Good Mellows For Afterglow Meditation (Suburbia Records:SUCD1008)
Good Mellows For Afterglow Meditation
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遂にシリーズ通算10枚目に到達。渋谷カフェブームの発端であるCafe Apres-midiを運営する橋本徹によるその名も『Good Mellow』シリーズは、メロウをコンセプトにレコードのみの音源や貴重な楽曲も用いて、その作品毎に各時間帯や風景を喚起させる。例えばそれは週末の海辺だったり夜明けや夕暮れの時間帯、または星降る夜空だったりとシーンは変わりながらも、そこにぴったりのメロウネスを投影する手法によりどの盤を聞いても心が落ち着きドラマティックな時間を過ごす事が出来る。そんな新作のコンセプトは「余韻と瞑想」と謳われており、一見言葉だけでは掴めない所もあるものの、実際に聞いてみると瞑想という言葉から今までの屋外の開放的な雰囲気に対してやや内面と向き合うような神妙な感覚があり、その解釈が間違っていないのであれば成る程である。勿論今までのシリーズと同様にジャンルの枠で限定する事はなく、メロウという音楽に対して多面的な視野を以て選曲は成されており、幕開けはLord Echoがプロデュースするジャズ・トリオによる"Montreux Sunrise"で開始。シンプルな構成を活かしてピアノの美しい響きを聞かせるジャズ・トラックから、そこに繋がるのは一転して80年代のエクスペリメンタル系のTranceによる"Ambiente"だが、決して難解でもなく実験的な面もありながらサイケデリックなシタールと浮遊感のある電子音により瞑想へと導かれる。更にシリーズでもお馴染みのバレアリックを先導するInternational FeelのボスであるMark Barrottによる"Winter Sunset Sky"、遠くへと広がっていく郷愁のギターが心地良いナチュラルなバレアリック感が堪らない。中盤に差し掛かる頃にはまたもやInternational FeelからCFCFによるフォーキーなアコギとオルガンにより牧歌的な雰囲気が広がる"Chasing (Apiento Edit)、もう甘美な響きによって自身の世界へと没頭してしまうだろう。そして橋本氏が強く推しているGigi Masin、ここではリミックスとして"Bella Ciao (Gigi Masin & Leo Mas & Fabrice Laguna Mix)"が用いられているが、原曲のアフロな土着感に洗練されたピアノや透明感のある電子音によってアンビエント性が加わり、芯はありながらも落ち着いたバレアリック感を演出。そして前述したように決してジャンルを限定するわけでなく、全体の雰囲気を壊さぬように大らかな包容力を持ったビートダウン系の"Steppin Out (Mark E Merc Dub)"、やや古き良きメロウなシカゴ・ハウスらしさを含む切なさが滲む"Afterglo"と、後半にはダンス・トラックで内向的ながらも肉体が震える瞬間も迎える。そして最後はUyama Hirotoによるピアノやサックスが感傷的に心に染みるダウンテンポ/ジャズな"Magicnumber (Saxmental Version)"、ぐっと雰囲気を落ち着かせて夜の帳を下ろすようなドラマティックな流れに強い余韻を感じずにはいられない。元々シリーズ自体が感傷的で切ないものではあるが、本作はより落ち着きがあり自己と向き合う瞑想の80分を体験する事が出来るだろうが、それは一貫してメロウである事は言うまでもない。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
CFCF - On Vacation (International Feel Recordings:IFEEL051)
CFCF - On Vacation
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International Feelが新たに立ち上げたミニアルバム・シリーズの第二弾は、カナダはモントリオールのアーティストであるMichael SilverことCFCFによるものだ。ここ数年で1080pやPaper Bag Recordsなど複数のレーベルから作品をリリースしているが、テクノやハウスだけでなくニューエイジや現代音楽にバレアリックまで作風は多岐に渡り、なかなかアーティスト性は掴めないものの和みのある音楽性は特徴だろうか。ここでは現在のバレアリック・ミュージックを引率するInternational Feelからのリリースという事もあり、当然バレアリックな内容ではあるものの生演奏をふんだんに盛り込んだ制作のおかげか、その開放感もより広がりを増して屋外向けのリスニング系としてはまるだろう。シロフォンらしき柔らかい音色が弾け、笛やシンセも混じって色彩豊かに踊り出す"Sate Padang"は、太陽の光を浴びる中でビーチを散歩するようなトロピカル感のあるダウンテンポだ。続く"Arto"ではアコーディオンやアコギを用いた切ないイントロから、乾いたパーカッションも入って哀愁がたっぷりと溢れる夕暮れ時の時間へと移行するような展開で、ほっと安息の時間が訪れる。短いインタールードとして挿入された"In The Courtyard"はノンビートのぼんやりと瞑想するアンビエントだが、そこからファンキーなベースやギターが広がり爽快な青空を喚起させる"Pleasure Centre"はソフト・ロックかファンクのようなうねる躍動が感じられる。裏面でも穏やかな情景は変わらず、爽やかな響きのコンガとアコギに合わせてドリーミーなシンセで白昼夢に誘われる"Fleurs Laisses Dans Un Taxi"、空気に溶けて消えるようにシンセの淡い色彩が揺らぐ有機的なアンビエントの"Lighthouse On Chatham Sound"など、全く汚れのない爽やかさと胸を締め付けるメランコリーの邂逅が成功している。『On Vacation』というタイトル通りで忙しない日常から解放され、リゾート地でのんびりとした時間を優雅に過ごす為のバレアリック・ミュージックであり、疲れた毎日さえも癒してくれるBGMになるだろう。



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| ETC4 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |