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Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1 (Planet E:PEDL001CD)
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1
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「デトロイト・ラブ」、何とも直球ストレートなタイトルのMIXCDシリーズが立ち上げられたのだが、そのプロジェクト元はデトロイト重鎮のCarl Craigだ。2014年頃からデトロイト・テクノ/ハウスのシーンの後押しをする目的で同名パーティーを世界各地で行っているが、その雰囲気を家でも体験出来るようにとMIXCDとしても企画されている。その第一弾を担当しているのは当然デトロイトのDJでありまたベテランの一人でもあるStacey Pullenで、現在は制作活動は見受けられないものの数年に一度はMIXCDをリリースしてはいるので、DJとしての手腕が買われているのだろうか。過去に手掛けたMIXCDではアフロ・パーカッシヴなファンキーなテクノやハウスから、ヨーロッパ系の流麗なテック・ハウス系、派手なプログレッシヴ・ハウス調までその時々で色々な音楽性を披露しているが、今回はUSの作品を軸とした作品になっている。開始こそUS勢ではないSoulphictionの"Ann Arbor"だがアフロなパーカッションが土着的なドス黒いハウスで重厚感があり、そこからはデトロイト勢の曲が続く。どっしり重さを保ってサイケデリックな"The Fader"、ミニマルなスタイルで洗練された"They're Coming"、そして序盤のピークはざらついた質感がファンキーな名曲のハウスの"Raw Cuts (Marcellus Pittman Remix)"でやってきて、低空飛行ながらもじわじわくるスムースなハウスの流れが序盤を作っている。中盤からはやや上げてきてベテラン勢の一人Gary Martinによる"Galaxy Style"の爽快なパーカッションがなるファンキーなハウスから、ギャラクティックな上モノと荒々しいリズムに躍動する"Horney Chords"、ダークな雰囲気からデトロイトらしいエモーショナルな旋律が浮かび上がってくるテクノの"Delray"、ディープな雰囲気を作る太いベースラインが脈動する"Wired Everything"など、デトロイトというコンセプトはありながらも一般的なデトロイト・テクノ/ハウスというイメージよりは更に拡張性が感じられるだろう。終盤はテンションを落としてきて空間の広がりと浮遊感が存在するスペーシーな"Purple Pulse"から女性のシャウトが印象的なトライバル系の"Low Down"、最後はデトロイトの叙情性が発揮されたアンビエント系の"Detroit State of Mind"で気分を落ち着かせながら幕を下ろす。所謂昔の安っぽさや素朴さの中にファンクネスやスペーシーな感覚が込められたデトロイト・テクノというタイプの選曲ではないが、これが現在のデトロイトのシーンの一部である事を提示するような音楽性で、その意味では懐古的ではなく未来の視点を向いたMIXCDだ。テクノとハウスを横断し大人びてスムースな流れのプレイはベテラン的だが、欲を言えばもっと野性的で荒々しいファンキーなプレイも聞いてみたいとも思うが、このシリーズには今後も期待したい。



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| TECHNO14 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Versus Remixes (Infine:IF2070)
Carl Craig - Versus Remixes
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デトロイト・テクノにおいて最も作曲家/リミキサーとして活躍しているCarl Craigが、2017年に自身の名曲群をオーケストラ化したプロジェクトが『Versus』で、過去には著名なアーティストが同様のリメイクに挑戦しながらも確かな成果を得る事も出来ず失敗する事も少なくない作業において、しかしC2はFrancesco TristanoやMoritz Von Oswaldら強力なサポーターを起用する事でテクノとクラシックの融合を成し遂げた。そしてその続編として、一度テクノをオーケストラ可した作品を更にリミックスするという面白い企画となるのが本作で、Henrik SchwarzやTom Tragoら人気アーティストやレフトフィールドな変異体テクノのBenedikt Freyにミニマルかつデトロイトの叙情性も持つAntigoneの4アーティストに、クラシック化されたC2の名曲を更にリミックスさせている。その結果は当たり前と言えば当たり前なのだが、どれもフロア対応型のテクノ/ハウスになっており、勿論クラシックの芳香も残してモダンなダンス・ミュージックへと生まれ変わっている。スムースなビート感を刻みつつ美しく闇夜に光るようなストリングスやホーンを残した"The Melody (Henrik Schwarz Versus Remix)"は正にSchwarzらしい幽玄なディープ・ハウスで、元々音楽的な素養があるからこそクラシックとの親和性も見事でハウス化しながらも繊細な各楽器のメロディーが荘厳さを奏でている。"Domina (Benedikt Frey The Game Versus Remix)"はビートが無く荘厳さを際立てたクラシック・バージョンに比べると、エレクトロ的な射し込んでくる鋭利なビートが刺激的でビリビリと振動するような電子音も加わって、深い闇からエネルギーが溢れ出すような野心的なりミックスだ。そして静謐で重厚感溢れるバージョンだった"At Les"、広がりのあるホーンや幻想的なストリングスのオーケストラの部分は残しながらもミニマル・テクノ寄りにスムースな4つ打ちと電子音の反復を加えた"AtLes (Antigone Versus Remix)"においてはかなりダンス・フロアでの機能性を強めて、寧ろC2のVersusバージョンよりもテクノとクラシックの融解をより実践しているように感じられる。そして普段はディスコ等のサンプルを用いてファンキーな音楽性を披露するTom Trago、しかし"The Melody (Tom Trago Versus Remix)"は音を削ぎ落としながら間を作る事で派手な音は無くともファンキーな質感を打ち出したテクノになっており、Schwarzに比べるとやや地味なリミックスには思われるがうねるベースラインや硬いリズムで引っ張っていくグルーヴ性がある。テクノからクラシックへ、そして再度ダンス・フロアへと生まれ変わっていくこのプロジェクトは、しかしそれが単なる話題先行にはならずに4アーティストがクラシックの要素を活かしながら踊れるトラックへと作り変えており、面白さと質が伴ったリミックス集になっている。



Check Carl Craig
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Klauss & Craig - Momentum (Planet E:ple 653916)
Klauss & Craig - Momentum
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いまいち勢いに欠けるデトロイト・テクノのベテラン勢の中でも、時代に関係なくコンスタンスに作品を制作するCarl CraigはやはりDJではなくアーティストとして正当に評価出来る存在であり、ここに届けられた新作はアルゼンチンの電子音楽グループであるKlaussとのセッション作という事もあって興味深い。特にここ数年リバイバルしているモジュラーシンセにはCraigも興味を示しているようで、そんな電子楽器を用いつつKlaussとの突発的なセッションをする事で、よりイレギュラー的な創造性が活かされるのはとも考えられる。しかし実際に生まれた音を聞いてみるとそういった意外性よりはある意味ではテクノの模範的な反復を軸にした作風になっており、"Momentum"では特に毒々しく重苦しいモジュラーシンセのベースラインのループを軸にしつつ、そこに確かにセッション的ではあるラフな電子音の響きを自由に編み込みながらあてもなく彷徨うように被せており、サイケデリックかつディープな世界観はデトロイト・テクノというよりは完全にCraigのトラックとして成り立っているのは間違いない。裏面の"Repeat After Me"はつんのめったように引っかかりのあるリズムに対し、幻惑的な電子音のレイヤーが覆い被さってきてサイバーな世界観へと突入し、途中から更にどぎつい電子音がうねり無形に変化するなど独創的な動きを見せたりと面白い展開もあるが、またそこからモジュラーシンセの単調なループへ戻って軽く電子音するだけの流れは期待以上の物ではないだろう。どちらも10分越えの長尺セッションではあるものの、その長さを活かすように独創的な展開が作れている訳でもなく、幸か不幸かテクノのループを軸にした展開にセッション風な電子のラフスケッチを加えたようではあるので、確かにDJツールとして用いる事に違和感もないだろう。ただ敢えてモジュラーシンセを使った事、またセッションをした事というその両者の面白みが活かされているかと言うとそうでもなく、良くも悪くも非常にCraigらしい近未来的というかSF的な世界観もあるテクノの枠に落ち着いている。



Check Carl Craig
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jon Dixon - Erudition: A Tribute to Marcus Belgrave (Planet E:PLE65392-6)
Jon Dixon - Erudition : A Tribute to Marcus Belgrave
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デトロイトのUnderground Resistanceのプロジェクトの一つであるジャズハウス・ユニットのTimeline、その現在のメンバーでもあるJon DixonはURの次世代アーティストの一人だ。テクノの聖地的な存在であるデトロイトに於いてはなかなか世代交代が上手くいっているとは言い難い状況ではあるが、Dixonは電子音楽をジャズやヒップホップ等他の要素を融合させるべく4evr 4wrdなるレーベルも立ち上げて、未来への視点を持って音楽活動を行う期待すべき存在だ。新作は同郷のCarl Craigが運営するPlanet Eからのリリースと言う事だけでも十分な話題性があるが、デトロイトのジャズ・トランペット奏者であるMarcus Belgraveへと捧げられた作品という観点からも、デトロイト・テクノとジャズの結び付きを体験出来る音楽として興味深い。Belgraveについては当方は詳しくはないもののスピリチュアル・ジャズで名高いアーティストだそうで、あのThe Detroit Experimentにも参加していたという事を知ればなる程と言う思いだが、本作には亡くなる2015年前にDixonとコラボした曲も収録されている。それがA面の2曲で、魔術的なスポークンワードの導入と控え目に鳴る耽美なピアノの装飾と硬質なハウスのビートを刻みつつ、そこに正にスピリチュアルで厳かな雰囲気を持ち合わせたトランペットがフリーキーに入ってくる"Erudition"は、表面的にはクールなテクノながらもじんわりと魂を熱くする情熱が込められている。もう1曲のコラボである"Wise Words"はややリズムが強く跳ねていて音の間をベースがうねっており、何よりもトランペットがより自由を謳歌するように鳴っていて、4つ打ちテクノのビートながらもジャズとしても成り立つようでないか。そしてB面にはURの中枢であるMike BanksをはじめDe'Sean JonesやKris Johnsonも参加した"When Belgrave Met Banks"という目玉曲もあり、大人びてムーディーなトランペットや繊細にビートを刻むハイハットらによってスペーシーなテクノの感覚とジャズが邂逅したような雰囲気があり、これもBanksが参加した影響のおかげなのだろう。ラストは力強く引き締まったハウスな4つ打ちを刻む"Summer Of 2001"で、ここでもスペーシーな電子音をバックに用いつつ前面にミステリアスで闇に潜っていくようなトランペットに誘われずぶずぶと深く沈んでいくような感覚は、ダンスフロアでも体を揺らすだろう。表面的な音だけではいつものPlanet Eの規格外かもしれないが、そもそもCraig自体もデトロイトのジャズに取り組んだ事もあったりと、やはり彼等のルーツを振り返りつつ先も見据えた点で評価されるべき一枚だ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deetron - DJ-Kicks (!K7 Records:K7359CD)
Deetron - DJ-Kicks
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3台のターンテーブルを駆使してヒップ・ホップ上りのミックステクでハード・テクノなDJをしていたのも今や昔、制作するトラックもいつしかメロウでソウルフルな感情性豊かな作品へと移行し、上手く時代の波に乗って進化を遂げてきたDeetron。マイペースで作品をリリースしアーティストとしての確かな評価を獲得しつつ、『Fuse』や『Balance』に『Fabric』等の名物MIXCDシリーズにも抜擢されてきたDJとしての手腕もあり、かつてのハードテクノ勢の中では面白い変化を見せながら独自の音楽性を確立しているが、遂にこの『DJ-Kicks』にも参戦とはやはり海外での評価は日本よりも確かなようだ。本作でも分かる通りテクノ〜ハウスの境目を融かすように混在させる選曲の審美眼、ダンスとリスニングの親和性、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのクラシックからモダンな時代の曲までと、どれにも偏らずに一つの流れへと組み込んでいくバランス感は比類なきモノで、80分34曲に渡るシームレスなミックスは優雅でさえある。オープニングからしてCarl Craigのガラス細工のような繊細な美しさを発する"Goodbye World"で始まり滑らかにビート入りの曲がミックスされ、古き時代の変異体ディスコの"School Bell / Treehouse"でアクセントも盛り込みつつ、シカゴ・ハウス名作の"Waterfall (Deetron's DJ-Kicks Version)"で垢抜けないながらも原始的なソウルの感情性を高めていく。そこからもジャズ・ファンク色なBurnt Friedmannからインテリジェンス・テクノな趣きのSpacetime Continuum、変異体テクノのMorgan Geistなどジャンルはばらばらなれどエモーショナルな共通項で雰囲気を作っていく。中盤ではDJ Kozeの甘美なサイケデリアの"Let's Love"からRon Trent & Chez Damierの幻想的でディープな朝方をイメージする"Morning Factory"へと繋がる瞬間が得も言われぬ程に素晴らしく、そこからはややテクノ寄りにグルーヴ強めの流れへと入り、リズムの崩れたダブ・ステップや逆にソウルフルなボーカル曲も用いて後半に向けて盛り上がる。そんな中にも古き良き時代のAIテクノのBlack Dog Productionsによる"Flux"を聞くと懐かしさが込み上げたりもするが、DeetronやDJ Boneによる骨太で激しいテクノもミックスしながら突入するFloorplanからTerraceにDerrick Mayのデトロイト系繋ぎの流れは非常にドラマティックで、非常に押し引きが上手い。そして混沌としたベース・ミュージック風な"Old Fashioned"から一気にテンションが落ちて、レフトフィールドなポップソングの"Strange Emotion"で今までの喧騒から解放される静謐な閉じ方は心残り無く綺麗に音が消えていく。いまいち日本に於いてはその実力に対しての正当な評価を獲得しているようには感じられないが、本作はそんな評価を覆すには最適なMIXCDで、Deetronのエモーショナルな音楽性を十分に堪能出来る事だろう。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport (Remixed) (Tresor Records:Tresor.298)
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport (Remixed)
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デトロイト・テクノの生みの親であるJuan Atkins、そしてミニマル・ダブの求道者であるMoritz Von Oswald、その伝説的な二人によるデトロイト×ベルリン同盟の夢のタッグがBorderlandだ。単発的なプロジェクトで終わる事なくアルバムも2枚リリースする等、ベテランによるテクノへの飽くなき情熱は今も尚続いているが、そこに更に絡んできたのはデトロイト・テクノを躍進させたCarl Craigだ。ここ最近はリミックス中心で新作は以前に比べると少なくなっているものの、デトロイト・テクノのアーティストの中では特に制作に秀でている事は間違いなく、ここではアルバム『Transport』(過去レビュー)に収められた「Transport」に対しオリジナルに負けず劣らずの未来的な響きと重厚感溢れるリミックスを施している。オリジナルはリズムは控えめながらも電磁波が空間に散乱して間を体感させる見事なミニマル・ダブ×デトロイトな作風だったが、Craigは上モノに大きく手を加える事はせずに重厚感を引き継ぎつつ、20分という長尺を活かして上モノを焦らすように展開させながらじわじわと快楽へと上り詰めていく壮大なスケール感を生み出している。遠くで微かに聞こえる電子音や繊細なリズムを導入し、途中からは圧力のある太いキックによる角ばったリズムが入ってくる事で大胆なうねりを引き出し、電子音が入り乱れる混沌とした流れも通過しながら電子狂想曲とも呼べる圧倒的な音響空間を旅する20分は、どこを切っても全く隙きが無い。本作では更に面白い事に前述の曲をDJ DeepとRoman Poncetが手を加えた"Transport (Carl Craig Remix - DJ Deep & Roman Poncet Rework)"が収録されている事で、こちらは近年のDJ Deepの作風であるベルクハイン系の硬質で凍てついた温度感のハードな4つ打ちテクノへと生まれ変わっているが、単にハードなだけでもなく音の隙間を残しつつ切れ味を磨いた鋭さがあり、ピークタイム向けなテクノとして肉体を震撼させる機能性がある。尚、アナログだとCraigのリミックスは10分程にエディットされているものの、DLコードが封入されており完全版がダウンロード出来るので、是非ともアナログをお勧めしたい。



Check Juan Atkins & Moritz Von Oswald
| TECHNO13 | 12:01 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2018/2/9 HANG @ Grassroots
1月にGrassrootsで聞いたYO.ANのアシッディーなプレイが良かった事、そして今回DJ業は勿論としてアーティストとしてもDessousからアナログをリリースするなど躍進を果たしているIori WakasaがGrassroots初出演と言う事もあり、このYO.ANが主宰するHANGへ期待も込めて参加する事にした。前述の二人に加えて今回はスケーターとしても大活躍しHANGには度々参加しているHaruka Katagataも出演し、三人それぞれがどんなプレイをするのか興味は尽きない。
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| EVENT REPORT6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ross 154 - Fragments (Applied Rhythmic Technology:ART-EL1)
Ross 154 - Fragments
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Kirk Degiorgio主宰のApplied Rhythmic Technologyから再発されたのは、オランダのビートダウン・ハウサーのJochem PeteriことNewworldaquariumことRoss 154による一番最初の作品だ。元々は1993年にStefan Robbersによるポスト・デトロイト的なEevo Lute Muziqueからリリースされていた作品で、そのレーベルは本家デトロイトを意識したようにその当時一斉を風靡したインテリジェンス・テクノな作風もあったのだが、それを思い出せば同年代から続く正にインテリジェンス・テクノを代表するARTから再発されるのも全くおかしくはない。勿論Ross 154と言えば迷宮に迷い込んだアブストラクトなビートダウン・ハウスに象徴される煙たい音像が特徴ではあるが、この作品は最初期の作品と言う事もあってまだまだ荒削りなテクノな要素が打ち勝っている。それでも尚その後の片鱗も覗かせる"Hybrids I"はうっすら情緒も漂うアンビエントではあるが、続く"Fragments"では膨らむ重低音のベースとかっちりとした硬い明瞭なリズムのビートに攻められながらも、ミステリアスな上モノによって覚醒感を煽るようにドープに嵌めていく構成は何処かCarl Craigの作風を思わせる点もある。再度インタールードとして挿入された"Hybrids III"は、朗らかな雰囲気のあるアンビエントで先程の喧騒が嘘のようだ。"Remembrance"は当時の時代性が反映された荒々しいブレイク・ビーツが耳に付くが、朧気で抽象的な上モノが浮遊しておりその後のNewworldaquariumの音楽性が萌芽している。裏面に続いてもインタールードが挿入され星の煌きの如く美しい音響を奏でる"Hybrids II"から、これぞインテリジェンス・テクノと言わんばかりの複雑なリズムとSFの世界観が浮かぶパッドを用いて近未来を投影した"Mayflower"へと繋がれ、ラストは歪んだドラム・マシーンによるねっとりしたダウンテンポにトリッピーな電子音を被せていく"Within You"はThe Black Dogの作風にも近い。1993年作だから時代の空気を含んでいるのは当然であり、音自体は古臭くもありつつもこの原始の胎動があるテクノは、UKからデトロイトに対する回答として捉える事が出来る点で評価すべきだろう。この後のPeteriは更にディープな方向へと深化していったわけだが、その原点としてこんなテクノもあったのかと感慨深い。



Check Newworldaquarium
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rhythim Is Rhythim - Icon / Kao-Tic Harmony (Vince Watson Reconstructions) (Transmat:MS 091)
Rhythim Is Rhythim - Icon  Kao-Tic Harmony (Vince Watson Reconstructions)
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リリースのずっと前から噂になっていて随分と待たされた2017年の目玉作品の一つ、それがRhythim Is RhythimことDerrick Mayによる名作であるIconとKao-Tic Harmonyのリミックス。手掛けたのは強烈なデトロイト・テクノ愛が自身の音楽性にも反映されているUKのVince Watson。歴史に残る名作のリミックスを行うのはおこがましい、または手に余る可能性が大きいのだが、そこはデトロイト・テクノの叙情性にも負けず劣らずな音楽的才能を持つWatsonであればこそ、原曲の魅力を損なう事なく現代のダンス・ミュージックに寄り添い機能性を磨いたリミックスを披露している。オリジナルへの敬意もあるのだろう、そしてオリジナルの揺るぎないクラシックたる存在感は、やたらめったらに手を加える必要はなくただその流れに沿えば良い。"Icon (Vince Watson Remix & Reconstruction)"はあの幽玄に微睡むようなぼんやりと浮かび上がるパッドはそのままに、Watsonお得意の物悲しくも闇の中に映える美しいピアノを加え、滑らかでハウシーな4つ打ちにする事によって他の曲とのミックスの相性も増した作風。オリジナルがその曲だけで成立する程のものだから決してミックスに向いているとは言えないが、それはWatsonによって幽玄さを保ちながらもツールとして使用される事も考慮したアップデートが成されたのだ。若かりしCarl Craigも制作に参加していた曲も、Watsonの手にかかれば繊細なブレイク・ビーツからハウスの4つ打ちに生まれ変わった"Kao-Tic Harmony (Vince Watson Remix & Reconstruction)"、これも曲のSF的なレトロ・フューチャーの世界観や壮大な叙情性は全く損なわれていない。繊細でパーカッシヴなリズムによる跳ね感は活きつつも滑らかに疾走するグルーヴが生まれ、そして物憂げで何処か儚くもあるシンセのメロディーはそのままに、デトロイト・テクノのソウルを大切に扱ったリコンストラクションだ。本作に限って言えばクラブ・ミュージックとしてのリミックスの妙を楽しむような作品ではない、寧ろオリジナル・デトロイトの音に忠実に今風な装飾を施した程度で、現在のダンス・ミュージックらしくツール性にも気を遣った再構築と捉えるべきだろう。驚くべき作品ではないが、ずっと心にあり続けていた音が今に蘇ったような懐かしさのある名作だ。



Check "Derrick May"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Separate Paths EP (Delsin Records:121dsr)
Sven Weisemann - Separate Paths EP

ベルリンから美しさに秀でた音響ディープ・ハウスを追求するSven Weisemann、テクノ〜ハウス〜ダブと振り幅を持ちながらもどの作品に於いても彼らしい静謐な美的センスが現れており、ダンス・ミュージックとリスニングの間を上手く渡り歩くアーティスト。過去にはオランダに於いてデトロイトの叙情性ともシンクするDelsin RecordsからEPをリリースしていたが、同レーベルに2年ぶり復帰したのが本作だ。ともすればフロアから意識的に乖離したようなリスニング向けの作品を作る事もある彼が、ここではDelsinというレーベル性に沿ったように比較的ダンス色の強いトラックを聞く事が可能で、それでも尚繊細なダブ音響も体感出来る点で秀逸だ。特にA面の2曲が素晴らしく、うっすらと浮かび上がる叙情的で空気感のある上モノに合わせてずんずんと胎動のような4つ打ちで加速する"Dopamine Antagonist"は、朧気な呟きやリバーブの効いたサウンドを活かして奥行きを演出したディープなダブ・テクノで、勿論フロアでの機能性は前提としながらも揺らめくような官能性にうっとりとさせられる。A面のもう1曲である"Cascading Lights"はややテクノのプロトタイプのようなたどたどしさが打ち出た音質のリズムで、そこにしなやかに伸びるパッドを用いて初期デトロイト・テクノらしいエモーショナルな響きを合わせ、例えばCarl Craigの初期の作品とも共鳴するようなあどけなさが感じられる。またB面にも落ち着きを伴うダンス・トラックが収録されており、淡々とした4つ打ちで冷静さを取り戻しつつしっとりとしたダブの音響や音の強弱を用いつつ、暗闇の中で煌めくようなシンセワークも用いてBasic Channelの作風を踏襲したダブ・ハウスの"Maori Octopus"と、ビートが極端に落ちた分だけ正に空気の如く揺らぐダビーな音響が強く感じられるダブ/レゲエをテクノとして解釈したような"Separate Paths"と、これらもWeisemannの音響への拘りが如実に発揮された作品だ。僅か4曲のみ、しかしそこには個性と振り幅があり最大限にアーティストの音楽性を体験するには十分過ぎる内容だ。



Check "Sven Weisemann"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steffi - Fabric 94 (Fabric:fabric 187)
Steffi - Fabric 94
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ロンドンの名門クラブかつレーベルであるFabric、2001年に始動したMIXCDシリーズも時間にして15年、作品にして90枚を越えたが、その最新シリーズの94作目にはベルリンを拠点に活動する女性アーティストのSteffiがフィーチャーされている。Panorama Barでレジデントを務める実力派DJである事は今更説明も不要だろうが、アーティストとしての手腕も秀でており自身のアルバムではデトロイト・テクノやかつてのWarp Recordsが提唱したArtificial Intelligence等にも共振する音楽性を披露し、特に叙情性のあるメロディーを武器に現在のダンス・ミュージックを表現している。それは彼女が運営するDollyにも正しく反映されており、事実レーベルからはデトロイト・テクノからの影響を強く残した作品も少なくはない。そしてこのMIXCDだ、何と全てが新作、全てがDolly傘下のDolly Deluxeの為に用意された楽曲で、つまりはレーベル・ショーケース的な扱いである事は否定出来ないが、そういった制約を全く感じさせないレーベルの方向性とSteffiの音楽性の魅力が存分に伝わる内容になっている。彼女自身は遂に本作に対し「Artificial Intelligence」からの影響を公言している通りで、4つ打ちに終始しない多種多様なリズムの変遷とSFの世界観にも似た近未来感漂うシンセのメロディーを軸にした選曲を行っており、もしかすると彼女が普段クラブで披露するDJとは異なるのかもしれないがこれも彼女の魅力の一つになり得るだろう。アルバムの幕開けはアンビエントなトラックにボコーダーも用いてSF的な始動を予感させる"Echo 1"で控えめなスタートだが、直ぐに痺れるようなビートが脈打ち壮大な宇宙遊泳に誘われるシンセが広がる"Sound Of Distance"へと移行し、グラグラと横揺れしながらダンスのグルーヴへと突入する。緩急自在に続くSteffiとShedのコラボである"1.5"では速度感を落として幻想的なパッドとカクカクとしたエレクトロのリズムによって一息入れ、ダビーな音響の奥からデトロイト的なパッドが浮かび上がる"Freedom"や複雑なダブ・ステップ系のリズムながらも初期Carl Craigを喚起させる美しさがある"No Life On The Surface"など、深遠なる宇宙の叙情性を軸にリズムとテンポの幅を拡張しながら展開する。Answer Code Requestの"Forking Path"にしても重厚感と奥行きのあるダンス・トラックではあるものの、やはり何処か覚醒感あるフローティングするシンセが効いており、勢いに頼らずとも淡いムードで上手く世界観を作っている。中盤ではレトロ調なエレクトロ・ビートが何だか懐かしくもあるが、Duplexの"Voidfiller"によって希望に満ちた明るい道が切り開かれ、そのままArtificial Intelligenceらしいブレイク・ビーツやもやもやしたシンセの曲調中心になだらかに加工しながら眠りに就くようなクローズを迎える。レトロ・フューチャーな郷愁に浸りつつ、更にはダンス・ミュージックとして躍動的なリズムもあり、懐かしさと面白さを味わえる素晴らしいMIXCDであろう。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scuba - Fabric 90 (Fabric Records:fabric 179)
Scuba - Fabric 90
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2016年8月に薬物により2名の若者が亡くなった事で一旦は閉鎖へと追い込まれたUKは名門クラブのFabricで、最後にプレイしたのがダブ・ステップで先陣を切るPaul RoseことScubaだったそうだ。本作はその出来事に前に制作されていたのでその出来事と特に関連付けられてはいなかったが、奇しくもクラブの閉鎖後に同レーベルより初めてリリースされた作品がScubaが手掛けた本作だったのは、何か運命的なモノを感じずにはいられない。Scubaと言えばテクノの現在の聖地であるベルリンはBerghainにダブ・ステップやベース・ミュージックによって攻勢をかけ、テクノとダブ・ステップの溝を埋めつつ、また本人もベルリン系のテクノへの傾倒を示す事で評価を獲得していた。しかし5年前にリリースされたアルバムは意識的にダブ・ステップから距離を置いて大衆的な作品をリリースし、当方はそこで一旦Scubaへの興味を失いかけていたのだが…。しかし、そこはやはりFabricシリーズに起用されただけあり、ダブ・ステップのビートとテクノのひんやりした質感によってかつてのアンダーグラウンドな雰囲気を十分に纏い、息もつかせぬ展開を駆け抜けるミックスを披露している。驚いた事に本作ではCDとしては19トラックに分けられているものの、実際には42にも及ぶ大量の曲が使用されており、常に複数の曲が入り組むように編み込まれる事でビートの多様性と緩急自在な展開を作り出している。そして単に勢いで飲み込んでいくだけの作品ではなく、例えば出だしではビートのある曲にPatrick Cowleyによる不安気なアンビエントの"Uhura"を被せて深遠な音響空間を作っていたり、ビートもかっちりした4つ打ちからボディーブローのように鳩尾に刺さる鋭利なダブ・ステップに端正なミニマル、または痺れるような覚醒感ある電子音や奥深い空間演出を成すダビーな音響など、様々な要素を散りばめながらそれらがばらばらになる事なく一つの世界観として纏めあげている。確かに余りにも膨大な曲を用いてはいるのだがそれらはベルリン的な冷たさや闇のムードによって結び付けられており、ここでは意識的でなければテクノとダブ・ステップの垣根を感じる事は無いほどだ。そして作品の最も盛り上がる中盤も素晴らしいが、ラスト10分位のテンションが落ちてきてビートが変容しつつズブズブと深みにはまり、暗闇の中からメランコリーな情緒も現れてくる流れは、暗さの中にもドラマティックな盛り上がりを感じる事だろう。予想を良い意味で裏切る妙技が炸裂したミックス、Scubaの深化がここに表現されている。



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| TECHNO12 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig | Sonja Moonear - Cocoon In The Mix (Cocoon Recordings:CORMIX053)
Carl Craig Sonja Moonear - Cocoon In The Mix
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真夏の夜の饗宴を繰り広げるイビサはAmnesiaで開催されるCocoonのパーティーは毎年の恒例行事となっているが、そのパーティーの公式MIXとなっている『Cocoon In The Mix』の最新作(と言ってもリリースは昨夏ですが)は、デトロイト・テクノの至宝であるCarl Craigとスイスの女性DJでありミニマル系で評価を得ているSonja Moonearが手掛けている。このシリーズのコンセプトは二人のDJのミックスを収録するだけなので、音楽的な繋がりから言えば共通項は見えてこないので、それぞれ全く別のプレイとして本作は楽しむべきなのだろう。それでも本作を聞けば例えば当方のようにAmnesiaのパーティーを体験した事のない人にとっても、その雰囲気だけでも何となく掴める事は可能なのかもしれない。それは特にC2のプレイの方が顕著と感じ、序盤から"What Is House Muzik (Ricardo Villalobos What Is Remix)"や"7 Directions (Dennis Ferrer Drum Mix)"などミニマルかつドラッギーな大ネタを繰り出して、大箱らしい派手な盛り上がりを作っていく。制作するトラックに比べるとプレイの方は余りデトロイトらしさは感じさせないのがC2の特徴だが、それでも疾走しうねるビート感や覚醒的な上モノを用いたヨーロッパ寄りのテクノやテック・ハウスなどは一般的には馴染みやすい音ではあり、またFloorplanやOxiaなどクラシックも当然の如く用いて真夜中の興奮を演出し、終盤ではデトロイト系の"Episode"や"Speechless (C2 Remix)"を投下して感動のエンディングへとスムースに盛り上がっていく。ミックス自体に何か特別な個性を感じるような内容ではないものの、Amnesiaの興奮に包まれた景色が浮かんでくるような、これぞ大箱らしいプレイだろう。対してMoonearの方がDJとしての力量を感じさせるプレイが体験出来る内容で、色っぽい呟きによりハウスを宣言するような"New Age House"に始まり"Music, Music (The I Humped Mix)"によって滑らかに加速し、常にグルーヴをキープする。大袈裟に展開を作る事はせずに淡々とした抑制されたビートを刻み、Cocoonらしいドラッギーなテック・ハウスも織り交ぜながら中盤でのエモーショナルな"Creepin"や"Translated Translations Translated"等のハウスでドラマティックな流れも生み、ミニマルな展開の中にも淡い叙情性を盛り込む。中盤以降は更に深い空間を感じさせるディープ・テックな闇に進んで、ラストに向かって80年代シンセ・ポップらしさを含む"M9"からアンビエントな音響処理の強いダビーな"98%"で微睡みつつ、最後にはVillalobosによるその名も"Amnesia"でじわじわと感覚が鈍っていくようなドープ・ミニマルで深みに嵌まりながらいつしかパーティーは終わりを迎える。半ば強引なまでに盛り上げるC2、対してフロアの感覚を掴むように嵌めていくMoonear、DJとしては当然後者に軍配が上がるだろう。



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| TECHNO12 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fit Siegel & Tim Love Lee - Living Is Serious Business (Fit:FIT 014)
Fit Siegel & Tim Love Lee - Living Is Serious Business

デトロイト周辺の変わったダンス・ミュージックからクラシカルな作品のリイシューを行い、またディストリビューターとしても機能しているFit Sound。リリースされる音楽が決してデトロイトの伝統を感じさせる作品だけではないので、レーベル自体にデトロイトというイメージは強く持たないが、レーベルの評価は概ね高いようだ。新作はそんなレーベルを運営するFit Siegelと80年代から活躍するUKのTim Love Leeによる共作で、更にリミキサーにはデトロイトから本家本元のCarl Craigが参加している。先ずはSiegelとLeeによるオリジナルの"Living Is Serious Business"は10分近くにも及ぶ大作で、ブリブリとした悪っぽいシンセベースとヒプノティックなメロディーが目立つ快楽的なサウンドが軸になっており、そこに突然入ってくる破壊的なエフェクトや繊細なシンセなどが装飾を行いドラマティックな演出を行う。ダブの音響は奥深い空間創出を行いダークなシンセは真夜中の昂ぶりを誘い、ミニマルなグルーヴ感の中にもあの手この手で刺激を生む演出は、デトロイト・テクノらしいハイテックな感覚はそれ程無くとも不気味な高揚感を纏っている点でパーティー受けする事は間違いないだろう。そしてCarl Craigのリミックス、彼も近年はデトロイト・テクノらしいオールド・スクールなリミックスよりもギラギラとした音を用いたヨーロッパ的な作風が目立つので、原曲との相性は抜群というか大きな変化は然程ない。しかし、無駄な音は幾分かこそげ落とし切れのあるハイハットが浮かび上がる事で洗練されたテクノなグルーヴに磨きをかけ、未来の荒廃した都市をイメージさせるSF的な壮大なシンセのメロディーを加える事で完全にCarl色に染め替えられ、壮大なプログレッシヴ寄りのテクノへとなっている。ブレードランナーを思い起こさせるシンセのメロディーは完全にCarlの持ち味であり、暗い世界観の中にその光沢を持った音色がエモーショナルに響き、少しだけデトロイト・テクノの味を残しているようにも思われる。原曲、リミックス共々パーティーでのピークタイムに映える壮大な作風で、間違い無しの一枚だ。



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| TECHNO12 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Microworld - Orange Sun (Curle Recordings:CURLE 055)
Microworld - Orange Sun
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もはや新作は出ないのではないかと諦めかけた時、または多くの人がその存在を忘れた頃に再度現れる、それがPhilip McGarvaことMicroworldだ。スコットランド出身で現在はメルボルンで生活をしているこのアーティストは、Derrick Mayに実力を認められ1999年にTransmatからデビューを果たすも、その活動は当初から断続的で数年毎に新作をリリースするものだった。本作にしても6年ぶりとなる新作なのだから、恐らく彼の人生に於ける音楽への比重は高くはないのだろう。そうだとしてもアーティストとしての才能は疑うべくもなく、久しぶりの作品でも初期のDerrick MayやCarl Craigのデトロイト・テクノを受け継ぐMicroworldらしい音楽性は全く変わらない。複雑で繊細なリズムにやや内向的なメロディーが素朴に響く”Grey Melody”は、その無駄を削ぎ落とした構成によってより思慮深さが際立つリスニング寄りのテクノで、想像力を喚起させるようなディープな世界観だ。一方で"Orange Sun"は躍動感のあるハイハットやパーカッションが刺激を生むダンス・トラックだが、爽快でエモーショナルなメロディーが地平線の遠くまで伸びるような正にクラシカルなデトロイトの雰囲気があり、朝焼けが似合うようなアフターアワーズ向けの開放感がある。最も真夜中のパーティーに合うのは4つ打ちスタイルのテクノである"Step Sequence"で、空間を切り裂くような金属的なシンセのフレーズに意外性を感じつつも、温かみを含んだ叙情性もあるデトロイト・テクノを現代風に解釈したようなモードもある。久しぶりの新作も旧来のファンやデトロイト・テクノを愛する者にとって、きっと愛着が持てるクラシカルな風合いがあり、これだけの才能があればもっと作品のリリースをと望むのは当然だ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Conforce - Presentism (Delsin Records:111DSR)
Conforce - Presentism
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オランダといえばヨーロッパの中でも特にデトロイト・テクノへの熱心な愛を捧げる活動が見受けられ、例えばRush HourやDelsinのデトロイト・フォロワーとしての功績は顕著だ。そんなレーベルとの繋がりを持つBoris BunnikことConforceもやはり初期はデトロイト・テクノに影響を受けて、美しくエモーショナルなメロディーとダブの残響を盛り込んだコズミック感の強い『Machine Conspiracy』(過去レビュー)が高い評価を受けていた。しかしそれ以降の活動は『Escapism』や『Kinetic Image』においてディープなダブ性を強め音響やリズムに特徴を持たせた作風へとシフトし、またSilent HarbourやVersalifeなど異なる名義ではダークなダブやエレクトロへと傾倒し、デトロイト・テクノからの影響は希薄化していた。そんな流れからの新作は初期作風のエレガントな音も戻ってきた原点回帰の要素を含みつつ、近年の深い電子音響も損なわずに、Conforceとして音楽性を纏め上げた集大成的なスケールが感じられる。アルバムの始まりは空間の奥で寂れた電子音が反復しつつも、胎動のようなベースと澄んだパッドにより静かなグルーヴを生み出すアンビエントの"Glideslope"で幕を開け、続く"Realtime"では空虚で乾いたパーカッションが畳み込まれる中をデトロイト・テクノを思わせる望郷の念を誘うパッドが悲しげに伸びていき、アルバムの序盤から叙情的で近未来的なムードに満たされている。"Blue Note"では明確にリズミカルなビートが入ってくるが、物哀しくも美しい上モノに水飛沫のような淡い残響がアクセントを加え、デトロイト・テクノを更に洗練させたようでもある。一方で"Motion Sequence"は深遠な闇へと下降するダークかつディープなダブ・テクノで、豊かなダブ残響に包まれながらアンビエントのような掴み所のない快楽性を生み出している。アルバムの後半は90年代のAIテクノを思わせるアンビエントな強くなり、非4つ打ちの柔らかくダビーなリズムと浮遊感のある幻想的シンセが多層になって微睡んだ電子音響を生む"Monomorphic"や、初期Carl Craigを匂わせるぼやけた霧のようなシンセに満たされただけの抽象的な"Predictive Flow"など、近未来の都市を喚起させるSFのサウンドトラック的な音が待ち受けている。ややフロア向けの曲は減った印象も受けるが、これぞConforceに期待していた音楽というものが還ってきており、この深遠なるインテリジェンス・テクノは間違いなくデトロイト・テクノ好きな人の耳も刺激するだろう。



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| TECHNO12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/10/9 宇宙の海 〜Ascension @ Space Orbit
三軒茶屋はSpace Orbitで開催されているらしい『宇宙の海』は、どうやらアンビエント系のパーティーであるらしく、靴を脱いでラウンジスペースとしての空間で一夜を寛いで体験出来るような触れ込みだ。まだ行った事のないクラブという点でも気にはなっていた上に、しかも今回はDJ Yogurtによる年に1〜2回プレイするかのレアなアンビエントDJやKo Umeharaも出演する事があり、意を決して遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
JP Enfant - Dreaming Backwards (Les Enfants Terribles:LET001)
JP Enfant - Dreaming Backwards
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オランダはアムステルダムにて開催されているLes Enfants Terriblesというパーティーが、新たに同名のレーベルを開始して音楽制作へと乗り出す。レーベルの第一弾はそのパーティーでレジデントを務めるJP Enfantによる作品だが、このJP Enfantは2014年にはドイツのディープ・ハウスを手掛けるMojuba傘下のa.r.t.lessからデビューを飾ったばかりの期待の新人であり、90年代のインテリジェンス・テクノ〜デトロイト・テクノからの影響を滲ませる理知的な音楽性が特徴だ。本作においても基本的な路線に変更はなくクールながらも幽玄で、未来的なサイエンス・フィクションの世界観を含むテクノを展開している。"Subconscious Leverage"は少々鈍いキックによる4つ打ちからはラフな質感が発せられるが、すっと静謐に薄く伸びる上モノのパッドからはやはりインテリジェンス・テクノ系の繊細な美しさが表現され、疾走感のあるテクノではあるがその慎み深くもある深遠さは、初期のCarl Craigを思わせるところも。一方でタイトル曲の"Dreaming Backwards"はくねったようなリズムに、ビリビリと電磁波のように振動するサウンドや重厚なシンセなどが緻密に配置され、闇の中で雷鳴轟くような電子音響による宴を繰り広げる。裏面の"Subliminal Message Of Fear"は展開や音を削ぎ落としてミニマルなDJツール性へと向かった作風だが、ソナー音のように淡々と反復する電子音とオールド・スクール感のある乾いたハンドクラップやハイハットによる抜き差しだけで、全くテンションを落とさずに疾走し続けるテクノはフロアで効果的に鳴るだろう。何処か機械的で人間味に溢れた温度感を感じさせない音ではあるが、控えめに情緒を含みつつ繊細さと洗練へと向かった音楽性は、かつてのインテリジェンス・テクノをよりフロア向けにした現代版のようにも感じられる。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/9/4 TodaysArt.JP 2015 TOKYO - Launching Party @ Liquidroom
昨年日本へとプレオープン的な扱いで初上陸したオランダ発祥のアート・フェスティバル、TodaysArtが今年から日本での開催を本格化させている。音楽だけでなく美術も含んだ芸術のフェスティバルと言う事で天王洲周辺で様々な催しが予定されているが、そのラウンチパーティーとしてリキッドルームではライブを中心としたパーティーが開催された。何といっても目玉はデトロイトの至宝であるCarl CraigとMike Banksによるライブで、元々は2011年にその二人でのライブが予定されていたものの東日本大震災の影響により中止となり、日本では暫く体験する事が出来なかったものだ。今回は念願叶っての日本でのライブとなるが、それ以外にもAkiko Kiyamaやonomono a.k.a O.N.OにKeita Yanoといったライブ陣、そしてDJにMasafumi Ohnishiも参加して、一夜を作り上げる事になった。
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| EVENT REPORT5 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Liaisons Dangereuses - Liaisons Dangereuses (Soulsheriff Records:SSCD06)
Liaisons Dangereuses - Liaisons Dangereuses
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何度目の再発だろうか、Liaisons Dangereusesによる81年作の唯一のアルバムがこの2015年にまたもや再発されている。Liaisons Dangereusesは元Einsturzende NeubautenのBeate Bartel、元DFAのChris Haasらが集まったジャーマン・ニュー・ウェイヴのバンドだ。ドイツの音楽と言えば特異な電子音楽を展開したジャーマン・プログレがデトロイト・テクノを始めとするダンス・ミュージックに強い影響を与えているのは有名な話だが、このLiaisons Dangereusesも例えばJuan AtkinsやCarl Craigらがサンプリングで用いるなど、同様にテクノへの強い影響を残している。何と言ってもボーカル以外は全て電子楽器で作られている点でテクノとの近似性は言うまでもないが、しかしKORG MS-20による激しくうねる強靭なベースラインや奇妙で自由なシーケンスによるリズム、怪しげなシンセの音色などその特徴はあちらこちらに散りばめられている。アルバムの中でも一番強烈な印象を残すのが"Les Ninos Del Parque"で、打ち付けるようなハンマービートにKORG MS-20による変則的な拍子のベースライン、そして電子的なサウンドとは対照的に汗臭さも残すだみ声ボーカルは、電子音楽による制作ながらも肉体性も感じさせる迫力あるグルーヴを刻む。そしてCarl Craigの作品である"Galaxyにサンプリングして使われているのが"Peut etre... pas"で、やはりこちらもグシャッとしたキックや動きの多いベースラインに跳ねるようなリズムを刻むシンセが一体となり…しかしそこに野暮ったいボーカルが入ってくると妙に人間臭くなる。中には"Aperitif de la mort"や"Dupont"のように抽象的な音像を描き出すコラージュサウンドもあり、電子楽器を自由に使うテクノのマインドが既にここに存在していた事にも気付かされるだろう。こんな音楽性はバンド本人による才能もあるのだろうが、プロデュースはジャーマン・プログレや電子音楽の可能性を広げた名匠Conny Plank、ここでもその名を見るとは電子音楽好きならば反応せざるを得ないだろう。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Korrupt Data - Korrupt Data (Planet E:PE65366-1)
Korrupt Data - Korrupt Data
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2014年の6月に突如としてPlanet Eからデビューした正体不明のアーティスト・Korrupt Data。初期デトロイト・テクノのような近未来的なテクノ/エレクトロの感性と、「星の向こうから来た探検者」と自称するサイエンス・フィクションに基づいたコンセプトを伴うその音楽は、そのミステリアスなアーティスト性も相まって一部から注目を集めている。2枚のEPをリリースした後に続いて同年10月にリリースしたのがそのアーティス名を冠した本アルバムで、ここでも当然の如く初期デトロイト・テクノの感性が息衝いている。特に肥大化しメジャー性も獲得したPlanet Eは主宰するCarl Craigの音楽性の変化もあってか、近年はレーベル自体も大箱で受けるようなモダンなテクノ化が進んでいたように感じられるが、本作はそれと真逆の、例えばKraftwerkにCybotron、そしてDrexciyaが開拓してきたような初期衝動を持ったテクノ/エレクトロを再度掘り起こしている。先行EPに収録されていた"Cryogene"からしてブリブリとしたベースラインにぼんやりと浮かぶような物哀しいシンセからは、Carl Craigの最初期の作品と同じ懐かしさが伝わってくる。また"Density Function"ではKraftwerkのヒップ・ホップ的なファンクなリズムとデトロイト特有の幻想的な上モノを組み合わせ、まるでブレード・ランナーの世界観を喚起させるSFの世界を描き出している。Drexciyaの影響が強く現れているのは"Photons, Protons, Microns, Mutrons"や"Gods & Myths"だろうか、鞭打つような冷徹なビートとロボット・ボイスを多用し、正にアナログ感のあるデトロイトの強靭なエレクトロを披露している。"Visions That Lurk"ではエレクトロ・ビートを刻みながらも大仰なシンセのリフレインや不思議な効果音により、コズミック・テクノと呼ぶべき宇宙遊泳するかのようなスケール感の大きさもある。アルバムの最後には柔らかく浮遊するシンセのメロディーにうっとりとするインテリジェンス・テクノのような"For That Way Lies Oblivion"や"Drifting Vessels"が配置されており、これを聴く限りではどう考えてもCarl Craigの作品と思わずにはいられないだろう。一体誰によるプロジェクトなのか、いやきっとPlanet Eに関連する著名なアーティストなのだろうとは思うが、それが誰だとしても本作に於けるヒップ・ホップやファンクからの影響を残しつつデトロイト・テクノのSF性を打ち出した音楽性は、生粋のデトロイト・テクノのファンが待ち望んでいたものだろう。



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| TECHNO11 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/2/21 Secretsundaze @ Air
昨年に引き続き今年もロンドンのサンデーアフタヌーンパーティーであるSecretsundazeがAirで開催されるに合わせ、レジデントのJames PriestleyとGiles Smithが来日する。本国では午後の早い時間帯から開催される事から、テクノやハウスだけでなくジャズやソウル、ファンクにブロークン・ビーツなどフリースタイルでゆっくりとフロアを温めていくスタイルだったと彼等は述べるが、ここ日本ではオールナイトでの開催が恒例となっている。またパーティーを主宰するだけでなくThe Secret Agencyなるエージェンシーも運営し、将来有望な若手から実力が認められているベテランまでアーティストのプロモートを行うなど、DJとしての活動だけでなくシーンを作っていくような動向は目が離せない。
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| EVENT REPORT5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fabrice Lig - Galactic Soul Odyssey (Planet E:PLE65376-2)
Fabrice Lig - Galactic Soul Odyssey
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完成した作品の評価を確認する為にCarl Craigに作品を送ったところ、その内容の素晴らしさに惚れ込んだCarlが自身が主宰するPlanet-Eからのリリースを決めてしまったと言う、そんなエピソードがあるのがこのアルバムだ。そう、デトロイト病に冒された一人でもあるFabrice Ligにとって4年ぶりとなるアルバムは、デトロイト・テクノを熱心に追求してきたその結果として更に先祖返りを果たしてしまったような、Carlが魅了されるのも極自然な音楽性だ。元々デトロイト・テクノに影響を受けながらより洗練された欧州的な味付けをしたテクノを手掛けながらも、その中にはファンクやジャズの要素も含ませて、ソウルを奏でる者としての立ち位置を築き上げていたFabrice。しかし本作ではその方向性は堰を切ったように深化して、デトロイト・テクノのルーツの一つでもあるPファンクへと片足を突っ込んだような…いや、もうほぼPファンクへと身を捧げたような印象さえ残す異色な出来となっている。アルバムの冒頭を飾る"Dwarf 2703"からして派手で動きの多いブギーなシンセのメロディー、そして4ビートのベースライン、そしてブレイク・ビーツを組み合わせて、フューチャー・ファンクとでも呼びたくなる実に熱狂的な魂が弾けるような曲だ。"Born To Be Wise"はミニマルなシンセのリフとビートが強調され比較的テクノ色の強い曲だが、しかしフュージョン感覚のある煌めくシンセが入ってくると途端にファンク化する。"No Judgment"ではAnn Saunderson、"Celestial Love Rising"ではHard Tonをフィーチャーし歌物も手掛けているが、ここではビートにキレはありながらも熱く感情的なボーカルを用いる事で実にソウルフルなハウス・トラックとして成立させている。アルバムのハイライトは間違いなく"Superstring Theory"だろう、Fabriceお得意のコズミックなシンセと麗しいフュージョンのようなコード展開を用いて、ディスコやファンクをも飲み込んだテクノとしてデトロイト精神が爆発したような壮大な曲だ。アルバム全体に豊潤なシンセやスラップベースが多用されコテコテな作風は正にPファンクであり、底抜けにポジティブで一点の曇りもない希望に溢れたその音の前に、にんまりと笑顔が浮かんでしまう。



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| TECHNO11 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/10 groundrhythm -new year's party- @ Air
昨年末に12周年を迎えて尚その軌跡を進めているAIR屈指のレギュラーパーティーであるgroundrhythm。2015年最初のgroundrhythmは井上薫と共に勝手知ったるDJ Yogurt、DJ Hikaruという長年計画されてきたメンバーがようやく集結し、またRESPONSEクルーであるDJ Yu-TaとA Boy Named Hiroがメインフロアのオープニングを務める事になった。それだけでなくシーシャバーやフードに物販、またメインフロアには特別な形のスクリーンも持ち込んでVJも用意し、ラウンジには昭和感溢れるデコレーションを施すなど、今までのgroundrhythmの中でも特に気合の入った一夜だ。
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| EVENT REPORT5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/11/14 Red Bull Music Academy presents Senshyu-Raku @ Liquidroom
おおよそ一ヶ月に渡り開催されてきた「Red Bull Music Academy 2014 Tokyo」。様々な場所でパーティーやライブのみならずワークショップ、レクチャー、アートインスタレーションを開催してきたが、その最後は「Senshyu-Raku」と銘打ち、デトロイトからCarl Craig、UKからは奇才と称されるPepe Bradock、ドイツにてRunning Backを主宰するGerd Jansonが集結し、RBMAの最後を祝福すべくパーティーが催された。
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| EVENT REPORT5 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Adventures In Techno Soul 3 (Ferox Records:FERLP9)
Adventures In Techno Soul 3

先ず以てして「テクノ魂の冒険」というタイトルからして素晴らしい。本作はRuss Gabrielが主宰するFerox Recordsの同名タイトルの第3弾、16年ぶりとなる新作であり、レーベルの方向性を示すであろうショーケース的なコンピレーションだが、特に昔からのファンにとってはこのシリーズは胸が高鳴るのを思い出すのではないだろうか。過去の同シリーズにおいてはCarl CraigやKenny Dixon Jr.、Ian O'BrienやDerrick Carter…など今では大御所となったアーティストを早くから起用し、その上でArtificial Intelligenceの系譜上にある単なるダンス・ミュージックの枠を飛び越える自由な創造性を重視した音楽性で、エモーショナルなテクノの可能性を提示していた。この新作でもその路線に大幅な変化はないが、時代に合わせてこれからの時代を切り開くであろう新人から実力派のベテランまでバランス良くアーティストを収録している。特にアルバムの冒頭を飾るDarren Harris - 驚いた事に全くの新人だ - による"Orion Nebula"が素晴らしく、プリズムのように美しい光が溢れ出るように美しいシンセサウンドが広がり、4つ打ちの枠に収まる事なくキレのある変則的なビートが揺れるこの曲は、正にテクノ・ソウルという言葉を体現している。過去にはFeroxとも繋がりもあったAffie Yusufも"Cornish Pasty"を提供しており、何処か懐かしさを感じさせつつも澱みのないピュアな音色を活かしたテック・ハウスには理知的な趣が感じられるだろう。また最近の注目株であるFred Pも収録している点にこのシリーズが現在形である事を示しており、序盤の瞑想的なノンビートの流れから徐々に重厚な4つ打ちへと変化していく"Perception"は壮大なコズミック感に溢れている。勿論レーベル・オーナーであるRuss Gabrielも新曲を提供しており、全くの汚れがない透明感に溢れ欧州的に解釈したデトロイト・テクノとも呼べる"Live In Tokyo"もレーベルの性質を表している。その他にもベテラン勢のMove DやBush Funk (Steve O'Sullivan)、また新興勢力のNebraskaなどが参加しており、それぞれがスタイルは異なれどエモーショナルなテクノ・ソウルを表現している。もしテクノに魂が籠っているとしたら、それはこんな音楽性なのではというコンピレーションだ。




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| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deetron - Fabric 76 (Fabric Records:fabric151)
Deetron - Fabric 76
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これでもにもメジャーからアンダーグラウンドまで数多のDJを起用し、人気を博しているMIXCDシリーズ「Fabric」の76作目は、スイスを代表するテクノアーティストの一人であるDeetron。00年代のハードミニマル全盛の時代に芽を出し、そのハードなスタイルにデトロイト・テクノにも通じるメロディアスな要素を加えた作風は、その世代の中でも個性が際立っていた。そしてハードミニマルが衰退する中で多くのアーティストが作風を変え、Deetronもよりディープかつ歌モノを手掛ける事で、時代に即しながら活動を続けている。本音でいうと当初はそのスタイルにも疑問はあったのだが、このMIXCDを聴く事でそんな変化もようやく馴染んできたのではと思う内容で、デトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスのクラシックから現在形のトラック、果てはダブ・ステップやロックまで持ち込んでDeetronの私的な好みも匂わせ、ハードなスタイルから感情の起伏を感じさせるスタイルへの転身が結実している。出だしでいきなりジャジーな"Picadillo (Carl Craig's Breakdown Version)"を用意し、そこからスムースに透明感のあるメローなテック・ハウスへ移行、そこからファンキーなシカゴ・ハウスへと即座に展開が広がっていく。RedshapeやRippertonらのモダンなテック・ハウスもミックスし、中盤ではクラシックであるGalaxy 2 Galaxyの"Timeline"をさらりと落とし込むが、大ネタを用いながらも大袈裟になる事はなく揺蕩うようなリラックスした流れは実に大人びている。前半は4つ打ちを中心としたテクノ/ハウスが中心だったのに対し、中盤以降はパーソナルな音楽性を表現するようにバラエティー豊かに変則的に刻むリズムや癖のあるメロディーを伴うブレイク・ビーツやダブ・ステップも織り込み、Deetronのメロウで柔軟な音楽性が素直に打ち出されている。しまいには物悲しくもサイケデリックなAtoms For Peaceの"Before Your Very Eyes"も飛び出すが、そこにディープかつミニマルな"Falling The Same Way (Dommune Version)"が繋がる瞬間には、はっと息さえ飲むだろう。そしてラスト3曲ではパーティーの興奮が終息するようにがくっとテンションを落とし、しみじみとした余韻を残すシネマティックな流れでミックスは終わりを迎える。結果としてここにはかつてのハードなスタイルは殆どなく、クロスオーヴァーとでもいう柔軟かつ豊潤な音楽性があり、そして何よりもエモーショナルなムードが通底している。Deetronが製作するトラックがエモーショナルな方向に傾いている事を考慮すれば、このMIXCDもその結果として自然なように感じられるだろう。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Korrupt Data - Cryogene (Planet E:PLE653671)
Korrupt Data - Cryogene

デトロイト・テクノと呼ばれるシーンの中でも、現在も精力的に活動を続けるCarl Craig主宰のPlanet E。もはやアンダーグラウンドと呼ぶには余りにも大きくなり過ぎてはいるが、突如としてリリースされた新作はKorrupt Dataなる未知なるアーティストの新作。レコードと共に封入されたインフォーメション・シートには「星の向こうから来た探検者」など20の説明が書かれているが、このアーティストが誰なのかは記されていない。その上、日本への流通量は非常に限定的でありデザインもハンドスタンプ仕様など、Planet Eという巨大なレーベルの逆を行くアンダーグラウンド仕様を貫いている。しかし"Cryogene"のブリブリしたベースラインを聴くとまさかあの人では?と予兆を感じさせるが、トラック自体はデトロイト・テクノの近未来的かつコズミックな風景が浮かび上がるSFを思わせるテクノであり、製作者が誰であろうと純粋の電子音が織り成すテクノの良質さが感じられる。裏面に進むと予兆は確信へと変わるような2曲が収録されており、鞭打つようなエレクトロのビートと浮遊感のある柔らかいシンセのサウンドが知的さを醸し出す"Drifting Vessels"、ノンビートながらも夢のようなシンセアルペジオが無重力の宇宙旅行へと誘い出すアンビエントな"Shimmer"と、それぞれが初期Carl Craigを思い起こさせる。そう、このプロジェクトは実はCarl Craig本人ではないのだろうかと思う程に、90年代のデトロイト・テクノがUKのインテリジェンス・テクノへと繋がった頃を思わせる作風なのだ。勿論レーベルからのアナウンスでは何も明らかにされてはいないのだが、この作品にデトロイト・テクノの古き良き時代を感じずにはいられない。




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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/9/20 CAMP Off-Tone 2014 @ マウントピア黒平
アンビエント・ミュージックを爆音で聴く…というコンセプトから立ち上がったOff-Toneはクラブ・パーティーとして始まるが、2012年からは野外キャンプパーティーとしてCAMP Off-Toneへと進化した。順調に回を重ね今年で3回目となるCAMP Off-Toneだが、出演アーティストはKaito aka Hiroshi Wanatabe、CD HATA&Koyas、Ian O'Brien、Ko Umeharaとお気に入りのアーティストが揃っている事もあり、野外用の道具は全く持ち合わせていないものの参加する事にしたのだ。
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| EVENT REPORT5 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/7/18 Dub & Raven @ Bonobo
クラブというよりはその小さやや和んだ雰囲気からは、ミュージック・バーと呼ぶのが相応しいBonobo。古民家を改装したこのバーは1階にフロアとバーがあり、2階にはなんと座敷や屋外テラスのチルアウト用スペースもあるなど、他のクラブでは体験出来ない一風変わった作りが持ち味だ。当方は数年前に行ったきり足が遠のいていたが、この度Hiroshi Watanabe aka Kaito、Word Of MouthはDJで、KoyasやShigefumi Wadaがライブで出演するパーティーがあり、聴き馴染みのあるアーティストから初めて体験するアーティストまで興味深い面子が揃ったので、久しぶりにBonoboへと遊びに行く事にしたのだ。
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2014/3/1 DOMINO @ Air
dj masdaとDenがレジデントを務めElevenで開催されていたDOMINO。Elevenの閉鎖と共に暫くは開催がなかったが,2014年になり場所をAirに移しての初開催となった。ゲストにはウクライナからの女性DJであるNastiaを迎えている。2005年にDJキャリアを開始して今では東欧で高い評価を得ているテクノDJではあるそうだが、私自身が彼女の作品やDJプレイを聞いた事がないのでどうしようか迷いつつ、しかしdj masdaやDenも出演するなら間違いないと確信しDOMINOへと遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/2/22 secretsundaze @ Air
2002年、UKはロンドンで隠れ家のようなロフトで日曜の昼間に開催していた事から名付けられたパーティー"secretsundaze"。Giles SmithとJames Priestleyらによって立ち上げられたパーティーは、当初は口コミのみの周知でウェアハウス・パーティーとして開催されていたそうだが、いつしか評判は広まりビルの屋上など屋外にも場所を移しながらUK屈指のテクノ/ハウス・パーティーに成長している。アンダーグラウンドがその性質を失う事なく、世に認められたパーティーと言えるかもしれない。現在ではレーベルとしてのSecretsundaze、DJマネージメントとしてのThe Secret Agencyも運営するなどその活動の場は広がっており、その動向は注目すべき存在だ。
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| EVENT REPORT5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/12/31 Zero New Year Eve 2013/2014 Spectacular @ 0 Zero
あけましておめでとうございます。2014年もどうぞ宜しくお願い致します。さて、2013年のカウントダウンは円高などの影響なのか、大物外タレを呼ぶパーティーは確実に減っていて、逆に国内アーティストが中心になっていたように思われる。そんな状況の中でどのパーティーに行こうか少々迷ったものの、CalmやDJ NoriにDazzle Drumsが出演する青山のZeroへと行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Psyche / BFC - Elements 1989-1990 (2013 Remastered Version) (Planet E:PLE65353-0)
Psyche / BFC - Elements 1989-1990 (2013 Remastered Version)
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デトロイトと言うテクノの聖地から生まれ、そしてデトロイト・テクノの制作活動面で最も才能を発揮し続けているCarl Craig。その活動の長さゆえか、または潤沢なアイデアを持ち合わせているゆえか、初期の音楽性と現在のそれとは明らかに相違が見られる。もし一般的に言われるデトロイト・テクノと言う観点からC2の音楽を体験したい人にとっては、本作こそ聴くべき一枚だろう。この作品はC2の変名であるPsyche/BFC名義による作品を纏めて1996年にリリースされた編集盤ではあるが、1989年に制作された曲も含まれるC2の音楽活動に於ける最初期の結晶である。一旦は廃盤化していたものの今年の春頃にめでたく復刻され、ようやく誰もが入手出来るようになったのは喜ばしい限りだ。アルバムの冒頭を飾る"Elements"は最初に世の中にC2の存在を刻みつけた作品がではあるが、まだまだ若さと言うか精錬されていない素朴さが残るものの、このエモーショナルで柔らかいシンセ音と叙情的で思慮深い世界観は正にデトロイト・テクノとして象徴されるべきものであろう。そして初めて制作したと曲であると本人が語る"Neurotic Behavior"、この時点での深い瞑想世界を描き出すアンビエンスな空間を作り上げており、ダンス・ミュージックの定型に拘らない作風は既に見受けられる。弾けるブレイク・ビーツやパーカッションが爽快ながらも、セクシーかつ華麗なムードにはうっとりする"Crackdown"、今尚DJが使用する程にツール性とエモーショナルな要素を兼ねた"Galaxy"など、全てが20〜21歳頃に手掛けた作品ながらもその音楽的センスでは完全に異才を放っている。しかしどうやら当時は余りにも早過ぎたようで、彼の功績が正しく認められたのは90年代前半のUKで発生したインテリジェント・テクノの方面からであり、その意味でも確かに特異であったのかもしれない。アルバムの最後にはジャーマン・プログレ風に自由に電子音を操りながら、夢心地なサウンドスケープの中にいびきが挿入される"Sleep"が待ち受けているが、こんなユーモアを持ちながらもアンビエントとして完成させる才能は最近の彼には感じられないものだ。もしテクノと言う音楽を愛しながら、しかしCarl Craigの初期の作品に触れた事が無い人は、是非とも本作で電子音楽の自由な創作活動を体験して欲しいと思う。

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| TECHNO10 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker Feat. Reno Ka - Finally Part 1 (Planet E:PLE65356-1)
Terrence Parker Feat. Reno Ka - Finally Part 1

久しぶりのPlanet E新作は、ゴスペル・ハウスを掲げて活動するデトロイトの古参アーティストであるTerrence Parkerによるもの。元々はTerrence自身が主宰する Parker Music Worksから2012年にリリースされていた"Finally"が、今年になって複数のレーベルへとライセンスされたのだが、Planet EではPart 1とPart 2を手掛けている。このPart 1ではPlanet E主宰のCarl Craigと、そして何とNYハウスの重鎮であるLouie Vegaがリミックスを提供しており、実に豪華な内容だ。Terrenceによるピアノとオルガンが鮮烈なゴスペル的なオリジナルに比べると、"Finally (Planet E Mix)"はソウルフルなピアノのコード展開はありつつもテッキーなサウンドで塗り被され、綺麗目のモダンテイストを打ち出したハウスとなっている。それをCarl Craigが控えめにエディットした"Finally (C2 Edit)"は、幾分か派手な展開を抑えてじっくりとディープに低空飛行するような渋い調整を行っている。裏面に収録の"Finally (Louie Vega Dance Ritual Mix)"だが、NYハウスのLouieなのだからラテン系に塗り替えたのかと予想していたところ、全く予想していなかったディープなテック系へと塗り替えていたのには驚きだ。ソウルフルな女性ボーカルは生きているものの、エレクトロニックなシンセのリフや透明感のあるパッドを薄く伸ばして、洗練されたテック系に仕上げたリミックスは何も言われなければまさかLouieの作品だとは気付かないかもしれない。しかしやはりDJとしての活動の賜物か、10分にも及ぶ大作でありながら冗長さを感じさせずに、DJツール的なシンプルな構成としての使い易さもある。両面どちらも使い勝手の良いリミックスだろう。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/10/26 DAWD Vol.5 @ Oath
前夜に続き土曜もハロウィンパーティー一色、都内各地で大型パーティーが開催されており迷っていたが、普通にパーティーをパーティーらしく楽しみたかったので小箱のOathへと出向いてきた。目指すはJun Kitamuraがかつて不定期開催していたと言うDAWD。そのパーティーは2012年に復活し、REMI、haraguchic、DJ SINOらも加わって開催を重ね、今回のハロウィンの時期にはなんとOathには初登場となるDazzle Drumsをゲストに迎えていた。
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| EVENT REPORT4 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cesar Merveille / Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II (Cadenza Records:CADCD13)
Cesar Merveille Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II
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チリアン・ミニマルを代表するレーベルとして名高いLuciano主宰によるCacenzaだが、近年はイビサを中心に世界各地でレギュラーパーティーとして“Vagabundos”を開催している。本作はそのパーティーに関連したMIXCDシリーズの3作目だが、ここではCadenzaからのヒット作で注目を集めたCesar MerveilleとMirko LokoがDJに起用されている。Cadenza自体は今でもチリアン・ミニマルとしての要素も残しているが、それ以上にバレアリックな多幸感や慎ましやかな優美さを追求しているようで、その傾向は本作にも如実に表れている。Cesarが担当した方はレーベルによれば「ディープでアンダーグラウンドなハウス」との事だが、ハードではないが安定感のあるリズムを刻みながらふらふらと酩酊するメロディーが漂い、確かに浮上する事のないアンダーグラウンドな感覚が通底している。快楽の殻を突き破る事もなく深い世界の中を迷い込んだままのような適度にヒプノティックな感覚が続き、ミニマル〜ディープ・ハウス〜テック・ハウスをしなやかに紡ぎ合わせ、後半に進むに連れてメランコリーが増す展開がえも言われぬ酩酊感を発しているのだ。対してMirkoが手掛けたミックスはよりメランコリーが強く打ち出されており、半ば恍惚のトランス感にさえ包まれる程に快楽的だ。"Dea"から"Tarzan (Âme Remix)"に繋がる瞬間の美しくも深い快楽に包まれるも、そこから一転して荒々しいシカゴ・ハウスの"House Room (Paul Du Lac Vocal Remix)"で目を覚まされ、そして繊細なピアノやストリングスが端正にメロディーを組みながら長くドラマティックに盛り上がる"The Rebirth"で一旦ピークを迎える。そこから終盤にかけては更に感情の吐露による揺さぶりをかけながら、ラスト間際ではMaster C & JとVirgoによる懐かしい物悲しさを含むシカゴ・ハウスが続き、ラストには正にコズミックな深宇宙が広がる"Cosmic Race"で感動的なフィナーレを迎える。2枚どちらもCadenzaに連綿と受け継がれてきたひれ伏してしまう神々しさ、官能的なエレガンスが最大限発揮されているが、特にMirko Lokoによるミックスがオールド・スクールとモダンが自然と溶け合っており素晴らしい。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Masterpiece Created By Carl Craig (Ministry Of Sound:MOSCD303)
Masterpiece Created By Carl Craig
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ジャンルを限定せずにダンス・ミュージックに於ける重鎮を起用して人気を博しているMIXCDシリーズ「Masterpiece」、その最新作には遂にデトロイト・テクノの中心に居座り続ける重鎮・Carl Craigが登場した。彼について言及しておくとアーティスト的な面でデトロイト・テクノをそこからより多方へと飛翔させた手腕の評価は誰もが認めているだろうが、その一方DJ面については大箱やレイブでは受けはするであろうド派手なプレイが際立ち、求道的に個性を確立させた音はそれ程聞こえてはこない。ここで本作に注目するとMIXCDはCD1の"Aspiration"だけであり、他は"Inspiration"と"Meditation"のコンピレーションとなっているので、つまり彼のDJに然程魅力を感じていない人に対しても十分な価値を持たせるものとなっている。

"Aspiration"について言えばデトロイト発のアーティストの作品を多用はしているものの、ここでは殆どデトロイト・テクノ的なエモーションを感じられる瞬間は無いだろう。出だしこそKyle Hallによる凶悪なアシッドテクノで強い印象を打ち付けるが、そこからはヨーロッパ的なテック・ハウス/プログレッシヴ・ハウスの端正な電子音を打ち出して、スムースなミックスを施しつつズンドコしたグルーヴ感と心地よい陶酔が広がるテック感を継続させ、良い意味では万人受けしそうな分り易い展開を作っている。後半ではヒット曲の応酬でフィルター・ディスコやデトロイト・ハウスにオールド・エレクトロなどCarlの派手な音楽性が見事に炸裂しており、盛り上がりと言う観点からすると十分な内容ではある。決して長年の経験を重ねた深みがあるわけではないが、大箱でのプレイを体験するようなエンターテイメントとして楽しめるMIXCDとして価値はあるだろう。

そして”Inspiration”はそのタイトル通りにCarlが影響を受けた音楽を選び抜いており、アーティストの背景を知る楽しみを持ち合わせている。年代もジャンルも多岐に渡り、ファンクにレゲエやダブ、ヒップホップにR&B、ジャズやボサノバ、そして勿論テクノまで収録しており、こんな選曲をクラブでは無理だとしても今回のようなプロジェクトの中でMIXCDとして披露すれば余計に面白いのではと思うところもある。

本作でリリース前に最も注目を集めていたのは"Meditation"ではないだろうか。なんと全曲未発表曲でボリュームはアルバム級と、つまり久しぶりのオリジナルアルバムと考えれば熱心なファンが反応するのは当然だろう。しかし"黙想"と名付けられているようにここには彼らしいファンキーなグルーヴも実験的なサウンドも無く、沈静化したアンビエントが広がる正に"Meditation"な音が待っている。フロアからは遠ざかった神妙で張り詰めたムードがあるが、その一方では電子音と戯れながら自由に音を鳴らしたようなラフスケッチ的な印象も受け、作品としては少々煮え切らなさもある。ただ目を閉じ音に耳を傾ければ、世の中の喧騒から解き放たれ雑念も消えるような瞑想音楽としては確かに合っているようでもあり、就寝時のBGMとして心地良さそうだ。Carlによる最新のダンス・ミュージックが聴きたかったのも本音だが、先ず先ずは新作が聴けただけでも嬉しい限りだ。

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| TECHNO10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Bicep - Vision Of Love (KMS Records:KMS120)
Bicep - Vision Of Love

Kevin Saunderson率いるKMSの新作は、アイルランドはベルファスト出身のAndrew FergusonとMatthew McBriarによるBicepのエディット盤だ。エディットを手掛けたのはKevinと郷里を共にするデトロイトのCarl Craigで、大御所レーベルであるKMSと大物アーティストの絡みは話題性抜群だろう。Bicep自体は2010年頃にデビューした制作面に於いてはまだ若手と言える存在だが、Aus Musicなどの実力派レーベルから多数の作品をリリースし注目を集めている。本作では作曲にKevin Saundersonも参加した上にCarl Craigがエディットを手掛けているのだから当然悪いわけはないが、作風としては90年代のミドルスクール・ハウスを意識しているように聞こえてくる。例えばKevinによるInner Cityの派手な商業面を意識しながらもソウルフルなガラージとしても通用するボーカル・ハウス路線で、一聴して耳に残るメロディーやボーカルの旋律は流石のベテラン芸だ。それをC2がオリジナルに忠実ながらも絶妙に溜めを作るように音の抜き差しやイコライジング処理と引き伸ばしを行っているので、よりフロアでのツール的な面を強調しながらも自然と盛りがっていくエディットへと昇華している。拳を握って歌いたくなるホットなボーカルや古典的なピアノのコード展開などコテコテなハウスではあるが、こんな基本を抑えた音楽は何時であろうと時代に左右されずに心に響くのだろう。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sandwell District - Fabric 69 (Fabric Records:fabric137)
Sandwell District - Fabric 69
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2010年頃からベルリンのアンダーグラウンド界隈で注目を集めていたSandwell District。FunctionことDavid SumnerとRegisことKarl O'Connorから成るこのユニットは、誠に残念ながらFabricの名物MIXCDシリーズの69作目で終焉を迎える事が空気として伝わってきている。公式リリースとしては初のMIXではありながら最終作でもあり、その観点からすると集大成と捉えるべきなのだろうか。以前にパーティーでSandwell Districtのプレイを聴いた時には煮え切らないプレイにやきもきしたものの、本作ではCDと言う媒体のおかげか選曲の繊細な妙技を感じられ、Sandwell Districtらしい鉄の鈍い輝きを放つダークな展開を終始保った重厚感のあるテクノの地平が広がっている。メディアの話では本作はソフトウェアによって入念にミックスが行われた作品との事で、パーティーらしい激しいライブ感よりはアートとしての精巧な展開がより強く表現されている。出だしの3曲からしてRegisやFunctionが制作に絡んでいる曲から始まるのはご愛嬌としても、序盤から新しい何かが萌芽するような胎動から始まり、大きな変化を作らず繋ぎ目も分からない程に滑らか展開を伴ってビートは強みを増していく。その後も杭を打ち込むような安定感のあるキックが刻む中で、荒涼とした景色が広がる灰色のモノクロームな音像を見せながら大きな山も谷も作らずに水平構造を保つ展開が続く。疾走感や重圧による強迫的な音ではなく密閉された空間から生まれる闇の不気味さが通底し、空気としてのインダストリアルやポスト・パンクのアティチュードは確かに存在しているのだ。行き過ぎたハードテクノへの反抗と言うべきか、表面的に過激な音は本作では殆ど聴かれない。しかし鳴っている音の雰囲気は朽ち果てた末の荒涼とした世界を目の前に描き出しており、単なるハードなテクノとは一線を画す事を意識してミックスをしているのが伝わってくる。オリジナル作品においても聴かせる事も重視していたSandwell Districtらしさは本作でも軸としてあり、確かに最終章として円熟味を開花させたミックスと言えよう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz - Take Words In Return (Watergate Records:WGVINYL010)
Henrik Schwarz - Take Words In Return
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リミックスワークにおいては常に数多のアーティストから引っ張りダコであるHenrik Schwarzなのですっかり忘れてはいたが、自身のソロ活動としては暫く新作をリリースしていなかった。本作は実に3年ぶりとなる久しぶりのオリジナル作品なので注目を浴びるのは当然として、その上Carl Craigがリミキサーに起用されたと言う事では買い逃しは厳禁にならざるを得ない。Schwarz自身がボーカルも務める"Return Version"では、その悩ましげな暗い歌と共に異国情緒を匂わせるどす黒いサイケデリアが渦巻くディープ・ハウスを披露しており、軽目の酩酊が何処までも継続する。ピークタイムに持って行く迄にずぶずぶと泥臭い深みに嵌めるタイプの曲で、Schwarzらしい覚醒感はあるが比較的落ち着きのあるトラックだ。その一方でやはり才能を大爆発させたのが"C2 Vocal Rmx"を提供したCarl Craigで、キレのあるハイハットや精密に打たれる4つ打ちのファットなキックなどリズムトラックで洗練へと向かいつつ、ギラついた輝きを見せるシンセや未来的なインテリジェンスも感じさせるサウンドを被せて、エレクトロニックへと向かいながらも情緒豊かなデトロイト・テクノへと見事に昇華させている。やっている事はいつもそれ程変わらないのに、一聴してC2の音だと判断がつくその個性は貫禄さえ漂わせている。レコードは重量盤かつホワイト盤で存在感もバッチリなので、やはりアナログで所有するのがベターだろうが、配信ではトラックに特化した歌無しの"C2 Inst Rmx"も収録されている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Space Dimension Controller - Welcome To Mikrosector-50 (R & S Records:RS1303CD)
Space Dimension Controller - Welcome To Mikrosector-50
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誰しも子供の頃には夢見るサイエンス・フィクションの世界を、Space Dimension ControllerことJack Hamillは音楽によって描き出す。音楽が音楽だけで評価されるべきであると言う考えもありつつ、しかしSDCは2009年にデビューしてから2度に渡りアルバム級の2枚組アナログ作品によって壮大なSFを展開し、想像力を喚起する音楽としても高い評価を得ているように思われる。彼にとって初となる本アルバムでも同様に、Mr.8040が24世紀から現代にタイムスリップし故郷へと帰還すると言う物語を題材にしながら、アルバムの構成はしっかりとイントロから始まり様々な旅を経てのアウトロに繋がっていくストーリー仕立てだ。本作で驚くべきは今までにも見え隠れしていたファンクの要素が前面に飛び出し、例えば初期のCarl CraigがParliamentと、例えばJuan AtkinsがPrinceとジャムセッションをするように、つまりはテクノ/エレクトロとPファンクが見事なまでの融和を見せている事だ。プログラミングと共にギターやベースにドラムを導入し、メロディーはオートワウによって歪められリズムセッションには微かにリバーブを施し、そして語り声や歌はロボットボイス風に加工されている。見事に80年代的なファンクやエレクトロを現在に復活させているが、しかし汗臭い要素は全くなくモダンなテクノとして成り立っている事を忘れてはならない。何よりも素晴らしいのは胸をときめかせるファンタジーや切なさを呼び起こす淡いノスタルジーが満ち溢れ、聴く者を童心に返らせる事だ。アルバムと言うフォーマットを十分に活かす為に、ツール的な曲ではなく流れを意識して聴く為に制作された曲がシームレスに展開され、ストーリー仕掛けの音楽がレトロフューチャーを蘇らすのだ。近年稀に見る素晴らしいシンセファンクと断言する。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Redshape - Square (Running Back:RBCD05)
Redshape - Square
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ドイツにてGerd Jansonが運営しているディスコやブギーに傾倒したハウスを送り出しているRunning Backから、なんと意外としか言いようのないRedshapeのアルバムが昨年リリースされた。Redshapeと言えばDelsinやMusic Manなどのレーベルからのリリース歴がある事からも分かる通り、デトロイト・テクノの未来的なヴィジョンを描きながらより自由なスタイルを持ったテクノソウルを表現していて、本作も当然の如くRunning Backのレーベル性からはみ出したRedshape独自の音楽性を爆発させている。真紅の仮面を被り正体を隠しながらライブを行うRedshapeは、音楽も正にミステリアスなのか不気味なのか得体の知れないおどろおどろしさがあるが、そのムードを活かした重厚な世界観は単なるダンス・ミュージックとは一線を画す音楽性がある。例えば本作は4つ打ちのダンスだけに傾倒したアルバムではなく、"Atlantic"のように奇妙な金切り声のようなシンセがヒプノティックなブレイク・ビーツや、荘厳なシンセのオーロラに包まれ無重力空間へと放り出されるアンビエントな"Departing"に、黒い空気とブリーピーな絡みが独特なヒップホップ"Until We Burn"など非常に多彩な面を持ちながら、強い重力を生み出すシリアスな世界の統一感がある。その一方でシカゴ・ハウスを思わせるチージーなキックやハンドクラップを多用した狂気溢れるハウスの"It's In Rain"、初期のCarl Craigを思い起こさせる青臭さも残る未来的なテクノの"The Playground"などRedshapeのルーツに迫るトラックもあり、アルバムとして聴かせる構成力とDJツールとしての利便性を兼ねた音楽性豊かなアーティストである事が分かる。何だかスタイルがあるようでないような正にミステリアスな音楽性で、それが非常にアクの強い存在感を放つのだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paperclip People - Throw Remix (Planet E:PLE 65351-1)
Paperclip People - Throw Remix
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デトロイト・テクノのアーティストの中では実験的な試みを繰り広げるCarl Craigが、最もダンスに寄り添った音楽性を披露しているのがPaperclip People。その中でも94年にリリースされた"Throw"はガッチャマンやLoleatta Hollowayをサンプリングしながら10分を越えるどす黒くてサイケデリックなハウスで、当時どころか現在になってもフロアでよく耳にする事が多いクラシックとなった不朽の名作だ。そんな作品が20年を経てUKはスコットランドのSlamによって蘇る事となった。元々はデータ配信でリリースされていたものの、誰かがブート盤でアナログを勝手にリリースした為、それへの対抗手段として正式にアナログがリリースされたそうだ。オリジナルはざらついたハイハットが特徴となり滑るようなグルーヴと強烈なベースラインでぐいぐいと引っ張っていくハウスだが、本作はベースラインはそのままにSlamの手によって全体的にゴツくて硬いテクノとして生まれ変わっている。重圧、硬さはアップデートされ殴られるようなパーカッションも地味に追加され、立ちはだかる物をゴリゴリと薙ぎ倒す突進力が備わっている。当然の如くピークタイム仕様で盛り上がるのは間違いないので便利ではあるし、アナログにはDJツールとしてループが3本収録されているので、それを他の曲とミックスすれば使い道は更に広がるだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Delano Smith - Reconstructed (Sushitech:SUSH20)
Delano Smith - Reconstructed

昨年DJキャリア30年以上にして初のアルバム"An Odyssey"をリリースしたデトロイトのDelano Smith。アルバムは長い活動の果てに辿り着いた実直なハウスミュージックで満たされていたが、そこからのシングルカットなる本作はDelanoと故郷を同じくするデトロイトのCarl CraigとMike Huckabyがリミックスを提供する注目の一枚となっている。タイトル通りに真夜中の空気が漂うハウスである"Midnight Hours"のCarl Craigによるリミックスは、彼にしてはオリジナルを尊重したのか意識的に元からあるエレピのフレーズも借用しつつ元のムードを踏襲する作風に仕立てた上げ、最近のC2にしては珍しくディープ・ハウスを聞かせている。その意味ではリミックスとしての役割は少ないように思われてしまうかもしれないが、しかしそこはデトロイトの大天才、オリジナルよりもリズムやメロディーをくっきりと浮かび上がらせ、よりダンストラックとして芯のあるグルーヴを生み出している。その一方で自らの個性を尊重したのはMike Huckabyによる"What I Do"のリミックスで、オリジナルが湿っぽく内向的なハウスだったのに対し、Huckabyは完全にテクノとも思われるごっつくて硬い音質に染め上げている。しかし骨太で猛々しい表層でありながら、新しく湿っぽいボイスサンプルを追加したり情感のあるしっとりしたシンセのレイヤーで色気も醸し出し、結局はデトロイトらしいソウルを感じさせるトラックとなっている事に安心した。音楽の大先輩であるDelanoに敬意を示したのか両者ともデトロイト魂を打ち出したリミックスを提供していて少々手堅い印象が無くもないが、DJが使うにはもってこいの内容となっている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
MS00 / BEYOND THE DANCE TRANSMAT 4 (Lastrum:LACD-0235)
MS00 / BEYOND THE DANCE TRANSMAT 4
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テクノと言う音楽を聴く者にとって、おそらくTransmatと言うレーベルを避けて通る事は不可能に近いだろう。デトロイト・テクノのイノベーターであるDerrick Mayが1986年に設立したこのTransmatは、多くのダイヤの原石だったアーティストを世に知らしめ、デトロイト・テクノの代名詞にも近い程の評価を獲得した。Derrick本人はTransmatの音楽を単なるダンスミュージック以上の価値を持つものと考えている為、それらをテクノと呼ばれる事にはあまり納得していないそうなのだが、しかし本作を聴くと確かにDerrickの意図する事は分からなくもない。本作はレーベルにとって実に12年ぶり、通算4枚目となるレーベルコンピレーションだ。Transmatの過去の隠れた名作と共に、傘下のレーベルであるFragileからも、そして今後Transmatからもリリース予定のある若手、更にはDerrick自身の失われた未発表作までもが収録されている。収録曲の多くはダンスミュージックと呼ばれるテクノではある事に間違いはないが、それと共に音の持つ繊細な美しさは芸術的に磨き上げられ、感情を揺さぶる内省的な、もっと言えばシリアスな佇まいさえ浮き出ている。それはダンスフロアを離れた音がベッドルームで鳴る時にも、決して単調で飽きないように意識に働きかける音として(アーティストのその意図があったかどうかは抜きにしても)作られているようにも感じられるのだ。今までのコンピレーションと異なっているのはレーベル初期の作品から近年の作品、そして新作までも網羅した正にレーベルの歴史(の一部)である事だ。Choice(Laurent Garnier)やCarl Craig、Silent Phase(Stacey Pullen)の大傑作と共に、DjinxxやDouble HelixにTony DrakeやSans Soleilなどの一般的にはそれ程知られていない作品、そしてレーベル再始動のきっかけとなったGreg GowやDVS1の作品が網羅されている事は、Transmatの音楽性を包括していると言っても過言ではないだろう。また複数の若手アーティストの楽曲も、テクノの未来を切り開くべく可能性に満ちた内容となっている。最後にはDerrick Mayの作品が待ちわびているが、まあこれはある意味サービスとして収録された位の出来だ。それは逆にもはやDerrickが作品を作らなくても、レーベルには多くの才能が存在している事の証でもある。そのダンスの向こう側に存在する音を、是非体験して欲しい。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes (Rush Hour Recordings:RH 046)
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes
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一時期の低迷から脱して絶好調な活躍をみせるRecloose、2012年における3枚目のリリースは蜜月の関係にあるオランダはRush Hourより。Reclooseと言えば元々はCarl Craigに見出されPlanet Eからデビューしているが、Rush Hourもデトロイトを深く掘り下げるレーベルである事から、両者の相性はきっと良いのだろう。本作はReclooseの作品をデトロイト関連としてAndresとThe Oliverwho FactoryがリミックスしたEPだが、これが期待していた以上に素晴らしい。Andresによる"Electric Sunshine (Andres Remix)"はオリジナルのフュージョンを思わせる艶のあるシンセサウンドは残しながら、見事にフロア仕様の4つ打ちへと変わっている。ざっくりと生の質感が強いキックやパーカッション類は体温とフィットするようで、ブギーハウスな聞こえ方さえする。オリジナルはR&Bシンガーを起用したソウルフルなフュージョンハウスだったのを、完全なテクノ仕様にリミックスしたが"Magic (Oliverwho Factory Remix)"だ。ボーカルも残してはいるものの南国の温かなムードは消え去り、展開を抑えて肌に突き刺さる攻撃的な染め上げたテック・ハウスだ。また新曲である"Chamois"も収録されているが、これはReclooseの活動に脂が乗っている事を証明する最高の曲だ。ディスコテイストな綺羅びやかシンセを用いつつ、ファンキーなベースラインや疾走感のあるリズムによって体が自然と動いてしまう。フィルターを使用した展開の付け方が派手でもありながら優雅な佇まいさえある洗練された音の選び方には、Reclooseの繊細さと大胆さが見事に共存している。リミックス、新曲のどれもが心底素晴らしい内容で、そろそろこの路線でアルバムをリリースして欲しいと思う。

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2013/1/5 KMS RECORDS "TRIBUTE TO DETROIT" @ Air
2013年も遂に始まりましたが、その一発目のパーティーはデトロイトテクノのベルヴィル・スリーの一人であるKevin Saundersonが登場。Juan Atkinsがオリジネーターであり、Derrick Mayはイノベーターであり、そして一方Kevin Saundersonはと言うとエレベーター、つまり売り上げ的な面も含めて最もデトロイトテクノを高みに上がらせたアーティストです。コマーシャルな作風ではありつつもテクノ/ハウスの両面でヒット作を量産し、メジャーへ殴り込みを掛けたその功績は疑うべくもありません。そして今回は彼が主宰するKMS Recordsをフィーチャーしたパーティーと言う事で、日本からもデトロイト・テクノ/ハウスに造詣の深いSTEREOCiTIやDifferent World(Claude Young & Takasi Nakajima)らが招かれ、デトロイト好きには堪らないパーティーが開催されました。
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2012/11/10 SOUND MUSEUM VISION 1st ANNIVERSARY Heartbeat Special @ SOUND MUSEUM VISION
2011年に渋谷にオープンした大型クラブ・Sound Museum Vision。その一周年記念としてこのクラブがリリースにも関連しているMIXCDであるHeartbeatのパーティーが開催されたのですが、そのゲストがデトロイトからDerrick MayとNYからFrancois K.によるCosmic Twinsと言うスペシャルユニットとなっており、東京でこの両者が同時にプレイした事は数える程しかない貴重な体験であるので期待を胸に遊びに行ってきました。
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Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich (Planet E:PLE65347-2)
Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich
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デトロイト・テクノに於ける最大の功労者とも言えるCarl Craigが、しかしデトロイト・テクノから遠く離れハウスのグルーヴを追求したプロジェクトがPaperclip Peopleだ。特に初期のC2が実験的にテクノを未来へと推し進めつつある中で、その一方ではこのPaperclip People名義でハウス/ディスコへの愛情を根底に様々な音楽のネタのサンプリング・ループを用いて、DJユースを意識したダンスオリエンテッドな曲で絶大な評価を獲得する。その活動の集大成として1996年にはPaperclip People名義の作品を纏めたアルバムがリリースされたのだが、その人気故から永らく廃盤となっていた本作が、遂にリマスター処理もされた上での再発となった。兎に角この名義ではネタの宝庫とも言えるサンプリングを楽しんで欲しいが、Bombers、Loleatta Holloway、Flying Lizards、Yello、Mantronix、果ては科学忍者隊ガッチャマンまで想像だにしない所からネタを持ってくるC2の嗅覚に驚く。C2の過去の音楽に対する深い知識と愛情がC2の中で咀嚼され、そして次世代の音楽としてアウトプットされた事は、未来だけを見据えた視点だけでなく過去の埋もれた遺産にも耳を傾ける行為が重要である事を証明している。とまあそんな背景があろうがなかろうが、本作は純粋に黒いディスコのファンキーさと肉感溢れるハウシーなグルーヴを十二分に体感出来て、今のC2からは失われつつある黒人音楽の要素を転用したエレクトロニック・ダンス・ミュージックを楽しむ事が出来るだろう。残念な事に再発の際に一部のサンプリングは諸事情によりカットされてしまっているが、それでも一家に一枚は手元に置いて欲しいレベルの大傑作なのは間違いない。

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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Slam - Azure Remixes (Carl Craig & KiNK) (Soma Quality Recordings:Soma 333)
Slam - Azure Remixes (Carl Craig & KiNK)

UKはスコットランドを代表する老舗テクノレーベルであるSoma。1991年にSlamによって設立され初期はデトロイト・テクノに影響をうけつつ、その後はエレクトロやミニマルも消化吸収し時代を超えてフロアと蜜月の関係を持っている素晴らしいレーベルの一つだ。昨年でレーベル発足から20年を迎えた記念としてレーベルを主宰するSlamのリミックスEPシリーズがリリースされているが、本作はそのシリーズの一枚で大ヒットした"Azure"をCarl CraigとKiNKがリミックスした物。SlamはUKにしては珍しく図太いリズムトラックで硬派な音を鳴らしていたが、それと共にデトロイト・テクノにも影響を受けたであろうメロディアスな作風を得意としていた。"Azure"は正にそれを体現した曲でもあるが、そんな曲をデトロイトを体現するC2がリミックスしたとなれば結果は明白だ。原曲のメロディアスなフレーズはそのまま利用し更に泣きのシンセを付け加えノンビートのまま引っ張り続ける序盤、そして堰を切ったようにリズムが入ってからは一気に加速し宇宙へと飛翔する昂揚感が続く。無駄を省いたスリムな構成で、しかし硬く太く芯のあるキックがしっかりと打ちつける骨太なリズムトラックと共に、覚醒感を煽るように繰り返されるシンセのリフは美しくも儚い世界を描き、最後には全てを出し切り物静かに終わりを迎える激動の1曲だ。対してブルガリアから名乗りを上げたKiNKのリミックスは、原曲のメロディーは解体し微妙にアシッド気味なシンセと重いベースラインが主張するダークなエレクトロへと再構築させた。快楽的と言うよりは毒々しく禍々しい凶悪な音が滲み出ていて、リミックスと言う言葉が相応しい内容だ。両者全く異なるリミックスとなっているが、やはりここはC2に軍配が上がっている。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carls Davis - Last Decade EP (Planet E:PLE65350-1)
Carls Davis - Last Decade EP
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Carls Davis、聞いた事の無いアーティストがPlanet Eよりデビュー盤をリリース…と思ったら、なんとレーベル主宰者であるCarl Craigの変名だったと言う嬉しいニュース。リミックスワークは尋常ならざるペースで引き受ける一方、Carl単独での完全な新作となると何年ぶりだろうと思っても思い出せない程に新作を出さなかったCarlでしたが、「この10年間」と言うタイトル通りなのかは謎ですが兎に角溜まっていた楽曲をようやく放出しました。SketchesのPt.1〜6までとわざとイメージをわかせないように題された曲群は、Carlにしては頭の中にある音像をラフにスケッチしたまだ完成にまで及んでいないようにも思われるプロトタイプ的なテクノでありながら、しかし懐かしき初期デトロイト・テクノを思わせる物からDJツール特化型な物までバランスよく収録しています。Pt.1はブリっとしたシンセによってビルドアップされコズミックなリフが挿入されるファンキーで切れのあるデトロイト・テクノで、作風自体に特に新鮮味は感じないものの音の使い方やリズムのハネ感には天才的なセンスを感じますね。Pt.3は恐らくCarlが他人のリミックスワークで使用した様々な音ネタを組み合わせたと思われるスカスカの低音重視型のテクノで、もしかしたらこのEP自体がそんな音ネタを再構築させているのかも。Pt.4はパーカッシヴなリズムトラックに厳粛に聳え立つシンセが先導するディープかつ未来的なテクノで、一聴してCarlが制作したと判断出来るオリジナリティーがあります。Pt.5やスカスカに骨抜きされ乾いたリズムトラックで、DJツールとして使う事を予め意図されてもいます。普段よりも全体的に曲尺が短かったり作り込みはされていなくも思われますが、その荒く削りだした作風でさえも素晴らしく流石と言わざるを得ません。

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| TECHNO9 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 2 (Octave Lab:OTLCD-1760)
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 2
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5年前にKaito名義でリリースした"Contact To The Spirits"(過去レビュー)はKaitoの魅力と、そしてKompaktとの共同プロジェクトとしてKompaktの魅力を世に伝える意味で特別であった。そして本作はそのタイトルの続編ではあるが名義は本名でとなり、Kompaktの制約も無くなるなど相違はあるが、やはり特別である事は曲目を見て気付くはずだ。一目見て気付くのは彼との繋がりもそれ程なさそうであったデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスが導入されている事で、リスナーからすれば少々意外な印象を受けるだろう。しかし本人から聞かせて頂いた話では元々NYでの活動時代からそれらを好んで聴いていた訳で、本人の中ではデトロイト・テクノと結び付く事はなにも意外な事ではないと伺った。となると今それらが表面化してきた事は、レーベルや名義での制約から解き放たれ自分自身の中に常に存在する音楽を、自然と手繰り寄せミックスした結果なのだろう。だからと言って本作がデトロイト系のミックスであるとも思わない。やはりここで聴けるのはワタナベヒロシと呼べる音であり、それは優しく包み込み包容力やそれに相反する沸き起こる力強さを伴うテクノ/ハウスである。これまで以上にリズム/グルーヴの変化の付け方は深みを増し、幻想的なトランス感を呼び起こす音から生々しい肉体感を感じさせる音まで広がりを聞かせながら、曲と曲とを多層的に被せる事で未知なる展開を生み出す事に成功している。また一瞬足りとも気の抜けない流れの中で、最後には日本人の曲が3曲並んでいる事は同じ日本人として喜ぶべきだろう。無理な展開は感じさせずにそれらは当たり前の様に自然とミックスされているが、そこにワタナベさんが日本のダンスミュージックの期待を一身に背負っている気概は伝わってくるだろう。彼にとってもう6枚目となるMIXCDであるのに、停滞とは全く無縁であるどころか明日へと前進を尚続けている。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/04/14 SIGNATURE vol.02 @ Sound Museum Vision
Sound Museum Visionと言う大型クラブだからこそ成し得るパーティーがあるとしたらやはり豪華なブッキングを突き詰める事だと思うが、その端的な例が今回のパーティーではなかろうか。デトロイトからテクノとラテンを融合させたライブを行うLos Hermanosを招致し、日本からは若かりし頃にデトロイト・テクノに魅了されたKen Ishii、デトロイトの叙情的な音楽感とも共通する方向性を持つHiroshi Watanabe、そしてデトロイトテクノを愛するTakamori K.が出演すると言うフェスティバルに勝るとも劣らない素晴らしいアーティストが集結した。
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| EVENT REPORT3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Magic (Rush Hour Recordings:RH 038)
Recloose - Magic
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ニュージーランドの南国な音楽性にどっぷりはまりファンを困惑させていたMatthew ChicoineことReclooseも、前作にてRush Hour Recordingsへと身を移すと再度テクノ/ハウス色を強めたクラブミュージックへと回帰し復活を果たしましたが、この新作もその流れで生っぽさは匂わせつつも流麗なメロディーと疾走感のあるエレクトロニックビートを奏でる初期の様なRecloose節を聞かせております。タイトル曲の"Magic"ではR&BシンガーであるB.Sladeをボーカルに迎えて迸るソウルフルな歌が主張し、フュージョン風なアコースティックと電子のバランスを取った生暖かくも透き通るパッドが美しく彩るフュージョンハウスを披露。南国で過ごした楽天的な時間も無駄ではなかったのだろうか、パッション弾ける明るく陽気なサウンドも今では上手く馴染んでおります。"UHF"もトロピカルなメロディーや霞がかったボーカルが陽気なムードながらも、華麗に彩るシンセサウンドやスペーシーな効果音などを導入しながらテッキーな空気に染めていくフュージョン節に涎が滴り落ちそうです。更にはお師匠であるCarl Craigも"Magic"のエディットを提供し、原曲の雰囲気は全く壊さずによりフロア対応へとハイやロウを弄りブレイクの展開を導入したC2にしては珍しく手堅いアレンジを披露しています。EPと言うボリュームの少ない媒体ながらも、しかし前作からの流れと合わせて相当に脂が再度乗りつつある事を感じさせる内容で、このままアルバムへと突入してくれる事を期待して止みません。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kevin Saunderson Featuring Inner City - Future (Defected:DFTD331)
Kevin Saunderson Featuring Inner City - Future
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来日前日に急遽キャンセルをしてしまったKevin Saundersonですが、本来ならばそのパーティーでInner City名義では8年ぶりとなるこの新曲をかけてくれると期待していた人も多いはず。発売前からデリック・メイがMIXCDの中で使用していて「俺とケビンしかまだ持ってないんだぜ」と自慢していたその曲です。本作はなんと意外にもハウス系ではメジャーレーベルに属するDefectedからのリリースですが、元々ケビンの曲は大箱受けするゴージャスな作風が特徴なので特に違和感も感じないですね。勿論この名義なのだからハウスディーバであるParis Greyがボーカルとして参加し、セクシーで色っぽい歌を披露しております。何故かオリジナルバージョンは収録されておりませんが、デトロイト組のCarl CraigとKenny Larkinがリミックス&エディットを提供する豪華な内容なので文句は言うまい。C2はエディットとして提供しているので恐らくオリジナルにかなり近いのでしょうか、ケビンらしいズンドコとぶっとい4つ打ちとハウスでは定番の流麗なピアノのコード展開やシンセのアルペジオを生かして、豪華にピークタイムを演出するソウルフルなハウスとしてアレンジをしています。対するLarkinは相当に我を主張してGreyの歌を切り刻み、ドープなベースラインで引っ張り続ける焦らしの展開で溜めを作って一気に爆発させたりと、過激な展開を持ったファンキーなテクノに作り替えています。最近は音楽制作を以前程行なっていないケビンですが時々リリースする作品は当然の如くアンセム級で、本作もその例に漏れず2012年を代表する曲になるのではないでしょうか。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kevin Saunderson In The House (Defected Records:ITH43CD)
Kevin Saunderson In The House
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来日目前にしてデトロイト御三家の一人・Kevin Saundersonの5年ぶりのMIXCDが、なんとハウスレーベルではメジャーとも言えるDefectedよりリリースされました。originaterであるJuan Atkins、innovatorであるDerrick Mayと比べるとSaundersonの知名度は日本に於いても低い様に思われますが、elevatorとして認められる彼の功績は其の実三人の中で最も売上を伸ばした事であります。特にInner City名義によるソウルフルな歌物ハウスはデトロイトと言う枠組みを越えてメジャーシーンに於いても大ヒットし、前述の二人がテクノを開拓するのに対しSaundersonは徹底的にハウスに拘りデトロイトの知名度を上げるのに貢献していたのではないでしょうか。逆に言うと(今回もDefectedと組んでいるし)結構商業的な面は否めないのですが、その分だけDJプレイについては比較的広い層に受ける大箱向けの大味なセットも得意で盛り上がるのだと思います。ただ以前はトライバルかつハードなテクノ中心でズンドコと上げ目なプレイをしていた彼も、本作ではDefectedとの絡みの影響もあるのかスピード感は抑えてハウシーな要素の強いトラックで焦らすように低空飛行を続けるプレイを披露しております。00年代のハードテクノの終焉と共に時代に合わせて変化したのか、そんな点も含めて上手くシーンに適応する才能はやはり御三家の中では一番ですね。そして一番の醍醐味は躊躇なく自身のクラシックや現在ヒットしている曲をプレイする事で、本作に於いてもリリースしたばかりの"Future"や"Good Life"の2011年バージョンを回すなど、焦らしてからのタイミングを測ってお祭りの如く盛り上げるプレイが特徴です。どうせ派手にするなら硬めのテクノも織り交ぜて突き抜けても良かったんじゃないかと思いますが、Inner Cityでの活動はハウスである事を考慮すると本作に於いてもハウス中心なのは何もおかしくない訳ですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BNJMN - Black Square (Rush Hour Direct Current:RH-DC 1 CD)
BNJMN - Black Square
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Rush Hourと言うと近年はせっせとベテランの古典をリイシューばかりしているイメージもあるが、目の付け所が良いと言う点で言えば実は新人の発掘でも同じだ。このBNJMNことBen Thomasも幾つかの名義で既に作品はリリースしていたが、2010年にRush Hourよりリリースされたアルバム"Plastic World"(過去レビュー)によって日の目を浴びる事になった。前作では初期デトロイト・テクノやCarl Craigばりのサイエンス・フィクションを繰り広げていたが、新作では既に深化と呼ぶべきなのか音にまろやかさも出て来て熟成度は確実に高まっている。勿論安牌を求めたような作品ではなければ落ち着いてしまった訳でもなく、ベース・ミュージックにも似たパーカッションの導入やダンスミュージックとしての強度は高めつつも、相反するリスニングに傾倒した角の取れたアンビエントテイストな音色や底抜けに心地良いスペーシーな感覚は残しており、かつてのWarp Recordsが提唱していたArtificial Intelligenceを現代風にダンス化したものとも言えるかもしれない。何処かで聴いた事があるような感覚は否めないものの、それを差引いても揺るぎない作風 -未来的な予兆をたっぷり含んだ珠玉の曲 -が揃っているのだから、素直にカッコいいテクノだと認めるしかないのである。ちなみに本編は30分弱と短い為か、CD盤のみボーナス・トラックとして1stアルバムから5曲が追加されています。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Agoria Featuring Carl Craig & La Scalars - Speechless (Remixes Vol.1) (Infine:IF 2037)
Agoria Featuring Carl Craig & La Scalars - Speechless (Remixes Vol.1)
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多くの著名なDJがヘヴィープレイし大ヒットしたAgoriaの"Speechless"。重層的に幻想的なシンセが被さっていく大仰なテックハウスですが、その曲の中で妖艶な呟きを披露していたのがあろう事かデトロイト・テクノの大御所であるCarl Craigでした。本作はそのC2自身がリミックスを施すと言うファンには悶絶の出来事なのですが、これが12分超えの気合の入ったお仕事をしております。オリジナルの幻想的な雰囲気は忠実に守りつつも金属的な響きを加えたりリズム感を強調したりと、細かい所でC2らしいドギツい音をプラスして攻撃的な尖りを打ち出しております。新作は一向に制作しないC2ですが、こういった仕事っぷりを聴いているとその才能は疑うべくも無いと痛感します。さて裏面にはC2のリミックスを上回る20分にも及ぶリミックスを提供しているのがRadio Slaveです。こちらの方がよりオリジナルに忠実で滑らかな展開を薄く引き伸ばす様にソフトで滑らかな音が続きますが、非常に長い曲なのに不思議と冗長な印象は無く長い時間をかけてトランス感を引き起こす作風です。展開は少なめなものの途中で控えめに優雅な音を奏でるピアノが効果的にアクセントを付け、そこから更に上昇気流に乗る様に疾走する展開は間違いなく現場受けする音ですね。内容も最高ですが、ホワイトカラーヴァイナルなので更に購買意欲も増すってものです。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May×Air Vol.2 (Lastrum:LACD0216)
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May×Air Vol.2
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昨年13年ぶりに新しいMIXCDをリリースしたデトロイトの巨匠・Derrick May。インタビューでの彼の発言からは何処までが本気なのかよく分からない適当さを感じさせるが、その一方で東日本大震災の直後にも拘らず来日しAirやDommuneでプレイした数少ない外国のアーティストであり、良い意味で不真面目に熱い男でもある。だからこそとりわけ日本に対し特別な感情を持っている彼が、またこうして前作から2年も経たないうちに日本向けに新作を出すのは不思議な事ではないのかもしれない。前作に続き相変わらずの一球入魂っぷりが感じられる一発録りのライブレコーディングで、事前に組み立ても考えずその時その時の気持ちに任せた選曲には老獪に練られた流れはないものの、前作に比べると全体を通し音が鮮明でありながら逞しいグルーヴもあり、何よりもエモーショナルな気持ちの揺さぶりたるや前作の比ではない。テクノ、ハウス、アフロ、ジャズ等を入り混ぜたアフリカンな躍動感に合わせて鳴らされる熱き情熱的な音は、震災後の日本への応援の気持ちも込められているのかもと思ったりもするが、それに加えて彼がターンテーブルとあくせく格闘しプレイするからこそ生まれるものなのだろう。流れに関しては前述したように確かに勢いに任せているものの、選りすぐられた曲は普段のファンキーでラフな曲に加え湿っぽく感傷的な曲の比重が増えており、だからこそ力強さとメランコリーに介在するプレイとなっているのだ。前作も悪くはなかったが、新作は前作以上にクラブでの脂の乗っている時間帯のプレイを表現しており、クラブで体感出来るの最高の高揚感を感じさせてくれるに違いない。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Ronny & Renzo - Heartbreak Theme (REKIDS:REKIDS 056)
Ronny & Renzo - Heartbreak Theme
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Radio Slave主宰のサイケなテクノを送り出すRekidsより、ベルギーのデュオ・Ronny & Renzoが新作をリリース。この二人組はKing Kung Foo Recordsを自身で主宰し2006年から一年に一枚のペースでEPをリリースしておりますが、新作も前作から一年ぶりと相変わらずのマイペースっぷりです。が一年分の英気を込めた作品だけあって、本作も前作に負けじとやばい。ねっとりと超スロウなビートの上を重苦しいベースや暗黒さながらのSEが浮遊し、そしてドラッギーなシンセがミニマルに反復しつつサイケの泥沼に引きずり込まれる暗黒ディープミニマル。途中のブレイクでは一気に暗闇が晴れるように未来的な煌きのあるサウンドが這いずり出てきて、まるで大仰なCarl Craigの未来感を拝借した音も聴ける。と思ったら裏面ではCarl Craigがリミックスを提供しており、原曲よりビートを上げつつ切れ味も出したプログレ仕様。時折入るメタルパーカッションやらブリブリなシンセも加えてドギツさを増しながらも、Blade Runnerにも通じる近未来的な世界観がCarlの特徴。クラブでの深い時間帯にて壮大な展開を浴びせかけられるであろう名曲です。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paperclip People - 4 My Peepz Remixes (Planet E:PLE65334-1)
Paperclip People - 4 My Peepz Remixes
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今年はデトロイト・テクノの実験的レーベルでもあるPlanet Eの創立20周年だそうで、名作のリイシューやリミックス盤が続々とリリースされております。その関連としてCarl Craigの活動において特にハウス路線を推し進めていたPaperclip People名義の名作"4 My Peepz"も、新たにリミックスし直され復活しました。リミックスを手掛けたのは今ではプログレの見る影もなくなったミニマル前線に位置するDubfire。原曲はドロドロとした黒いグルーヴの渦巻くカオティックなハウスだったのですが、新たなリミックスはベースラインや上物等はほぼオリジナルと同じものの、ピッチを早め展開を抑えたミニマル仕様。いわゆるテクノっぽい冷たい温度で統一されダークな音色に興味も感じますが、正直な所オリジナルのピークタイムで爆発する流れがなく原曲越えは成らずですね。裏面にはLoco DiceとMartin Buttrichのコンビで"Parking Garage Politics"のニューリミックスを収録。乾いて味気ないキックやパーカッションを生かしたオールドスクールかつミニマルなハウスで、原曲のイメージを壊さずにグルーヴィーな仕様になっております。ただまあこうやってリミックス作品を聴くと、やはりCarl Craig様は偉大だなと常々思うばかり。

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| TECHNO9 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Saturday Night Manifesto (Rush Hour Recordings:RH035)
Recloose - Saturday Night Manifesto
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1998年のデビュー作からしてCarl CraigのPlanet-Eからリリースされたと言う輝かしい経歴を持つMatthew ChicoineことRecloose。テクノやハウスにジャズやヒップホップ、ソウルまで幅広い音楽に影響を受け新世代のビートを生み出していたReclooseは、デトロイトを越え海の向こうのウェスト・ロンドンのブロークン・ビーツの界隈でも一際注目を集める存在でした。ただニュージーランドに移行してからの作品は南国の風が吹くトロピカルなバンド路線で、正直に言えばファンの期待を長く裏切り続けてきたのが実情。しかし今年になりデトロイト〜シカゴの発掘に勤しむオランダのRush Hourから未発表曲を集めたコンピレーションを出したその交友からか、今度は同レーベルより実に3年ぶりの新作もリリースしました。これが今までの鬱憤を晴らすかの様な素晴らしい出来で、これぞ初期Reclooseに感じられたエレクトロ・ビートやファンキーな切れが戻ってきておりました。メロウで夢見心地なフュージョンサウンドの"Electric Sunshine"、爽やかに弾けるパーカッションと多幸感に溢れたボイスサンプルが軽快なグルーヴを生み出す"Parquet"、そしてテクノを意識した強烈なベースラインや美しいパッドを重ねたテックハウス"Tecumseh"など、どれも曲調は異なるものの見事にエレクトロニックな作風が復活しており、低迷していた評価を払拭するには十分過ぎる内容です。フロアでも絶対に盛り上がるカッコイイ曲ばかりだし、この勢いでRush Hourからアルバムをリリースしてくれよ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
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アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Ambient Selections 1995 - 2011 (Delsin:88dsr/jbn-cd1)
John Beltran - Ambient Selections 1995 - 2011
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素晴らしい、本当に言葉を失う程に素晴らしいベストアンビエントセレクション。真夏の到来と共にやって来たむさ苦しい真夏の為のカンフル剤とも言える。John Beltranは若かりし頃にデトロイトテクノに影響を受け、Carl Craigの伝説的なレーベル・RetroactiveからPlacid Angles名義で衝撃的なデビューを飾る。初期はデトロイトテクノやアンビエントに影響を受けたテクノをR & S RecordsやPeacefrog Recordsからリリースするも、その後はジャズやラテンなどの有機的な音楽へと矢先を向けてしまった。勿論創作性の高い彼ならではのラテンジャズの楽曲でもヒット作は出していたものの、世界各地での音楽活動に疲れた彼が最終的に求めたのはアンビエントであった。そして今だ、彼のアンビエントな楽曲を網羅したコンピレーションが届けられた。タイムレスと言う言葉が相応しい、そう16年間の歳月を全く感じさせない普遍的かつ夢見心地で郷愁を帯びた微睡みのアンビエント。雲一つ無いクリアブルーな空が脳内に拡がるドリーミーな音色に、身も心も全てを委ねて解放されるべき音楽。只のビートレスでだらしない音を垂れ流すBGMでもなく、宗教的で胡散臭いヒーリングとも違う、エレクトロニクスと生演奏の両方を通過してきたからこそ成し得る有機的なデジタルソウルを奏でる芳醇なアンビエント。心身の隅々まで洗われるようにピュアな音が血潮に乗って体を循環し、気怠いこの夏に於いても貴方の心を癒してくれるであろう傑作だ。

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| ETC3 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/7/8 Hi-TEK-SOUL @ Air
Derrick MayによるDerrick Mayの為のパーティーと言っても過言ではないHi-TEK-SOULに、Derrick本人の強力なプッシュによりTransmatからの作品でも評価を得たGreg Gowが登場(ちなみに日本初来日だそうな)。Gregはカナダのアーティストではあるけれど、その作風は確かにデトロイトテクノやTransmatの系譜にも入るエモーショナルかつファンキーなもので、DJプレイもきっとデトロイトを意識しているのだろうと期待して遊びに行きました。
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| EVENT REPORT3 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
David Alvarado / Santiago Salazar - La Soledad / Caja De Luz (Historia y Violencia:H&V006)
David Alvarado / Santiago Salazar - La Soledad / Caja De Luz

一時期はLos Hermanosのメンバーとして、そして自身のIcanで活動しているSantiago Salazarと、Sandwell Districtでの活躍も記憶に残るSilent Servantの共同レーベル・Historia y Violencia。レーベル公式のリリースながらもどのEPもホワイト盤らしき制作で、完全にDJツール向けのテクノトラックを粛々とリリースしているアンダーグラウンドなレーベルです。そのレーベルの新作はロスアンゼルスのテックハウサー・David AlvaradoとSantiago Salazarのスプリット盤。寡黙ながらもどの作品においても高品質なテックハウスを聴かせてくれるDavidは、やはり新作でも硬質で重厚感たっぷりなキックと朧げで無機質な上物で飛ばしまくるミニマルなテックハウスをやっていて、特に近年の硬派なベルリンテクノのミックスにはすんなりはまりそうな内容。そして一般的にはIcanでの活動からハウス系と思われている節もあるSantiagoは、なんとCarl Craigの"At Les"をネタに用いた神秘的なテックハウスを披露。"At Les"の儚いあの上物を終わりなくミニマルに反復させ、その下でアクの強いブリーピーなシンセが蠢き、美しさとドープなフロアの高揚が混じり合う見事な手腕を発揮しております。マイナーなレーベルなので一般的には耳にする機会は多くないのが寂しいところですが、是非とも今後も継続してフロア向けのトラックを制作して頂きたいですね。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Agoria - Fabric 57 (Fabric:fabric113)
Agoria - Fabric 57
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今年オリジナルアルバムを出したばかりのフレンチテクノの貴公子・Agoriaですが、その熱も冷めやらぬ間に名門FabricからMIXCDもリリースさせました。今までにもジャンルレスに縦横無尽なMIXCDを3枚もリリースしているけれど、今年出たアルバムから毒々しさが消えて洗練されたのと同様に、本作もかつての作風に比べると艶はありながらもやんわりと落ち着いた印象を受けました。序盤のVainqueurやMoritz von Oswaldのダブテクノなどどっしり重たいグルーヴから深く始まり、歌物テクノも多用して刺激的に盛り上げつつ、そこからSpace Dimension ControllerやInfiniti、そして自身のヒット曲"Speechless"などデトロイト系で一気に未来へと加速して行く中盤。ただヒット曲をプレイするだけでなくそこに声ネタを被せて原曲以上の盛り上がりも作る技も披露しつつ、ゴリゴリのブギーハウス〜アシッドハウスで攻撃的になったと思いきや、終盤ではJose JamesやCarl Craig(本当C2の曲はよく使うな)でぐっと夜のアダルティーな世界へと突入するディープハウスからElla Fitzgeraldのジャズトラックでしっぽりと終焉を迎えるドラマティックな展開。散々色んな方向へと引きずり回されながらも、そこはAgoriaの審美眼で選びぬかれた曲が使われており、派手な夜の喧騒と言うよりはエレガントな大人の舞踏会の夜のようです。ベテランらしく深化したと言う表現がしっくりきました。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
BNJMN - Plastic World (Rush Hour Recordings:RH-DC7 LP)
BNJMN - Plastic World
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伝統の継承から未知なる才能の発掘まで、そしてテクノに限らない手広い音楽性で前進し続けるオランダのRush Hour Recordings。もう10年もの歴史があり素晴らしい作品を送り出してきたレーベルへの信頼も揺るぎない。だからこそ全く耳にした事も無いBNJMNなるアーティストのアルバムも、逆に興味を持って買う事が出来る。BNJMN、本名Ben Thomasはまだ2年程前にデビューしたばかり、幾つかの変名での作品はあるけれどBNJMNの初の作品はいきなりこのアルバムだ。どこか懐かしいレトロフューチャーな世界観、まるで初期Carl Craigの作品にも通じる知的でメランコリーな音の響きは決して新しさは無いが、リスニング系のテクノとしてはかつてのWARPのAIシリーズと肩を並べる程によく出来ている。AIシリーズに比べれば音に粗さや稚拙な点もあるものの物憂げで郷愁を帯びたメロディーが先導し、いつか夢見た未来の音像が浮かび上がるミステリアスなテクノだ。全体的にのっぺりとした粘りのあるグルーヴでジワジワと侵食しつつ、内なる精神世界へとダイブする内向的なリスニングトラックが中心だが、オールドスクールなテクノ好きな人にとっては懐かしささえ感じられる温故知新なアルバムだろう。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deep Space Orchestra - Return To Dodge City (Applied Rhythmic Technology:ART9)
Deep Space Orchestra - Return To Dodge City
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昨年デビューしたばかりのDeep Space Orchestra。Chris BarkerとSimon Murrayの二人組ユニットで、本作はAs OneことKirk Degiorgioが運営するApplied Rhythmic Technologyよりのリリース。デビュー直後はエレクトリックハウス〜ブギーハウスも披露していましたが、まだ方向性が固まっていないのか本作ではART向けのピュアなテックハウスを披露。A面の"Deep Space Orchestra"はエッジが効いた疾走感のあるテクノで、透き通るパッドの音なんかは正に直球デトロイトでエモーショナンたっぷりな情緒的なトラック。B1のアシッドベースも特徴的なWARPのAIテクノを思い起こさせるダウンテンポ"Last Exit"も素晴らしい。初期のCarl Craigの作品にも通ずるレトロフューチャーな世界観は、どこか懐かしささえも感じられます。B2の"Streetlights"は重く太い低音が唸るグルーヴィーなテックハウス。重厚感がありながら綺麗目の上物でエレガントな趣きもあり、とても綺麗に仕上がってますね。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/2/19 Floatribe @ Unit
井上薫と岩城健太郎が2000年から漂流するように不定期でのパーティーとして開催し、UNITにその場所を移してからは定期パーティーへと進化し二人の鬩ぎ合いのプレイが続いていたFloatribe。集客の出来る大物・外タレに頼ると言った安易な方向に流される事もなく、基本的には井上薫と岩城健太郎のプレイがあくまでメインであり続け、それでも尚11年間も続いた事には驚き以外の気持ちはありません。そして今夜遂に11年の漂流も終着点を迎えます。
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| EVENT REPORT3 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace (Submerge Recordings:SUBCD-3022-2)
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace
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昨年末からアマゾンでもデジタル配信が開始されておりますが、URとも交流の深いデトロイトのレーベル・Submerge Recordingsの音源も続々デジタル化されております。本作はMike Banksも賞賛しているCliff ThomasとJon MacNishの二人から成るThe PlanのMIXCDで、リリース自体は2007年なのですが目出度くデジタル化されました。デトロイトの新世代が取り組んだだけあって、デトロイトテクノ/ハウスのクラシックを惜しみなく使用した豪華な選曲ですが、プレイ自体は35曲も使用しているだけあって矢継ぎ早に曲を被せまくってファンキーな面が目立ちます。デトロイトの暗く狂気なエレクトロの面も、琴線を震わすエモーショナルな面も、未来指向なハイテックな面も、黒人音楽から生まれた熱いハウスの面も、デトロイトの根源の一部でもあるKraftwerkの音も、ありとあらゆるデトロイト関連のダンスミュージックを詰め込んだ疾走感溢れるテクノセットで若々しい力を感じさせます。音自体の目新しさは感じないけれど、逆にここまでデトロイトミュージックに入れ込んだMIXCDも珍しいし、怒涛の勢いでミックスされたファンキーなプレイなので一聴の価値ありですね。

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| TECHNO8 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/01/08 SANDWELL DISTRICT ALL - NIGHT @ Unit
Surgeonと双璧を成すインダストリアルテクノの開拓者・Karl O'ConnorことRegis、Synewave等からのリリースでアンダーグラウンドなハードテクノシーンで活動してきたDavid SumnerことFunction、そしてその二人によるユニット・Sandwell Districtがパーティーの最初から最後までを演出する。間違いなくハードな一夜が体験出来そうなので遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ramadanman & Appleblim - Void 23 EP (Aus Music:AUS1031)
Ramadanman & Appleblim - Void 23 EP
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ダブステップの界隈で注目を集めているらしいRamadanmanとAppleblimのコンビ。自分は全く知らないものの、Carl Craigがエディットを手掛けているので迷わず購入。オリジナルの方はダブステップ…ではなくて、淡々とイーヴンキックが続く4つ打ちのテクノで肩透かしを喰らうも、アシッディーな低音やら奇妙なシンセがミニマルに展開され、スカスカなトラック構成ながらも老体に鞭を打つような強烈さが際立っております。徐々に肉付けされて行く展開はワイルドピッチスタイルでもあり、これは当然フロアでも盛り上がりそう。そしてC2のエディットはオリジナルを尊重しながらも奥深い音響の上物や重い低音、トライバルなパーカッションや奇妙なSEで派手に肉付けした狂気の滲み出るドープなテクノ。デトロイトテクノと言うよりはプログレッシヴなC2の音楽その物と言った感じで、大技小技が光っており流石の出来ですね。曲尺は9分もあり聴き応えも文句無し。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/12/28 Killing Joke @ 青山蜂
火曜日と言うど平日ですが当日でようやく仕事納め、そして久しぶりに友達の國枝志郎さんがオールナイトのパーティーで回すので、青山蜂に遊びに行ってきました。蜂は2〜4階までフロアがあり、今回は4階にほぼ居座る事に。そこは絨毯が敷き詰めてあり靴を脱いで寛げるラウンジ風な場所で、DJがかける曲もダンスミュージックから外れた緩めの音が中心。國枝さんの前まではSky Records(ジャーマンプログレのレーベル)やECM(ジャズの名門レーベル)等、その他色々ジャズやらラウンジ風やら気の抜けたロック、ファンクなど踊る事を要求しないリラックスした雰囲気のある選曲だったかな。他のお客も絨毯でゴロリとしながら皆で団欒していて快適な居心地。
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| EVENT REPORT3 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Morphosis - What Have We Learned Remixes Part 1 (M>O>S Recordings:MMD-R1)
Morphosis - What Have We Learned Remixes Part 1

Rush Hour Recordings傘下のM>O>S RecordingsからRabih BeainiことMorphosisなるアーティストのリミックス盤。正規リリースのはずなのにクレジットも全く無しのホワイト盤っつ〜訳の分からんリリースですが、実はNewworldaquariumとJust For One Dayらのリミックスを収録しております。Newworldaquariumと言えばCarl Craigにも認められそしてDelsin等でも活躍しているオランダの奇才ですが、ここでも彼らしいざらついた質感の迷宮に迷いこむ不鮮明なディープハウスを披露しております。霞がかったざらついたシンセの奥から浮かび上がるアンビエントな空気が、上げ下げの無い平坦なキックのミニマルな覚醒効果でより強調され、何時の間にか気付いたら現実世界から逃避しているトリッピーな感覚。流石Newworldaquariumと言うべき不思議な世界観を創り上げておりますね。裏面の全く詳細の出てこないJust For One Dayなるアーティストのリミックスは、今風なダブステップ…ではあるけれど様々な効果音が散りばめられていて、ある意味宇宙的と言うかコズミックなダブステップ。エッジの効いたグルーヴは肉体に直接作用し、そしてヘンテコな効果音は脳に作用する。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Oliverwho Factory - Night Lights (Planet E:PLE65318-1)
The Oliverwho Factory - Night Lights
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デトロイトテクノの至宝・Carl Craig率いるPlanet Eからの新譜(と言ってもリリースは半年前ですが…)は、The Oliverwho Factoryなる初耳のアーティスト。経歴を調べてみたら2003年頃から自身のレーベルで作品はリリースしていたので、特に新人と言う事でもないらしい。それはそうとC2も制作に加わったタイトル曲の"Night Lights"は、バウンシーな跳ね具合とキレを感じさせるビートが力強く、ソウルフルなボーカルのリフレインやコズミックなシンセの音色がしっかり効いており、まさにデトロイトテクノ、まさにPlanet Eと言うべきトラックになっております。すっきりとタイトでキレが効いている分、重みは無くともフロアでの鳴りは良さそうですね。裏面にはアブストラクトで不穏な雰囲気を発する"Lady Dreamer"なるディープ目のトラックと、タイトル曲をC2がビートのみに調理したエディットが収録。C2のエディットは流石の手腕で、ミックスに使い易いパーカッシヴな仕様です。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Space Dimension Controller - Temporary Thrillz (R & S Records:RS 1008)
Space Dimension Controller - Temporary Thrillz
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UKの若干19歳の新星・Jack HamillことSpace Dimension Controller。まだ4枚ほどしかEPのリリースはないものの、テクノの名門・R&SからのダブルパックEPと言う事で期待して手を出してみたのですが、これは今後間違いなく来るだろうと予感させる好内容。初期Warp RecordsのArtificial Intelligenceを意識した知的な世界観、またはCarl Craigが初期に持ち合わせていた素朴でアナログな未来的音色、そしてデトロイトテクノとも共通する豊かなハーモニーやコード進行があり、それを彼自身はギャラクティックファンクと呼んでいる。確かに幻想的で透明感のあるテクノもあれば、可愛らしいヴォコーダーを被せたジャジーなダウンテンポ、そしてスペーシーでブリブリとしたエレクトロニックファンクもある。そこに共通するのはそう、まさにジャケット通りのイマジネーション豊かなディープスペースの広がりで、聴く者をレイドバックした空気に包み込み宇宙旅行へと連れて行ってくれるのです。現在のテクノのモードに合わせるでもなく、しかし古き良き時代の音を感じさせると共に単なる懐古的な作品にとどまらないJack Hamillの可能性も、宇宙の如く広がっているはず。本当に素晴らしい未知との遭遇。アナログ盤には4つのループも収録されております。



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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Apparat - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7270CD)
Apparat - DJ-Kicks
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設立25周年と波に乗っているStudio !K7の名物MIXCDシリーズ最新作には、エレクトロニカを経由してテクノへと踏み込んできているApparatが参戦。このシリーズはテクノと言う枠を越えて幅広くジャンルを掬い上げているのですが、本作でもテクノだけでなくエレクトロニカやアブストラクト、ダブステップまでを匠なセンスによって纏め上げておりました。トラックリストを見てもワクワクする内容で、Carl CraigやRippertonのテクノにOvalやThom Yorkeらのエレクトロニカが絡み、更にはBurialやMartin、T++らダブスッテプまで挿入されてしまう。ポップでカラフルなエレクトロニカとダークで陰鬱なダブステップの自然な陰陽の切り替わりもさる事ながら、どこをとってもどんなジャンルであろうと、最初から最後までダンスなグルーヴを保ち続けるその選曲眼は類稀なるもの。単純でミニマルな4つ打ちで押していくのではなく、多用なリズムを用いて変幻自在な世界を生み出しつつ腰に来るグルーヴを保つのだからこれは凄い。いや、凄いと言う前に本当に独創性と遊び心に溢れた面白いミックスで、こんなプレイもあるんだなと新しい息吹を感じさせてくれました。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York (Honest Jon's Records:HJRLP53)
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York
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今年のMetamorphoseにおいてメインステージのラストを圧巻のライブで締めくくったMoritz Von Oswald Trioのライブ盤。これがなんとも凄いメンバーが集結しておりまして、Moritz Von Oswald Trio=Moritz Von Oswald+Vladislav Delay+Max Loderbauerに、ゲストにはCarl CraigとFrancois Kも加わった限りなく奇跡に近いスペシャリスト達の共演盤となっております。音響や音質に対しては並々ならぬ拘りを持ち、そしてダンスミュージックの最前線を駆け抜けてきたレジェンズが、ひりつくような緊張感の中から生まれる臨場感溢れるライブセッションを繰り広げており、テクノやロック、ジャズと言った要素がミックスされております。個人的には古典的なジャーマンプログレッシヴロックのエレクトロニクス度を高め、更にはミニマルなシーケンスを微妙に変化させていくミニマルミュージックとも思えるし、そして空間へ空虚に鳴り響くダビーなメタルパーカッションはトライバルな要素もあり、続々と挿入されるSEはコズミックで宇宙へと飛ばされる瞬間もあります。オリジナルアルバムを軽く凌駕する心地良いトビ感、ダビーなエフェクトはやはりCarl CraigやFrancois Kの技量なのか、もうとてもこの世とは思えない恍惚の世界を作り出しておりました。生真面目と言うかどシリアスなライブセッションではあるけれど、しかし単に実験的な方向だけに進むのでなく電子音楽ファンの心を掴む内容でもあり、とにかく皆様に聴いて欲しいアルバムです。CD+LP2枚組のセットなので、是非ともターンテーブルにレコードをセットして聴いて欲しいですね。

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| TECHNO8 | 16:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Urban Tribe - Program 1-12 (Mahogani Music:MM25)
Urban Tribe - Program 1-12

MoodymannことKenny Dixon Jr.が主宰するMahogani Musicから突如リリースされたUrban Tribeの新作。Urban TribeはSherard Ingramがメインで活動しているプロジェクトであり、そこにデトロイトの重鎮であるAnthony ShakirやCarl Craig、そしてKenny Dixon Jr.が協力をしているデトロイトを濃縮したユニット。そして野田努によればSherard IngramはDJ StingrayとしてのDJ名も持ち、デトロイトの最狂のエレクトロユニット・Drexciyaのメンバーでもあったそうだ。そして新作はやはりダークなエレクトロで、しかし儚くも希望に向かって力強く突き進むエレクトリックソウルでもある。ローファイでざらついた質感、スモーキーな黒い闇の中で不気味に蠢く感情は確かにメンバーである4人の音楽的要素がブレンドされていて、単独では成し得ない電気仕掛けのブラックミュージックと言えるでしょう。LPと言う名目で12曲収録ですが各曲は短く通しても30分もないので、どぎつく重苦しい内容の割には何時の間にか聴き終わってしまう。

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| HOUSE6 | 08:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X (Universal Music Classics & Jazz:06025 2734438 6)
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X
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2008年のCarl Craig & Moritz von Oswaldコンビによるクラシック再構築シリーズに続くのは、音の魔術師・Matthew Herbertによるグスタフ・マーラーと言う作曲家・指揮者の"交響曲第10番〜アダージョ"のRecomposed。クラシックに全く知識の無い自分は当然オリジナル音源も知らないので、原曲と再構築の違いを楽しむ事は出来ないのだけれども、比較的クラシック的な音を壊してはいない気がする再構築なのかなと感じました。Carl Craig & Moritz von Oswaldコンビが原曲をサンプリングしてミニマル展開したのに比べると、Herbertは旋律の調べをそのまま使用したのかオーケストラの静謐で美しい調べを生かしつつ、悲壮感を漂わせながら後半にはバカでかいエレクトロニックな音が炸裂するドラマティックな展開を作っておりました。特にトラック7の劇的な瞬間からトラック9のラストに至る音が無音に溶けこんで行くまでの流れは、微小な音のえも言われぬ美しい佇まいにうっとりする程でした。

クラシックと、そしてテクノにも精通している國枝志郎氏によるMatthew Herbertへのインタビューで作品に対しての詳しい話が聞けるので、是非読んで頂ければと思います。

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| ETC3 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/07/12 Exclusive Monday @ Grassroots
平日ですが岩城ケンタロウやConomarkがプレイするので、Grassrootsに遊びに行きました。1時過ぎに到着するとConomarkが訝しくどす黒いハウスをプレイ中。アッパーではなくスロウな流れの中にもファンクであったりサイケな要素があったり、蒸し暑さも感じさせる古びた音は完全にブラックミュージックの流れ。五月蝿くはない、しかしドロドロと渦巻くブラックサイケデリアは攻撃的でもあり、落ち着きを感じさせながら夜が更けていく。途中ムーディーなヒップホップやR&Bなどもはさんで、ピアノが色っぽく炸裂するジャジーでロックンロールな"Piano's On The Beach"なども回して、夜のざわめきは深まっていく。
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| EVENT REPORT2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/07/07 Dachambo NEW ALBUM 『イロハナ 』 AfterParty !!!! @ Club Asia
平日ですがDachamboのアルバムリリースパーティーのアフターパーティーに、DJ QUIETSTORM、DJ Yogurt、DJ Hata(Dachambo)、そしてCRO-MAGNON×IZPON×Dachamboによるフリーセッションもある面白そうなパーティーがあったので遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT2 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Altered States : Blak Tech Society (Prescription:PCRCD004)
Ron Trent - Altered States Blak Tech Society
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シカゴハウスの早熟の天才・Ron Trentの大傑作"Altered States"など初期作品とその新リミックス、新曲などを含むコンピレーションがリリース。今では壮大な空間を感じさせるジャジーディープハウスを量産するRonも、20年前の"Altered States"辺りではローファイで荒々しいシカゴハウス(テクノ?)を作っていて、ちょっと意外な印象を受けます。本作に収録された幾つかの古い曲もやはりまだ若さを感じさせる荒々しさがあって、そのラフな音にさえ力強さとファンキーさがあり、20年が経とうとも変わらない魅力は健在。特に当時大ヒットしたのは"Altered States (Carl Craig East Side Mixx)"で、原曲の力強さにエモーショナルなシンセを付け足しより切れ味と跳ね感を出して、デトロイト色に染め上げた一曲。Ronのみならず若かりし頃のC2も、才能を大爆発させておりました。それとは別に"Altered States"を、K Alexi、Terry Hunter、Ron Trent自身が新たにリミックスし直した曲も収録されており、DJにはお得感があります。更にはRon Trentの新曲も三曲あり、こちらは最近の彼の音らしい夢見心地な浮遊感溢れるディープハウスでソフトな印象。貫禄さえ漂う余裕綽々のアダルトな空気さえも携えており、Ron Trentが単なる早熟のアーティストで無いのは明白でしょう。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - At Les (Christian Smith remixes) (Tronic:TR53)
Carl Craig - At Les
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既にDJMIXの中で使用され話題となっていたCarl Craigの"At Les"のリミックスEPが発売されました。これを手掛けるのは派手なピークタイムトラックを量産するChristian Smith。"At Les"はまず93年のデトロイトテクノコンピ"Virtualsex"で初のお披露目となり、その後C2自身のInnerzone Orchestra名義によるジャズアレンジバージョン、Mike Banksも参加したライブ盤などもリリースされるなど、C2の中でも特に人気のあるトラックです。今回はChristian Smithが手掛けているので勿論フロアで使い易い4つ打ち仕様ですが、お勧めはA面の"Tronic Treatment Remix"。原曲の儚い旋律を残しながらじわじわと盛り上げるダンストラックですが、メランコリーなシンセの上物からはうっとりする情緒が漂います。B面の"Hyptonica Remix"はA面から派手な音色を差し引いて、ミニマルかつディープな印象を強めたリミックス。こちらはパーティーの前半とかに向いている内容ですね。両面文句無しに素晴らしいです。

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| TECHNO8 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Christian Prommer - Drumlesson Zwei (Studio !K7:!K7257CD)
Christian Prommer - Drumlesson Zwei
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クラブミュージックの名作をジャズカヴァーするDrum Lessonプロジェクトの第二段が到着。本作も相変わらずChristian Prommerを中心としたユニットがほぼ人力による生演奏でデトロイトテクノやディープハウス、現代音楽の名作をジャズカヴァーしておりますが、期待が大きかったのか前作程の衝撃を感じる事は無く、それどころか随分地味な作品になってしまったと感じました。前作における人力によるスウィングするビート感や華麗で繊細なジャズ演奏は身を潜め、なんだか窮屈な枠に閉じ込められてせまざまとミニマルなプレイをしているかの様で、これは敢えて生演奏する必要があったのだろうかと疑問が残りました。選曲のせいもあるんだろうけれど全体的にトーンも暗いし、随分と内向的な音でジャズアレンジとマッチしていない気がします。やっぱり何でもかんでもカヴァーすれば良いと言うのでもなく、楽曲と音の相性ってのもあるんですよね。クラブミュージックを気合を入れて生演奏カヴァーする事に考えが行き過ぎて、ちょっと力み過ぎたのかな。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Kirk Degiorgio - Membrane (Planet E:PLE65316-1)
Kirk Degiorgio - Membrane
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昨年15年ぶりに伝説のレーベル・Applied Rhythmic Technologyを復活させたり、積極的にEPをリリースしたりするなどしていたKirk Degiorgioですが、今年もその勢いは止まらずに今度はCarl CraigのPlanet Eから新作をリリース。近年テクノ色を前面に打ち出してきているKirkならばPlanet Eとの相性は抜群な訳で、タイトル曲の"Membrane"はぶ厚い低音の効いたハウシーなリズムトラックにエモーショナルなシンセを被せたテックハウス。デトロイトのソウルに更に洗練された都会的な雰囲気も持ち合わせており、流石UK屈指のデトロイトフォロワーの底力を感じさせます。B面にはなんとC2がリミックスを提供していて、こちらはよりディープにより覚醒的にアレンジされ、C2特有の金属的な黒光りする音色が特徴的。残りの一曲"Vesuvio"はアッパーで攻撃的なテクノですが、半ばトランシーささえも感じさせる暗めのシンセフレーズがKirkにしては意外。勿論文句無しにフロアを沸かせるトラックである事は言うまでも無し。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/03/21 Spinning @ 渋谷 Bar&Cafe特異点
レギュラーパーティー化する予定の"Spinning"、無事終了致しました。お越しくださった皆様、どうもありがとうございました。そしてパーティーを知らずに飲みに来たお客さんの一人が、実は自分も読んでいるブログの管理人だったり、世界は狭いな〜とびっくり。

DJの平均年齢が30歳を越すロートルなパーティでしたが、各人の好みが出た音楽を十分に堪能出来ました。一番手のShooterさんはメタル〜ヒップホップ〜ポップ〜ダブステップなど、彼がブログで紹介している音楽を色々とプレイ。次のTakeshtさんはジャズっぽいのにデトロイト系の音も混ぜて洗練された音楽。beatjunkieさんはニューウェーブに2000年前後のハードテクノを織り込んでがっつんがっつんとハードに。

beatjunkieさんが盛り上げてくれて、自分は最後にプレイ。折角だし新曲を多めにやろうと言う意識が強すぎたのか、う〜んあまり良い流れを作れなかったよ…。緊張と酔いの為か、ミックスも全然合わせられなかったな。

何はともあれ自分の好きな音楽をプレイ出来る機会があり、程々に満足出来ました。また次回開催出来るように努めますので、皆様どうぞ宜しくお願いします。

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| EVENT REPORT2 | 11:30 | comments(7) | trackbacks(2) | |
Mirko Loko - Seventynine Remixes (Cadenza:CADENZA45)
Mirko Loko - Seventynine Remixes
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Lazy Fat People分裂後の初のソロアルバム"Seventynine"(過去レビュー)が好評だったMirko Lokoが、リミキサーにCarl CraigとRicardo Villalobosを起用した超力作なアルバムからのシングルカット。今回才能を爆発させたのはやはりC2、毎度毎度リミックスワークの質の高さには頭の下がる思いですが、今回は本気の中の本気。空間に乾いて響き渡る乱れ打ちパーカッションの下を、優美に煌めくシンセがうなりを上げて徐々にビルドアップし、ブレイクした後の中盤以降は地響きの様な低音の効いたベースやキックで再度じわじわと上げてくる非常にスリリングな展開。12分と言う長尺な曲でありながら、長さを全く感じさせず壮大な展開に引きずり込む引力は圧巻と言うべき。対してVillalobosは相変わらず掴み所が無いと言うか、ジャブジャブとした水っぽいエフェクトが鳴りつつ再度子供の声を使用しミニマルのサイクルを続けるアンビエント風なリミックスを披露。レゲエ・ダブっぽい音響やアンビエントな浮遊感は初期のThe Orbを思い出せる点も多く、理性も溶けるような恍惚感を誘発します。両面全く違う音ながら、両面ともフロアで気持ち良く使える大傑作。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Conforce - Machine Conspiracy (Meanwhile:mean020cd)
Conforce - Machine Conspiracy
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Boris BunnikことConforceは2007年にオランダのデトロイト系を積極的にリリースするRush Hourからデビューしたテクノアーティスト。明らかにデトロイトテクノに影響を受けたサウンドで着実に評価を高め、デビューから3年にして満を持して初のオリジナルアルバムをリリース。作風の新しさと言う観点ではオリジナリティーは希薄なものの、初期Carl Craigのアナログで優しい当たりの、そして透明感に溢れたシンセサウンドや、Juan Atkinsを継ぐスペーシーでエモーショナルなトラック、Basic Channelの奥深いダビーな音響を伴ったトラック群は確かに粒揃い。本家デトロイトよりも感情を奮い起こすソウルは敢えて抑え目に、それよりもインテリジェンステクノのように未来的で流麗に装飾されているのがやはりデトロイトフォロワーに共通する点でしょうか。良い意味でデトロイトテクノを洗練した音は、よりイマジネイティブでネットワークに広がる仮想の空間を演出しているようでもある。聴いている内に何時の間にか電子の仮想空間に捕らわれていくに違いない。Vince Watson、Quince、Shed、Echospace辺りの音が好きな人には是非聴いて欲しい一枚。



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| TECHNO7 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert (Global Underground Ltd.:GU038CD)
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert
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UKテクノシーンにおいて絶大な人気を誇るDJ・Carl Coxの最新MIXCDは、アメリカの砂漠で行われている"Burning Man"と言う世界で最も過酷なフェスティバルでのライブ録音と言う話だったのですが、ライナーノーツを読んだ限りだとスタジオ録音って書いてある。実際にMIXCDを聴いてみたら音が普通に良かったので、きっとスタジオ録音でしょう。しかしトラックリスト見ても分からないアーティストばかりで、もう時代についていけないよ。Coxと言えばとにかく限界ぎりぎりまでバキバキズンドコと音数大目でアッパーなハードテクノを回して、すんげぇ太いグルーヴを生み出していた記憶があるのですが、このMIXCDは良くも悪くも今風でそこそこにはアッパーだけと随分と落ち着いたと言うか大人になった印象。クリッキーなミニマルとかパーカッションがポコスカ鳴っているミニマルとか、ブリープでぎとぎとしたテクノや上物が妖艶なトランシー系とかか回しているものの、ソリッドで勢いのあるテクノは殆ど無くて残念。じわじわと恍惚の深みにはまらせるタイプのMIXCDだと受け止めれば理解は出来なくもないけれど、Coxにそれを求めているリスナーっているのかね?爆音の中で何も考えずに無邪気に踊れるような勢いのあるテクノを聴かせて欲しかったです。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Chez Damier - Time Visions 2 (Mojuba:mojuba g.o.d.2)
Chez Damier - Time Visions 2

現在ヨーロッパハウス隆盛の中でも特に目を見張るMojubaから、又してもシカゴハウスのレジェンド・Chez Damierの新作が登場。しかしまあシカゴのシーンから出て来たオールドスクーラーが今再び評価されるのは謎ですが、Mojubaのデトロイトとシカゴへの偏愛っぷりは本物です。流行や古い新しいに関係なく良い物は良いとして評価するMojubaには今後も注目。そして新作ですが、A面は前作からのリミックスとなる"Why(D's Deep Mix)"で、オリジナルの壮大な海をたゆたう感覚を壊さずに多少テンポを上げたディープハウス。リミックスとしての楽しみは少ないけれど、エレガンスなムードを保ちつつリスニングからフロア仕様になった事でクラブでもばっちし機能するでしょう。そして注目すべきは92年にリリースされていた"Help Myself"の未発表リミックスで、これを手掛けているのがCarl Craig。多分その当時にお蔵入りになっていたのでしょう、音自体も昔のC2らしく今よりも柔らかめでちょっとあどけない感じのディープハウス。最近はC2もかなりプログレ寄りで硬めの音になっちゃってますが、昔のアナログで安っぽいけれど温かさの感じる音も良いですね。残りの一曲はホーンの入ったファンキーかつソウルフルながっつりダンス系のハウスで、ぐっと来る感じ。捨て曲無しの素晴らしい一枚。

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| HOUSE5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins - 20 Years Metroplex 1985-2005 (Tresor:Tresor.216)
Juan Atkins-20 Years 1985-2005
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最近の音楽シーンと言えば兎にも角にもリイシューが目立ちますが(新作が売れないから?)、デトロイトテクノのドンことJuan Atkinsのベスト盤も目出度くリイシューとなりました。もしJuanが居なければDerrick MayもKevin Saundersonもテクノと言う道に足を踏み入れなかったかもしれないし、Underground ResistanceやCarl Craigと言う存在さえ出てこなかったかもしれない。Juanの活動自体は非常に地味なもののその存在自体がテクノアーティストの支えとなっているのは間違いないでしょう。本作はそんな彼の20年に渡る活動の軌跡であり、そしてテクノの歴史の一つでもあります。詳細は過去レビューでも書いているので割愛しますが、彼の作る音楽には流行とは無縁で自分の魂に忠実で誠実な思いが込められているように思います。それがテクノやハウス、エレクトロやミニマルであろうとも、テクノソウル・マシーンソウルを感じさせる熱い感情的な音が鳴っていて、テクノとは何かとその基本を思い出させるようです。さてさて、近年はMike Banksもサポートに加わったModel 500名義でライブを行っており、更にはアルバムも制作中との事ですが、今後も尚楽しみな存在ですね。

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| TECHNO7 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Monty Luke - Art, Love & War (Planet E:PLE65312-1)
Monty Luke - Art, Love & War
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Carl Craig主宰のPlanet-Eから新鋭・Monty Lukeなるアーティストの作品。かつてはC2自身の作品で溢れていたPlanet-Eも、最近ではC2が気に入ったアーティストの作品をリリースする場になっており、C2が認めるだけあって高品質な作品のオンパレードです。当然この作品も最近のレーベルの趣向に沿った音で、ぎらついたシンセリフが反復し徐々にビルドアップしていく地味に高揚感を誘うミニマルテックハウス。アーティスト名を隠されていたら、C2の新譜と言われても気付かない出来。そしてB面にはC2自身がリミックスを披露していて、こちらはよりリズムの跳ねが強調された上にC2独特の恍惚感たっぷりなシンセも上乗せされ、オリジナルより派手に展開。C2のリミックスの手腕は間違いなく世界トップクラスだ。しかし今もと言うか昔からかもしれないけれど、Planet-Eはデトロイトのレーベルでありながらデトロイトの枠を越えた音を持っていて、だからヨーロッパのアーティストにも受けが良いのでしょう。

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| TECHNO7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tribe - Rebirth (P-Vine Records:PCD-93314)

Tribe - Rebirth
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Carl Craigプロデュースでリリース前から話題になっていたTribeのアルバム。Tribeとは1970年代にデトロイトで活動していたジャズレーベルだそうで、今回はC2がTribeで活躍していたアーティストを集結させて生まれ変わらせたそうです。とは言ってもCarl Craigの表記が無ければその存在に気付かない程に音への影響は少なく、基本的には古典的なスピリチュアルジャズが中心と言っても差し支えないでしょう。以前にもC2はInnerzone OrchestraやDetroit Experimentなどのプロジェクトでクラブミュージックとリンクさせながらジャズへの愛を示して来たのだけれども、ここではジャズへの愛を忠実な形で示す事に専念したのか、Tribeのメンバーに方向性だけを示唆したように感じられます。あくまでメインはオリジナルのTribeメンバーで、そこにC2やAmp Fiddler、John Arnoldらの新世代も力を貸し、今では遺産となっていたデトロイトのジャズを掘り起こす事に成功したのでしょう。なかなかに手に汗握る生々しい演奏が繰り広げられるものの、汗臭さと言うよりはどこか宗教めいた荘厳なムードが漂っていて、易々とは聞き逃す事の出来ない神聖なジャズを堪能出来る事でしょう。時折バックでC2特有のシンセが鳴っているんだけど、それがもっと多かったらまた違ったアルバムになっていたに違いない。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carl Craig, Moritz Von Oswald - ReComposed - New Mixes By Francois Kevorkian & Moritz Von Oswald (Deutsche Grammophon:272 4750)
Carl Craig, Moritz Von Oswald - ReComposed - New Mixes By Francois Kevorkian & Moritz Von Oswald
一年前にリリースされたクラシックをテクノ化した名作"Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald"(過去レビュー)から、Francois Kevorkianが手掛けたリミックスシングルが到着。C2、Moritz、FK…なんて面子だい、豪華にも程がある。A面はFK+Moritz Von Oswaldによるリミックスで、どっしりとタイトなキックとダビーな音響、ちきちきとした上物が入ったダビーテックハウス。空間の奥深さがリアルに迫ってくる音響効果は流石で、広がりを感じさせる音が心地良し。更に途中から原曲のホーンがパラララ〜と入ってきて、その妙な恍惚感でラリパッパしそう。B面にはMoritz単独によるアフリカン臭が漂う土着ダブアンビエントが収録。こちらはRhythm & Sound名義の音に近い感じで、ずぶずぶなダブ・レゲエの湿っぽさもあり暗黒の沼に引きずり込まれるドゥープな一曲。闇の奥底で何かが蠢いている…そんな印象。取り敢えず買っておいて損はしない。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/12/12 ageHa 7th Anniversary CLASH50 @ ageHa
今月のageHaアニバーサリーはageHaメンバーは無料で入れるので、クラブ友達誘って遊びに行きました。正直な所行く前は日本人オールスターだしいつでも聴けるからそこまで気分は上がらなかったのだけど、実際に行ったら凄い集客だし各DJも気合いの入ったプレイでかなり良い感じでした。

途中までは友達と酒を飲んでずっと話していたので殆ど音楽はスルー。終わりかけの琉球ディスコを聴きに行くと、ライブなのに何故かUnderworldの"Rez"が!

その後少しだけ石野卓球を聴く。ディスコテクノじゃなくてミニマルでがっつがつなテクノをのっけからかけていて、フロアはかなり熱くなっていました。

で期待のテントで初プレイのケンイシイに移動。一時間と言う限られた時間の中で、一気にエネルギーを爆発させるような瞬発力のある内容でした。シャリシャリとしたハットの多いズンドコなテクノをアッパーに繋げて、ミキサーを頻度にいじってキックを抜き差ししまくり。今年出したMIXCDの中からも数曲回したり、ケンイシイのデビュー15周年を意識した様な雰囲気もありました。途中で久しぶりの大ネタであるKilla Productionの"Give It Up (Re-edit)"をぶち込む!超絶トライバルでざくざくとした音で、やはり今聴いてもやばすぎた。



そして最後はテクノ番長・田中フミヤ。普段はディープな番長もageHaで回す時はアッパーな事が多く、今回はアニバーサリーと言う事もあってかそれ以上にアッパーでした。パーカッシヴな民族調なミニマルなテクノも使ったり、それでいていつもよりズンドコなキックが強いハードな展開で、渋いモノクロな音ではあるんだけど攻撃的で分かり易く盛り上がれました。普段が精神的に作用する音だとしたら、今回は肉体に作用する音と言う感じかしら。69(Carl Craig)の"My Machine"を回した時には、心の中でガッツポーズですよ。盛り上がったまま6時まで聴いておりましたが、本当に楽しいパーティーでした。

■Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2(過去レビュー)
Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2
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| EVENT REPORT2 | 17:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Redshape - The Dance Paradox (Delsin:80dsr)
Redshape - The Dance Paradox
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デトロイトの叙情と重厚でごつごつとした音質、そして不気味な存在感を放つミステリアスなRedshapeがようやく初のアルバムをリリース。今までにもDelsinやMusic Manなどからヒット作をリリースしていたで期待はしていたのですが、初のアルバムも新人とは思えない壮大な展開を持った曲が多く期待にばっちり応えてくれました。音的にはCarl Craigを思わせるギラついたシンセサウンドが特徴で、闇夜で鈍く光るようなおどろおどろしい存在感を発しております。デトロイトテクノの様な美しい旋律は皆無で、むしろ恐怖を植えつける様なダークな音が隅々まで広がっていて少々不気味。そして4つ打ちだけでなくダブステップぽい引き締まったリズムまで披露して、決して懐古的なデトロイトテクノに陥るのではなく前を見据えたオリジナリティーがあるのが大事。アッパーではないけれどベルリンテクノらしいどっしりとした重みや粘っこさがあり、フロアでも十分に映える音楽性があります。先行シングルが一切収録されていなくてちょっと残念な気持もありますが、その思い切りの良さは評価したいですね。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/11/20 AT-FIELD @ EFFECT
祝・脱DJ童貞!!

友達の下川カユコさんと全玉ちゃんが企画するAT-FIELDと言うパーティーでDJしました〜。自分が思ったよりも多くの人に遊びに来て頂いて、本当にどうもありがとうございました。ミキサーも持ってないんで当然繋ぎも出来ないので内心不安でしたが、取り敢えず自分の好きな曲をがしがしと回させて頂きました。う〜ん、レコードはやはりピッチ合わせや繋ぎが難しい…。後でCDJも使ったんだけど、BPM出るからレコードよりかなり扱いが楽でしたね。続きで回した曲やパーティーのお写真でもどうぞ〜
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| EVENT REPORT2 | 17:45 | comments(12) | trackbacks(2) | |
Kevin Saunderson - History Elevate (KMS:KMSHISTORYCD01)
Kevin Saunderson-History Elevate
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うほっ、どう見てもゴリラです…。あーちゃん?

相変わらず一向に新作の出ないデトロイトの御三家ですが、その中で一番商業的には成功しているであろうケビンサンダーソンが過去の遺産を活かして新譜をリリース。内容はDISC1は今までのKSのリミックスワーク集なんだけど、さすがに90年前半の仕事も多くて時代を感じせるし、今聴くとちょっと古いかな。KS特有の図太いベースが響く大箱系トラックが多いけれど、そんなに目を見張る点は無し。本作の醍醐味はやはりKSのトラックを現在のヒットメーカーがリミックスしたトラックを集めたDISC2の方。2年に渡って5枚のEPでリリースされていたリミックストラックを、更にKSが全部繋げたミックス仕様。DJでもなければ全てのEPを集める人も少ないからその点でも本作は価値があるだろうし、何よりリミキサーが豪華で素晴らしい。チリアンミニマルのLuciano、デトロイトの至宝・Carl Craig、若きテクノ貴公子・Joris Voorn、ハードテクノからはBen SimsやChristian Smith & John Selway、ミニマルの前線に立つLoco Dice等々、どんだけ人気アーティストを集めたんだよと思います。これだけの面子が集まれば文句は無かろう、完全にフロアで馬鹿受けするトラックばかりに決まっている。ただよぅ、過去の遺産に頼らずに音楽製作してくれよな〜。完全新曲がやっぱり聴きたいよ。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2009/09/19 TAICOCLUB '09 KAWASAKI @ 東扇島公園
FREEDOM SUNSETでベロベロになった状態で電車の中でもベロベロで女の子に絡みつつ、川崎駅へ到着。シャトルバスはいっぱい出てるから予想よりも楽に東扇島公園に到着。バスでも駅から30分はあるんで、立地はちょっと悪いけど。公園自体は結構大きくて芝生も多いし、寒くなければ快適だったはず。つか川崎を舐めてました、長袖シャツ一枚持っていたけどそれでも超寒かった。余りにも寒くて死ぬかと思ったけど、女の子からセーター借りて助かりました。本当にありがとう。女の子の服って、男とボタンのかけ方が反対なんすね?では適当に記憶のある限りで感想を。
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| EVENT REPORT2 | 22:20 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Mass (Applied Rhythmic Technology:ART8)
Kirk Degiorgio-Mass
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ちょっと前に新作をレビューしたばかりのUKのインテリテクノジェントルマン・Kirk Degiorgioですが、今度は15年ぶりに伝説のARTレーベルから新作をリリース。ARTはインテリジェントテクノのみならず初期のCarl Craigの作品もリリースするなどカルトな扱いを受けるレーベルなんですが、まさか今になってレーベルが再始動するとは。とまあそれだけでKirkの本気っぷりも分かろうもんだけど、相変わらず新作も良いです、文句無しです。もうね、完全テクノの道に戻ってきましたわ、Kirkさん。デトロイト的でもありかつヨーロッパ的でもあり、エモーショナルなシンセのラインと重くかっちりしたリズムトラックでがつんと踊れます。しかし読むよりも聴いて欲しい、そして感じて欲しい、何故なら音が全てを語っているから。ただのクラブトラックかもしれない、でもクラブと言う枠を越えてアートの如く美しく音色を発している。これがテクノなんだ、自分の求めるテクノの理想形の一つがここにある。

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| TECHNO7 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2009/09/05 (SAT)
Makin' Love Mix @ Grassroots
DJ : DJ Yogurt, LATIN QUARTER, LUV RAW

2009/09/08 (TUE)
INNERVISIONS Presents THE GRANDFATHER PARADOX @ Air
DJ : SECRET GUEST DJS

2009/09/12 (SAT)
root & branch presents UBIK @ Unit
DJ : MIRKO LOKO, MOODMAN, DJ NOBU

2009/09/18 (FRI)
TOKYO COLLABORATION #20 @ Womb
DJ : Francois K., OSAMU M

2009/09/19 (SAT)
TAICOCLUB’09 KAWASAKI
DJ : Carl Craig, JAMES HOLDEN, Theo Parrish, OMAR-S, DJ KENSEI and more
Live : sleeparchive, ISOLEE, monolake, 原田知世(萌え☆)

2009/09/21 (MON)
So Very Show ! “Border Community” show case @ Womb
DJ : James Holden
Live : Luke Abbott

2009/09/22 (TUE)
HORIZON presents TOM MIDDLETON "ONE MORE TUNE" TOUR @ Unit
DJ : TOM MIDDLETON, ALTZ, TAKIMI KENJI

2009/09/22 (TUE)
SUBLEVEL×2E2L presents DOC MARTIN JAPAN TOUR in TOKYO @ Womb
DJ : DOC MARTIN, LUU, PUNCHI

2009/09/26 (SAT)
Reel Up '09 - Ken Ishii 15th Anniversary Party - @ Womb
DJ : KEN ISHII, YAMA, Renato Cohen
Live : Motor

2009/09/26 (SAT)
AIR 8TH ANNIVERSARY #2 @ Air
DJ : Theo Parrish

9月上旬に行けるのはINNERVISIONS位かなぁ…。メタモには行けないし凹むが、タイコに行けるから我慢。タイコ行ってもシート敷いて寝ながら聴くだけで十分。ジェームスホールデンかセオパリのロングセットは、どっちか行きたいな。と言っても8月に色々ありすぎたんで、9月は落ち着きも欲しいところ…
| UPCOMING EVENT | 12:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Glimpse - The Bird Collection (P-Vine Records:PCD-93270)
Glimpse-The Bird Collection
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The Only One I Know、選挙は大事だよ〜。って事でもうすぐ衆議院選挙。普段は選挙なんか行かないなんて人でこれを読んだ人は、今回はまじ行こうぜ。特に投票率の低い20代のヤング、Make Your Transitionしなきゃ!

堅苦しい話はそれ位にして、ベルリンミニマルで俄然注目のアーティスト・Glimpseの編集盤。5枚に渡ってリリースされた"% Black"シリーズで多くのDJから賞賛を浴び、今年はデトロイトテクノの至宝・Carl CraigのPlanet-Eからも新作をリリースし、今後の期待を感じさせる一人。本作は鳥ジャケシリーズの3枚のEPをまとめた内容だけど、ジャケの耽美な雰囲気からも察しの通り流麗で厳かな美しさを感じさせるテクノが中心。デトロイトテクノの叙情さとも似ている様で、もっと洗練されオーガニックな質感を伴っております。光が煌くような上物のシンセの使い方はやり過ぎると下品になるのを丁度良い塩梅に使用していて、耽美さや上品さを伴っていて一曲のそれ自体でも聴ける上質な内容。それ程アッパーな曲も多くはないしリズムトラック自体は結構なスカスカ具合なんで、リズムで引っ張ると言うよりはやはりメロディー重視なんかね、エモーショナルだし。お家でじっくり聴くも良し、フロアでも心地良く聴けそう。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
2009/07/18 THE GAME - The 10th Chamber of Liquidloft Vol.2 @ Liquidloft
昨年リキッドロフトでMOODMANをレジデントにして主催された10連戦シリーズの第二弾が、Future Terrorで名を馳せるDJ Nobuをレジデントに迎えて現在開催中。既に3回目となるパーティーのゲストには、テクノからハウス、アンビエントまで横断するイワキケンタロウをゲストに迎えておりました。いやーリキッドロフトのパーティーは色んな点で本当に素晴らしい。入場料は1500円(フライヤー有りで1000円)だし、ソファーや椅子が多く配置されていて雰囲気も良いし、アロマキャンドルが灯されていて良い香りも漂っているし、何よりロフトの奥にあるTimeOutって言うカフェが素晴らしいのよ。ベルギービールのシメイブルーが750円で飲めたり(普通のバーだと1200円位)、ヒューガルデンのボトルじゃなくて樽生が飲めたり、お酒も総じて割安でのんべえには最高の場所なのですよ。

DJ Nobuとイワキケンタロウは1時間半〜2時間程度で交代しながらプレイしておりましたが、どちらも良い感じで盛り上がってました。DJ Nobuは大ネタ使用は控えてじわじわとドラッギーかつ黒い感じのテクノとハウスを中心にプレイ。派手に盛り上げる訳でもなく引き締まってソリッドな感じの音が感じられて、ミニマルなんかも混ぜつつ渋い内容でした。自分が思っていたよりも硬めのテクノ系の音が多くて格好良かったです。対してイワキさんは躊躇せずに大ネタを投入してましたね。Carl Craigの"Throw"、"Bug in the Bassbin"とか朝方には"Autobahn"やHolger Czukayの"Persian Love"などジャーマンプログレも飛び出したり、結構アッパーだったかな。基本は爽快感のあるテックハウスっぽいのが多くて、自分が期待している音が聴けて良かったです。

ただよ〜集客が悪いだろ〜、100人も入ってなかったぞ。確かにリキッドロフトが公に宣伝出来ない事情も分かるんだけど、何でこの料金、環境、人選で客が集まらないんだ?クラブ行く人口は確かに増えているんだろうけれど、それって結局ageHaとかWombみたいなぶっちゃけ表層的っちゅうかライトななんちゃってクラバーが増えているだけで、クラバーの質の底上げは全くなってないって印象があるんだよな。なんせちゃらい雑誌で夜遊びの場所として上記の様なクラブが紹介される位だし、そもそも大してクラブミュージックに造詣の無い人ほど外タレ志向は大きいだろうから、仕方ないとは思うけどさ。個人的にはリキッドロフトは凄い良い箱だと思うんだけどなー。

■DJ Nobu - No Way Back(過去レビュー)
DJ Nobu-No Way Back
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■Kentaro Iwaki - Mule Musiq Mixed 2009(過去レビュー)
Kentaro Iwaki-Mule Musiq Mixed 2009
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| EVENT REPORT2 | 08:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Santiago Salazar - Arcade (Macro:MACRO M11)
Santiago Salazar-Arcade
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前述のCarl Craigとは対称的に、精力的に楽曲をリリースしている元UR軍団で元Los Hermanosのターンテーブリスト、現在はIcanとしてCarl CraigのPlanet-EからもEPをリリースするDJ S2ことSantiago Salazar。テクノ、ハウスどちらも器用にこなす優秀な新星ですが、最近はデトロイトにこだわらずにヨーロッパ的な楽曲も作ったりしています。新作はなんとミニマルアーティスト・Stefan GoldmannのレーベルであるMarcoから。オリジナルはメロディアスではあるがどことなく憂鬱を感じさせるシンセが特徴なテック系。DJ S2にしては珍しく、どんより沈み込んでいくようなディープ目のトラックですね。そして今回注目すべきはStefan Goldmannのリミックスで、なんと14分にも及ぶ力作を披露しております。最初はミニマルなのに途中から尺八とか琴?みたいな和風サウンドが入ってくる奇想天外なリミックスで、DJとしては非常に使い所が難しそうな曲ですね。面白いけれど、これで踊れる…のか?終盤ビートレスだし、プレイの最後に使えば良いかもね。

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| TECHNO7 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - Angel Remixes (Planet E:PLE65308-1)
Carl Craig-Angel Remixes
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一向にアルバムや新作を出す気配が無いデトロイトの至宝・Carl CraigのリミックスEP。才能の高さは分かっている、実際にリミックスワークも素晴らしい、ならはよオリジナル音源出せやとどつきたくなりますが、ここは我慢。本作は2005年にリリースしたEPの中から、"Angel"を元スピリチュアルディープハウサーで現テクノ化したJerome SydenhamとKeith Kempって言う誰だか知らない人がリミックス。Sydenhamのリミックスは文句無しのフロアトラックで素晴らしい。ゴツゴツ硬めで重いキックの4つ打ちを強調したテックなミニマルで、疾走感もあるし真夜中のフロアで一気に盛り上がれる感じがします。一方Kempの方はオリジナル音源をそんなに壊さずに、メロウでディープな雰囲気を生かした正にデトロイトテクノ的なリミックス。中盤からジワジワと恍惚のシンセが入ってきて気持ち良いね。どちらも良いよ良いよと思いつつ、Carlさんには早く仕事をして欲しいと切に願います。

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| TECHNO7 | 05:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Beatdown (Third Ear Recordings:3ECD 001)
Detroit Beatdown
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デトロイトと言えばテクノ。そんな風に考えていた時期が俺にもありました…。あぁ、でも本当はテクノもハウスも根底の一つには同じブラックミュージックがある訳だし、区別なんか必要無かったんですね。URの最初のリリースだってハウスだったし、Carl CraigやKevin Saundersonだってハウス作ってるし、デトロイトには昔からハウスと言う音楽は存在してたのでしょう。そんなデトロイトハウスの最良のコンピレーションが、本作"Detroit Beatdown"。つまりはテンポを遅くした、ビートを落とした音楽なんですが、ここら辺はあくまでテクノの外向的で衝動的なエネルギーに対して、ビートダウンは比較的ゆったりとして内向的なだけです。もっと注目すべきはよりルーツであるジャズやディスコ、ファンクを意識した音楽であり、黒き熱きソウルが燻り続ける様なホットな音楽であるって事。未来を突き進むテクノの攻撃的なパワーは無いかもしれない。だけどビートダウンにはひっそりと燃え続ける内なるソウルがあり、それは音の強度だけではない芯のある強さを感じさせてくれるものなのです。艶かしい色気のある曲もあれば、手に汗握るファンク、メロウでジャジーなハウスまで、とにかくデトロイトの感情がぎっしり詰まっている。デトロイトの荒廃した街で逞しく生きる人達のソウルミュージックとはこれだったのか。

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| HOUSE4 | 05:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism (Eskimo Recordings:541416 501724)
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism
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Lindstromとのコンビでディスコダブブームを席巻するPrins Thomasの、タイトル通りでスペーシーな2枚組MIXCD。ジャーマンプログレのHolger Czukay、ファンクのParliament、スペースロックのHawkwindに混じって、Boards Of CanadaやTres Demented(Carl Craig)などのテクノ、日本からはCrue-L Grand OrchestraやDub Archanoid TrimとWaltz(Altz)、そしてハウスやイタロディスコ、レアグルーヴなどがまとまり一つの宇宙を形成する面白いミックスだと思います。本人曰わく2枚まとめて一つの作品だと言う事で1枚目のラストから2枚目の出だしが繋がっておりますが、1枚目は2枚目までにじわじわと上げていくゆったりとした内容、2枚目はよりダンサンブルでよりエモーショナルな内容。いやダンサンブルではあるんだけどやはり肩の力が抜けリラックスしふらふらとしたトラックが多く、ベッドルームで広がっていく宇宙を想像しながら聴けるような音で、決して馬鹿になって大騒ぎする様な音楽じゃあないです。でもバレアリックでもコズミックでもスペーシーでもサイケでも何でも良いんだけど、開放的で楽天的な恍惚の中毒がじわじわと浸透してくるんですね。選曲の幅の広さとは対称的に音の雰囲気にばらつきは感じられず、CosmoでGalacticでPrismなキラキラとしたハッピーな音に統一されていて気持ちEーです。力作っちゅーか怪作っちゅーか、ブームの先端にいるアーティストの本領が炸裂したお勧めの2枚。

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| HOUSE4 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Spirit Catcher - Coast2Coast (NRK Sound Division:NRKCD044)
Spirit Catcher-Coast2Coast
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たっましぃ〜を掴みし者!って事でNRKのCoast2Coastシリーズの最新作は、ベルギーのディスコテック大使・Spirit Catcherが担当。彼等が鳴らす音楽はまるでディスコの様に煌きと輝きがありつつも洗練された華々しさを持ち、フロアでも聴衆を歓喜の渦に巻き込むドラマティックなテックサウンドが特徴なんですが、DJの方でも割かしとそんな特徴は受け継いでいるみたいです。やはり綺麗目のテック系やミニマル系が中心で、まるで雲一つ無い空の透き通るような透明感と清涼感に包まれて、ヨーロッパの典型的なテックハウスを十分に味わえる選曲ですね。ただ以前のMIXCDにも感じた事なんだけれど、どうもこの人達はDJ気質ってよりはアーティスト気質なんでしょうかね?良い選曲だとは思うんだけど、余り展開が無くて全体的にのっぺりしていてイマイチどっかんっと盛り上がらないのが残念。終盤は少々上げ目にはなるけれどパンチは弱く、メインフロアよりはラウンジとかで緩めに流れているミックスと言った風に感じられてしまうのですね。やっぱり序盤は緩めでじわじわ、終盤はアゲアゲってのが僕は良いと思うのですが、どうなんしょ。ミックス仕様、DJユースの為のアンミックス仕様の2枚組み。

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| HOUSE4 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vince Watson - My Desire (Planet E:PLE65305-1)
Vince Watson-My Desire
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デトロイト病に冒された人間の一人・Vince Watsonの新譜は、本家デトロイトテクノのパイオニア・Carl CraigのPlanet Eからのリリース。疾走感のあるリズムトラックに美しいシンセサウンドを重ねるVinceの作風はまあ基本的に毎度の事なんだけど、本作はPlanet Eからのリリースと言う事もあってかかなり本気印。A面の"Qualia"はいつものVince節と言うか、テクノな4つ打ちにシンセの薄いヴェールが乗っかった幻想的でロマンティックなデトロイト風テクノ。あくまで"風"が付くのはデトロイトの要素であるファンキーな面が薄いからですが、デトロイトをヨーロッパ的に解釈したテクノと言う意味では非常に素晴らしいトラックだと思います。そして今回の目玉はB面の"My Desire"、これはなんと69(Carl Craig)の"Desire"をビートレスに解釈した曲だそうで。長尺ビートレスな曲なんだけど、これが涙を誘う程の美しさと心を揺さぶる感情的なドラマが詰まっていて、Vinceの才能大爆発なトラックなのです。所々に"Desire"のメロディーらしき旋律が浮かび上がり、そして途中からは泣きのピアノが乱れ打ちし激情の瞬間が待ち侘びるドラマティックな展開。文句無しに泣ける一曲。この勢いでPlanet Eからアルバムも出して欲しいなと思います。

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| TECHNO7 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
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新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

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| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Throbbing Gristle - 20 Jazz Funk Greats (The Grey Area:TG CD 4)
Throbbing Gristle-20 Jazz Funk Greats
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クラブじゃないけれど朝帰り。渋谷の小さなバーで誰それが80〜90年代の素敵な曲を中心にDJをしていたので、流れでそのまま朝まで居たと言う訳です。規模は大きくなくともそこには温かさがあった、そう信じております。

Throbbing Gristle、通称・スログリ。もはやこんな音楽まで聴くようになると、自分でも大丈夫かなと感じるこの頃。スログリは1975年にイギリスで結成された元祖インダストリアルバンドで、その後のノイズミュージックやインダストリアルに多大なる影響を与えてもいるそうで。またテクノアーティストが彼等の曲をリミックスをしている通り、テクノへの影響も少なからずあるのでしょう。タイトルにジャズとかファンクなんて言葉が入っているけれど、そのまま解釈しても多分意味不明。グレイトなのは間違いないと思うけど。テープなどを使ってコラージュやノイズを散布させた超変異体的なサウンド、呪術っぽい不穏なボーカル(と言うか叫び)など、常人が聴いても特に面白くない神経質なエレクトロニックミュージックですよ。でもこのいかにも工業的で尖った金属音が、ズガンッと脳天へと振り落とされるその衝撃的な気持ち良さは、癖になる〜マゾだマゾ。意外とポップな曲もあるけれど、全体的にはとてもシニカルで前衛的なアルバムだわ。Carl Craigなどが参加したリミックスアルバム"Mutant TG"(過去レビュー)もお勧め。



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| ETC2 | 07:00 | comments(13) | trackbacks(0) | |
Ican - Pa' Mi Gente (Planet E:PLE65302-1)
Ican-Pa Mi Gente
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昨年のリリースのアナログですがデトロイトハウスの注目ユニットで、Planet-Eからの1stがヒットしたIcanによるPlanet-Eからの2作目。Los HermanosやGalaxy 2 GalaxyでもライブをサポートするDJ S2ことSantiago SalazarとEsteban Adameから成るこのユニットは、異質にも特にラテンハウスを前面に押し出しております。僕は何度も言っているのですが、彼等には注目しておいて損はないでしょう。本当に素晴らしいトラックメーカーであります。まずA1の"Pa' Mi Gente"は、男性ボーカルを取り込んだ郷愁の滲み出るラテンハウス。ちょっと懐かしさも感じさせつつも、ヒプノティックなシンセも使ったりしていてデトロイトっぽい面もあったり。力強くぐいぐいと引っ張られるリズムトラックと相まって、フロアではきっと盛り上がるトラックですね。A2はCarl Craigによるダブミックスですが、そんなに大幅には手は加えられてないですね。そしてB面の"Chiclet's Theme"は、パーカッシヴなラテンテックハウス。シンセストリングスをばりばり使っていかにもデトロイトなトラックで、G2Gとかの影響下にあると言っても過言ではないでしょう。Icanもそろそろシングルが溜まってきたんで、アルバムリリースなんかして欲しいですね。

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| HOUSE4 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/01/23 TAICO CLUB presents SO VERY SHOW! @ Womb
昨日はVADERを家に呼んでマチュ家と一緒に夕飯を一緒したので、封印しておいた兄貴からの頂き物「Bernachon」のチョコを開封。VADERと一つずつ頂きましたが、上品で綺麗に消えゆく甘さの極上のチョコレートでした。僕もベルナシオンのチョコを買おうと思ってたら「やじうまプラス」で放送されちゃったせいか、その直後にネットでも売り切れ(ほんとにただのやじうまだわ)。でもクラブ行く前に再度「サロン・ド・ショコラ」を見たら、購入可に戻っていたので即購入。

家で飯食べてがっつり酒飲んだ後は、一人で子宮に向かう。なんだかエロイ表現ですが、常識的に考えてWOMBです。常識的に考えて昨夜はミニマルナイト、流石にそんなに客入らないかと思ってたら人いっぱいになったので、何だか嬉しかったです。最初はKaitoことHiroshi WatanabeのDJですが、普段よりも幾分か硬めのテックハウスだった気が。重厚で幻想的なシンセヴェールの曲を回しながらも、ドンチク重めのリズムでアッパーに盛り上げておりました。
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| EVENT REPORT1 | 09:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2008
昨日の続き。先行きの暗い日本ではありますが、個人的には良い事も…あったっけ?いやいや、ありました。本人には面と向かっては恥ずかしいので言いませんが、当ブログを通して出会えたa4mさんには感謝しております。多分当ブログの読者で初めて会った人なんだけど、何故か今までは特に誰とも会う事は無かったのです。がa4mさんがパーティーに誘ってくれて、更には友達のクラバーを紹介してもらったり、新しい出会いがありました。周りからすればそんなの大した事ないじゃんと思うでしょうが、本来引き篭もりむっつり根暗系の自分は人付き合いもそんなに上手ではないので友人も多くもないし、まさか当ブログの読者に会うなんて事は考えてなかった訳ですよ。だから彼女が誘ってくれたのは嬉しかったし、彼女の気さくさと言うか親近感は見習いたいものです。つーことで、オイラもRevolution For Changeするよ。クラブで音楽を楽しめる方(ナンパとかしたい人はお断り)なら一緒にクラブでも楽しい時間を共有出来ると思うから、良かったら一緒に踊りに行きましょう。酒好きで女好きだけど、音楽も好きだから気軽に楽しみましょう。男の人でも、阿部さんみたいな人なら会いたいな、ウホッ!

しかし最近このブログも色んな人が見ているようで自分でもびっくりするけど、読者数が増えるにつれてシモネタや毒舌は控えないといけないねと思ったり、そこら辺のバランスは難しいですね。ま、そんなこんなで激動の一年でしたが、この一年間どうもありがとうございました。また来年も宜しくお願いしまーす。

では続きで自分の中の2008年ベストを紹介しようと思います。
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| BEST | 00:30 | comments(13) | trackbacks(3) | |
2008 Best Seller
今年も残り二日ですね〜時間が経つのは早いです…。ちょっとこの二日間で今年を振り返ってみると、まずは悪かった事から。彼女に振られた。別れて半年位経つので、そろそろ新しい出会いもキボンヌ。リーマンブラザーズ破綻のせいで日経平均大暴落、ついでに所持している株の総資産も超減った。嘘だと言ってよ、バーニィ(泣)。来年からはプラチナ積立貯金を始めるわ。今プラチナが超安くなってるねん。それとシフト制の仕事のせいでメタモ(G2G、アシュラ)、フジロック(マイブラ)に行けず(泣)。仕事の為に生きている訳ではないので、来年現場変えを頼んでそれが無理なら転職だわ。満足に趣味の出来ないライフなんて、死んでるも同然。あとは不景気のせいで年末の派遣切りは本当に心苦しいね。自分は運良く正社員なのでまだ良いけれど、派遣って制度自体やっぱダメだろ。規制緩和した小泉元首相は切腹すべき。特定技術向けの派遣以外は全部廃止しる。または同一労働同一賃金は保証しないとな。派遣を雇ってまで経費削減しないと黒字化しない会社は、利益が出る収益システムを確立出来てないと言う事なんだから、そんな会社は遅かれ早かれいずれ潰れる。とまあ本当に若者にとっては苦しくなるばかりの日本だな。自民党は票が欲しいので老人向けの政治しかやならないし。若者の皆さん、人生はゲームです。みんなは必死になって戦って、生き残る価値のある大人になりましょう!と言う事で残りはまた明日…

無駄口が続きましたが今年も当ブログ経由で色々と商品をお買い上げどうもありがとうございました。当ブログ読者には一体どんな商品が人気あったのか?以下に人気商品を挙げてみたいと思います。それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul (Meldac:MECP30021)
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul
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取り敢えず本日で今年のレビューは最後。今年も毒舌、シモネタばかりの駄文ブログを読んでいただいた読者の皆様、どうもありがとうございました、そしてすいませんでした。ブログでは毒ばかり吐いている最低人間ですが、実際に会うとシモネタばかりの最低人間で、どっちにしてもダメですね、えぇ。でも音楽は本当に愛しているので、来年も皆様に楽しんで読んで頂ける様なブログを書くように精進したいと思います。特にクラブは行くけどクラブミュージックには詳しくないと言う人にも、音楽そのものに興味を持ってもらえるようになれたら嬉しいです。

さて最後は何故か今までレビューを放置していたテクノコンピ大名作の"Cosmic Soul"。"Cosmic Soul"って言うタイトル自体が素晴らしいじゃないですか、当時Remix編集長の小泉雅史のセンスには感嘆。この"Cosmic Soul"には単なるダンストラック以上の価値が含まれていて(勿論踊れないと言う訳でもない)、音楽にもっと知性や思考の喚起、感情の揺さぶりをもたらす音楽としての意味があるのだと思う。本コンピにはデトロイト系のUR、Red Planet、Carl Craig(Naomi Daniel、PCP)、Rhythim is Rhythim(Derrick May)、アシッドテクノのThe Kosmik KommandoとAcid Junkies(Stefan Robbers、Terrace)、UKインテリジェントテクノのAs One(Kirk Degiorgio)とReload(Global Communication)、そして日本のKen IshiiとC.T. Scan(CMJK)と本当に素晴らしいとしか言いようのないアーティストの曲が収録されています。多分今までリリースされたテクノコンピの中でも、ベスト5には入るのでないかと思う位に名曲揃いですね。各アーティスト確かに出音は違えど根底に共通するのは、エクスペリメンタルでエモーショナルな音と言う事。クラブでのリスニングに依存せず場所を問わない音楽としての純度を高めたエレクトロニックミュージックと言えば良いのかな。音楽自体が主張しリスナーの感情に問い掛ける力があり、個々の精神面に深く突き刺さるエモーションが発せられているのです。クラブにただナンパしに来たりただ騒ぎに来たりするのも否定はしないが、クラブミュージックにはそれだけの意味ではなく、もっと深い精神性がある事を認識させてくれるであろう音楽が"Cosmic Soul"なのです。クラブでも時折音にじっくりと耳を傾けて欲しい、そして深いインナースペースに飛んでみて下さい。

Tracklistは続きで。
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| TECHNO6 | 08:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Sueno Latino (Golden-Dance-Classics:GDC2099-8)
Sueno Latino
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メリークリスマス!クリスマスと言えば、一年で一番日本が揺れる日、またはラブホテルの稼働率が一番高い日、またはレストランがぼったくる日で有名ですが、分かり易く説明すると日本中で一番セックルが行われる日でございます。でもよぉ日本人でクリスチャンは少ないんだし、そもそもこんな日だけじゃなくて普段からばんばんセックルすりゃ良いのにね。日本の夫婦の4割がセックスレス状態だそうで、その理由が「仕事で疲れている」「面倒くさい」だそうです。なんてもったいない理由なんだ!と童貞が僻んでおりますが、くっ、悔しくなんかないんだからねっっ!!

しゃーねーです、クリスマスだからお祝いに下世話で快楽的な"Sueno Latino"でも聴かせてやるのです。



まあこのブログの読者ならご存知だとは思いますが、Manuel Gottschingの"E2-E4"(過去レビュー)をハウスリミックスしたのが"Sueno Latino"で、更にそれをDerrick Mayがリミックスしたり、二度あることは三度あるって事でCarl CraigがPaperclip People名義で"Remake"しちゃったり、とにかく神懸り的な軌跡を歩んでいる曲なんですわ。オイラはPCP名義の"Remake"がストイックなリミックスで好きなんだけど、まあ酒池肉林になって騒ぐなら"Sueno Latino"の方が向いておるよ。快楽的なイビザトラックっつかセカンドサマーオブラブ真っ只中のアンビエントハウスっつか、Eをきめまくりとことん快楽を追求したバージョンが"Sueno Latino"だからね。カップルはこれでも聞いてどろどろの快楽に溺れてくれたまえ。このCDには"Sueno Latino"のオリジナルバージョンに、Derrick Mayによる"Illusion First Mix"やらManuel Gottschingのギターを追加した"Winter Version"やら計5バージョンも収録されていて、大変お買い得になっております。

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| HOUSE4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2008/12/19 HMV SHIBUYA & ONLINE 10TH ANNIVERSARY presents CARL CRAIG Supported by MTV @ Womb
るんるん、今日は一人でカールクレイグ。でもクラブ行く前に美味しいビールを飲むのです、と言う事で渋谷のセンター街にある「THE ALDGATE」で一人飲んできた。ここは英国パブって言うのかな、イギリスのビールが充実している隠れ家的バーなんですよね。自分はベルギーやドイツ、イギリスのビールが好きなんでビールが充実しているバーが大好きなんです。しかもここはキャッシュオンデリバリーだから金を使い過ぎる事はないし、カウンター、テーブル、立ち飲みと色々な飲み方が出来るので、一人で行ってもカップルで行ってもグループで行っても楽しめるのです。チャージも無くて良心的だし、BGMがUKロック中心(ハードロックは絶対に流れません)なので雰囲気が良いのですわ。五月蠅い渋谷の中では大人が多いバーなのでお勧め。デートで女の子と飲むのに使いたいバーけど、相手がいないナリ。
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| EVENT REPORT1 | 08:00 | comments(14) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/12/19 (FRI)
HMV SHIBUYA & ONLINE 10TH ANNIVERSARY presents CARL CRAIG Supported by MTV @ Womb
DJ : Carl Craig, Ryo Watanabe

2008/12/22 (MON)
WOMBADVENTURE'08 AFTER PARTY @ Womb
DJ : Luciano

2008/12/26 (FRI)
turquoise presents Color Number Vol.2 @ Club Asia
DJ : Ian O’Brien, DJ NOBU, OMB, M.S.K., NEWDEAL

2008/12/27 (SAT)
CHAOS @ Unit
DJ : Fumiya Tanaka, Sammy Dee

2008/12/28 (SUN)
CLUB MUSEUM “The SOUL of DETROIT” @ Unit
SPECIAL GUEST LIVE : Octave One
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House, Taro,Sugawara

2008/12/29 (MON)
Air & ButtON presents DJ Spinna Japan Tour @ Air
DJ : DJ SPINNA

2008/12/31 (WED)
UNIT NEW YEAR'S PARTY 2009 @ Unit
LIVE : SCHOOL OF SEVEN BELLS
DJ : TOM MIDDLETON, KAORU INOUE, KENTARO IWAKI, HIKARU, Salmon

2008/12/31 (WED)
"LIFE FORCE" New Year Cowntdoun @ Seco Lounge
DJ : Nick The Record, Foolish Felix, Juzu a.k.a. Moochy, MaNA

2009/01/04 (SUN)
Chillout Village 09 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, Artman, Utsumi, Kensei, Q, Sinn, Hiyoshi

2009/01/11 (SUN)
FLOATRIBE -NEW YEAR'S SPECIAL- @ Unit
DJ : Kaoru Inoue, Kentaro Iwaki

さて今年も残り2週間。歳をとると時間が経つのも本当に早く感じられます。今年はYELLOWがクローズし、色んな箱でパーティーが中止になったり、クラブシーンに対し風当たりがだんだんと強くなっていて残念です。昨日もWOMBで何かあったらしいけど、マジで大丈夫か?と言う事で行くかどうかは別として気になるパーティーを幾つか。ミックスマスターモリスは未経験なんで、生で聴いてみたい。
| UPCOMING EVENT | 19:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Deetron (Music Man Records:MMCD033)
Fuse Presents Deetron
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ふしゅ〜ぅぅぅぅぅ…(気の抜けた音)。何だろう、この焦燥感は…。ベルギーテクノ名物・Fuseの最新作を担当するのは、かつてIntecやPhont Musicからハードテクノ+デトロイトテクノな作風でヒット作を量産していたDeetron。彼が以前出したMIXCDはデトロイトとハードなトラックを高速で繋いでいくかっちょいー内容だったのだけど、新作はまあ時代に流されたと言うべきかミニマルやらハウス、テックハウス中心の気だるくディープな音が中心。う〜ん、どうなん?この変わり様?僕が時代遅れなのかな?一応フォローしておくと確かに元からミニマル系だと言う概念があるのであれば、素直に格好良いと思えるよ。ただDeetronにかつて期待していた物を求めていた人は、合わないのかな。速さは無くとも粘りのグルーヴはあるしDJとしての底力は感じさせるけど、Deetronの個性はここに感じる事は出来ないんですよね。古いシカゴハウスなりが回されてオールドスクールなムードがある点には救われましたが。

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| TECHNO6 | 20:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald (Universal Music Classics & Jazz:00289 4766912 8)
Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald
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限りなく奇跡に近い夢の競演。デトロイトテクノの至宝・Carl Craigと、ベルリンミニマルダブの最高峰・Moritz von Oswald(From Basic Channel)が手を組んだ。彼等が題材にしたのはクラシック。Herbert von Karajan指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による「ボレロ」、「スペイン狂詩曲」、「展覧会の絵」を再構築すると言う偉業を成し遂げたのだが、決して話題性だけに陥る事なくTECHNOとして完全にリメイクされている事は褒め称えるべきであろう。誰しも耳にした事がある原曲のフレーズをサンプリングしてミニマルに展開しているのだが、徐々に融解してエレクトロニクスと侵食し混ざり合っていくカオスな状態が不思議な恍惚感を生み出している。また彼等が生み出すエレクトロニクスの音に関してはやはり一級品で、研ぎ澄まされた金属的な質感や荘厳な音色はただそれだけで気持ちの良い音となっている。静謐な雰囲気を漂わせながら非常に重厚感のある楽曲で、殆どがノンビートである事はアンビエントとして聴くのが最適そうではあるが、それと共にミニマルでありながら大きなうねりや躍動感もある事に気付くであろう。面白い作品だが、それだけでなくTECHNOとして格好良いのだから素晴らしい。彼らのアイデアの深さにはただただ感嘆するだけである。

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| TECHNO6 | 20:40 | comments(1) | trackbacks(4) | |
Gemini - In And Out Of Fog And Lights (Peacefrog Records:PF070CD)
Gemini-In And Out Of Fog And Lights
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連日テクノ関連が続いていてたまには他ジャンルの紹介もしないとバランスが取れないと言う訳で、今日はUKの名門レーベル・Peacefrogからのハウスアルバム。と言っても自分はPeacefrogからのリリースと言うだけで購入しただけで、Geminiについては全く知らないんですわ。ネットで調べてみるとシカゴハウスのアーティストだそうで、かつてはCajualやReliefからもリリースしていた事があったそうです。しかし本作ではそんな経歴からは予想出来ないデトロイトっぽさも取り込んだエレクトロニックなハウスが中心で、随分と厳かで深淵な雰囲気を醸し出しています。シカゴハウスの人なら普通はパンピンでお下品で卑猥なハウスを予想するのですが、本作ではそんな音は皆無なんで正直予想を裏切られました。しかし予想は裏切っても期待を裏切らないのがPeacefrog。上品でムーディーなハウスはCarl Craigらにも繋がる内容で、かなり高品質なのは断言します。透き通る美しいシンセの音色には最近のミニマルっぽいヒプノティック感もあるし、リズムトラックはジャジーで滑らかな流れが心地良く、クラブだけでなくホームリスニングで聞き込んでも楽しめる音楽なんですね。シカゴハウスやってた人が、一体どうしてこんなムーディーな路線になってしまったんでしょうね?

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Kenny Larkin - Keys, Strings, Tambourines (Planet E:PLE65303)
Kenny Larkin-Keys, Strings, Tambourines
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Carl Craigらと共にデトロイトテクノの発展に貢献してきた一人・Kenny Larkinの新作が、なんとCarl CraigのPlanet Eからリリースされました。Kennyは今までにもR & S Records、Warp Records、Transmat、Peacefrog Recordsなど数多くのレーベルから素晴らしいトラックをリリースしておりましたが、今回はPlanet Eからのリリースと言う事もあり特に期待して待っていました。が期待し過ぎたのが裏目に出てしまったのか、どうも自分にはしっくり来ずに残念なのが今の気持ちです。何でしょうね、色々な事をやり過ぎている印象が強いのでしょうか、テクノ・ジャズ・ミニマル・プログレなどから少しずつ要素を抽出して作り上げた様なアルバムなんですよね。逆にオールドスクールなデトロイトテクノの要素が少なめで、シンセパッドやストリングスががんがんに効いたトラックが無くて肩透かしを喰らった感じ。また音などは整理されて上手くまとめられた様な作りなんだけど、逆にラフさが無くてデトロイトの衝動で曲を創る良い点が失われている気がしたんですよね。どうもデトロイトフォロワー的な音楽性なんでしょうかね、ヨーロッパから出てきた様な音の印象を受けました。キラートラックも無かったし正直残念です。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fumiya Tanaka - I Am Not A DJ (Sony Music Entertainment:SRCS7663)
Fumiya Tanaka-I Am Not A DJ
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昨日は田中フミヤのCHaOSに行こうと思って渋谷のバーで一人飲んでいたんだけど、体調がよろしくなく結局飲んだ後帰宅してしまいました。YELLOW亡き後WOMBで初のCHaOSだったので興味はあったのですが、体調不良には勝てませぬ。次のCHaOSはUNITでしたっけ?

さてそんな田中フミヤの懐かしいMIXCDが1995年リリースの本作。当時はまだMIXCD自体が極めて貴重であったのですが、彼がこうやってジャパニーズテクノの道を切り開いてきた訳なんですね。内容の方も現在のフミヤからはとても想像の付かないごった煮ハードなテクノで、Jeff Mills、Basic Channel関連、Carl Craig、Richie Hawtin、Planetary Assault Systems、Robert Hoodなど今ではテクノの大御所となったアーティストの曲がこれでもかと使用されています。若いだけあって荒々しい展開ながらも汗を感じられる激しいプレイで、最近のフミヤの特徴である知的でディープなプレイしか聴いた事がない人は衝撃を受けるんじゃないでしょうか。いやね、これはまじで格好良いですよ。まだまだ日本にクラブシーンが根付く前にこんなプレイをしていたなんて、やっぱりフミヤは漢です。モロにかつてのJeff Millsの影響下である事を差し引いても、暴力的でノーコントロールに爆走して行く猪突猛進なプレイは、フロアに音の爆弾を投下してるイメージで体もウキウキです。正直な気持ちを言うと、最近のプレイよりこう言った過激なプレイが聴きたいのが本音で、一年に一度でも良いからそんなパーティーを開いてくれると本当に嬉しいのですがね。昔からテクノを聴いている人は、多分こんな感じのMIXCDに共感する人は多いはず。ちなみに各曲に野田努とKEN=GO→が解説を付けているので、それを読むだけでも十分に楽しいです。

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| TECHNO6 | 21:15 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Ian O'Brien - Mi Mix (Octave Lab:OTLCD1130)
Ian O'Brien-Mi Mix
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UKからデトロイトへの愛を奏でるマルチプレイヤー・Ian O'Brien。エレクトロニクスと生楽器を巧みに操りデトロイトテクノから、更にはルーツを掘り下げフュージョンやジャズまで創作する深い音楽性を持ち合わせた素晴らしいアーティスト。デトロイトへの愛を包み隠さずに表現するオプティミスティックな性格はその音楽にも表れていて、エモーショナルでロマンティックな音は聴く者を魅了する。そして長い活動を経てようやく彼の音楽的ルーツを探る初のMIXCDがリリースとなった。「デトロイトテクノのスタイルとサウンドは精神に基づいたものであり、地域的なものではない」、そう語るIanの発言通りこのMIXCDには地域も時代も越えた選曲がなされている。古いデトロイトのクラシックスから最新のヨーロッパの音まで彼の音楽性と共振するエモーショナルなトラックが、これでもかと選び抜かれているのだ。デトロイトからはGalazy 2 Galaxy、Juan Atkins、Carl Craig、Los Hermanosら大御所が、ヨーロッパからはKirk Degiorgio、Ray Kajioka、Nubian Mindz、そしてレアなアーティスト・LA Synthesis(全然知らなかったけど素晴らしい)までと、ビギナーから玄人まで納得出来る文句無しの選曲ではなかろうか。今回選ばれたトラックに共通点を見出すならば、それはやはり一聴しただけで心をノックアウトするメロディーが存在している事。テクノと一般的には無機質だったり堅苦しいイメージがあるかもしれないが、テクノは感情的であり魂が込められた音楽でもあるのを忘れてはならない。だからテクノのエモーショナルな面を最も表現しているこのMIXCDは、テクノに入り始めた人にとっても大変有意義な物である。そうそうIanの新曲"Umi"(と言ってもライブやDJでは一年以上前から披露されているが)も素晴らしい。初期のマッドマイク病に冒されていた頃の雰囲気を思わせるテクノだ。この調子でオリジナルアルバムも期待したいものである。

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| TECHNO6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Common Factor - Dreams Of Elsewhere (Planet E:PE65244CD)
Common Factor-Dreams Of Elsewhere
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今日もデトロイト関連、10年位前にCarl CraigのPlanet Eから作品をリリースしていたNick CalingaertことCommon Factor。詳細が得られないので経歴などは不明ですが、近年はSomaやPlayhouseからもハウスをリリースしているみたい。本作はPlanet Eからのリリース(と言っても1998年作)と言う事もあるので、レーベルを信頼してアルバムも購入してみた。でも想像していたよりはPlanet Eっぽさは感じなかったかな。全体的にディスコとファンクを混ぜ合わせ、それを4つ打ちハウスに仕上げたようなレトロなフレイヴァーが漂っております。もっとフューチャリスティックな音色が一杯詰まっているのをPlanet Eには期待していたから、なんだか拍子抜け。また中にはミニマルやディープハウス、生温いダウンテンポ、アフロ風などの曲もあるのですが、ちょっと手を広すぎて焦点が定まってないんですな。せめて何かキラートラックと言える曲を用意してくれないとね。最近のかなりエレクトロニック化したPlanet Eとは音が異なるので、最近のPlanet Eしか知らない人は気を付けましょう。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker - Detroit After Dark (Studio !K7:!K7R015CD)
Terrence Parker-Detroit After Dark
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デトロイトはテクノだけにあらず。と言う事でデトロイトハウスのTerrence Parkerの1997年のアルバム。ここ10年位はレコード中心での活動なのであまり聴く機会は無いのですが、ゴスペルハウスとも呼ばれる濃密で熱いハウスを生み出しています。しかしながらこのアルバムではもうちょっと多様性があり、全体的にリラックスしたムードが漂う内容。哀愁を漂わせるギターやピアノを使用し親父のどこか寂しい背中が喚起させられるムーディーな曲や、透明感の流麗なシンセを使用した色気を醸し出した曲など、ハウス一辺倒ではなくダウンテンポでラウンジを意識した曲が多めです。優雅とは言い過ぎかもしれないけれど、幾分か上品な面も見受けられリラックス出来る感じ。Carl Craigもサンプリングして使用しているCurtis Mayfieldの"Little Child Runnin Wild"やE2-E4までもサンプリングで使用するなど、ネタ使用的にも楽しめます。でもめっちゃ黒く強烈な4つ打ちが聴けるハウスもあるので、デトロイトハウス好きにも退屈せずに聴けますよ。MoodymannやTheo Parrishほどどぎつくないので、良い意味でとっつき易いかと。

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| HOUSE4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tony Allen - Lagos Shake : A Tony Allen Chop Up (Honest Jon's Records:HJRCD34)
Tony Allen-Lagos Shake A Tony Allen Chop Up
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アフロの帝王・Tony AllenのオリジナルアルバムからEPのみでリミックスがカットされてきましたが、遂にその最終章としてアルバムとしてまとめられてリリース。もしオリジナルアルバムを持っていなかったり、例えTony Allenを知らなくても、本リミックス集はテクノ好きの興味を誘う事間違い無しの面子が集まっております。なんとデトロイトテクノの至宝・Carl Craig、そしてミニマルダブの極北・Basic ChannelからMoritz Von OswaldとMark Ernestusがそれぞれソロでリミックスを提供しているのです。Carlさんはアフロな原曲に更にヒプノティックなシンセを上乗せした、まあいかにも彼らしい未来的なテクノに仕上げております。そしてMark Ernestus、こちらは近年の彼の好みを繁栄したレゲエやダブの奥深い音響空間を生かしてもわ〜んとしたダブハウス。蒸し暑い南国の湿度に満たされ、ラリパッパーな世界ですね。そして極め付きはMoritzのリミックスですが、抜けの良いアフロパーカッションを生かしつつもドロドロとした低音の効いたベースとキックが重苦しく支配し、いつの間にか密林の奥地に誘い込まれる様なミステリアスなミニマルダブ。完璧、文句のつけようのないプロダクションでしょう。で他にもリミキサーが多数参加しているのですが、自分の知らない面子ばかりでした。それでもファンクやサンバ、どこかネジの飛んだエレクトロニカ風など全体的に統一感は全く無しですが、どの曲も強烈な存在感を感じさせ、アルバムとしての聴き応えは有り楽しめる一枚だと思いますよ。

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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2008/05/23 root & branch presents UBIK @ Unit
絶望した!!まあそれは言い過ぎかもしれないけれど、最近のクラブミュージックシーンは憂うべく状況にあるのは間違いなさそうです。と言うのも先日行ったパーティーには、初来日のNewworldaquarium、そしてIan O'Brien, Kentaro Iwakiと実力のあるアーティストが揃っていたにも関わらず、大した集客が出来なかった事実があったからです。しかもメイン時間帯のNewworldaquarium以外はフロアもガラガラで、本当に悲しい状況でした。なんかねもうダメかもしれないね、パーティーは一杯開かれていてもしっかり音楽を聴いている層は一割もいないのかもしれない。Daft PunkやFatboy SlimやUnderworld、またはRichie HawtinやSven Vath、Carl Coxとかねフロアを山手線の様に混ませる位のアーティストもいるけれど、じゃあ果たしてそれらのパーティーに来る人のどれだけが本格的にクラブミュージックを聴いているのかな?今回僕が聴きに行ったアーティストだって良質な音楽を発信しているのに、何故こうも不当な評価を受けるのか全く理解出来ない。きっと時代は変わったんだね、音楽ではなくクラブに来る事が目的になってしまったんだろう。なんだか悲しいけれど、これが現実に違いない。続きは軽くイベントの内容でも。
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| EVENT REPORT1 | 22:00 | comments(16) | trackbacks(0) | |
Rush Hour meets DJ WESSUN (Underground Gallery:UGCD-RH001)
Rush Hour meets DJ WESSUN
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Underground Galleryは良いレーベル。神戸にあるデトロイトテクノを中心にアンダーグラウンドなクラブミュージックを販売するショップなのですが、近年はレーベルとしても活動していてデトロイト関連の日本盤をリリースしております。特に嬉しいのはJASRACと契約を結んでいない事。CISCOもレーベルとしてUR関連をリリースしているんだけど、あっちはJASRACと契約結んじゃっているんだよね、もうアホかと…。

さてそんなUnderground GalleryがリリースするMIXCDが一枚、なんとオランダの優良レーベル・Rush Hourの音源のみを使用した日本企画盤。ミックスを担当したのは関西中心で活躍するDJ WESSUNなるヒップホップDJ(らしい)で、DJ Krushも推薦している実力派だそうで。このDJに関しては全く知らないのでとにかくCDを聴いたのですが、Rush Hour音源を使用した内容以上に素晴らしいですな。まず認識を改めないといけないのはRush Hourがデトロイトリヴァイヴァルに貢献したレーベルでありながらも、決してデトロイトテクノだけに限らない幅広い音楽性を持っていると言う事。そしてその音源を使用してDJ WESSUNがまるでストーリーを持ったかの様なグルーヴの変遷を創り上げ、テクノ・ハウス・ヒップホップのそれぞれの要素を感じさせる巧みなミックスをしているのです。言葉で説明すると安っぽく思われるでしょうが、単調に陥らないメリハリのあるファンキーなリズム、そしてデトロイトテクノ特有の未来的な空気、違和感を感じさせない心地良い曲の流れ、どこを取ってもこれは聴かれるべくテクノであると断言します。レーベル、そしてDJの両方の発掘をする好企画と言えるのではないでしょうか。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Martin Buttrich - Full Clip / Programmer (Planet E:PE65287-1)
Martin Buttrich-Full Clip / Programmer
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昨日に続いてMartin ButtrichのPlanet Eからの一作目。多分本作によって一気に注目度が高まったであろう名作(そもそもPlanet Eからリリースする事自体が、ある意味ステータスな訳で注目を浴びるのは必然)。内容はやはりと言うか何と言うかいかにもPlanet Eらしいメロディアスなシンセリフを多用した深みと恍惚に満ちたテクノで、当然悪い訳がありません。ミニマルなリフでじわじわと染みてくるのですが、不思議と単調に感じないのはやはりリズムがグルーヴィな為でしょうか。テクノでもディープハウスでもプログレでも通用しそうな幅の広さと質、文句無しのEPだと思います。しかしこうもPlanet Eから良作が生まれるのはCarl Craigの嗅覚が良いのか、それとも多くのアーティストがPlanet Eに作品を送りつけているからなのか。欲を言うならばPlanet Eには、もっとアルバム製作を積極的に行って欲しいのである。

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| TECHNO6 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Martin Buttrich - Stoned Autopilot (Planet E:PLE65296-1)
Martin Buttrich-Stoned Autopilot
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更にCarl Craig関連で今度は彼のレーベル・Planet Eから作品をリリースしているMartin Buttrichなるアーティスト。彼についての情報は殆ど知らないのですが最近だとCocoon RecordingsやPoker Flat Recordingsからリリースしたり、また10年以上前から変名で作品をリリースしたりしているそうです。またミニマルシーンで活躍しているLoco Diceがおりますが、Locoの作品の多くで共同プロデューサー兼ライターとして名を連ねております。実はMartin Buttrichってかなりの実力の持ち主なのかしら?紹介はそれ位にして実際に聴いてみましたが、かなり、いや超絶素晴らしいじゃないですか。A面の"Stoned Autopilot"が特に目を見張る内容で、端的に言うと最近のCarl Craig風。音数が少ない展開からじわりじわりとシンセリフでビルドアップし、そして不気味に輝くサイケデリックな雰囲気を醸し出し、いつのまにか闇のどん底に引きずり込むようなダークサイドテクノ。これはCarl Craigにも匹敵する一曲だと断言します。B面の"Cruise Control"はそこまでヘヴィーでもなく、クリックを意識した様なスムースなミニマル調でA面よりノリは良いね。単なる流行のミニマルを追いかけた様な作品ではなく、もっとリズム等も凝っていてグルーヴィーで良い感じ。こりゃ是非ともPlanet Eからアルバムをリリースしてくださいな!(Cocoon Recordingsからじゃなくてね!)

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hot Lizard - The Theme 2008 (NRK Sound Division:NRK136)
Hot Lizard-The Theme 2008
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Presence、Love From San Francisco名義でも活躍するCharles WebsterもメンバーになっているHot Lizardの1995年作が、ニューリミックスを収録してリイシューされております。注目はやはりデトロイトの天才・Carl Craigのリミックスですが、実は1995年に既に発表されておりまして特に新作と言う訳ではないようです。確かにそう言われてみると昔のCarlの作風に近いアナログ的で柔らかいシンセ音が中心で、ローファイな質感が懐かしくも未来的な予兆を感じさせます。最近の作風よりはモロにデトロイトテクノ風で、やっぱり昔からCarlは才能が突出していたなと再確認。Charles Websterが手掛けた新録の2バージョンは、片方は流行っぽくどぎついシンセが入ったねちっこいエレクトロハウス。ぐいぐいと惹き付けられる締まりのあるリズムトラックは、きっとフロアでも腰を揺らしまくるはず。もう片方は夜を感じさせるムーディーなディープハウスにアレンジされており、叙情を感じさせる内容です。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Tony Allen - Kilode (Honest Jon's Records:HJP39)
Tony Allen-Kilode
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多分テクノと言うジャンルにおいて一番の働き者であるであろうCarl Craig。自身の作品も程々には多いのですが、それ以上に他人のリミックスワークを尋常なペースで手掛けております。そして面白いのが彼の才能に目を付けるのは別にテクノシーンのアーティストだけではなく、ジャンルの垣根を越えて彼にリミックスを頼むアーティストが意外にも多いのです。最近だと浜崎あゆみなんかもCarlにリミックスを依頼してたりして、遂にCarlもお茶の間進出か?(んな訳はないわなw)。で本作はゴッド・ファーザー・オブ・アフロビートなんて呼ばれているらしいTony Allenの曲をCarlがリミックスしております。オリジナルは生太鼓がポコポコな土煙の舞うアフリカンな内容ですが、Carlが手をかけると完全にCarlの音楽へと生まれ変わります。まあしかしここ数年の彼のリミックスワークを聴いていると、以前のピュアで荘厳な雰囲気を持ったシンセ音は封印され、むしろどぎつく恍惚を誘う様なサイケデリックな感覚のシンセ音が多いなと思います。どっちが良いとか悪いではないけれど、かなり上物シンセは強烈に響いておりますね。そう言えばオリジナルアルバムをなかなか製作してくれないのでやきもきしますが、リミックスが相当に多いので我慢しちゃるわ。でついでに今までのリミックスワークを全部まとめてCD化してちょ(一体CD何枚組みになるのかしら?)。

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| TECHNO6 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steve Bug - Bugnology 2 (Poker Flat Recordings:PFRCD16)
Steve Bug-Bugnology 2
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近年のミニマル隆盛と共に知名度を上げたPoker Flatのボス・Steve BugのMIXCD。既に結構な量のMIXCDをリリースしていて、本作は2006年にリリースされた物。彼のMIXCDはほぼ全部揃えているのですが、どの作品も淡々としていてクールなプレイが多いのが共通しています。リリースが増えるにつれてどのMIXCDも音が似通ってきているので、個人的にはもっと違ったプレイも聴いてみたくなってきたこの頃。だからと言って決して本作の質が低い訳でもなく、やはりミニマル系のDJでは安定したプレイでぼちぼちの質を保っております。ミニマルと言ってもただヒプノティックな音を追求するのではなくて、もっと肉体的と言うかリズムが直感的に体に来る感じのトラックが中心でしょうか。カチコチ系のパーカッションをベースに不安げで陰鬱なシンセがどろどろ入ってきて、ずーっと暗い夜道を彷徨う様なダークな展開で控えめに言っても派手は展開は無し。音数の少なさや不気味なベース音やら狂気を感じさせる雰囲気やら、そんな所にシカゴアシッドの影響なんかも感じたりしますね。事実他のMIXCDではシカゴハウスも回してますし。しかしまあ本当に地味と言うか淡々と冷たく、まるで能面の如く無表情なプレイですな。体感温度が下がりそうなひんやりとした音楽だね。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Newworldaquarium - The Dead Bears (NWAQ:NWAQ02CD)
Newworldaquarium-The Dead Bears
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デトロイトテクノ好きな方が注目しているであろうオランダのレーベル・Delsin、そこを中心に活動しているNewworldaquariumはご存知でしょうか?154、Newworldromantic、 Ross 154などの名義でも活動しているJochem Peteriと言うオランダ人であります。注目を集めたのはNewworldaquarium名義でDelsinからリリースした"Trespassers"が、Carl Craigに気に入られてPlanet Eにライセンスされた時だったと思います。まあこのEPは本当に素晴らしく、コンプをかけざらついた音の触感が特徴の暗黒系ディープハウスなのですが、MoodymannやTheo Parrishを引き合いに出せば良いのかなと思う位。Carl Craigが入れ込む位だから当然悪い訳が無いんですけどね。そして遂にそこから8年、やっとこさNewworldaquarium名義での初のアルバムが届けられました。待ちに待ったアルバムは期待を裏切らない漆黒のビートダウン系ハウスなのですが、デトロイトの方達がソウル色が強いのに対しNewworldaquariumは神秘的と言うか謎めいた音を聴かせてくれます。もちろん音はざらざらで音圧も高くぶっとい漆黒のビートを打っているし、黒さも十二分にあります。ただMoodymannやTheo Parrishに比べればコズミックなシンセが多用されている事も考えると、テクノ的な耳で聴く事も出来るしデトロイトテクノ好きな人も絶対好きになると思います。はぁ〜このねちっこいドロドロ感とローファイな音質が最高にたまらんとです。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Sessions (Studio !K7:!K7224CD)
Carl Craig-Sessions
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生きる伝説、テクノミュージックの至宝、未来と過去を紡ぐ者、一体どれ程の言葉があれば彼の全てを語る事が出来るのだろうか。デトロイトテクノのみならず電子音楽と言う範疇において、彼の活躍無くしては今のシーンが果たしてあっただろうか。その人こそデトロイトからの使者・Carl Craig。デトロイトテクノ第二世代に属す彼は、同世代のUndergorund ResistanceやJeff Millsとも異なる音楽性でデトロイトテクノの躍進・拡大に貢献し、デトロイトの個性を最も体現しているアーティストの一人である。

さて、彼はアルバムやCDを殆どリリースせずEP単体での仕事が多いので、レコードを聴かないリスナーにとってはなかなか普段は聴く機会が無いのではと思う。またリミックスワークも尋常ならざる量を請け負っているが、当然EPでのリリースなのでまだ見知らぬ曲がある人も結構な数になるであろう。そんな人達に朗報!近年の彼の仕事をまとめたミックスCDが2枚組でリリースされたのだ。まあわざわざ説明しなくても内容が超絶素晴らしいなんて事は誰にも分かるので、敢えて説明はしない。しかし勘違いはしないで欲しい。これは決してベストアルバムではない。あくまで彼の一部だ、一部。とてつもない量のリミックスワークをしている彼にとってベスト盤を出すのは、事実上不可能に近い。それでも本作は本当に素晴らしい事は保証する。僕は大半の曲はレコードで持っているので新鮮味は特にないけれど、CDで一同に聴けるのは本気(マジ)で感動ものである。そして最後に一言…

テクノリスナーならこれを聴かずして一体何を聴く?

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| TECHNO5 | 22:00 | comments(6) | trackbacks(5) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
DJ Alex From Tokyo - Mi Mix (Octave Lab:OTLCD1110)
DJ Alex From Tokyo-Mi Mix
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NYに行ってしまったDJ Alex From Tokyoの新作MIXCDが登場。インディー的なリリースも含めると既に6〜7枚はMIXCDを出している位MIXCDに対して意欲がありそうですが、実際この人のMIXCDは毎回納得の出来なんですよね。特に今作は現場、イベントでのプレイをコンセプトに打ち出したリアルな内容。近年アレックスがよくプレイする曲を選んで現場の雰囲気を伝える様にしているそうですが、今までの彼のMIXCDの中で一番良いかもしれないですね。基本ハウスがベースとなっているんだけど、テクノ、ミニマル、ディスコ、ラテン、エレクトロハウスと今作はとにかく幅が広いです。序盤はディスコが流れてきたのであれ?って感じで心配したんだけど、中盤から恍惚感を誘うテクノ、エレクトロハウス系の音に変化してきて、Pryda、Joris Voorn、Carl Craigらの曲が目白押し。クラブでの盛り上がり方を想像させますね。終盤はエレクトロニックなハウス系で、気持ちの良い4つ打ちを保ったまま終わりを迎えます。今までの彼の作品と言えばソウルフルとかブラックネスを感じていたのですが、本作は一言クールって感じです。やっぱりテクノ系の音の比重が増えているせいなんでしょうかね?本当にクラブっぽい雰囲気が感じられて、お見事って内容です。

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| HOUSE3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Redshape - 2084 / Ultra (Music Man Records:MM128)
Redshape-2084/Ultra
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Music Man Records、Delsin、そして自身のレーベル・Presentなどからヒット作を続々リリースする注目の新人アーティスト・Redshape。既に一部の耳の早い人の中では話題になっているはずでしょうが、それもそのはずCarl Craigを思わせる作風ながらも単なるフォロワー以上の強烈なインパクトがあるのです。確かにデトロイトテクノを思わせる叙情性もありますが、それと同時になんと毒気を感じる危ない音なんでしょうか。かなりどぎつい神経質な音色がブリブリと鳴っていて、一癖も二癖もあるオリジナリティー溢れる作風です。本EPの"Ultra"なんかが良い例で、ねちっこいグルーヴと共にブリブリと強烈なシンセが盛り上がっていくドゥープな一曲。こいつはヤバイとしか言えないです。テクノ好きな人は是非とも要チェックです。

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| TECHNO5 | 11:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2007
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年は特に年末年始は予定が無いので、今日はDynamite!!でも見ながら酒を飲みつつ年を越そうと思います。ちなみにロシアン皇帝VSチェ・ホンマンなんて、でくの坊のチェに勝ち目なんてねーだろ。何て言いながらチェが勝ったらどうしよう…。そう言えば今年は長年お世話になってきたシスコがクローズしたり、クラブ営業への圧力が一層高まったり、クラブミュージックがどんどんと良くない状況になっているのを感じました。元々一般人には馴染みのない世界、音楽なのに更に追いつめられてどうしようもない状況ですな。まぁ中には一般受けにヒットしてるアーティストもいるので、今後はよりアンダーグラウンドとオーバーグラウンドで境が出来ていくのでしょうか。とにかく真夜中のクラブ営業だけは、法を改善して問題を無くして欲しいですね。何で24時間営業の居酒屋で飲むのは合法で、クラブで夜中に踊るのは違法なんでしょうね?意味の無い法律は必要ありません。

無駄口が続きましたが、これから2007年のマイベスト作品を紹介致します。でも昨日掲載した売上ベストに出ている作品は敢えて外してあります。それらの作品でも自分の年間ベストに入っている物はありますが、折角なので今日はそれ以外を紹介したいと思います。ベタなチョイスではありますが参考にして頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 17:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Vexille The Soundtrack (Warner Music:WPCB-10031)
Vexille The Soundtrack
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これはベクシルっつーアニメ映画のサントラなんだけど、何故かテクノ(と言うかクラブミュージック)系はCG系のサントラに頻度に使われますね。やっぱりテクノロジーを感じさせる音だから、映像と音の相性が良いのでしょうか。参加陣は一般的にはかなり豪華だけど、自分の好きな人はCarl Craig位しかいないですね…。と言うかCarl Craigの曲が飛び抜けて良かったので、その為だけに買ったんだよ。その曲こそ"Future Love Theme"、タイトルからして何だか素敵。デトロイトテクノと言うよりはAme系のミニマルでテッキーなドイツを思わせる出来ですが、やっぱりCarlのセンスと言うのは段違い。音楽構成的には何も難しい事はしていないけれど、音の選びや生じるグルーヴは何故か最高の物が出来上がっているんですな。普段はイケイケのBasement Jaxxは、今回はしっとりバラードを聴かせてくれて意外に良かった。Underworldはただのアンビエントだな、可もなく不可もなくと言った所。DJ Shadowはサイケデリックヒップホップと言うべきか、ギターがごりごり入っているけれどスモーキーな空気が妖しさを醸し出しています。The Prodigyは一昔前のデジロックで、古臭さを越えて懐かしさが込み上げて来ました。個人的にどうかと思ったのは世界No.1DJ(?)のPaul Oakenfoldで、DJとしては才能はあるのかもしれないけれどトラックメイカーとしては才能の片鱗さえも感じられない80年代ハードロックのダンスバージョンを披露。正直こうゆう仕事はアーティストどころかDJとしての評価も落とすだけなので、今後はアーティストとしては活動しない方が無難だと思いました。と言うか無駄に有名なPaul Oakenfoldに3曲も創らせるより、Carl Craigに一括してサントラ頼んだ方が安くて高品質な内容で出来上がるのは言うまでもない。

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| TECHNO5 | 19:20 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Quince - En.vi.sion (Delsin:66dsr/qns-cd1)
Quince-En.vi.sion
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デトロイトテクノ好きは注目しているであろうオランダのDelsin。Future Beat AllianceやAardvarck、Vince Watsonなどデトロイトテクノフォロワーと呼ばれる人達がリリースを重ねるレーベルで、音楽の質の高さは欧州の中でも屈指のものだと断言します。そして今年Delsinの中で注目を浴びているのがQuinn改めQuinceと言うニューカマー。デビューアルバムにして既に新人とは思えない粒揃いの内容で、まるで曲はCarl Craigそのもの。間違ってもパクリではないけれどこれはCarl Craigがデビューした頃の楽曲のようにオールドスクールなシンセ使いで、テクノが未来を目指している音楽である事を再度認識させてくれます。最近のCarl Craigはかなりベースラインが強くエッジも効かせてきてますが、ここで聴けるのは過去のCarl Craig系の音で柔らかい音色やアナログ感たっぷりのリズムトラックで昔のテクノが好きな人にぴったりだと思います。斬新性などは全く無いけれどそうゆうものは既にフォロワーには求められてもおらず、単純に良いメロディーやオリジナルにどれ程肉薄出来るかが重要なので、そうゆう意味ではかなり成功しているアルバムでしょう。と言うかデトロイトのアーティストが創ったと言われたら信じ込んでしまいそうな程で、エモーショナルかつソウルフル。

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| TECHNO5 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lazy Fat People - Pixelgirl EP (Planet E:PE65289-1)
Lazy Fat People-Pixelgirl EP
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さて引き続いてCarl Craig関連でPlanet Eの紹介ですが、実はBorder CommunityからデビューしたLazy Fat PeopleもPlanet EからEPをリリースしています。これはもはやPlanet Eがデトロイトテクノ/ハウスだけを率先するのではなく、デトロイトの外にも目を向け新しい音を届けると言う段階へシフトしたと考えて良いのではないでしょうか。まあ実際にはCarlが自分のDJで使えそうなトラックをリリースすると言う彼の好みを反映しているだけの気もしますが、やはりそこはPlanet Eで良質なトラックしかリリースしないので流石です。A面の"Club Silencio"は最初はリズムのみの淡々なミニマルで途中から覚醒的なリフが繰り返されるダークミニマルなのですが、妙に恍惚としたパーカッションが不思議です。しかしBCから出したEP以上にグルーヴィーだし、フロアでの快楽度はかなり高そうですね。B面の"Pixelgirl"の方はどこかBCを思わせるサイケデリックなミニマルで、こちらも文句無しの出来。間違ってもデトロイト系とは思えない出来で、パーカッションの鳴り方とかはどこかRicardo Villalobosらのチリアンミニマルっぽいですが、それに比べるとリズムも強いし自然と体が動いてしまいます。ついでに"Pixelgirl"のCarl Craigリミックスも収録で、Carlファンならば是が非でも欲しくなる一枚でしょう。

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| TECHNO5 | 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ican - A Quien (Planet E:PE65286-1)
Ican-A Quien
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さて一つ前の記事でCarl Craig関連の作品を紹介したので、今度は彼が運営するPlanet EのレーベルからEPをどうぞ。このIcanはLos Hermanosの一員でもあるDJ S2ことSantiago SalazarとGalaxy 2 Galaxyのライブでキーボードを担当しているEsteban Adameから成るユニットで、UR関連の中ではかなりハウス傾向の強い人達です。DJ S2は最近はリミックスやらオリジナル楽曲でも良い仕事をしているのでそれなりに注目されてきておりますが、特に大ヒットした作品が本作なんですよね。Planet Eからのリリースでありながら最近の流れに反したラテンハウス満載ですが、適度に流麗なシンセとか乾いたパーカッション加減など音の選び方は上手いです。B面の"Cambio"は特にお勧めで、ラテンとテックハウスが混ざり幸福感が漂ってきます。Los Hermanos系の曲が好きな人は要チェックです。

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| HOUSE3 | 16:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Falling Up (Carl Craig Remix) (Third Ear Recordings:3EEP038)
Theo Parrish-Falling Up (Carl Craig Remix)
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さて近年のCarl Craigの大仕事と言えば、やはりTheo Parrish作のFalling Upのリミックスでしょう。テクノ、ハウス、ミニマルとどの界隈でも存在感ばっちりな楽曲は、クラブに行くと結構な割合で耳にします。原曲はTheoらしくざらついた音触りが生々しいジャジーなハウスなんですが、Carlが手を入れると全く方向性が変わってしまいます。重く硬い4つ打ちのキックを差し込む事でまずはフロア仕様に変えて、更に気の狂う様な中毒性の高いシンセでじわりじわりと攻め上げるヒプノティックな楽曲に様変わり。この人のシンセの使い方はかなり印象的に耳に残るので、やはりフロアではどうしたって盛り上がりますよね。Carlの初期活動の頃の音と言えばチープなアナログ音ながらもどこかレトロフューチャーな空気を纏っていましたが、最近の音はより鋭く研ぎ澄まされ更に離れた未来を目指している様な感じです。活動歴がそろそろ20年近くになると言うのに、全く止まる事を知らず進化を続けるCarl Craigは、エレクトロニックミュージック界の至宝ですね。

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| TECHNO5 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paperclip People - 4 My Peepz (Planet E:PE95281-1)
Paperclip People-4 My Peepz
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なんとなく今日はレコード紹介。未だにクラブミュージックシーンではアルバムではなくてEPが主体になっておりますので、クラブミュージック好きな人は出来るだけレコードを聴いた方が良いんじゃないかと思います。自分もDJはしませんが気になる曲はレコードで揃えています。でレコードならCarl Craig関連はかなり揃えてます。Carlさんは何故だかアルバムを殆ど作ってくれないのですが、EP単位で傑作が多過ぎです。本作も大傑作なのですが、2006年にリイシューされたおかげで手軽に入手出来るのでかなりお勧めです。超ヘヴィー級のベースラインとヒプノティックな上物シンセで底からもりもり盛り上がっていくハウシーな楽曲で、漆黒のファンクネスを電子楽器で構築した様なエクスペリメンタルな構成にはCarlさんの才能が爆発しております。でリイシュー盤の特典はB面にオリジナルを更にフロア向けにエディットした物と、更にDerrick Mayがリミックスを手掛けた"Jerry Lewis"と言う曲が収録されている事です。"Jerry Lewis"は完全に未発表曲なので、Carlさんのファンには非常に喜ばしい内容ですね。

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| HOUSE3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Patrick Forge - Excursions 02 (Obsessive:EVSCD05)
Patrick Forge-Excursions 02
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今日はたまにはクラブジャズ系の渋い音楽でもどうでしょうか。本作は情緒豊かなブラジリアンハウスを聴かせるユニット・Da Lataの片割れ、Patrick Forgeがクラブジャズやハウスを適度なバランスで織り交ぜたミックスCDです。クラブジャズ系と言っても単にお洒落なイメージを固めてしまうのではなく、ここではジャズの躍動感溢れるリズムや生音を強調した臨場感を楽しんで欲しいと思います。前半は変則的で複雑なリズムで小刻みに体を震わせるグルーヴがありまして、控えめな心地良い空間を楽しんで頂けるでしょう。まるでどこかのカフェで心地良く流れるBGMの様な雰囲気。そのまま中盤もぐぐっとエネルギーを溜めるかの如く聴かせるプレイを続けるのですが、終盤にて遂に抑えを開放しBlazeのハウストラックを投入します。一緒に口ずさめるキャッチーなボーカル入りで俄然盛り上がり、そのままHipnoticの名曲"Naima"から"Serena "X" (Inner Zone Mix)"←(Carl Craigのリミックスです)も繋いでクラブでのピークを表現したかの様な流れですね。お洒落なんだけど嫌味でもなく、耳で聴いてリラックス出来て体で体感して踊れる、なかなか上手い所を押さえた一枚でしょう。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Lazy Fat People - Big City (Border Community:11BC)
Lazy Fat People-Big City
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2006年、いきなりBorder Communityからデビューする事になった新人二人組・Lazy Fat People。勿論このレーベルからリリースされるだけあり新人であったとしても質が落ちる事は無く、極めて不安定でヤバイ香りがするトラックを提供しております。表題曲は意外にも線が細いかなと思いましたが、シャープなリズム帯はとても引き締まっていてパーカッションの鳴りが気持ち良いです。その上を相変わらずのトランシーな音色で精神を高揚させるフレーズをなぞるのですが、全体的にはダビーな音響空間が一番特徴があるかなと。無駄な音を入れる事は無くぽっかりと空いた空間がまるで目の前にある様で、臨場感ありまくりですね。対してB面の"Dark Water"ですが、こちらは強いキックとアシッディーなメロディーが特徴的な現代版アシッドハウスみたい。ミニマルな仕様なのでフロアでは繋ぎとかに便利そうな内容でした。この後彼らはCarl CraigのPlanet-Eからも作品をリリースしたのですが、直後にユニットは解散。人気上昇の最中、デビューから一年弱で解散とはもったいない。

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| TECHNO5 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier - X-Mix 2 - Destination Planet Dream (Studio !K7:!K7027CD)
Laurent Garnier-X-Mix 2 - Destination Planet Dream
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泣ける、社会人になるとほんとに自由がきかねえ。疲れたり仕事やらでクラブにも満足に行けねえ。これが大人になるって事なのね?じゃあ大人になんかならない!嘘です、生活する為に仕事はしなくてはなりません。だからってLaurent Garnierのパーティーに行けないのは、かなり悶々します。GarnierはフランスのDJ、そして早くからデトロイトテクノに注目し、デトロイトとのコネクションを作っていた伊達男。あ、でもプレイはテクノもハウスもロックもドラムンも、取り敢えず何でもありよ(トランスは流石に回さない?)。永らくパリのRexクラブでレジデントパーティを催していますが、平日の夜開催だと言うのに長蛇の列が出来る位、Garnierは人気があるのです。まあフランステクノシーンは彼が作ったと言っても過言では無い位だし、そりゃ注目に値する男な訳です。

で、彼のパーティーに行けないので久しぶりに彼のMIXCDでも聴いてみる。ん〜最高!デトロイトとシカゴとアシッドを紡ぐ壮大なジャーニー。ってテクノ好きは当然みんな持ってるよね、このCD。彼の趣味がモロに反映されたデトロイト色濃厚な内容だけど、時にメロウに時にハードに自然な流れで色々な表情を見せて、彼がテクノの生き字引である事を思い出させられます。有名な曲ばかり使っているのにただのヒットパレードにならないのは、このMIXCDの中に彼のストーリー性が出ているからでしょう。その代わりと彼が本気で取り組んだ作品の為、一切頭出しは無し。入門者には少々敷居は高いけれど、このMIXCDを敢えて途中から聴くのは無粋だね。最初から最後まで一瞬たりとも聴き逃しの出来ない感動的な内容なので、彼の旅にずっと付き合ってあげましょうよ。

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| TECHNO5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/08/11 Clash 25 × METAMORPHOSE'07 @ ageHa
前日は不覚にも寝過ごしてCosmic Soulを逃してしまいました。なのでClash 25に行く事が完全に決定したので、気を取り直してLos Hermanosのライブを楽しみにしていました。いつもと同じく渋谷からシャトルバスで行ったんだけど、さすがに今回は集客率も良くバス待ちもかなりの状態でした。ageHaについてもセキュリティーチェックの所でかなり待たされ、ageHaは入るまでが面倒だなーと思い始めたり。取り敢えずなんとか12時半頃にアリーナに入った所で、既にFumiya Tanakaがプレイ中でした。
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| EVENT REPORT1 | 07:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Hell - Misch Masch (Fine.:FOR88697030152)
DJ Hell-Misch Masch
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知ってる人は知ってると思うが、ドイツはデトロイトの衛星都市である。Tresorの一番最初の作品はX-101(Jeff Mills+Mike Banks+Robert Hood)だし、初期Basic ChannelはURの影響下にあったし、Jeff Millsの1stアルバムもTresorからだし、よくよく考えるとテクノに影響をもたらしたKraftwerkはドイツ出身だ。種明かしをしちゃうとDerrick Mayが「ドイツはデトロイトの衛星都市である」と発言していたのだ。とにかくドイツの人もデトロイトテクノには、影響を受けそして畏敬の念を抱いているのだと思う。

そしてそれをあからさまにしているのが、ドイツの貴公子・DJ Hell。「デトロイトテクノの再評価と言う感覚は、テクノのリアルな部分を見過ごしている事」とさえ言い切っている位、彼の中ではテクノ=デトロイトテクノと言う事なんだろう。テクノが細分化し色々な方向へ袂を分かっても、結局の所流行とは関係無くその存在が揺るがないのはデトロイトテクノのみなのだ。DJ Hellも余りにもデトロイトテクノを愛すが故に本作の様なデトロイトテクノ満載のMIXCDをリリースしてしまった訳だが、ドイツの事も忘れずに合間にジャーマンテクノも混ぜつつデトロイト好きを納得させるプレイを聴かせてくれます。シンセストリングス重視では無くて、比較的煌びやかで金属的な鳴りのするデトロイトテクノが多く、オリジナルデトロイトと言うよりはそれに影響を受けたドイツのテクノと言う感じですかね。ミニマルで陶酔感を生み出す流行の中、この様なメロディーを大切にした聴かせるMIXCDは非常に好感が持てるなー。ベタだけどなんだかんだデトロイトテクノ満載のMIXCDは好きなんですよ、はい…。一応古臭い内容にならない様に新しめのテクノも使っている所で、プロアーティストとしてのプライドを守っているのかDJ Hell。ちなみにDISC 2はDJ Hellのリミックスワーク集なんだけど、全然聴いてないしどうでも良い。

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| TECHNO5 | 21:30 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Randolph - Lonely Eden (Still Music:UGCD-SM002)
Randolph-Lonely Eden
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かつてCarl Craigのプロジェクト・Innerzone Orchestraでボーカルを務め、デトロイトアンセム"Blackwater"のバックボーカルもこなし、As OneやRecloose、Amp Fiddlerらのアルバムにも参加し、そして2004年にはMoodymannのMahogani Musicからデビューアルバムをリリースしていて、実はMoodymannのライブではベースを担当していたDJと言うよりは生粋のアーティストであるPaul Randolph。更によくよく調べてみると90年代にはMad Mike BanksとL'Homme Van Rennなるユニットを組んでいた様で、レコードも数枚出していたみたいです(欲しい〜)。前置きが長くなりましたがデトロイトのソウルを奏でるRandolphの2NDアルバムが、1stよりも深みを増して登場。1stはMahogani Musicからのリリースの為か、Moodymann系のディープハウスで漆黒のソウルたっぷりかつフロアで機能するダンスミュージックだったのですが、この2NDはかなり変化を遂げています。彼自身は1stアルバムは確かにダンスミュージックの要素が大きかったと述べていますが、別にダンスだとかハウスだとかに固執する訳でもない様で、2NDではギターやベース、キーボード、ドラムスなど大半を生演奏で行いまんまソウル満載の黒い音を奏でています。ヒップホップもあればファンクもあるし、R&Bとかジャズとか勿論ハウスまで、とにかく黒人音楽を全て凝縮したかの如く汗がほとばしるファンキー加減ですよ。この時代にここまでレイドバックした音楽が必要なのかと言う質問は愚問である。何故ならば良い音楽は時代・ジャンルを越えて聴かれるべきであり、Randolphの音には革新性はないけれど普遍的なソウルがこもっているのです。かつてはデトロイトと言えばテクノの聖地として存在していたけれど、ここ数年はハウスなども認められつつありそしてRandolphらが今後もオールドスクールな音楽を継承して行くのではないでしょうか。踊るよりもまったり微睡みたい時に聴き、そしてお酒と夜が似合うムーディーなデトロイトソウル、正にこのアルバムがそんな内容です。もし来日するならジャズバーとかでプレイして欲しいですね。



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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Paris Live (Planet E:PE65277-1)
Carl Craig-Paris Live
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デトロイトテクノの天才・Carl Craigの新作は、ライブ盤を収録したEPでございます。近年発表のEP"Just Another Day"から"Twilight"と、伝説のテクノコンピレーション"Virtualsex"に収録の傑作"At Les"の二曲で、何と驚くべき事にMad Mikeがキーボードでサポート参加しています。しかし突然ライブEP発表するからびっくりしたけど、Mad Mikeが参加している事にはもっとびっくりです。どうせならこのままCarl Craig、Mad Mikeらの面子が集まって何かプロジェクトでも組んでくれると尚嬉しいのですが。しかし"At Les"のライブ盤は格好いいねー、サックスフォンが暴れまくっていてオリジナル以上にカオティックだ。日本でもライブしてくれたら良いのな…。以前YELLOWでライブした時は、Carl一人でプログラミング組んでのセットだったのでここまでフリーキーじゃなかったんですよね。ライブ盤出したから次は完全な新作をおねげーします。リミックスワークは控えて、久しぶりのオリジナルアルバムを頼みたいですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
G2 Geology A Subjective Study Of Planet E Volume Two (Planet E:PE65257CD)
G2 Geology A Subjective Study Of Planet E Volume Two
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最近はプログレッシブな作風も結構多い様な気がするCarl Craigですが、彼が運営するPlanet Eは黒人音楽のソウルを失わずに伝統を継承しそして未来を切り開いてきた素晴らしいレーベルです。質の良い作品が多いので色々な人に聴いて頂きたいとは思いますが、何せEP中心の世界なので相当なファンで無い限りなかなか耳にする機会は無いですよね。そんな気持ちを汲み取ったかどうかは分かりませんが、レーベルのコンピ的なMIXCDが以前に出ております。プレイを担当するのはDetroit Beatdown Brothersの一人・Mike Clarkで、彼もPlanet Eから作品をリリースした経歴があるデトロイトハウスの最古参です。選曲に関してはジャジーなハウスや真っ黒なハウス中心で、ざらついて艶めかしい音質が堪りませんな〜。懐古的と思われるかもしれませんがこれは過去の音楽にも敬意を示す音楽性であり、決して懐古的になるのでは無くそこから未来に進んで行く足取りが掴めます。貴重な"At Les ( Russ Gabriel Mix )"や"People Make The World Go Round ( Kenny Dion Jr. Mix )"が含まれている事だけでもかなり価値はありますが、どちらも漆黒の深さを感じるブラックネス精神が滲み出ていますね。小気味良いリズムが腰を揺らす"Can't Take It"もあれば、未来へのトリップ感漂うシンセが煌びやかな"Exstasol"や"Human Powerd Flight"もあり、ハウス中心とは言えどもPlanet Eらしいクロスオーバーな出来ですね。MIXCDの割には10曲だけの収録なので、楽曲の良さをたんまり堪能出来る様にもなっていますよ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2007/06/08 Club Museum @ Unit
ジル:「Surgeonに関してどう思う?」
ジョージ:「とにかく欧米が今最もハードだと思っているDJがSurgeonなんだけど、あのハードさには参ったよ」
ナタリア:「私はむしろ逆でハードさよりも早さ、あの早さで曲を繋げられたかと思うとゾクゾクしたわ」
ジル:「鋭い意見をありがとう!」

と言う事でSurgeon、かなり大当たりで大満足。多分3年ぶり位に彼の生プレイを聴いたけれど、以前と変わらずにハードで良かったです。しかも今回はTechnoセットとAlternativeセットと言う二つの異なるプレイが聴けると言う嬉しい内容でした。内容は続きで。
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| EVENT REPORT1 | 07:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
The Recloose Live Band - Backwards And Sideways (Octave Lab:OTLCD1093)
The Recloose Live Band-Backwards And Sideways
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失業中だから渋谷のハローワークに行ったのは良いんだけど、ハローワークに居た時間よりも渋谷のディスクユニオンでレコード漁りをしている時間の方が長くなってしまった…これはまずい。久しぶりにユニオンに行ったらデトロイト系のレコードは日本一と言う程、新品・中古に拘わらず品揃えが凄く、一時期隆盛を誇っていたハードミニマルは隅に追いやられてる感じ。また最近の中古はレーベル毎に区分けされていたりして、随分と対応も良くなりレコード漁りし易くなっています。でもみんなデジタル音源買ってばかりいるから、数年後はレコードも買えなくなるのかしら。僕は今の所はPCで音楽を聴くと言う習慣が全くないので、当分はEPはレコード中心のままでしょうが。

そんな前置きと全く関係無いのですが、Planet Eから華々しくデビューしたMatthew ChicoineことReclooseの最新作は、The Recloose Live Bandのライブ盤です。デビュー当時はデトロイトテクノとジャズを混ぜ合わせたエレクトロニックファンクな作風で好きだったんだけど、ニュージーランドに移住してからの2NDアルバムは生音が強調されすぎかつトロピカル南国風な作品だったので、Reclooseへの期待は一気に消し飛んだ過去があります。なのに、何故、あぁ、またReclooseの新譜を買ってしまった?!惰性で買うのは良くない、ちゃんと試聴してから決めないと!まあ思ったよりも悪くは無かったんだけどさ、Carl Craigが一時期生音系に走った時と似ていて、デトロイトの人が生音をやると何故かそこまで良い作品って出来ないんですよね。やっぱり電子楽器を利用してデトロイトテクノが発達したんだから、あくまで中心は電子楽器の方が良いんじゃないかと思います。本作も生音ばかりでワウワウ、ペケペケなギターはファンキーだし、ドラムだって生で叩いているから臨場感たっぷりで、色々な楽器が合わさる事の一体感はあるからこれはこれでOKなのかなとも思います。ただ僕がReclooseに期待するのは1stアルバムの様なエレクトロニックな作風だから、別にライブバンドを聴きたい訳じゃないんですよね。なら買わなきゃ良いじゃんって事なんですが。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2007/06/15 (FRI)
RENAISSANCE @ WOMB
Special Guest DJ : Hernan Cattaneo
Guest DJ : Jeremy Boon

2007/06/23 (SAT)
SQ presents “The Observer” LIVE TOUR'07 @ UNIT
SPECIAL GUEST LIVE : JOEL MULL
DJ : DJ WADA, KAGAMI (MINIMAL SET), DR.SHINGO, DJ SON

2007/06/23 (SAT)
URBANPHONICS presents ANDRE COLLINS JAPAN TOUR 2007 @ YELLOW
DJ : ANDRE COLLINS

2007/07/07 (SAT)
DEEP SPACE -SUMMER- @ YELLOW
DJ : Francois K.
Special Guest Live : Kodama And The Dubstation Bnad

2007/07/13 (FRI)
MARK FARINA "HOUSE OF OM RELEASE PARTY" @ YELLOW
DJ : Mark Farina

2007/07/14 (SAT)
SVEN VATH WORLD TOUR 2007 @ WOMB
DJ : Sven Vath, and more...

2007/07/15 (SUN)
ESCAPE presents CARL CRAIG 2007 @ YELLOW
DJ : Carl Craig

2007/07/20 (FRI)
THOMAS FEHLMANN "HONIGPUMPE" RELEASE PARTY @ YELLOW
Live : Thomas Fehlmann
Exclusive Full Live Set : Ian O'Brien
DJ : Kaoru Inoue, Ian O'Brien, Inner Science

2007/07/21 (SAT)
VADE feat. LOCO DICE @ WOMB
DJ : Loco Dice, Hiroshi Kawanabe

2007/07/21 (SAT)
THEO PARRISH "SOUND SCULPTURES" RELEASE TOUR @ YELLOW
DJ : Theo Parrish

2007/07/28 (SAT)
CHaOS @ YELLOW
DJ : Fumiya Tanaka, and more...

7月のYELLOWは久しぶりに気合いが入ってます。テクノもハウスも本気汁が滲み出ています。毎回日曜夕方からのDEEP SPACEは、今回は土曜の夜からなので行ってみたいですね。アルバムがとんでもない事になっているThomas Fehlmannのライブは、一見の価値有り。
| UPCOMING EVENT | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kevin Saunderson - Ekspozicija 07 The Detroit Connection (Explicit Musick:EXPLICITCD007)
Kevin Saunderson-Ekspozicija 07 The Detroit Connection
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初めに言っておきますがサブタイトルの"The Detroit Connection"なんて言葉は、まず鵜呑みにしない方が良い。何度かKevin SaundersonのDJプレイは聴いているけれど、デトロイトの範疇を越えて完全にハードテクノな域に入ってます。"Good Life"は確かにデトロイトハウスだけど、しょっちゅうKSが回す"Good Life(Re-Edits)"は完全にハードテクノの域だ。Juan Atkinsはエレクトロ(かな?)、Derrick Mayはシカゴハウスを基にしているとしたら、KSのDJプレイは多分ヨーロッパのハードかつスタイリッシュなテクノを基にしているはず。彼のプレイを聴いている人は分かると思うんだけど、勢いのある4つ打ちテクノをこれでもかと繋げてフィルターで音を切ったりしてブレイクを作るプレイはデトロイトとは異なる物だと思う。だからと言ってKSのプレイは駄目じゃんなんて事は無く、むしろ上記3人の中ではKSのプレイが一番好き。プレイ的にはKen IshiiとかBen Simsなんかに近いと思うけど、ハードな中にもここ一番で盛り上げるヒット曲を随所に挟み込むプレイは基本的に盛り上がらない訳が無いんですよ。ハードテクノからトライバルテクノ、太鼓の効いたパーッカシブなテクノなどをガツガツと、勢いよく繋げて豪快な流れを生み出すんですな。でそれを踏まえて本作ですが、やっぱ変わってねーなーと言うのが感想w。いや、良い意味で変わってない。序盤にBorder Communityの曲を持ってきたのは意外だったけれど、その後は終始ズンドコ節で時折上げたり下げたりの繰り返し。永遠にワンパターンな男だけれども、緩急の付け方とかフィルタの掛け具合はセンスが良いとしか言いようが無い。彼がデトロイト3人衆の中で一番ヒットした訳は、やっぱり派手な作風があったからだと言うのがここでも証明された。でも何だかんだ3人衆の中で一番大好きなのがKS。

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| TECHNO4 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ican - Echo Park E.P. (Ican Productions:ICAN-002)
Ican-Echo Park E.P.
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ちょっと紹介が遅れてしまいましたが、Underground Resistanceのメンバーとしても活躍するデトロイトの新世代Estaban AdameとSantiago Salazar(DJ S2)から成るユニット・Icanの新譜が素晴らしいです。ファーストEPはなんとCarl CraigのPlanet Eからリリースされ、軌道に乗った後は自身のレーベル・Ican Productionsから"Si Se Puede E.P."をリリースし、そして同レーベル第2弾が本作です。UR関連だとエレクトロとかテクノが中心と言うイメージが僕の中にはありますが、Icanはモロにデトロイトハウス直球ですね。まだ3枚しかEPはリリースしていないけれど、本作までを聴いた結論としては今後も相当期待出来る感じです。一発で耳に残るメロディーセンスとパワフルで勢いのある楽曲、それはラテンや熱さやシカゴの荒くれぶりまでも吸収し、ファンキーな切れとソウルフルな熱を生み出します。今までのUR関連には無かったタイプのユニットで、改めてデトロイトの層の厚さを感じさせますね。デトロイト好きは注目して損はありません。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Alton Miller - Selected Works (Octave Lab.:OTLCD-1055)
Alton Miller-Selected Works
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ここ数日取り上げたデトロイトハウスのオリジネーター・Alton Millerですが、その彼の輝かしい活動を一つにまとめたベスト盤が登場です。オリジナルアルバムは全部持っていると言う方も、今作はEP中心にまとめられているので注目しておくべきでしょう。何と言ってもTrack Mode、Distance、Moods & Grooves、Guidance Recordings、Planet E、Mahogani Music、Peacefrog Records、Deeper Soulなどハウス系において名門と言われる多岐に渡るレーベルから作品をリリースしてきたAlton Millerの価値ある作品が、一気に聴けてしまうのは真に有り難い事であります。まーベスト盤なんで悪い訳が無いし特に説明する事もないんだけど、Planet Eからリリースした"Exstasoul"だけはやっぱり異色ですね。テッキーでエレクトロニックな作品は、Carl Craigにも通じる未来的な予兆があって格好良いです。他はAlton色まんまのソウルフルなディープハウスや、漆黒のビートダウンハウス、生っぽい質感のジャジーなハウスなどどれも水準以上の安心出来るハウスが一杯でした。これと言って大推薦したいベスト盤と言う訳でもないんだけど、何だかんだ安心してお勧め出来るベスト盤ではあるんですよね。地味ながらも色々なレーベルから作品をリリースしているのは、やっぱり周りが彼の音楽性を認めているんだろうなと思いました。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Newworldaquarium - Twenty EP (Delsin:61dsr/nwa4)
Newworldaquarium-Twenty EP
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デトロイトテクノをヨーロッパなりに解釈して良質なテクノを量産する国がオランダでありまして、DelsinとかRush Hour Recordings、Eevo Lute Muziqueなんかは皆様ご存じでしょうか。アーティストで言うならばAardvarck、Future Beat Alliance、Optic Nerve、Terraceらがいて、Rush Hour Recordingsは過去のデトロイトクラシックを再発する仕事なんかもしています。そして今注目すべきなら、154、Newworldromantic、Rossなどの複数の名義で活躍するJochem Peteriでしょう。今作はDelsinからNewworldaquarium名義のでリリースとなりますが、以前リリースされたEPはCarl Craigも大のお気に入りでPlanet-Eにライセンスされたりしています。そんな経緯があるのだから説明しなくたって今作も素晴らしく、改めてオランダの層の厚さを実感しました。ダウンテンポやノンビートのアンビエント調の曲を含んだ今作ですが、くぐもった深い闇の中を幻惑的なシンセが蠢いていてミステリアスなサウンドは目を見張ります。デトロイトのビートダウン系のハウスを、少々テクノ風に味付けしたと言えば分かり易いでしょうか。アルバム「Strike」(過去レビュー)と合わせて聴くと良いでしょう。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/01/19 7by7 @ Unit
今日はPeacefrogレーベルの二人、Charles WebsterとIan O'Brienが来日していたので久しぶりにUNITへ行ってきました。特にIan O'Brienは彼自身が作る曲も素晴らしいけれど、DJでも彼が敬愛するデトロイトテクノを惜しみなく回してくれるので、僕のお気に入りのアーティストであります。一方Charles Websterはオールドスクールなハウスから、シカゴ、デトロイトなども回しますが基本はハウスですね。つかこの二人組、2年前も一緒に来日してたし、以前には新宿リキッドにも一緒に来日してたから仲が良いんでしょうな。
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| EVENT REPORT1 | 08:40 | comments(8) | trackbacks(1) | |
Deetron In The Mix (Music Man Records:MMCD020)
Deetron In The Mix
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群馬温泉の旅行から帰ってきました。温泉に一杯浸かったので疲れは取れましたが、音楽の紹介は滞らずに行わなくては!と言う事で新年一発目の紹介は、スイスのハードトライバル野郎・Deetron。ハードなテクノを作りつつも、デトロイト系でも名作を作る事が出来る器用な男です。アーティストとして一流なのはフロアで使えるトラックをリリースしまくっているのでご存じでしょうが、DJとしても僕はかなり好きです。彼のMIXを好きになったきっかけは、彼が手掛ける公式MIXCDとして一枚だけ発売されている「Deetron In The Mix」のおかげです。使われているトラックは計37曲、さすがJeff Mills影響下にあるDJです。矢継ぎ早に曲をミックスして流れを損なう事なく、最後までだれずに聴けます。そして注目すべきはハードミニマルとデトロイトテクノを並べてミックスしている事。テクノ好きならばこの両者の掛け合わせで満足出来ない人なんて居ないんじゃない?ハードミニマルだけだと単調さが嫌って言う人もいるかもしれないし、デトロイトテクノだけだとちょっと激しさが足りないよねって事になるかもしれない。けれどもDeetronのプレイは、ハードテクノの激しい流れとデトロイトテクノの未来的なシンセサウンドが交互にやってきて、お互いを補完しあう様な相乗効果を見せていると思います。またハードはハードでも、かなりファンキーなトライバル調の曲が多いです。つまりは太鼓がポコポコ鳴り腰を直撃するパーカッシブな野性味に溢れ、まあ分かり易いと言えば分かり易いミックス。これを聴いて踊れないならば不感症の可能性有り!踊れる要素が全て詰まっているさ。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2006
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年はPRIDEの不祥事で格闘はK-1しかTV放映されません。非常に残念です。さて、今年の年越しは万座温泉で過ごすので、31日から3日までは外出しています。なのでこの更新も前もってまとめておいたのが、自動でアップされるようになっています。今日は年間ベストを選ぶと言う事で、時間をかけて今年リリースされた物で印象に残ったのを探していたのですが、あちらを立てればこちらが立たず状態でどれを切るか本当に迷いました。年間ベストとは謳っておりますが、実際の所数日後に選び直したらまた内容は変わるだろうし、今の時点の気持ちで選んで物と考えた頂いた方が宜しいかと。でもどれも最高に素晴らしい音楽ばかりなんで、是非参考にしてみてくださいね。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 12:00 | comments(12) | trackbacks(4) | |
Urban Tribe - Authorized Clinical Trials (Rephlex:CAT180CD)
Urban Tribe-Authorized Clinical Trials
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こんばんわ、Tokyo Experimentの管理人・マチュです。と言っても毎日更新しているのも当然私です。残念ながら今日でCDレビューは終わりです、今年のですが。来年もどんどん紹介し続ける予定ですので、これからもヨロシク。今年最後のレビューはデトロイトのダークサイド、Sherard IngramことUrban Tribeです。Mo Waxからリリースされた1stアルバム(過去レビュー)には、Anthony Shakir、Carl Craig、Kenny Dixon Jr.(Moodymann)が参加して強力なダウンテンポ作品となっていたのですが、この2NDもなかなかの物。リリースはなんとAphex Twin(Richard D. James)主宰のRephlexからと言う事で、作風が見事なまでに変容を遂げていました。いかにもRephlexらしい音で、簡単に言うとエレクトロ。電気仕掛けの鞭でビシバシとしなやかにしばかれる棘のある音で、前作のディープでメランコリーな世界は何処へやら。あ〜これは故Drexciyaを思い出してしまったよ。そう言えばAphex Twinは、デトロイト系にはそこまで関心なさそうだったけどDrexciyaだけに関しては相当興味を示していたな。だからDrexciyaにも通じるこのアルバムを、自身のレーベルから出したのかな?作品自体はシンプルなエレクトロと言ってしまえば終わりだけど、狂った感もあるハードで無機質な感覚はまるで怒ってるみたいだ。デトロイトの反骨精神が出ていると考えれば、これもデトロイトテクノの一つなのかもね。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2006/12/08 ESCAPE presents HI-TEK-SOUL JAPAN TOUR 2006 @ Space Lab Yellow
今月は毎週行きたいイベントがあって大忙しですね。つーことで一年半ぶりのDerrick Mayに行ってきました。あれ…よくよく調べたらYellow自体も一年半ぶりで、前回行ったのもDerrick Mayでした。何でこんなにもYellowに行ってなかったのか思い出すと、以前程テクノのイベントが充実しなくなったからなんだよね。他のクラブにブッキング負けてきてる気がする。新宿Liquidroomが無き今、Yellowには何とかがんばって欲しいんだけどな。まあそれはさておき久しぶりにYellowに入ってみると、やっぱりここの雰囲気は好きだわ。低い天井、最新とは言えない照明を逆に効果的に使用した暗いフロア、そして熱狂的に踊りに来ているお客、何もかもが他のクラブとは違います。やっぱりクラブの中ではYellowが一番好きだなーと実感。
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| EVENT REPORT1 | 16:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Âme...Mixing (Sonar Kollektiv:SK096CD)
Ame...Mixing
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近年テクノ、ハウスの垣根を越えて大ヒットした「Rej」を送り出したÂme。ミニマルで覚醒感のあるハウシーな楽曲は、様々なアーティストがDJプレイで使用しフロアに熱狂の渦を呼び起こしてきました。あんなにもじわじわと神経を蝕む様に毒気があるディープなハウスは滅多に聴く事もなく、本当に何度聴いても格好良いなと思います。そんな彼らの根本にある音楽は一体どんな物なのでしょうか?それを解き明かす鍵が、Âmeに因るこのMIXCDです。ジャンルは本当にざっくばらんで、イタロディスコからデトロイトテクノ、ミニマルハウス、ディープハウス、果てはプログレッシブロックまで何でもありですね。また新旧時代が幅広く取り入れられて、時代を跨ぐ作品集とも言えます。技術的に感動を覚える箇所は特に無いのですが、選曲自体は渋くもなかなか侮れないセンスがあるのかなと思いました。幾つか気になる曲を挙げるなら、ジャジーで未来的なCarl Craigのリミックスや、ファンキーでコズミックなDerrick Mayのリミックス。またDouble、Nexusらイタロディスコ系は、近年のディスコダブに通じるズブズブかつエモーショナルな作風が良し。ミニマルハウス最先端のLucianoの曲も、中毒的に深い音で素晴らしいです。最後のトランシーなAshra(Manuel Gottsching)は、当然テクノ好きな方はご存じですよね?ジャンルはばらばらなれど、深い音響を生かした選曲でべたっとした流れながらも地味に神経に効きます。まったりゆったり、そしてズブズブの世界に落ちていきましょう。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Vince Watson - Renaissance Ep (Planet E:PE65288-1)
Vince Watson-Renaissance Ep
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このTokyo Experimentは基本的にはCDを紹介するブログなのですが、何が何でもEPを紹介したい時だってあります。そんな作品を届けてくれたのは活動歴が長い割には地味な存在でありつづける、UKからのデトロイトフォロワー・Vince Watson。UKのアーティストにとってデトロイトのレーベルから作品をリリースするのはある意味ステータスなのですが、なんとCarl Craigが彼の音に惚れ込んでPlanet Eから作品をリリースしました。Vinceさんの作品は毎度毎度本当に深淵で美しく幻想的で儚い、と〜〜〜〜っても素晴らしい作品が多いのですが、その彼の活動の中でも最も素晴らしいと思える作品が今作なのです。おぅおぅおぅ、まじでこりゃやべーよ。一聴して身も心もとろけちまいそうな位エモーショナルで、フロアで聴いたらきっと泣いちまうぞ、オレ。シンセの使い方なんてデトロイト以上にデトロイトみたいな古典的な音なのに、なんでこんなにも美しいんだろうね。タンテ持ってない奴は、今すぐ買ってこいだ!

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| TECHNO4 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
2006/11/17 CLASH 17 × STANDARD presents KEN ISHII "SUNRISER" RELEASE TOUR 2006 @ ageHa
昨日はageHaのテクノイベント「Clash」とKen Ishiiが送る「Standard」がコラボレートし、テクノ好きにはたまらない大型イベントが行われました。Ken Ishiiがライブを行い、ゲストにはCarl Craigを迎え、また日本の秘蔵ユニット・7th Gateのライブ有り、KaitoことHiroshi WatanabeのDJ有り、その他大勢のアーティストが集結。これで3500円(自分はディスカウント使用で2000円)なんだから、ほんと安くてお腹一杯なイベントですね。

まずは1時前に入場しワタナベさんのDJを聴く事に。久しぶりに彼のDJを聴いたのですが、やはりKaitoにも通じる荘厳で流麗なプレイ。ドラマチックなシンセサウンドに囲まれて、幻想的な世界にぐいぐい引き込まれました。美し目のテックハウスから徐々に重く音数の多い音に移っていき、終盤では儚くもガツンと来るKaito節を堪能出来存分に満足でした。DJテクニックがどうのこうのより、流す曲が自分に合いまして単純に気持ち良いんですね。
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| EVENT REPORT1 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Goldfrapp - We Are Glitter (Mute Corporation:MUTE9335-2)
Goldfrapp-We Are Glitter
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イギリスのテクノポップユニット・Goldfrappの曲を、クラブミュージックの大物からロックバンドまでまとまりのない面子がリミックスし、それを選曲したのがこのアルバム。Goldfrappに関しての前知識は全く無かったのですが、リミックスにCarl Craigが参加していればそりゃ買うしかないでしょ。って事で目玉はやはりC2 Remixなのですが、最近のCarlさんは本当に外す事が無いですね。脳に直撃するドラッギーなシンセラインが黒光りして、黒人音楽のソウルとテクノの見事な融合を果たしています。テクノからハウス、プログレまで多用に使えるフロア直撃トラックで、またもやCarlさんの天才っぷりを知らしめました。ハウスの御代・Francois Kのリミックスは重いエレクトロニックなハウスですが、プログレ風に調理していて近年のCarlさんを意識してなくもない気がします。アイスランドの秘蔵ユニット・Mumは、いかにもな妖精が飛び交う幻想的な世界を表現していて、可愛らしいメロディーがぴったりです。T.Raumschmiereのリミックスは汗が飛び散るマッチョな男が踊り狂う様で、精気がみなぎり変態っぽいなー。ロック+エレクトロなハイパワーな出来です。参加アーティストの音楽性がばらばらなんで、テクノ、ハウス、ロック、エレクトロニカと全然統一性はありません。まあ、色々聴いて楽しんでおけと。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier, Carl Craig - The Kings Of Techno (Rapster Records:RR0063CD)
Laurent Garnier, Carl Craig-The Kings Of Techno
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Disco、Funk、Hip Hop、House、Jazz、Digginと続いた「The Kings Of 〜」シリーズに、遂にTechnoがやってきました!このシリーズ、過去のレアな名作を掘り出すと言うなかなか味のあるシリーズなのですが、なんと今作はヨーロッパからはLaurent Garnierを、そしてデトロイトからはCarl Craigを招いてコンパイルを行っています。コンセプトはヨーロッパから見たデトロイト、またデトロイトから見たヨーロッパをイメージしておのおのが選曲&ミックスをした様です。なので普段の様なフロアを意識したプレイとは違うのですが、二人のルーツや好みを感じられる非常に興味深い物となっています。Garnierの選曲は、テクノやエレクトロは当然として、ヒップホップのJay DeeやロックのThe Stooges、ファンクのFankadelicなどデトロイトの音楽をジャンルを越えて抽出しています。目玉はラストのURの「Amazon (Live Version)」!!Rex Club15周年記念に行われたURのライブ音源なのですが、なんとGarnierがMad Mikeに頼み込んで収録したそうです。Mad Mikeの語りも入った激ヤバ音源、これだけでも充分価値があります。Garnierも気合い入れすぎて、トラック分けは無し。最後まで聴いてやっと「Amazon (Live Version)」が聴けますよ。対するCarlさんは、しっかりトラック分けされているからご安心を(笑)。選曲はニューウェーブ、テクノポップ、インテリジェンステクノなど、確かにCarlさんのルーツがしっかり感じられる物が多いです。音は確かに過去の物そのものなのに、そこから発する景色は未来の物。また難解な音楽でも無く、楽天的な気持ちになれる良い意味でポップな曲が多いですね。TECHNOのMIXCDでは無いけれど、現在のTECHNOシーンで絶大な人気を誇る二人のルーツを聴いてみるのもまた一興。今ならアマゾンで2000円でお買い得です。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
VADE 2ND ANNIVERSARY EXTRA feat. GREEN VELVET @ WOMB
2006/10/08 (SUN)
DJs : Green Velvet (a.k.a. Cajmere ), DJ Mayuri, Sodeyama

Deep Space @ Yellow
2006/10/08 (SUN)
DJ : Francois K.
Live : Mutabaruka

Jeff Mills Weekly Residency 2006 "One Man Spaceship" @ WOMB
2006/10/13 (FRI)
DJ : Jeff Mills
Guest : Robert Hood The Grey Area DJ Set

Jeff Mills Weekly Residency 2006 "One Man Spaceship" @ WOMB
2006/10/20 (FRI)
DJ : Jeff Mills
Guest : Sleepaechive Live Set

Jeff Mills Weekly Residency 2006 "One Man Spaceship" @ WOMB
2006/10/27 (FRI)
DJ : Jeff Mills (Extended One Man Spaceship Set)

Clash 16 @ ageHa
2006/10/27 (FRI)
Arena : Luke Slater, Ryukyudisko (RKD1, RKD2), more
Island Bar : Dominik Eulberg, more

Mule Musiq Presents Endless Flight @ UNIT
2006/11/02 (THU)
Live : Thomas Fehlmann, Kaito
DJ : Hiroshi Kawanabe,Toshiya Kawasaki

INNERVISIONS JAPAN TOUR feat. Ame @ YELLOW
2006/11/04 (SAT)
DJs : Dixon, Ame, Alex From Tokyo

FACE presents QUENTIN HARRIS JAPAN TOUR 2006 @ YELLOW
2006/11/10 (FRI)
DJs : Quentin Harris, Ryo Watanabe

CLASH 17 STANDARD presents KEN ISHII SUNRISER RELEASE TOUR 2006 @ ageHa
2006/11/17 (FRI)
Special Live Set : Ken Ishii
Special Guest DJ : Carl Craig
DJ & Live : DJ Wada & DJ Yama, Q'hey & Shin Nishimura, Kagami, Hitoshi Ohishi, 7th Gate

MIGUEL MIGS Album Release Tour @ YELLOW
2006/11/22 (WED)
DJ : Miguel Migs

THEO PARRISH JAPAN TOUR 2006 @ YELLOW
2006/11/25 (SAT)
DJ : Theo Parrish

最終週のJeff Millsは驚愕の6ターンテーブルセット、オープンからクローズまで全曲自身が作曲した曲を流すとか。つまりはFinal CutからUR、そしてAxis、Purpose Maker、Tomorrowなどのレーベルからの曲をプレイするって事。前代未聞の宇宙が展開されそうですね。
| UPCOMING EVENT | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier - Retrospective 1994-2006 (F-Communications:F255DCD)
Laurent Garnier-Retrospective 1994-2006
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フランステクノシーンの伝道師・Laurent Garnierの待望のベスト盤が登場。実は以前にもベスト盤が出てるんですけど、未発表バージョンや初CD化の曲を含んだ今作で彼の10年以上に渡る軌跡を辿る事が出来ます。まず注目はライブバージョンの「Man With The Red Face」と「Acid Eiffel」ですね。どちらもドラムスやベース、サックスフォンらを生演奏で行うバンド編成で、オリジナルよりもかなり有機的でこうゆうのはMad MikeよろしくなGalaxy 2 Galaxyのライブにも近さを感じますね。前者はデトロイト直系のメロディアステクノ、後者はアシッドハウスでどちらも傑作ですぞ。徐々に盛り上がりハードなシンセがガリガリ鳴り響く「Crispy Bacon」も素晴らしい。Carl Craigの狂気のトライバル「Demented」も、Laurentがエディットしてるせいかついでに収録してますね。「Butterfly(Laurent Garnier Remix)」はDJ Markyのドラムンベースを、ムーディーで綺麗目のダウンテンポに調理しています。初期の名作「Astral Dreams」なんかは今聴くと、まだまだ垢抜けない新人らしいピコピコでチープなテクノで微笑ましい。ただこれは彼の音楽史を辿った物なので、どの時代の作品も均等に収録しているのはコンセプトには合っていますね。しかし聴いた後思ったのは意外とLaurent Garnierの作品って、暗いと言うか重いと言うか楽観的な面が殆ど無いんですね。この闇の深さと言うのは、デトロイトのSuburban Knightを思い出させますね。デトロイトフォロワーと言うと表層上の希望や夢に満ちた点だけを抽出する場合が多いですけど、Laurentの場合はしっかりと根底にある怒りや反骨精神も継承している所が流石です。そんなご託もいらんと思うので、四の五の言わずに聴いて欲しい。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Lawrence Burden - 430 West Presents Detroit Calling (Concept Music:CEPTCD2)
Lawrence Burden-430 West Presents Detroit Calling
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デトロイトにRandom Noise Generation、またの名をOctave Oneと名乗るBurden5兄弟がいます。結構昔から地道に活動していてハウス・テクノ両方面で時折名作を生み出し、近年では世界的大ヒット曲「Blackwater」が記憶に懐かしいユニットであります。5兄弟の中で日本にDJをしに来ているのは、基本的に長男のLawrence Burdenがもっぱら。と言うか他の兄弟がDJをしに来たと言うのは、聞いた事ないですね。じゃあ実際Lawrenceのプレイはどーなんよと言うと、これ「430 West Presents Detroit Calling」を聴けば分かります。「デトロイトが呼んでいる」と言うタイトル通り、Octave One、Dark Comedy(Kenny Larkin)、Aril Brikha、E-Dancer(Kevin Saunderson)、Jeff Mills、Designer Music(Carl Craig)、DJ Rolandoなどデトロイト関連の曲ばかりが並んでいて見ただけでお腹一杯ですね。ただ実際に聴いてみると、ハウスとテクノが上手く混在してはいるのですが、何故だか余り印象に残らないのです。何だろうね、この不思議な感じは?ある程度緩急を付けているはずなのに、どこか一本調子で平べったい後味だけが残るのです。聞き込めばまた印象が変わるのかもしれませんが、う〜ん。個人的には5男・Lorne Burdenの「430 West presents Back To The Rhythm」(過去レビュー)の方が好みです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - From The Vault : Planet E Classics Collection Vol.1 (Sound Scape:PEJPCD001)
Carl Craig-From The Vault Planet E Classics Collection Vol.1
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ああ、遂にこの人のベスト盤も登場かって感じの一枚。デトロイトテクノの過去と未来を繋ぎ、実験と進歩を続ける天才・Carl Craigの決定打です。最初に断りますが、これはベスト盤であってベスト盤ではありません。69、BFC、Psyche、Paperclip People、The Detroit Experiment、Innerzone Orchestra、Designer Music、Urban Cultureなど多くの名義で、そして多くのジャンルで活躍をする彼にとって、アルバム一枚でベスト盤なんて紹介するのは土台無理です。しかしやはり今の世の中CD中心で、EPを買わない人も多いとは思います。そんな人は迷わず買え!デトロイトテクノにおいて、Jeff MillsやUnderground Resistanceと同様に、デトロイト第2世代を代表するCarlさんの作品は、未来永劫テクノ史に語り継がれる曲ばかりなのだから。最新の「Angel(Japanese Mix)」はこのアルバムの為にリミックスをしてくれているし、未発表曲の「Hush Hush」も全盛時のフューチャーテクノを思わせる。ロマンティックで深淵な「As Time Goes By」や「At Les」はCarlさんがテクノに止まらないアーティストだと感じさせるし、「Jam The Box」は破壊力のあるストレートなテクノだ。今や有名な「Give It Up (Re-Edits)」のオリジナルは大ヒットトライバル「Good Girls」だし、フロアに雄叫びがこだまするサイケデリックハウス「Demented (Or Just Crazy)」も収録だ。ドラムンベースやジャズを取り込んだ「Bug In The Bass Bin」は、彼の懐の深さを感じさせる。あれれ、Paperclip PeopleやUrban Culture、BFCが入ってないじゃない?って事で「Vol.2」も出す予定なんでしょう。以前に出したリミックスワーク集はVol.1で途切れたままだけど、今度はしっかり続かせてくれよ。それもそうだし、ベスト盤出すよりTres Demented名義のアルバム出して欲しいな。去年辺りにリリースされるって話だったのだが…。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cesaria Evora - Club Sodade Remixes (Rca Victor:82876527542)
Cesaria Evore-Club Sodade Remixes
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Cesaria Evoraとは誰か、そんな事は全く知らない。ただ彼女の曲をリミックスする為に集まった面子は、ただ驚愕の一言。ハウスレジェンド・Francois K、デトロイトテクノのパイオニア・Carl Craig、ディープハウスからKerri ChandlerやPepe Bradock、Osunlade、フレンチハウスの美・Chateau Flight、ドラムンベースからブロークンビーツまで横切る4 Heroなどハウス好きなら絶対に見逃していないだろうこの面子。特にこれ以上説明もいらないとは思うんだけど、それだけじゃ何なので数曲抜粋してコメントを。

Chateau Flight - ヘロヘロとラリッた様な足下のおぼつかないダウンテンポなリミックス。しかしながら王宮の中の優雅さを感じさせる変な作品。

Carl Craig - ぬっとり土着系のリズムにピキピキとしたサイケデリックなシンセが絡む極上の一曲。Tres Demented名義に通ずる妖艶でドロドロの高揚感。

Kerri Chandler - いつもの太く重いビートにちょっとラテンも加わったアッポテンポなハウス。ケリチャンの曲と言われても気付かないね。

Dj Rork & Demon Ritchie - 知らない人だけどオーソドックスにパーカッションの弾け具合が心地良いハウス。哀愁漂うメロディーがぴったりです。

Francois K - 当たり前の様に最上級の仕事をするが、やはり段違いのプロダクション。フランソワらしい透明感溢れる音、ドスが利き抜けの良い4つ打ちが繰り返すリズム、何も難しい事はしていないのに本当に心地良い。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse-In Live Sets Vol.2 (ナウオンメディア:NODD-00067)
Fuse-In Live Sets Vol.2
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2000年からデトロイトシティーを盛り上げるべく、そしてテクノの聖地としてテクノを知らしめるべく、Carl Craigが立ち上げたDetroit Electronic Music Festival(DEMF)。ただ元々は無料フェスであった為イベントの資金難は現在まで続き、デトロイト市との確執もあったりでCarl Craigが蚊帳の外に出されたり、色々と苦難に阻まれているイベントがDEMF。そんな苦難があって2003〜4年はDerrick Mayが主宰し、自らの資産をなげうってまでDEMF改めMovementを開催するも、結局は借金漬けになってしまう。2005年はKevin Saundersonが有料のフェスとしてFuse-Inに改め開催するも、多くの人間を集める事は叶わず彼も借金を背負う事に。2006年はプロモーターが見つかりなんとか開催するも、出演アーティストの大半はデトロイトに関係ない人だったり。となんともまあ厳しい現実ではあるDEMF。これはきっとアメリカではデトロイトテクノはヨーロッパ程深く浸透しておらず、またデトロイトがテクノの聖地だと言う認識もないからではあると思う。多分DEMFがヨーロッパや日本で行われれば多くの人を集める事が出来るだろうに、なんとも悲しいアメリカの現実だ。

さて、このDVDは2005年のFuse-In参加アーティストから、Model 500(Juan Atkins)、Kevin Saunderson、Stacey Pullen、James Pennington、Aril Brikhaら約20アーティストを収録。Juan Atkinsのエレクトロライブは初めて見たけど、やっぱり本物は格好良い。でも糖尿病のせいか痩せ過ぎな気もして、ちょっと心配だぞ。James Penningtonも硬派で芯のあるプレイ、さすがURのメインDJだ。しかし地元デトロイトハウスの重鎮・Mike Clarkよりも、ミニマルテクノのMarco Corolaの方が人気あったり、なんだかイベントの主旨ぶち壊しな面も…。ヒップホップのSlum Villageが出たりしているのは、許容を広げると言う意味では良いかもね。でもまあ、かつては荒廃していたデトロイトから毎年の如くこうやってダンスミュージックイベントが行われるなんて、ほんと素晴らしい事だとは思うよ。後はデトロイトアーティストを中心にイベントが行われ、かつ客をしっかり繋ぎ止める事が出来るようになれば、その時こそ本当の成功だと言えるだろうね。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
High Tech Soul The Creation Of Techno Music (Victor Entertainment:VIBF5095)
High Tech Soul The Creation Of Techno Music
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デトロイトテクノファンお待ちかね、デトロイトテクノ発祥の歴史を辿るドキュメンタリーDVDです。まあデトロイトテクノファンにとっては大半は知っている内容ばかりで、特に目新たしさは特にないけれど、デトロイトテクノのオリジネーターであるJuan Atkins、Derrick May、Kevin Saundersonから直接の発言が聞けたりとか、他にもCarl Craig、Jeff Mills、Richie Hawtin、その他大勢のアーティストのコメントが聞けるのは嬉しいですね。実はオリジネーター3人につまはじきにされたと言うEddie Flashi Fowlkesの話なんかもあって、Eddieもデトロイトテクノの基礎になっていたのかと驚きもあったり。またデトロイトの大勢のアーティストに影響を与えたラジオDJ・Electrifying Mojoもノイズまみれの映像でコメントをしていて、「自分がデトロイトのアーティストに影響を与えたが、また僕も彼らから影響を受けていたんだ。相互作用だったんだよ」と言う話にはちょっとほろっときたりしました。しかしまあDerrick Mayはほんと大口叩いてますね。饒舌なのか態度がでかいのか、中には「彼は好きになるか嫌われるかのどちらか」とまで他のアーティストに言われたり、とにかくそれ位よく喋る。Juan Atkinsが裏番、Derrick Mayは表番って感じですね。ちなみに商業的に一番成功したのはKevin Saundersonです。この3人はデトロイトテクノの基礎と言う意味においては、本当に重要な人物であります。個人的にはデトロイトテクノを更に広げる事となったCarl Craig、Jeff Mills、Underground Resistance辺りももっと特集して欲しかったなと思いますが、またそれは今度で。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Americano (Exceptional Records:EXLPCD0201)
John Beltran-Americano
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先日紹介したデトロイトのアーティスト・John Beltran、彼の中の転機となった作品がこの「Americano」。かつてはCarl CraigのRetroactiveやDerrick MayのTransmat、もしくはUKのPeacefrog Recordsから作品をリリースした様に、テクノが中心となりそこにジャズやアンビエントを注入した作品が多かったです。しかしこのアルバムからはテクノ色は徐々に弱くなり、オーガニックなアコースティック路線が前面に出て来ました。それまではデトロイト在住だったらしいですが、この作品からマイアミに住み始めたのが関係あるのでしょうか。この後にリリースされたアルバム「Sun Gypsy」はモロにラテン過ぎて微妙でしたが、今作ではディープハウス、ラテン、ドラムンベース、ダウンテンポ、アンビエントなどが自然に存在しています。幻想的、透明な空気を一杯に含んだ柔らかい音色で、午後の昼下がりの微睡みを誘発する世界観。ラテンの要素が入っていても決して暑苦しくないのは、アンビエントに含まれるチルアウトなムードがあるからでしょう。大海原に太陽が沈んでゆく黄昏時の瞬間の、海がオレンジに輝いている景色が浮かんでくるね。イビザみたいな享楽的な世界観とは異なるしっとりした高揚感が感じられます。夏がぴったりな傑作です。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
John Beltran - In Full Color (Ubiquity Records:URCD142)
John Beltran-In Full Color
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最近暑い日が続いていますねー、ほんとに不快指数の高い毎日です。や、まあそんな時はラテングルーヴで気持ち良い風を感じましょう。John Beltran、かつてはCarl Craigの伝説的レーベル・Retroactiveからデビューを果たしたデトロイトのアーティストです。デトロイトテクノの叙情性を前面に出し、アンビエントやジャズまでも取り込んだサウンドで人気を博しています。ところが途中からアコースティックな音色を多用したラテンハウス色を強めていき、一時期はちょっと生音やりすぎな位だったので微妙に興味が無くなりかけていました。そんな彼の起死回生の一発が、この2004年の最新作。掻い摘んで言うと過去のアンビエント+最近のラテンハウスな、調度良いバランスの上にあるクロスオーバーなアルバムです。ラテンの血がたぎるノリノリのリズム感、あーこりゃ南国気分で爽やかだね。からっと乾いたパーカッションの音が本当に気持ち良い。その上に以前の様な薄いシンセのヴェールが被さり、柔らかい空気に心が包まれて行くような優しさを感じられます。木陰の中、ハンモックの上に横になりながらうとうとと聴きたいな。デトロイトテクノの影響はほとんど感じられないけれど、彼の新しい路線がここに結実した良質なアルバムだと思います。ラストの「Pictures And Indian Summer」は完璧アンビエントハウスって感じだけど、これはまじで素晴らしすぎます。泣ける!

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Nova Dream Sequence - Interpretations (Compost Records:MPOST 222-2)
Nova Dream Sequence-Interpretations
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ブロークンビーツやクラブジャズを得意とするCompost Recordsが?ハウスやソウル、ジャズ、ヒップホップなどで才能を見せつけるKing Brittが?まさかまさか純粋なテクノに手を出すなんて誰が予想出来ただろうか?そう、King Brittが送る彼自身が見た夢を音像化したのがThe Nova Dream Sequenceです。デトロイトテクノのファンであり、ずっとデトロイトテクノを作る事を希望していた彼が、ここに来てテクノへの接近しつつあるCompost Recordsからテクノアルバムをリリース。多彩なジャンルにおいて才能を持っているKing Brittですが、それはテクノにおいても同様で非常にイマジネイティブでディープ、デトロイトテクノにモロに影響を受けた感じになっていますね。深淵かつ妖艶なシンセサウンド、抑揚の無いミニマルなリズムラインを駆使し、夢見た内容と言うだけあってドリーミーで朧気な世界を創り上げています。無駄を省いたシンプルな構成で高純度にテクノ化した音は、相当に覚醒的でプログレッシブハウス方面でも人気が出そうな位ですね。デトロイトテクノの物真似では無く、デトロイトテクノを咀嚼した彼なりのテクノと言うべきで、やはり才能がある人は何をやっても凄いの一言。セクシー、ダーク、ミステリアス、ドリーミー、色々な言葉が浮かんできます。またここ2〜3年のエレクトロニック全開なCarl Craigの作品にも近い音の様な気も。Derrick Mayも絶賛してるし、テクノ好きは無視してはいけないですよ。

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| TECHNO3 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Manuel Gottsching - E2-E4 (Re-masterd) (Arcangelo:ARC7168)
Manuel Gottsching-E2-E4
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今年のMETAMORPHOSEの目玉は何と言っても、Manuel Gottschingによる「E2-E4」世界初ライブであろう。実は既に「E2-E4」のライブは、オーケストラ+アコギセットで行われているのだが、今回はなんとリズムマシーンやエレキでのセットと言う事で、これこそが真の「E2-E4」初ライブと言えるだろう。「E2-E4」って何でしょうと言う人は、私の過去レビューをまず参照して頂きたい。

さて、とにもかくにも「E2-E4」のクラブシーンへの影響はとても大きい。テクノ、ハウス、ガラージのクラシックスとして各アーティストに影響を与え、Sueno Latinoによるアンビエントハウスを誘発し、そしてDerrick MayとCarl Craigによるリミックスは今でも燦然と輝きを放つ。

しかし今になって「E2-E4」の初ライブが日本で行われるなんて驚き以外の何でもないし、むしろ今までライブが行われていなかった事の方がもっとびっくりだ。ジャパンマネーの力を想像するのは容易いが、それでも野外であの官能的なギターサウンドを一時間も体験出来るのであれば、それはきっと至福の時となる事も間違いないだろう。今年はチケットの値上げだったり、いまいちしっくりこない面子が多いのでMETAMORPHOSEには行かないけれど、「E2-E4」のライブだけはマジで聴きたいな。

取り敢えず廃盤になっていたこのアルバムが、リミスター済みで再発される事に乾杯!

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| ETC1 | 23:40 | comments(6) | trackbacks(3) | |
Urban Tribe - The Collapse of Modern Culture (Mo Wax:MW102CD)
Urban Tribe-The Collapse of Modern Culture
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今では激レアとなってしまい高値の付いているSherard IngramことUrban Tribeの1stアルバムがコレ。テクノなんぞそんなよくわからん頃にリリースされて、Carl CraigとSherard Ingramの合体ユニットなんかと紹介されて興味を持っていたけれど、実はCarlさんは数曲で協力をしているだけで、半分位はデトロイトハウサー・Anthony Shakirが共作やプロデュースをしている。その他にも漆黒のソウルマン・MoodymannことKenny Dixon Jr.も参加していて、デトロイトハウス好きはヨダレが出る思いでしょう。と思いきや何故かJames Lavelle率いるMo’Waxからリリースされていて、その内容たるやトリップホップとかアブストラクトと形容されるかなり煙たい作品になっている。デトロイトテクノ色が少ないと言えばそうなんだけど、このアルバムから漂ってくる悲しさはなんだろうね。Moodymannと同じく艶のある黒さってのは感じれるけど、あちらが怒りを前面に出しているのに対し、Urban Tribeは荒廃したデトロイトシティーの嘆き、憂いを表現しているみたい。でも荒廃した街にも希望が生まれる様に、この音楽の中にも一筋の美しさが徐々に芽生えてくる。人間くさいざらついた質感の音も艶めかしく、生まれたばかりのプリミティブな音にはっと息を飲む瞬間もある。テクノともハウスとも違うデトロイトの新たなる局面が、Urban Tribeによって迎えられた。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah Remixes (Burial Mix:BMXD-1)
Rhythm & Sound-See Mi Yah Remixes
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アブストラクトミニマルテクノの大元帥、元Basic Channelの二人が現在はダブ・レゲエユニットのRhythm & Soundとして活動しておりますが、そんな現在の状況に僕は余り興味を覚えません。だがだがだが、ここにきてやっとこさ久しぶりにテクノへのアプローチを見せてくれました。なんと昨年の「See Mi Yah」(過去レビュー)を、驚愕の11アーティストがリミックスしました。参加アーティストは、Basic Channel一派のSubstance、Vladislav Delay、Vainqueur、Hallucinator、Tikiman、ハウスの賢人・Francois K、デトロイトテクノのパイオニア・Carl Craig、クリック方面からはSound Stream(Soundhack)、Ricardo Villalobos、またミニマルの新星・Sleeparchive、そして何とBasic Channel名義で本人らも参加と言うやばすぎる面子。 これは聞かなくても分かる、素晴らしいに違いないと。

取り分け素晴らしかったのは、やっぱりCarl Craig。近年の作風であるエレクトロニックで覚醒感漂うプログレッシブな出来で、シンセの金属的な響きが最高です。こんなリミックスが出来るなら、とっとと自分の名義でアルバム出せよなー(笑)。Vainqueurも良かったね。Basic Channelを継ぐ者としてのリミックスと言うべきか、視界0メートルのぼやけた残響の中で淡々とリズムが鳴り続けます。Villalobosは相変わらずのネチャネチャとした粘度の高い音で、スカスカな構成がからっと乾燥した空気を作り出します。Francois Kは何故か一人暴走し、ラガジャングルを展開。これはちょっと方向性を間違えたか…(悪くはないけどさ)。でも何と言ってもBasic Channelのリミックスが聞けたのが、一番嬉しいです、感涙です。Rhythm & Soundをハウス化したいわゆるダブハウスなんだけど、音の鳴り方がやっぱり別格だなぁと。またいつかBasic Channel名義での活動を再開してくれないのかな〜・・・。なんて思いつつも、アーティストそれぞれが独自のリミックスを提供しています。この夏、このアルバムを聞いて暑さをしのぐべし!!

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Terrace - Interesting Times (Eevo Lute Muzique:EEVOCD8)
Terrace-Interesting Times
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なんとStefan RobbersことTerraceの1996年以来の9年ぶりのアルバム。ウニョウニョなアシッドサウンドが特徴のAcid Junkiesとしても活躍していた彼ですが、オランダからデトロイトへの回答とも言えるEevo Lute Muziqueと言うレーベルの設立者でもありまして、Terrace名義ではデトロイトテクノに影響を受けつつもヨーロッパに洗練された雰囲気も持ち合わせています。2005年の新作も、まあ音的には特に新鮮さも目新しさもない古き良き時代のデトロイトテクノって感じですが、ここまでストレートにこうゆう作品を出されると文句も言えないですね。Warp RecordsのAIシリーズの様な知的さと、デトロイトの美しいロマンスを兼ね備えた音は、昔から全然変わっていないですね。初期Carl Craigと比較されたりもする音は、取り敢えずデトロイト好きは聞くべしと。そんなに有名なアーティストではないしむしろ地味だけど、これからもこの路線を継承していって欲しいですね。変わらなくても良い物ってあるんです。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francois K. - Frequencies (WaveTec:WT50165-2)
Francois K.-Frequencies
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待った待った、ほんとーに待った。今度こそと何度も思いつつ実現しなかったDerrick Mayの新作が、遂にMIXCDの中で披露されました。しかもダンスミュージックの伝道師・Francois Kと組んだユニット・Cosmic Tiwns名義で、「Solar Flare」なる新曲を届けてくれました。で内容はと言うとほぼFrancoisが手掛けたんじゃないかと思わせるハウスグルーヴ基調で、そこにコズミックなシンセが絡みつくまあまあの出来。まあ御代二人の共作の割りには意外と落ち着きのあるテックハウスで、マジックは見られなかったけど素直にDerrickの新作としては喜ばしいですね。

肝心のFrancoisのミックスプレイはと言うと、もはやハウスのDJとしてではなくテクノもすっかり馴染んだディープスペースワールドを見せつけてくれました。流行のAmeやNathan Fakeなどのどディープなテックハウス、Jeff Mills、Carl Craig、Joris Voornらの王道テクノ、Sleeparchiveのミニマルテクノ、Oliver Ho、Samuel L.Sessonsらのハードテクノ、Co-Fusinのアッパーハウスなど内容も豊かに全体的にクールでヒンヤリとしたプレイです。Francois K、Aril Brikhaの新作が収録されているのも、嬉しい限りでかなり豪華な選曲ですね。元々がハウスDJのせいか小刻みに流れを作るよりはかなりスムースな流れで、長い時間をかけて広がりのあるプレイを聞かせてくれます。ハードな音は少なめでハウスファンにも聴きやすいプレイだとは思いますが、個人的にはもう少しアッパーな箇所が欲しかったなと。壮大な世界観はさすがFrancoisだとは思いましたが、理路整然と考えた挙げ句に決めた流れは少々クール過ぎるかも。もうちょっと人間らしさと言うか、大雑把でも良いから勢いがあればなと思います。完璧すぎるのはベテランの味だとも言えるし、逆にマイナスにも成りうると言う事なのですね。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
DJ Deep Presents City To City Part 02 (BBE:BBECD068)
DJ Deep Presents City To City Part 02
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フランスのディープハウスシーンなら俺にまかせろーいと言わんばかりの勢いであるDJ Deepが送る、デトロイト、シカゴ、ニューヨークのハウスヒストリー。サブタイトルが「A Retrospective Journey Through Chicago, Detroit And New-York Underground House Sounds」の通り、アンダーグラウンドハウスの回顧展みたいなMIXCDとなっております。「City To City Part01」(過去レビュー)もなかなかのマニアックぶりでしたが、今作も前作にまけじと玄人っぷりを発揮しています。だいたいの曲は90年前後のハウスサウンドなのですが、正直大半の曲は僕も分かりません。昔懐かしのTR-808のリズムトラックを使用したチープなシカゴハウスが多く、ここら辺の作品には芸がないものの伝統工芸みたいな一貫性を感じますね。単純に古臭い音と言えばそれまでですが、時が経てば経つ程ソウルが滲み出てくると思います。デトロイトハウスではUrban Culture名義でCarl Craigの傑作「Wonders Of Wishing」が一曲目に使われています。セクシーな女性ボーカルサンプルがこだまするディープハウスですが、Carlさんはほんと何やらせても天才だなって思わせる一曲ですね。Lowkeyの「Rain Forest」って曲は2006年作らしく、何故かまだ未リリースなのが収録されています。太く硬くかつソウルフルなハウスで、ちょっと気になりました。最近はハウスも聴いたりする僕なのですが、やっぱり昔の曲は全然わからん。そんな所にこうゆう隠れた名作を紹介してくれるMIXCDが出ると、大変参考になりハウスへの興味も更に増し、昔の音源も聴いてみたくなります。そうゆう意味ではこうゆう回顧録にも、しっかりと意味があるのだと思いますね。

ちなみにCD2はCD1の曲をミックスせずに収録したのと、ボーナストラックを3曲追加。ここでやはり目玉はCarl Craigが手掛けたNaomi Danielleの「Feel The Fire」でしょう。かなりレアな曲でもあるのですが、内容がまた最高にヤバイんです。それは聴いてのお楽しみって事で。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
BETTER DAYS -2ND ANNIVERSARY SPECIAL!- @ Module
2006/06/02 (FRI)
SPECIAL GUEST DJ : Ian O'Brien
RESIDENT DJ : TAKAMORI K., NO MILK, SUMITANI, MISUZ

STERNE @ Womb
2006/06/02 (FRI)
Guest DJ : Chris Liebing
DJs : Takkyu Ishino, Ten

VADE @ Womb
2006/06/10 (SAT)
DJs : Ricardo Villalobos, Fumiya Tanaka, AKR & John Cornnel

JUAN ATIKNS JAPAN TOUR 2006 @ Yellow
2006/06/16 (FRI)
DJ : Juan Atkins

min2MAX @ Womb
2006/06/16 (FRI)
DJs : Richie Hawtin, Magda, and more

Carhartt presents Bathroom @ Unit
2006/06/24 (SAT)
Live PA : RASMUS FABER Live Band
DJs: Rasmus Faber, Kenichi Yanai, Takeshi Hanzawa

REAL GROOVES Vol.12 Musique Risquee Label Night @ Yellow
2006/06/24 (SAT)
DJ: Marc Leclair aka Akufen, Vincent Lemieux, Ozmzo aka Sammmy, AKR

Carl Craig Japan Tour 2006 @ Yellow
2006/07/01 (SAT)
DJs : Carl Craig, Ryo Watanabe

WOMB NOISE @ Womb
2006/07/01 (SAT)
DJs : Anderson Noise, Ken Ishii, Yama

LIQUIDROOM 2nd ANNIVERSARY @ Liquidroom
2006/07/14 (FRI)
Live : Rei Harakami

まずは「マッドマイク病」に冒されたイアンオブライエンのイベントに注目。デトロイト祭りの熱い一夜が催されそうな予感です。ホアンアトキンスとリッチーホーティンが被ってしまいましたが、どっちも行かないかもね。リッチーはWIREで見れるし。カールクレイグは去年の渚では最後まで聴けなかったので、しっかりフルで聴いてみたい。Hi-Tech Jazzも回すって聞いたしね。ハラカミは去年と同じく激込みなんだろうなぁ、昔みたいに空いていれば気持ち良く見れるんだけどね。全体的に余り興味をひくイベントが無いのは、単に自分のモチベーションが下がっているからなのだろうか。
| UPCOMING EVENT | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Detroit Beatdown Remixes (Third Ear:XECD-1043)
Detroit Beatdown Remixes
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テクノはデトロイト、シカゴはハウスなんていつの間にかそんな大きな区分けがされてしまった時、デトロイトにハウスを復権させたのはMoodymannやTheo Parrishだったんだろうな。もちろん彼らは超有名なアーティストな訳で誰もが知る存在なんだけど、よりデトロイトのハウスを掘り下げる為にMike "Agent X" Clarkは「Beatdown」を提唱した。それが2002年にリリースされたデトロイトハウスの最強コンピレーション「Detroit Beatdown」だ。黒人音楽を高密度の圧縮したこの低速ハウスコンピレーションには、Theo Parrish、Eddie Fowlkes、Mike Clark、Alton Millerから隠れた存在であるNorm Talley、Delano Smith、Rick Wilhite、Malik Alstonらの楽曲を収録。今までに類を見ない濃いデトロイトハウスである事は間違いない。そしてそのアルバムを多方面のアーティストがリミックスしたのが、この「Detroit Beatdown Remixes」だ。参加アーティストは、Carl CraigやAmp Dog Night、Gilb'r(Chateau Flight) らの有名処から、まだ一般的には知られていないアーティストまで色々。元々が濃い作品だらけだったのでどう調理されるかも楽しみだったのですが、リミックス後もやっぱり濃かったの一言。多くを述べる必要は無い。ハウスが好きな人ならば、きっと一回耳にするだけでこの「Beatdown」の素晴らしさが分かるはず。デトロイトは何度目かの春を迎えようとしている。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rolando - From There To Here & Now (NRK Sound Division:NRKCD025X)
DJ Rolando-From There To Here & Now
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Underground Resistanceの3代目DJとして、そしてGerald Mitchellと新たに立ち上げたユニット・Los Hermanosのメンバーとして活躍したDJ Rolando。しかしながらより広大で自由な活動を望むDJ Rolandoにとって、半ばコンセプト化されたURに居座り続けるには窮屈過ぎたのだろうか、人気を保ったままURを脱退。その後特にどんな活動をしているのかも耳に入らなくなって一年以上経ったのだが、遂に再始動なのか新たなるMIXCDをリリースする事になりました。しかも以前にも「Nite:Life 016」(過去レビュー)と言う名作MIXCDをリリースしたNRKから、今度は2枚組の大作でファン泣かせなリリースです。

Disc1はモロにハウス満開、軽く爽やかなアフロハウスから黒光りするディープハウス、キャッチーなアッパーハウス、温かみのあるソウルフルなハウスなど、どこをとっても4つ打ちハウスに囲まれています。以前生でDJ聴いた時は、ゴリゴリでミニマルなテクノ〜デトロイトテクノで鬼気迫る迫力のプレイだったけれど、このMIXCDでは幾分か肩の力が抜けてより自身のルーツに近いラテン的な面が出ている様な気がしますね。UR在籍時のハードで暗黒エレクトロをリリースしていた頃と同人物とは思えない程の変わり様ですが、このMIXCDの様なプレイをするのならばURとは一線を画すのも納得かな。デトロイト色が余りないから離れるファンも出てくるかもしれませんが、僕は素直に格好良いハウスだと思います。緩めの前半からキャッチーな中盤、疾走感溢れる後半(テクノ少々)まで手堅く盛り上げます。DJ Rolandoがまさか「Bar A Thym」をプレイするなんてって思ったけど、そんなプレイが彼のこれからの道を示唆しているんでしょう。

対してDisc2はダンサンブルながらもどちらかと言うと緩めの選曲で、夜にしみじみと聴くのに良いムードが出ています。Tread、David Alvarado、Vince Watsonらのテックハウス、Trackheadz、Indigenous Space People(Ron Trent)、Tokyo Black Star(DJ Alex From Tokyo)らのディープハウス、そしてデトロイト好きは見逃せない「Sueno Latino(Derrick May Illusion Mix)」を収録。ほぼフルレングスで収録してあるので、ミックスと言うよりはDJ Rolandoの自分用のリラクシングCDな意味合いが強そうです。たっぷり踊った後は体を休ませて、静かに時間を過ごそうって事なんでしょう。Disc1とは対照的に落ち着いて聴きたいですね。

さあ、後は新曲を待つのみ。DJ Rolandoの今後に期待が膨らむばかりです。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jerome Sydenham As "Casino J"- Electric Pussycat (Ibadan Records:IRC073-2)
Jerome Sydenham-Electric Pussycat
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Jerome Sydenham自身の顔がアップになったジャケットも、そのCDのタイトルも本当にセンスないね…。セールス的に悪影響が出るのは間違いないと思うのですが、どうなのでしょう。ただJeromeの音楽はNYCの中でもかなりディープな黒光りするハウスで、Jerome主宰のIbadan RecordsはJoe Claussell主宰のSpiritual Life Musicと共にスピリチュアルハウスなるものを世に広めた重要なレーベルであります。生楽器を多用したアコースティック志向で、アフロやラテン色を前面に出したパーカッシブなトラックは、それまでのハウスとは一線を画すものでした。ただそんなJeromeにもここ数年は転機が訪れている様で、生音志向からかなりエレクトロニックでともすればテクノと言っても差し支えない位作風も変わってきています。実際、今作は今まで以上にテクノ色の強い電子音がメロディーを支配し、奥行きを感じさせる空間を見事に生み出しています。ここまで来るとスピリチュアルハウスはどうなったのと首を傾げたくなりますが、Jeromeのテクノへの傾倒はディープさとトライバルの両方を失わずに出来ているので流石の一言ですね。また要所要所にアフロな楽曲も挟んでいて、テクノ・ハウスの両方から支持を得られるでしょう。しかしこの人のミックスプレイと言うのは、いつでも艶があると言うか妖艶なエロスを感じますな。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Jeff Mills - Choice - A Collection Of Classics (Azuli Records:AZCD29)
Jeff Mills-Choice A Collection of Classics
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Jeff Millsの来日は毎年の如く繰り返されているのですが、今週遂に初のYELLOWでのプレイが実現される事になりました。近年はWOMBでのプレイばかりで微妙な感じが多々あったのですが、YELLOWでのプレイじゃ期待せずにはいられません。コンセプトも珍しく「人生で影響を受けた音楽をすべてプレイする」との事。またJeff本人は未だに「ダンス・ミュージックのレコードを作るときのインスピレーションは、だいたいディスコから得る」と発言している事もあり、いつものハードミニマルスタイル以上の物を見せつける可能性もあります。と言う事はディスコクラシックやヒップホップ、ハウスやテクノなど色々プレイするのかもしれないですね。そんなJeffのルーツを探るCDが、彼自身が選曲した2枚組で出ております。1枚目はいわゆるクラシックと呼ばれるそうなディスコ物ですが、全然知らないアーティストばかりだぁ。と思ったら、Teddy PendergrassとかChas Jankelの曲はCMでも時々耳にするな。しかしこうゆうオールディーな曲は聴かないので、Jeffが選曲と言われてもどうすりゃいいねんって感じですな。2枚目の方は、TelexやBlake Baxter、Silent Phase、Joey Beltramなんかも収録されてテクノ色が強くなってくるので聴きやすいですな。それでもやはり古くて懐かしい曲が多く、電子音楽の夜明け、創世記みたいな感じを受けます。あくまでルーツを探る選曲だからやっぱり懐かしいのは当然だし、Jeffの全てを知り尽くしたいなんてマニアは聴いてみてはいかがでしょうか。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chicken Lips - DJ Kicks (Studio !K7:!K7155CD)
Chicken Lips-DJ Kicks
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近頃はディスコダブなるブームが流行っているらしく、僕は全く興味はないのですが一応そのディスコダブを広める事に貢献したChicken LipsのMIXCDでも紹介しておきます。ディスコダブがいまいちどんな物かは理解していませんが、アンダーグラウンド色が強く80年代のディスコにダビーな奥深さを追加した様な感じなのでしょうか(間違ってたらごめんなさい)。なんでベースはでんでけだしリズムはずっしりな4つ打ちで、半ば古臭い音ではありますがドロドロのサイケデリック感があります。しかしStudio !K7の送る名物MIXCDシリーズ・DJ Kicksと言う事なので質が悪いって事はないんですけど、このディスコダブって音は自分には合いませんね。なんつーか音の古臭さが嫌って言うか、ニューウェーブの鋭い感覚はあるけれど別にダンスミュージックにはそれを求めてないって言うのかな。80年代のNew OrderとかDepeche Modeとかと同じ空気を感じて、New Orderとかはロックで格好良かったけどダンスミュージックだとなんか違うのですわ。古い感覚と新しい感覚が混ざってるのは分かりますが、自分の好きな音ではないの一言。悪いとか良いとかではございませんので、あしからず。

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| HOUSE2 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aardvarck - Cult Copy (Rush Hour Recordings:RH103CD)
Aardvarck-Cult Copy
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最近非常にやばい…大量にリリースされるCDを聴く時間と買うお金の消費が増大しています。だってこんなにも傑作がリリースされたら買うしかないじゃんよ。で早い人は数年前から注目しているであろうAardvarckの新作が登場。てっとり早く言うと、オランダのRush HourやDelsinから作品をリリースするデトロイトフォロワーです。Delsinと言えば数年前からデトロイトテクノに影響を受けた作品を量産し、結構注目を浴びていたのでご存じの方も多いはず。そして、そのディストリビューターがRush Hourでありまして、最近はデトロイトクラシックのリイシューなんかにも力を入れております。Aardvarckが特に注目を浴びたのは、Cult Copyシリーズからでしょうか。Pt.1はCarl CraigのMIXCDに使用され、Pt.2では何とCarl Craigがリミックスで参加し馬鹿売れしましたよね。そしてそのシリーズを中心に構成したアルバムが、このCult Copyです。デトロイトの音を期待していた人には大正解、いやそれよりも単なるフォロワーの域は既に脱しています。フォロワーと言うと結構薄味だったりソウルが稀薄な場合が多いのですが、Aardvarckは本家よりファンキーで黒いサイケデリアが渦巻いていると感じます。音的にはどぎついシンセ音や図太いベース音を中心に、複雑で入り組んだブレイクビーツの絡みでダークで荒々しいタフなトラックを完成させています。随分とアナログ感の強い音ながらも、まるでテクノが産声を上げた時の様なエナジーに溢れ懐かしさと新鮮さが共存していますね。EPじゃなくアルバムでここまで完成度の高いデトロイトテクノは、久しぶりに聴いた気がします。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Joe Claussell - Translate (NRK Sound Division:NRKCD023X)
Joe Claussell-Translate
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発売される前からテクノ化テクノ化なんて宣伝されて、Francois Kに続いてお前もかと勘ぐってしまいましたが、蓋を開けると結構ハウシーじゃないですか。ニューヨークにおいてスピリチュアルハウスシーンを爆発させた張本人・Joe Claussellですが、最近のハウス全体がなんとなく進歩が無いと言うか余り元気がないように思え、彼も過渡期を迎えているのかもしれないですね。で最初に結構ハウシーだねと書いたけれど、今作は今までのジョーファンにはやっぱり身構えてしまう所があるかもしれないです。所謂アフロでトライバル、スピリチュアルなディープハウスではないのです。ハウスではあるけれど、紡がれるようにスムースな展開や一般的なハウスの温かみってのはありません。ハウスにある流れる様な展開よりも、チャプターごとに分けたような選曲と構成がまるで映画のサントラの様です。トラックリストは13曲の表記ですが、実際にはSEやインタールードを交え49曲も収録されているのです。今作に感じたのは、コズミック!そう、もっと広い世界が目の前に広がり、心は大地を離れ宇宙の中に放り出されてしまいます。例え一般的なハウスビートが無くても、全てを包括する柔軟でしなやかなそのプレイはエモーショナルの一言。ファンの期待を裏切るかもしれない新たな取り組みですが、美しく深い世界観と野心に満ち溢れるその前向きなプレイは成功だと思います。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
I Love Techno The Classics (541:541416501453)
I Love Techno Classics
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ベルギーのテクノフェスティバル「I Love Techno」の10周年を記念したコンピレーションアルバムが出ています。テクノにおける傑作をこれでもかと言わんばかりに収録した怒濤の3枚組、もうお腹一杯一杯なボリュームです。収録曲を見て貰えば分かるけど、最新の曲ではなくて過去の名作を集めていてテクノを昔から聴いている人には懐メロ特集みたいな感じ。しかしこうゆうコンピレーションはただヒット曲を集めましたってだけの、コンセプトも何も無い記念の為のリリースで、長くテクノを聴いている人には余り食指は動かないかもしれないですね。だけどこういったテクノベストを出す意義もある訳で、それはやっぱりこれからテクノを聴いてみたいと言う人にはうってつけだと思います。いきなり小難しいテクノを聴くよりとにかく派手で受ける曲を聴いて、それから色々なテクノを模索するきっかけになれば良いんじゃないでしょうか。もしくはEPを買わない人なんかにも勧められると思います。とにかくヒット曲満載、本当に良い曲ばかりです。

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| TECHNO3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2006/01/13 UNITE feat. NICK HOLDER @ UNIT
久しぶりだな、3週連続もクラブに行くなんて。それだけ気になるアーティストが来日してると言う訳だけど、UNITはドリンクチケットも付かないし割高だしちょっと微妙なクラブ。特にハウスのイベントに関しては、出来るだけYELLOWでやって欲しいなと言うのが正直な気持ち。さて、今回はカナダの奇才Nick Holder、地味ながらも堅実なアーティストで楽しみにしておりました。12時過ぎから入って2時半位までは前座のDJだったんだけど、いまいち誰だか分かりませんでした。でもプレイは楽しかったですよ〜、ちょい上げ気味のアーバンなハウスで、スウィートなメロディーとドスドスな4つ打ちで平坦な展開ながらも気持ち良く踊れました。一生懸命踊るんじゃなくて笑顔でのほほんとした感じで踊れたし、ハウスって心地良いものだと再度実感しました(テクノはむしろ格好良いと感じる)。
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| EVENT REPORT1 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Painted Pictures - Tuxedo Sessions (Truth Manifest Records:PCD-23682)
Painted Pictures-Tuxedo Sessions
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アンダーグラウンドなデトロイトハウスシーンを掘り起こした名盤「Detroit Beatdown」にも参加しているMalik Alstonが、8人編成でバンドを組んだらスピリチュアルなジャズバンドになってしまった。デトロイトのアーティストは時として過去に回帰し過ぎる時があったりして、そうするともろに生音志向のジャズとかヒップホップとかをやっちゃって僕を困らせる。と言うのも漆黒のファンキーなグルーヴを期待しているのに、出てくる音は温かくソウルフルなボーカルやら渋くうなるトランペットやら複雑に躍動するドラムの絡み。言葉だけ聞けば良いじゃんとか思うかもしれないけれど、ダンスミュージックではない。ハウス、それは4つ打ちであれば良い、変わらぬ4つ打ちのリズムがループする。しかしその永遠に持続する快楽はこのCDからは感じられない。当然バンド形態でのCDなのだからそれを期待するのは間違いなのだが、別にこれをやる必要はあるのかなと言う感じ。まあ何も考えずに聴けば、普通に聴けるファンク・ジャズアルバムだとは思います。Carl Craigの「Detroit Experiment」が好きな人には、素直に受け入れられるでしょうね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
E-Dancer - Heavenly (Planet E:PE65241CD)
E-Dancer-Heavenly
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新年そうそう最初のレビューは、去年大躍進を果たしたデトロイトテクノからビルヴィレー・スリーと呼ばれる内の一人、Kevin SaundersonのE-Dancer名義のベスト盤を紹介します。KevinはDerrick May、Juan Atkinsに比べるとハウス色が強くまた派手で盛り上がるトラックメイキングが得意です。大柄な体格に似ていてDJプレイもとにかく派手で、ジェットコースターの様に緩急自在に最大限に盛り上がる選曲でほんとに上手いです。でこのベスト盤なんですが、ベスト盤だけあって全ての曲のクオリティーが最上級。特にざらついたフィルター使いが特徴で硬く荒々しい音を出しつつも、ムーディーなメロディが導入されテクノとハウス両方で使えるトラックが多数。Ken IshiiやJeff Mills、その他色々なアーティストが今でも、「World Of Deep」、「Pump The Move」、「Velocity Funk」などを回しているのはクラブに行った事がある人ならば周知の事実でしょう。しかしやっぱり体格同様、彼のトラックはまじで図太いですね。ズンドコ節でクラブヒットしない訳がないですね。EPでいちいちシングルを集めるのは面倒なので、こう言ったベスト盤は大変重宝します。一家に一枚お勧めします

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2005
来たるべき大晦日が遂にやってきました。K-1とPRIDEの両方を見なくては!最近は年末は毎年そうです。ちなみに未だにカウントダウンはどれに行くか決めておりません。どれもインパクトに欠けるイベントばかりでとか言っておきながら、ケンイシイに行っちゃいそうですな。さて、勝手ながら今年も年間ベストを選んでみました。が、今年は余りにも量が膨大なんで選ぶのに困り、泣く泣くカットした物が多数。そう考えると相当な量の音楽を聴いたんだなとしみじみします。以下のリストに残った物は僕のお気に入りの一部ではありますが、是非とも皆様のCD選びの参考になって頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 14:00 | comments(11) | trackbacks(2) | |
Detroit Beatdown In The Mix Mixed By The Beatdown Brothers (Third Ear:XECD-044)
Detroit Beatdown In The Mix Mixed By The Beatdown Brothers
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もう3年位前だったかな、「Detroit Beatdown」と言うコンピレーションアルバムが発売されたのですが、どうにもテクノで有名なデトロイトに於いてハウスはそれ程脚光を浴びない訳みたい。もちろんTheo ParrishやMoodymannなんかはいるし、Carl CraigやUnderground Resistanceだってハウスは作る訳だけど、決してそれらだけがデトロイトハウスなんかじゃなく地道に活動を続けるアーティストいるのでありまして、晴れてそのコンピレーションに於いて世の中に紹介されたのでありました。URにも参加した事のあるMike Clarkが提唱した"Beatdown"とは、言葉通りであるならばテンポを落とせと言う事なのでしょう。しかしそれ以上に深い音楽性があり、ジャズやファンク、ディスコから継承した黒いソウルがあります。テクノも勿論黒人音楽を昇華した結果ではあるのですが、ハウスはよりストレートに濃く凝縮されているものだと思います。そんなハウスを紹介した「Detroit Beatdown」は、デトロイトハウスの金字塔と言っても差し支えないのですが、更にそれらを The Beatdown Brothersがミックスしたのが、この「Detroit Beatdown In The Mix」です。The Beatdown BrothersとはMike Clarkに、「Detroit Beatdown」にも参加したNorm Talley、Delano Smithを加えた3人組の事で、名前からしてもう素晴らしいです。「Detroit Beatdown」のオリジナル曲、リミックス曲をソウルフルに熱を帯び、ファットに図太く、スムースに心地良く繋げていきました。久しぶりに心温まるハウスミックスに出会った気がします。デトロイトテクノは聴くけれどデトロイトハウスは聴かない、そんな人達にもきっと伝わるソウルがあるはず。カウントダウンにThe Beatdown Brothersがやってくるので、興味の有る方は是非。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Agoria - Cute & Cult (Different/PIAS:DIFB1055CD)
Agoria-Cute & Cult
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最近新譜がどんどん出るので聴くのが追いつきません(汗)。年の瀬だって言うのに、また強烈なMIXCDが出ちゃいましたよ。フランスからのニューカマー・Agoriaさんの変幻自在、奇天烈なプレイが存分に味わえる「Cute & Cult」がそれです。Agoriaさんはフランステクノシーンにおけるデトロイトテクノフォロワーで、その中でも単にデトロイトテクノを模倣したもの以上のアルバム「Blossom」で注目を浴びています。そしてミックスプレイもやっぱり一筋縄ではいかず、Carl Craigや69、Phylyps(Basic Channel)に混ざってLucien & LucianoやMathew Jonsonのクリック、Anthony Rotherのエレクトロ、Alter Egoのジャーマンテクノ、RadioheadやIggy Popのロック、しまいにはAge Of Loveのトランス?!までも収録。普通の4つ打ちテクノだけが好きなら苦手な人もいるかもしれないけど、抗えないインパクトは感じるはず。ドラッギーなエクスペリメンタルテクノから、緩やかなテックハウス、ダーティーなロック、ギトギトのエレクトロ、高揚感満載のトランス、未来派デトロイトテクノが、入れ替わり立ち替わりで聴く者を刺激ます。ただ聴くだけじゃない、心で感じるんだ!こんな不規則なテンポやリズムでも、きっと踊れる、勝手に体が動くでしょう。今年の珍盤ベスト1か?

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Fabric 25 (Fabric Records:FABRIC49)
Carl Craig-Fabric 25
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名作Fabricミックスシリーズに、遂に天才Carl Craigの登場です。発売前から期待を膨らましていたものの、トラックリストを見た時はハウスセットか〜と微妙な気持ちになったり。ようやく実際に耳にしてみると、生ハウス、テックハウス、テクノが程よく分配されて、Craigの大きな音楽性を充分に見せつける流れがありました。今までだって思い出してみると彼のプレイはどちらかと言うとハウス色が濃厚だった訳で、今回は特に湿っぽく艶めかしい質感が強いです。終始ビートはそれ程上がらず前半から中盤はハウス、中盤過ぎから硬めのテックハウスで少し盛り上げ、ラスト前に一端落とす。そしてラスト2曲はCarl Craig、Tokyo Black Starのヒット曲を立て続けに回して、感動的なラストを飾ります。Carlと言えば下手くそなDJだったのに、最近はDJの方も腕を上げたようでロングスパンでの緩急の付け方が上手いですね。テクノセットじゃないからダメだなんて思ってる人は、騙されたと思って聴いて欲しいし、ハウス好きな人には問題なく推薦出来ます。近年活動が乏しかったエレクトロニックミュージックにおける天才が、ここに来て完全に復活しています。来年以降のCarl Craigが楽しみで止みません。(12月20日現在1900円でお得です!)

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Slam - Nightdrive (Resist Music:RESISTCD54)
Slam-Nightdrive
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近年のテクノの流れの一つにクリック、エレクトロニカ化の傾向があると思います。ハードミニマルテクノのDJもクリックハウスを導入した作品を作ったり、MIXCDでも激しいだけではなくクリックハウスを混ぜた緩いプレイをしたり、とにかくジャンルの垣根が徐々に低くなっているのではないかと思います。…ってそんなん余り僕は好きではありません。ハードミニマルテクノのアーティストがわざわざ他の事やらんでもえーやろと!(そうゆう意味じゃSpeedy JとChris Liebingの共作は、終始ハードに徹していて男気を感じましたが)。

それでグラスゴーのテクノ番長、SLAMの登場ですよ!…と久々のMIXCDを期待してたら、こいつらも路線変更しやがってるぜ。あぁ、おいら寂しいよ、SLAMにはハードでソリッドなプレイを期待してるのに、何でSLAMもクリックハウスやらエレクトロハウスやら回して、そんな流行に乗ってしまうかな?もちろんプレイとしては決して悪くはないし新鮮味もあるんだけど、これをSLAMがやる事に余り意味は感じないかなと。全体的にダークで冷えた曲群の中にも妙に艶のあるポップなメロディーが絡むHiroki Esashikaの曲や、プログレ・テクノシーンでも人気を博しているNathan Fakeの曲など、そこかしこに妖艶で美しい曲を差し込んできて上手い流れはあると思います。ただ個人的にはSLAMにはハードであって欲しい、ストレートな4つ打ちを聴きたい、その思いが強いです。てな訳でこのMIXCDよりも、以前に紹介した「Slam - Fabric 09」の方がお勧め出来ます。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Joris Voorn (MINIMAXIMA:MM211CD)
Fuse Presents Joris Voorn
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今や押しも押されぬテクノ界の超新星・Joris Voornの初のMIXCDが遂に登場。大ヒット曲「Incident」や1STアルバム「Future History」での活躍はまだ記憶に残る所ですが、今度はMIXCDも出してくれるなんてなんてファン泣かせな活動ぶりなんでしょう。新人と言う事もあって僕はアッパーにガツンと来るようなプレイを予想していたのですが、ここは意外にもクールで抑制の取れたベテランらしいプレイを披露しています。ここでは流行のAbleton Liveを使って40曲をMIX、19個のセクションに分けています。PCを使ってのプレイのせいかやはり曲の流れに気を遣ってスムースで緻密な展開があり、彼の気高くも美しい面が強調されて感じる事が出来るのではないでしょうか。美しいシンセラインが用いられた曲の他にも、テクノに止まらずハウスクラシックスやクリックハウス、有名なアーティストの楽曲が惜しげもなく導入されて単調に陥る事はありません。こいつ本当に新人かよって思うような精密機械ぶりですが、欲を言えば新人なんだからもっと爆走気味に、ガンガン盛り上げるプレイでも良かったんじゃないかと思ったりもしました。実際にDJでは「Incident」だって回すそうじゃないですか。決して地味と言う訳ではないですが抑えめのプレイなので、緩い上げ下げの展開をじっくり噛みしめて長く付き合っていこうと思います。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(4) | |
Juan Atkins - 20 Years Metroplex 1985-2005 (Tresor:Tresor.216))
Juan Atkins-20 Years 1985-2005
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昨日の素晴らしいデトロイトテクノコンピに続き、本日はデトロイトテクノの始まり、Juan Atkinsのベスト盤を聴いて欲しいと思います。全ては彼から始まったと言っても過言では無く、デトロイトテクノいやテクノのゴッドファーザーとして現在も活躍中なその人です。テクノと言うよりもエレクトロと言うべきCybotron名義から始まり、ファンキーでコズミックな精神を注入したModel 500名義、ストレートで硬派なテクノ系Infiniti名義、意外なるハウスを披露したVision名義、そして遂にはジャーマンテクノとシンクロした3MB(Moritz Von Oswald+Thomas Fehlmann) feat. Juan Atkins名義など、彼の20年に渡る活動は本当に偉大なテクノ軌跡であり、テクノの一つの指標に違いありません。テクノと言うシーンの流れが早い中で20年もの間、その世界に降臨し続ける事自体が驚くべき事なのですが、今でも彼の活動意欲は衰えを見せず素晴らしいテクノを創り続けています。Underground Resistanceの様に神懸かりに近い奇跡や、Carl Craigの様に未来を超越するセンス、またはDerrick MayやKevin Saundersonの様な大ヒットもないかもしれない。それでもJuan Atkinsはこれからもテクノと言うシーンを支えていく人で有り得るし、彼こそがオリジネーターである事に変わりはありません。「Ocean To Ocean」や「The Flow」のファンキーでエモーショナルな音には心が揺さぶられるし、「I Wanna Be Free (I Wanna Be Thereが正しいタイトル)」や「Jazz Is The Teacher」には深い精神世界を感じられさせ、「Game One」や「Skyway」には硬派で頑固一徹なテクノ精神が宿っています。Juan Atkinsだけがデトロイトテクノではありませんが、彼は紛れもなくデトロイトテクノの真髄でしょう。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Electric Institute (New Religion:REG118CD)
Electric Institute
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今年はやたらデトロイトテクノがブームになっている気がします。デトロイトの大物の来日、レアなコンピレーションやデトロイトクラシックの再発、限りなく続く新譜の発表などとにかく今年はデトロイトが熱い!それでだ、年末に差し掛かり究極のデトロイトコンピとも言えるアルバムが遂に出ました。今まで数多く発表されたデトロイトテクノのコンピレーション(「Cosmic Soul」や「Panic In Detroit」、「Virtual Sex」など)を上回る力作、確実にデトロイトの最良の瞬間が閉じこめられている「Electric Institute」です。コンパイラーはデトロイト信者であるKirk Degiorgioが務めているのですが、彼のこの仕事は尊敬と畏敬の念を以てして迎えられるべきである程です。Kirk自身はAs One、Blue Binary、Super-A-Loof(Ian O'Brienを含む)名義で曲を提供し、そしてデトロイトの天才69(Carl Craig)、新世代デトロイトアーティストNewworldaquarium、古参のデトロイトフォロワーBalil(元Black Dog)、デトロイトハウサーShake(Anthony Shakir)、Derrick Mayの愛弟子Stacey Pullen、そしてリミキサーとしてDerrick Mayも起用され、これまでに類を見ないアーティストが集結しています。隠れた未発表音源や未発表バージョンを集める為に各アーティストに声をかけたとの事ですが、さすが信頼を置けるKirkだからこそこれだけの楽曲を集められたのでしょう。どの曲も90年前後のデトロイトテクノ至福期を感じさせる深いエモーションを感じさせ、未来派なテクノサウンドはこれからも歩みを止めないデトロイトテクノの前衛性を表現しています。これを機にKirkはかつて活動させていた伝説のテクノレーベル・ART(Applied Rhythmic Technology) を復活させ、テクノの可能性をこれからも追求していくそうです。確かにこのコンピを聴けばテクノの深さと広大さはまだ無限の様であり、それはテクノを含めたエレクトロニックミュージックの可能性にも繋がっていくのだと思いました。冗談ではなくて期待と幸福、そして可能性を見出せるのです。本当に素晴らしいコンピレーションが登場しました。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
2005/11/22 CLUB PHAZON - WOMB MOBILE PROJECT @ Laforet Museum Roppongi
Sasha & John Digweed、プログレッシブハウスの2大巨頭が出演するイベント、CLUB PHAZONに行ってきました。WOMBではなく六本木ラフォーレミュージアムに会場を移し、規模、ライティング、音質など全ての面で普段以上にパワーアップ。12時過ぎに会場入りすると既にSashaがプレイ中。でも思った程混んでいなくて余裕で踊れるスペースがありました。プログレッシブハウスと言うよりは、エレクトロクラッシュやらちょいクリック系みたいなのを回してた気がするけれど、プログレでは今そうゆう流行なのでしょうか?
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| EVENT REPORT1 | 15:00 | comments(5) | trackbacks(2) | |
System 7 - Mysterious Traveller (A-Wava:AAWCD008)
System 7-Mysterious Traveller
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テクノ・プログレッシブハウス界で年齢を重ねる毎に深みを増し成長してきたSystem 7。齢50は越えているだろうに今だに成長を続けるユニットなのですが、その成長を促したのはその時々の旬のアーティストとコラボレーションのおかげなのでしょう。彼らは特にデトロイトテクノにも敬意を払いCarl CraigやDerrick Mayとも交流が深いのですが、そのDerrick Mayとのコラボ作品を一同に集めたアルバムを出しています。それがこの「Mysterious Traveller」、タイトルからしてもう大好きです。1900年から2002年までのコラボ作品やそれらのニューリミックス、未発表曲を収録しているのですが、不思議と時代のばらつきはあるものの作品のばらつきは感じられません。彼ら自身も「永久の音だよ。何故時間を超越したクオリティーを維持しているのかというと、私たちが作っている音がテクノの源、インスピレーションの源から来ているのと関連する」と述べています。Mayのエモーショナルでファンキーなビートとメロディー、System 7の浮遊感のあるサウンドスケープが見事に融合し、彼らにしか為し得ないテクノサウンドを実現しています。時々思うのは実はこれらの楽曲が、作曲活動を辞めたMayの新曲なんじゃないかって事。それ位Mayのカラーが前面に出ているし、独特なリズムはMayそのもの(Big Sky Cityを聴いてみなよ! )。そうゆう意味でも彼らのコラボ曲は興味をひき、また新たなるSystem 7の進化を期待していました。一番テクノな音を出していたこの頃のSystem 7は自分に合っていましたが、その後はプログレ〜サイケデリックトランスと微妙な方向に流れています。それはまた後の話ですが、System 7の音楽を吸収する貪欲さは若者以上に凄いですね。そういやMayの至高の傑作「Icon」も収録されているのですが、それはSystem 7からMayへの畏敬の念を込めての事なのでしょう。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jerome Sydenham - Explosive Hi-Fidelity Sounds (Ibadan Records:IRC068-2)
Jerome Sydenham-Explosive Hi-Fidelity Sounds
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オーガニックでスピリチュアル、確実に新しいハウスシーンを創り出したIbadan Records。生暖かく人間的な温度を感じさせ、黒光りし深く潜行するようなハウスサウンドにおいては右に出ないとさえ思える素晴らしいレーベルなのですが、そのボスがこのJerome Sydenhamです。このJeromeの手掛けるMIXCDはもろにIbadan Recordsの音そのもので、と言う事はIbadan Recordsは完全にJeromeのセンスが反映されている訳であり、レーベルが巨大化するにつれて失っていくコントールをJeromeが今も失わない事には大変尊敬の念を抱きます。以前にもJeromeは「Ibadan People」と言うIbadan RecordsのコンピレーションMIXを手掛けていますが、今作はレーベル制限無しのMIXCDでハウス〜テックハウス系のハウス・テクノ両方面で受け入れられる様な気持ちの良い4つ打ちが続きます。しょっぱなCarl Craigの余りにもディープで覚醒的なトラックから始まり、郷愁を帯びたストリングスとアフリカンなリズムのセットが心地良いGlen Lewisの2曲目、「Jaguar」並にメランコリックなテックハウスの3曲目…その後も湿っぽいアフロハウスやら、重心低めのダブハウス、野性味溢れるトライバルハウスなどを使い、どディープで躍動感溢れるミックスを披露しています。ミックステクが云々の前にこの人の選曲が単純に好き、ディープで覚醒的な高揚感を最大限に増幅する曲を迷いなく選びます。よ〜く見ると売れ線のアーティストの曲ががんがん使われているし、ハウス未開拓の人にも聴きやすい良い意味でのメジャーさがあると思います。変な風に渋めの曲をがんがん使うよりも、ここまで分かり易い選曲だと素直に気持ち良いですな。なんだか深い森の奥で原住民がこんな音楽で踊ってそうだね!

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - The Album Formerly Known As... (Rush Hour:RH102CD)
Carl Craig-The Album Formerly Known As...
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「The Album Formerly Known As...」なんとも意味深なタイトルですが、これプリンスのパクリでしょ(笑)まあ、それはどうでも良いんだけど賛否両論で話題を振りまいたCarl Craigの名作(迷作?)「Landcruising」がリマスター済み、リミックス、新曲追加でタイトルも新たに再発されています。僕は声を大にして言いたいのですけど、「Landcruising」は決して駄作なんかじゃないんですよ。69とかPaperclip Peopleみたいにフロア受けはしないかもしれないけれど、Carlはダンスミュージックだけを作っている人じゃないんですよ。ブラックミュージックを電子楽器で演奏し、実験を繰り返しては未来的で新しい音を創造してきたアーティストなんです。僕の中では「Landcruising」と言うのは、映画「Blade Runner」にインスパイアされて作った様なアルバムだと勝手に解釈しています。どう考えたって未来的だし、デトロイトの荒廃した街の寂しさとそこから生まれる希望を持ち合わせている素晴らしい電子音楽だと思います。このアルバムこそが、研ぎ澄まされたCarlの未来感覚をフルに堪能出来る物だと断言致します。リマスター済みの上、同じ曲でもオリジナルではカットされている部分が追加されていたり、リミックスのアンビエントバージョンも素晴らしいし、オリジナルを持っている方でも買い直す事に損はありません。そして過去に一度は触れては捨て去ってしまった方にも、今こそ是非聴いて欲しいと願います。Carl Craigのソウルが、前面に押し出された傑作なのだから。

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Richie Hawtin - DE9 Transitions (NovaMute:NOMU150DVD)
Richie Hawtin-DE9 Transitions
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DJのプレイはもはやレコードを必要としなくなってしまったのかもしれない。CDJやPCでのMIX作業が導入された時はレコードでのプレイに比べると、やっぱり生々しさや臨場感に欠けると思っていたのもとうの昔。Richie Hawtinら一部のアーティストがファイナルスクラッチなどの新技術を迷う事なく使う様になり、その影響は瞬く間に広がっていった。そして今ではCDJやPCでのライブミックスも珍しくは無くなったのだが、それらの機能をフル活用出来ているアーティストは本当に数少ない。そしてRichienこそが「DE9:Closer to the Edit」に於いてそれらの機能を余す事なく利用し、想像だに出来なかったMIXを披露したのが4年前の話。そして遂に更なる進化を遂げたRichie Hawtinが帰ってきた。と言っても技術的には前作同様、多くの曲の中から一部だけを抜き出して、それらを複合的にループさせ新たな楽曲を創り出すと言う物。音的にも前作同様、極限までミニマルでクリックハウス調で淡々としながらも、多彩な変調を見せ奥深い。トラックリストを見ても知らない曲ばかりだが、それもそのはず。セクションごとにタイトルが付けられただけで、実際にはPlastikman、Carl Craig、Ricard Villalobos、DBXなどの曲を使用している。しかし原型はもはや止めておらず、完全にRichieが新しい曲を創り出したと言っても過言ではない。こういった再構築を成せる機能こそPCでのMIXの醍醐味なのだが、実際に行うとなると使えるループを探すセンスやらそれらを再構築するセンスやらが問われる訳で簡単な物ではない。RichieがこういったMIXに成功したのには、やはりテクノに関する広大な知識と深い思慮を持ち合わせているからなのであろう。芸術の域にまでMIXと言う物を押し上げてしまったRichie、これ以上のプレイなんてあるのだろうか?ちなみにこのMIXCDはメインはDVDの方で、CDの方はあくまでボーナスである。なのでCDには21曲目までしか収録されておらず、フルで聴くにはDVD付きのUK盤を購入する必要があるのでご注意を。DVDにはTime Warpでのミックスプレイが映像で収録されているので、どうせ購入するならUK盤をお勧めする。

2006/01/21 訂正:どうやらUS盤もDVD付きの様です。

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| TECHNO2 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(9) | |
Fuse-in Live Set Vol.1 (ナウオンメディア:NODD-00049)
Fuse-in Live Set Vol.1
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2000年Carl Craigが中心になって開催されたDEMF(Detroit Electronic Music Festival)は、デトロイトをもっと世界的に知って貰う為にと開かれたイベントであった。しかし2001、2002年はデトロイト市とアーティスト側で溝が出来てしまい、DEMF本来のあるべき姿が失われつつあった。2003年主導権をアーティスト側に取り戻そうと、Derrick Mayが自腹を切って出資しDEMF改めMovementを開催。そして2004年も同じイベントを見事に成功させた訳だが、やはり無料でのイベントでは金銭面でのやりくりも難しいのだろう。2005年は主導権をKevin Saundersonに譲り、Fuse-inとイベント名を改め初めてのチケット制を導入させた訳だが、Galaxy 2 Galaxyもライブ出演するなど内容は充実していた様だ。

とまあデトロイトの音楽祭典の話だけれども、2003年2004年のMovementの映像を収録したDVDが出ています。Kevin Saunderson、The Detroit Experiment、Stacey Pullen、Francois Kなど豪華アーティストが勢揃いで、イベントの空気がダイレクトに伝わってきます。ただ各アーティストが10分位ずつの収録でロングセットを聴く事が出来ないのが残念。イベントの紹介的DVDなのでしょうがないですかね。だからめちゃめちゃデトロイトが大好き!とにかくデトロイト関連は集めたい!って人なら購入してみても良いかもね。
| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
69 - The Sound of Music (R & S Records:RS95078CD)
69-The Sound of Music
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現在でもシーンの最先端を行くデトロイトテクノの天才、Carl Craig。彼の創り出す音楽は独創的でありながらもフロアを揺らす事も出来ます。特にこの69名義ではかつて僕が聴いた事のなかった新鮮な音を発していましたが、今聴いてもそのオリジナリティーが失われる事はありません。普通のアーティストが創り出す音は「誰々に似てるよね〜」とか例えられるのだけれども、69に関してはなかなか類似品を出すのが難しいです。デトロイトテクノではあるんだろうけど、明らかに他のデトロイトテクノとは一線を画すサウンドで、フィルターの掛け具合だけで展開を付ける曲や、ジャーマンプログレに影響を受けた様なサイケデリックな雰囲気もあります。そして鋭い金属的なシンセ音が自由気ままに空間を支配し、冷たく無機質な音楽がソウルをもったかのようにファンキーな音楽へと昇華されています。既存のダンスミュージックの枠を打ち破ったダンスミュージックであり、Carlの実験精神が一番強く表れている傑作でもあります。

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Landcruising (Blanco Y Negro:4509-99865-2)
Carl Craig-Landcruising
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今年になってCarl Craigの1STオリジナルアルバム「Landcruising」が、「The Album Formerly Known As...」と言うタイトルで3枚組LP、リマスター済みで再発されました。実は「Landcruising」は一般的には余り評価が良くないのですが、僕はそれに対してかなり懐疑的です。このアルバムが出た頃は69名義やPaperclip People名義でダンストラックを量産しまくっていたのですが、このアルバムは架空のサウンドトラックとも言える深い創造性に富んだ作品でした。クラブ受けするダンスミュージックからは余りにも離れていた為評価が低いのかもしれませんが、今こそよく聴いて欲しい。何故Carl Craigが今になってこの作品を新たなバージョンで出す事になったのか?21世紀に入った2005年と言う時代に於いてもこのアルバムに詰まっている音は、まるで近未来の都市が奏でる電子音楽の様ではないか。ファンキーと言うよりもエモーショナル、最新と言うよりもレトロフューチャー、Carl Craigの夢見た世界が目の前に広がって行きます。非常に洗練され緻密に組まれたプログラミングが奏でる、エレクトロニックソウルの深遠な世界。

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| TECHNO2 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Recloose - Cardiology (Planet-E:PLE65267)
Recloose-Cardiology
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デビュー以前デリで働いていたReclooseことMatthew Chicoine。そのデリの常連であったCarl Craigがテイクアウトを頼み、その時にMatがパンの間に自分の音源が入ったテープを挟み、その音源を気に入ったCarlがMatに声をかけた事からMatの快進撃が始まったと言える。そう、デトロイト新世代はCarlの嗅覚から探し出されたものなのだが、Reclooseの音楽は確かにCarlのテクノとジャズの良いとこ取りされた様でもある。「Ain't Changin'」や「 Can't Take It」はメロウでありながらも、バンドが生み出すようなグルーヴに溢れファンキーである。「Kapiti Dream」は浮遊感溢れるシンセ使いが気持ち良いデトロイト直系テクノ。中には「M.I.A.」の様にセクシーなR&B調の曲や、明らかにヒップホップから影響を受けたリズムが特徴の曲などもある。作品がばらばらな出来になっている訳ではないのだが、バラエティーに溢れた作りは明らかに彼がテクノ以外にも色々影響を受けて来たことを物語っている(事実テクノ、ハウス、ジャズ、ヒップホップ、レゲエ、ダブを聴いていたとの事だが)。特に緻密で多彩なリズムトラックは、打ち込み音楽であるにも関わらず生き生きとしていて、ファンクネス溢れるアルバムとなった一因でもあると思う。デビュー作においてほぼ完璧に近いアルバムを作り上げたReclooseでしたが、最近の2NDアルバムで方向性を間違えた事には残念でした。聴くならこの傑作1STをお薦めします。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Recloose - Hiatus on the Horizon (Peacefrog Records:FG064CD)
Recloose-Hiatus on the Horizon
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むむむぅ…Carl Craig主宰のPlanet Eから注目を浴びてデビューし、シーンの賞賛を浴びたデトロイト新世代のReclooseでしたが、新作はなぁ…デトロイトとは全く無縁な音楽だし、期待が大き過ぎたのかもしれないな。ニュージーランドに移籍しそこで作られた音楽との事ですが、トロピカルで妙に明るい。いや、明るいのは嫌いじゃないんだけどなんなの?この変に陽気で緊張感の全く無い楽天的な音楽は?Reclooseには求めてないんだよ、こんな音楽。別に悪くはないけど、これってReclooseがしなくたって良いじゃないかと激しく突っ込みしたくなる南国ブロークンビーツって感じ。ジャジーでありソウルフルでもあるが、どこか炭酸が抜けて美味しくないビールだよ、これじゃあ。あぁ、Reclooseに合掌…

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joe Lewis - The Return of Joe Lewis (Peacefrog:PFG059CD)
Joe Lewis-The Return of Joe Lewis
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うへ〜またPeacefrogから素晴らしいアルバムが出てますよ。Peacefrog関連は何度も紹介しているけど、このレーベルは本当に本当に偉大です。どれだけ素晴らしいアーティストがアルバムを出している事か…敬意さえも湧いてきますね。今回のJoe Lewisについては全く名前さえも聞いた事が無かったので少々調べた所、シカゴハウスの重鎮らしく一時期活動していなかった所このアルバムで復活した様です。でもね〜音はまんま初期デトロイトテクノだよ、こりゃ(笑)これはデトロイトテクノ好きは絶対好きだわ、間違いないっ!だって初期のバリバリテクノだった頃のCarl Craigの音まんまじゃん?別にぱくりとまでは言わないが、Carl Craig名義で出されたら誰も別人だとは気付かないと思いますよ。そうゆう意味では僕のだ〜い好きな音だから、全然問題なし。しかし革新性も無し(笑)シャリシャリするハイハットとかディープで透明なシンセの上物を、グルーヴィーな展開からアンビエント調の曲にまで目一杯使った典型的デトロイトテクノ。物真似かどうかを無視して音だけ聴けるなら、最高にお勧め出来ます。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ian Pooley - Excursions (Obsessive:EVSCD35)
Ian Pooley-Excursions
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昨日Ian Pooleyの最新MIXCDを紹介したので、今日は過去のMIXCDを紹介。こちらはクラシック満載でデトロイトオタが喜ぶ様な曲が多く、テクノ、ハウス好きのどちらにも納得出来るMIXだと思います。し、しかしである…。ジャケットのプーリーのデブ顔のアップは何とかならないのかね?これは酷い、酷すぎる。ナルシストにしたってセンスなさ過ぎ。ま、それはご愛嬌、内容は充分に満足出来るから許してやって欲しい。Satoshi Tomiieの「Tears」やRon Trent & Chez Damierのハウス、R-Tyme、Maurizio、Carl Craigのデトロイト系、そしてアンビエントハウスの名曲「Sueno Latino」などとにかく盛り上がる曲が満載。かといって派手な構成かと言うとそうではなく、むしろ真夜中に一人でしっとり聴き入る様な緩めのムーディーなMIXとなっている。柔らかいベッドに身を埋めながら何も考えずに体を休める。BGMは疲れた心と身をほぐすかの様に、優しく浸透してゆく。ほわぁ〜、気持ち良いよぅ〜…徐々に眠りに落ちていく様だ。切れのある曲やバスドラの利いた曲とかもあるけれど、プーリーが回すと全てムード満点になってしまう。顔ジャケは許せないが、内容の方はナルシストだからこそと言える素敵な選曲ですわ。「Sueno Latino」に辿り着く頃には、既に真夜中の午前3時。真夜中のパラダイスです。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Ian Pooley Presents A Subterranean Soundtrack (NRK Sound Division:NRKCD020)
Ian Pooley Presents A Subterranean Soundtrack
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NRKの「Nite:Life」MIXCDシリーズにも選ばれた事があるIan Pooleyが、今度は又もやNRKからMIXCDを「地下のサウンドトラック」と言うコンセプトで出しております。元々はドイツでアシッディーなテクノで活躍していて、徐々にハウス方面にシフト、更にはラテンハウスに完全に染まってしまい昔からのファンには?な人です。人気はあるんだけど過去と現在のファンが、全く成り代わっている様な気がしないでもない人です。あ、でもMIXCDは僕も気に入っていたりするんですな、これがまた。以前の「Nite:Life 06」はテクノ、ハウス両方面から評価されるべきベストなMIXCDでしたっけ。今作はどうかな?トラックリスト見ても実は殆ど知らない曲ばかり。全体的にのべ〜っとした平坦なMIXではあるけれども、スムースな展開で気持ち良く体に音が入ってきます。前半はディスコダブ系でギラギラ攻め立てて、中盤は爽やか系のアーバンハウス、後半はメロウにそしてキラキラな心地良いハウスで。派手な山場がある訳でもないけれど、それはプーリーも分かっております。彼はリスナーをじらさせるロングスパンでの盛り上げ方を知っています。後半に進むに従い気持ち良さも増大していき、聴き終わった後には爽やかな満足感が残っております。アゲ過ぎでもなく緩過ぎでもない良い塩梅のMIXですな。そして何とMIXCD以外に、プーリー自身が手がけたトラック、リミックスなどを集めた楽曲集も付いてきます。めっちゃお得ですね、プーリー好きは間違いなく買いでしょう。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kenny Larkin - The Chronicles 1992-1997 (Rush! Production:ACCR-10036)
Kenny Larkin-The Chronicles 1992-1997
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今年のデトロイトテクノはベスト盤が多いですね。そんな中デトロイトテクノ第2世代のKenny Larkinもベストアルバムを発売しています。Carl Craigとかに比べると地味な存在でイマイチな人気だけど、アルバムの出来は総合的に優れていたりする信頼のおけるアーティストです。別名義でも色々EP出していたりしてそれらを今更集めるのは大変しんどい…。って事ならこのベストアルバムは今から彼の音楽を聴く人には、大変重宝出来る物だと思います。特に初期の作品は今となってはレア物で手に入らない。その上初期の方が内容が充実していたわけですわ。それらが2枚組で聴けちゃうなんて便利ですよね。僕が好きなのはWARPがAI(Artificial Intelligence)シリーズを推奨してた頃に、Kenny Larkin名義で出した曲でしょうか。それは例えば「Tedra」とかなんですけどね。彼の創り出す音はDerrick Mayの情緒深さとCarl Craigの実験精神を持ち合わせていて、ダンサンブルでありながらも音に魅入る事が出来ます。AIシリーズ流行の頃に出してた曲は、確かに先進性と言うか知的なイメージも持ち合わせていましたね。「Tedra」は本人も大好きな曲らしく、僕も神秘的な美しさに惚れ惚れしています。ベスト盤だから他にもお勧めの曲が一杯。まだ知らない人は一回聴いてみてね。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Sasha - Fundacion NYC (Global Underground:GUFUN001CDX)
Sasha-Fundacion
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今まで全く興味も無くて全く購入意欲も湧かず全く聴いてなかったプログレッシブハウス。しかし今回はトラックリストを見て自分の好きなCarl CraigやFunk D'Voidなどが使われていた事もあり、しばらく考えた後に購入。まあ名前は僕でも良く聞く超有名なSashaだし、一枚位買っても損じゃないだろうと。でまあ結果、悪くはないね。心地良い弾力を持ったファットなボトムに、キラキラする分かりやすいプログレ特有の上物。単純明快で受け居られやすいし、尚かつ高揚感溢れるグルーヴィーなミックスです。綺麗な音ではあるけれどデトロイト系のシンセラインとも違うし、これは明らかにヨーロッパから出た耽美な音だなって感じました。世間でテクノより人気がありDJのギャラがハンパない訳も多少なり理解したが…Sashaとかがテクノの一流DJよりギャラが(断然に)良いのはやっぱり理解出来ない(笑)。一晩に何百万も貰うDJでは無いと思うよ。逆にテクノのDJのギャラが少なすぎるのかもしれないけどさ。そうそう決してこのMIXCDが悪い訳じゃないです、むしろ聴きやすいし気持ち良いし。たまにはプログレも聴いてみて見識を深める事も必要…かな

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| HOUSE1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005/05/28 UNITE @ UNIT
Ian O'BrienとCharles Websterが一緒に聴けるぜ〜みたいな感じで楽しみにしていたイベント。HUBで強いお酒を注入してほろ酔いで12時過ぎにUNITへ入りました。プレイしているのはIan O'Brien、こっちが先でしたか。まだ時間が浅い事もあり余りメロディーの無いパーカッシブなだけの曲で、地味なプレイをしています。フロアも空いてるしイマイチ盛り上がっていません。ん〜以前の様なオプティミスティックなプレイを期待してたんだけどな…。落胆していると1時位から明るめのメロディーが入った曲をプレイする様になり、Fabrice LigやDerrick May、BFC(Carl Craig)、また自身のQuerida名義の曲なども回すようになりアッパーでポジティブな面が徐々に現れて来ました。クラブで初の「Derrick May-The Beginning」なんかも聴いちゃったりして、やっぱデトロイト系の曲を回す事を期待してただけに一人興奮。2時位にはIan自身が手がけたハイテックコズミックチューン「Jazzanova-Days To Come(Ian O'Brien Remix)」が高らかに鳴り響き、宇宙の果てまでぶっ飛ばされました。もうこの頃になるとフロアも人一杯でみんな盛り上がっています。そのまま3時までコズミックでハイテンションにガンガン飛ばして、納得のプレイを満喫出来ました。
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| EVENT REPORT1 | 13:00 | comments(6) | trackbacks(0) | |
Optimo Presents Psyche Out (Eskimo Recordings:541416 501334)
Optimo Presents Psyche Out
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ジャイアントインパクトッ!!年に数枚出るか出ないかの怪作、かつ傑作!現在の時点で年間ベスト3入りを断言する超絶MIXCDが出ました。こんなのが出るなんて知らなかっただよ。お店で暇だからなんとなく試聴したら、これがすんげぇ〜やべ〜と言うか、もう電撃走って即レジに持って行っちゃいましたよ。トラック見て貰えると分かるんだけど、HawkwindとかSilver Applesのサイケデリックロックに混ざって、Fast EddieとかMr.Fingersのアシッドハウス、Sweet ExorcistやThrobbing GristleのCarl Craig Re-Versionなどのエクスペリメンタルテクノ、果てはエレクトロディスコダブなど何でも使える物は使っちゃってるんだよね。ただこのMIXCDはビートで踊らせると言う事では無くて、本能に訴えかける麻薬的な魔力を持っているのです。はっきり言ってごちゃ混ぜ過ぎて踊れるとかそうゆう物じゃないんですよ。もう脳味噌の奥にずぶずぶと音が進入してきて、脳味噌をシェイクシェイク!ずぶずぶとダークワールドに引き込まれたら最後、抜け出る事は不可能。覚醒的なサイケデリック空間で、ヨダレをウヘウヘ垂らしながら聴く事になるでしょう。とにかく強烈すぎ!これは聴いてみないと分からない。今日このレビュー読んだ人はマジで買わないと損ですっっっ!!ストレートなテクノ求めてる人は、そうゆうの期待しちゃダメよ。

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| ETC1 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Deep - City to City (BBE:BBECD052)
DJ Deep-City to City
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最近のハウスシーンではデトロイトテクノの曲も回される様になった。実際「Body & Soul」でも「Jaguar」は回されるし、ハウスパーティーで「Strings Of Life」や「Hi-tech Jazz」が回される事も珍しくは無くなった。そうゆう意味でデトロイトテクノがようやく世界的に認められたと嬉しい気持ちも反面、ハウスシーンでの扱われ方には少々悲しい物がある。今までだってデトロイトテクノは存在していたのだ。「Strings Of Life」なんて一体何年前の曲だと思っているのだろう。それを今になって回して賞賛を浴びるのはどうかと思うし、そんな事は孤高のミニマリストのJeff Millsがハードミニマルプレイの中で「Strings Of Life」回す事で、ずっと前から実践していたのだ。またハウスシーンに取り込まれた事によって食い物にされて、「Strings Of Life」はDefectedから最低なバージョンでリメイクをされる事になってしまった。なんとも下品なボーカルを入れて気持ちの悪いシンセ音を被せ、デトロイトテクノに敬意を感じられないリメイクを施したのである。いくらハウスシーンが停滞してるからと言って、安易にデトロイトテクノを利用する事には警報を発したい。

DJ DeepのこのMIXCDは、安易にデトロイトテクノやシカゴハウスを使ったのではなく玄人受けするようなMIXをしているので、否定せずに受けいられる事が出来た。曲目を見れば一目瞭然で、ちょっとかじった程度の人には分からない様な選曲がされている。出だしから「Acid Tracks」、「Phylyps Track Volume 1」、「Expanded」の3曲が同時に回される箇所があるんだけど、凄い使い方だ。アシッドビキビキで、アブストラクナな音が被り、浮遊感のあるシンセが振れ動く初めての体感。Derrick Mayの曲を使うにしても「Kaos」、「Sinister」の裏方的な曲だったりするけれど、MIXで使われると新鮮に聞こえてくる。Carl Craigの「Elements」もMIXCDで聴くのは初めてだな、DJ Deepめマニアック過ぎるぞ。そしてラスト2曲は怒濤のUR連発。敢えて「Hi-tech Jazz」では無いし、ラストの「Your Time is Up」はURのファーストEPじゃないか!最高にソウルフル過ぎるぜ!シカゴハウスとデトロイトテクノで構成されたこのMIXCDは、一部のマニアにとっては最高にプレゼントになるに違いない。

そしてMIXCDのみならず、CD2のハウスコンピレーションもお世辞抜きに素晴らしい。Glenn UndergroundやCajmere、Kerri Chandler、Ron Hardy、Ron Trentらの重鎮のトラックが揃っているからと言う事ではない。本当に収録されている曲のどれもが素晴らしいのだ。ソウルフルなボーカルハウス、大人の渋みを感じさせるディープハウス、流麗なジャジーハウス、スカスカなシカゴハウスなどDJ Deepのセンスの良さを体に感じる事が出来るコンピレーションなのだ。CD1、CD2合わせて久しぶりに会心の一撃、いや二撃って感じだ。ちなみにプレスミスでCD1とCD2の内容が入れ替わっています、ご注意を。

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| HOUSE1 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005/04/10 NAGISA MUSIC FESTIVAL @ お台場野外特設会場と大江戸温泉とカレー
さて、この日は半年振りの「渚」と言う野外クラブミュージックイベントです。今回は友達も誘って行く事にしたのですが、誘った面子がVADERとタカシと言う大学の時の友達。と言う事で当然カレーを食べなくては行けません。昼飯にわざわざ押上駅まで行って「SPICE cafe」と言うカレー屋まで行きました。しかしこの店が予想以上に美味い!雰囲気も良い!マジで最高!これは後ほどカレーレポートブログのCDETに掲載されるので、楽しみにしていて下さい。

その後前回の時と同様にお台場大江戸温泉に行って、ゆったりお風呂に浸かるのですが塩素臭かったです…。今回の一番の収穫は足湯と言われる場所で、女の子の浴衣がはだけて素足が露出するのを見て楽しむ事でした。周りはカップルばかりで楽しんでいますが、それを僕らは覗いては楽しんでいた訳です。ただの変態ですね。
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| EVENT REPORT1 | 22:00 | comments(6) | trackbacks(6) | |
Manuel Gottsching - E2-E4 (Racket Records:715037)
Manuel Gottsching-E2-E4
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プログレッシブロックの本を読み返していたら、ジャーマンプログレの事を思い出した。テクノを聴いている人はジャーマンプログレを聴く人も多いと思っているが、それはやはり電子楽器を多様していたからに他ならないだろう。テクノとも共通するミニマル感覚もあったり、古い音楽なのに今聴いてもなかなかのインパクトはあると思う。と言う訳でしばらくジャーマンプログレ特集を組んでみる。

栄えある第一回目はやはりこれ、「E2-E4」。Manuel Gottschingと言えばAsh Ra Tempelではブルージーなサイケデリックロックをやって、次第にトランシーなミニマルな作風に移行し、この「E2-E4」によって後になってテクノ方面から絶賛された人だ。このアルバムは60分一曲の超大作で、官能的なシンセに反復するリズムマシーンを使い、その上にブルージーなギターソロがまとわりつく殆ど展開のないミニマルな曲で、テクノでもないのによくもこんなにも長い曲を作ったなと思う。ギター以外は展開のないミニマルな作品だからこそテクノ方面からの支持が高いのだろうと思うが、結局後にSueno Latinoによる「Sueno Latino」と言うリメイクをなされ官能的ハウスとして生まれ変わった。そしてその後、Derrick Mayが「Sueno Latino」をリミックスすると言う事件が起きたのだ。そして奇跡は起きた。なんとCarl Craigが「Remake」と言うタイトルで、原曲に最も忠実なリメイクを施すと言うとんでもない事件だったのだ。きっとこういった事件がなければ、「E2-E4」だって今の様な絶大な人気は出なかったのかもしれない。そして3度のリメイクがあったからこそこれほど認知されたのも確かだが、一曲60分のオリジナルバージョンこそが最も官能的で最も溺れる事が出来る曲なんだと思う。

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| ETC1 | 21:00 | comments(7) | trackbacks(3) | |
Funk D'Void - In The Mix iFunk (Cocoon Recordings:CORMIX008)
Funk D'Void-iFunk
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昨日Pascal FEOSのIn The Mixシリーズを紹介したので、ついでにこれも久しぶりに聴きました。Funk D'VoidはSOMA Recordsから毎回高品質なデトロイトライクなテックハウスを発表していて、そのシンセの美しさには定評があります。リミックスワークも外す事なく、リスニング系からアッパー系まで良い感じの仕事をしています。とにかくFunk D'Voidはアーティストとして素晴らしい才能を持っていて、僕の大好きなアーティストの一人であります。そんな彼のMIXCDがIn The Mixシリーズに初登場したのが、去年の話。実際のプレイはハードグルーヴと言う話を聞いていたので初めてこのCDを聴いた時、予想外にも結構大人しめで聴かせるプレイだったので困惑したものでありました。テックハウスメインなので音的には本人のイメージその物なのですが、終盤までとにかく緩い。メロウな曲をじっくり聴き込むための様な選曲です。流行のクリックハウスもエレクトロディスコも時折混ぜて、終盤までまだかまだかと引っ張ります。途中Carl Craig、Future Beat Allianceのデトロイト系を2発差し込み、少しだけはっとさせられました。でもまだまだ盛り上がりが足りません。結局ラスト2曲の綺麗目シンセなデトロイト系で感動的な盛り上がりを見せて終わるのですが(特にAdrenogroov等から作品を発表しているDan Corco & Fred Carreiraは素晴らしいです)、なんだか食い足りない感じでした。結局全体的にビートが弱かったと言うか、もう少しだけでもハードな4つ打ちが欲しかったかなと思います。緩いなら以前紹介したSteve BugのMIXCDも同じじゃないかと思いますが、あちらは4つ打ちミニマルで反復の高揚感がありました。こちらはミニマルでも無いし、グルーヴが稀薄になったJohn TejadaのMIXって感じですね。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ian O'Brien Presents Abstract Funk Theory (Logic Records:74321 69334 2 )
Ian O'Brien Presents Abstract Funk Theory
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まあ、Ian O'Brienが選曲してるんだし、本人の曲も入ってるし間違いないよね?買っちゃう?…買っちゃいました。Abstract Funk Theoryは今までシリーズになっている物でCarl CraigやMixmaster Morrisも参加してるけど、特にIanの選曲は素晴らしい。スピリチュアルジャズと呼べば良いのだろうか?ハイテックテクノを通過して、スペーシーなジャズまで辿り着いたIanならではの選曲だと思う。ここにテクノの面影はないが、彼の宇宙指向がこのコンピレーションに凝縮されていると思って良いだろう。そして最近のURのコンピにはまっている人は、是非ともこちらのソウルフルでロマンティックなジャズを聴くべきだろう。デトロイトの天才たちがテクノから生音重視のジャズへ回帰した様に、Ianのルーツにもジャズと言う物があるのだろう。自身の新曲Midday Sunなんて、惚れ惚れする程ロマンティックだしコンピに収めておくのがもったいない位です。不治の病のAnthony Shakirも参加していて、ハウス風ブロークンビーツを披露。どこか内向的でちょっとダークな雰囲気を思わせます。なんか悲しげ。Jazzanovaはスウィートでゆったり落ち着けるラウンジ的な音楽で、相変わらず質がお高いようで。意外にもClaude Youngも参加していてどんな曲かと思ったら、テック系ジャズって言えば良いのかな。極彩色でパッション弾ける爽快な曲でした。以上の様にこのアルバムは落ち着いて聴けるムーディーな曲から、アップテンポでクラブ仕様な踊れる曲まで良い塩梅で収録されていて、クラブジャズ系のコンピとしては相当質が高いと思います。デトロイトテクノ好きも、クラブジャズ好きも、また宇宙指向?の人も聴いてみてください。最近はKanzleramtからテクノ作品を出したIan O'Brienの向かう先は、テクノかジャズか一体どちらなのでしょう。。。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/04/02 (SAT) UNITE @ UNIT
Live : Le Petit Orb (Alex Paterson & Thomas Fehlman)
DJ : Alex Paterson ,Thomas Fehlman ,更にKAITOも追加!

2005/04/10 (SUN) NAGISA @ お台場OPENCOURT
DJ : Carl Craig ,Ken Ishii ,Q`HEY and more.

2005/04/15 (FRI) ESCAPE @ YELLOW
DJ : Carl Craig

2005/04/23 (SAT) VADE feat. MARCO CAROLA @ WOMB
Special Guest : Marco Carola (Zenit)
Guest : Ryukyudisko (DJ Set)

2005/04/28 (THU) Standard 1 in association with REEL UP @ WOMB
DJ : Ken Ishii, Funk D'Void, Bryan Zentz

2005/04/28 (THU) secret service meets kompakt night vol.8 @ UNIT
DJ : MICHAEL MAYER, Toshiya Kawasaki
LIVE : LO SOUL (playhouse), dublee (mule electronic)

2005/05/03 (TUE) MIN2MAX or MINIMIZE to MAXIMIZE tour @ WOMB
DJ : Richie Hawtin

2005/05/06 (FRI) STERNE @ WOMB
DJ : HARDFLOOR ,TAKYUU ISHINO ,TEN

2005/05/14 (SAT): VADE @ WOMB
DJ : Surgeon

Le Petit Orbの時はワタナベヒロシさんの参加も決まり、KOMPAKTの重鎮が揃いました。これはテクノ好きは必ず行くべきイベントですね。
NAGISAはちょっとしけた面子だけど、ケンイシイとカールクレイグで1500円なら問題無し。野外イベントでのんびり楽しめれば良いかな。
WOMBのKen Ishii, Funk D'Void, Bryan Zentzの3人が揃うイベントもかなり強烈。WOMBは行きたくないけど、この面子が揃えば行かねばなるまい。
HARDFLOORは多分ライブだと思います。Surgeonはマニアックラブでプレイしてこそなのだけどね…残念。
| UPCOMING EVENT | 19:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steve Bug - The Flow (Cocoon Recordings:CORMIX002)
Steve Bug-The Flow
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売れ線アーティストと言う訳でもないが、全然名前が売れてない訳でも無いアーティストがこのSteve Bug。Poker Flat Recordingsのボスであり、テックハウス〜ジャーマンディープハウスを中心に送り出し、近年はアシッドリバイバルにも貢献しているその人です。が、多分地味な作品が多い為になかなかポピュラーにはなれないが、安定して良質な作品を作っていると思います。そして同じドイツのCocoon RecordingsからシリーズとなっているMIXCDを出しました(と言ってもこれはもう4年前の作品だけど)。突出して有名なMIXCDでは無いけれど、これは僕は太鼓判を押してジャーマンミニマル〜テックハウス好きの人にはお薦め出来る物でございます。盛り上がりとかもそんなに無いし、とにかく一聴して地味なんですがすぐに諦めてはいけません。何度か聴くとジャーマンミニマル特有のセクシャルな魅力に気が付くでしょう。温度は冷え切っているのに、何故か妖しい魅力に溢れた曲ばかりなのです。また盛り上がりが無い事が逆に平坦な流れの中に、これぞミニマルと言った継続したグルーヴを生み出しています。最近のSven Vathが好きな人にはきっと合うんじゃないかと思っています。クラブでは激しいハードミニマルが楽しいだろうけど、こんなゆったりとしたテクノには大人の余裕を感じます。ワイングラスでも傾けながら聴いてみたいですね。名付けてセクシャルジャーマンディープハウス!

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| TECHNO1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Musical Reflections (R2 Records:R2CD003)
Ron Trent-Musical Reflections
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シカゴハウスものが続いてるので、ここで一丁僕の大好きなアーティストRon TrentのMIXCDを紹介します。どれ位好きかと言うと、今でも彼の古いEPを見つけたら即買いする位好きです。ターンテーブルは無くレコードプレーヤーがあるだけなので、1枚1枚をただ聴く為だけにEPを買ってしまいます。元々は彼の名曲、Altered StatesのCarl Craig Mixで知る機会があって、それから彼のEPを集める様になりました。早熟であり早々と才能を開花させ、Chez Damierとコンビを組んでKMSから作品を出し、また伝説的なディープハウスレーベル:Prescriptionを設立(この時代のEPが喉から手が出る程欲しい僕です)。その後はフュージョンハウスの雄:Anthony Nicholsonと手を組み、ディープハウスのみならずアフロやジャズへの傾向を示し、より多様で深い音楽性を獲得し今に至っています。

シカゴハウスと言いつつも、彼の道はシカゴハウスがメインと言う訳でもないな…。ま、それはお許しを。MIXCDは今までに5枚位出していて、特に今回紹介するのは激マッシブプッシュ!今までの彼の旅路の総決算とも言えるMIXをしていると僕は思っています。ほんとイイ!口で言っても伝わらないだろうけど、イイ!トラックリスト見ても結構地味だと思うでしょ?はい、地味です。いや、地味じゃない。展開もあるし、なんて言うかソウルに満ちあふれた曲ばかり。テンポものんびりだし、地面をずぶずぶ這いずる様な重さと言うのはTheo Parrishを思い浮かべるんだけど、Theoに比べてRonの人気って…。まあ、それはしょうがない。出だしからジャジーでとにかくビートダウン、3曲目で既にハイライトのAnother Night!とにかく温かい、Ronのプレイは彼の温かさを感じる事が出来る!その後も普通のハウスは殆どなくて、ジャジーハウスって感じのが続くの。中盤はビート強めのNeedsなどで盛り上げたりして、終盤はアフロハウスやディープハウスでダンサンブルに飛ばしてくれる!彼が今まで取り組んできた事が、全て凝縮されこのMIXCDに詰まってるみたいじゃないか。Theo Parrishが好きならRon Trentも絶対好きなはずなんだろうけど、日本での人気の差には悔しいものがあるよ…。だからディープハウス好きな人は勿論、Theo Parrishが好きな人にも聴いてみて欲しいっす(泣)

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| HOUSE1 | 21:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Bryan Zentz - Seven Breaths (Intec Records:INTECCD02)
Bryan Zentz-Seven Breaths
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テクノ、この単語一つを取ってももはやテクノは収集がつかない程に幅を広げ、そして現在もその広がりは止む事が無い。Aphex TwinやKen Ishii、Carl Craigだってテクノだし、The OrbやBasic Channelだってテクノと言えるし、Rei Harakamiみたいな奇天烈なのだってテクノと言えると思う。しかしながらスタイルとして考えると去年出た「Joris Voorn-Future History」みたいなストレートなのが、正統派もしくは王道的なテクノだと僕は思っています。この作品もそんなストレートで単純だけど、かっこいい王道的なテクノだと思います。Carl Cox主催のIntecから出たこのアルバムは、ダブっぽい音響やヒップホップのビートも入ってるしどこがストレートなんだよ?って思うかもしれませんが、要は音楽に対する姿勢みたいなのが正統派だと思っています。若さ故のこの単純な勢いと言う物は、経験を重ね色々実験を積み重ねていくベテランにはなかなか無い物であり、グイグイと引っ張られる求心力を感じます。もちろん大半の曲はハードエッジで、ぶっといベースに硬質なリズム帯が連ねるグルーヴィーなIntecっぽい作品なので、特に目新しい事もないでしょう。それでもKevin SaundersonやCarl Cox、Slam等もお気に入りで、テクノクラシック殿堂入りの「D-Clash」には誰もが引きつけられる事でしょう。Inner CityのGood Lifeの上物にハードグルーヴを足した様なこの曲は、何度クラブで聴いても気持ちが良いものです。

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| TECHNO1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Slater - Fear And Loathing 2 (RESIST:RESISTCD7)
Luke Slater-Fear And Loathing 2
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ふと思ったのだが、ここ連日緩めの作品を紹介してる事に気が付いた。いかんいかん、ハードな作品もたまには聴かないと!と思って買って放置してあったこのアルバムを聴いてみた。何というか2枚組だとなかなか通して聴く機会がないんだよね。それにMIXCDだから長いし。しかし何でこれはHMV先行発売なんだ?HMVでは去年から発売してるけど、Amazonでは2月にやっと発売になるみたいだ。どうでもいいけどさ…。

まずDISC2の方なんだけど、これはLukeの通常のスタイルのハードミニマル。これが何とも豪華でThe Advent、Killa Productions、Cave、Joris Voorn、Alter Ego、Hert等他にもまだまだハードテクノな方面で活躍している人ばかりのトラックが並んでいるね。Lukeのプレイも上手くて序盤は緩めのエレクトロで始まり、中盤から4つ打ちテクノに移行して徐々に盛り上げ、終盤ではトライバル気味にピークを持ってくる。ここでもJoris Voorn-Incidentが使われているけれど、この人の人気は当分続きそうだね。とにかく人気のあるアーティストが網羅されているので、最近のハード方面のテクノの傾向を知るにはもってこいの1枚だよ。

で今回の目玉はDISC1の方。ハードミニマルの人が何故かダウンテンポに挑戦しているよ。Marco BaileyやAdam Beyerも2枚組MIXCDを出して同じような事をしていたけど、やはりハードミニマルだけには飽きるのか、それとももっと自分の世界を広げたいのかは謎ですが。ノンビートの曲で始まり、BOLAのアンビエントも飛び出し序盤から驚きの展開。4曲目辺りからビートも入ってくるけど、とにかく緩い。Isolee辺りからはジャーマンディープハウスになって揺らめく様な怪しさがあるね。Playhouse辺りの音に近いかな。後半のAgoriaThrobbing Gristle(Carl Craig Re-Version)辺りでは妙にポップでイクセントリックになるが、このポジティブさにはダークな世界の中にやっと希望を見出したかとさえ思える。そのままクリックハウスに繋がれて、ダークで不穏な世界は静かに幕を閉じました。んーなんとも掴み所の無い1枚だったな。Lukeも随分奇妙な事に挑戦するなと思いつつ、ハードな後にはこんな緩いのも良いかもねとも思ったりした。ただ結局今の流行に乗って気分でこんなMIXをしただけだと思うので、何年後かにはこうゆうMIXCDも減ってくる様な気がしないでもないな。

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| TECHNO1 | 13:51 | comments(0) | trackbacks(1) | |
154 - Strike (Delsin:27dsr/nwa-cd1)
154-Strike
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最近テクノ系のCDが以前より入手し辛くなっている気がするのは、僕だけでしょうか。まあ海外のネットショップに注文すれば一発なんだろうけど、それじゃ送料が高いしさ。今回ゲットしたCDもユニオンとかじゃ見た事ないし、やっとネットショップで入手出来た訳です(amazonからじゃないけれど)。

さて154って誰ですか?この名義じゃ知らない人が殆どだと思うけど、Newworldaquariumなら知ってるんじゃないかな?そうオランダのデトロイトフォロワーなレーベル、Delsinからも作品を発表していたその人です。去年はRoss 154名義でもコズミックでデトロイトハウスなEPを出していました。Newworldaquarium名義では視界のぼやけたデトロイト〜ディープハウスな作品を発表していて、DelsinからPlanet-Eにもライセンスされたり、またCarl CraigがMIXCDに使ったりなかなかの好評の様です。このCDは彼の初めてのアルバムであり、僕も大層待ちわびていましたがやっと聴ける所となりました。相変わらず不鮮明で視界が悪く、その中を彷徨うかのように小刻みな4つ打ちが聞こえます。Theo Parrishもスモークがかった音を出すけれど、こっちだってそれに負けない位の物があります。そして不鮮明な世界の中、一枚の薄い膜が永遠に広がるかの様に世界を覆い、その中に小宇宙を見ているかの様です。最初にデトロイトフォロワーとは言いましたが、ここでは既にデトロイトを飛び立ち、迷宮的な音響世界にまで飛翔してしまったのでしょうか。今までの作品もダークな雰囲気の物が多かったと思いますが、今作に関しては明るさと言う事に関しては皆無だと思います。Basic Channelとか好きな人には、是非このアブストラクトでダビーなアルバムを聴いてみて欲しいですね。

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| HOUSE1 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francois K. - Deep Space NYC Vol.1 (Wave Music:WM50150-2)
Deep Space NYC Vol.1
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待ちわびていた人も多いのではないでしょうか?このFrancois KのMIXCDを。Body & Soulが亡き今、彼の新しい創造性はこの「Deep Space」に向けられています。「Deep Space」と言うのはダブをメインに、ジャンルに拘る事なく良質な音楽を聴ける新しい彼のパーティーであります。そのパーティー名をタイトルに冠したこのMIXCDもやはり幅広い選曲で、新たなる息吹を感じさせます。CDのジャケットにはこう書いてあります-「An Adventure Into The Future Dub,Spacey Vibes And Abstract Grooves」。まさにその文面通りの物がこのMIXCDには詰まっています。ただダブをメインにとは謳ってはいますが、これはジャンル上のダブと言う訳ではなさそうです。実際選曲に関しては、Instant House、Ferrer & Sydenhamと言ったディープハウス、Tres Demented(Carl Craig)、Jeff Millsと言ったデトロイト系、果てはMatrix & Fierceの様なドラムンまであります。音的にダビーで深い物が中心だと言う事なのでしょう。一体Francois Kは何処まで行けば、その足を緩めるのか?彼の深淵なる宇宙の旅は、まだまだ終わりを見せません。Francois Kの新曲も入っているので、要チェック。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:17 | comments(7) | trackbacks(2) | |
Secondhand Sounds: Herbert Remixes (Peacefrog:PFG021CD)
Secondhand Sounds: Herbert Remixes
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Herbertは凄い。自身の曲作りも凄い。その上のリミックスに関しても、とてつもなく凄い。リミックスの上手さに関してはCarl Craigと並ぶ程の凄さを持っている。このリミックスアルバムはもちろん他人の曲をリミックスしたものを集めただけなのだが、それ以上のものだろう。単なるハウスとは一線を画す、マイクロハウス。音を選びつつ端正に散りばめられた音、隙間を生かし少ない音数ながらも独自の世界を作り出す。既存の音は使わないと言う、音には最大のこだわりを持つ彼独自の音と、独自の音の配置が相まって最大の効果をもたらすのだろう。知性のかたまりの様な彼だが、また子供の無邪気な遊び心に溢れたユーモアのな一面も見せる。そしてお洒落でキュートな音楽でもあるのに、硬派なテクノよりもテクノらしい音楽でもある。実験性と実用性を兼ね備えたトラックと言うものは、きっとこうゆうものなだろう。何度も言おう、これはリミックスアルバムだがこれは紛れもなく彼自身のアルバムだ。ある意味Herbertの最高傑作。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Rotating Assembly - Natural Aspiration (Sound Signature:SSCD3)
The Rotating Assembly-Natural Aspiration
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まだまだまだFreedom Villageの復習編。Freedom Villageにおいて最も僕を興奮させたのは他ならぬTheo Parrish。Theoと言えばデトロイトハウス方面で注目を集め、去年はYELLOWの集客動員数の最大記録を塗り替え名実共に今やピークを迎えている脂の乗ったアーティストである。決してメジャー路線とは言えないTheoがFreedom Villageの朝方のラストの時間帯においても、あれだけの客を踊らすと言う事がどれだけ凄い事かと言う事はもう言うまでもない。ハウスクラシックスやディスコ物、そして自身の曲を織り交ぜ極端なエフェクトの処理を施した荒々しいまでのプレイはみんなの耳にも焼き付いたであろう。

そんな彼のDJに負けじ劣らず楽曲の方もなかなかのものだ。ざらついた質感に妙になまめかしくスモーキーなトラック。ソウル、ジャス、ハウス、ファンクなど良き古き時代の音楽を吸収しTheo流とも言える音楽を作り出している。やけに粗々しいので録音状態が余り良くないのでは?と思う程、古い雰囲気を感じさせる。何よりもターンテーブルのピチコンを最大限落としたようなスローな楽曲は、メジャーのハウスとは明らかに一線を画する。スローライフならぬスローミュージック、こんな音楽で踊らせてしまうのだから驚く以外他にない。このアルバムではバンド編成と言う事もあり、いつもより生演奏重視にはなっているがTheo独特の質感は今までと変わらず。しかしCarl CraigがDetorit Experimentで試みた様に、Theoも同じ試みをするなんてみんなデトロイト系のアーティストはジャズやソウル、ファンクに行き着くのだろうか。

日本盤のライナーノーツには日米デトロイト親善大使の野田努やロマンス西崎が参加しているので、熱意溢れるレビューを読めます。Theoの詳しい事に関してはそちらを参照された方が良いでしょう。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - More Songs About Food And Revolutionary Art (Planet E:PE65232CD)
Carl Craig-More Songs About Food And Revolutionary Art
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もうすぐLos Hermanosのアルバム、「On Another Level」が出るので、しばらくデトロイトテクノ関連の紹介をしてみる事にしました。カールクレイグと言えば最もデトロイトテクノを発展させた天才の一人で、テクノをやらせてもハウスをやらせても一筋縄ではいかない曲を作る。実験的であるにもかかわらず、フロアでも機能し色々なアーティストがお世話になっている事間違いない。このアルバムはPaperclip People名義でのハウスや、69名義でのテクノでクラバーを魅了していた後に出された作品。これはフロア受けするよりは室内向きのリスニングミュージックが中心で、4つ打ち的な曲もほぼない。しかしここにはカールの英知の結晶が詰まっている。神々しいまでの研ぎ澄まされた電子音が緻密な構成を成し、それが深淵で穏やかなディープテクノを作り出す。ここにルールはない。カールの自由であり、未来へと進もうとする発想がテクノの概念を壊してしまったのだ。現在を見てもここまで奥深く、美しい作品はそうはないと思う。初期の早すぎた名曲「Domina」、「At Les」、「Suspiria」、「As Time Goes By」収録。21世紀以前に作られたエクスペリメンタルテクノの指標となるフューチャーミュージック。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Throbbing Gristle - Mutant TG (NovaMute:NoMu122CD)
Throbbing Gristle-Mutant TG
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Throbbing Gristleと言う昔のバンドのリミックスアルバム。バンドについては余り詳しくは知らないので、気になる人は→の検索先へどうぞ「Throbbing Gristle」。リミキサーは、Carl Craig、Two Lone Swordsmen、Carter Tutti(Throbbing Gristleのメンバー)等。結局Carl Craigのリミックスが聴きたかっただけなのだが、やっぱ彼は凄い。一時期生音重視の方面に行ってしまったので寂しかったのですが、ここ1、2年は初期と同じ様でも違うエレクトリック路線で素晴らしいリミックス作品を残してきました。そして今回のリミックスは音数をかなり絞ってタイトに仕上げ、鋭いシンセがテケテケリードしてゆくストイックな作品。近未来的な音像が浮かび上がってきます。Two Lone Swordsmenはと言うと、エレクトロ+ロックって感じで最近のエレクトロクラッシュ路線なのかな。あんまりエレクトロクラッシュは好きではないけれど、Two Lone Swordsmenのパンク精神溢れる荒々しいリミックスは好きです。あとRatcliffeって言う人もリミックスをしてて、曲は意外と良かったのだけど誰だか全く分からない。調べた所、Basement Jaxxのメンバーだと言う事。ポップで甘く仕立て上げられ、アルバムに華を添えています。他にもノイジーなリミックスもあったり、色々楽しめるリミックスアルバムです。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Vangelis - Blade Runner Soundtrack (Warner Music UK Ltd:4509-96574-2)
Vangelis-Blade Runner
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何故このようなサウンドトラックを購入したかと言うと、Carl Craigが過去にDJで回していたとか、最近だとTheo ParrishがSolitary Flightにサンプリングして使ってたり、テクノやハウスに影響が少なからずあるわけで。Vangelisもオリンピックのテーマ曲を作ったり、それを卓球がリミックスしちゃったり、テクノアーティストでもVangelisを好きな人は多そうですね。でやっぱり内容は壮大なエレクトロニックミュージックなわけです。非常に神秘的な音が漂い、近未来的な情景を喚起させる。殆どアンビエントなノンビートの曲ばかりだけど、アンビエントとも又違うニューエイジミュージック。Carl Craigにも確かに影響を及ぼしていそうな、フューチャリスティック感に満ち溢れています。儚いシンセの音色には、デトロイトテクノに通じる物を感じます。

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| ETC1 | 21:51 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Fusionism
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クラブジャズ/フューチャージャズをメインに紹介しているREMIX編集部が制作したレビュー本。余り僕はクラブジャズとかには詳しくないので、こうゆう本があるととても有り難いです。4 HERO、Jazzanova、Kyoto Jazz Massive、Calm、Nicola Conte、Ian O'Brienと言ったクラブジャズ系が多く紹介されているけど、それだけではない。クラブミュージックはクロスオーバー化し、ハウスもテクノもソウルもファンクもラテンもブラジリアンも色々混ざる様になってきている。その為にクラブジャズを狭い範囲だけで語る事も出来ないので、USディープハウスや西ロン系、ヒップホップ等広範囲に渡ってCDの紹介がされている。Carl CraigやTheo Parrish、Moodymannが紹介されるのは嬉しい事だし、Joe ClaussellやRon Trentの紹介もある。その他有名無名関わらず膨大な数のレビューがある。読むだけでも楽しいし、読む内にあれこれCDが欲しくなってしまう。勉強本として重宝してます。
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 17:21 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - The Workout (React:REACTCD227)
Carl Craig-The Workout
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デトロイトテクノの発展の中心となっていたCarl Craigはアーティストとして超一流だと思います。でも昔のDJMIXを聴くとしょぼ〜って感じで、実際生でDJを聴いた時もあんまり興奮しなかった記憶があります。そんな彼も最近はなかなかのプレイをするようになったと、このMIXCDを聴いて思いました。2枚組、どこをとってもデトロイト。と言っても結構ハウスよりなMIXで、丁寧で大人しめ、部屋でまったり聴く感じです。お薦めは2枚目の方で、開始からNewworldaquarium→Terry Brookes→Soul Designer(Fabrice Lig)の繋がりは格好いいですね。Niko Marks、Urban Culture(Carl Craig)、Aardvarckとかその他もろもろデトロイト風味の曲が使われていてジャジー、テクノ、ハウスを上手く使い分けています。テンションを上げずにミドルテンポでムーディーで良い感じだけど、Carlが凄いって言うか選曲が良いだけなんだろう。いや、それでもデトロイト好きな人にはよだれが出る選曲に違いない。Carlが本気になったせいか曲毎の頭出しは無し、最初から最後までノンストップで聴くしかない。入門編の為にも、頭出し位はつけてやれよと思いました。発売元のレーベルは倒産済みなので、見かけたら早めに購入するのが吉でしょう。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fabrice Lig - Roots Of The Future (Raygun Records:RG017CD)
Fabrice Lig-Roots Of The Future
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遂に明日、Fabrice Ligが再来日します。Mad Mikeも認めたデトロイトフォロアー。Laurent Garnierにも認められF-COMからも作品を出し、Kevin SaundersonのレーベルKMSのEPにもリミックスが収録され、Carl Craigも彼の作品を回しとにかくデトロイトフォロアーと言えばFabrice Lig。このアルバムも勿論デトロイトテクノ好きには太鼓判を押して薦められる物となっています。キラキラ、ピコピコするシンセが特徴でもろにアナログっぽい少し前の音なんだけど、それが正にデトロイトっぽいかな。「Escape from Nowhere」みたいにアグレッシブな曲もあれば、「Shame Out」みたいに哀愁を感じさせるソウルフルな曲もあり。そして一押しは「Thru Your Soul」、ソリッドなシンセにポップなヴォーカルが乗り、サビでは哀愁のあるシンセが響きまくる名曲。メロディー作りも上手いけど、この人って案外パーカッションの使い方も上手くてシャッフル感は素晴らしいですね。Mad Mikeも絶賛するのは当然ですね。去年のパーティーの時は当然デトロイトクラシックを回しまくっていたので、今年も期待大!

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| TECHNO1 | 18:52 | comments(2) | trackbacks(0) | |
System 7 - Power Of Seven (A-Wave:AAWCD004)
System 7-Power of Seven
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System 7で一番のアルバムを選べと言われたら、迷わずこのアルバムを選びます。この頃が一番テクノっぽくてアルバムにもバラエティーがあって、バランスが良かったんではないかなと。冒頭「Interstate」ではNEUをサンプリングしてあったり、続いての「Civilization」ではCarl Craigとコラボ。当然デトロイトっぽいです。続いてアンビエント大作「Davy Jones' Locker」ではAlex Patersonとコラボ。アコースティックギターが心地よく響き、柔らかい空気に包まれるような錯覚を覚えます。続いてはデトロイトの巨匠Derrick Mayとのコラボ「Big Sky City」。これは完璧にDerrickっぽい特有のリズムに、美しいシンセライン、素晴らしいです。その後はブレイクビーツ、ハウスっぽい作品も混じって、7、8、9曲目はOsmosis Suite3部作。アッパーな流れですが、目まぐるしく展開が変わってゆきます。そして10曲目「Mektoub」でYouthと競演。ばりばりのゴアトランスですな。ラストは美しい展開を見せる「Europa」。なんとSueno Latinoをサンプリング。あの名曲の快楽的なシンセ音が鳴り響きます。System 7はコラボをする事によって成長してきたけど、この頃の人選が一番良かったと思います。色々なジャンルを含んではいるけれど、テクノ好きな人なら普通に馴染めると思いますよ。

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| TECHNO1 | 19:57 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2004/09/24 CROSS MOUNTAIN NIGHTS @ WOMB
DJ SHUFFLEMASTER

2004/10/09-10 Sonarsound Tokyo 2004 @ 恵比寿ガーデンホール
Akufen,JUAN ATKINS x CARL CRAIG,KARAFUTO,
Rei Harakami + Shiro Takatani(dumb type),
Hiroshi Watana.be aka Tread Kaito Quadra,
SKETCH SHOW + RYUICHI SAKAMOTO = Human Audio Sponge,etc…

2004/10/11 "NAGISA" MUSIC FESTIVAL @ お台場野外特設会場
太陽(HOUSE/TECHNO STAGE):
FRANCOIS K.,KARAFUTO,EMMA,KAITO,EYE,HANA

星(HOUSE/LOUGE STAGE):
DJ NORI,DJ FUKUBA,ALEX FROM TOKYO,KENJI HASEGAWA,SUGIURAMN,
DUCK ROCK,DAVE TWOMEY,ROBERT PALMER

月(TRANCE/TECHNO STAGE)
空(Nagisa Posivision BAR)
風(Zavtone Chill Out Lounge)

2004/10/15 ELECTRIC SKYWALKERS SYSTEM 7 JAPAN TOUR“ENCANTADO”@ Unit
System 7,ARTMAN

2004/10/16 REAL GROOVES VOL.2 @ Yellow
JORI HULKKONEN,JESPER DAHLBACK

2004/10/23 SACRED RHYTHM @ Yellow
JOAQUIN 'JOE' CLAUSSELL

2004/11/26 Electraglide 2004 @ 幕張メッセ
Prodigy,Darren Emarson,Tim Deluxe,!!!,etc…

かなり久しぶりにシャッフルマスターがプレイ。でもいきなり決まっても予定あるし行けないし…。これを機にまたDJ活動再開を望みます。
デリックメイが出るはずだったソナーサウンドは代わりにホアンアトキンスが。カールクレイグもいるしハラカミもいるしワタナベさんも出るし、何と言っても元YMOの3人が集結。でもチケット代がきつい。二日間もやらずに一日だけで集中してやって欲しいです。
代わりにNAGISAですがフランソワやカラフト、そしてカイトのライブもあって当日券でも2000円。これに行かないでどうする?!?!ギャラリーの4人も出るし安くて豪華なイベントです。
システム7行きたいなぁ…もう年寄りなのにすげーサイケデリックでパワフルなライブだしな。ジョークラウゼルも行った事ないから、一度は行きたい。でも激混みで踊れなそう。ヨリハルコーネンは去年行ったけど、ガラガラでした。日本での知名度低すぎだよ(#゚Д゚)
で、エレグラですが、特に言う事はありませんね。始まる前から終わってるイベントです。プロディジーなんか呼んでどーすんねん。終了です、ち〜ん…
| UPCOMING EVENT | 14:50 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Richie Hawtin - DE9:Closer to the Edit (NovaMute:NoMu090CD)
Richie Hawtin-DE9:Closer to the Edit
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前回紹介したRichie Hawtin - Decks Efx & 909(通称、黒)の裏盤、DE9:Closer to the Edit(通称、白)。白黒両方合わせて揃えるのが吉でしょう。今回のMIXCDにおいてRichieはMIXを別次元へと押し上げてしまった。100曲以上から300程のループを抜き出して、それをソフトウェアやファイナルスクラッチを使用して再構築、と言った云々は抜きにしてとにかく凄い。Richieのダークサイド全開な深淵なるディープな作品となっている。Rhythm & SoundやCarl Craig、又人気上昇中のRicardo VillalobosやAkufenその他もろもろ奇怪奇天烈な音を使い、クリックハウス系の気持ちの良いMIXだ。激しさは「黒」みたいには無いが、「白」には今まで聴いた事のない複雑なMIXを聴く事が出来る。ソフトウェアを導入したせいだろうが、かといって人間味は失われはおらず常に前進し続ける姿勢を伺う事が出来る。実際のDJでこのようなプレイを体験するのは難しいだろうが、実際のDJでもファイナルスクラッチを導入しているので制約にしばられないプレイを生で体験出来るであろう。機会があれば一度は彼のパーティーに足を運んで欲しい。

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| TECHNO1 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(3) | |