Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI (Air Texture:AIR006CD)
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI
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2011年にニューヨークにて設立されたAir Textureは、KompaktのPop AmbientシリーズやExcursions In AmbienceにInstinct Ambientといったレーベルに触発されているそうで、端的に言うとアンビエントに焦点を絞ったそのレーベル名まんまのシリーズを提供している。それぞれの作品はCD2枚組で1枚のCDを1アーティストがコンパイルを担当し、そして収録曲は未発表曲のみで構成されているという、アンビエントのシリーズ作品としては十分に期待を寄せられるだけの魅力が伝わってくる(当方はこの6弾がリリースされるまで、このシリーズの存在を知らなかったが)。そして最新作はOstgut Ton等でも活躍し近年交流を深めているSteffi & Martynが担当しているのだが、過去のシリーズが比較的ノンビート中心でアンビエントやドローンに焦点を絞っていたのに対しここではダンス・フロアを沸かすDJの性質故か、基本的にはダンス・フロア寄りでありながらアンビエントな性質もある、もっと言ってしまうと現代版「Artificial Intelligence」と呼んでも差し支えない曲が選曲されている。事実Steffiが主宰するDolly周辺はAIテクノの影響を匂わせているし、Martynの作風にしてもダブ・ステップやデトロイト・テクノからの影響を滲ませ、両者とも単純な4つ打ちからの乖離してリズムの自由さやベッドルーム内での想像力を働かせる音楽性があり、それらが端的に表現されているのが本コンピレーションだ。AIテクノの現代版という説明は決して過去を懐かしむようなものではなく最新のアーティストによる曲がある事で、例えばApollo等でも活躍するSynkroの"Observatory"は夢の中へと落ちていくようなパッドを用いたねっとりとしたダウンテンポを披露しており、穏やかな近未来感が心地好い。Ostgut Ton一派のAnswer Code Requestもここでは普段のハードな作風は封印しているが、ハートービートのようなリズムに美しく広がる残響を用いたディープなアンビエントの"Pasiris"を披露し、熱狂に入っていく前のパーティー序盤の感覚がある。元祖AIで忘れてはいけないのがKirk DegiorgioことAs Oneで、"The Ladder"は90年代前半のそのAIテクノそのものな自由なブレイク・ビーツや流麗な響きのシンセのメロディーなど、一見踊り辛いようなテクノがしかし今の多様性の中では自然と鳴っている。他にも知名度の高いテクノ系のアーティストから殆ど作品をリリースしていないマイナーなアーティストまで、それらは区別される事なく収録されており、テクノやエレクトロにブレイク・ビーツやダブ・ステップなどのジャンルも、大きな枠で捉えるとアンビエント的な感覚に包まれている。これらがしかも全て未発表曲というのだから、その質の高さも含めて驚いてしまう。



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| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - Fabric 71 (Fabric Records:fabric141)
Cassy - Fabric 71
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DJにおいては基本的に男性が幅を利かしているクラブミュージックの業界ではあるが、女性ながらもベルリンにてSteffiと並んで高い評価を得ていると思われるのがCassyだろう。Ostgut TonやCocoonと言った大御所レーベルからMIXCDをリリースしている経歴からも実力は疑うべくもないが、遂にMIXCDシリーズとしては長い伝統を持つFabricに起用された。彼女はPanorama BarのオフィシャルDJでもあるが、ネット情報によれば最近は他のクラブでのプレイが多いそうで、その影響は幾分かこのMIXCDにも投影されている。初期のMIXCDではテクノ/ハウス/ミニマルに黒いファンクネスも織り交ぜながら肩の力が抜けた緩いグルーヴ感を保っていたものの、この新作では音のジャンル的には同様な選択をしながらもより肉体感を伴う、言い換えれば力強く骨太なプレイを披露している。勿論女性らしく繊細にトラックを編み込むようにしなやかなミックスを継続させているが、前半の情熱的なディープ・ハウスにしろパーカッシヴでファンキーなハウスにしろ、以前よりも確実にグルーヴが疾走っており地味な印象はかなり後退している。そして中盤での浮遊感のあるテックハウスや野暮ったく悪びれたシカゴ・ハウスを経由し、終盤に向けて淡白なミニマルやインダストリアル風なテクノまで幅を広げ、真っ暗闇の中に存在するフロアの空気を自然に生み出しているのだ。しかし終盤にはピアノや歌が特徴となったエモーショナルな展開が待ち受けており、盛り上がった高揚感を損なう事なくクライマックスを迎える。と思っていた以上に幅の広いプレイにはなっているのだが、エモーショナルかつファンキーな世界観を壊さずに調和を成しており、派手ではなくともミックスと言う行為に対して丁寧に向き合う姿勢が感じられる。流行に頼らない普遍的な音が詰まったMIXCDだ。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Basic Soul Unit - Motional Response (Still Music:STILLMCD008)
Basic Soul Unit - Motional Response
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デビューから10年以上が経過し既にベテランの域に入っているStuart LiことBasic Soul Unitだが、過去のリリースを今一度眺めてみるとVersatileにMule ElectronicやPhilpot、MathematicsにOstgut Tonなどその他多くの多種多様なレーベルから作品をリリースしている事に気付かされた。安住の地を求める事なくリリース毎にテクノやミニマル、ディープ・ハウスにジャジーなものまで取り組み、その結果として著名なレーベルから引っ張りダコであった事が伺える。そんなBSUが遂にデビューアルバムの地として選んだのがシカゴから実にソウルフルな作品を手掛けるStill Musicなのだが、結果的にアナログをこよなく愛するレーベルとの相性は抜群であるようだ。本作ではテクノもハウスもブロークン・ビーツも同軸として並んでおり、単なる4つ打ちだけのDJツール特化型のアルバムではなく、音色や構造が豊かな音楽が敷き詰められたアルバムだ。そこに幅があるのは今までの経歴からすれば当然だが、音としてはシカゴの武骨で荒削りな面での統一感があり、そしてメロディーや雰囲気に於いては穏やかで包容力のある面が感じられる。余分な贅肉はこそげ落として全体としては音の間を生かしたすっきりした印象だが、しかし特にリズムの芯の強さはやはりシカゴのレーベルらしさが際立っている。また表立って露骨にソウルフルな - つまりはどぎつい汗だくな - 作品ではなく一貫してクールな温度感を保っているが、ハウス初期の胎動にも似た生まれたままのプリミティブな粗さ(荒さ)からは燻る情熱が滲み出ており、控え目ながらもハウスのソウルネスを表現している。派手な作風ではないのだがシカゴ・ハウスに影響を受けながら、それを知性的にモダンな音楽へと昇華させたようだ。ベテランらしく実に完成度の高いデビュー・アルバムと言えよう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ ROMAIN feat. L.I.C. Rockers - Spin:BKLN (Unity Records:SMLP-1084)
DJ ROMAIN feat. L.I.C. Rockers-Spin:BKLN
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あんまり過去のハウスに詳しくはないので分からないけど、ガラージ直系?のDJ Romainの新作+ボーナスMIXCDが付いて2200円の超お買い得盤。ガラージ直系とは宣伝されつつも、自分には何がガラージなのかよく分からないのです。オリジナルアルバムはむしろFrancois K主宰のDeep Space直系のダビーハウスがメインだと思ったのですが、違うのでしょうか?モロにBasic Channelな曲もあるし、どれも地面に吸い付く様な重い低音が出ています。真っ暗な空間に広大な広がりを感じさせる残響音処理もあり、やっぱりガラージじゃなくてDeep Spaceだと思うのですよ。あ、でも何曲かはトライバルとかラテン気味のパンピンハウスでこちらはピーク仕様って感じでしょうか。一曲だけアシッドハウスもあり、とにかくやりたいように曲作りましたって感じのアルバムだけど、捨て曲無しのハイレベルな一枚だと思いました。

で実は僕はボーナスMIXCDを試聴してこのアルバムを買ったのですよ。MIXCDの方がめちゃめちゃ良かったんですよね。しょっぱなの「Love's Message」、この曲はずっしり身の詰まった図太いグルーヴがあり、この曲のやられちゃったのですよ。WEBで調べてみると、ガラージクラシックの「Love Is The Message」をDJ Romainがエディットしたものらしい。原曲は未聴なのですが、エディットはまじで素晴らしいです。続いて2曲目の「Pass the buck」、これはガラージっぽいのか?ストリングスが華麗に響き渡り、ちょっと古臭い感じの曲。何にせよもうノリノリな展開ですよ。その後もソウルフルなハウスと、ダビーなトラック物を混ぜて適度なテンションで引っ張っていきます。そして最後はお祭りっぽく賑やかで派手なトラックで、円満の笑みを浮かべて終わります。ガラージが何なのか未だに良く分からないけど、ピースフルで愛のある音楽だと思いました。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |