Cass. - Postclub Prism (Into The Light Records:ITLIntl01)
Cass. - Postclub Prism
Amazonで詳しく見る(MP3)

ニュー・エイジやアンビエントといった音楽の再興が盛り上がる電子音楽のシーンにおいて、それを語る場合において欠かす事の出来ないレーベルは複数あるが、2012年にギリシャで設立されたInto The Light Recordsもその一つだ。活動の当初はダンスかリスニングか、エレクトロニックかオーガニックかにこだわらずにギリシャの埋もれた秘蔵音源の発掘に力を入れてVangelis Katsoulisを始めとしてAngelo Ioakimoglu(過去レビュー)やAkis(過去レビュー)といった過去のアーティストの秘蔵音源のコンパイルを中心としていたが、そこから遂に過去音源ではなく新しい音楽を世界へとリリースすべく新しいカタログナンバーも付けたシリーズを開始したが、その第一弾が本作だ。手掛けているのはドイツ人であるNiklas Rehme-SchluterことCass.で、まだ27歳位と比較的若手の世代ではあるが既にInternational FeelやEmotional Responseといった著名なレーベルから電子とオーガニックの響きが共存したバレアリックな音楽をリリースしており、注目を集め始めている存在だ。そして本作によってその評価は決定的となるに違いない。光とロマンスをテーマにした本作は、プリズムが伸びる美しいジャケットのように音もクリスタルの煌めきのような電子音が用いられており、ノンビートの"1000 Superdolphins"では透明感のある電子音響の中から陽炎のようなギターも切なく湧き上がりぼんやりとしながらも情緒に溢れている。続く"The Diary"ではミニマルなシンセのリフに繊細ながらも多層にシンセやギターが被さりながら、ドローン色の強い夢現なアンビエントを展開する。"Leaving"ではスローながらもジャジーで生っぽいリズムも入ってくるが、それよりも悲哀に満ちたシンセは咽び泣くように感情を吐き出す点に耳は惹かれ、現実と夢の世界の狭間を夢遊する。ぼんやり抽象的な濃霧のアンビエント層が広がる"Painful Love In 96Khz"は、ただただ意味もなくふんわりとしたシンセのレイヤーが牧歌的な雰囲気を作り上げており、心を空っぽにしてその幻夢の世界に浸れる事が出来るだろう。そしてノイズにも近いサイケデリックなドローンが続くインタールードの"Chromakey Interlude"を通過した後には、切ないストリングスや幸福感のある朗らかなシンセが絡み合って可憐に彩る"Be My Blessing And My Lesson"によって何処までも緑の草原が広がる牧歌的なムードに包まれて、現実の時を忘れてゆっくりとした時間軸の中に逃避する事だろう。基本的にはビート無しのアンビエント/ニュー・エイジで統一されており、淡い色彩が正にプリズムの様に広がる幻想的で美しいサウンドがドリーミーで、汚れの無いピュアな感覚が素直に伝わってくる。2018年のレビューには間に合わなかったものの、本来はその年のベストにも推したかった程に素晴らしい。



Check Cass.
| ETC4 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy & Demuir - Please Me - Fred P Reshape Project (Kwench Records:KWR002)
Cassy & Demuir - Please Me - Fred P Reshape Project
Amazonで詳しく見る(MP3)

アーティストとしてはもう15年以上もキャリアを持ち、そしてPanorama BarやRexでもレジデントを担当するDJとしての手腕を認められているCassyが、2017年に立ち上げたレーベルがKwench Recordsだ。本作はそのCassyとNite GroovesやYorubaからもリリースをするカナダのDemuirのレーベル第一弾である共作で、そこに収録されていた"Please Me"を現在のUSテック・ハウスのトップアーティストであるFred P.が3バージョンに渡ってリミックスを行なった、つまりは完全にFred P.の作品と呼べるシングルだ。原曲は荒々しくロウな質感もあるリズムが弾けややアシッディーな感覚もあるパワフルなハウスだったが、このリミックスに於いては完全にFred P.のエモーショナルで幻想的な空気に満たされた流麗なテック・ハウスへと生まれ変わっており、最早これはFred P.による新作と呼んでも差し支えない程の素晴らしいリミックスを披露している。A面には10分超えの大作となる"Journey Mix"を収録しているが、ここに原曲の面影すら見る事は難しい程に滑らかでうっとりとした叙情性が充満した作風へと上書きされており、抜けの良いパーカッションが乱れ打ちつつもスムースに流れる柔らかいビート感やふわっと広がるようなパッドの使い方はFred P.らしいコズミックな浮遊感を生んでいる。機能性という意味では全く失われているものはないが、エモーショナルな成分が十分に添加されパーティーの朝方、つまりはアフターアワーズの淡く夢と現実の狭間の寝ぼけ眼の心地良い状態に持っていくようなテック・ハウスで、疲労の溜まった心身を浄化するような感覚さえ伴っている。それよりももっとしっかりと杭を打ち込むようなビート感重視のテック・ハウスに仕上がっているのが"Fixation Mix"で、流麗なパッドのコード展開による幻想的な世界を繰り広げるデトロイト・テクノ的なエモーショナル性は、最もFred P.らしくあり得も言われぬ恍惚状態を引き起こす。そしてタイトル通りにやや崩れたビート感で厳つさを演出した"Broken Vibes Mix"は3つのリミックスの中では最も骨太さが現れており、Cassyのボーカルも他のリミックスよりも強めに用いてはいるが全体的にやや暗めの色調にする事で、変則的なリズムによるグルーヴ重視な内容だ。どれも元の曲をイメージ出来ない程に新たなる個性で上書きされたリミックスは、しかしそれぞれに異なる雰囲気や機能が発揮されており、パーティーの時間帯それぞれで効果的な演出をする事が可能だろう。Fred P.の才能が光る一枚だ。



Check Cassy & Demuir
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Planetary Assault Systems - Arc Angel (Ostgut Ton:OSTGUTCD37)
Planetary Assault Systems - Arc Angel
Amazonで詳しく見る(US盤)

UKテクノの歴史において、ハードテクノ全盛の古い時代から生き抜いている稀有なベテランの一人、Luke Slaterも今ではテクノの中心となったベルリン志向に傾倒しているのは明らかだ。活動の初期から用いている変名のPlanetary Assault Systemsは特にハードかつラフな質感を持ったテクノ・プロジェクトだったが、2009年にはOstgut Tonからよりミニマルで機能性重視の音楽性へとシフトしたアルバムをリリースし、見事にテクノシーンの最前線へと返り咲いた。本作はこの名義では5年ぶりのアルバムで、そしてまたしてもOstgut Tonからとなるが、実はL.B. Dub Corp名義でも2013年にアルバムをリリースしていたので思っていたよりも久しぶりではない。しかしL.B. Dub Corpの作品がレゲエやファンクも吸収した実験的なテクノだった事を考えると、このPASの新作こそがフロアの空気を的確に掴んでSlaterのミニマル志向が反映された王道的な作品だ。CDでは2枚組20曲で計90分を超える本作では、先ず「メロディー」に焦点を当てたと本人は述べているが、だからと言って一般的ないわゆるエモーショナルなコテコテのテクノとは異なっている。アルバムはカセットデッキにテープを入れる環境音の"Cassette"から始まり、続く"Angel Of The East"ではビートレスの空間にパルスのような電子音とそれを装飾する奇妙なサウンドにより音響系の傾倒を示し、ダンス・トラックだけではないアルバムというフォーマットを活かす事にも軸を置いている。3曲目の"Tri Fn Trp"でようやくリズムが入ってくるが、もはやハードな質感は無く無機的にひんやりとしたビートを刻みつつ、一方で電子音による複合的なシーケンスもビート感を生んでテクノとしての機能性を高めている。"Message From The Drone Sector"ではやや太いキックが4つ打ちを刻んでいるが、勢いで押し切るのではなく奇妙な電子音のシーケンスが闇の中に吸い込むような雰囲気を作り、リズムはあくまで淡々としていて決して感情の昂ぶりを誘うわけではない。むしろその平坦なリズムと機械的な電子音の反復がミニマルな感覚を持続させ、徐々に意識も麻痺するようなディープ・スペースへと誘われるのだ。先に述べた「メロディー」というものが決してキャッチーな音楽を指す事ではなかったが、音の反復・重なりによりグルーヴを生み持続感を作る「メロディー」への探求が、本作からは感じられる。平坦でミニマルなリズム感、重層的な電子音のシーケンス、そしてスペーシーな世界観はJeff Millsの近年の音楽性と類似しているが、そちらよりも更にモダンに研ぎ澄まされている。



Check "Luke Slater"
| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Louie Vega - Louie Vega Starring...XXVIII (Vega Records:02VEG04)
Louie Vega - Louie Vega Starring...XXVIII
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
Kenny Dopeと共に結成したMasters At Workに於けるハウス・ミュージックへの功績はもはや説明不要であろうが、ジャズやラテンをハウスに落とし込んだ特異性だけでなく、大勢のアーティストを起用し大規模な共同制作によってプログラミングだけに頼るのではなく生演奏の魅力も打ち出したセッションの高い音楽は、もはやハウス・ミュージックの枠に収まりきるものではなかった。Vegaは同様の手法をElements Of Lifeプロジェクトによる『Eclipse』(過去レビュー)でも用いたが、その延長線上としてソロ名義では初となる本アルバムでも多くのアーティストのとのコラボーレションを行う事で、ハウスの枠組みの拡張とソウルフルなハウスの再確認を同時に行っている。アルバムの始まりはFunkadelicとのコラボレーションと言うか、リミックスである"Ain't That Funkin' Kinda Hard On You? (Louie Vega Remix)"で、ねっとり熱量の高い原曲のP-Funkをラフな質感は残しつつも颯爽としたハウス・ビートへと生まれ変わらせ、出だしから軽快ながらもソウルフルな歌の魅力を発揮させている。続くは3 Winans Brothersの"Dance"のリミックスだが、ざっくりとしながらも軽快なラテンビートと怪しげなオルガンにリードされながらもコーラスも加わったボーカルにより、これぞNYハウスらしい温かみに溢れたクラシカルなハウスになっており、今の時代に於いても歌の重要性を説いているようだ。女性シンガーのMonique Binghamを迎えた"Elevator (Going Up)"は、舞い踊るピアノと甘くもキリッとしたボーカルが軽やかに疾走し、南アフリカのシンガーであるBucieをメインに、そして制作にBlazeのJosh Milanを迎えた"Angels Are Watching Me"はモロにBlazeらしいメロウかつ耽美なエレピや爽やかなコンゴが響き渡る歌モノハウスで、期待通り以外の何物でもないだろう。そして本作では所謂古典と呼ばれる名作のカバーも収録しており、Convertionによる”Let's Do It (Dance Ritual Mix)”やBobby Womackによる”Stop On By”、そしてStevie Wonderによる"You've Got It Bad Girl"まで、ハウスにR&Bやヒップ・ホップにファンク等の要素を自然に溶け込ませてクラシックを現在の形へと生まれ変わらせている。CD2枚組計28曲の大作が故に全てが完璧とは言えないものの、過去の作品への振り返りにより現在/未来へと良質な音楽の伝達を行い、そしてボーカリストに演奏者らアルバムの隅々まで数多くのアーティストの協力を得る事で、本作はハウス・ミュージックの一大エンターテイメントとでも作品である事に異論は無いだろう。ソウルフルで、古典的な、そして歌モノのハウスのその魅力を再度伝えようとしているのだ。



Check "Louie Vega"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - Donna (Aus Music:AUSCD007)
Cassy - Donna
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
伴侶や友人との分かれや、音楽制作に対する苦痛などの逆境の中から生まれたアルバムだと本人は言う。その人こそ現在はロサンゼルスに拠点を置くCassyで、周知の通り過去にはPanorama BarやRexでもレジデントを持っていた生粋の女性DJ/アーティストだ。公式リリースでは Panorama BarやFabricに関連する4枚ものMIXCDをリリースしており、DJとしての素質に疑いようはないわけだが、実はアーティストとしても長いキャリアを持っている。だからこそアルバムがリリースされてようやくかという思いである訳だが、全面的に共同制作に加わったKing Brittの影響もあってか、アルバムは思っていた以上に決して明るくはないもののソウルフルな内容にはなっている。ややダブ・ステップやR&Bを思わせる崩れたビートとしっとり艶のある歌もの"This Is How We Know"でアルバムは幕を開け、続く"Feel"では滑らかで繊細な4つ打ちに合わせて包容力のあるボーカルも導入され穏やかなディープ・ハウスを聞かせる。かと思えば次の"Back"では乾いてチープなリズムに夜中の官能を演出するピアノを交えたハウスを披露し、ぐっと妖艶さを増していく。かと思えば音を間引きロウな質感を打ち出した"All I Do"ではコズミックな電子音やブイブイとしたシンセベース主体のディスコ風な音を聞かせるなど、アルバムはおおよそ統一性とは反対の多様性を打ち出した内容になっている。事実、レイドバックしたメロウなヒップ・ホップ風の"Strange Relationship"にゴージャス感のあるポップなR&B影響下の“You Gotta Give”、そしてボサノヴァ風の軽やかなパーカッションが心地好い"Cuando"まで、アルバムに何か統一性を見つけ出すのは難しいが、敢えて言うならばどんな曲であっても感情的な面を押し出してきている。そして最もフロア受けするであろう"Keep Trying"は覚醒感のある、半ばトランシーでさえある電子音を用いた勢いのあるテック・ハウスで、闇夜に染まりつつCassyによる甘い歌が問い掛けるような官能的な曲だ。もう少しこの路線が多かったならばという思いもあるが、彼女の個性を全て曝け出そうとしている意図があるのだとしたら、アルバムのフォーマットを活かしてそれは達成されているのだろう。



Check "Cassy"
| HOUSE12 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joe Le Bon - House Music Love Music (Moods & Grooves:MG CD-6)
Joe Le Bon - House Music Love Music
Amazonで詳しく見る(US盤)

ここ数年、デトロイトのテクノ/ハウスが全盛期に比べると活気が無いのは多くの人が肌で感じているだろうが、逆に今になって勢いを増しているレーベルもある。Mike Grantによって運営されているMoods & Groovesはそれが顕著で、1999年に始動したこのレーベルはデトロイトのみならずシカゴ方面にも理解を示しながら、今となっては大御所と呼ばれるアーティストをサポートし、近年ではそこにKyle Hallも並んでいる。ここ3年程はレーベルの過去の名作を「Moods & Grooves Classics」シリーズとして編集した作品をリリースする傍ら、ニューカマーからGrantによる新作まで着々と手掛けているが、レーベルにとって久しぶりとなるアルバムである本作も遂にリリースされた。それを手掛けたアーティストはフィンランド出身、現在はベルリンにて活動するJarno EerolaことJoe Le Bonで、過去にはPro-tez RecordsやInternational Deejay Gigoloからもリリース歴はあるようだが、作品数は決して多くはなくその活動についても不明な点が多い。しかしMoods & Groovesというレーベルからのリリースという肩書きが付いた本作によって、少なからずともJoe Le Bonに注目をせずにはいられなくなるだろう。アルバムの音楽性は確かにハウスではあるが、デトロイトのそれではなく北欧の優美で洗練されたディープ・ハウスが中心と、レーベルの中では少々異色にも思われる点もあるがそのどれもが幽玄で神秘的だ。冒頭の”Ghosts On Cassette”、ふんわりとスペーシーなシンセの伸びと落ち着きのある滑らかなハウスのグルーヴからは、確かに黒さを感じる点は少なくむしろアンビエンスさえある微睡みのディープ・ハウスで官能的だ。"Berlin Panorama"はベルリンのあのクラブをコンセプトにした曲だろうか、オーロラの様に舞う美しいシンセのレイヤーには言葉を失う程で、決してビートを荒らげる事をせずに繊細なリズム感で静かに高揚させる。リスニング系だけでなくクラブを意識した曲もあり、シャープなハイハットとパーカッションが軽快なリズム感を生みつつ幻想的なシンセのリフが反復する"82 Degrees"や、ざらつきのある荒削りなビートでスピード感を強調し爽やかながらも仄かに官能を匂わすテック・ハウスの"Like Cotton Deep Orchestra"と、アルバムの中で良いアクセントとなっている。しかしJoe Le Bonの魅力はやはりその情緒深い味わいにあると思い、シネマティックでありしっとりと切なさに満たすダウンテンポの"The Road Is Under Repair"や、ビートレスな展開に羽毛が舞うような繊細なシンセが揺れるアンビエントの"For Yasuni"で、実にエモーショナルな音楽性を目の当たりにするだろう。前述のように確かにMoods & Groovesのレーベル性から見ると異色さはあるものの、アルバムとしてのリスニング性の高さを活かしたディープ・ハウスは本物だ。



Check "Joe Le Bon"
| HOUSE11 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Lady Leopard EP (Pole Jam Vinyl:PJV004)
Various - Lady Leopard EP

UKのPole Position RecordingsとドイツのGlam Jam Artistsの2つの新興レーベルが、更にヴァイナルオンリーでの体制で共同で運営するPole Jam Vinylは、まだ作品数は少ないながらもブギーかつバレアリックな作風として注目される存在だ。今のところリリースされた3枚は全て複数のアーティストの曲を集めたコンピレーションとなっているが、既に著名なアーティストを起用して売るのではなく、まだ世に知れ渡っていない原石とも呼べるアーティストを掘り起こすように起用して、アーティストに紐付けられたブランド性に頼る事なく音楽性そのものでレーベル性を確立しようとしている点は先ず評価すべきだろう。さて、レーベルにとって4枚目となる本作でもCassara、Darko Kustura、Benny & Gainと一般的には決して高い知名度であるとは言えない若手アーティストが起用されているが、イタリア出身のCassaraは2曲を提供している。"Lady Leopard"は往年のフレンチ・ハウスを思わせるループとフィルターを使用したファンキーなハウスで、ノリノリに跳ねる太い4つ打ちと動きのあるベースラインも相まって、非常に分かり易く陽気な気分になれるフロアトラックだ。"The Forest"もチョッパーベースが効果的にファンクネスを生み出しているが、ヴォーコーダを通したアンニュイな歌と憂いのあるメロディーによって、センチメンタルなムードを押し出している。クロアチア発のDarko Kusturaにとっては本作がアナログデビューとなるが、収録された"Peninsula"はPole Jam Vinylらしい涙を誘うエモーショナルなシンセとブギーなグルーヴ感が発揮されており、しっとりと情緒的なディスコ・ハウスだ。ロンドンの二人組であるBenny & Gainは、カラフルな宝石が散りばめらたようなキラキラとしたシンセが可愛らしく、ゆったりと波間を揺蕩うスローモーなバレアリック・ハウスを展開する"Approval"を提供している。それぞれどのアーティストもレーベル性を象徴するように甘酸っぱい切なさや弾ける多幸感を伴っており、まだネームバリューは無くとも堅実な若手を発掘するPole Jam Vinylの嗅覚は、今後も要注目だ。

| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker - Mix The Vibe : Deeep Detroit Heat (King Street Sounds:KCD 280)
Terrence Parker - Mix the Vibe : Deeep Detroit Heat
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
20年以上続いている王道ハウス・ミュージックの指標とも呼べるMIXCDシリーズが"Mix the Vibe"だ。NYハウスの象徴的レーベルであるKing Street Soundsの音源をレーベルとも深く関わりを持つDJを起用してミックスさせ、レーベルのショーケースとしての意味合いを含みつつハウス・ミュージックの普遍的な魅力を知らしめる伝統的なシリーズの一つで、信頼のおけるブランドと呼んでも過言ではない。そんなシリーズの最新作にはシリーズを愛聴してきた者にとっては意外にも感じられる、デトロイトの古参DJ/アーティストであるTerrence Parkerが迎えられているが、しかしゴスペル・ハウスとも称されるソウルフルで感動的な音楽性を持つParkerなればこそNYハウスのシリーズに起用されるのも不思議ではないのかもしれない。彼がデトロイト出身のDJである事は間違いないが、しかしデトロイト一派の中でも特に古典的なハウス・ミュージックに理解があるのは、おそらくParkerだろう。そんな彼だからこそ - 勿論本作がKSSの音源を使用している前提があるとしても - このMIXCDが歌心溢れるソウルフルな展開を聞かせるのは、寧ろ当然の事なのだ。幕開けはいきなりクラシックの"Give It Up (MAW Flute Instrumental)"で、ディープながらも切ないメロディーが感傷的な気分を誘う男泣きの展開だ。そこに繋ぐはズンドコとした骨太なグルーヴを刻む"The Way I Feel (Terrence Parker Deeep Detroit Heat Re-Edit 4 Daye Club)"など、序盤から太く逞しくも熱い感情的な歌モノを投下しParkerらしい人間味溢れる展開を作っていく。序盤のハイライトは"Bring Back My Joy"だろう、高らかに祝福を謳うようなポジティブなボーカルハウスはParkerのゴスペル・ハウスとリンクする。そこからは一息つくように郷愁を帯びた"Song For Edit"で緊張をほぐしながら、ざっくりと生のパーカッションの質感が強調されたハウスを繋ぎつつ、最後まで人気のあるクラシカルなハウスを用いて実に情感たっぷりな展開で引っ張っていく。KSSの音源を使用する制約がある為に普段よりはParkerのゴスペル・ハウスのスピリチュアルな要素は控えめなのは事実だが、しかし歌心溢れる選曲と感情の昂ぶりを刺激するソウルフルな展開は正にParkerの十八番だと断言出来るものであり、ハウス・ミュージックのファンにとっては期待通りのプレイだろう。NYハウスの伝統にデトロイトのベテランDJが参加したと言う面白味だけでなく、内容自体で評価したいMIXCDだ。



Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE11 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Defected Presents House Masters - Masters At Work (Defected Records:HOMAS21CD)
Defected Presents House Masters - Masters At Work
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
ハウス・ミュージックにおける歴史においてどうしても通らずにいる事は出来ないアーティストがおり、今尚パーティーで燦然と輝くクラシックな音楽がある。Defected Recordsはそんなアーティスト毎に焦点を絞り過去の作品をコンパイルした「House Masters」というシリーズをリリースしているが、その最新作には遂にMasters At Workが登場した(ちなみに以前にもVegaとDopeは、それぞれ単独となる名義でこのシリーズにも登場している)。Louie VegaとKenny DopeによるMAWは今でこそ一緒に活動をする事は少なくなったが、ラテン・ミュージックやジャズから育ったVegaとヒップ・ホップやファンクからの影響が強いDopeは、互いの音楽性をクロスオーヴァーさせながらハウス・ミュージックの地盤を固めつつ、そして柔軟に拡大を行ってきた稀代のユニットだ。その余りある意欲と才能の為かオリジナル曲もリミックス曲も膨大な量があり、それらを遍く収録する為にこのシリーズでは初となる4枚組の大作となった。ここには現在も尚パーティーで聴く事が出来るクラシックが収録されているが、何はともあれMAWの中でも外す事の出来ない曲と言えばNuyorican Soul名義による"The Nervous Track (Ballsy Mix)"ではないだろうか。4つ打ちからの脱却としてヒップ・ホップ風ブレイク・ビーツと生のライブ感覚を持ち込み、ハウス・ミュージックに彼等の多様なルーツを落とし込んだ作風は今でこそ当たり前に聞こえるが、リリース当時の衝撃はきっと大きかったと想像するのは容易い。またRiver Ocean名義による"Love & Happiness (Yemeya Y Ochun) (MAW Original Remix Extended)"も生のラテンなパーカッションが怒涛のグルーヴを生み出し、何処かスピリチュアルでもある歌も相まって熱狂的なアフロ・ハウスを鳴らしている。そんな肉感的で人間味のあるダンス・ミュージックを手掛ける一方で、彼等は音楽的にメロディーやメッセージ性も大事にしており、Bebe Winansによる"Thank You (MAW Mix)"ではゴスペルのような歌と耳に自然と残る愛らしいメロディーが生きており、時代に左右されない普遍的な音楽性を手掛ける事という点でも類まれな才能を発揮している。その他にも本作にはMAWの代表曲が多数収録されており、もしこれから彼等の音楽を初めて聴くという人には、間違いなく本作を勧める事が出来る程に充実した内容となっている。リヴィング・レジェンドという言葉が一人歩きしてしまっている時代、しかしMAWこそリヴィング・レジェンドと呼ぶに相応しい存在である事を知らしめるコンピレーションだ。



Check "Masters At Work"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE10 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Breach - DJ-Kicks (Studio !K7:K7314CD)
Breach - DJ-Kicks
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
ある程度音楽にはまってくると例え知らないアーティストであってもレーベル買いをするような事はあるが、ベルリンのレーベルであるStudio !K7からリリースされた本作もそんな一枚である。名物となった「DJ-Kicks」は1995年から続くジャンルを越えたMIXCDシリーズで定評があるが、その新作にはBreachを迎えている。聞いた事のないアーティストだと思い調べたところ、実はニュージャズ/ブロークン・ビーツを手掛けているBen Westbeechだと分かった時には驚いたが、このBreach名義によるMIXCDでは最新のテクノ/ハウスを中心にシリアスになり過ぎずに感情の振れ幅を生かしたミックスを披露している。幕開けは不安を煽るような混沌としたノイジーな"Prince Of The Immortal Woods"から始まるが、そこから徐々にビートが入りドラマティックな歌物の"Triangle Vision"へと繋げ、いきなりあっと耳を惹き付ける展開をさせている。そこからは一気に真夜中の高揚感に満ちたフロアの空気を匂わせるディープ・ハウスへと繋がり、Fred Pによる"It Is What It Is"で陶酔感が最高潮にまで達する瞬間は序盤のハイライトだろう。中盤もディープに低空飛行を続けつつ歌物も織り交ぜながらじわじわと陶酔感を持続させ、終盤へと差し掛かるとテクノ寄りな太いキックのトラックも差し込みつつ、その上で闇を抜け出して明るさを求めるようにメロディアスな展開が待ち受けている。Dopplereffekt、Josh Winkら古典的なアーティストの曲に新世代のRedinhoによるフューチャリスティックなダブ・ステップまで新旧混ぜ込んで、ビートの豊かな多様性を用いて一気に開放感溢れた世界へと突入。この終盤でのドラマティックな盛り上がり方は目を見張るものがあり、爆発力を伴う勢いと共に自然な流れで抒情的なエンディングを迎える。何となく思うのはテクノ/ハウスのDJがトラックを世界観を統制するように曲をツール的に使うのに対し、Breachは世界観を収束させる事なく感情の起伏を広げるような選曲をしているのだ。それは恐らくニュージャズを手掛けるBen Westbeechとしてのよりエモーショナルな活動が、背景にあるからなのだろうか。デトロイト・テクノのような心に訴えかける音楽、それに近いものを感じるミックスだ。



Check "Ben Westbeech"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO10 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/2/1 Gift feat. CASSY @ Air
UnitにてCabaretを主宰するdj masdaが、昨年末から新たに立ち上げたパーティーがGiftだ。今回はその2回目の開催となるが、そのゲストには過去にCabaretにも出演している女性DJのCassyを迎えている。過去にはPanorama Barでレジデントを務めCocoonやFabricからリリースしたMIXCDは高い評価を得ているが、当方にとっては実際に生でDJを体験するのは初めてだったので大いに期待していた。
続きを読む >>
| EVENT REPORT4 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - Fabric 71 (Fabric Records:fabric141)
Cassy - Fabric 71
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
DJにおいては基本的に男性が幅を利かしているクラブミュージックの業界ではあるが、女性ながらもベルリンにてSteffiと並んで高い評価を得ていると思われるのがCassyだろう。Ostgut TonやCocoonと言った大御所レーベルからMIXCDをリリースしている経歴からも実力は疑うべくもないが、遂にMIXCDシリーズとしては長い伝統を持つFabricに起用された。彼女はPanorama BarのオフィシャルDJでもあるが、ネット情報によれば最近は他のクラブでのプレイが多いそうで、その影響は幾分かこのMIXCDにも投影されている。初期のMIXCDではテクノ/ハウス/ミニマルに黒いファンクネスも織り交ぜながら肩の力が抜けた緩いグルーヴ感を保っていたものの、この新作では音のジャンル的には同様な選択をしながらもより肉体感を伴う、言い換えれば力強く骨太なプレイを披露している。勿論女性らしく繊細にトラックを編み込むようにしなやかなミックスを継続させているが、前半の情熱的なディープ・ハウスにしろパーカッシヴでファンキーなハウスにしろ、以前よりも確実にグルーヴが疾走っており地味な印象はかなり後退している。そして中盤での浮遊感のあるテックハウスや野暮ったく悪びれたシカゴ・ハウスを経由し、終盤に向けて淡白なミニマルやインダストリアル風なテクノまで幅を広げ、真っ暗闇の中に存在するフロアの空気を自然に生み出しているのだ。しかし終盤にはピアノや歌が特徴となったエモーショナルな展開が待ち受けており、盛り上がった高揚感を損なう事なくクライマックスを迎える。と思っていた以上に幅の広いプレイにはなっているのだが、エモーショナルかつファンキーな世界観を壊さずに調和を成しており、派手ではなくともミックスと言う行為に対して丁寧に向き合う姿勢が感じられる。流行に頼らない普遍的な音が詰まったMIXCDだ。

試聴

Check "Cassy"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Louie Vega - Vega On King Street : A 20 Year Celebration (King Street Sounds:KCD276)
Louie Vega - Vega On King Street A 20 Year Celebration
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
ハウスミュージックと言うジャンルにおいて、定番と言えるメジャーどころからコアなリスナーまで唸らすカルトな作品まで幅広く手掛け、そしてハウスミュージックに関わる有望なアーティストと密接な関係を保ち続けてきたKing Street Sounds。ハウスミュージックの浮き沈みの中でも逞しく生き残り、そして遂にレーベルの運営が20周年を迎えた記念として、レーベルに数々の名作を残してきたLouie Vegaがレーベル音源を使用したMIXCDを制作した。Louie自身もこのレーベル音源を用いたMIXCDをかつて制作しているし、レーベル自体が重ね重ねショーケース的なMIXCDをリリースしているので今更新鮮味はないが、しかし往年の傑作から比較的新しい音源まで網羅されているのだから十分にハウスを味わい尽くせるだろう。以前に比べるとレーベルもこてこてのハウスは減り、時代に合わせてテッキーなハウスも増えているように思うが、本作では序盤から中盤にかけては正にそんな印象が強い。歌物も多く入っているが洗練されていて表面的にはクールな温度感が強く、NYハウスも時代と共に少しずつ変化しているのが伝わってくる。中盤以降はざっくりした生っぽく湿り気のあるビートも浮かび上がりソウルフルな展開、そしてズンドコとした重たいキックが迫力のあるNY系ディープ・ハウスも入り混じりながら、ラスト間際はラテンフレイヴァーを強めながらドラマティックにラストへと情感を強めていく。ハウスにも色々な要素と作風があるけれど、本作を聴くとKSSが実にハウスの変化に適合しながら本物の質を守り続けてきた事が分かるはずだ。CD2にはLouieがKSSへ残してきたリミックス作品が収録されているが、それらはハウスのパーティーに遊びに行けば普通に耳にするであろうクラシックばかりだ。中空へと抜ける爽快なパーカッションの響き、湿っぽく臨場感のある生の質感、そしてハウスのエモーショナルなメロディーを強調した作風は、これぞLouie Vegaと言う揺ぎない個性の塊である。お世辞抜きによくぞまあこれだけの名作を残せるものだと、ただただ感嘆するばかり。ハウス・ミュージックの過去〜今がここに詰まっている。

試聴

Check "Louie Vega"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - Crustal Movement Volume 01 - Dream Into Dream (tearbridge records:NFCD-27349)
DJ Nobu - Crustal Movement Volume 01 - Dream Into Dream
Amazonで詳しく見る

日本のアンダーグラウンドを地で行きながら、千葉と言うローカルの地にて熱狂的なFuture Terrorを長年に渡り主宰する事でいつしか日本各地のテクノリスナーを虜にしたDJ Nobu。海外の人気DJとパーティーに出演する時も臆する事なくゲストに負けない爆発力のあるプレイを披露し、日々新たなファンを獲得しているように思われる。本作は国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたシリーズの内の1枚だが、その中でもアーティストに期待している音からは想像出来ない程に変容を遂げた衝撃的な作品となっている。DJ Nobuに対しては昔からのファンであればハウスの時代を思い出すであろうし、近年ではベルリンに接近したハードなテクノを好んでいる印象だが、本作は所謂普通のダンス・ミュージックの類ではない。いや、確かにテクノでもあるがドローンやノイズにミュージック・コンクレートやインダストリアルなど電子音響系と呼ばれるような作品が中心だ。今思うと少し前からDJ Nobuのプレイをクラブで聴く時に何かいつもと異なる違和感を感じる事があったのだが、もしかしたらその時から既に試行錯誤しながらフロアで新機軸の実践をしていたのかもしれない。本作ではヴァイナルでのラフな爆発力を生むプレイではなく、Abreton Liveを用いる事により前述の実験的な音楽を緻密に組み立てる事で、ミックスと言うよりはコラージュと呼ぶべき音の切り貼りをしている。制約と言う殻を破った曲だからこそ使い方は難しくなるが、果敢にも彼の個性であるひりつくような緊張感は保ちつつも電子音の自由な創造性と弄れるように、無機質で淡々としながらも変化に富んだグルーヴを紡いでいる。例えばシンプルなループを用いた4つ打ちの音楽が肉体を踊らせるものであれば、ここで聴けるトリッピーで歪んだ音の羅列は神経や脳髄を刺激するもので、ある意味では体を小刻みに痙攣させるような痺れる電子音の世界が広がっているのだ。もしクラブでのDJ Nobuのプレイを期待しているとしたら最初は違和感を抱くかもしれないが、しかし本作は自身のアーティスト性を塗り替える事に成功した自己啓発な作品であり、そして単純にかっこいい。

Check "DJ Nobu"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Joris Voorn & Cassy - Cocoon Heroes (Cocoon Recordings:CORMIX040)
Joris Voorn & Cassy - Cocoon Heroes
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
数多くのタレントを擁するドイツのCocoon Recordings。夏の間は享楽の地と化すイビサはAmnesiaで著名なDJを集めて"Cocoon Heroes"を開催しているが、そのパーティーをCDとしてJoris VoornとCassyがパッケージしたのが本作だ。とは言ってもこの二人が年中Amnesiaでプレイしているわけでもなければ、生粋のCocoonのメンバーと言うわけでもないので、レーベルカラーとは関係なく二人のDJが聴けると言う意味では安心してよいだろう。Joris Voornのミックスについては80分の中に26曲も詰め込み完全にグルーヴをコントロール下においた精密なプレイを聴く事が出来るが、やはり初期の頃に比べると妙に大人びていると言うか抑制されたミニマル色強めな印象だ。恐らく全てがPC内で組み立てられているのだろう、確かに上品に纏められたプレイには繋ぎも展開も違和感無くスムースに聴けるのだが、しかしそれにしたって少々臨場感や人間味と言うものが欠けている気がする。後半に入ればミニマルに深く潜っていく音とメロディアスな音が融け合いながら、パーティーでのピークタイムへと駆け上がっていく昂揚感が増しては行くのだが、初期の初々しさも感じられたテクノクラシックを使用したプレイの方が彼には合っている気がするのだが。対してCassyは13曲だけの使用ながらも鉄鋼のような芯のある太さを基盤に持ちつつ、官能的な夜っぽさや野性的なトライバル感を含むテクノともハウスとも取れる中庸なプレイをしている。しかしJorisの何処か機械的なミックスに比べCassyの方はグルーヴが走っていて、むしろこちらの方が男らしい気迫を感じさせる力強い音を鳴らしている。個性的なプレイではないのだがパーティーの白熱した光景が浮かび上がる生き生きとしたプレイではあるし、余りに凝ったミックスよりは単純な方がやはり踊るには適している場合もあるのだろう。

試聴

Check "Joris Voorn" & "Cassy"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO9 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Vedomir (Dekmantel:DKMNTL 009)
Vedomir
Amazonで詳しく見る(MP3)

2010年頃からFirecracker Recordingsや3rd Strike Recordsと言ったカルトなハウスレーベルからの作品で注目を浴び、2011年に至ってはほぼ毎月世界各地の良質なハウスレーベルから新作をリリースし、2012年になってもその勢いが全く衰えないウクライナのMikhaylo VitykことVakula。EP中心に非常に膨大なアーカイブを残してはいたものの全容を知る為のアルバムのリリースには至っておりませんでしたが、遂にVedomirと言う変名でLP2枚組でのアルバムリリースを果たしました。Vakulaと言えばポスト・デトロイト・ビートダウン的なねっとりとしたグルーヴ感を持ち、華麗に浮遊するシンセサウンドや温かみのあるアナログ風な手作り感を重視していた様に思われますが、Vedomir名義での本作では更に進化/深化を遂げていてアルバムと言うフォーマットを十分に生かした作品となっています。幕開けとなる"Jump In The Past"からして壮大な展開を予感させる不気味な胎動が蠢くアンビエントで、そこからディレイの効いたコズミックなシンセが心地良い物哀しいハウスである"Musical Suprematism"へと続き、更にはAIテクノ風のレトロ感匂わせるブレイクビーツ"Casserole 80s"など序盤から意外な展開が続きます。そして幽玄なシンセと図太い4つ打ちによる踊れるディープハウス"Forks. Knives And Spoons"もあれば、"Scream Of Kind Morning"の様にざらついたロウなハイハットに不気味な雄叫びが絡むシカゴ・ハウスまで、Vakula名義とは異なり自分の中の音楽的影響を全て曝け出す事に専念している様にも聞こえます。確かに様々な音楽性を取り組んではいるものの統一性が無い訳でもなく、手作り感のあるラフなビートや人情味のある優しいメロディーでアルバムを染め上げられて、彼が愛するアナログサウンドの温かさを前面に出した作風は確かにVakulaである事を主張もしています。色々なタイプのハウスが収録されているのでDJにも重宝するでしょうが、ホームリスニングとしてもVakulaの魅力が伝わってくる力作ですね。

試聴

Check "Vakula"
| HOUSE7 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/04/29 Cassette label duenn presents ¨ex¨ @ 落合SOUP
GW前半で踊りまくった後での最後の締めは、福岡のアーティスト・duennが主宰するカセットレーベルであるduennの東京初パーティー。このレーベルはデジタル配信が増すこのご時世の中で、CDでもなくヴァイナルでもなくカセットで活動を行なっております。この度はカセットでの新作リリースを行った流れからなのか白石隆之、duennとコラボレートした元Supercarのナカコーのプロジェクト・nyantora、ライターである原雅明を呼び寄せ、そしてduenn本人によるライブも披露するパーティーとなりました。
続きを読む >>
| EVENT REPORT3 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Funf (Ostgut Ton:OSTGUTCD15)
Funf
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤) Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
現在のベルリンテクノシーンを圧巻するクラブ・Berghain/Panorama Barが主宰するOstgut Tonですが、今年で5周年らしくその記念として2枚組コンピレーションが制作されました。曲を提供したのはOstgut Tonで活躍するアーティストに加え、Berghain/Panorama Barでレジデントを担当しているDJやそこにゲストに呼ばれたDJなど、つまりは完全にBerghain/Panorama Barの最新のモードを体現している人達です。そして驚くべきは全曲新曲な上に、なんとBerghain/Panorama Bar内で録音・編集がされたと言う事。世界屈指と言われるクラブの独特な音の鳴りまでも取り込んだ手の込んだ内容で、そしてアーティストに何も制限を設けずに楽曲制作が行われたそうです。そんな訳でメジャーな音の一切を拒絶する甘さ全く無しの冷たいテクノが聴けるのは当然で、硬い金属音が鳴りが響く無機質なテクノや暗闇の広がる陰鬱なミニマルなど、クラブでの鳴りが良さそうなトラックが多め。どうしてもツールとしての利便性の高い楽曲が多くなるのは事実として、ただコンピレーションとしてもベルリンテクノの今を感じる事が出来ると言う意味での楽しみもあります。聴いている内に体もうずうずしだしてクラブの爆音でこんなベルリンテクノを一晩中浴びたくなるような魅力もあり、テクノ好きには是非とも聴いて欲しいコンピレーションです。

試聴

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - In The Mix - Simply Devotion (Cocoon Recordings:CORMIX026)
Cassy - In The Mix - Simply Devotion
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
今テクノで隆盛を極めているレーベルの一つ・Cocoon Recordingsと言えば、昔の巨人みたく他のレーベルで育ったアーティストを上手く流用している感じで余り好みのレーベルではないのですが、この"In The Mix"シリーズだけは通な人選と高品質を保ち続けていて好感の持てる所です。そして新作はドイツで今最も熱いとされるクラブ・Panorama Barのレジデントの一人・Cassyが担当。以前のMIXCDもかなり渋い音でしたが新作も相当に渋く、前半はシカゴハウスの不穏な空気とドイツのミニマル感覚を足したモノクロな音が中心。緩いテンポながらもねちねちと重く濃いグルーヴがあり、中盤からはテック系も混ぜたりするも全然アッパーにならずに暗めの廃退的な音が続きます。終盤でようやく日の目を浴びるように情緒漂うディープハウスに移行して、程よい盛り上がりを見せて上手く終わりを迎えます。こう書いてみると何だか単調で地味な印象を受けるかもしれませんが、実際は緩いハウシーなグルーヴは上げず下げずの微妙なバランスの上に成り立っていて、派手ではないけれど高揚感がじわじわと染み入るプレイでした。しかし実際にこんな感じでクラブでもプレイするのかしら?ラウンジ向けだと丁度良い位な気もする。

試聴

Check "Cassy"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE5 | 10:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Calm - Mi-Mix (Octave Lab.:OTLCD-1259)
Calm-Mi-Mix
Amazonで詳しく見る

夏の終わりが近づき、秋の足音が聞こえてくるこの頃。今年の夏は予想を覆して、海水浴やお祭り、バーベキューと色々な出来事があって感慨深い気持ちです。そしてまだまだ夏が終わって欲しくない、そんな気持ちを呼び起こすMIXCDが登場。ミックスを手掛けるはセンチメンタル一直線のCALM。メタモルフォーゼの朝方の雰囲気を意識して作った本作は、確かに緩めでリラックスしたムードが漂うバレアリックな展開。夜通し踊りまくって汗臭さの向こう側に感じる充足感、そして終わりを迎えてしまう切なさが漂う朝方のあの空気だ、それがここにはある。もう無意味にアゲアゲな選曲で踊らせる事はしない、ただただ流れてくる心地良く優しい音楽に身を委ねれば良い。そうするだけできっと体は再度動きだし、足はステップを踏み、薄れいく意識の中で心が満たされていく。朝日が昇り始め霧靄が開き始める、そんなシーンが浮かんでくる朝方の音楽。とても心地良いです、心が安らぎます。

試聴

Check "Calm"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE5 | 09:16 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2009/07/03 (FRI)
UNIT 5th Anniversay Party
Live : SILVER APPLES, Buffalo Daughter, SALMON feat. MAKI999
DJ : KENJI TAKIMI, DJ NOBU, CHIDA, DJ KIMI

2009/07/10 (FRI)
CABARET Celebrate the 5th anniversary of UNIT!!
DJ : DANIEL BELL, CASSY

2009/07/10 (FRI)
Bound for Everywhere -3rd Anniversary- @ Wedge
DJ : Calm

2009/07/11 (SAT)
MILD SEVEN presents BLUE WINDY NIGHT @ ageHa
DJ : Francois K, Derrick May

2009/07/17 (FRI)
THE BEACH @ MICROCOSMOS
DJ:Toshio Matsuura, Kaoru Inoue

2009/07/19 (SUN)
MIDNIGHT DJ LOUNGE “human” @ MICROCOSMOS
DJ : Nick Jones, Aron T

2009/07/19 (SUN)
Francois Dubois aka Funk D' Void Japan Tour Osamu M&Satoshi Fumi "Outerspace" Release Party @ Womb
DJ : Francois Dubois a.k.a. Funk D'Void, Osamu M, Satoshi Fumi

2009/07/31 (FRI)
WARRIOR ON THE DECKS Launch Party @ Air
DJ : Ken Ishii

スケジュール的に行けないのが多いです。ミクロコスモスの"The Beach"なんか楽しそうで行ってみたいのに。デリック×フランソワは流石に来日し過ぎて、有り難みを全く感じなくなっているこの頃。月末のケンイシイは久しぶりに行きたい。GWはクラシック回しまくったそうで、今回も期待したい。
| UPCOMING EVENT | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Kings Of House Compiled By Masters At Work (Rapster Records:RR0045CD)
The Kings Of House Compiled By Masters At Work
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
長らくNYハウスミュージックの歴史を切り開いてきたMasters At Workが、ハウスミュージックを根こそぎ掘り下げたMIXCDが本作。最近のハウスはほぼ皆無、なのでまあこれに食い付くリスナーはだいたい30歳以上とかのクラバーが多いんじゃないかと。Kenny Dope Gonzalezはシカゴ〜デトロイト、Little Louie Vegaはシカゴ〜ニューヨークのハウスを中心にガチなオールドスクールっぷりを発揮。80年代のトラックが多めでやっぱり音自体は古いと言うか時代を感じるし、最近の綺麗目でお洒落かつ洗練されたハウスに慣れている人は、こんな昔のハウスを聴いてどう感じるのだろうか。確かにここら辺の80年代のトラックは素人臭さの残る未完成な部分もあったりするんだけど、それでも何かが生まれる胎動や衝動も確かに存在している。技術や知識よりも勢いや気持ちが前に出ていて、とにかくハウスが爆発しようとしていたその瞬間の空気がここにはあるんじゃなかろうか。特にKenny Dopeの方はシカゴアシッドとかデトロイトのクラシックがたんまりと使用されていて、デトロイトファンとしは血が騒ぐってもんです。最初期のハウスの歴史を知る為の教典として、そして昔を懐かしむためのアーカイブとしても良さそうです。

試聴

Check "Masters At Work"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE4 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Cassy - Panorama Bar 01 (Ostgut Tontrager:ostgutCD02)
Cassy-Panorama Bar 01
Amazonで詳しく見る

テクノ系の音楽ではお世話になっているVinylismacid over the rainbowで紹介されていたので、ならば良質であろうと考え購入した一品。Cassyって言う女性DJで詳細は知らんが、LucianoやVillalobosらと一緒に名前が出てくる事が多いですね。でもまあ今ベルリンで最も隆盛を誇るであろうクラブ・Panorama BarのオフィシャルMIXCDなんで、期待していいんじゃないだろうか。ふむふむ、渋めのミニマルな流れが中心ながらもデトロイトっぽいのやアシッドも上手くミックスしていて、地味ながらも徐々に上げていく展開がかっこいいよ。そして特筆すべきはミニマルかつ冷淡でありながらも、ねちっこいファンクネスを感じさせる事が彼女のオリジナリティーを発揮させておるのだ。血の通ったプレイって言うのかね、奥底には熱さを感じさせるイメージ。テクノともハウスともミニマルとも言える幅広い選曲で、それらを上手くまとめて地味に盛り上がるよ。Ostgut Tontragerは今後とも注目しておいて損はないでっせ。

試聴

Check "Cassy"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO6 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Tadeo - Contacto (Net28:NET28CD2)
Tadeo-Contacto
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
もうね、マスゴミのミスリードは酷すぎ。京大生が大麻所持で逮捕されたんだけど、わざわざ見出しで「クラブで入手」とか強調する意味あんの?大麻を手に入れる場所がまるでクラブみたいな書き方しているけれど、実際は他の場所で入手する方が数は多いはずでしょ?クラブを悪者みたいな扱いにしたりしているけれど、実際にクラブ来ている人の中でドラッグやってる率とか調べてから書け、ボケマスゴミが。

身になるミニマル。巷ではどんどん有機的な方向に流れていっているミニマルですが、今でも頑なにJeff Mills系のミニマルを継承している人も僅かながらはおりまして、このTadeoもその一人。去年TadeoのEPでリミキサーにSubstanceとCassyが起用されていた事で僕は注目し出したんだけど、実際には2004年頃から活動してたみたいですね。最初に述べた様にJeff Mills系統なので、Sleeparchiveらにも共振する発信音の様な上物が特徴的なコズミックなミニマルが聴けるのですが、確かに流行の有機系ミニマルに比べると地味だから一般的な知名度が低いのはしょうがねーかなと言うのが率直な気持ち。でも実際にはRichie HawtinやMarcel Dettmann、LucianoがMIXCDで使用している辺り、ミックスにおいての機能性と言う意味では非常に使い易いのかなと思います。昔ながらのミニマルだから大きな展開は無いし音数も多くないから、ミックスしてこそ生きる様なミニマルなんですよね。地味には違いないけれど、一つ一つの音の美しさが際立つスペーシーなミニマルアルバムでした。激渋硬派!

試聴

Check "Tadeo"
| TECHNO6 | 07:30 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Sven Vath - In The Mix : The Sound Of The Fourth Season (Cocoon Recordings:CORMIX007)
Sven Vath-In The Mix : The Sound Of The Fourth Season
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
最近は仕事の都合で行きたいパーティーも行けない事が多く、結構ストレスが溜まり気味。幾ら生活の為に仕事が大事とは言え、自分の趣味が台無しになる様な仕事をしてたんじゃ何の為に仕事をしてるのかと気が重くなります。今年中には今の現場から平日日勤のみの現場に移らせて貰うように上司に懇願でもするかな。

GW前後に行きたいパーティは幾つかあるけれど多分行けなそうで、今の所行けそうなのがSven Vathが出るCocoonのパーティー位なんだよね。率直な意見としてSvenのプレイにはさほど興味が無いのでそこまで行きたい訳じゃないんだけど、これに行かないと他のパーティーには行けなそうだしなー。Svenのプレイはただ最近のヒット曲をぱらぱらと繋げるだけなので、矢継ぎ早で豪快なプレイやらミキサーをぐりぐり弄るプレイが好きな自分としてはそんなにSvenに好感を持ってないんですわ。Cocoonと言うレーベル自体も既に人気のある他のレーベルのアーティストの作品をリリースするだけだし。まあ流行に乗るのは上手いレーベルだとは思いますけどね。でもSvenが手掛けるこの"In The Mix"シリーズの4作目は、意外にも僕は好きだったりします。2枚組みで真夜中の熱狂的なプレイの"Mon"と昼間のアフターアワーズを意識したプレイの"Day"に分かれていて、どちらもメロディーがふんだんに使われた楽曲を多く使用しております。まっとうに4つ打ちを聴かせるだけではなく、ミニマルやダウンテンポやエレクトロニカ、果てはノリノリでロッキンな曲まで回してやたらとテンションの上げ下げが多く盛り上がりますね。特に"Day"の方はディープな雰囲気に元々トランス出身であった事を思わせる情緒的な快楽も滲み出ていて、耽美で狂おしい美しさを感じられるはずです。いまいち統一感の感じられないプレイではあるんだけど、快楽に落とし込むトランス感覚はSvenの得意とする分野ですね。

試聴

Check "Sven Vath"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Golden Silver Mixed by Kagami (Mytrix Music:MYTN-1024)
Golden Silver Mixed by Kagami
Amazonで詳しく見る

先日KagamiのDJプレイを生で聴きましたが、実は彼のMIXCDは一枚だけ持っています。フランスのGrosso Modo Production関連の音源のみを使用したレーベルサンプラー的MIXCDなのですが、これがとにかくイケイケで何が何でも気分を盛り上げる様なポジティブな作品です。レーベル自体の事は殆ど知りませんが音を聴いてみると、フレンチハウス、更に言うならばフィルターハウスばかりが使われています。フィルターハウスと言うのは特徴のあるフレーズをサンプリングし、それをループしながらエフェクトをかけて展開を作るハウスの事なんですが、有名なのだと初期Daft PunkとかCassiusとかがそんな音に当たるのかな。黒人の熱いファンキーさと言うよりは白人のキレのあるファンキーさを感じますが、ディスコのミラーボールが煌めき輝くキラキラ感もありますね。とにかく上物は派手でポップなのですが、リズムトラックはシカゴハウス系のスカスカで粗野な作りでこれがトラック自体を強靱な物へとしているんですね。なのでこのMIXCDはポップではあっても軟弱な音では無く、ポップでありながらタフな4つ打ちを存分に味わえる盛り上がり必至なMIXCDとなっているのです。とにかくアッパーでイケイケなので、ドライブしながら聴くとスピード違反してしまいそうですな。

Check "Kagami"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Andrew Weatherall - From the Bunker : A Rotters Golf Club Mix (Beat Records:BRC- 66)
Andrew Weatherall-From the Bunker : A Rotters Golf Club Mix
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
かつて行われていたElectraglideと言う大型テクノイベントは、時折マニアックなアーティストを呼んでいたので大型イベントの割には意外と好感を持っていました。中でもAndrew Weatherallは初年度(Two Lone Swordsmen名義)と2002年とで2回も参加していて、これには企画者のセンスにほとほと頭を下げたくなります。本作はそのイベントへの来日記念盤としてリリースされまして、Weatherall主宰のレーベル・Rotters Golf Clubの音源をWeatherallがミックスした内容となっています。かつてはWeatherallと言うとダウンテンポからディープハウス、テクノなどを中心にUKの音楽シーンを上手くまとめた感もありましたが、Rotters Golf Club設立後は完全にエレクトロスタイルで固めていますね。昔からエレクトロにも精通はしていたのでしょうが、近年はより攻撃的でダークなパンクエレクトロをこれでもかとリリースしていて、当分はこの路線で行くのでしょう。このMIXCDを聴いても刺々しく肉体に鞭を振るわれる様にビシバシと刺激が伝わってきて、自然と肉体に力が隠り手を振り上げて踊りたくなります。どう聴いても体育会系の音と言うか汗を振り散らし、狂った様にフロアで肉体の鬩ぎ合いを試みるパンキッシュな刺激がたっぷり。Weatherallって意外にも肉体派なんですね…。でもエレクトロがそんなに好きじゃない僕でも、これはカッコ良いと思いました。肉体を鍛えてマッチョになろうぜ!ちなみに収録曲の大半は実はWeatherallと、その相方のKeith Tenniswoodの曲だと思われます。

試聴

Check "Andrew Weatherall"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Ron Trent - Coast2Coast (NRK Sound Division:NRKCD028)
Ron Trent-Coast2Coast
Amazonで詳しく見る

シカゴディープハウスの天才・Ron Trentの新しいMIXCDは、NRKの"Coast2Coast"の第3弾として登場です。素晴らしい作品を量産しまくるアーティストである事はハウス好きの方は周知でしょうが、最近の傾向としてはフュージョン節に傾倒したハウスが多いかなと思います。ファンキーなシカゴハウス時代からアンビエントなディープハウスと来て、更にまた変化を遂げるとは懐の深いアーティストだなと常々感嘆します。僕は彼の作品はEPも収集する位彼の音楽にぞっこんなので評価もかなり甘めになってしまうのですが、そう言った事を考慮しても本作は外せないMIXCDとなっております。

まず幕開けにはピアノが前面にフューチャーされた"I'm In Love"。ソウルフルなボーカルと情緒のあるピアノの絡みが美しいですね。そして2曲目"The Shore"、3曲目"What Makes The World Go Round"は生音を強調したパーカッシブなハウスで、爽やかな風が舞い込んできます。そして4曲目でRon自身の傑作"Love To The World"が投入されます。開放的でコズミックなシンセサウンドが気持ち良く、これこそ現在のRon Trentのサウンドだと思います。6曲目"Sunshine (Ron Trent Mix)"では硬めのキックが聞こえるかつてのRon Trentらしいディープハウス。しかし8曲目"Flor Del Mar (Trinadian Deep Remix)"、9曲目"Starchild"ではまたもやフュージョンハウス全開で、広大な空に心が飛ばされてしまいそうです。そこからラストまではしっとりとムードのあるハウスで繋いで、落ち着いた旅の終焉を迎えます。渋さも甘さも深さも軽やかさも全てを兼ね備え、酸いも甘いも知り尽くした大人のプレイと言えるのでは。毎回質が高いので今更驚く事もないんですが、個人的には今後も安心して作品を買えるアーティストだと思います。ちなみに2枚目はMIXCDに収録されている曲が、ノンミックスで収録されています。

試聴

Check "Ron Trent"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Spiritual Life Music (Cutting Edge:CTCR-14187-8)
Spiritual Life Music
Amazonで詳しく見る

Joe Claussellが設立したSpiritual Life Music、なんとも凄いレーベル名だけれどもその名に恥じない素晴らしいハウス名作が多くリリースされています。Spiritual Life Musicはハードハウスが流行っている中96年に発足されたまだ新しいレーベルなんですが、このレーベルの影響は結構大きかったようでハウスの生音志向、アコースティック化が顕著に進んだようです。Joeがスピリチュアルと定義するレーベルの楽曲は確かに生暖かく、そしてダンスミュージックだけに留まらない音楽性を持っているのではないでしょうか。もちろんクラブでも流してもゆったりと踊る事が出来るだろうし、家でじっくりと聞き込んでも素晴らしさに気付くそう言った音楽なのであります。2枚組のレーベルコンピと言う事で、存分にスピリチュアルなハウスを満喫出来ますね。何はともあれTen Cityの「All Loved Out (Love Serenade Mix)」に注目。過去の作品をスピリチュアルにJoeがリメイクした物なのですが、アコースティックギターやピアノの儚い調べが涙を誘うLove & Peaceな一曲です。Spiritual Life Musicを最も表現していると僕が思う曲です。忘れてはいけないのが、4曲も収録されているJephte Guillaume。トライバルと言うかアフロと言うかリズムがより太古に近づいた感じで、尚かつ哀愁染み出るメロディーが武器。3 Generations Walkingの大ヒット曲「Slavery Days」、こちらも生音が前面に出たダブハウスでしっとりします。Joe Claussellの「Agora E Seu Tempo」なんかはもはやハウスを越えた作品。今風ならばクロスオーバーと言うのかな、秋が似合うしっとりメロメロな名曲ですね。他にもスピリチュアルでディープな名曲が満載なので、ハウスはあんま分からんって人にも是非聴いて欲しいですね。

Check "Joe Claussell"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Paolo Mojo - Balance 009 (EQ Recordings:EQGCD013)
Paolo Mojo-Balance 009
Amazonで詳しく見る

最近はまっているMIXCDが、プログレッシブハウスのMIXCDシリーズ"Balance"の9作目。担当をするのはSasha、John Digweedもその実力を認めると言うPaolo Mojoなのですが、披露しているプレイはプログレを中心にしながらもテクノとハウスをスムースに差し込んで、陰と陽を自在に行き交うボーダレスなセンスを感じさせます。まず1枚目はプログレやテックハウス気味のスムースな流れから始まります。時折ブリブリアシッドも入れつつ、局所的に陶酔系のドープな選曲。中盤はエレクトロハウスで少々テンションを下げつつ、熱くなった体を一端冷まします。そこから一気にDavina「Don't You Want It」→Underground Resistance「Transitions」のデトロイトハウスのクラシック連発で、盛り上がりも急上昇。流れを損なわずに最後は、ディープハウスの名曲「Deep Burnt」でストリングスが厳かに鳴り響き美しく締めました。そして2枚目はミドルテンポのプログレをがんがん回し続けるのですが、展開の多い曲(と言うか引っかかりのあるメロディーが多い)を多用して、楽天的かつ秘かにたたずむ妖艶さを醸し出しています。特に高揚感増すRobert Owens「I'll Be Your Friend」から、サイケデリックでモヤモヤなNathan Fake「The Sky Is Pink」に流れ込む瞬間は見逃せません。終盤は感極まるテックハウスMichel De Hey「Camera(Funk D'Void Mix)」でアッパーに盛り上げつつも、最後は名曲「La Ritournelle」でしっとりと儚い終焉を迎えます。全て聴き終わった後残るのは、安息の一時。久しぶりに完全に満足出来たMIXCDかもしれないです。プログレ系とは言いつつもテクノやハウスを織り交ぜているので、単調な流れに陥る事なく最後まで飽きずに聴けました。派手なミックスをする訳でもなく自然の流れに沿ったハウスビートなプレイは、心地良いの一言。絶賛お勧め中です。

試聴

Check "Paolo Mojo"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Motorbass - Pansoul (Astralwerks:ASW81839-2)
Motorbass-Pansoul
Amazonで詳しく見る

先日給料が入ったので、久しぶりに渋谷のユニオンへ行って中古漁り。そこでゲットしたのは、フレンチフィルターハウスの元祖:Motorbass。フレンチフィルターハウスを流行らせたのはDaft Punkなんですが、そんな彼らも影響を受けたのがMotorbassなんだとか。メンバーは現CassiusのPhilippe ZdarとAirをプロデュースしたEtienne De Crecy(って知らないな)の二人で、現在の活躍を見ればMotorbassが素晴らしいのも当たり前だったと言う事でしょうか。Daft Punkも影響を受けたと言うのはあくまでその手法だけで、Motorbassはもっとアンダーグラウンドでシリアスなハウスだと思います。ニューヨークハウスなんかにはどす黒いファンクや熱いソウルに溢れていますが、西洋の(特にフランス)ハウスにはそうゆう感覚は無く、逆に洗練され研ぎ澄まされたエレガンスが存在しています。決して下世話になる事もなければ派手過ぎる事もなく、品のある音楽なんですね。斜めに見れば気取っていると思われるかもしれませんが、それがフランス人気質なんでしょう。シンプルながらも意外と太いリズムトラックをループさせていて、Chateau Flightをストレースにハウス化させたらきっとこんな感じなんだろうと思いました。Daft Punkの100倍は良いよ、間違いない。ちなみにこれは再発盤なんで、初期レアトラックを納めたボーナスディスク付きです。

試聴

Check "Motorbass"
| HOUSE2 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Belle & Sebastian - Late Night Tales (Azuli Records:ALNCD14)
Belle & Sebastian-Late Night Tales
Amazonで詳しく見る(UK盤1)
 Amazonで詳しく見る(UK盤2)
全然知らないアーティストでも気になってるシリーズを手掛けていたりすると、ついつい購入してしまう場合があります。今回は一応試聴した後に購入したので、安心して手に入れられましたが。Azuli Recordsが手掛ける「Late Night Tales」は、アーティストが深夜に聴く音楽をコンパイルしたシリーズ物で、まあタイトル通りに深夜の物語的なしっとり落ち着くBGMとなっています。今回このシリーズを手掛けているBelle & Sebastianは、スコットランドのグラスゴー出身のポップバンドらしいですが、彼らのオリジナル音源は未聴なので前情報は全く無し。で試聴ではなく今度は家でじっくり聴いてみましたが、やっぱり優しいBGMで良いですね。普段テクノとかハウスとか聴いていると、BGMと言うよりは音に集中してしまう傾向が強いんですよね。ただ部屋をほんわか和ませたいのであれば、こういった軽めのダウンテンポな流れの方が適しているのではないでしょうか。普段クラブミュージックばかり紹介しているので、こうゆう音楽を僕が紹介すると違和感があるかもしれませんが、百聞は一見に如かず。ポップ、ロック、サイケデリック、ヒップホップ、フォーク、R&B、エレクトロニカなどなど穏やかに心落ち着く曲を集めたこのアルバムは、寝る時に小さな音で聴くと効果がありそうです。決してボリュームは上げずに、絞った音でしっとりと聴いて頂きたいと思います。

試聴

Check "Belle & Sebastian"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| ETC1 | 22:30 | comments(1) | trackbacks(1) | |
The Youngsters - The Army of 1-0 (F-Communications:F194CD)
The Youngsters-Army of 1-0
Amazonで詳しく見る
フランスのダンスミュージックとなると、一般的にはやっぱりDaft PunkとかAIRとかCassiusとかのフレンチフィルターハウスになるんでしょう。だけど他にもChateau Flightって言うお洒落なハウスユニットだってあるのに、世間の目は全く向けられない。なんてこったい。それになんと言ってもフランスと言ったら、あれでしょ、Laurent Garnier率いるF-Communicationsだろーがと突っ込みたい。これを差し置いてフランスのダンスミュージックは語れないだろうがと。でだ、Laurent Garnier自身もデトロイトテクノに影響を受けたトラックは作っているんだけど、レーベル内にはSoul Designer(Fabrice Lig)やそしてこのThe Youngstersなんかも似たような影響を受けているんですわ。この2枚目となるアルバム、発売は丁度一年位前だったかな。アマゾンで値下がりしたのでやっと購入に至りました。いやー、UK盤やフランス盤は高いから参りますわ。内容はどうかって言うと、デトロイトテクノとエレクトロが良い塩梅で混ぜられていますね。上物とかはデトロイトちっくなシャープな切れ味があるし、ベースはぶいぶい太っく唸っているし、同じくフランスのAgoriaさん(要注目!)と似ているね。まあオリジナリティみたいなのを感じる訳じゃないけど、堅実な出来で安心して聴く事が出来るんじゃないかと。憂いのあるダークなテクノだが、そのせいか時折見せる荘厳で美しい展開にははっとしてしまう。名前もジャケットもちとださいが、内容は安心して下さい。

試聴

Check "The Youngsters"
| TECHNO1 | 18:50 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Secondhand Sounds: Herbert Remixes (Peacefrog:PFG021CD)
Secondhand Sounds: Herbert Remixes
Amazonで詳しく見る
Herbertは凄い。自身の曲作りも凄い。その上のリミックスに関しても、とてつもなく凄い。リミックスの上手さに関してはCarl Craigと並ぶ程の凄さを持っている。このリミックスアルバムはもちろん他人の曲をリミックスしたものを集めただけなのだが、それ以上のものだろう。単なるハウスとは一線を画す、マイクロハウス。音を選びつつ端正に散りばめられた音、隙間を生かし少ない音数ながらも独自の世界を作り出す。既存の音は使わないと言う、音には最大のこだわりを持つ彼独自の音と、独自の音の配置が相まって最大の効果をもたらすのだろう。知性のかたまりの様な彼だが、また子供の無邪気な遊び心に溢れたユーモアのな一面も見せる。そしてお洒落でキュートな音楽でもあるのに、硬派なテクノよりもテクノらしい音楽でもある。実験性と実用性を兼ね備えたトラックと言うものは、きっとこうゆうものなだろう。何度も言おう、これはリミックスアルバムだがこれは紛れもなく彼自身のアルバムだ。ある意味Herbertの最高傑作。

試聴

Check "Matthew Herbert"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier - Excess Luggage (F-Communications:F1873CDBOX)
Laurent Garnier-Excess Luggage
Amazonで詳しく見る

元料理人でありフランスの伊達男、ローランガルニエ。そのプレイはテクノ伝道師とも言える幅広い選曲で、一夜のプレイで様々な面を伺う事が出来る。個人的にはテクノセットが好きだけど、ハウスやロック、果てはドラムンベースまでも回す何でもありな人です。そんな彼もデトロイトにはやはり興味があるのか、自身のアルバムにおいてデトロイトライクなトラックを多く作っています。さてこのMIXCDは2000年のSONAR、2002年のデトロイト、後多分PBBと言うラジオのライブを収録した物でやはり彼の幅広い選曲を体験するにはもってこいです。

一枚目のSONARのプレイはハウス中心のセットでムーディーな物から、シカゴ、アシッドまで気持ち良く聴けます。DAVINA-Don’t you want itはデトロイトハウスのクラシック、今年のイエローでのプレイでも回していました。

二枚目は血管ぶち切れデトロイト中心のMIX。しょっぱなHi-Tech Jazzですよ!この曲は他のDJにもここ1、2年で実際のDJでよく使われている気がします。ほぼデトロイトに関連のある曲を使っているので、デトロイト好きには必ず受けると思います。終盤自身のThe Man with the red faceは、彼の曲の中でも最もデトロイトへの愛着を示した結果となるものでしょう。そこから69-Desireに繋ぐと言う悶絶必至のMIXです。

三枚目のラジオでのプレイは、テクノやハウスじゃなくてダウンテンポなのかな。寂れたバーとかで流れてそうな感じで、哀愁がありますが僕は余り聴いていないので何とも言いようがありません。

実際のプレイではテクノ→ハウス→ロック→…と目まぐるしくどんどん変わっていくので忙しい感じもするけど、一夜にして壮大なロングジャーニーを経験する事が出来ます。そして今週末にageHa、来週月曜にYellowと今回は2回も東京でプレイ。この機会に是非ともテクノ好きは、ガルニエのプレイを体験してみてはどうでしょうか。

試聴 

ちなみにこのMIXCDには4、5枚目がありF-COMショップ直販で買えます(現在はアマゾンでも購入可)。4枚目がデトロイトとシカゴハウスのクラシックを多用したMIXで超絶物です。僕は当然買いました。

Laurent Garnie-Excess Luggage
Amazonで詳しく見る(4、5枚目の方)


試聴

Check "Laurent Garnier"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO1 | 17:19 | comments(2) | trackbacks(1) | |