Kode9 & Burial - Fabriclive 100 (Fabric:fabric200)
Kode9 & Burial - Fabriclive 100
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ロンドンのクラブ兼レコードレーベルであるFabricが2001年から長きに渡り送り出してきた4つ打ち中心のFabric、そしてブレイク・ビーツ等を中心にしたFabricliveというMIXCDシリーズも、それぞれ丁度100作目をもって完結した。20年近くにも及ぶこれらの作品はクラブ・ミュージックのこの20年の歴史を体験出来ると言っても過言ではないが、その最後の作品もリリース前から話題沸騰。というのもベース・ミュージックやダブ・ステップのパイオニアでもあるKode9、そしてそのミステリアスな存在もあって特別な存在感を放つBurialがDJを担当しているのだから、普段この方面に馴染みの無い人達にとっても興味を惹かれるのは極自然な事だ。特にBurialにとっては販売されるMIXCDとしては初の作品であり、また普段DJを披露する事も無いわけだから、その意味でも非常に特別な作品である。そしてその音楽はある意味では愉快痛快、また一方では支離滅裂で、ダブ・ステップからドラムン・ベースにグライムやジューク、テクノからアシッドにハードコアからエレクトロなどを用い、ジャンルの壁を壊しながら縦横無尽に暴れまくる展開はFabricliveというシリーズを総括しているようでもある。正直二人がどの選曲を担当しどのようにミックスしたのかという事は伝わってこないが、持続性を無視した変幻自在で激しいビートの変遷がただただ衝動的に体を突き動かし、しかし陰鬱でダークな世界観の中にはひっそりとメランコリーが紛れ込んでいる。ちらほらと微細なノイズも聞こえるのはいかにもBurialらしい演出で現実が霞んで消え行くような感覚も覚えるが、獰猛に切り込んでくるレイヴ全開な激しいビートに目を覚ませられ、猥雑とした音楽観を目の前にすれば踊らずにはいられないだろう。特に中盤のレイヴを象徴するハードコア・ジャングル・クラシックの"Drug Me"からどぎついアシッド・トランスの"Black Acid"へと繋がる快楽的なハイエナジーの瞬間は、このMIXCDの中でも最も印象に残る場面だ。半ば理性的な展開も無視した圧倒的な勢いの最後には、何も残らない焼け野原が広がっているようでもあるが、それはFabricシリーズの終焉を迎えた事を示唆する如くでもある。個人的な思いではこのMIXCDを聞いた上で彼らがDJとして来日したとしても恐らく聞きに行く事はない。というのもやはり展開が唐突過ぎてテクノやハウスの永続的に続くグルーヴを感じられないからではあるが、しかしまあ長く続いたMIXCDシリーズの最後に花火を打ち上げる的な派手な作品としては面白いと思う。



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| ETC4 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Burial - Rival Dealer (Hyperdub:HDB080)
Burial - Rival Dealer
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2012年の末に突如としてEPをリリースしたものの、その内容が旧体制のダブ・ステップは一線を画すようにクラブ・ミュージックと言う世界から逃れる事を試み、イメージを刷新する事を狙ったBurial。それから一年、2013年の末に再度狙ったようにリリースされた新作は、やはり前作と同様に大作主義かつダブ・ステップと言うジャンルを離れながら変化をしている。10分越えの"Rival Dealer"は一つの曲の中で動と静が激しく切り替わる組曲のようで、レイヴ全盛時代のジャングルの激しいビートが雄叫びを上げながら物哀しいボーカルが暗い陰鬱さを醸し出すが、曲の途中で古びたラジオから音楽が流れてくるような朽ち果てた展開を挟みつつ、終盤では突如として狂騒から目を覚まして静謐なアンビエントへと向かっていく。この何でもありの音楽性はレイヴらしい雑食性を孕んでいるはいるが、決してダブ・ステップの先を行くものではなく、何処か懐古的な印象さえ残している。その懐かしさは"Hiders"に顕著に表れており、賛美歌を思わせる神々しい歌とオルガンで幕を開けるが、途中からは4つ打ちが入り胸がときめく80年代風エレポップへと様変わりする。そして再度10分越えの"Come Down To Us"では彼にとっては意外とも言える普通のダウンテンポを披露しているが、そこには多様なノイズを埋め込みつつもストリングスやシタールで荘厳なムードを作り出し、ダブ・ステップの暗き闇から這い出るように光を求めている。ダブ・ステップの先駆者であったBurialがダブ・ステップを捨て去り向かった先は、決して新機軸の音楽ではないものの表現者としての進化を見せ付けており、予想を裏切りつつも更に期待を抱かせるには十分過ぎる音楽だ。ちなみにアナログは180グラム重量盤で存在感もばっちりなので、買うのであればアナログ盤をお勧めする。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Burial - Truant (Hyperdub:HDB069)
Burial - Truant
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ダブ・ステップがクラブミュージックのシーンでも浸透し一般的になりつつある中で、その躍進に貢献しながらも未だに来日を果たさずに謎めいた存在であり続けているBurial。その活動はこの新作でも徹底されており、突如としてリリースの発表がされるとほぼ同時にリリースもされる事で衝撃を与えた。本作は僅か2曲だけのEPとは言えども各曲とも軽く10分超えとなる大作志向で、その辺のダブ・ステップとは一線を画す悲壮感と重厚感は既に踊る為だけのクラブミュージックとは言えないまでに異形の音を示している。場末の酒場に置いてある朽ち果てたラジオから発せられるように、ヒスノイズ混じりにR&Bサンプルと共に金属的で硬質なキックが打ち付ける"Truant"は、一聴して暗闇の中の閉塞感に包まれ救いがない。しかし曲の半ばから暗闇からもがきながらも希望を手繰り寄せ、遂には闇を割って降り注ぐ光の中へと飛び込んでいく神々しい世界観が展開される。また地の底を這うキックやベースは肉体の胎動と呼応しながら刺激となり、鈍重ではありながら生命力に満ちた躍動を生み出している。そして"Rough Sleeper"も同様にノイズ混じりではあるが、ダンストラックとしての機能的な面にソウルフルでありセクシーでもあるより感情的な面も強調し、荒廃した闇の中を徘徊するダブ・ステップを披露している。両面とも破壊と再生を繰り返すように朽ち果てながらも堅固な構成で、長い時間をかけて様々なリズムの変遷を聞かせるのも特徴だ。パイオニアらしく更に頭一つ抜け出た新作で文句無しに素晴らしいし、是非とも180グラム重量盤のアナログで聴く事をお薦めする。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - Fabric 66 (Fabric Records:fabric131)
Ben Klock - Fabric 66
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Ostgut Ton、Berghein勢が気を吐いて活動するベルリンのシーンにおいて、Ben Klockもまた独自のテクノ路線を突き進む個性的なアーティスト/DJだ。Bergheinに於ける活動が認められ一躍トップクラスのDJとなった彼ではあるが、そのせいか近年はアーティストとしての活動よりもDJとしての側面が強く、新作はアーティストアルバムではなく名門MIXCDシリーズのFabricへミックスを提供する事になった。正直に言うと最近は作品も出していなかったしリリース前はそれ程期待してなかったのだが、蓋を開けてみれば凍てついた空気にベルリンの幅のあるテクスチャーを織り交ぜた展開になっていて溜飲が下がった程だ。本人が「普段のセットで盛り上がる作品にはしたくなかった」と意識したのが影響したのか、勢いのあるテクノだけではなく幅広い音を取り込みながら深みや広がりを聞かせ、例えば真っ暗闇の深海を潜っていくように未知なる旅を繰り広げるスリリングな内容となっている。重苦しい音圧や過激なグルーヴ感に頼るのではなく冷たく無機質な音のムードで荒廃したベルリンテクノのイメージを生み出し、やたらめったら体感的にハードな音ではなく精神的にストイックな音に統一されている所にテクノと言う言葉から感じられるマシンソウルが見え隠れするのだ。非4つ打ちの暗黒な音に包まれる前半、その後殺伐としたアシッドやミニマルを通過したかと思えば、荒れ狂うトライバルや硬質な音がダビーに広がるダブ・ステップもあり、後半に入ればハードで機械的な音とディープな空気が混ざりながら終盤のピークへと上り詰めていく。そして最後はピークから静寂へと一気に裏返り、何とAlva Notoの夢幻の世界に溺れるアンビエントで厳かな佇まいの中、静かに終焉を迎える。様々な要素で畳み掛けるプレイがあったからこそラストがより感動的に演出されたのだろうか、Ben KlockのDJの素晴らしさを再度認識する事が出来た素晴らしいMIXCDだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Apparat - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7270CD)
Apparat - DJ-Kicks
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設立25周年と波に乗っているStudio !K7の名物MIXCDシリーズ最新作には、エレクトロニカを経由してテクノへと踏み込んできているApparatが参戦。このシリーズはテクノと言う枠を越えて幅広くジャンルを掬い上げているのですが、本作でもテクノだけでなくエレクトロニカやアブストラクト、ダブステップまでを匠なセンスによって纏め上げておりました。トラックリストを見てもワクワクする内容で、Carl CraigやRippertonのテクノにOvalやThom Yorkeらのエレクトロニカが絡み、更にはBurialやMartin、T++らダブスッテプまで挿入されてしまう。ポップでカラフルなエレクトロニカとダークで陰鬱なダブステップの自然な陰陽の切り替わりもさる事ながら、どこをとってもどんなジャンルであろうと、最初から最後までダンスなグルーヴを保ち続けるその選曲眼は類稀なるもの。単純でミニマルな4つ打ちで押していくのではなく、多用なリズムを用いて変幻自在な世界を生み出しつつ腰に来るグルーヴを保つのだからこれは凄い。いや、凄いと言う前に本当に独創性と遊び心に溢れた面白いミックスで、こんなプレイもあるんだなと新しい息吹を感じさせてくれました。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kode9 - DJ-KiCKS (Studio !K7:!K7262CD)
Kode9 - DJ-KiCKS
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ダブステップのシーンで一躍トップに躍り出たBurialですが、そのBurialをデビューさせたのがKode9が主宰するHyperdubでありまして、つまりはKode9こそBurialの後見人と言えるでしょう。Kode9の作品自体は聴いた事が無いので何とも言えないのですが、Hyperdubのリリース暦を見る限りでは決してダブステップだけに固執している訳でもなくテクノやディープハウスからヒップホップやレゲエまでリリースしており、Kode9の音楽性も単純にダブステップだけと言うのでもなさそうです。それは彼にとって2枚目のMIXCDとなるこの!K7からの名物MIXCDシリーズ"DJ-KiCKS"を聴けば分かる通りで、ブロークンビーツで幕開けしダブステップのみならずグライム、ダンスホール、レゲエ、エレクトロなどを自由自在に渡り歩いて行く音楽性があります。緩急を付けて非常にすっきりと軽快な -しかし軽くはない- 素早く変化して行く多種多様なリズムは野性味に溢れているし、そしてなによりテクノと邂逅が進むダブステップが多い中で、Kode9はむしろルーツミュージックと共に歩みを進めているようです。MartynやScubaがテクノを取り込みシリアスで洗練を伴う路線を進むのに対し、Kode9は悪く言えばチープだけれどもダブステップの初期衝動が感じられ、ジャマイカの臭いさえも漂よわせます。美しいと言うより卑猥でファンキーな、そして非常に生臭い。

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| ETC3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales (Late Night Tales:ALNCD22)
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales
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"真夜中の物語"とタイトルからして素晴らしいシリーズ物の最新作を手掛けるのはThe Cinematic Orchestra。The Cinematic Orchestraは電子ジャズを展開する人気ユニットだそうですが、自分は彼らについてはよく知らないものの選曲が興味深い内容だったので迷わず購入。オープンニングは注目を集めるFlying Lotusのアラビナンで荘厳なトラックから始まり、序盤はアコースティックな響きが優しく広がるフォークやジャズなどで深い夜への誘いが待ち受けます。中盤ではThom YorkeのポストロックやReichの現代音楽などで意外性を打ち出しながらも、しっとりと情緒を漂わせながらBjorkのメランコリーな歌物へと繋がり妖艶なムードが広がりました。そこからはSt GermainとSongstress、Sebastian Tellierとクラシック3連発で、一転して真夜中の狂騒に導かれ興奮はピークに。そして盛り上がった余韻を残したままBurialや自身らのサウンドトラックで、静かにしかしドラマティックに狂騒の終わりを向かえ就寝につく展開は、まるで真夜中の一大絵巻みたいですね。色々なジャンルが詰まっているせいかミックスと言うよりはコンピレーションの様な印象を受けるミックスですが、対称的な夜の喧騒と静寂を含んだ選曲で見事にコンセプトを100%表現していると思いました。良い意味でBGMらしく部屋で流しておくと自然と空気に馴染み、生活の邪魔にならない優しい夜の音楽です。

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| ETC3 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Len Faki - Berghain 03 (Ostgut Tontrager:ostgutCD08)
Len Faki-Berghain 03
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現在のドイツテクノの中心の一端を担うOstgut Tontragerから、ベルリンの代表的クラブ・BerghainのオフィシャルMIXCDの第三弾がリリース。新作を手掛けるのは割とソリッドでハード目なテクノを得意とするLen Faki。ミニマル隆盛の現在においても旧ミニマルらしい作風を残してもいるし、去年体験したDJプレイでも激アッパーで勢いを感じさせてくれたので本作にも期待をしておりました。で内容はばっちし、期待を裏切らない硬派なテクノ中心。オープニングはいきなりチルアウトなんでびっくりしましたが、それ以降は硬めで暗黒系ミニマル中心。さほどハードではないけれどメタリックで黒光りする音の響きが深い世界を展開し、中盤で自身やRadio SlaveのトラックでBasic Channelばりのダビーなミニマルに移行、かと思えばそこからはディープハウスやLaurent Garnierのクラシックでぐぐっとエモーショナルに染まるなど、意外にもバラエティーに富んだ展開。相反する金属的な冷たさと人間的な温かさが並んではいるものの、抑揚のある展開や奥行きを感じさせる音響があって飽きないミックスだと思います。ようやくテクノの中心地ドイツからミニマルブーム以降の音が、徐々に増えてきたので個人的には嬉しい限り。

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| TECHNO7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thom Yorke - The Eraser RMXS (Beggars Japan:WPCB-10088)
Thom Yorke-The Eraser RMXS
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発売延期どころか発売中止になりかけていたThom Yorkeのソロアルバム"The Eraser"のリミックスアルバムが、ようやく日本だけで初回限定生産でリリースされました。プレスは海外なのに日本だけで発売って、一体どう言う事なんでしょう?後から結局海外でもリリースされたりするんじゃないかと思いますが。さてリミキサーにはクラブミュージック方面の人達が選ばれておりまして、これがなかなか通好みな面子。インドストリアルハードテクノのSurgeon、Kompaktからのテックハウサー・The Field、ノーフューチャー頭領のCristian Vogel、ダンスミュージックの新たな波からダブステップのBurialとVarious、そしてフォークトロニカのFour Tetなど自分の知っているアーティストが多く、リリース前から楽しみにしていました。詳しくはライナーに更にアーティスト毎の詳細が載っているので、そちらを読んで欲しいと思います。曲に関してはオリジナルは未聴なので比較は出来ませんが、リミックス自体はだいたい想像通りで楽しめる内容でした。ブレイクビーツ調の廃退的なハードテクノを聴かせるSurgeon、ミニマルでトランシーな牧歌的テックハウスを聴かせるThe Fieldらは妥当な出来。The Bugって言うアーティストは全然知らない人なんだけど、破壊的でトリッピーなダブを披露していてこれが予想外にカッコイイな。Four Tetはセンチメンタルをメロディーを生かして、ポストロックとエレクトロニカの中間を行くような湿っぽい音がはまってます。BurialとVariousはまんまダブステップ、横揺れ系の硬めのリズムが特徴。クリボーだけは2曲リミックスを提供していて、変態系テクノサウンドを披露。しかし今回のこんな人選を見ていると、Thom Yorkeの興味は電子音楽に向かっているんでしょうかね?

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Burial - Untrue (Hyperdub:HDBCD002)
Burial-Untrue
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2006年にダブステップなる音楽で一躍注目を集めたBurialの2NDアルバム。未だにダブステップをどんな音楽かと説明するのは分からないのですが、ドラムンベース、ダブ、ヒップホップ、レゲエ等をごちゃ混ぜにしたと言えば良いでしょうかね。しかしBurialの1ST(過去レビュー)は、未知との遭遇的な衝撃を与えてくれたのは確かです。でこの2NDですが軽く1STアルバムを超えてきましたねー、失速するどころかよりパワーアップして強靭になってます。まず特筆すべきはリズムがかなりフロアを意識した音になっていて、カッチコチのキックが鋭角的に切り込んで来るのです。テクノ耳を持っている自分には、これ位タイトなリズムの方が格好良く聴こえるんですね。またどこか陰鬱な雰囲気に包まれた1STに比べると本作の方が幾分かダークなイメージから開放されて、よりメランコリックで哀愁が染み出してくる味わい深さを伴っていますよね。1STの重苦しい空気はそれはそれで良かったのですが、2NDの方が一般的には聴き易い音になっていてお勧めしやすいですね。でも決して安い音楽ではないですよ。何てったって1STから更に熟成したソウルが怪しく、そして力強く黒光りしているんですから。

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| ETC2 | 20:45 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Burial - Burial (Hyperdub:HDBCD001)
Burial-Burial
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最近ですねー、ダブステップなる音楽が流行っているらしいんですよ。一体どんな音楽なんだろうと調べてみたのですが、いまいちわかりません。グライムやUKガラージ、2ステップが更に進化したもの?なのでしょうか。でもその前にグライムとか2ステップとかも、全く訳が分かりません。しょうがないので某雑誌で超推薦盤のBurialなるアーティストのアルバムを買ってみました。まずレーベル名からして、かなりキテます。

その名も「Hyperdub」。ハイパーダブ??!!

一体どんなダブやねんって感じですが、実際聴いてみるとまああながち嘘でもないかなと。全盛期のMassive Attackにも負けないメランコリーと、ズブズブの黒いグルーヴ。楽天的なムードは皆無で、重く暗く完全に閉塞された世界観。レゲエ、ダブ、ドラムンベースなどがドロッと混じり合った泥臭い音で、密閉された空間にスモーキーな空気が満ちてきます。開放感なんて物は全くないけれど、でもどこか人間の温かさに触れる事の出来るソウルフルな感触もあります。決して悲観はせずに、希望を見出すような、先の信じる事の出来るエネルギーが詰まっています。スローで黒光りする音の泥に包まれて、奇妙な恍惚感に出会いました。これがダブステップなのね…結局、言葉じゃ説明し辛いですね。

Basic ChannelことRhythm & Soundとは無関係ですが、音的には近いのでRhythm & Sound好きな人も要チェック!

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Alex Smoke - Sci.Fi.Hi.Fi 03 (Soma Quality Recordings:SOMACD52)
Alex Smoke-Sci.Fi.Hi.Fi 03
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流行とは良くも悪くも恐ろしいもので、今までシーンを引率してきたレーベルの方向性さえも変える力があるのだろうか。SlamやFunk D'Voidを輩出してきた生粋のテクノレーベル・Soma Recordsも、今ではミニマルハウス本格的に身を乗り出しているようで、その方面の注目株がAlex Smokeです。既にオリジナルアルバムを2枚ほど出していて、旬のBorder Communityを意識した妖しい艶のあるサイケデリックサウンドを聴かせてくれているのですが、この初のMIXCDではドゥープでミニマルな陰鬱サウンドがたっぷり聴けます。正直な所この手の音に溢れたご時世オリジナリティーをアピールするのは難しいと思うのですが、ミニマルハウスのMIXCDではかなりの力作だと断言します。Basic Channel系のダビーでスモーキーな前半、音数を絞りファンキーでミニマルなリズムで引っ張る中盤、そして覚醒感のあるメロディーが顔を出す後半と、徐々に変化はしつつも冷え切った暗い世界観を終始保っています。徹底的にテンポやテンションを保っているのに、徐々に感覚が麻痺していく様な中毒性がありヘロヘロになってしまいそう。光明も差さない闇の中でも、人間って気持ち良くなれるんですね。Alex Smokeには今後も注目です!

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah Remixes (Burial Mix:BMXD-1)
Rhythm & Sound-See Mi Yah Remixes
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アブストラクトミニマルテクノの大元帥、元Basic Channelの二人が現在はダブ・レゲエユニットのRhythm & Soundとして活動しておりますが、そんな現在の状況に僕は余り興味を覚えません。だがだがだが、ここにきてやっとこさ久しぶりにテクノへのアプローチを見せてくれました。なんと昨年の「See Mi Yah」(過去レビュー)を、驚愕の11アーティストがリミックスしました。参加アーティストは、Basic Channel一派のSubstance、Vladislav Delay、Vainqueur、Hallucinator、Tikiman、ハウスの賢人・Francois K、デトロイトテクノのパイオニア・Carl Craig、クリック方面からはSound Stream(Soundhack)、Ricardo Villalobos、またミニマルの新星・Sleeparchive、そして何とBasic Channel名義で本人らも参加と言うやばすぎる面子。 これは聞かなくても分かる、素晴らしいに違いないと。

取り分け素晴らしかったのは、やっぱりCarl Craig。近年の作風であるエレクトロニックで覚醒感漂うプログレッシブな出来で、シンセの金属的な響きが最高です。こんなリミックスが出来るなら、とっとと自分の名義でアルバム出せよなー(笑)。Vainqueurも良かったね。Basic Channelを継ぐ者としてのリミックスと言うべきか、視界0メートルのぼやけた残響の中で淡々とリズムが鳴り続けます。Villalobosは相変わらずのネチャネチャとした粘度の高い音で、スカスカな構成がからっと乾燥した空気を作り出します。Francois Kは何故か一人暴走し、ラガジャングルを展開。これはちょっと方向性を間違えたか…(悪くはないけどさ)。でも何と言ってもBasic Channelのリミックスが聞けたのが、一番嬉しいです、感涙です。Rhythm & Soundをハウス化したいわゆるダブハウスなんだけど、音の鳴り方がやっぱり別格だなぁと。またいつかBasic Channel名義での活動を再開してくれないのかな〜・・・。なんて思いつつも、アーティストそれぞれが独自のリミックスを提供しています。この夏、このアルバムを聞いて暑さをしのぐべし!!

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah (Burial Mix:BMD-4)
Rhythm & Sound-See Mi Yah
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アブストラクトなミニマルテクノの極北・Basic Channel、そしてMaurizio。Mark ErnestusとMoritz von Oswaldから成るこのミステリアスなユニットは、ここ数年はダブ・レゲエに傾倒しています。正直な所、テクノを離れてしまった彼らには余り興味も示さないのですが、惰性で彼らの作品は購入し続けています。Rhythm & Sound名義での4枚目のアルバムとなる「See Mi Yah」ですが、実はワンウェイアルバムでありまして、全曲トラックは同じ物。曲毎に異なるMCをフューチャーして変化を付けて、アルバム一枚で壮大な流れを楽しむと言った感じなのでしょうか。一応曲毎にイコライジングやエフェクトでアレンジを微妙に変えているみたいですが、私にはほぼボーカル以外は同じに聞こえてしまいます。う〜ん…レゲエとかってこんなのが当たり前なの?こんな作品が毎回リリースされるなら、今後Basic Channelには興味はもう示さないかも。テクノ好きな私には、素直に昔のBasic Channelの方が格好良かったかな。敢えて良い所を探すなら、相変わらず音の深さは仙人級の凄さ。幻惑的なリヴァーブ使いやアナログ楽器からの柔らかな音は、やはり彼らがアブストラクトなシーンでは崇拝されるその理由でしょう。レゲエとかってそんな好きじゃないけれど、こんな糞暑い日にはこんなズブズブした音が合うかな。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |