Radio Rothko
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Basic Channel好きなら是が非でも買いなさいと断言するミニマルダブミックスの決定打となる一枚が登場。これを手掛けるは昨今のミニマルダブシーンで確実な評価を得ているDeadbeat、そしてマスタリングにはPoleことStefan Betkeを迎えております。Deadbeat自身がライナーノーツでベーチャンの多大なる影響を延々と語っている事からも分る通り、本作はベーチャンとそのフォロワー達による楽曲がほぼ占めており、全編通して最高に気持ちの良い残響音を感じられるミニマルダブとなっております。一応展開を分けるなら序盤はテクノ、中盤はレゲエ、終盤はハウスと言う括りも出来る内容ですが、どこを切り取ってもエコーやディレイが絶え間なく響いていて脳味噌も融けてしまいそうな恍惚の沼が広がっております。幾層にも被さりながら地平線の彼方まで広がる残響音は、正にベーチャンから始まったミニマルダブの極み。内容的にはベタベタなミニマルダブで驚きも特には無いのですが、懐古的な選曲だけでなく近年湧き出てきたフォロワー達のトラックもしっかりと使用していて、ベーチャンの系譜が今でも継続している事を感じさせくれるのは嬉しい限り。ベーチャンが蒔いたミニマルダブの種は、続々と開花している様でもある。

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| TECHNO8 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2010/05/02 Thomas Fehlmann Japan Tour 2010 @ Eleven
GW音楽週間の二発目はThe OrbのAlex Petersonのフォローし、そしてソロではKompaktから余りにも美しいダブテクノをリリースしているおじさん・Thomas Fehlmann。ニューウェーブの変異体・元Palais Schaumburgとして活動後、徐々にエレクトロニックミュージックに傾倒し、90年代からはBasic Channelやデトロイトテクノとも関わりを持ちつつThe Orbの活動を支え続けてきたエレクトロニックミュージック界の重鎮です。
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| EVENT REPORT2 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Roberto Bosco - My Universe (Wave Music:WM50214-1)
Roberto Bosco - My Universe
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既にFigureやBe As One Imprint、Night Visionなどの人気テクノレーベルから作品をリリースしている若き新星・Roberto Boscoが、今度は御代・Francois K.主宰のWave Musicから新作をリリースしました。これがまあそりゃフランソワもお気に入りなのも納得なじわじわと盛り上がる深い音響のダビーテックハウスを披露していて、私個人的にも大推薦な一枚。A面の"Space Drone"は重く重心の低いキックとそれにダビーな上物のリフ、そして中盤からはテッキーなシンセサウンドも入り出して、ミニマルな展開でずぶずぶと深い闇に落ちていくダブテクノ。B面にはめっちゃ派手派手な"Falling Stars"が収録されていて、これはメロディアスな上物シンセが入りまくるテックハウス。勿論重く図太いリズムが地響きの様に響いているので、ピークタイムでかなり盛り上がりそうな感じ。残り一曲の"My Universe"はまるでBasic Channelの様な地味なミニマルダブ路線ですが、スペーシーなSEも入ったりしてじわ〜っときますね。派手ではない分、繋ぎに使い易いDJツール的な意味合いかな。とまれ、全曲非常に気持ちの良いダブテックなんでお買い得でございます。

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| TECHNO7 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fluxion - Perfused (Echocord:echocord cd07)
Fluxion - Perfused
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昨年8年ぶりにアルバムをリリースしたKonstantinos SoublisことFluxionが、前作から一年経たずとしてニューアルバムを創り上げました。今回はBasic Channel傘下で活動していた者が、本家Basic Channelを継ぐデトロイトのレーベル・Echocordからのリリースと言う事で期待大。前作は過剰なリヴァーヴやエコーで奥深い空間性を披露したまんまBasic Channelな音にダンスの要素を増量したアルバムでしたが、新作はそこから引き算をした様な締まりのある音響へと向かいました。過剰なエコーなどは封印しそれよりも音の揺らぎでふわふわとした浮遊感のある空間を創り上げ、贅肉を削ぎ落としたシンプルなミニマルダブは軽い第一印象ながらも音の密度が高まった感じも受けます。あっさり味になった分少々地味な印象も受けましたが、その分ミニマル性が強まりこれぞミニマルダブと言うべき音になったのではないでしょうか。このアルバムからはDeadbeatとRod Modellによるリミックスシングルもカットされるそうで、そちらも楽しみです。

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| TECHNO7 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Conforce - Machine Conspiracy (Meanwhile:mean020cd)
Conforce - Machine Conspiracy
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Boris BunnikことConforceは2007年にオランダのデトロイト系を積極的にリリースするRush Hourからデビューしたテクノアーティスト。明らかにデトロイトテクノに影響を受けたサウンドで着実に評価を高め、デビューから3年にして満を持して初のオリジナルアルバムをリリース。作風の新しさと言う観点ではオリジナリティーは希薄なものの、初期Carl Craigのアナログで優しい当たりの、そして透明感に溢れたシンセサウンドや、Juan Atkinsを継ぐスペーシーでエモーショナルなトラック、Basic Channelの奥深いダビーな音響を伴ったトラック群は確かに粒揃い。本家デトロイトよりも感情を奮い起こすソウルは敢えて抑え目に、それよりもインテリジェンステクノのように未来的で流麗に装飾されているのがやはりデトロイトフォロワーに共通する点でしょうか。良い意味でデトロイトテクノを洗練した音は、よりイマジネイティブでネットワークに広がる仮想の空間を演出しているようでもある。聴いている内に何時の間にか電子の仮想空間に捕らわれていくに違いない。Vince Watson、Quince、Shed、Echospace辺りの音が好きな人には是非聴いて欲しい一枚。



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| TECHNO7 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scuba - Sub:Stance (Ostgut Ton:OSTGUTCD11)
Scuba - Sub:Stance
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近頃ダブステップが盛り上がっているようですが、テクノに接近しているダブステッパー・Scubaが何故かベルリンミニマル最前線のOstgut TonからMIXCDをリリース。ダブステップとテクノの邂逅は最早珍しくも無いですが、このMIXCDはその中でも決定打とも言える程に素晴らしい出来。ダブステップと言えばやはり横揺れ系の独特のリズム、硬質で引き締まったキックなどが特徴ですが、本作ではそれらの要素が目いっぱい詰まっていて目まぐるしい流れが展開。まるで山あり谷ありのジェットコースターのようでもあり、否応なく体が揺さぶられてしまう勢いがあります。そして闇夜の中から這い出してくる叙情とメランコリーはデトロイトテクノともリンクし、真暗な空間の広がりを感じさせるダビーな音響はBasic Channelのようでもあり、暗いインダストリアルな音の中にも壮大なドラマツルギーが展開し、破壊力と美しさが混在しているのです。Basic Channelがデトロイトテクノとダブスタップに取り組んだら、もしかしたらこんな音になるのかも?ベルリンミニマルとダブステップの新たなる胎動がここには詰まっております。先日の来日プレイに行っておけば良かったなと多少後悔が残る位の快作。

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| TECHNO7 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - Alive Series 01 (Beams Records:BBRC6024)

Deadbeat - Alive Series 01
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日本で若者に大人気なファッションブランド・BEAMSが手掛けるBEAMS RECORDSから、何故かベルリンミニマルダブ方面で活躍するDeadbeatのDJMIX(ライブ盤?)がリリース。「仮想ライブ・セット」がコンセプトの当シリーズですが、トラックリストを見る限りだと各曲に"DUB"と言う言葉が付加されているので、多分ダブ処理やらエディットをされているのでしょう。ミニマルダブとは言えど本家Basic Channel程の重苦しさや神格性は無く、逆に太古の踊りの様にかなりトライバルでがんがん踊れるダンストラックが中心。ドンチクとバウンシーなキックやパーカッションはねちっこさどころかむしろ爽やかなで軽やかな空気さえ呼び込み、適度なリヴァーヴ処理で残響音が空間の奥までかすかに続いて行くような印象。ヘッドフォンで聴くと左右からパンされるリヴァーヴが明確に感じられ、その飛び具合に心地良さも倍増。モノクロの様に淡々とした世界観でありながら聴き易さや心地良さがあるのは、ミニマルに特化するのではなく躍動感のあるトライバルな要素を持ち込んだ事が理由でしょう。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Fluxion - Constant Limber (Resopal Schallware:RSPDUB001)
Fluxion - Constant Limber
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かつてBasic Channel傘下のChain Reactionで活動をしていたKonstantinos SoublisことFluxionの8年ぶりの新作。ベーチャン系列なのでまあ予想に違わない空間の広がりを感じさせるミニマルダブテクノが中心なんだけど、オリジナルベーチャンよりも分かり易くダンサンブルですね。ただここら辺の人達って結局は完成されたベーチャンの後を継いでいるから、どうしてもそれ以上でもなくそれ以下でもなくと言った印象があるのはやむを得ないのかな。ダビーなエコーが繰り広げる幻想的な空間は確かにふわふわと気持ち良いし、ハウシーなグルーヴは本家よりも確かにフロア寄りな点もあり踊れるんだけど、オリジナリティーと言う点ではどうしても稀薄なんだな。本人が求める音がベーチャンその物だとしたらそれは致し方無い事だと思うけれど、そこから更に飛躍した音も期待してしまうのがリスナー。またハウシーになった分、ねちっこいドロドロとした粘着性も薄まった気がする。フロアで爆音でかかれば断然盛り上がるのは理解しているつもりだ。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Tummaa (Leaf:BAY 72CD)

Vladislav Delay-Tummaa
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冷静になって気付くその2、クラブ行かない子が良いなんて一瞬でも思った俺が馬鹿でした。俺が求めている女の子はやはり、ミニマルやテクノが格好良い、バレアリック最高とか、音楽の共通の気持ちを分かち合える人なんだ。ちょっとオタでアングラでレコードに愛着があったり、そんな痺れるセンスを持った子に惹かれる自分がいる。昼下がりの午後3時、コーヒー飲みながら好きな人と一緒にレコード聴くとか最高でしょ。我ながら妄想の中だけでは完璧だ。

元Basic Channel系列、そして今ではミニマルダブ、ハウス、ダウンテンポと色々な音楽に取り組んでいるSasu RipattiことVladislav Delay。ここ数年はLuomo、Uusitalo、The Dolls名義でのリリースや過去の作品のリイシュー、そしてMoritz Von Oswald Trioにも参加するなど尋常ならざるペースで音楽製作をしており、もうDelay名義で新作が出たのかと驚くばかり、着いて行くのも大変です。さて待望の新作は前作と雰囲気はがらりと変わって、不鮮明でノイジーな印象は弱まり音の一つがくっきりと浮かび上がってくるアブストラクトなアンビエントになっておりました。一聴して気付くのは音自体が柔らかく有機的になっていて、今までのエレクトロニックで冷たい印象が後退している事。これはCraig Armstrongによるローズピアノやピアノ、そしてサックスフォンやクラリネット、そしてDelayによるパーカッションなどの生演奏が大幅に加わった事がそのまま影響しているんでしょう。相変わらずの型にはまらない自由自在なリズムや展開は変わらないけれど、所々で情緒的な音色が流れてきてうっとりする瞬間があるのは聴き所。Vladislav Delay名義の中では一番聴き易く(それでも他のアーティストに比べればとっつきにくい)、安定と平静の感じられるムードミュージックだと思う。Delay名義は今後はよりアコースティックな路線に進むらしいが、その第一歩なのでしょう。

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| TECHNO7 | 10:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Vertical Ascent (Honest Jon's Records:HJRCD45)
Moritz Von Oswald Trio-Vertical Ascent
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お塩さんやっちゃいましたね、さすが我ら凡人には辿り着けない境地を感じさせます。しかし矢田亜希子って言うのは結婚した時点で分かってたけど、男を見る目は全く無いんだよな。宮崎あおいなんかもそうだけど幾ら彼女たち自身に魅力はあっても、男を見る目が無い女ってのはそれだけで評価を落とすよなぁ…

一年前から話題になっていたユニットのアルバムがようやく登場。なんと言っても面子が尋常ならざるユニットで、Basic ChannelのMoritz Von Oswald、Vladislav DelayやLuomo名義で活動するSasu Ripatti、元Sun ElectricのMax Loderbauerとテクノの歴史の中で音響には人一倍こだわりを持つ人達が集結しているのです。だからこそ耳を集中させて聴いて欲しい。ここには流行や売れ行きを意識した音は一切入っていない。彼等が頑なに信じる自分達の音響の美学を、テクノとジャーマンプログレの狭間で融解させ新たなるテクノの世界観を作り上げている。テクノとは打ち込みがメインでライブ性の少ない音楽ではある…と言った既成観念はここでは通用せず、Ripattiはメタルパーカッションを叩き、Loderbauerはシンセサイザーを弾き、Moritzは様々なエレクトロニクスを駆使し、展開と拡張性を伴った演奏を披露している。細かに配置された様々な音が浮かんでは消えて、ミニマルではありながら微細な変化を伴いながら展開しつつ、廃退的な余韻が残っていく。余りにも生真面目過ぎる音楽ではありますが、フロアやクラブと言った娯楽的な要素を越え、テクノの制限を越えて生きているテクノに全力で打ち込んだ結果が本作なのではないでしょうか。ベルリンテクノだけど、何故かアフリカンなパーカッションは古代の踊る欲求を呼び起こします。

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| TECHNO7 | 00:05 | comments(2) | trackbacks(3) | |
Len Faki - Berghain 03 (Ostgut Tontrager:ostgutCD08)
Len Faki-Berghain 03
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現在のドイツテクノの中心の一端を担うOstgut Tontragerから、ベルリンの代表的クラブ・BerghainのオフィシャルMIXCDの第三弾がリリース。新作を手掛けるのは割とソリッドでハード目なテクノを得意とするLen Faki。ミニマル隆盛の現在においても旧ミニマルらしい作風を残してもいるし、去年体験したDJプレイでも激アッパーで勢いを感じさせてくれたので本作にも期待をしておりました。で内容はばっちし、期待を裏切らない硬派なテクノ中心。オープニングはいきなりチルアウトなんでびっくりしましたが、それ以降は硬めで暗黒系ミニマル中心。さほどハードではないけれどメタリックで黒光りする音の響きが深い世界を展開し、中盤で自身やRadio SlaveのトラックでBasic Channelばりのダビーなミニマルに移行、かと思えばそこからはディープハウスやLaurent Garnierのクラシックでぐぐっとエモーショナルに染まるなど、意外にもバラエティーに富んだ展開。相反する金属的な冷たさと人間的な温かさが並んではいるものの、抑揚のある展開や奥行きを感じさせる音響があって飽きないミックスだと思います。ようやくテクノの中心地ドイツからミニマルブーム以降の音が、徐々に増えてきたので個人的には嬉しい限り。

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| TECHNO7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Studio 1 - Studio Eins (Studio 1:STUCD1)
Studio 1-Studio Eins
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ミニマルテクノの極北・Basic Channelと並ぶケルンミニマリズムの最高峰・Mike InkことWolfgang Voigtの廃盤が今年になってリイシュー。近年はKompaktの運営に忙しいのか音楽制作の方はのんびりですが、かつては多数の変名を使って尋常ならざる量をリリースしていたMikeさん。それでもどの作品も高水準を保っているのだからやはり天才ですが、このアルバムも当然ミニマルを極めております。うむうむ、以前から所持していた割には余り聴き込んでいなかったので気付かなかったけど、同じミニマルと言うジャンルでも最近のミニマルよりもっと直線的でシンプル。一見簡素でスカスカな構成と無味乾燥な音作りなので単調にも感じるのだけど、カチッとしたリズムには鈍くもファンキーな渋さがあります。隙間の美学と言うかどこまでマイナス出来るかと言う挑戦をした作風で、地味ながらもミニマルのグルーヴにずぶずぶとはまるドープさが肝。アルバム単位で聴いて面白いかと言われると答えには困るけど、やっぱりクラブでミックスとかに使用すると有効なのは言うまでもないですね。家で聴いていると微妙にテンション落ちると言うか、ずぶずぶと内なる精神世界に引き篭もりそうでやばい。

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| TECHNO6 | 07:50 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
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新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

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| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Yagya - Rigning (Sending Orbs:SO011)
Yagya-Rigning
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Basic Channel+アンビエント=Yagya、みたいな感じのアーティスト。Force Inc.からの1st(過去レビュー)が名盤ながらも廃盤なので、オークション等では高額取引されているのが現状です。そんな彼の3rdアルバムが登場。アイスランド語で"Rain"を意味すると言うタイトルの通り、しとしとぴっちゃんな湿っ気の高いミニマルでアンビエントな内容です。街や雨の環境音楽のSEの中、柔らかく繰り返され反響するダビーなエコーは、幻想的以外に表現の出来ない気持ち良さ。永遠に晴れない濃霧の中で繰り広げられる夢の世界、そこはまるでアマゾンの奥に広がる秘境かまたは胎内の中か。Mike Inkの変名"Gas"(過去レビュー)のアンビエント路線とほぼまるっきり一緒なんで、そちらが好きな人はYagyaも耳に合うはず。良くも悪くも変わらず同じ事を続けているけれど、ふわんふわんな音響は堪らんな。まじ昇天しそう。

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| TECHNO6 | 16:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2008
昨日の続き。先行きの暗い日本ではありますが、個人的には良い事も…あったっけ?いやいや、ありました。本人には面と向かっては恥ずかしいので言いませんが、当ブログを通して出会えたa4mさんには感謝しております。多分当ブログの読者で初めて会った人なんだけど、何故か今までは特に誰とも会う事は無かったのです。がa4mさんがパーティーに誘ってくれて、更には友達のクラバーを紹介してもらったり、新しい出会いがありました。周りからすればそんなの大した事ないじゃんと思うでしょうが、本来引き篭もりむっつり根暗系の自分は人付き合いもそんなに上手ではないので友人も多くもないし、まさか当ブログの読者に会うなんて事は考えてなかった訳ですよ。だから彼女が誘ってくれたのは嬉しかったし、彼女の気さくさと言うか親近感は見習いたいものです。つーことで、オイラもRevolution For Changeするよ。クラブで音楽を楽しめる方(ナンパとかしたい人はお断り)なら一緒にクラブでも楽しい時間を共有出来ると思うから、良かったら一緒に踊りに行きましょう。酒好きで女好きだけど、音楽も好きだから気軽に楽しみましょう。男の人でも、阿部さんみたいな人なら会いたいな、ウホッ!

しかし最近このブログも色んな人が見ているようで自分でもびっくりするけど、読者数が増えるにつれてシモネタや毒舌は控えないといけないねと思ったり、そこら辺のバランスは難しいですね。ま、そんなこんなで激動の一年でしたが、この一年間どうもありがとうございました。また来年も宜しくお願いしまーす。

では続きで自分の中の2008年ベストを紹介しようと思います。
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| BEST | 00:30 | comments(13) | trackbacks(3) | |
Luomo - Convivial (Huume Recordings:HUUME16)
Luomo-Convivial
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Sasu RipattiはVladislav Delay、Luomo、Uusitaloなど多数の名義で活躍するフィンランドのアーティスト。かつてはBasic Channel傘下のChain ReactionからVladislav Delay名義で注目を集め、またForce TracksからはLuomo名義でディープハウスを披露し、今ではフィンランドを代表するテクノアーティストと言っても過言ではないでしょう。名義が多いので近年は毎年一枚はアルバムをリリースする程多作なお方ですが、だからと言って決して質が低下しないのは溢れる才能のおかげでしょうか。本作はLuomo名義なので歌物のハウスが中心ですが、特に今までと比べ格段な変化や進化がある訳ではありません。ポップでありながらどこか捻くれたセンスを持つメロディー、気品と美意識に満ちたシンセサウンドは以前からのまま。それでも何故かLuomoを聴きたくなるのは、やはりここにしか存在しない耽美なハウスサウンドがあるからだと思うのです。女性らしいエロスもありながら下品に陥らずにしとやかさも漂っていて、うっとりする魅惑の世界が広がっているんですわ。若干リズムトラックの線の細さが気になる所ですが、ポップなメロディーを生かすにはその位の方が良いのだろうし、何気にリズムの多様性にも凝っているし侮れません。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald (Universal Music Classics & Jazz:00289 4766912 8)
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限りなく奇跡に近い夢の競演。デトロイトテクノの至宝・Carl Craigと、ベルリンミニマルダブの最高峰・Moritz von Oswald(From Basic Channel)が手を組んだ。彼等が題材にしたのはクラシック。Herbert von Karajan指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による「ボレロ」、「スペイン狂詩曲」、「展覧会の絵」を再構築すると言う偉業を成し遂げたのだが、決して話題性だけに陥る事なくTECHNOとして完全にリメイクされている事は褒め称えるべきであろう。誰しも耳にした事がある原曲のフレーズをサンプリングしてミニマルに展開しているのだが、徐々に融解してエレクトロニクスと侵食し混ざり合っていくカオスな状態が不思議な恍惚感を生み出している。また彼等が生み出すエレクトロニクスの音に関してはやはり一級品で、研ぎ澄まされた金属的な質感や荘厳な音色はただそれだけで気持ちの良い音となっている。静謐な雰囲気を漂わせながら非常に重厚感のある楽曲で、殆どがノンビートである事はアンビエントとして聴くのが最適そうではあるが、それと共にミニマルでありながら大きなうねりや躍動感もある事に気付くであろう。面白い作品だが、それだけでなくTECHNOとして格好良いのだから素晴らしい。彼らのアイデアの深さにはただただ感嘆するだけである。

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| TECHNO6 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(4) | |
Deadbeat - Roots and Wire (Wagon Repair:wag046cd)
Deadbeat-Roots and Wire
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なんかDeadbeatの新作がヤバイ事になってます。かつてはエレクトロニカ寄りのミニマルダブを得意としていた~scapeからリリースをしていたDeadbeatですが、新作はレーベルをWagon Repairに鞍替えしてリリースに至っております。これが功を奏したのかどうかは不明ですが、本作はBasic Channel以降のミニマルダブの中で最も本家に肉薄し最もオリジナリティーを発揮していると思います。これはテクノでありダブでありレゲエでありダブステップでもあり、Deadbeatの雑食性が見事に開花しているのです。アルバムの中には色々な音が混ざっていてそのリズムや構成の多彩さには驚くべき物があり、単純な作りに陥る事なくバリエーションの豊かさに恵まれています。Paul St. Hilaireをフューチャーした1、8曲目はスモーキーなレゲエトラックで、空間にふわふわと広がるエコーが浮遊感を演出。かと思えば4〜7曲目ではダビーな処理を施ししつつも流れる4つ打ちがグルーヴィーなミニマルダブテクノ。まんまベーチャンじゃねーかと言う意見もあろうが、これはもう本家と言われても気付かないレベルに達しております。そして圧巻が3曲目の激トライバルな原始的太鼓(太古)トラック。体の揺れが止まらないっっ!聴くだけで身も心も揺さぶられる太鼓乱れ打ちな曲ですが、引き締まったリズムとその音の硬さなどは最近のダブステップを意識してるのでしょう。これは絶対フロアで超盛り上がるでしょう。この手のミニマルダブだとどうしても家でちまちま聴く様なトラックが多いのは否めないのですが、Deadbeatは確実にフロアに視点が向いております。躍動感、肉体感を備えたミニマルダブとしてこれは絶賛したい。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Fumiya Tanaka - I Am Not A DJ (Sony Music Entertainment:SRCS7663)
Fumiya Tanaka-I Am Not A DJ
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昨日は田中フミヤのCHaOSに行こうと思って渋谷のバーで一人飲んでいたんだけど、体調がよろしくなく結局飲んだ後帰宅してしまいました。YELLOW亡き後WOMBで初のCHaOSだったので興味はあったのですが、体調不良には勝てませぬ。次のCHaOSはUNITでしたっけ?

さてそんな田中フミヤの懐かしいMIXCDが1995年リリースの本作。当時はまだMIXCD自体が極めて貴重であったのですが、彼がこうやってジャパニーズテクノの道を切り開いてきた訳なんですね。内容の方も現在のフミヤからはとても想像の付かないごった煮ハードなテクノで、Jeff Mills、Basic Channel関連、Carl Craig、Richie Hawtin、Planetary Assault Systems、Robert Hoodなど今ではテクノの大御所となったアーティストの曲がこれでもかと使用されています。若いだけあって荒々しい展開ながらも汗を感じられる激しいプレイで、最近のフミヤの特徴である知的でディープなプレイしか聴いた事がない人は衝撃を受けるんじゃないでしょうか。いやね、これはまじで格好良いですよ。まだまだ日本にクラブシーンが根付く前にこんなプレイをしていたなんて、やっぱりフミヤは漢です。モロにかつてのJeff Millsの影響下である事を差し引いても、暴力的でノーコントロールに爆走して行く猪突猛進なプレイは、フロアに音の爆弾を投下してるイメージで体もウキウキです。正直な気持ちを言うと、最近のプレイよりこう言った過激なプレイが聴きたいのが本音で、一年に一度でも良いからそんなパーティーを開いてくれると本当に嬉しいのですがね。昔からテクノを聴いている人は、多分こんな感じのMIXCDに共感する人は多いはず。ちなみに各曲に野田努とKEN=GO→が解説を付けているので、それを読むだけでも十分に楽しいです。

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| TECHNO6 | 21:15 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Shed - Shedding The Past (Ostgut Tontrager:ostgutCD06)
Shed-Shedding The Past
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デトロイト×ベルリンの邂逅よ再び。テクノ史上最高の相性を持つサウンドが融合し、今脂の乗っているOstgut Tontragerから登場。手掛けるのはSoloactionやDelsinから既にヒット作を量産しているShed。そしてShedの初のアルバムが本作なのですが、これが本当に素晴らしいテクノでデトロイトのエモーショナルな面とベルリンの硬質な面が自然と融けあっていて、まるでかつてのBasic ChannelとJuan Atkinsのタッグを思わせるかの様な内容となっております。硬質でミニマルなリズムはベルリンから、そして情を感じさせる淡いシンセサウンドはデトロイトからと新たな試みがある訳では無いのですが、純粋に両者のエッセンスを高濃度に抽出した結果、文句無しに格好良いテクノとなった事を評価したいと思います。そして何よりもなかなか新人の育っていない現状の中、1stアルバムにしてこれだけ充実した内容を聴かせる若い世代が出て来た事が非常に嬉しいです。最近はこじんまりと無難にまとまったテクノが多いかなと感じておりましたが、ここでは若い力を感じさせる躍動感とバリエーションに富んでいて、テクノの最良のエネルギーをここに感じました。これは今後も期待せざるを得ない。

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| TECHNO6 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Convextion - Convextion (Down Low Music:dLVEXTCD)
Convextion
近年Echospace、またはDeepChordと一緒に名を見かける事が多いGerard HansonことConvextion。デトロイトテクノやBasic Channelに強く影響を受けたと言うその音楽性は、確かにEchospaceらと共通する点があってダビーな音響を含みながらも叙情性も感じさせる音楽性が特徴です。本作は2006年に2枚組みのLPとしてリリースされていたのですが、2008年になってようやくCD化されました。内容はなんと1996年から2006年までに制作されたトラックを集めたそうですが、10年かかってアルバム1枚とはどんだけスローペースなんですか。この様なアーティストって普段どうやって生活しているのか気になります。それはさておきトラック自体は文句の付け様の無いミニマルダブテクノで、EchospaceやBasic Channel好きなら聴いておいて損はないと思います。激しい曲は無いのでじっくりと耳を澄ませてその耽美な音色を味わう聴き方が効果的と思われますが、空間の拡がりを感じさせる音響はフロアで聴いても気持ち良いでしょうね。とは言っても革新性は無いし流石にこの手の音がプチバブル状態なので、もっと本家を追い越して行く様な流れが必要だとも思います。勿論それは難しい事だとは思いますが、Basic Channelの後光に頼ってるだけではいかんかなと。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Starlight (echospace [detroit]:echospace313-2)
Model 500-Starlight
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昨年にLPのみで限定リリースされていたModel 500の"Starlight"リミックス集が、ようやくCDでリリース。CDも500枚限定らしいですが、マジなんでしょうか?リミキサーにはDeepchord、Echospace、Intrusionなどの名で活動しているRod ModellとStephen Hitchell、あとはデトロイトで活動しているSean Deason、Convextion、Mike Huckaby。原曲はBasic ChannelのMoritz von Oswaldがエンジニアとして参加しているせいか、デトロイトテクノと言うよりはディープなミニマルでModel 500にしては珍しい作風です。そんな曲を各アーティストがリミックスしているのですが、ものの見事に大半はベーチャンまんまな過剰なリヴァーブの効いたミニマルダブを展開しております。一つ一つの曲で評価するならば文句無しに格好良いんだけれど、さすがに一曲のバージョン違いを延々と聴かされるのはなかなかしんどいです。Sean Deasonだけはシャッフルしたリズムを使ってデトロイトテクノに仕上げているので、口直しに丁度良かったですね。まあしかしQuadrant Dubみたいな曲の連続だわな、艶っぽくてエロい。

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| TECHNO6 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Basic Channel - BCD-2 (Basic Channel:BCD-2)
Basic Channel-BCD-2
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映画の日だったので話題の"崖の上のポニョ"観てきましたよ。率直な感想は予想よりは楽しかった。でも何か残尿感が残る感じ。内容は魚のポニョが好きな少年の為に人間になりたくて、それを叶える、ただそんだけ。ぶっちゃけ大したストーリーなんかありません。それでも序盤はCGを一切使わず人力で描いたアニメーションが尋常ならざる動きを見せて、その映像にまじでびびる程勢いがあって楽しかったです。でも後半になるとどんどんテンションは落ちていって、しまいには願いが簡単に叶って、ハイ終了。んんんん〜??って感じです。なんだろうね、普通願いを叶える為には困難な試練が待っているんだけど、特に試練とかも無いし簡単に人間になっちゃうから感動が無いんだよね。序盤の勢いからはもっと話が広がるかと思ってたら、余りにもあっさり終わっちゃって拍子抜けってのが正直な所。だから楽しかったんだけど、物足りなかったんですな。(特に漫画版の)"風の谷のナウシカ"を書いていた宮崎駿が本作の様な単純すぎる話を書いちゃったけど、それが子供向けって事だったのかしら。アニメーション自体が素晴らしかったけど、ストーリー性はやはり陰りを感じるこの所。もうさ、漫画版の"風の谷のナウシカ"を4回位に分けて映画化してくれた方が良いですよ、非生産的だけどさ。あと芸能人の声使わないで、しっかりとアニメ声優使おうよ。金儲けは大事だけど、その前に質が伴わないとダメだよね。

さて俄かに活気付いているBasic Channel本家とその周辺ですが、本家が何故かレコードでのリリースから15年程も経ってから再度コンピレーションを送り出しています。実は第一弾(過去レビュー)は1995年にリリースされていて、今回は第二弾。じゃあ何が違うのかと言うと第一弾が比較的アンビエントな作風の曲が多かったのに対し、第二弾はリズムトラックがしっかり入っているフロア仕様な曲を中心にまとめられています。しかしねー、10年以上前のトラックだし僕も全部レコードで揃えてるし今更CDにまとめられてもって気持ちはかなりアリアリなんですが、まあレコードを買わない若い層にとっては非常に都合の良い作品ではないでしょうか。昔の本等を読んだ限りだと当時はミニマルダブではなくて、アブストラクトテクノとかミニマルテクノとか呼ばれてたみたいで、確かに彼らの音源の中では最もテクノ寄りの音だと思います。勿論その当時からモヤモヤのリヴァーブが効いた奥深い音響は既に出来上がっているので、ミニマルダブ好きな人は買って損は無いでしょう。それに音的には今に比べればまだまだ若さを感じるものの、その分破壊力と言う点においては一番ずば抜けていた頃で激ハードな展開も待っているから普通に格好良いです。ベーチャンにはこの頃みたいなテクノな作風を再度復活させてくれると、非常に嬉しいんですけどね。

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| TECHNO6 | 13:30 | comments(5) | trackbacks(2) | |
Pole - R (~scape:sc009cd)
Pole-R
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昨日に引き続き本日もStefan BetkeことPoleの作品ですが、本作は"Raum"と言うシングルのリミックスとバージョン違いを幾つか収録した物。リミキサーには~scapeからもリリース経験のあるKit ClaytonとBurnt Friedmanを向かい入れ、そしてPole本人がバージョン違いを提供しております。オリジナルはやはりBasic Channel=Rhythm & Sound影響下のレゲエのねちねちした音とダブの奥深い音響が特徴的な蒸し暑い内容で、何だかんだオリジナルが一番好感触。Kit Claytonのリミックスは予想外にも切れ味鋭いリズムがさくさく入ってきて、軽やかにダンサンブル。奥深い音響は封印して爽やかに仕上げてますね。Burnt Friedmanのはもっと面白くて、レゲエっぽさは残ってるもののジャズの生演奏風?な妙に湿っぽい作風で、煙がもくもくと焚かれてるスモーキーサウンド全開。ミニマルな展開が無くなった分、より自由に音が広がって行くイメージかな。完全に自分の音に染め上げたと言えるナイスなリミックスだと思います。でPole自身のバージョン違いはと言うと、オリジナルよりは生っぽい質感が増えた程度で大幅な変化は無しかなと言う印象。違う言い方をすれば、より生々しいレゲエ・ダブに近づいているとも言えます。湿度の高い夏向けのトラックが多いので、リミックスばかりとは言えまあこの時期聴くには悪くないかと。

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| TECHNO6 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pole - 3 (PIAS Germany:556.5017.020)
Pole-3
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蒸し暑い日にはミニマルダブ、これ鉄則。そしてミニマルダブと言えばBasic ChannelやRhythm & Soundが第一に挙がりますが、Stefan BetkeことPoleの初期作品もその影響下にありなかなかの気怠いサウンドが広がっています。音的にはRhythm & Soundのレゲエサウンドをミニマル展開した様なずっぽりズブズブなスタイルで、南国の蒸し暑さがぴったりな怠いムードです。ふわふわ浮き沈みするダビーな上物、ドロドロのねちっこいリズムトラックなど粘着度が非常に高く、Pole初期サウンドの完成系がここに集約されていますね。チリチリと入るノイズはエレクトロニカの影響も感じさせ、そのアナログ感覚の音がまた耳に気持ち良く響くんですな。まだまだRhythm & Soundのフォロワーの域は脱していなかった頃ですが、単純に気持ち良ければいーじゃんよと。


Pole-1,2,3
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近頃初期3枚のアルバムがセットでリイシューされるみたいなんで、買うならこっちの方がお得ですね。

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| TECHNO6 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2008/07/11 UNIT 4th Anniversary @ UNIT
テクノの生きる伝説・Basic ChannelからMoritz von Oswald TrioがUNITに襲撃。と言ってもまさか今時の若い人が今更ベーチャンに興味なんか持ってないだろうと高を括ってましたが、すんません、UNITが久しぶりに超混んでました。12時過ぎにクラブに入ったんだけど、その時点でフロアは人混みでパンパン。全然前に行けないし、勿論踊る事も不可能。YOUTUBEのライブ映像を見た限りだとどう聴いても踊れないライブなのに、まさかそれでもMvOTを聴きたい人があんなにいるなんて、自分も含めて極度にどMなクラバーは意外と多いのですね。
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| EVENT REPORT1 | 17:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Quadrant - Infinition (Basic Channel:BC-QD)
Quadrant-Infinition
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遂にライブが明日に迫ったMoritz von Oswald Trioですが、そのMoritzとMark Ernestusの伝説的ユニット・Basic Channelの名作を一つ紹介。彼らは色々な名義で活動していますが、その一つQuadrantは1993年になんとPlanet Eからリリースされた物。すぐにR & S Recordsにもサブライセンスされ大ヒットした名作中の名作ですが、僕が持っているのは2004年にBasic Channelからリイシューされた盤です。リイシューだとオリジナル盤から数曲が削除され2曲しか収録されていないのが残念ですが、それでも十分に価値のある一枚でしょう。特に注目すべきは彼らの作品の中では結構まともにダンストラックを披露していて、クラブでかかったら本当に気持ち良さそうな音である事。A面の"Infinition"では強烈な4つ打ちキックが続いていて、その上をアトモスフェリックな残響音が反射していく心地良いダブテクノ。柔らかいシンセのディレイが空間に満たされ、ほわほわな浮遊感を生み出しております。B面の"Hyperprism"もシンセのメロディーを多用した珍しいトラックですが、どことなく不安気で物悲しい感じです。ディレイやエコーは余り使用せず、ディープなテックハウス辺りに属する音ですね。しかし本作が既に1993年に生まれたいたなんて、やはりオリジネーターの力は偉大だなあ。

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| TECHNO6 | 08:20 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Monolake - Hongkong Remastered (Monolake / Imbalance Computer Music:ML000)
Monolake-Hongkong Remastered
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最近俄に活気付いているBasic Channel本家とその関連アーティストですが、遂にMonolakeのレアな1stアルバムもリイシューされちゃいました。中古でも全然見かけず手に入れられなかった作品だったので、自分にとってはめちゃめちゃ嬉しいです。MonolakeはGerhard Behles(既に脱退)とRobert Henkeから成るユニットで、かつてはBasic Channel傘下のChain ReactionからEPをリリースしていたミニマルダブアーティストです。そしてChain Reactionからの数枚のEPをコンパイルしたのが"Hongkong"で、やはりベーチャン子孫と言われるだけあって音は完全にベーチャン影響下のダビーな音響空間が広がっています。ただ中には丸っきり本家まんまな曲もあるので、まだまだオリジナリティーが出ていなかった時期でもあります。しかし本家との大きな違いと言えばモヤモヤと空間を満たしていく薄いアナログシンセのヴェールは本家よりもアンビエンスの要素が大きく、ある意味単純な心地良さで言えば本家よりも上かもしれないですね。また注目すべきは香港でのフィールドレコーディングが取り入れられていて、雨音や虫の鳴き声などの自然音が随所に散りばめられていて、それがやはりアンビエンスを誘発している事。まるで広大な大自然の中でミニマルダブを聴いている様な錯覚さえ生じる不思議な感覚。こりゃ寝る時に流していたら最高の睡眠剤になりますわ。

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| TECHNO6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Sebbo - Watamu Beach (Desolat:Desolat003)
Sebbo-Watamu Beach
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ミニマルダブの極北・Basic Channelの曲と言えば必ずしも踊れる曲ではない事もあるのですが、音の深遠なる美しさは半端ない物があります。そんなベーチャンの"Q1.2"をサンプリングして、踊れるトラックにリメイクしたのが本作。まあ平たく言えば単純に4つ打ちのリズムと不気味な男の呻き声を加えただけなんですが、元ネタのダビーな音像の印象は強烈でどうしたって魅かれてしまうんですな。それがダンスバージョンになったならば、フロアでの爆発力はもう言うまでも無いでしょう。先日のYELLOWのパーティーで田中フミヤが使用していて、フロアが興奮の渦に巻き込まれたのがその証。で驚くべきはB面にベーチャンの片割れ・Moritz von Oswaldが、リミックスを提供している事。マジで?一見モーリッツのリミックスはそれ程ダビーさは強調していないので地味に聞こえますが、しっとりと湿度を感じる奥深い音響はまるで密林の奥深さの様で妖気なムードが漂っています。曲の終盤に近付くに連れて徐々にカオスに満ちた展開に突入し、もはや原曲をぶち壊しまくりな流石と言うべき業を見せ、オリジネーターの実力をまざまざと感じさせてくれました。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Quantec - Unusual Signals (Echocord:echocordcd03)
Quantec-Unusual Signals
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最近はBasic ChannelのMoritz Von Oswaldも本格的に活動を再開しておりますが、そのベーチャンフォロワーもデトロイトのDeepchordなど目を見張る物があります。そして今度はデンマークのコペンハーゲンからSven SchienhammerことQuantecが登場。ベーチャンフォロワーなんでDeepchordと同じく特に説明も要らない音楽性ですが、Deepchordが過剰なエフェクトで奥深い空間を演出するのに対し、Quantecは引き算の美学に向かった作品と言えるかと思います。音数は隙間が生かされる様に削ぎ落とされて、残った音には適度なディレイやエコー処理を施し、それが丁度良い残響音を感じられる空間を生み出しているのです。やり過ぎではないから耳も疲れないし、またその適度な残響音には気品漂う大人の色気さえ漂ってくる様な、そんな一歩上を進むハイソなミニマルダブではないでしょうか。静かな佇まいの中、音の揺らぎ、ディレイ、エコーをじっくりと感じられる高品質な音響空間が広がっていきます。本作は最近の大推薦盤です。

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| TECHNO6 | 19:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Uusitalo - Karhunainen (Huume:HUUME14)
Uusitalo-Karhunainen
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自身でHuume Recordingsを運営しながらVladislav Delay、Luomo、Uusitaloと言う三つの名義を使い分けて活動しているSasu Ripatti。アブストラクトでダビーなテクノが好きならVladislav Delayを、耽美でハイセンスなハウスが好きならLuomoを、そして独特で奇抜なテクノ×ハウスを聴きたいならこのUusitaloが良いでしょう。使い古された言葉で言うならばクリックハウスってジャンルに適するのでしょうか、空間の隙間を生かしいびつながらも独特のファンキーさを感じさせるリズム感は妙技の一言。単なる4つ打ちに終始する事なく変幻自在なリズムで聴く者を惑わし、パーカッション地獄へと誘い込んできます。正直かなり個性的なんでLuomo名義なんかに比べるとBGMとしては聴き辛さはありますが、逆にその分リズムの多様性を楽しめるのかなとは思います。またVladislav Delayの活動による賜物か、奥深い音響空間はやはり光っていてBasic Channelフォロワーとしての一面も感じられる内容。やっぱりVladislav DelayとLuomoの中間的なイメージが付きまといました。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tony Allen - Lagos Shake : A Tony Allen Chop Up (Honest Jon's Records:HJRCD34)
Tony Allen-Lagos Shake A Tony Allen Chop Up
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アフロの帝王・Tony AllenのオリジナルアルバムからEPのみでリミックスがカットされてきましたが、遂にその最終章としてアルバムとしてまとめられてリリース。もしオリジナルアルバムを持っていなかったり、例えTony Allenを知らなくても、本リミックス集はテクノ好きの興味を誘う事間違い無しの面子が集まっております。なんとデトロイトテクノの至宝・Carl Craig、そしてミニマルダブの極北・Basic ChannelからMoritz Von OswaldとMark Ernestusがそれぞれソロでリミックスを提供しているのです。Carlさんはアフロな原曲に更にヒプノティックなシンセを上乗せした、まあいかにも彼らしい未来的なテクノに仕上げております。そしてMark Ernestus、こちらは近年の彼の好みを繁栄したレゲエやダブの奥深い音響空間を生かしてもわ〜んとしたダブハウス。蒸し暑い南国の湿度に満たされ、ラリパッパーな世界ですね。そして極め付きはMoritzのリミックスですが、抜けの良いアフロパーカッションを生かしつつもドロドロとした低音の効いたベースとキックが重苦しく支配し、いつの間にか密林の奥地に誘い込まれる様なミステリアスなミニマルダブ。完璧、文句のつけようのないプロダクションでしょう。で他にもリミキサーが多数参加しているのですが、自分の知らない面子ばかりでした。それでもファンクやサンバ、どこかネジの飛んだエレクトロニカ風など全体的に統一感は全く無しですが、どの曲も強烈な存在感を感じさせ、アルバムとしての聴き応えは有り楽しめる一枚だと思いますよ。

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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
DeepChord - Vantage Isle Sessions (echospace [detroit]:echospace313-1)
DeepChord-Vantage Isle Sessions
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もはやBasic Channelのフォロワー以上でも以下でもないので、とかく説明の必要の無いDeepChord=Echospace。Rod ModellとStephen Hitchellらのタッグは、Basic Channelが築き上げたミニマルダブの純度をそのまま高め今に継承しているのですが、限定ヴァイナルの販売方法が多いせいかなかなか音源が手に入れ辛いのが難でした。本作も元々は限定EP2枚組みの形で販売されていたものの、ようやくCD派にも入手の機会が回ってきて嬉しい限りであります。しかしこのリリースの前にもプロモのみとの触れ込みでCDが少数販売されていたのですが、こうやって公式でリリースされたりするのはプロモを買った人に失礼ではないかと…。まあそれはさておき本作は2002年のDetroit Electronic Music Festivalで披露されたライブ音源を元に、解体・再構築した音源だそうで全曲同じ曲のバージョン違いって事らしい。うん、どの曲も似たり寄ったりと言うか全編ディレイ・エコーを多用しまくったミニマルダブだわ。芸が無いと言えばそうだし、ある意味ここまで首尾一貫していると逆に何も言えなくなります。アナログのざらついた音が気持ち良い。波の様に繰り返されるエコーが気持ち良い。ただそれだけで、他は何も要らない。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Vladislav Delay - Anima (Huume:HUUME15)
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兎にも角にも最近はリイシューがブームの様です。そりゃテクノだって歴史が20年以上になっている訳だし、流行廃りが早いシーンですから廃盤となっている名作も多い訳でして。今日紹介するのも廃盤となっていた名作の一つ、フィンランドのイケメン・Vladislav Delayの初期作品"Anima"。テクノ好きな方はご存知、かつては隆盛を誇っていたMille Plateauxからリリースされた一曲60分超えのアブストラクトダブテクノ。ぶっちゃけこの名義だとどのアルバムも似通った内容で、ずっとモコモコと不気味な音が不鮮明な視界の中で蠢くアブストラクトな展開です。激しく敷居が高く人に聴かれるのさえ拒否する様な荒廃した音が続き、断片的に音が入っては消え聴いていても流れが全く読めない狂った音楽です。個人的には他人に勧めようとも全く思わないけれど、それでも瞑想時や睡眠時には役立つかもしれない…。以前にはBasic Channel系譜のChain Reactionからも作品をリリースしていたからベーチャンフォロワーみたいに言われてたけれど、本作を今になって再度聴く限りではそこまでベーチャンを意識してない気がします。ベーチャンはまだクラブでの聴き易さがあったけれど、本作はもうそんな場所にすら存在しない不定形な音楽ですからねー。まあ修行だと思って聴くのも、たまには良いかもしれないですね。

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| TECHNO6 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shut Up And Dance! Updated (Ostgut Tontrager:ostgutCD03)
Shut Up And Dance! Updated
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本コンピレーションはドイツのバレエ団のイベントの為にクラブアーティストが新曲を提供した企画盤なのですが、その参加面子が尋常ならざる凄さ。ミニマルテクノ新生代のSleeparchive、チリアンミニマル代表格のLuciano、大人気のÂme、昔からのテクノファンお馴染みのThe 7th Plain(Luke Slater)、あとNSI.(って誰?)と誰もが目を見張る面子です。やはり注目はÂmeの"Fiori"(過去レビュー)でしょうか。既にこの曲はレコードで購入済みですが、実はこのアルバムからのカットだったんですね。CDで出てるならレコード買わなくても良かったかもね…orz。SleeparchiveはBasic Channelスタイルのディープなミニマル曲を提供。シンプルな様で機能美に溢れているフロアをも意識した内容で、ダビーな音響はうっとりとする位美しいです。Lucianoは相変わらず独特で、乾いたパーカッションが軽快に鳴るラテンミニマル?と言うのかな。いつもよりも何故か妙に可愛らしいキャッチーな雰囲気を感じました。Luke Slaterに関してはクラブトラックと言うよりは、むしろ場面が徐々に移り変わるようなサウンドトラックみたい。最近この人はいまいちなのが、正直な所。昔はアナログ機材でぶっといハードサウンドを聴かせてくれてたのにねー。NSI.は全然知らないアーティストですが、深いリバーヴの聴いたエクスペリメンタルな内容でテクノらしいと言えばテクノらしい音。4つ打ちではないのに、グルーヴィでなかなか良かったです。5曲のみの収録ですが計一時間程のボリュームなので、お腹一杯になりました。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Tony Allen - Ole (Honest Jon's Records:HJP36)
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アフリカンなドラムを打ち鳴らすアーティスト・Tony AllenのEPにおいて、なんとBasic ChannelのMoritz Von Oswaldがリミックスを担当。原曲は民族的なリズムと明るいノリの歌が入るホットな曲なんですが、リミックスは完全にベーチャン、もしくはRhythm & Soundスタイル。奥深い音響のダブハウスで、もわ〜んとしっとり湿度の高いムードは適度に気持ち良い。アフロなパーカッションはそのまま利用しているものの、こうもダウナーに雰囲気を変えてしまうお仕事はやっぱりベーチャンの凄さですね。ドラムキックのずしりと来るダブ加減が、ただそれだけで良いのです。またうっすらとアンビエンスを感じさせる音が張られていて、昔のベーチャンっぽさも垣間見えていますね。まるで秘境で鳴っている音楽みたい。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Deep Space (R & S Records:RS95066CD)
Model 500-Deep Space
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本日で一旦は"宇宙からの歌、宇宙への音"(過去レビュー)からのCD紹介は終わり。トリを飾るのはテクノのパイオニア、Juan AtkinsがModel 500名義でリリースした傑作"Deep Space"。タイトルからして深い宇宙なのですが、それを裏切らない予想以上に素晴らしい内容です。この作品以前のJaunと言えばエレクトロが中心だったのですが、90年以降Basic ChannelのMoritz Von Oswaldらとの交流によって、ミニマル・テクノ色を前面に出した作品が増えてきました。そして機を熟しModel 500名義での初のオリジナルアルバムとなったのが本作なのですが、単に叙情性だけを強調したデトロイトテクノとは全く方向性が異なっていて、ファンク、ミニマル、ハウス、テクノなどが自然と混在していてパイオニアとしての格を見せ付けている圧巻の内容。ひんやりと熱量の低い雰囲気、無駄を排除したミニマルな音の配置で一見デトロイトテクノらしからぬ音ですが、それはきっとベルリンで全編録音されたからなのでしょうか。エンジニアは何とMoritz Von Oswald!中にはベーチャンよろしくな音響の深いミニマルテクノもあり、Juanの新たなる才能が開眼と言った感じです。だからと言ってデトロイトの夢見るロマンスが失われている訳でもなく、控えめな甘美さも存在していてモードのバランス感覚に思ったよりも長けている事が分かります。決して派手な作風ではありませんが、宇宙に存在する星の煌きの如く音の一つ一つが静謐に輝いていて、"Deep Space"のタイトルに偽りなしの名作と言えるでしょう。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Pole - Steingarten Remixes (~scape:sc050cd)
Pole-Steingarten Remixes
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流行には余所見もせず独自のミニマル、ダブを追求しているドイツのレーベル・~scapeですが、その首謀者であるStefan BetkeことPoleの最新作が登場。最新作と言っても今年出た"Steingarten"(過去レビュー)のリミックス集で、しかも自分の知識の浅さ故か余り知っている面子が参加してないです。PoleのレーベルメイトのDeadbeat、又はPerlonのMelchior ProductionsとDimbiman位しか分からんよ。全体的にはリズムをくっきりと浮かび上がらせてリズミカルに調理したリミックスが多いのですが、原曲の奥深い音響空間はわざと削除しているせいか何となく軽い印象になっています。でもDeadbeatのリミックスは群を抜いて格好良いです。これね、近年注目を浴びてるダブステップ風に仕上げてるんですが、複雑に絡んだ重いリズムトラックは非常にダンサンブルだし、どす黒いアフロ感がファンキーなんですよ。まさかPoleの曲がこんな風に変化するなんて予想だに出来まい。あとはMike Huckabyと言う全然知らない人が全盛期のBasic Channelを思わせるダブハウスを聴かせてくれて、寄せては返すリバーヴがトロトロに心地良いです。どうもパッとしない印象のリミックス集ですが、一応~scapeらしいミニマルダブ感はある…と思う。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Deepchord Presents Echospace - The Coldest Season (Modern Love:Love033)
Deepchord Presents Echospace-The Coldest Season
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テクノ、いやエレクトロニックミュージックの枠組みの中で最もその影響を深く残したとも言えるBasic Channel。彼らのミニマルかつアブストラクトな作風は彼らがテクノから離れた後もシーンに色濃く影響を残し、ベーチャンに追い付き追い越せと竹の子の様に追随が出て来ています。そして2007年、最もベーチャンの音を引き継いでいるのがデトロイトのRod ModellとシカゴのStephen Hitchellから成るユニット・Echospace。もはや革新性も目新しさも全くないけれど、ヴィンテージなアナログ機材だけに因って作られたサウンドはテクノ界の至宝品。リヴァーブやディレイなどのエフェクトに因り柔らかく深々と押し寄せるエコーは霧靄の中から幻想的な空間を生み出し、空間の中をふわふわと音が浮遊する環境の中でいつしか閉鎖された密閉空間の中に閉じこめられた感覚に陥ります。またベーチャンに比べると幾分かアンビエンス的な要素もあり、そこまでストイックでは無いので心地良く聴ける安心感もあります。クラブで大音量で聴けば覚醒して踊れるだろうし、家で聴くならば精神安定剤として作用する非常に便利で優れたテクノでしょう。何も説明を受けずに本作を聴いたならば誰もがベーチャンの新譜と勘違いする程似通った作風ではありますが、それを抜かせば絶賛する事しか出来ない大傑作なのは間違いなし。ベーチャン本家がテクノに戻ってこなくても、今はEchospaceがいる!2007年最強のミニマルダブテクノ。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
DJ Hell - Misch Masch (Fine.:FOR88697030152)
DJ Hell-Misch Masch
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知ってる人は知ってると思うが、ドイツはデトロイトの衛星都市である。Tresorの一番最初の作品はX-101(Jeff Mills+Mike Banks+Robert Hood)だし、初期Basic ChannelはURの影響下にあったし、Jeff Millsの1stアルバムもTresorからだし、よくよく考えるとテクノに影響をもたらしたKraftwerkはドイツ出身だ。種明かしをしちゃうとDerrick Mayが「ドイツはデトロイトの衛星都市である」と発言していたのだ。とにかくドイツの人もデトロイトテクノには、影響を受けそして畏敬の念を抱いているのだと思う。

そしてそれをあからさまにしているのが、ドイツの貴公子・DJ Hell。「デトロイトテクノの再評価と言う感覚は、テクノのリアルな部分を見過ごしている事」とさえ言い切っている位、彼の中ではテクノ=デトロイトテクノと言う事なんだろう。テクノが細分化し色々な方向へ袂を分かっても、結局の所流行とは関係無くその存在が揺るがないのはデトロイトテクノのみなのだ。DJ Hellも余りにもデトロイトテクノを愛すが故に本作の様なデトロイトテクノ満載のMIXCDをリリースしてしまった訳だが、ドイツの事も忘れずに合間にジャーマンテクノも混ぜつつデトロイト好きを納得させるプレイを聴かせてくれます。シンセストリングス重視では無くて、比較的煌びやかで金属的な鳴りのするデトロイトテクノが多く、オリジナルデトロイトと言うよりはそれに影響を受けたドイツのテクノと言う感じですかね。ミニマルで陶酔感を生み出す流行の中、この様なメロディーを大切にした聴かせるMIXCDは非常に好感が持てるなー。ベタだけどなんだかんだデトロイトテクノ満載のMIXCDは好きなんですよ、はい…。一応古臭い内容にならない様に新しめのテクノも使っている所で、プロアーティストとしてのプライドを守っているのかDJ Hell。ちなみにDISC 2はDJ Hellのリミックスワーク集なんだけど、全然聴いてないしどうでも良い。

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| TECHNO5 | 21:30 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Multila (Huume Recordings:HUUME09)
Vladislav Delay-Multila
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中古屋でもなかなか手に入らず永らく廃盤となっていたVladislav Delayの1stアルバムが、自身のHuume Recordingsから目出度くリイシューされました。オリジナル盤はBasic Channelのサブレーベル・Chain Reactionからで、アブストラクトでダブなレーベルの作風を決定付けたと言っても過言ではありません。しかしテクノに馴染みが無い人が本作を聴いたら、一体どんな感想を持つのだろうか。ず〜っとモゴモゴと不気味な何かが蠢いている様な不穏な音が続いていて、この先の事だけでなく今まで辿ってきた道さえも見失ってしまう霧靄の世界を永遠と彷徨います。視界0メートルの中では思考や感覚も鈍っていき、この音楽を聴いているだけでまるで自分の存在自体が無であるかの如く錯覚を覚えます。一体どうしたらこんなディープでカオスな音楽が出来上がるのか不思議ですが、実はこの作品を創り上げた当時、本人は精神的にかなり病んでいたそうです。あーそれならばなる程と言った感じで、確かに病的なまでに引き籠もり系のサウンド言っても良いかもしれない。だから本作を聴いてもテンションが上がる事なんてまず無いし、落ち込んでる時に聴いたら余計に暗くなると思う。じゃあ一体いつ聴けば良いのだろうか。寝る時にBGMとして使えば、もしかしたら安眠出来るかなと思ったり。しかし普通にハウスをやっているLuomo、Uusitalo名義と同じ人が作った作品とは到底結び付かないね。

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| TECHNO5 | 22:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
2007/07/20 Thomas Fehlmann "Honigpumpe" Release Party @ Space Lab Yellow
7月から定職についたせいでクラブに行くのもおっくうになり、一ヶ月ぶりのクラビングはドイツテクノを裏から支えるThomas Fehlmannのアルバムリリースパーティーです。他の面子はUKからデトロイトへの愛を送るIan O'Brienと、日本のクロスオーバー系では格段に素晴らしいKaoru Inoue。まー面子だけ見るとバラバラな音でこれブッキングした奴の頭はどーなってるのよと疑いたくなりますが、僕は全員好きな人だったのである意味ラッキーでした。そして肝心のFehlmannのライブなんですが、一年に一度体験出来るかどうか位の驚愕のライブでこれは見逃した人は非常に残念に思われます。さてさてそれではイベントの内容を追ってみましょう。
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| EVENT REPORT1 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann - Honigpumpe (Kompakt:KOMPAKTCD59)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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やっと注文していたThomas Fehlmannの新譜が届いたけど、予想以上にかっちょいいな。Kompaktってどんだけ〜?全く次から次へと素晴らしいテクノミュージックを、しかもアルバムでリリースするんだからそのレーベルの層の厚さには驚きですよ。さて、取り敢えずThe OrbのAlex PatersonやBasic Channelとも交流の深いベテラン中のベテラン、Thomas Fehlmannだけれどもその交流の為かやはりダブやアンビエントを基調にしつつ幻想的な空間を創り上げています。幻想的と言うとただ気持ち良いだけなイメージになりかねませんが、それ以上にここで聴ける音はトレンドとは全く関係の無いピュアな美しさ。以前から音の美しさ、音響の奥深さには定評があったけれど、彼が歳を経る毎に輝きを増すのはほんと異常な位。流行と共に消え去ってしまうアーティストが多い中、確実に自分の音を確立し音響美に磨きをかけてきたのでより輝きを増すのでしょう。Gas(=Mike Ink=Wolfgang Voigt)+The Orb+Basic Channelみたいなダビーでアンビエントなミニマルのテクノ…って、どんだけー?(良い所取りなんだよと)。よく見たらマスタリングはPoleことStefan Betkeじゃん、ここでもBasic Channel繋がりね。とにかく朝靄の中に迷い込んだ様な幻想的な景色が浮かんでくる新作は、またまたKompaktファンを増やす要因となる事でしょう。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Thomas Fehlmann - Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight) (Apollo:AMB8951CD)
Thomas Fehlmann-Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight)
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Kompaktからの新作がヤバイ事になってそうな感じの御代・Thomas Fehlmannですが、このApolloからリリースされていたベスト盤も相当にヤバイです。The Orbにおいての手腕、Basic ChannelのMoritz von Oswaldらとドイツにデトロイトテクノを持ち込んだ成果に依って才能を認められた彼ですが、Kompaktに身を移す以前から既に彼の音楽性と言うのは確立されたいた事が本作に依って証明されています。本作は彼の90〜98年の音楽活動の総集編とも言えるベスト盤なのですが、大半が未発表曲なのでオリジナルアルバムと言っても差し支えない内容ですね。最近の作品に比べると重厚さは稀薄ですがダビーな残響音の深さは既に表れていて、やはりBasic Channelとの親交の深さが見え隠れしています。そして何よりもえも言わせぬ美しい音、特に粒子の輝きの如く繊細でしなやかな上音は身も心も柔らかく包む様でふわふわと浮遊感を生み出しています。一言で言うと格が違う、さすがベテランだと言わんばかりの存在感。だからと言って気難しい音楽を聴かせるでもなく、むしろよりテクノの可能性の広がりを示唆していた自由性はむしろこの頃の方が上だと思います。テクノはクラブだけで聴くと思っている認識を根底から覆す奇想天外な構成で、まるで完全にコントロールされた知性を以てして創られたアートにさえ思う事でしょう。自由な音楽なのにコントロールされたとはこれ如何にとなりますが、フォームは無くともこの美しい音響はFehlmannの統治下にあるのです。Alex Paterson、Moritz von Oswald、Sun Electricが参加し、マスタリングはPoleことStefan Betkeとかなり豪華な面子が脇を固めており、その面子に違わぬ素晴らしい一枚です。

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| TECHNO4 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Losoul - Belong (Playhouse:PLAYCD002)
Losoul-Belong
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Ricardo VillalobosやIsoleeらには知名度では及ばないものの、彼らと同じく今をときめくPlayhouseの最古参の一人・Losuolの1stアルバムをリイシューついでに購入してみた(リイシュー自体は一年位前だけど)。前述の通り一般的な知名度は確かに低いんだけど、楽曲の質においては全然劣ってるなんて事は無く、むしろDaniel Bell、Michael Mayer、Luke Solomon、Ark、Anthony Shakirらが絶賛している事もありその質は保証されています。音的にはミニマルハウスかジャーマンディープハウスになるのかな、Villalobosなんかに比べると遙かにストレートな4つ打ちが多くて分かり易いですね。しかしどこか足下のおぼつかないふらふらとした感覚はPlayhouseらしいけど、何でここら辺のアーティストはみんな冷め切っているんでしょうか。こんなトラックをフロアに投入しても果たして盛り上がるのか?と思うんですが、きっと盛り上がる…と言うよりもみんな恍惚感に浸るでしょうな。生き物の様に有機的なグルーヴに表情の無い無機的な音が混じり合っている不思議な楽曲は、体に作用するのではなく直に脳に作用するタイプで確実にあっちの世界へ飛ばされるのが分かります。すぐに効果を発揮する訳ではないけれど、ミニマルな構成はフロアで長い時間聴いていると確実に聴いてくるスルメの様な感じ。重く沈み込んだボトムが特徴で基本的にずっとズブズブですが、KompaktやBasic Channel好きは大概気に入るでしょうね、つか当然聴いているか。

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| HOUSE3 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Beat Pharmacy - Steadfast (Deep Space Media:DS50173)
Beat Pharmacy-Steadfast
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去年アルバムが出たばかりなのに、間を空けずして3RDアルバムリリースのBeat Pharmacy。何度も紹介しているのでご存じでしょうが、Francois Kがダブ音響を前面に打ち出したテクノやハウスなどをリリースすべく設立したDeep Space Mediaの主力アーティストが、このBeat Pharmacyなんです。最近暑苦しくなってきたこの頃ですが、こうゆうダブハウスを聴いていると余計に暑苦しくなる蒸しっぽい音で、確かにダブとかレゲエとかのネチネチした感じが良く出ているなと。しかし僕はダブとかレゲエ単体で聴く事はないので、本当のダブとかはあんま知らないのです。Beat Pharmacyみたいにダブ少々、ハウス少々、テクノ少々だとそれぞれの持ち味が生かされて聴きやすいからえーじゃないかと思います。しかしこれは以前の作品でも言った事なんですが、これってBasic Channelのまんまハウスバージョンでさすがに3作連続同じ感じだとちょっと食傷気味ですね。更にはRhythm & Soundをも強襲したかの様なルーツレゲエを取り込んだボーカル曲もあって、作品の質は高いとは思うんだけど作品全部が似通っているのはどうなんでしょう。もうちょっとゆっくりリリースしてくれて構わないから、個性を打ち出す作品を創ってくれたらなと思います。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pole - Steingarten (~scape:sc044cd)
Pole-Steingarten
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Kit Clayton、Jan Jelinek、Deadbeat、Portableらが所属しているレーベルと言えば、テクノ帝国・ドイツの~scapeです。多分このレーベルが注目を集めたのはエレクトロニカ全盛期の頃で、今では多くのレーベルが淘汰されたシーンにおいて今でも更に進化を遂げて成長している重要なレーベルの一つであります。そしてそのレーベルの首謀者がStefan BetkeことPoleでして、その経歴はBasic Channel関連のスタジオでエンジニアとして務めていたとか。Poleとしては既に複数枚のアルバムを発表していて、初期の頃はベーチャン継承者としてミニマルダブなる音楽をリリースしていました。そして最新作である本作においては、ダブな深い音響に更にフロアライクな踊れるリズムをプラスして躍動感のある音楽に変容しています。かっちりくっきりなリズムは今までのドロドロな世界を見事に固形的な世界へと作り替えたのですが、かと言って立体的で奥深い音響世界を失う事もなくPoleらしさもしっかり残っています。妙にノリの良いトラックもあったりして少々面食らいましたが、ある意味聴きやすくなって入門としては良いかもしれないですね。チリチリとしたノイズとかも入ったりしていてエレクトロニカ的な面もあれば、淡々とした反復リズムはミニマルミュージックだし、これぞ正に~scapeサウンドです。さすが~scapeのボスだけあって、完成度の高い一枚を打ち出してきましたね。

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| TECHNO4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Slater - Fabric 32 (Fabric:FABRIC63)
Luke Slater-Fabric 32
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今日はUKのハードテクノ野郎ことLuke Slaterが担当したFabricのMIXCDを紹介します。どうでもいいんですけど、Luke Slaterとシリル・アビディって似てませんか?前々から思っていたんですけど、そう思っているのは僕だけでしょうか。そんな話はおいといて久しぶりのLukeのMIXCDですが、選曲を見ただけで以前とは随分変わっちゃったなと言うのが分かります。はっきし言ってハードミニマルは全く皆無で、あれ〜Lukeも音楽性を変えちゃったの〜?と正直げんなりです。たく、どいつもこいつもクリックだエレクトロハウスだとかそんなんばっかで、少しは一本気質で自分って物を貫けないものなのかね。ミニマルなテイストは意外と残っているんだけど、音自体はディスコダブ〜ニューウェーブ調でブリブリなシンセが耳に残ります。ブリブリ、ブーピー、デケデケ、そんなアナログ風な懐かしいディスコサウンドばかりで、なんでLukeがこんな事をしてるんだろうと気が滅入ってきます。いや、こうゆうディスコダブとか最近流行の音が好きな人にとっては面白い内容だと思うし、内容自体も悪いとは思いませんよ。ただね、こんなMIXCDをLuke Slaterが出す必要があるのかと、つまりはそこなんですな。一応終盤ではディープなミニマルに突入していき、ドラッギーな覚醒感も増してゆくのでそこら辺は好感度良し。またハードなMIXCDが出るのを期待して待っておりますよ。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Burial - Burial (Hyperdub:HDBCD001)
Burial-Burial
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最近ですねー、ダブステップなる音楽が流行っているらしいんですよ。一体どんな音楽なんだろうと調べてみたのですが、いまいちわかりません。グライムやUKガラージ、2ステップが更に進化したもの?なのでしょうか。でもその前にグライムとか2ステップとかも、全く訳が分かりません。しょうがないので某雑誌で超推薦盤のBurialなるアーティストのアルバムを買ってみました。まずレーベル名からして、かなりキテます。

その名も「Hyperdub」。ハイパーダブ??!!

一体どんなダブやねんって感じですが、実際聴いてみるとまああながち嘘でもないかなと。全盛期のMassive Attackにも負けないメランコリーと、ズブズブの黒いグルーヴ。楽天的なムードは皆無で、重く暗く完全に閉塞された世界観。レゲエ、ダブ、ドラムンベースなどがドロッと混じり合った泥臭い音で、密閉された空間にスモーキーな空気が満ちてきます。開放感なんて物は全くないけれど、でもどこか人間の温かさに触れる事の出来るソウルフルな感触もあります。決して悲観はせずに、希望を見出すような、先の信じる事の出来るエネルギーが詰まっています。スローで黒光りする音の泥に包まれて、奇妙な恍惚感に出会いました。これがダブステップなのね…結局、言葉じゃ説明し辛いですね。

Basic ChannelことRhythm & Soundとは無関係ですが、音的には近いのでRhythm & Sound好きな人も要チェック!

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Luomo - Paper Tigers (Huume:HUUME10)
Luomo-Paper Tigers
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もうBasic Channelフォロワーと言う肩書きは必要の無い位、ハウス方面にシフトしたLuomo。元々の活動こそVladislav Delay名義のアブストラクトなテクノで一世を風靡していましたが、僕は完全にLuomo名義の方が今では好きです。Luomoのアルバムとしては3枚目なのですが、この名義でも初期の頃からすると良い意味で随分ポップになってきたなと言うのが感想。1stは色気のある作品ではあるのですが、現在に比べるとまだまだシリアスな作風だと思うのですね。それが今作ではメジャーに対しても通用する位素直に聴ける分かり易さがあり、別にダンスミュージックか否かとかも意識する必要がないのかなと。だからと言って内容の無いキャッチーなだけの音楽でもなく、奥を感じさせる深い音響を生かしつつ、やっぱり色気たっぷりの妖艶な雰囲気もあるのが素晴らしいです。そういった音は、Vladislav Delayでの音響効果がLuomo名義にも影響を上手く及ぼしているのでしょうね。またBPMも120前後でしっとりと馴染むように聴けて、夜にぴったりなボーカルハウスです。ヨーロッパ系の耽美派ハウスの中では、圧倒的にセンスを感じるアーティスト、それがLuomoです。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Alex Smoke - Sci.Fi.Hi.Fi 03 (Soma Quality Recordings:SOMACD52)
Alex Smoke-Sci.Fi.Hi.Fi 03
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流行とは良くも悪くも恐ろしいもので、今までシーンを引率してきたレーベルの方向性さえも変える力があるのだろうか。SlamやFunk D'Voidを輩出してきた生粋のテクノレーベル・Soma Recordsも、今ではミニマルハウス本格的に身を乗り出しているようで、その方面の注目株がAlex Smokeです。既にオリジナルアルバムを2枚ほど出していて、旬のBorder Communityを意識した妖しい艶のあるサイケデリックサウンドを聴かせてくれているのですが、この初のMIXCDではドゥープでミニマルな陰鬱サウンドがたっぷり聴けます。正直な所この手の音に溢れたご時世オリジナリティーをアピールするのは難しいと思うのですが、ミニマルハウスのMIXCDではかなりの力作だと断言します。Basic Channel系のダビーでスモーキーな前半、音数を絞りファンキーでミニマルなリズムで引っ張る中盤、そして覚醒感のあるメロディーが顔を出す後半と、徐々に変化はしつつも冷え切った暗い世界観を終始保っています。徹底的にテンポやテンションを保っているのに、徐々に感覚が麻痺していく様な中毒性がありヘロヘロになってしまいそう。光明も差さない闇の中でも、人間って気持ち良くなれるんですね。Alex Smokeには今後も注目です!

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - The Four Quarters (Huume:HUUME-005)
Vladislav Delay-The Four Quarters
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Basic Channelを継承する第一人者と言っても過言ではないVladislav Delay。個人的にはLuomo名義の妖艶なハウス作品の方が好きなんですけど、Vladislav Delay名義の方がBasic Channel色は色濃いですね。この作品は4部構成になっており、それぞれが15分もあると言う大作になっております。しかしBasic Channelは極限までシンプルでダビーな構成でしたが、Vladislav Delayは明確なリズムさえ無くなってしまい一般的に聞き易いものではないでしょう。クリックハウス通過後のカチコチとした音が随所に入り、いびつながらくたがぶつかり合う様なリズムトラックは変則的で捕らえ所が無い。また奥へと吸い込まれゆくダビーな残響音やドローンとして幽玄なシンセの上物が、暗い暗い厳冬の世界を表しているかの様。人を寄せ付けない難しい作品だとは思いますが、それでも何故かこの人の作品には時折暖かみが感じられるのが不思議です。他の名義で4つ打ち作品はリリースしているので、Vladislav Delayではもっとパーソナルな作品を目指しているのかも。極限まで深淵なミニマルダブの参考例ですね。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah Remixes (Burial Mix:BMXD-1)
Rhythm & Sound-See Mi Yah Remixes
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アブストラクトミニマルテクノの大元帥、元Basic Channelの二人が現在はダブ・レゲエユニットのRhythm & Soundとして活動しておりますが、そんな現在の状況に僕は余り興味を覚えません。だがだがだが、ここにきてやっとこさ久しぶりにテクノへのアプローチを見せてくれました。なんと昨年の「See Mi Yah」(過去レビュー)を、驚愕の11アーティストがリミックスしました。参加アーティストは、Basic Channel一派のSubstance、Vladislav Delay、Vainqueur、Hallucinator、Tikiman、ハウスの賢人・Francois K、デトロイトテクノのパイオニア・Carl Craig、クリック方面からはSound Stream(Soundhack)、Ricardo Villalobos、またミニマルの新星・Sleeparchive、そして何とBasic Channel名義で本人らも参加と言うやばすぎる面子。 これは聞かなくても分かる、素晴らしいに違いないと。

取り分け素晴らしかったのは、やっぱりCarl Craig。近年の作風であるエレクトロニックで覚醒感漂うプログレッシブな出来で、シンセの金属的な響きが最高です。こんなリミックスが出来るなら、とっとと自分の名義でアルバム出せよなー(笑)。Vainqueurも良かったね。Basic Channelを継ぐ者としてのリミックスと言うべきか、視界0メートルのぼやけた残響の中で淡々とリズムが鳴り続けます。Villalobosは相変わらずのネチャネチャとした粘度の高い音で、スカスカな構成がからっと乾燥した空気を作り出します。Francois Kは何故か一人暴走し、ラガジャングルを展開。これはちょっと方向性を間違えたか…(悪くはないけどさ)。でも何と言ってもBasic Channelのリミックスが聞けたのが、一番嬉しいです、感涙です。Rhythm & Soundをハウス化したいわゆるダブハウスなんだけど、音の鳴り方がやっぱり別格だなぁと。またいつかBasic Channel名義での活動を再開してくれないのかな〜・・・。なんて思いつつも、アーティストそれぞれが独自のリミックスを提供しています。この夏、このアルバムを聞いて暑さをしのぐべし!!

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah (Burial Mix:BMD-4)
Rhythm & Sound-See Mi Yah
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アブストラクトなミニマルテクノの極北・Basic Channel、そしてMaurizio。Mark ErnestusとMoritz von Oswaldから成るこのミステリアスなユニットは、ここ数年はダブ・レゲエに傾倒しています。正直な所、テクノを離れてしまった彼らには余り興味も示さないのですが、惰性で彼らの作品は購入し続けています。Rhythm & Sound名義での4枚目のアルバムとなる「See Mi Yah」ですが、実はワンウェイアルバムでありまして、全曲トラックは同じ物。曲毎に異なるMCをフューチャーして変化を付けて、アルバム一枚で壮大な流れを楽しむと言った感じなのでしょうか。一応曲毎にイコライジングやエフェクトでアレンジを微妙に変えているみたいですが、私にはほぼボーカル以外は同じに聞こえてしまいます。う〜ん…レゲエとかってこんなのが当たり前なの?こんな作品が毎回リリースされるなら、今後Basic Channelには興味はもう示さないかも。テクノ好きな私には、素直に昔のBasic Channelの方が格好良かったかな。敢えて良い所を探すなら、相変わらず音の深さは仙人級の凄さ。幻惑的なリヴァーブ使いやアナログ楽器からの柔らかな音は、やはり彼らがアブストラクトなシーンでは崇拝されるその理由でしょう。レゲエとかってそんな好きじゃないけれど、こんな糞暑い日にはこんなズブズブした音が合うかな。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |
Uusitalo - Tulenkantaja (Huume:HUUME-007)
Uusitalo-Tulenkantaja
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フィンランドの貴公子ことSasu Ripatti様、別名Vladislav Delay(読み辛過ぎ…)、もしくは別名Luomo。Vladislav Delay名義ではBasic Channel並のアブストラクトテクノを展開し、Luomo名義では流麗なユーロピアンハウスを展開するめちゃ格好良い貴公子です(見た目もナイス)。そんな彼の第3の名義がUusitaloでございます(牛太郎じゃないよ)。Vladislav DelayとLuomoの中間に位置するこの名義では、ビートはハウスながらもLuomo程エレガントな音ではなく、いびつでこつこつとしたクリックハウス的な上物でファンキーかつディープ。スムースな流れでありながら、微妙に変則的なビートだしオリジナリティーがあります。端正にしっかりと音像が浮かび上がるものの、時にエコーが強調されたダビーハウスになったり、時にスムースなテックハウスになったり、彼の名義の両者の橋渡し的な存在です。マイナー調のダークで虚ろげなメロディーは、明るさはなくとも陶酔するにはもってこいの基調です。そういやLuomo名義で彼がライブする時は、ワインボトルをラッパ飲みして自分に陶酔してた気がします。多分Sasu Ripatti様はナルシストだと思います。でもBasic Channelフォロワーとしても、また近年のKompaktなどのポップでミニマルなシーンにおいて抜群に抜けているアーティストですよ。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yagya - Will I Dream During The Process? (Sending Orbs:SO005)
Yagya-Will I Dream During The Process?
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今や懐かしドイツテクノ帝国の栄光・Force Inc.ですが、その中でも意外な人気を博していたのがYagyaです。「Rhythm Of Snow」(過去レビュー)と言うBasic Channelスタイルのミニマル+アンビエントのアルバムをリリースし、一部で絶賛の嵐を巻き起こしたアーティストであります。ところがどっこいForce Inc.の倒産と共にYagyaの活動もなりを潜め、また「Rhythm Of Snow」が廃盤となったせいでその音を聴く事の出来ない人の中でもより評価が上がっていくと言う現象が起きた様です。まあこのまま新作が出なくてもそれはそれで良かったのですが、何が起きたのか突然Yagyaが帰ってきました。路線的には「Rhythm Of Snow」とほぼ変化はないのですが、そちら程「雪」のイメージはないかも。内省的な感じが強くなりリズムも前作より多少強調されているかも。ただやはりくぐもった分厚いシンセサウンドとダビーな残響音が響き渡るリズムは健在で、一人瞑想の世界に耽るには最高です。小さい音で聴けばアンビエント、大きい音で聴けばダンスミュージックとして、どちらでも楽しめるかと思いました。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Herbert - Around The House (Studio !K7:!K7105CD)
Herbert-Around The House
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現在ではHerbertなんて言えば一般的に知られている存在ですが、まだクラバーの中でしか騒がれていなかった頃のHerbertの傑作が「Around The House」。元々リリースしていたレーベルが倒産の為永らく廃盤でしたが、近年の人気獲得に伴いこの傑作も再プレスされております。いやーこれは「Bodily Functions」に負けず劣らず大好きでありまして、まあそっちに比べると比較的まだストレートなハウス表現が多いんですね。現在のミニマルハウスに繋がるハウス表現、音の隙間を生かした妙技、独特な音を生み出すサンプリング、控えめな甘さと幽玄な佇まいを持ち合わせたムードがあり、完璧としか言えない世界観を創りだしています。「Bodily Functions」がクラブカルチャーにポップな明るさを調和させたのに対し、この作品はまだまだアンダーグラウンドな点が強くだから当時は大ヒットはしなかったのかも。でも「Bodily Functions」が好きなら、この作品も絶対気に入って頂けると思います。かつてはBasic ChannelやRichie Hawtin、Mike Inkと並んでミニマルを極めていたHerbertが、こんなムードのある作品を創るなんて誰も予想だにしえなかったであろう。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Brinkmann - Rosa (Ernst:ERNSTCD01)
Thomas Brinkmann-Rosa
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紹介するのを忘れていたのですが、今年再発されて手に入れやすくなったこの「Rosa」はケルンミニマリズムに興味があるお方は見逃してはいけません。Richie HawtinやBasic Channel、Mike Inkが追求したミニマリズムを継ぐ者として評価を得ているThomas Brinkmannですが、このアルバムにおいては現在のクリックハウスシーンにも少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。まだどちらかと言うとミニマルテクノ・ハウスと言った影響下にある音ではありますが、最小まで音を削ぎ落とし必要最低限の構造だけで繰り返されるミニマリズム、音の隙間から生まれるファンキーさを表現する事に関してはさすがだと思います。曲そのものに大きな起伏は無くこれと言った展開も無いのに、小刻みに体が揺れてしまうグルーヴがあるのはBrinkmannの音の配置に対する配慮のおかげですね。こうゆうのは普通だとBasic Channel同様でミックスに使ってなんぼと言うイメージがありますが、よくよく聴いてみると普通のアルバムとして聴いても全然飽きる事なく、むしろ徐々にディープな世界に引き込まれてしまいました。シンプルなのに最大の効果を生み出す、ミニマルテクノが何たるかを知らしめる一枚。

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| TECHNO3 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Beat Pharmacy - Constant Pressure (Deep Space Media:DS50164)
Beat Pharmacy-Constant Pressure
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ハウスのトッププロデューサー・Francois Kは周知の如く、近年はダブを前面に出したテクノやハウスに傾倒中でございます。その為にわざわざDeep Space Mediaと言うレーベルも設立し、その趣向に沿ったアーティストを送り出しているのです。自分はモロにダブな曲はそんなに好きじゃないんですけど、それがハウスやテクノの融合すると深いリヴァーブがかかって格好良くなるんですわ。もしそんな音を聴いてみたいならば、僕は真っ先にBeat Pharmacyをお勧めします。彼は昨年、前述のDeep Space Mediaから1stアルバム「Earthly Delights」(過去レビュー)をリリースし、新人ながらもなかなかの好評を得ているアーティストです。本日紹介するのは2ndアルバムに当たるのですが、1stとさほど変化はないなぁと言うのが感想。だからと言ってそれが悪いと言う事ではなく、やっぱり最高にいかした音なんですよね。相変わらずBasic Channel、もしくはRhythm & Soundのダブ、レゲエを4つ打ちハウスバージョンにした感じで、オリジナリティー自体はないだろうとは思います。だけでもすぅ〜っと延びるエコーやリヴァーブ具合は心地良い浮遊感を生み出し、ドスドスと体に浸透する重いバスドラはリズミカルに体を揺らし、目の前には快楽的なDeep Spaceが浮かび上がるのです。Basic Channelなんかはテクノの極北で近寄りがたい神懸かった雰囲気があるんだけど、Beat Pharmacyはもっと色気があって一般的に聴きやすいんじゃないかなと思います。だからBasic Channelはストイック過ぎて苦手って人でも、このアルバムを聴いてみてダブテクノ・ハウスに興味を持ってくれたら幸いです。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2005
来たるべき大晦日が遂にやってきました。K-1とPRIDEの両方を見なくては!最近は年末は毎年そうです。ちなみに未だにカウントダウンはどれに行くか決めておりません。どれもインパクトに欠けるイベントばかりでとか言っておきながら、ケンイシイに行っちゃいそうですな。さて、勝手ながら今年も年間ベストを選んでみました。が、今年は余りにも量が膨大なんで選ぶのに困り、泣く泣くカットした物が多数。そう考えると相当な量の音楽を聴いたんだなとしみじみします。以下のリストに残った物は僕のお気に入りの一部ではありますが、是非とも皆様のCD選びの参考になって頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 14:00 | comments(11) | trackbacks(2) | |
Beat Pharmacy - Earthly Delights (Deep Space Media:WM50151-2)
Beat Pharmacy-Earthly Delights
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今日紹介するCDは今年前半にリリースされていたにも関わらず、ず〜っと放置しまくっていた事が悔やまれる良盤です。以前にEchologistと言うアーティストを紹介しましたが、又の名をこのBeat Pharmacyとして活動しています。そしてリリースはなんとFrancois K主宰のDeep Space Mediaからの第一弾と、フランソワも大のお気に入りである事間違いなし。Deep Space Mediaは単なるハウスを脱却し「An Adventure Into Future Dub,Spacey Vibes And Abstract Grooves」を目指し、より広がりをもった音楽をリリースするレーベルなのですが、やはりこのアルバムでも特徴となるのはダブ。簡単に言っちゃえばBasic Channelのハウスバージョンと申しますか、ダブ+踊れる4つ打ちってな感じの音です。しかし深淵で陶酔感溢れるこの雰囲気は、聴いた瞬間すぐに奥深くに持って行かれる魅力があります。ダブ自体はそんなに聴きませんが、それにハウスを足しただけでこんなにも快楽的なサウンドになるとは驚きですね。Echologistに比べるとギターが導入されていたり、全体的に湿っぽく生暖かい音が強調されていますかね。この手の音は、やばい物を一発決めて聴きたくなるような衝動を誘います。僕は健全なのでノーマルで、未来のダブの世界に旅立ち宇宙の雰囲気を感じようと思います。

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| HOUSE2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bryan Zentz On Monoid (Monoid:monoid006-2)
Bryan Zentz On Monoid
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今年前半には発売されていたのですが、ようやくアマゾンで購入出来るようになったこのMIXCD。Carl Cox主宰、大人気UKテクノレーベル・Intec Recordsの特攻隊長Bryan Zentzが、Intec好きな人に最高の音をぎっしり詰め込んだスペシャルなプレイを披露しています。Zentzは以前にフルアルバムをリリース済みで、それはヒップホップなども吸収したテクノで懐の深さを垣間見せていましたが、このMIXCDにおいても腕の巧さを存分に見せつけています。出だしいきなりBasic Channelを含むダブテクノを連発し、更に緩いドラッギーなテクノに流れると、6曲目からスロットル全開のIntec節でガシガシ攻め上げます。もうそこからはテンションを落とさず、美しいシンセリフを多用した曲やズンドコトライバル、そしてデトロイティッシュなテクノまで有無を言わさぬプレイで最後まで突き抜けます。怒濤のハードミニマルだけではなくIntec系の綺麗目シンセがあちらこちらに入ってきて、快楽的なシンセリフに耳を奪われぐいぐいと引き込まれますね。メロディーとグルーヴが自然と融合されている素晴らしいプレイです。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Agoria - Cute & Cult (Different/PIAS:DIFB1055CD)
Agoria-Cute & Cult
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最近新譜がどんどん出るので聴くのが追いつきません(汗)。年の瀬だって言うのに、また強烈なMIXCDが出ちゃいましたよ。フランスからのニューカマー・Agoriaさんの変幻自在、奇天烈なプレイが存分に味わえる「Cute & Cult」がそれです。Agoriaさんはフランステクノシーンにおけるデトロイトテクノフォロワーで、その中でも単にデトロイトテクノを模倣したもの以上のアルバム「Blossom」で注目を浴びています。そしてミックスプレイもやっぱり一筋縄ではいかず、Carl Craigや69、Phylyps(Basic Channel)に混ざってLucien & LucianoやMathew Jonsonのクリック、Anthony Rotherのエレクトロ、Alter Egoのジャーマンテクノ、RadioheadやIggy Popのロック、しまいにはAge Of Loveのトランス?!までも収録。普通の4つ打ちテクノだけが好きなら苦手な人もいるかもしれないけど、抗えないインパクトは感じるはず。ドラッギーなエクスペリメンタルテクノから、緩やかなテックハウス、ダーティーなロック、ギトギトのエレクトロ、高揚感満載のトランス、未来派デトロイトテクノが、入れ替わり立ち替わりで聴く者を刺激ます。ただ聴くだけじゃない、心で感じるんだ!こんな不規則なテンポやリズムでも、きっと踊れる、勝手に体が動くでしょう。今年の珍盤ベスト1か?

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Swayzak - Groovetechnology v1.3 (Studio !K7:!K7122CD)
Swayzak-Groovetechnology v1.3
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何故にエレクトロポップやニューウェーブ色の強い音楽を作るSwayzakが、こんなクリックハウス系のMIXCDを出したのだろうか?未だに理解は出来ないが、ほんと良く出来た素晴らしいクリックハウスのMIXCDだと思う。と思って再度聴いてみたら、クリックハウスって何なのだろうと思った。当時はこのMIXCDはクリックハウスなんて呼ばれてたけど、今僕が聴く限りではハウス、テックハウス、ミニマルで片が付いてしまうと感じた。一体クリックハウスとはなんぞや?音楽を言葉で説明するのは非常に難しく、やはり実際に聴いて貰うのが一番なんだと常々思う。このMIXCDではBasic Channel、Round Four、Monolake、Studio 1などのいわゆるベーチャン系や、Herbert、Luomoのハウス系、Ricardo VillalobosやAkufenのクリックハウス系の曲、そしてテクノがざっくばらんに使用されているが、散らばった感は全くなくヨーロッパの耽美な空気に満ちている。沈み込むようなダビーな曲や無機質なミニマルな曲が使用されているにも関わらずだ、揺らめくような美しさがある。上手いミックスかどうかより選曲が命、繊細にゆったりと曲を大事に使い、徐々に引き込んでいく求心力を生み出している。そして美しいだけでなくドラッギーな面が表層に浮かんできて、快楽を増長してゆく。正にトラックリスト見ただけで食い付く人は多いだろうなと思う選曲、ベタだけどこれはこれでアリ。寝ながら聴くと快適な安眠剤だし、爆音で聴けば体にズシンと響いてくるミニマルハウス。あれ、結局ミニマルハウスなの?

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| TECHNO3 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Echologist - Explorations Vol.1 (Mule Music:mmd02)
Echologist-Explorations Vol.1
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ハウスのトップDJ/リミキサー/プロデューサーであるFrancois K。ここ数年は確実にテクノやダブに傾倒しテクノファンにも浸透度の高い素晴らしいアーティストですが、その彼に認められたのがBeat Pharmacyであります。テクノとダブを程よくブレンドし地を這いずり回る重さに緩く揺れるビートが心地良さを生み出すのですが、そのBeat PharmacyのメンバーであるBrendon MoellerのソロプロジェクトがこのEchologistです(分かり辛くてゴメン…)。Beat Pharmacyとの違いは…更に重く硬く深い。聴けば分かるけど、Basic Channel系列と言うかまんまパクリ…いえいえ、そうではないですがダビーで深い残響音は確実にBasic Channelを思い出させます。ゆらゆ〜らと体は揺れて徐々に深みにはまっていくドープな音は、気持ち良くもありつつ危険な香りを感じさせます。Basic Channelよりも幻想的な上物が多い所は聴き易くもあり、快楽的な要素が増していますね。まだフォロアーの域は脱しきっていないものの、一曲一曲の水準は非常に高いかとは思います。まあ気持ち良ければい〜じゃない。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pub - Summer (Vertical Form:VFORM001CD) & Do You Ever Regret Pantomime?" (Ampoule:ampcd01)
Pub-Summer  Pub-Do You Ever Regret Pantomime?
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近年のエレクトロニカブームの中でも、秘かな人気を博していたのがこのPUBであります。夏の間には情緒豊かで美しいサウンドスケープを描き出し、体感温度を2〜3度下げる清涼効果のあるチルアウトサウンドを発していました。彼らの詳細に関しては全く持て不明で、とにかく「Summer」と言う曲に一発でやられてそれ以降自分のフェイバリットなアーティストになっています。いつかは紹介しようと思っていたのですが、廃盤であったのがやっとこさ再発される事になりこの度紹介する事になりました。

まず「Summer」と言う曲、これは16分を越える壮大なミニマルアンビエントで、軽いエコーが段々と連なり微細な変化を繰り返しては反復します。淡々としている割には、人を惹き付ける豊かな情緒が有り決して冷たい感触はありません。ダビーで不明瞭、ぼやけた音なのに、心が研ぎ澄まされ綺麗になっていく感じです。とにかく深いチルアウトの一言ですね。Vladislav Delay、Arovaneおのおのがリミックスを2バージョン提供し、他にリミックス1曲の計6曲のミニアルバムですが、60分以上もあるので普通のアルバムを考えて差し支えないでしょう。

そして「Do You Ever Regret Pantomime?」、これがオリジナル1stアルバム。アルバムなので当然バリエーションに満ちていて、聴き応えは充分。「Summer」路線ではありますが、シューゲイザーの様な微かなノイズ混じりのエレクトロニカが強調されています。「Summer」より色彩豊かでより叙情的、雨雲の中から光が割って入ってくる時の美しさみたいなのがありますね。目新しさとか斬新さはないけれど、緻密でとても良く練られているサウンドプロダクションの為、新鮮さを感じさせます。Vladislav DelayやBasic Channelをメロディー豊かに、そしてアンビエンスを加えるとPUBみたいな感じになるのかしら?それにしたってこの清涼感溢れる音は、夏がぴったりだったから遅い再発が悔やまれます。しかしライブCDがボーナスで付いてくるので、これは買い!でしょう。

「Summer」試聴
「Do You Ever Regret Pantomime?」試聴

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| TECHNO2 | 18:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
2005/10/22 JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
期待に胸を膨らませて「未知との遭遇」を体験しに行ったWOMBで待っていたものは…。

24時過ぎにWOMBに到着、早速入ると激混み〜。Jeffの1stセット半ばでしょうか、ディープめのトライバルで良い盛り上がり具合。「CONTACT SPECIAL」って言うコンセプトなのかと思うくらい、Purpose Maker路線の選曲。でもこっちのが好きなんでOKです。自身の昔の曲も回したりして徐々に上げていき、そしてキター!!「Strings of Life(DK Edit)」。でも折角ならオリジナルを期待したかったのですが、やっぱり大盛り上がり。その後あんまり覚えてません…。
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| EVENT REPORT1 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
2005/10/14日 (FRI)
DJ : Jeff Mills
Guest Live : Co-Fusion

JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
2005/10/21日 (FRI)
DJ : Jeff Mills
Guest Live : Scion from Chain Reaction

JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
2005/10/28日 (FRI)
DJ : Jeff Mills
Guest Live : Sub Space, Elektrabel

KENISHII 「PLAY, PAUSE AND PLAY」RELEASE PARTY @ AIR
2005/10/29 (SAT)
DJS: KENI SHII, DJ WADA X Dr.SHINGO, SHIN NISHIMURA×HITOSHI OHISHI

DARREN EMERSON @ Space Lab Yellow
2005/11/02 (WED)
DJ : Darren Emerson and more

STERNE @ WOMB
2005/11/04 (FRI)
Guest DJ : Dave Clarke
DJs : Takkyu Ishino, Ten

DARREN EMERSON @ Space Lab Yellow
2005/11/05 (SAT)
DJ : Darren Emerson and more

MODULE 4th ANNIVERSARY presents GRAPE @ Module
2005/11/05 (SAT)
DJ : Marcellus Malik Pittman (unirhythm/3chairs from Detoit), CHikashi

CLUB PHAZON - WOMB MOBILE PROJECT @ Laforet Museum Roppongi
2005/11/22 (TUE)
DJs : Sasha& John Digweed
Opening : Ohnishi

何はともあれScionは確実に外せないですね。Basic Channelのトラックをがんがん連発するのか、それとも予想だに出来ないライブでも?
あとはケンイシイのAIRでのイベントも良いなぁ、テクノ好きはそりゃ行くだろって感じだね。
サシャ&ディグウィッドは非常に激混みになって踊れるのでしょうか…
| UPCOMING EVENT | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scion - Arrange and Process Basic Channel Tracks (Tresor:Tresor200CD)
Scion-Arrange and Process Basic Channel Tracks
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90年エレクトロニックミュージックにおいて、究極のミニマリズムを確立したBasic Channel。彼らのアルバムの再発、また彼らの弟子とでも言えるScion(Pete Kuschnereit aka Substance、Rene Lowe aka Vaniqueur)の来日ライブ(10/21 With Jeff Mills)があるので、このMIXCDを紹介しない訳にはいきません。数あるMIXCDでもここまで緻密な展開を持ったMIXCDはなかなか無いと思いますが、それもそのはずPCソフトAbleton LIVEを使ったMIXなのです。Basic Channelのトラックから一部分ずつ抜き出し、それをPCで組み立てていくと言う事らしいですが、もはやターンテーブルを使ったDJでは再現不可能。トラックの良い部分だけを何度も何度も繰り返す事が出来るのも、PCソフトのおかげ。それだけで聴いても面白くもないBasic Channelのトラックが、MIXされる事により最小の単位で最大の効果を上げています。アブストラクトで極限までディープ、押し寄せては引き返す波の様な残響音、そして緩い展開から激ハードな展開までダンスミュージックである事を思い出させてくれる構成。全てがパーフェクト、Basic Channelの魅力を全て引き出したScionには敬意すら抱きます。もしこれが実際のライブで表現されるのであれば、その瞬間に神!Basic Channelと同様ミステリアスな存在のScionのライブは、一見の価値有り。このMIXCDで予習してライブを見に行く事をお勧めします。

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Basic Channel (Basic Channel:BC-CD) & Maurizio (Maurizio:M-CD)
Basic Channel
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Maurizio
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名盤リイシューと言う事で、今回は現在のテクノシーンにおいても尚その影響を強く残すユニット、Basic Channelを紹介。彼らが出現した前と後では、明らかにシーンの影響も変わっていたんじゃないかと勝手に推測出来るくらいの特色があるユニットです。レコードのクレジットとかも適当で存在も良く分からなかった謎なユニットと言う事もあり、その当時は凄い注目を集めていたそうです。初期ベーチャンと言えばハードコア時のUnderground Resistanceの影響下にあり、強いインパクトはありましたが現在ほど特色がある訳でもなかったはず。しかしEPを数枚出す内に完璧に独自のサウンドを創り出し、今ではベーチャンフォロアーが無数に出来てしまいました。そのサウンドとは徹底的に音を削ぎ落とし、フィルターによって不鮮明でぼやけた音響を創り出し、奥の深いダビーな世界を演出すると言う物なのですが、言葉だけでは良く分からないと思うので取り敢えず聴いてもらうのが一番だと思います。言うならばディープミニマルテクノ、しかしその深さたるやフォロアーが追い越そうと思っても越えられない壁が存在し、現在でも唯一無二の存在としてレスぺクトされています。殆ど変化の無いトラックばかりなのでばかりなので、コンピレーションを聴いてもつまらないかもしれません。しかしその余りにも完成されたサウンドには芸術的な美さえも感じさせますし、テクノの歴史の一つでもあるので是非聴いて欲しいと思います。ベーチャンは名義をころころと換えて、MaurizioやRhythm & Sound名義でも活躍しています。現在はレゲエサウンドに傾倒したRhythm & Sound名義のみの活動なので、ちょっと寂しいですね。Basic Channel、Maurizio共にテクノな人に一家に一枚、忘れずに。

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試聴(Maurizio)

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| TECHNO2 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(3) | |
DJ ROMAIN feat. L.I.C. Rockers - Spin:BKLN (Unity Records:SMLP-1084)
DJ ROMAIN feat. L.I.C. Rockers-Spin:BKLN
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あんまり過去のハウスに詳しくはないので分からないけど、ガラージ直系?のDJ Romainの新作+ボーナスMIXCDが付いて2200円の超お買い得盤。ガラージ直系とは宣伝されつつも、自分には何がガラージなのかよく分からないのです。オリジナルアルバムはむしろFrancois K主宰のDeep Space直系のダビーハウスがメインだと思ったのですが、違うのでしょうか?モロにBasic Channelな曲もあるし、どれも地面に吸い付く様な重い低音が出ています。真っ暗な空間に広大な広がりを感じさせる残響音処理もあり、やっぱりガラージじゃなくてDeep Spaceだと思うのですよ。あ、でも何曲かはトライバルとかラテン気味のパンピンハウスでこちらはピーク仕様って感じでしょうか。一曲だけアシッドハウスもあり、とにかくやりたいように曲作りましたって感じのアルバムだけど、捨て曲無しのハイレベルな一枚だと思いました。

で実は僕はボーナスMIXCDを試聴してこのアルバムを買ったのですよ。MIXCDの方がめちゃめちゃ良かったんですよね。しょっぱなの「Love's Message」、この曲はずっしり身の詰まった図太いグルーヴがあり、この曲のやられちゃったのですよ。WEBで調べてみると、ガラージクラシックの「Love Is The Message」をDJ Romainがエディットしたものらしい。原曲は未聴なのですが、エディットはまじで素晴らしいです。続いて2曲目の「Pass the buck」、これはガラージっぽいのか?ストリングスが華麗に響き渡り、ちょっと古臭い感じの曲。何にせよもうノリノリな展開ですよ。その後もソウルフルなハウスと、ダビーなトラック物を混ぜて適度なテンションで引っ張っていきます。そして最後はお祭りっぽく賑やかで派手なトラックで、円満の笑みを浮かべて終わります。ガラージが何なのか未だに良く分からないけど、ピースフルで愛のある音楽だと思いました。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Luomo - Vocalcity (Force Tracks:FT14CD)
Luomo-Vocalcity
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キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
って程の物でもないかもしれないけど、廃盤扱いだったのでこの再発は大変嬉しい。かつては栄華を極め多くの才人を抱え込んでいたForce Tracksレーベルも、栄枯盛衰と言うべきか一瞬にして倒産。その中でも特に注目を集めていたのがこのLuomo、又の名をVladislav Delay。そうBasic Channelチルドレンの一人でもある人です。以前に2NDアルバム「The Present Lover」を紹介したけれど、お勧めはやはりこの1stアルバムですな。オイラはベーチャン系列のVladislav Delay名義よりもこのLuomoの1stが好きなんですわ。炎は青い方が実は温度が高い。そしてこのLuomoもそんな感じで一聴して大人しめのクールなハウスなんだけど、実はかなり淫乱、妖艶、セクシー。2NDはかなりポップだったけど、この頃はもっと年齢を重ねた様な大人の魅力があるわな。音数をかなり絞ったスカスカな作りのミニマルハウス。しかし音の絶妙な隙間と耽美なシンセ音にコチンも立ってしまう。この人フィンランド出身なんだけど、ここから出てくる人が出す音は何故かみんな綺麗目で繊細な感じだね。アルバムなのに6曲だけ…と思ったらみんな10分超えの曲。細く長く快楽が続くセクシーハウスです。セクシーっつても下品な面は皆無ですぞ。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - New World Observer (~scape:~scape27cd)
Deadbeat-New World Observer
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本日もBasic Channelチルドレン関連のアーティストを紹介。~scapeから精力的にアルバムを出すこのDeadbeat。僕はこのアルバムでDeatbeatを初体験したのですがダビーなテクノ好きな人には好評な様で、深い音響と煙たい空気が特徴です。と言ってもこの人の場合、リズムが緩いのだけど躍動的で跳ねる感覚があると言うか、底を這いずりつつも上にもピョコピョコ顔を出す様です。Basic Channel直系のダブを持ち合わせているけれど、単なる物真似には終わっていないですね。その上電子音楽ではあるはずなのだけれども、妙に生々しい。有機的で自然の中から湧いてきた音、人間自身の手によって発せられた音、そんな感触があります。今作はヴォーカルも取り入れられているせいか、レゲエの暑苦しいイメージも湧いてきます。怪しい物でもプカプカと吸いながら、窓辺のリクライニングシートで一休み、そんなシチュエーションにぴったりじゃありません?蒸し暑い日にこそ威力を発揮する一枚です。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Demo(n) Tracks (Huume:huumerecordings 01)
Vladislav Delay-Demo(n) Tracks
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耽美なユーロピアンハウス方面でLuomoとしても活躍するVladislav Delayの最新作は、今まで以上に荒れ狂いもの悲しいアブストラクトなアルバムとなっている。尖った金属片が刺される様な鋭利なノイズ音が恐怖を引き起こし、微かに弱々しい上物が奥で鳴り続け、無機質な空気が世界を浸食してゆく。以前のBasic Channelチルドレンであった頃はまだそこまで突き放す様な孤独感は無かったものの、このアルバムでは天涯孤独で完全に自我の世界に引きこもったアーティスト像が浮かんでくる。一切を寄せ付けない世捨て人的な虚無感が、徐々に聴く者にも浸透してゆく頃…何故か灰色の空を割り、眩いばかりの光が僕らを包むのだ。この瞬間今までの暗鬱な空気は一切消し去られるのだが、やはりまた彩度の低い霞がかった暗鬱な世界に戻ってしまう。しかしそんな重苦しい世界の中にも、確かに希望は存在している。混沌と虚無の中にある光だからこそ、より輝きを増す事が出来るのだろう。もうBasic Channelチルドレンとは言わせないVladislav Delayの世界が存在する。新しきカオスとアンビエンスの世界だ。

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| TECHNO2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marvin Dash - Model Turned Programmer (STIR15 Recordins:STIR15-CD6)
Marvin Dash-Model Turned Programmer
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音が気に入ったので購入したのですが、アーティストに関しては全く詳細不明。ドイツのディープハウスクリエーターだと言う事です。しかし僕個人が感じたものは、ドイツと言うよりデトロイトハウス系の漆黒のグルーヴ。重心低めの締まりのあるリズムトラックに、迷走気味の浮ついたシンセライン。BPM120〜130のゆったりとした流れの中、重いドラムが変わらぬ4つ打ちで鳴り続ける。ファンキーさを感じるかと言うとそうでもないんだけど、MoodymannやTheo Parrishにも似たざらついた訝しさがある。音の一つ一つが心地良く奥深くまで鳴り響く辺りは、Basic Channelとも近いかもしれない。無名なだけか僕が全く知らないだけだったのか、それでもドイツからこういったデトロイトハウスにも似た音楽が出てくるのは興味深い。派手な所は皆無だけれども、真夜中のドライヴィングに最適そうです。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Roisin Murphy - Ruby Blue (Accidental:C20CD)
Roisin Murphy-Ruby Blue
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発売前から話題になっているRoisin Murphy。何と言ってもHerbert+Molokoの新プロジェクトなので盛り上がるのも当然と言えば当然ですが、僕はMolokoに関しては全くの範囲外。普段どんな音楽を作っているのかも知りません。Herbertに関してはBasic ChannelやMike Inc以降のミニマルテクノ・ハウスを追求し、その後はジャジーなテイスト+ハウスで大好評を博した「Bodily Functions」で一躍シーンの最先端に躍り出ました。そしてジャズバンドも組んで「Goodbye Swingtime」と言ったジャズアルバムも出したのですが、それはちょっと方向性が違うんじゃないかと微妙な気持ちでした。それで今度はですよ、Molokoのヴォーカルをフューチャーしましたがどうでしょう?音的には完全にHerbertその物だと思います。相変わらず音をごっそり削ぎ落とし、ハウスでも無くテクノでも無くラウンジ系でも無く、ポップで切ないヴォーカル系。ホーン系の音も入っていて「Goodbye Swingtime」の続編的な所も多少あるけれど、ジャジーな点は薄味でもっとユーモアと悪ふざけな心に溢れています(それが普段のherbertなのだが)。ただ完全なHerbertの作品に比べると気高い気品や高貴な美しさが足りないと思い、遊び心の方に重心が偏りすぎていると思いました。あとヴォーカルもHerbertの奥さんのDani Sicilianoの方が個人的には好きでしょうか。夢の中に消えゆくような霞むヴォーカルが好きだったのすが、今回のMolokoのヴォーカルはどっかの古いバーで流れる曲に載るヴォーカルの様です。当然内容は充実した内容なので安心して聴けますが、「Bodily Functions」の再来はもう無いのでしょうか。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |
DJ Deep - City to City (BBE:BBECD052)
DJ Deep-City to City
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最近のハウスシーンではデトロイトテクノの曲も回される様になった。実際「Body & Soul」でも「Jaguar」は回されるし、ハウスパーティーで「Strings Of Life」や「Hi-tech Jazz」が回される事も珍しくは無くなった。そうゆう意味でデトロイトテクノがようやく世界的に認められたと嬉しい気持ちも反面、ハウスシーンでの扱われ方には少々悲しい物がある。今までだってデトロイトテクノは存在していたのだ。「Strings Of Life」なんて一体何年前の曲だと思っているのだろう。それを今になって回して賞賛を浴びるのはどうかと思うし、そんな事は孤高のミニマリストのJeff Millsがハードミニマルプレイの中で「Strings Of Life」回す事で、ずっと前から実践していたのだ。またハウスシーンに取り込まれた事によって食い物にされて、「Strings Of Life」はDefectedから最低なバージョンでリメイクをされる事になってしまった。なんとも下品なボーカルを入れて気持ちの悪いシンセ音を被せ、デトロイトテクノに敬意を感じられないリメイクを施したのである。いくらハウスシーンが停滞してるからと言って、安易にデトロイトテクノを利用する事には警報を発したい。

DJ DeepのこのMIXCDは、安易にデトロイトテクノやシカゴハウスを使ったのではなく玄人受けするようなMIXをしているので、否定せずに受けいられる事が出来た。曲目を見れば一目瞭然で、ちょっとかじった程度の人には分からない様な選曲がされている。出だしから「Acid Tracks」、「Phylyps Track Volume 1」、「Expanded」の3曲が同時に回される箇所があるんだけど、凄い使い方だ。アシッドビキビキで、アブストラクナな音が被り、浮遊感のあるシンセが振れ動く初めての体感。Derrick Mayの曲を使うにしても「Kaos」、「Sinister」の裏方的な曲だったりするけれど、MIXで使われると新鮮に聞こえてくる。Carl Craigの「Elements」もMIXCDで聴くのは初めてだな、DJ Deepめマニアック過ぎるぞ。そしてラスト2曲は怒濤のUR連発。敢えて「Hi-tech Jazz」では無いし、ラストの「Your Time is Up」はURのファーストEPじゃないか!最高にソウルフル過ぎるぜ!シカゴハウスとデトロイトテクノで構成されたこのMIXCDは、一部のマニアにとっては最高にプレゼントになるに違いない。

そしてMIXCDのみならず、CD2のハウスコンピレーションもお世辞抜きに素晴らしい。Glenn UndergroundやCajmere、Kerri Chandler、Ron Hardy、Ron Trentらの重鎮のトラックが揃っているからと言う事ではない。本当に収録されている曲のどれもが素晴らしいのだ。ソウルフルなボーカルハウス、大人の渋みを感じさせるディープハウス、流麗なジャジーハウス、スカスカなシカゴハウスなどDJ Deepのセンスの良さを体に感じる事が出来るコンピレーションなのだ。CD1、CD2合わせて久しぶりに会心の一撃、いや二撃って感じだ。ちなみにプレスミスでCD1とCD2の内容が入れ替わっています、ご注意を。

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| HOUSE1 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) | |
V.A. - Kanzleramt Vol.5 (Kanzleramt:KA117CD)
V.A.-Kanzleramt Vol.5
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ドイツは素晴らしいテクノ国家だ。Kompakt、Tresor、Basic Channel、そしてかつてはForce Inc.と言ったレーベルが揃っていて、その水準たるや世界一と言っても過言では無い位だ。そして最近成長著しいのがこのKanzleramtと言うレーベルで、テクノ好きな人ならば既に注目しているであろう。オーナーであるHeiko Lauxや、Diego、Alexander Kowalski、Johannes Heilと言ったアーティストを擁し最近では、Fabrice LigやQuerida(Ian O'Brien)と言ったアーティストまでもが作品を発表している。このレーベルの音はデトロイトテクノを通過したジャーマンテクノとでも言うべき、スタイリッシュでソリッドな作品が特徴でまあどれも似たり寄ったりだが水準は高い。

今回のコンピレーションはレーベルの作品をHeiko LauxがMIXしたと言う事で、購入に至りました。ただのコンピだったら買わなかっただろうけど、MIXCDには弱いですね、僕。ジャケットの裏にBPMが書いてあって、最初は126から始まり、終盤では138まで上げていく盛り上げMIXですね。レーベルの各アーティストの曲もバランス良く使われているのでコンピとして聴く事も出来るし、MIX自体も楽しむ事が出来ると思います。個人的にはやはりQuerida(Ian O'Brien)の曲が、頭一つ抜けているかなと感じました。ちょっと前までは生音重視に走っていましたが、ここに来て原点回帰のエレクトロニックなハイテックジャズ系に戻って来ましたね。はよ、アルバム出せやって感じです(Kanzleramtから出るらしいですけどね…)。他のアーティストの曲はやはり似たり寄ったりかなと思いますが、鋭いシンセとハードな作風は良い感じです。Kanzleramtのアーティストのアルバムは何枚か持っていますけど、ほんとどれも似たり寄ったりなので飽きられるのも早いかもしれないなぁ…と危惧していますが、まあテクノなんて飽きられるの早いしね。じゃあみんな飽きる前に今の内に聴いておくのが、良いんじゃないでしょうか?けなしてるんだか褒めているんだか分かりませんが、今の所僕はこのレーベルは好きですよ。

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| TECHNO1 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Bryan Zentz - Seven Breaths (Intec Records:INTECCD02)
Bryan Zentz-Seven Breaths
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テクノ、この単語一つを取ってももはやテクノは収集がつかない程に幅を広げ、そして現在もその広がりは止む事が無い。Aphex TwinやKen Ishii、Carl Craigだってテクノだし、The OrbやBasic Channelだってテクノと言えるし、Rei Harakamiみたいな奇天烈なのだってテクノと言えると思う。しかしながらスタイルとして考えると去年出た「Joris Voorn-Future History」みたいなストレートなのが、正統派もしくは王道的なテクノだと僕は思っています。この作品もそんなストレートで単純だけど、かっこいい王道的なテクノだと思います。Carl Cox主催のIntecから出たこのアルバムは、ダブっぽい音響やヒップホップのビートも入ってるしどこがストレートなんだよ?って思うかもしれませんが、要は音楽に対する姿勢みたいなのが正統派だと思っています。若さ故のこの単純な勢いと言う物は、経験を重ね色々実験を積み重ねていくベテランにはなかなか無い物であり、グイグイと引っ張られる求心力を感じます。もちろん大半の曲はハードエッジで、ぶっといベースに硬質なリズム帯が連ねるグルーヴィーなIntecっぽい作品なので、特に目新しい事もないでしょう。それでもKevin SaundersonやCarl Cox、Slam等もお気に入りで、テクノクラシック殿堂入りの「D-Clash」には誰もが引きつけられる事でしょう。Inner CityのGood Lifeの上物にハードグルーヴを足した様なこの曲は、何度クラブで聴いても気持ちが良いものです。

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| TECHNO1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
154 - Strike (Delsin:27dsr/nwa-cd1)
154-Strike
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最近テクノ系のCDが以前より入手し辛くなっている気がするのは、僕だけでしょうか。まあ海外のネットショップに注文すれば一発なんだろうけど、それじゃ送料が高いしさ。今回ゲットしたCDもユニオンとかじゃ見た事ないし、やっとネットショップで入手出来た訳です(amazonからじゃないけれど)。

さて154って誰ですか?この名義じゃ知らない人が殆どだと思うけど、Newworldaquariumなら知ってるんじゃないかな?そうオランダのデトロイトフォロワーなレーベル、Delsinからも作品を発表していたその人です。去年はRoss 154名義でもコズミックでデトロイトハウスなEPを出していました。Newworldaquarium名義では視界のぼやけたデトロイト〜ディープハウスな作品を発表していて、DelsinからPlanet-Eにもライセンスされたり、またCarl CraigがMIXCDに使ったりなかなかの好評の様です。このCDは彼の初めてのアルバムであり、僕も大層待ちわびていましたがやっと聴ける所となりました。相変わらず不鮮明で視界が悪く、その中を彷徨うかのように小刻みな4つ打ちが聞こえます。Theo Parrishもスモークがかった音を出すけれど、こっちだってそれに負けない位の物があります。そして不鮮明な世界の中、一枚の薄い膜が永遠に広がるかの様に世界を覆い、その中に小宇宙を見ているかの様です。最初にデトロイトフォロワーとは言いましたが、ここでは既にデトロイトを飛び立ち、迷宮的な音響世界にまで飛翔してしまったのでしょうか。今までの作品もダークな雰囲気の物が多かったと思いますが、今作に関しては明るさと言う事に関しては皆無だと思います。Basic Channelとか好きな人には、是非このアブストラクトでダビーなアルバムを聴いてみて欲しいですね。

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| HOUSE1 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luomo - The Present Lover (Force Tracks:FT62CD)
Luomo-The Present Lover
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昨日紹介したDATA 80と同じレーベルに所属していたForce Tracksの中心的存在だったのが、このLuomoだろう。またの活動の名をVladislav Delay、そうかつてはBasic Channel系列のChain Reactionや、Force Tracksの兄弟レーベルのMille Plateauxからアブストラクトでエクスペリメンタルな作品を出していたその人である。今までのダークで余り一般的とも言えない作風から、突如としてLuomo名義では煌びやかで艶のある耽美的ハウスを送り出した。そしてこの2NDアルバムはよりポップによりセクシーに、ほぼ全編女性ボーカルを取り入れ非の打ち所のない物となっている。USにはディープ、アフロ、ゴスペル等のハウスがあるけれど、Luomoは徹底してヨーロッパ的な音を感じさせる。とても美しく泥臭さとは無縁な音。何なんだろう、このナイーブでセンチメンタルな感傷は。男が作ったハウスと言うよりは、か弱い女性的な感じ。しかし音の広がりや奥深さには、やはり並々ならぬ物がある。何と言ってもマスタリングにはBasic ChannelのMoritz von Oswaldが参加しているのだから。この人を引っ張り出す位だから、これだけでもこのアルバムが素晴らしいと予想が付くのではないだろうか。うむ、これだけ素晴らしい作品を出していたのにForce Tracksが倒産とは、世の中儚いものだ。残念であ〜る

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| HOUSE1 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(4) | |
Various - Kompakt 100 (Kompakt:KOMPAKT CD34)
Various-Kompakt 100
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2回に渡ってKompaktのオーナー、Michael Mayerを紹介したのでKompaktの総集編とも言えるこのコンピレーションも紹介しよう。ドイツにはダブとミニマルを追求したBasic Channel、ベルリン-デトロイト交流を果たし数々のテクノアーティストを世界に送り出したTresorがあり、そして現在一番旬なのがこのKompaktであろう。Basic Channelはミニマリズム、Tresorがテクノを追求したのであればKompaktは?一概に特定するのは難しいが、Kompaktにはドイツ特有の煌びやかなセンスを感じる。このコンピレーションはKompkatの作品をKompaktのアーティストがリミックスをすると言う、一家総動員的な作品でこれこそがKompaktの集大成とも言える作品だ。The OrbやKaito、Thomas Fehlmann、Reinhard Voigtなど大物からまだまだそれ程世に広まっていないアーティストが参加をし、これが現在のテクノだと言うリミックスを披露している。ポップなボーカルものやミニマル、テックハウスやアンビエント、果てはアシッドまでを最新のモードで発信しているのだ。アーティスト毎にもちろん異なるリミックスで、それが例え硬いテクノでも陽気なポップの場合でも、そこには統一されたKompakt特有の華やかさ、煌びやかさがある。Basic ChannelやTresorが以前程精力的で無い事を考えると、今後ドイツテクノを引っ張っていくのはこのKompaktではないかと思う。

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| TECHNO1 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Yagya - Rhythm Of Snow (Force Inc. Music Works:FIM-1-057CD)
Yagya-Rhythm of Snow
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む、起きたらいきなり雪降ってるな〜とちょっと驚きました。東京に雪なんて滅多に降らないからね。雪かー…と考えていると、とっさにこのCDを取り出して聴く事に。なんてったって「雪のリズム」ですからね、こんなこんこんと雪が積もる日にはぴったりな訳です。音的にはBasic Channel+アンビエントとかGASとかに近い感じで、曇ったドローンアンビエント。視界ゼロで何も考える事もなくぼーっとしてるだけで頭の中を真っ白にしてくれる。軽くチリチリノイズなんかも入ったりして、雪が降り積もる心象が脳裏に浮かんでくる。でも基本的にずっとザーとかシャーとかそんなシンセのヴェールに覆われるばかりで、苦手な人には全く駄目かもしれない。中には心臓の鼓動のようにドクンッドクンッとビートを打つ曲もあり、良いアクセントになっている。しかしやはりノンビートで広大な世界が広がっていく曲が一番かな。年越しやお正月を家で過ごす人には、正にぴったりな音楽だと思う。

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| TECHNO1 | 14:25 | comments(3) | trackbacks(3) | |
Thomas Fehlmann - Visions Of Blah (Kompakt:KOMPAKT CD20)
Thomas Fehlmann-Visions Of Blah
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今週末UnitにThomas Fehlmannがライブの為来日をします。かなり以前から活動している人で、Palais Schaumburgとしてバンドを組んでいたり、The OrbやSun Electricに参加、そしてJuan AtkinsやBasic ChannelのMoritz Von Oswaldとも交流があり、コネクションは凄い。そんなお方が2002年にKompaktから出した作品は長年の実績を感じさせる、重厚で荘厳な魅惑の作品となった。最近のThe Orbにも似たシャッフルするリズムに、シャリシャリしたシンセが乗っかった曲。オーロラの様に透き通るようなシンセに包まれた美を極めた曲。果てはBasic Channelの様にアブストラクトでダビーな曲。The OrbやBasic Channelの良いとこ取りの様な感じだけど、これはFehlmannでしか有り得ない音と言うのを出している。長年素晴らしいアーティストと競演する事により、自身の才能も高めていった結果なんだろう。老いて尚盛んなThomas Fehlmann、これからも期待出来るアーティストです。

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| TECHNO1 | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Bodily Functions (Studio !K7:!K7097CD)
Herbert-Bodily Functions
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なかなか最近CDをじっくり聴く時間がないので、かなり聴き込んだCDを紹介。と言っても誰もが知っているHerbertです。とにかく信頼をおけるアーティストであり、テクノの中でAphex TwinやBasic Channelと並ぶ世紀の天才です。以前は無駄を削ぎ落としたミニマリズムなハウス中心だったのだけど、この作品ではジャジーな面を前面に出してきてお洒落系CDとしてもかなりヒットしたと思います。普段この手のジャンルを聴かない様な人まで引きつけていたようです、あくまでお洒落系として…。ま、それだけ素晴らしい内容なんですよ。現奥様のDani Sicilianoが全面的にボーカル参加、ナイーブな声で聴く者を魅了します。そしてPhil Parnellは小粋なピアノでジャジーな世界を演出。かと思えば正統派ハウストラックもあって、今までのファンの事も忘れてはいません。そしてどの曲にも共通するのは控えめな美しさと言う事でしょうか。POPなだけならこの作品以上にPOPな物は一杯あるけど、Herbertは丁度良い境界を知り尽くしている。甘過ぎずかといって、難解過ぎず。そして聴く者を魅了する術を知っている、正に天才です。Herbertは既成の音は使わずに音楽を作ると言う面白い理論を持っていて、その為か音には最大のこだわりを持っているのではないかと思うくらい音も繊細で素晴らしいです。まあそんな事は考えずに、夜にでもしっとりこの音楽に耳を傾けてはどうでしょうか。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Richie Hawtin - DE9:Closer to the Edit (NovaMute:NoMu090CD)
Richie Hawtin-DE9:Closer to the Edit
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前回紹介したRichie Hawtin - Decks Efx & 909(通称、黒)の裏盤、DE9:Closer to the Edit(通称、白)。白黒両方合わせて揃えるのが吉でしょう。今回のMIXCDにおいてRichieはMIXを別次元へと押し上げてしまった。100曲以上から300程のループを抜き出して、それをソフトウェアやファイナルスクラッチを使用して再構築、と言った云々は抜きにしてとにかく凄い。Richieのダークサイド全開な深淵なるディープな作品となっている。Rhythm & SoundやCarl Craig、又人気上昇中のRicardo VillalobosやAkufenその他もろもろ奇怪奇天烈な音を使い、クリックハウス系の気持ちの良いMIXだ。激しさは「黒」みたいには無いが、「白」には今まで聴いた事のない複雑なMIXを聴く事が出来る。ソフトウェアを導入したせいだろうが、かといって人間味は失われはおらず常に前進し続ける姿勢を伺う事が出来る。実際のDJでこのようなプレイを体験するのは難しいだろうが、実際のDJでもファイナルスクラッチを導入しているので制約にしばられないプレイを生で体験出来るであろう。機会があれば一度は彼のパーティーに足を運んで欲しい。

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| TECHNO1 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(3) | |