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CFCF - Liquid Colours (Plancha:ARTPL-110)
CFCF - Liquid Colours
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2019年7月にリリースされた本作は紹介が遅れてしまったものの、その年のベストの一枚に挙げられてもおかしくはない名作だ。ジャンル的に言えばニューエイジ、つまり再評価著しい音楽であり流行の一つとしても注目されるのも当然だが、そこに留まらずにジャングルやドラムンベースも咀嚼する事でかつてのノスタルジーを獲得している。アルバムを制作したのはカナダはモントリオールのMichael SilverことCFCFで、Visible Cloaksの作品でも話題となったRvng Intl.やニューエイジ含め幅広い音楽性を持つ1080pからのリリースがあり、そして2016年にはかのInternational Feelから『On Vacation』(過去レビュー)をリリースし、長閑な田舎風景が広がるようなバレアリックなアルバムによって注目を集める事となった。テクノやハウスにアンビエントやニューエイジと手掛ける音楽の幅は広いのと同時に、予てからCFCFの音楽には大衆性というかポップな感覚は備わっていたが、本作について本人曰く「企業化されたポップなジャングルに興味を持っている」とも述べており、今までの作品と比べても随分と商業的な雰囲気が強くなっている。マリンバ風の打楽器が柔らかく広がり微睡んだアンビエンスを展開しつつ、巻き込んでいくようなしなやかなジャングルのリズムが疾走する"Re-Utopia"で始まり、同じ高速かつしなやかなリズム感に牧歌的なシンセが彩っていく"Green District"、そしてリズムは鋭角的になりつつも透明度の高いシンセが湧き水のように溢れ出す"Retail Commune"と、序盤からミックスCDのようにシームレスな構成を活かして綺麗な清流が勢いよく下流へと流れていくような疾走感とカラフルながらも高い透明度は随分とポップだ。終盤はサウダージ的な味わいのあるアコギを活かした南国風ドラムンな"Oxygen Lounge"、エレガントに舞うようなシンセと高速ブレイクビーツを用いたアートコア系の"Blobject of Desire"、そしてアコギの透明感溢れ穏やかな響きに癒やされる"Subdivisions"など、少しずつ終わりに向かってドラマティックに盛り上がっていく構成だ。便宜上15曲に分かれているが40分一曲と捉えられるポップなトーンの統一感、そして軽快なリズム感を保ちつつ山あり谷ありで駆け抜けるスピード感、一般的に想像するニューエイジからは掛け離れておりそこにスピリチュアル性は皆無だ。何でもプレスリリースによれば「超商業的。無印良品で鳴っているようなBGM」との事で、前述の自然志向な『On Vacation』とは真逆の人工的でキッチュな世界観は都会的に洗練されており、ダンスフロアに接近した興奮はありながらも汗臭さや熱狂とは無縁の快適なダンス・ミュージックだ。勿論リスニングとして日常の生活の中でBGMとして鳴っていても違和感はなく、疲れの溜まった心を洗うニューエイジ・ジャングルとして作用する。



Check CFCF
| TECHNO15 | 12:00 | comments(0) | - | |
Unknown Mobile - Daucile Moon (Pacific Rhythm:PR008)
Unknown Mobile - Daucile Moon
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2019年もアンビエントやバレアリックの名作に恵まれた一年ではあったが、そんな中でも新世代として頭角を現し一際輝いていた作品が、カナダはモントリオールのミュージシャンであるLevi BruceことUnknown Mobileの2ndアルバムである本作。2015年頃からYoung AdultsやASL Singles Clubといったレーベルから、フィールド・レコーディングに電子とアコースティックを同居させた長閑な田園風景が浮かび上がるチルアウト的なアンビエント作をリリースしていたが、本作ではより平穏な世界観を目指すべく同じジャンルでは人気を博すCFCFによるギターも導入し、より一層チルアウトとしての癒やしの効果が高まっている。なんでも4年前に足の指を骨折して療養中にサーバに残っていたMIDIサンプルを収集し、それらをコンピュータに取り組んで制作していったアナログとハイブリッドの作品との事で、それもあってか何だか懐かしく素朴な響きもアンビエント性との親和性が良いのだろうか。柔らかく深い残響の太鼓が古代の秘境めいた森林を換気させる"Medicine Man"、笛らしき音色などの有機的な響きもあって生命の営みを感じさせるトライバルなアンビエントで始まり、蠢くような不気味なシンセのシーケンスに光沢感のある上モノを被せて神妙な瞑想へと誘う"Ravers Sojourn"とここら辺から既に深遠なチルアウト感覚は漂っているが、やはり本作のキモは"A Windles March Ouest"のような曲だろう。プリミティブなシンセの反復に合わせて生っぽいベースがじっくりと展開しつつ、そこにCFCFによる線が細くも叙情的なギターや鳥の囀り等が入ってくるスピリチュアルな世界観は、モダンなニューエイジとして鮮烈だ。"Simone Can't Swim"のようにベルが鳴りつつ細かな電子的な効果音を盛り込み、そして終始どんよりとした不鮮明なアンビエンスに覆われる曲も、内なる心を見つめさせる瞑想効果が高く鎮静作用がある。しかしやはりアルバムでは"Oenology"や"Copper Bird Bath'"などCFCFの爽快感と切なさを誘う繊細なギターを起用した曲が特に印象的で、波や鳥の囀りの音などのフィールド・レコーディングやぼんやりとして温かみのあるシンセのパッドの伸びも用いて、例えば黄昏時のオレンジ色に染まったビーチを眺めるようなサウンド・スケープが切なく迫りくる。アンビエントやニューエイジにバレアリックといった要素が一つなり、体の隅々まで清純な水が染み渡るような癒やしの音楽は、この上なく叙情的で忙しない現在の生活から心を解放する。2019年のベスト作品に挙げたくもあった素晴らしいアルバムだ。



Check Unknown Mobile
| TECHNO14 | 16:00 | comments(0) | - | |
Good Mellows For Afterglow Meditation (Suburbia Records:SUCD1008)
Good Mellows For Afterglow Meditation
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遂にシリーズ通算10枚目に到達。渋谷カフェブームの発端であるCafe Apres-midiを運営する橋本徹によるその名も『Good Mellow』シリーズは、メロウをコンセプトにレコードのみの音源や貴重な楽曲も用いて、その作品毎に各時間帯や風景を喚起させる。例えばそれは週末の海辺だったり夜明けや夕暮れの時間帯、または星降る夜空だったりとシーンは変わりながらも、そこにぴったりのメロウネスを投影する手法によりどの盤を聞いても心が落ち着きドラマティックな時間を過ごす事が出来る。そんな新作のコンセプトは「余韻と瞑想」と謳われており、一見言葉だけでは掴めない所もあるものの、実際に聞いてみると瞑想という言葉から今までの屋外の開放的な雰囲気に対してやや内面と向き合うような神妙な感覚があり、その解釈が間違っていないのであれば成る程である。勿論今までのシリーズと同様にジャンルの枠で限定する事はなく、メロウという音楽に対して多面的な視野を以て選曲は成されており、幕開けはLord Echoがプロデュースするジャズ・トリオによる"Montreux Sunrise"で開始。シンプルな構成を活かしてピアノの美しい響きを聞かせるジャズ・トラックから、そこに繋がるのは一転して80年代のエクスペリメンタル系のTranceによる"Ambiente"だが、決して難解でもなく実験的な面もありながらサイケデリックなシタールと浮遊感のある電子音により瞑想へと導かれる。更にシリーズでもお馴染みのバレアリックを先導するInternational FeelのボスであるMark Barrottによる"Winter Sunset Sky"、遠くへと広がっていく郷愁のギターが心地良いナチュラルなバレアリック感が堪らない。中盤に差し掛かる頃にはまたもやInternational FeelからCFCFによるフォーキーなアコギとオルガンにより牧歌的な雰囲気が広がる"Chasing (Apiento Edit)、もう甘美な響きによって自身の世界へと没頭してしまうだろう。そして橋本氏が強く推しているGigi Masin、ここではリミックスとして"Bella Ciao (Gigi Masin & Leo Mas & Fabrice Laguna Mix)"が用いられているが、原曲のアフロな土着感に洗練されたピアノや透明感のある電子音によってアンビエント性が加わり、芯はありながらも落ち着いたバレアリック感を演出。そして前述したように決してジャンルを限定するわけでなく、全体の雰囲気を壊さぬように大らかな包容力を持ったビートダウン系の"Steppin Out (Mark E Merc Dub)"、やや古き良きメロウなシカゴ・ハウスらしさを含む切なさが滲む"Afterglo"と、後半にはダンス・トラックで内向的ながらも肉体が震える瞬間も迎える。そして最後はUyama Hirotoによるピアノやサックスが感傷的に心に染みるダウンテンポ/ジャズな"Magicnumber (Saxmental Version)"、ぐっと雰囲気を落ち着かせて夜の帳を下ろすようなドラマティックな流れに強い余韻を感じずにはいられない。元々シリーズ自体が感傷的で切ないものではあるが、本作はより落ち着きがあり自己と向き合う瞑想の80分を体験する事が出来るだろうが、それは一貫してメロウである事は言うまでもない。



Tracklistは続きで。
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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
CFCF - On Vacation (International Feel Recordings:IFEEL051)
CFCF - On Vacation
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International Feelが新たに立ち上げたミニアルバム・シリーズの第二弾は、カナダはモントリオールのアーティストであるMichael SilverことCFCFによるものだ。ここ数年で1080pやPaper Bag Recordsなど複数のレーベルから作品をリリースしているが、テクノやハウスだけでなくニューエイジや現代音楽にバレアリックまで作風は多岐に渡り、なかなかアーティスト性は掴めないものの和みのある音楽性は特徴だろうか。ここでは現在のバレアリック・ミュージックを引率するInternational Feelからのリリースという事もあり、当然バレアリックな内容ではあるものの生演奏をふんだんに盛り込んだ制作のおかげか、その開放感もより広がりを増して屋外向けのリスニング系としてはまるだろう。シロフォンらしき柔らかい音色が弾け、笛やシンセも混じって色彩豊かに踊り出す"Sate Padang"は、太陽の光を浴びる中でビーチを散歩するようなトロピカル感のあるダウンテンポだ。続く"Arto"ではアコーディオンやアコギを用いた切ないイントロから、乾いたパーカッションも入って哀愁がたっぷりと溢れる夕暮れ時の時間へと移行するような展開で、ほっと安息の時間が訪れる。短いインタールードとして挿入された"In The Courtyard"はノンビートのぼんやりと瞑想するアンビエントだが、そこからファンキーなベースやギターが広がり爽快な青空を喚起させる"Pleasure Centre"はソフト・ロックかファンクのようなうねる躍動が感じられる。裏面でも穏やかな情景は変わらず、爽やかな響きのコンガとアコギに合わせてドリーミーなシンセで白昼夢に誘われる"Fleurs Laisses Dans Un Taxi"、空気に溶けて消えるようにシンセの淡い色彩が揺らぐ有機的なアンビエントの"Lighthouse On Chatham Sound"など、全く汚れのない爽やかさと胸を締め付けるメランコリーの邂逅が成功している。『On Vacation』というタイトル通りで忙しない日常から解放され、リゾート地でのんびりとした時間を優雅に過ごす為のバレアリック・ミュージックであり、疲れた毎日さえも癒してくれるBGMになるだろう。



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| ETC4 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |