2018/10/13 Chez Damier Japan Tour @ Contact
シカゴ・ハウスのディープ方面の伝説的レーベルであるPrescription、それを運営していたのが一人は今もなお積極的に制作/DJを行うRon Trent、そしてもう一人がChez Damierだ。前者に比べると一時期はシーンから遠ざかっていた時期もありDJとしてもそれ程活動的ではないためやや忘れ去られていた時期もあったが、近年のヨーロッパのミニマル隆盛に合わせたように再浮上し、シカゴ・ハウス発ながらもミニマルの機能性も持ち合わせたそのハウス・ミュージックは現在形で発展している。来日は非常に少なく今回は5年ぶりと貴重な機会になるが、そこに合わせて日本からはシカゴ・ハウスならば何はともあれRemi、そして様々なスタイルを持ちながらもハウス・ミュージック愛も強いCMTなど、強力な布陣を構えてのパーティーは間違い無しだ。
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2018/5/25 THE OATH -feat.Dazzle Drums 10 Hours Logn Set- @ Oath
青山のクラブ・蜂の摘発の一件もあり、東京の小箱もその影響を受けて営業が難しくなっている昨今。Oathもその直後は夜中は音量を下げているとかの話もあったり、または公式twitterでも過度のダンスをしている場合には注意するというアナウンスを出したりと、やや不安を受けるように感じられた。しかしそんな中で今回Dazzle Drums単独による10時間セットが行われる事が突如として決定した事もあり、現状のOathを確かめる事も兼ねて久しぶりに出向く事にした。
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Deetron - DJ-Kicks (!K7 Records:K7359CD)
Deetron - DJ-Kicks
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3台のターンテーブルを駆使してヒップ・ホップ上りのミックステクでハード・テクノなDJをしていたのも今や昔、制作するトラックもいつしかメロウでソウルフルな感情性豊かな作品へと移行し、上手く時代の波に乗って進化を遂げてきたDeetron。マイペースで作品をリリースしアーティストとしての確かな評価を獲得しつつ、『Fuse』や『Balance』に『Fabric』等の名物MIXCDシリーズにも抜擢されてきたDJとしての手腕もあり、かつてのハードテクノ勢の中では面白い変化を見せながら独自の音楽性を確立しているが、遂にこの『DJ-Kicks』にも参戦とはやはり海外での評価は日本よりも確かなようだ。本作でも分かる通りテクノ〜ハウスの境目を融かすように混在させる選曲の審美眼、ダンスとリスニングの親和性、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのクラシックからモダンな時代の曲までと、どれにも偏らずに一つの流れへと組み込んでいくバランス感は比類なきモノで、80分34曲に渡るシームレスなミックスは優雅でさえある。オープニングからしてCarl Craigのガラス細工のような繊細な美しさを発する"Goodbye World"で始まり滑らかにビート入りの曲がミックスされ、古き時代の変異体ディスコの"School Bell / Treehouse"でアクセントも盛り込みつつ、シカゴ・ハウス名作の"Waterfall (Deetron's DJ-Kicks Version)"で垢抜けないながらも原始的なソウルの感情性を高めていく。そこからもジャズ・ファンク色なBurnt Friedmannからインテリジェンス・テクノな趣きのSpacetime Continuum、変異体テクノのMorgan Geistなどジャンルはばらばらなれどエモーショナルな共通項で雰囲気を作っていく。中盤ではDJ Kozeの甘美なサイケデリアの"Let's Love"からRon Trent & Chez Damierの幻想的でディープな朝方をイメージする"Morning Factory"へと繋がる瞬間が得も言われぬ程に素晴らしく、そこからはややテクノ寄りにグルーヴ強めの流れへと入り、リズムの崩れたダブ・ステップや逆にソウルフルなボーカル曲も用いて後半に向けて盛り上がる。そんな中にも古き良き時代のAIテクノのBlack Dog Productionsによる"Flux"を聞くと懐かしさが込み上げたりもするが、DeetronやDJ Boneによる骨太で激しいテクノもミックスしながら突入するFloorplanからTerraceにDerrick Mayのデトロイト系繋ぎの流れは非常にドラマティックで、非常に押し引きが上手い。そして混沌としたベース・ミュージック風な"Old Fashioned"から一気にテンションが落ちて、レフトフィールドなポップソングの"Strange Emotion"で今までの喧騒から解放される静謐な閉じ方は心残り無く綺麗に音が消えていく。いまいち日本に於いてはその実力に対しての正当な評価を獲得しているようには感じられないが、本作はそんな評価を覆すには最適なMIXCDで、Deetronのエモーショナルな音楽性を十分に堪能出来る事だろう。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Mental Breakdown (Mojuba:MOJUBA G.O.D. 4)
Chez Damier - Mental Breakdown

ダビーで美しい音響の深遠なるディープ・ハウスを聞かせるドイツはMojuba Recordsは、その一方でシカゴ・ハウスのレジェンドを招いてもはや古典とも言えるディープ・ハウスをリリースしたりと新旧関係なく素晴らしい音楽に取り組んでいるが、その後者の方で活動盛んな一人がChez Damierだ。近年は他アーティストと共演しモダンなミニマル・ハウスへの接近も見せたりしているが、ここMojubaに於いてはやはりDamierらしい叙情的でメロウな人間味溢れる作風が反映されている。本作では新作1曲と共に過去にリリースされたリミックス2曲を収録しているが、レーベルを主宰するDon WilliamsことOracyがエディットした"Mental Breakdown (Oracy's Psychic Rainfall Edit)"はシカゴ・ハウスの荒々しいファンキーさとデトロイト・テクノの叙情性が一つになったような作風で素晴らしい。シャリシャリとした粗くざらついたハイハットが目立つビート感は寒々しいものの、次第に入ってくるオーケストラを思わせる荘厳なストリングスは正にデトロイト的な響きがあり、Damierの作品にしてはややテクノ的な質感を感じるが跳ねた感のあるグルーヴと合わせてファンキーかつエモーショナルな太いハウスになっている。裏面には1994年にリリースされたリミックスの再録にはなるが、ハウスのグルーヴはありながらもDamierのボーカルをぶつ切りサンプリング的に用いながらミニマル的な持続感とアシッド・サウンドもひっそりと混ぜて持続性を重視した"Never (Jeff + Gregg’s Favourite Original Foxy's Classic)"、そしてフレンチ・ハウスの名手であるSt. GermainによるDamierのソウルフルなボーカルを活かして気品さえもある洗練されたジャジー・ハウスに仕上げた"Never (St Germain Revamp)"と、90年代クラシックのような時代性を感じさせつつも時代を越えていく普遍性もある楽曲は魅力的だ。こういったリイシューが単に懐古主義とみなされるのではなく、アーティストの再評価に繋がる意味でMojubaの掘り起こしは評価すべきだろうし、そして現在のDamierの後押しになるに違いない。



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| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Villa H2H - Villa H2H Villalobos Remix (Perlon:PERL113)
Villa H2H - Villa H2h  / Villalobos Remix
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2017年5月にはリリースされていたので紹介するのも今更な1枚ではあるが、ミニマル・ハウスのアンダーグラウンドを地で行くPerlonからとは言え、更に奇跡的なコラボレーションによって完成した作品を紹介せずにはいられない。それこそシカゴのディープ・ハウスのレジェンドであるChez DamierとBen VedrenによるユニットのHeart 2 Heartに、ミニマル・ハウスという枠組みさえ越えて神格化されているRicardo Villalobosが合流したプロジェクトであるVilla H2HによるEPであり、話題性だけでも魅力的な作品である事は言うまでもないだろう。何だか異色の組み合わせにも思うかもしれないがVillalobos自身は自らが制作する音楽をハウスだと認識しているのだから、それを知っていればあながちこのプロジェクトは意外でもない。収録された内の"No More (Ricardo Villalobos Remix)"はHeart 2 Heartの未発表音源をVillalobosがリミックスしたもののようだが、これは完全にVillalobosの持ち味が全開になった湿り気を帯びたキックによるスカスカのグルーヴにゆらゆらと酩酊させられるミニマル・ハウスで、断片的に差し込まれるピアノは不協和音の如く不安を煽り、そしてDamierによる呪詛のような不気味なボーカルも加われば妖艶さがどこまでも増して形容のし難い魅力を放つ。他3曲はベルリンにおいて3人がセッションをして完成したバージョンの異なるもののようで、これらの方はVillalobosらしさに加えDamierやVedrenのよりハウシーなリズム感やパーカッションも活きている。酩酊感たっぷりにふらふらとしたDamierの呟きにかっちりしたハイハットやキック、そして奇妙なに蠢くベースラインが走る"Conspiracy One"は、スカスカの間を活かした疾走感のあるミニマル・ハウスで軽快さがある。よりリズム感が直線的なハウスへ接近し微かに浮かぶテッキーな上モノを用いてテック・ハウス感の強い"Conspiracy Two"、Villalobos色が打ち出て奇妙な金属パーカッションやぬるぬるとしたグルーヴによるドープにはめる"Conspiracy Three"と、それぞれ異なるタイプの3バージョンあるもののどれもフロアでミックスされてこそ効果を発揮する機能性を追求したミニマル・ハウスは、重鎮が揃ったという話題性に負けない内容がしっかりとある。面白い組み合わせではあるので、折角ならばこの面子でアルバム制作も期待したいものだ。



Check Ricardo Villalobos, Chez Damier & Ben Vedren
| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent Presents Prescription Word, Sound & Power (Rush Hour Recordings:RH RSS 020 CD)
Ron Trent Presents Prescription Word, Sound & Power
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レコードショップとして、レーベルとして、ディストリビューターとして今や特定のジャンルではなくダンス・ミュージックの界隈の中では特別な存在として賞賛を一身に受けるRush Hour。特に近年の功績の一つには時代に埋もれてしまった、しかし輝きを今も尚放つ過去の作品の発掘があり、例として寺田創一のコンピレーションは寺田の再評価を決定付ける作品になるなど、音楽への嗅覚は類まれなるものだ。そんなレーベルが自信を持って送り出したのが、Ron TrentとChez Damierがかつて共同運営していたPrescriptionのレーベル・コンピレーションであり、シカゴの初期ディープ・ハウスを象徴するサウンドが詰まっている。現在まで多大なる影響を残すハウスのレーベルであり、時代に埋もれたどころか余りにも有名な存在ではあるが特に初期作品はレアになっている物が多く、ここにそういった名作を纏めた仕事を完遂したRush Hourに対し頭が下がる思いだ。そしてここに収められた曲は広義の"ハウス・ミュージック"ではあるが、それらを一括りには出来ない程に深い広い音楽性を持っている。DamierとTrentによる永遠の名曲"Morning Factory"は、パーティーの夜明けの時間帯に疲労感の中で優しい瞑想へと誘うアンビエント感たっぷりなディープ・ハウスで、ねぼけまなこな陶酔感が続く。発売当初はタイトルの無かった"Don't Try It"、ソウルフルで深く美しいボーカル・ディープ・ハウスは胸を締め付ける程に感情的だ。その一方でミニマル・ハウスのDJが実際にプレイをする"I Feel The Rhythm"は、Ronらしい優美な装飾性もありながらミニマルとしてのグルーヴ感もあり、機能面での実用性も高い。勿論アフロな要素も持っているRonにとっては、盟友Anthony Nicholsonとの共作である"Soul Samba Express"において土臭く生々しいリズム/パーカッションを得意気に披露しつつ、流麗なシンセやピアノによって飛翔感あるディープ・ハウスを展開。セクシーな歌とアンビエンス度の高い艶のある"The Answer"、切れのある跳ねるような4つ打ちのファンキーかつエモーショナルな"The Choice"と、歌物ハウスに於いても時代に左右されない普遍性と抜群のメロディーセンスを披露しており、ある種ディープ・ハウスの王道を確立させたような感もある。収録されている曲全てが当然ではあるが捨て曲無し、そしてここには未発表曲も収録されるなど、シカゴ・ハウスやRonにPrescriptionのファン、いやそれより広くハウス・ミュージックのリスナーであれば是非とも聞いて損は無いコンピレーションだ。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Gravity (deepArtSounds:dAS016CD)
Anthony Nicholson - Gravity
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シカゴのディープ・ハウスのアーティストとして堅実な活動を続けるAnthony Nicholson。Ron TrentやChez Damierの盟友であり音楽的にも共通点が多く、パーカッシヴなリズムやフュージョン的なメロウな旋律を活かした作風のハウスは、ディープでありながらも屋外に合うような開放感も伴っている。本作は前作に続きシカゴ系に特に力を入れているスイスのDeepArtSoundsからとなるが、元々は2016年にアナログのみでリリースされていたものが幸いにも2017年になってCD化された。基本的には既に前述の作風は確率されており近年の作品でもどれも大きな変化はないが、本作では殆どがボーカル・トラックとなっており、メロウな音楽性がより活かされているように感じる。スペーシーなシンセや耽美なローズ・ピアノにジャジーグルーヴ溢れる爽快なパーカッションが組み込まれた"Miquifaye El Tema"は、麗しい女性の声も伸び伸びと広がって、曲に更なる広がりや爽快感をもたらしている。"Imagine"はあのJohn Lennonのカバーであるが、当然原曲とは異なり爽やかで青々しいダンス・グルーヴが走っていて、アフロパーカッシヴな響きやメロウなピアノ等が織りなすジャジーハウスになっている。"Too Late"では以前から繋がりを持っているLars Bartkuhnがギターで参加しており、ダビーなパーカッションが水しぶきのように弾けつつも、優美なシンセやピアノの共にフュージョン性の強いギターが豊かな響きを加え、嬉々としたフュージョン・ハウスを聞かせている。大半が滑らかな4つ打ちを軸にしたディープかつジャジーなハウスではあるものの、"Discojazzfunkdelite"ではややその形式から外れた変則的なビートを叩き出しておりアルバムにアクセントを加えているが、生っぽい音を軸に情熱的なギターカッティングやメロウなローズ・ピアノに麗しいシンセのコード展開などそのどれもが溜息が出る程に美しい。どれもこれもメロウで自己陶酔してしまうような甘くも切ないハウスは、この手の音楽の中でも特にロマンティックな作風を得意とするNicholsonの十八番と呼べるもので、金太郎飴的になってきてはいるものの好きな人にとっては堪らないだろう。何より定期的にアルバムを制作し自身の音楽性を的確に表現するのだから、DJよりもアーティストとして評価されるべき存在なのだ。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/12/28 THE OATH -Year's End Special- @ Oath
年末になれば休みに合わせて面白そうなパーティーが増えてくるが、本年度の最後に選んだパーティーはXtalとGonnoによるThe Oathの年末度スペシャル。今となっては海外でも注目を集めるまでに躍進したGonno、そしてTraks Boysやポップスバンドの(((さらうんど)))としても活動しながら今年初のアルバムを完成させたXtal、その二人だけのロングセットを小箱であるOathで体験出来るのは、逆に贅沢で貴重なものだろう。大箱とは客層も雰囲気も異なる場所で、パーソナリティー性が強いに違いないプレイを聞きに、Oathへと足を運ぶ事にした。
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| EVENT REPORT6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/6/10 Lose Yourself @ Sankeys TYO
2015年3月、ベルリン・ハウスシーンの魅力的なDJ/アーティストをフィーチャーするというコンセプトで立ち上がったLose Yourself。一端はAirの閉店と共にパーティーも立ち消えになるかと思ったが、Airの跡地に新設されたSankeysで目出度く再始動する事になり、その再始動の初回にはAirでと同様にIan Pooleyがゲストとして呼ばれる。そして日本からはTakahashi Kuniyuki、パーティーのレジデントであるMotoki a.k.a. Shameらが出演し、Sankeysという新たな場所でどんな軌跡を描き出すのか。
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| EVENT REPORT6 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther & Alixkun - ハウス Once Upon A Time In Japan... (Jazzy Couscous:JC02)
Brawther & Alixkun - ハウス Once Upon A Time In Japan...
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今から約5年前、突然Facebook上でメッセージを送ってきて、日本のコマーシャルではないアンダーグラウンドなハウスを教えてくれと言ってきた外人がいた。ほんの短い時間ではあったがお互いの好きなアーティストを紹介し合ったのだが、その人こそ古きジャパニーズ・ハウスをこよなく愛するBrawtherだ。フランスはパリで活動しChez Damierに認められBalanceから作品をリリースし、今ではよりミニマル性の強いDungeon Meatを立ち上げて、DJ/アーティストとしての活躍の場を広げている。そしてもう一人、東京在住のフランス人DJであるAlixkunも同様に日本のハウスに心酔しており、Ele-king等でもかつて和製ハウスについて語っている。そんな二人が2010年頃に出会い、全国各地のレコードショップを歩き周り、歴史に埋もれ埃を被っている日本のハウスを掘り起こす作業を数年に渡り行っていたそうだ。その深い愛情の結果として生まれたのが、日本の80年代後半から90年代前半のハウスに焦点を当てたコンピレーション、「HOUSE」ではなく「ハウス Once Upon A Time In Japan...」だ。KatsuyaやT.P.O.に福富幸弘などの名のあるアーティストから近年のリイシューで名を知られるようになった寺田創一、逆に相当のマニアでも知らないであろう名前を耳にした事のないアーティストの曲まで多く収録されている。90年代前後と言えば丁度NYハウスが世界的に盛り上がっていた時期で、日本のクラブシーンでもそれに対し羨望の眼差しはあったのだろうか、本作に収録されたアーティストのようにNYハウスを目指したハウスを作り出すアーティストがぽつぽつと現れていたようだ。ただやはり日本人は日本人、ディープであったり跳ねたファンキーさもあったりするも決してNYハウスには成りきれず、いや、だからこそそんな作品はHOUSEではなく日本らしい味わいを持ったハウスになったのだろう。実際に本作に収録された曲からは確かに心に訴えかける温かみ持ったソウルフルなハウスや、軽い浮揚感を持ったディープ・ハウスに覚醒感のあるアシッド・ハウスまで、その当時のハウスの聖地を目指すような意識は含んでいる。しかし何故だかハウスのルーツである黒人音楽らしい香りは希薄で、逆に何だか日本の郷土愛が感じられる懐かしみがあるのが、ジャパニーズ・ハウスなのだろう。何にせよ、二人の情熱が無ければ知らないままであった当時のハウスが、本作で正に時代を越えて蘇った事はハウスを愛する者にとって、当然祝福すべき事象以外の何事でもない。昔を知る者もそうでない者にとっても、日本のハウスへの興味を抱かせるには十分過ぎる作品だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Soul Clap - Watergate 19 (Watergate Records:WG 019)
Soul Clap - Watergate 19
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今までに数多くのレーベルやDJがパーティーでの雰囲気を仮想的に体験出来るMIXCDを制作していたものの、現在ではWeb上には無料でのミックスが無造作に溢れる事で公式で販売する事のメリットは薄まり、徐々にその市場は狭まりつつある。しかしベルリンの大型クラブであるWatergateはこんな状況の中でもMIXCDをシリーズ化しているが、その最新作はSoul ClapによるWatergateでの今年7月のプレイをライブ録音したものを作品化している点で、これこそ正にパーティーの臨場感をはっきりと体験出来る点で意義を見出す事が出来る。Soul ClapはUSのボストンにて活動する二人組でR&Bやヒップ・ホップまで内包するモダンなディスコ・ハウスを手掛け、人気を博す中で最近ではFunkadelicでの共作でも名前が出たりと、非常に勢いを感じさせるユニットの一つだ。そんな彼等がピークタイムから太陽が燦々と降り注ぐクローズに向かっての時間帯に繰り広げたプレイは、意外や意外、ヴァイナルのみを使用してクラシカルなハウスやディスコを中心とした選曲でオールド・スクールな雰囲気を爆発させている。歓声が湧き上がるスタートからいきなりDeep Dishの変名であるChocolate Cityの"Love Songs (Taxi Luv)"で黒いファンキーさを打ち出したハウスで始まり、Alexander EastやRoy Davis Jr.など90年代後半のフレーヴァーが放出する往年のディープ・ハウスで上げるのではなくメロウな雰囲気に染め、中盤では爽やかなパーカッションが乱れ打つ"Say That You Love Me (FK-EK Percussive Dub)"から気の抜け方が面白いシカゴ・ハウス"Dance U Mutha"やエレガントなトリップ感溢れるアシッド・ハウス”Koukou Le (Jori Hulkkonen Remix) ”などで緩やかなピークタイムを演出。そこからは生臭さが強くなるようにサイケデリックなディスコ・ダブや暑苦しいディスコで一旦熱気を高めてから、Francois DuboisやChez Damierのスムースで透明感さえも見せる美しいテック・ハウス〜ディープ・ハウスを通過し、最後はRon Trentによるフュージョン・テイストの強い"Traveler"で闇を這い出た先にある太陽光が降り注ぐ爽やかな世界へと足を踏み入れ、実際にはパーティーはまだ続いていたのだろうがこの作品はここで終了する。音楽的な新鮮さで見れば懐古的な面は否定出来ないものの、これはそのパーティーの場所や時間帯の雰囲気を考慮して選曲したという点からは、確かにオープンエアのそのパーティーの開放感には適切だった事が伝わってくる。なかなか朝まで残れないというパーティーピープルにとっては、朝方の至福な気分を疑似体験出来る意味でも面白い作品なのではと思う。



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| HOUSE11 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther - Endless (P-Vine Records:PCD-17722)
Brawther - Endless
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ディープ・ハウスを嗜む人にとっては、長らく切望していた人も多かったと思われるAlexandre GouyetteことBrawtherの初のアルバムが遂にリリースされた。IzmoやBrawtherといった名義を用いつつ、またはParis Underground Traxという匿名でリリースした作品はカルトヒットし、そして何よりもChez Damierに才能が認められた事でBalanceからリリースするにまで至るなど、Brawtherはここ数年のディープ・ハウスの界隈での注目の的だった。現在ではユニット名でもありレーベル名でもあるDungeon Meatを主宰し、Brawtherとは異なるよりロウで暗さを含むダンス・トラックを手掛けるなど、その音楽活動は今も尚前進を続けている。そんなBrawtherの活動は前提としてアナログでのリリースであり、リリースされるやいなや即座に市場から姿を消すなど、どうしてもその音源は局所的にしか出まわらずに悔しい思いをしていた人も多いだろう。だが幸いな事に日本独占流通で過去の作品群のCD化が企画され、ようやくBrawtherの全貌が日の目を見る事になったのだ。このアルバムに収録された殆どの曲はBalanceからリリースされたものであり、正にChez Damierの直系、いや愛弟子としての広大な宇宙が広がるロマンティックなディープ・ハウスが繰り広げられている。Brawther名義での初の作品となった"Asteroids And Star Dust (Original Mix)"は、タイトル通りに小惑星や星屑が長閑に漂うような浮遊感と控えめに優雅な旋律が光るエレガントなディープ・ハウスで、この曲だけでBrawtherの虜になる人もいるだろう。同じく初期の曲である"Deep Down Paris"の静粛なる深海の深さのように余りにも大らかで包容力のあるディープ・ハウスも、アンビエント的なゆったりとした広がりが心地良い。唯一BalanceではなくMy Love Is Undergroundからリリースされた"Don't Go"は、現在のDungeon Meatへと繋がる押し寄せるグルーヴがパワフルでよりミニマル性を高めたハウスで、硬質な音質も相まってテクノ的な印象が強い。また、それら過去の曲を懐かしむだけでなく2015年に極度に限定でリリースされた"VXVXVX"も収録されており、ずっしりしながら跳ねるキックの4つ打ちと耳に残るシンセのコード展開を活かしたお得意の90年代を感じさせるディープ・ハウスにはクラシカルな風格さえ漂っている。最早これ以上の説明は蛇足だろうか、Brawtherのハウス・ミュージックに対する妄信的な愛着から生み出される曲は、クラブでハウスをプレイするDJにとっては言わずもがなリスニングとして堪能するリスナーまで、きっとハウスの魅力を伝える普遍性を持ったものになるに違いない。



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| HOUSE11 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/7/11 groundrhythm x Freedom Sunset @ Air
Airオープン当初から続くgroundrhythm、今回はレジデントでもある井上薫も何度も出演を果たしているFreedom Sunsetとのコラボレーションを行う。Freedom Sunset改めSunset Loungeへの出演の為に結成されたSunset Sessions、またKompaktでの活躍も輝かしいHiroshi WatanabeことKaitoと二組がライブ出演もしつつ、アフターにはMax Essaが待ち受けておりメインフロアの充実度は言うまでもなく、当然メインの時間帯は井上薫が担当とこのパーティーの醍醐味は変わらない。
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| EVENT REPORT5 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/4/4 Deeep Detroit Heat @ Air
テクノに於ける聖地とも言えるデトロイトの中でも、特にDJ歴の長いTerrence Parker。1979年にDJを始めたそうで既に経歴は35年を越えるが、受話器ヘッドフォンを使用した見た目の特徴と、ヒップ・ホップのスタイルを応用してテクノからハウス、ファンクやソウルにイタロ・ディスコまでミックスするゴスペル・ハウスと称されるプレイは、多くのDJからも高い評価を得ている。元々来日自体はそれ程多くなく昨年は大雪が降る中で東京以外でツアーを行っていたのだが、今回は5年ぶりに都内でのクラブに出演となった。そしてそれを迎え撃つのはFuture TerrorにてParkerを初来日させたDJ Nobu、そしてDJ ShibataやYou Forgotなどハウス・ミュージックに於いてはそれぞれ定評のあるDJで、充実した布陣となった。
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| EVENT REPORT5 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prosumer - Fabric 79 (Fabric Records:fabric157)
Prosumer - Fabric 79
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Berghain/Panorama Bar一派の中でも特にハウス・ミュージックに対しての誠実な愛を表現するProsumer。既にPanorama Barレジデントから身を引き、今ではそういった肩書きに左右される事なく世界各地のパーティーでプレイしているが、そんな彼にとって3年ぶりとなるオフィシャルMIXCDは名門Fabricからとなる。前作は古巣Ostgut TonからPanorama Barシリーズの一環としてのMIXCDだったが、Fabricからのリリースとなる本作も基本的にはProsumerの普遍的なハウス・ミュージックに対する視線は変わらない。MIXCDの冒頭を飾る"Time"からして93年作となる古典的なハウスだが、その軽快でパーカッシヴなグルーヴとシンプルで素朴なピアノのメロディーからは正にクラシカルという趣が発せられている。続くは妖艶なストリングスが先導するChez Damierによるこれまたクラシックな"Untitled B2"で、やはりProsumerのプレイはオールド・スクールという風格があるのだ。その後もA Black Man, A Black Man And Another Black ManやThe Traxxmenなどシカゴのゲットーハウスも登場し、序盤は素朴ながらも粗雑な質感のハウスでファンキーな展開を推し進めている。それ以降はクラシックなハウスも織り交ぜながらも、洗練されたモダンなディープ・ハウスから仄かに情熱的なテック・ハウスなどを中心に滑らかな展開で、ハウス・ミュージックの4つ打ちのグルーヴの心地良さを組み立てていく。面白いのは中盤でブレイク・ビーツやジャジー・ハウスを使用している時間帯だろうか、さらっとしなやかなビートと華麗な世界観を作り上げ、ほんの短い時間ながらも優雅に舞い踊るような瞬間さえもある。その後は再度、最新のハウスから古き良き時代のシカゴ・ハウスまで通過しながら、最後には82年作の"She's Got Her E.R.A."による艶かしいファンクでしっとりと幕を閉じる。新旧ハウス・ミュージックを織り交ぜながら決して大仰になる事なく、丁寧に曲のメロディーや雰囲気を尊重しながら繋ぎ合わせ最後までダンサンブルな展開を作るプレイは、正にハウス・ミュージックの感情的な面を表現しておりこれぞProsumerの持ち味が表現されている。




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| HOUSE10 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Four (deepArtSounds:dAS 006CD)
Anthony Nicholson - Four
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Ron TrentとChez Damierはシカゴ・ハウスの中でもロマンス極まるディープな音楽性の方面の先駆者であるが、そこに連なるのが彼等と共に音楽活動を行っていたAnthony Nicholsonだろう。自身のClairaudienceを立ち上げてからはシカゴ・ハウスから羽ばたくように徐々に生音とライブ感を強めてフュージョンの要素を取り込み、ジャズやブラジル音楽も咀嚼しながらクロス・オーヴァーな音楽へと到達した。また近年は定期的にアルバムもリリースしており、クラブ向けの音楽制作だけではなくホーム・リスニングも意識して音楽家としての立ち位置を確立させている点に、好感を持つ事が出来るアーティストの一人となっている。本作は2014年の中頃にアナログでのみリリースされていたアルバムだが、その後反響の良さにめでたくCD化もされているとあって、その品質は折り紙付きだ。路線として今までのAnthonyから大きく外れる事はなく、ディープ・ハウスの中に流麗なピアノのコード展開やソロ演奏、清々しいコズミックなシンセ、呟くような官能的なボーカル、ハウスの4つ打ちからジャズやアフロの変則ビートまで披露し、実にライブ感覚に長けたフュージョン性の強いハウスが並んでいる。ハウスがベースである事は確かにそうなのだが、そこには単に機能的なダンス・ミュージック以上に多様な音楽的な要素や郷愁を帯びたアダルティーな味わいを伴っており、ダンス・ミュージック外からも評価されるべき心地良いグルーヴを発している。果ての見えない広大な青空へと溶け込んで行くようなロマンティシズム、年を経て熟成された控えめな官能を、これ程までに爽やかに清楚に聞かせるアーティストはそう多くはいないだろう。Anthonyというアーティスト性が確立されたこの音楽は確かに新しさは皆無なものの、だからこそ時代に左右されない普遍的な質を伴っており、ディープ・ハウス〜フュージョン好きには愛すべき魅力が伝わってくるに違いない。



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| HOUSE10 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Special Edition 03 (Balance Music:SE03)
Various - Special Edition 03

Ron TrentとChez Damierが立ち上げたPrescriptionとその傘下のBalanceは、ディープ・ハウスのレーベルとしては伝説と言っても過言でない存在だ。現在は二人は袂を分かちChezが新たに立ち上げたBalance Musicを運営しているが、そこから両レーベルの発足20年記念としてスペシャルエディションとなる本作がリリースされている。A面にはスイスのThe Missionなるユニットによる"Lavida (Life)"が収録されているが、これはChezとイタリアのDemetrio Gianniceがプロデュースだ。端正でパーカッシヴな4つ打ちにメロウなコード展開や郷愁を醸すホーンのソロプレイなどが伴い、丁寧に流れを展開する如何にもBalanceらしいUSディープ・ハウスになっており、Chezの甘くロマンティックな性質がさらりと表現されている。A面にはもう1曲、フランスの新鋭であるSiler & DimaとThomas Zanderによる"Inapropriate"が収録され、こちらはテックな上モノを反復させてややミニマルな機能性を打ち出したディープ・ハウスだが、スポークンワードを導入したりと仄かに黒っぽさも匂わせる。注目はB面の今尚パーティーでプレイされる事もあるクラシックである"Choice (Prescription Doctor's Dub Mix)"だろうか、Chez & Ronによる二人の才能が融け合い結実したディープ・ハウスだ。おおよそ20年前の名作がリマスターを施され復活したのだが、やはり古くとも良い作品は時間が経てども魅力を失う事はない。しっとりと弾ける4つ打ちとエレガントなシンセのリフ、ソウルフルなボーカルの組み合わせはハウス・ミュージックとして特段の個性を発揮している訳ではないが、しかし時代を越えて愛される曲と言うのは得てしてこのようなシンプルながらもエモーショナルな作品ではないだろうか、そう思わずにはいられない。スペシャルエディションという触れ込みに違えない良質なハウス・ミュージックが収録されており、文句無しの1枚だ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/10/11 Cabaret 15th Anniversary Party Daniel Bell 10 hours @ Unit
Cabaretはテクノ/ハウスといった音楽をミニマルというスタイルに落とし込んだ音楽性で、その方向に確かな一貫性を持った質実剛健なパーティーだ。名古屋を拠点として活動を開始したが、今ではSo Inagawa、dj masda、Kabutoの3人がレジデントDJとなり海外から流行とは無縁の個性的なアーティストを招致しつつ、その活動を15年にまで伸ばしている。今回のパーティーはそのCabaret15周年記念となるが、そこに呼ばれるのは今までにも幾度となくCabaretを盛り上げたDaniel Bell、そして今後Cabaret Recordsからリリース予定があるIsherwood、そして日本からはJun Kitamuraと多くのゲストを迎えて入れて、15周年を祝う事になった。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2014/9/22 Prosumer Japan Tour 2014 @ Air
元Panorama Barのレジデント…という肩書きも今では不要ではないだろうか、シカゴ・ハウスやデトロイト・テクノなどオールド・スクールな音楽にも精通した温故知新なプレイが高い評価を受けるProsumerが久しぶりに来日した。Berghainに比べるとPanorama Barはハウスという印象が強いが、ProsumerのMIXCDを聴けばそれを体現していた一人が彼であったのではないかと思う程で、実直なハウス愛が伝わってくるDJだ。そして日本からのサポートはハウスのグルーヴとテクノの音響を綱渡り出来るdj masda、そして元々ハウスDJから始まったDJ Nobuが担当し、三者三様のハウスを体験出来る一夜となった。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sascha Dive - Dark Shadow (Deep Vibes Recordings:DVR024CD)
Sascha Dive - Dark Shadow
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ベルリンでモダンなディープ・ハウスを手掛けるDeep Vibes Recordingsを運営するSascha Diveは、自らもRaum...musikやDrumpoet CommunityにTsuba Recordsなどの著名なレーベルからテクノとハウスを橋渡しするような作品をリリースし、アーティストとしても高い評価を得ている。機能的にミニマルな展開と洗練されたモダンなサウンドにひっそりと黒さ溶け込ませた音楽性は、事実Chez DamierやMoodymannにVirgo Fourもリミキサーに起用していた事からも分かる通り、ソウルフルなUSハウスの要素も秘めている。しかし4年ぶりとなるこの2ndアルバムではよりテクノ的と呼ぶべきか、以前のアルバムに見られたエモーショナルな方向性からダークでクールな音楽性に傾倒し、自身の音楽性を確固たるものとしている。アルバムの冒頭を飾る"Red Planet (Intro)"では闇の中で得体のしれない物体が蠢くようなサイケデリックかつドープなアンビエントを展開し、そこに続く"Dark Shadow"はアフロなパーカッションが躍動する中をマッドなボーカルサンプルと酩酊感を覚える暗いサウンドが散りばめられ、闇の深海を潜行するような流れでアルバムの方向性を決定付けている。続く穏やかな4つ打ちが現れる"In Your Soul"はアルバムの中でUSハウス色が打ち出たエモーショナルな作風だが、そこから再度"Dance With Me"や"New Moon"で暗い闇の中にスペーシーなサウンドが浮かび上がらせながらも、やはり温度感としては徹底して低く冷えている。その後も適切に抑制された4つ打ちハウスのグルーヴ感を継続しながらも、肉体的というよりはトリップ感溢れる覚醒的なサウンドが精神に作用するような曲調に纏められており、終始深い闇の空間の中を突き進むようなミニマルな流れとテック・ハウスの音質でダンスフロアへと導くようなアルバムだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier / Heart 2 Heart - Say The Word (Balance Music/Saytheword Music:SW01)
Chez Damier / Heart 2 Heart - Say The Word

近年、再度注目を集めだしているシカゴ・ハウスの重鎮であるChez Damier。本作はそんなChezによるBalance Music傘下に新たに設立されたSaytheword Musicの1作目で、久しぶりとなる新作やBen VedrenとのユニットであるHeart 2 Heart名義でのリミックスを収録している。注目すべきはやはり新作となる"Tudo For Amor"で、膨らみのある穏やかなリズムと軽快で爽やかなパーカッションに滴り落ちるような耽美なピアノや透明感のあるシンセのラインを組み合わせて、甘く上品な佇まいさえあるアーバンなディープ・ハウスを披露している。そしてStacey Pullenと共作した永遠不滅のクラシックである曲をリミックスした"Forever Mona (Deep Mix)"も、同様に肉厚なキックを用いてリズムに太さを出しながらも、オリジナルの可愛らしいタッチのメロディーはそのまま残して円熟味のある大人のディープ・ハウスとして生まれ変わっている。裏面にはHeart 2 Heart名義で異なるリミックス2曲を収録しているが、どちらも爽やかなパーカッション使いや湿ったリズム帯からChezの個性が感じられる作風だ。セクシャルな呟きを導入した上にメロウなコード展開が華麗さを醸し出す"Shigan (Original Rex Club Mix)"、メロディーを抑えながらよりDJツール的な側面を打ち出して夜の闇の深さを感じさせる"Shigan (Detroit 3000 Dub Mix)"と、それぞれ時間帯に合わせて用途が分けられているようなリミックスではないだろうか。どちらにしてもそこら辺に溢れる凡庸なディープ・ハウスとは一線を画し、安定感のある作風ながらも流石のレジェンドたる才能が光っている外れ無しの1枚だ。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/8/29 Freedom Sunrise @ Oppa-la
湘南江ノ島の展望台で開催されているFreedom Sunset改めSunset Loungeは、夏の時期に複数回にわたって開催される野外の定番パーティーの一つだが、今年は諸々の事情で8月の開催は見送られていた。そこで番外編とでも呼ぶべきか、江ノ島のすぐ目の前にあるOppa-laにて初のオールナイト開催になるFreedom Sunriseが立ち上げられた。出演DJはMax Essa、DJ Yogurt、井上薫、Fencer、Kazuki、Shiningstarr、shiba @ Freedom SunsetといつものSunset Loungeよりも更に夜のパーティー感を打ち出し、そして夕日ではなく湘南の海を望みながら朝日を迎えるシチュエーションが用意された。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/3/15 Dope Dive -Jay Daniel- @ Module
一時期に比べるとテクノに於ける聖地とまで称されていたデトロイトも、最近ではベテラン勢が新作をリリースしない事からかその勢いに陰りが見られている。その中で今世界的に注目を集めているのが若手を代表するKyle Hallであるが、彼と活動を共にするJay Danielも忘れてはならない。2013年にはTheo ParrishのSound Signatureからデビュー作をリリースしたJayだが、その母親はかつてPlanet-Eからもリリース歴のあるNaomi Danielであり、正統なるデトロイトの血筋が息衝いている事を証明しに来日する。
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| EVENT REPORT5 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/11/9 Jazzy Couscous × FAAK presents Brawther × Yukihiro Fukutomi @ Amate-raxi
今回のパーティーは面白い事に、パリのウェアブランドであるFuck Art And KissJazzyと東京を中心に集うするクリエイター集団であるJazzy Couscousがジョイントし、一つのパーティーを手掛ける事になっていた。フランスからはChez Damierに見初められハウスシーンでめきめきと頭角を現しているParis Underground Trax名義でも活躍するBrawtherを招致し、日本からはクロスオーヴァーなハウスミュージックでも評価の高い福富幸宏、そしてアンダーグラウンドなハウスの指向が強いWorld Spinを手掛けるDJ Stockをブッキングし、ハウスの一夜に染め上げるパーティーとなった。
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| EVENT REPORT4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther - Remixes (Balance:BL15)
Brawther - Remixes

Chez Damierに見初められしディープ・ハウスの新世代として注目を集めるBrawther。自身でMy Love Is Undergroundなるハウスのリバイバルを起こすべくレーベルを主宰しつつも、Brawther名義ではDamierのBalance、またはモダン・ディープ・ハウスを象徴するsecretsundazeから作品をリリースするなど、ハウスの新旧を自然と交えながらその復権を実直に信じて活動している。さて新作はと言うと4曲の内2曲は既発のものを再収録、そして残りの2曲は未発表バージョンなどと微妙に思える内容となっているが、そもそもアナログ至上主義を貫くBrawtherの作品はすぐに廃盤となるので再収録はある人にとってはありがたいだろう。既発の2曲は90年代のNYハウスを思わせるズンドコしたリズムにソウルフルな男性ボーカルを被せた"GSM's Life (MLIU Dub)" 硬いキックが打ち付けるミニマルでテクノ色強めな"Le Voyage (Module Mix)" と、そのどちらもがまるでKerri Chandlerを思わせるファットな音圧やエモーショナルな旋律が印象的で、過去の音楽への尊敬が素直に表現されている。未発表バージョンではシャッフルする軽快なグルーヴとアトモスフェリックな上モノがスペーシーが広がるな中で、ファンキーな手弾風エレピが渋い"Spaceman Funk (OG Mix)"が秀逸だ。"Not Another Shouts"は内省的に深く潜っていくようなディープ・ハウスで、終始微睡み続けるアンビエントな感覚が心地よい。アーティストとして旬の季節を迎えており、これからのハウスを担っていく世代の一人と言えよう。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier Presents Purpose By Design 2 (Balance:BMUK003)
Chez Damier Presents Purpose By Design 2

昨日に引き続きChez Damierがこれから先を引率するであろうアーティストを世に伝えるべく、自身が主宰するBalanceからの新旧アーティストの曲を纏めたコンピレーション第2弾が本作。当方は知らないのだがKenny CarvajalことMinister MikeやSoy Mustafaのベテラン勢から、まだ素性も明らかに鳴っていないGarrett DavidやSala Arnseと言った新人まで収録しているとの事で、時代を問わず確かな才能を紹介するChezの意向が感じ取れる。Minister Mikeによる"Collide"は、抜けの良いアフロなパーカッションの下で耽美なエレピのコード展開やアーバンで温かいオルガンやシンセが目まぐるしく踊り、メロウなムードを纏いながら軽快に疾走するグルーヴが素晴らしい。Ron Trentなんかが大好きそうなフュージョンの要素もあり、オーセンティックと言う表現が相応しい。一方でSoy Mustafaによる"Maxim (Unreleased Mix)"はアフロトライバルなビートが鳴りつつも、展開を極力抑えたディープテック調な音が覚醒感を煽り、Balanceと言うレーベルからは意外にも思える内容だ。しかし裏面の新人による2曲もまた素晴らしく、Garrett Davidによる"I Can't Take It (Queen Mix)"は90年代の栄華を誇ったハウスを喚起させるボトムが太くメロウなエレピが展開を作っていく作風で、そこにファンキーな女性ボーカルも絡む古典的ではあるが良く出来た曲だ。そしてSala Arnseはガラージ・クラシックスのカバーである"Brothers Gonna Work It Out (Blue Monday Edit)"を提供しており、ディスコ的な原曲のボーカルをカットアップしつつ現代風なブギーハウスへと調理したお手並みはなかなかのものだろう。どれもがフロアでも即戦力となる4曲が収録されており、Balanceに期待している通りのコンピレーションとなっている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier Presents Purpose By Design 1 (Balance:BMUK002)
Chez Damier Presents Purpose By Design 1

近年になり活動が慌ただしくなっているシカゴ・ハウスの重鎮のChez Damierが、自身のみならずこれから先を引率するであろうアーティストを世に伝えるレーベルがBalanceだ。本作はそのレーベルのコンピレーションであり、日本からはYoshiki TsuchiyaことMiruga、Balanceからの常連であるBrawtherとGSM、謎の新人らしいIntrospectiveの4アーティストの作品が収録されている。Chezが監修をしているだけありその質の高さはお墨付きだが、Mirugaによる"Midnight Theme"はレーベルのエレガントな黒さを代弁しているようだ。アトモスフェリックなコードのパッド展開の上で優雅に泳ぎ回るエレピはのびのびと優雅で、どっしりと安定感のある4つ打ちのキックをベースに浮遊感のあるディープ・ハウスを実践している。レーベルによって発掘されたBrawtherの"Endless (Underground Mix)"は過去の作品の未発表バージョンで、オリジナルよりもエモーションは控え目にミニマル仕様となっているが、その分ダビーなシンセを用いて空間の奥深さを演出したツール向けに仕立てあがっている。そして初めに耳にするアーティストであるIntrospectiveの"The Way I Feel When I Think Of You"は、余りにもベタなピアノのコード使いは確かにChezが好みそうな響きもするハウス感があり、まだ青臭さが残る作風ながらもジャジーな生っぽいリズムと相まってディープな陶酔を奏でている。GSMの"Tell Me What It Is (Matthew Bandy Mix)"も滴り落ちていくピアノに股も濡れそうになるが、パーカッシヴながらもリラックスしたビートメイクと湿っぽい男性ボーカルが大人の色気を強く打ち出しており、なんだか往年のNYハウスなんかも思い出してしまった。全曲ハウスの伝統を素直に表現しているようで、こんなオーソドックスなハウスには今だからこそ胸が熱くなるものがあった。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Raw Footage (Electric Blue:ELECTRIC BLUE 001CD)
Ron Trent - Raw Footage
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シカゴ・ハウスの伝説となったPrescriptionをChez Damierと共に設立し、袂を分かってからはFuture Visionを新たに立ち上げ華麗でアンビエンスな空気に満ちたディープ/フュージョン・ハウスを怒涛の勢いでリリースしているRon Trent。DJが幅を利かしているこの業界ではあくまでDJツールとしてトラックが重要視され、一方アルバムはツールとしての観点でなくあくまでアーティストのパーソナリティーを披露する意味合いが強い為、リスナーが期待している音楽とは乖離する事も珍しくはない。そんな中でもRonはアルバムにおいても着実に足跡も残しながら活躍している稀有な存在だ。本作はそんな彼が2012年に新たに立ち上げたElectric Blueと言うレーベルの第一弾アルバムだが、ここ数年は大量の作品を残している彼の活動が結実したアルバムだと断言出来る。スタイルとしては空へ飛散する爽快なパーカッションとトライバルなビートが脈打ち、滑らかで穏やかなアンビエンスさえも含むパッド/シンセが何処までも広がり、優雅で開放感のある彼にとっては不動とも言えるディープ・ハウスではあるのだが、そのスタイルの突き詰めは最早終着点ではないかと思う程だ。レーベル名のElectric Blueが示す通り例えば透明度の高い青い空へと溶け込む浮遊感、例えば爽やかな水飛沫が弾ける青い滝壺へダイブする爽快感、そんなこの世のモノとは思えない感動に包まれる現実離れした壮大な世界観が広がっている。DJユースな仕様でありながらアルバムとしての総合的な完成度を兼ね備え、Ron Trentと言う個性を十分に見せつけたベストの作品と言えよう。

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| HOUSE8 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/12/31 New Year's Eve Countdown to 2013 @ Eleven
2012年最後の、そして2013年の門出を飾るパーティーはElevenへ。なんといってもシカゴ・ハウスの伝説となっているレーベル・Prescriptionを共同運営していたChez DamierとRon Trentの二人が、90年代に袂を分かって以来同じパーティーでDJをすると言うのだから、ハウス・ミュージックを愛する者としてはこれに行かずしてどうする?と言う内容です。また単独来日でさえRon Trentは来日がそれ程多くはなく、Chez Damierに至っては国内へのクラブパーティーへの初参加は2011年と、来日自体が非常に珍しいアーティストでもあります。そんなハウス三昧になるのは間違いないパーティーへと足を運んできました。
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| EVENT REPORT4 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kez YM - Blind Spot EP (Ragrange Records:RR05)
Kez YM - Blind Spot EP
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2012年のラストを飾るElevenでのNYEパーティーでRon Trent、Chez Damierと共演する事となっている日本が誇るハウスアーティスト・Kez YM。一年ぶりとなる新作は交流を深めているRondenionが主宰するRagrange Recordsからのリリースとなるが、抜群の安定路線でありながら上質なエスプリに満ちたハウストラックは日本だけでなく世界で聞かれるべき内容だ。本作で特に目を引くB面の2曲で、デトロイト・ビートダウンとでも呼ぶべきスローモーな4つ打ちの"Suddenly In The Place"は、ねっとりと絡むシンセから黒光りな空気が発せられほっこり体の芯から温まるようだ。アップテンポな"Distant Ropes"においてもコズミック系の綺羅びやかなシンセが用いられていて、セクシーにコード展開するパッドの上をそのシンセ音がファンキーに舞踊り上品さと派手派手しさが上手くブレンドされている。A面の"Garda"は最もKez YMらしいファンキーな作風で、執拗に繰り返されるボイスサンプルと抜けの良い軽やかなパーカッションが前面に出たダンサンブルなハウストラックだ。単純なミニマル作品ではなくキーボードなどもしっかりと入って展開が繰り広げられ、ツールとしてのみならずリスニングにも耐えうる作風である事が制作面での才能も感じさせる。もうEP単位では十分に素晴らしい曲を届けてくれているので、そろそろアルバムにも自然と期待をしてしまうものだ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sai - Bedroom Eyes EP (Ornate Music:ORN 015)
Sai - Bedroom Eyes EP
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以前に日本の90年代ハウスをこよなく愛するBrawtherから、日本でも素晴らしいハウスの新鋭が生まれている事をチャット上で教えて貰った事があるのだが、そこで挙がったのが金沢在住のYohei Sai。公式リリースとしては2010年に初めてアナログに名が刻まれ、そして今年には日本のPan Recordsのスプリット盤にも新作が収録された。実はChez DamierのBalance Recordingsからもリリースの予定があったらしいのだが、そちらの話は一切音沙汰がないままUKのディープ・ハウスの新興レーベルであるOrnate Musicより新作が届いた。結論から言ってしまえば収録された4曲のどれもが素晴らしいディープ・ハウスで、今後の期待を抱かせるには十分過ぎる内容だ。どの作品も非常に丁寧かつ綿密に練られたハウスではあるのだが、細かくパーカッションが配置されながらもスムースな4つ打ちを刻み、そして控え目なアシッドベースと流麗なエレピが先導する"2AM"が素晴らしい。そして90年代ディープ・ハウスの王道を突き進む"Blue Lingerie"は、躍動感あるズンドコとした4つ打ちとアトモスフェリックなパッドが麗しくコード展開する。幾らかリズムに引っかかりのあるジャジーな"MR"、そして幻惑的な上モノが揺らめくマイナー調のハウスである"Another Myself"と、そのどれもがアナログ感や柔らかな音で張り巡らせ幽玄な世界を演出している。DJツールとして作られている前提がありながら、リスニングとしても耐えうる楽曲性があり文句無しに素晴らしい。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jorge Caiado - Beyond The Atlantic (Balance Recordings:BL14)
Jorge Caiado - Beyond The Atlantic

Chez Damier主宰によるBalanceの新作は、なんとポルトガルと言う珍しい出身の20代前半による新星・Jorge Caiadoのデビュー作となっている。このレーベルならばと言う安心感はあるものの、それでもこの新星による初の作品はミドルスクール世代のハウスやデトロイトの時代の空気を含みつつ、Chez DamierやRon Trentが得意とする浮揚感を伴うハウスを既に体現しているのだ。深い残響音をバックに流麗なパッド音を薄く伸ばして幻想の世界へと誘いこむディープ・ハウスの"Bodiee"はかつてのChez+Ronの作品にも類似しているが、ここはやはり"Beyond The Atlantic"が一押しである。序盤はスムースなコード展開を繰り返すムーディーかつジャジーなハウスかと思いきや、途中から原始的なシンセサウンドがデトロイト風に入ってきて、そして後半では妙な高揚感をもたらすアシッドベースが入ってくるじわじわと盛り上がってくるミドルスクールなハウスで素晴らしい。他にバウンス感の強いタフなビートがどっしりと脈打つ"My Life"や色っぽい女性ボーカルをスパイスに大人の色気たっぷりかつパーカッシヴに仕上げた"Make Sure"と、デビュー作ながらもどれも軽く水準を超えた作品を収録している。Balanceらしいアンビエンスや浮遊感は非常に心地良いが、しかし新人にしては何処かシリアスで既に落ち着きを感じさせるのは意外だ。

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| HOUSE8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brett Dancer - Euphonic Moods EP (TMR Essentials:TMRE-001)
Brett Dancer - Euphonic Moods EP

Theo Parrish、Larry Heard、Alton Miller、Anthony Nicholson、Chez Damierと言った伝説的な才人の作品をリリースし、NY発ながらもシカゴやデトロイトのアンダーグラウンドなハウスのバックアップをし続ける名門レーベル・Track Mode。そのレーベルを主宰するのが自らアーティストとしても活躍しているBrett Dancerで、この度サブレーベルとしてTMR Essentialsを始動させてその第一弾として自身の作品をリリースさせました。派手な作風でもなくアルバムのリリースもなく今までに地味な活動を続きてきたBrettではありますが、多くの名作をリリースさせたそのセンスは自身の普遍的なハウストラックを制作する事にも影響しているのだろうか、このEPに於いても普遍的とも言えるディープ・ハウスを披露しています。"V2"の薄く消え行きそうに延びるアンビエントなパッドの幻想感、しんみりと心を温めるシンセのリフに重くない軽快かつ単純な4つ打ちのリズムから成るハウスに、激しく心揺さぶる熱狂はないものの一歩下がって冷静に見つめたような控えめな叙情感の表現はベテランらしい侘び寂びを感じられます。また"Space"や"The Lost"にしてもやらためったらと感情を剥き出しにする事なく、ウォーミーな柔らかいシンセ使いを基調に安定感のあるハウスのグルーヴをクールに流しているだけなのに、アダルティーな優雅さ演出する聞かせ方に彼のハウスに対する求道的な姿勢が伺えます。こんなに素晴らしい作品を手掛けているのに、アルバムをリリースしないのがもったいない位ですね。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
STEREOCiTI - Never Trust A DJ (Octave Lab:OTLCD-1755)
STEREOCiTI - Never Trust A DJ
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ミニマルテクノ全盛におけるドイツにて、Don Williamsはディープな音楽を深く掘り下げるべくMojuba、a.r.t.less、wanderingと言うそれぞれ趣向の異なるレーベルを運営している。簡単に説明するとディープハウスのMojuba、デトロイトに影響を受けたテクノのa.r.t.less、前者の枠組みに属さないエクスペリメンタルなwanderingとバランス良く音楽性は各方面に広がっている。その音の広がりと深さは確かに流行から離れたクラシカルな雰囲気も持ち合わせているが、Donの音楽に対する芸術としての拘りは音のみならずアナログのデザインやそれを包むジャケットにまで及ぶなど、アンダーグラウンドな社会に生きているからこそやりたい事をやり尽くしている素晴らしいレーベルだ。その反面どうしてもアナログ中心のリリースとなりなかなか広範囲にまで音が届かない面もあるのは事実だが、だからこそ日本人で唯一Mojubaに所属しているKen SumitaniことSTEREOCiTIがそれらの音源をコンパイル&ミックスした本作は非常に価値がある。普段からアナログを愛するSTEREOCiTIはここでもほぼアナログでの一発録りをしているが、そのスムースな繋ぎや緩やかな展開はレーベルの芸術性を追求する音にぴったりとはまっており、騒ぎ立てる夜のダンスミュージックとは全く異なる繊細かつ美しく優雅な音色をありのままに聞かせている。テクノもハウスもミニマルも同列として並べられており、重力を感じさせないダビーな音響空間の中を熱くも冷たくもない不思議な温度感の音が続き、感情的になり過ぎる事なくしみじみと盛り上がるドラマティックな展開がえも言われぬ程の心地良さを生み出すだろう。ディープと言う言葉が相応しいSTEREOCiTIの選曲センス、そして3つのレーベルの音楽、ドイツのアンダーグラウンドではこんなにも深淵な音が広がっている。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Can You Feel It (New York Dub) - The Steve Bug Remixes (Dessous Recordings:DESLTD02)
Chez Damier - Can You Feel It (New York Dub) - The Steve Bug Remixes
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ここ数年で完全に復活を果たしたシカゴ・ハウスの巨匠であるChez Damier。自身のBalance関連のレーベル運営や過去の名作のリイシュー、リミックスの提供に加え新作の制作まで非常に活発な動きを見せておりますが、今度は92年にKMSよりリリースされた彼の代表曲とも言える"Can You Feel It (New York Dub)"のリミックス盤がリリースされました。Damierのディープハウスはドイツのそれとも親和性が高いのか、本作ではドイツのミニマルハウスを切り開くSteve Bugがリミックスを担当しております。先ずA面の"Steve Bug Re-Mix"ですが、原曲のヒプノティックな質感は損なう事なくよりエレガントに、よりスマートな洗練を極めたクールなテックハウス仕様で、見事に現在形のハウスへと昇華させたリミックスと言えます。そしてB面には同じくBugによる"Steve Bug Re-Dub"を収録しておりますが、こちらはタイトル通りにボーカルよりもシンセの美しく伸びるトラック自体へと注目がいくツール的な仕様で、トラックの荘厳で幻想的な美しさが際立ちます。そしてもう1曲、なんと"Can You Feel It (New York Dub)"自体もリマスターされて収録されているのですが、実はこれを手掛けていたのはMKことMarc KinchenとDerrick Mayなのです。90年代前半のミドルスクールな空気感、NY系ハウスとも結び付くこのシンプルな4つ打ちにシンプルなシンセリフやストリングスを組み合わせたこのハウスは、古き良き時代感を持っているのは当たり前だがプリミティブな響きと力強いグルーヴを伴っており、今尚輝きをは失っておりません。時代を軽々と飛び越えるこのクラシカルな曲は、ハウスの踊れる心地良さを雄弁に語っております。

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| HOUSE7 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Glimpse & Giles Smith - Can't Take My Eyes Off You (Balance Alliance:BA011)
Glimpse & Giles Smith - Cant Take My Eyes Off You

Chez Damier主宰のBalance Alliance新作は、意外にも関わりのなさそうだったGlimpse & Giles Smithが手掛けております。どういう訳かGiles Smithがレジデントを務めるパーティー"Secretsundaze"の10周年を記念した企画物で、参加したメンバーの影響が出た分だけレーベルの味であるディープハウスとGlimpseのミニマル感が融合が上手く纏まった印象。"Can't Take My Eyes Of You"はレーベルの持ち味である淡いメランコリーや揺らぐ浮遊感、そして全身を包み込むようなアンビエンスを漂わせながらも、展開を抑えてねっとりと上げ下げを繰り返すミニマルを打ち出して長く深みに嵌めていくトラック。色っぽくてセクシーな夜のディープハウスとして絶品な一曲です。そしてGiles Smith & Martin DawsonによるTwo Armadillos名義の"On The Run"は、荒っぽいリズムトラックの上にハンドクラップや透明感のあるパッドを仕込み懐かしさや簡素さを感じさせるディープハウスとなっております。そしてもう一曲は"Can't Take My Eyes Of You (Jorge Caiado Remix)"のリミックスで、オリジナルからの大きな乖離はないものの軽めのキックへ変更しジャジーな風味を付け加えたハウスが収録。一つの楽曲として成り立つ質とそしてDJツールとしての質が両立しており、ディープハウス好きには堪らない一枚となるでしょう。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Defected Presents House Masters MK (ITH Records:HOMAS14CD)
Defected Presents House Masters MK
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肥大化し過ぎたせいで余りにも商業的な作品ばかりになったDefectedですが、その大きな資本を活かして傘下のIn The House Recordsからは古典ハウスの重要なアーティストに的を絞った"House Masters"なるシリーズを手掛けています。その最新作はMKことMarc Kinchenの変名での作品やリミックスを纏めた2枚組コンピレーションです。MKは90年代前半の僅かな期間ながらもデトロイトから始まりNYハウスに至る音楽性で注目を集め、特にKMSや今となっては伝説のRetroactiveから作品をリリースしていたカルト的な存在。90年代初頭のNY系歌物ハウスは今となっては時代を感じるものの、MKの作品は殆どCD化されていない為本作はかつての伝統的なハウスの真髄を体験出来る点に価値があります。自身の作品と共にハウスの歴史人であるChez DamierやByron Stingily、Masters At Work、そしてデトロイトからはThe Reese Project(Kevin Saunderson)やR-Tymeらのリミックスまでも網羅した本作ですが、基本的には派手さとは無縁の素朴でチージーさも漂いながら真摯にソウルフルなハウスが満載です。現代のハウスは良く言えば丁寧に作りこまれ音もぶ厚く装飾され安定感があるのは言うまでもありませんが、このMKの仕事を聴いているともっと原始的ながらも肉間的で、そして胸の奥底に秘めたる厳かな抒情性もあります。スタイルとしては旧時代の物だし曲調もNYハウスに忠実な故に狭くはありますが、その分過剰に加工される事なくありのままのハウスを聴ける事は、ハウスの歴史を紐解く上で非常に重要な経験と言えるでしょう。ハウスがハウスとして一番輝いていたであろう90年代、そのNYハウスは今も尚その輝きを失っていない事を証明するコンピレーションです。

House Masters MK by Defected Records

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - The Warrior Dance Part Three (Skylax:LAX 125)
Simoncino - The Warrior Dance Part Three

昨年から怒涛の勢いでEPをリリースしているイタリアのSimoncino。本名はNick Anthony Simoncino、最近では同郷のNicholasと共に制作を行ったり、SkylaxやQuintessentialsなどの重要なハウスレーベルからリリースするなど、新進気鋭のアーティストの一人。古き良きシカゴ・ハウスからの影響が感じられる楽曲性が特徴ですが、本作ではリミキサーにRon TrentとChez Damierを迎えシカゴ・ハウスへの傾倒を強く感じさせます。タイトル曲となる"Warriors Dance"ではTR系の渇いて辿々しいキックやハットにおどろおどろしいパッドが、シカゴ・ハウス初期の不気味な訝しさを漂わせておりまるでTrax Recordsの作品の様でもあります。また簡素なハンドクラップを多用しながら覚醒感のあるシンセが脳をクラクラさせる"Tropical Vibe"も、オールドスクールな安っぽさも含めて格好良いですね。そして裏面にシカゴ・ハウスの御大二人がリミキサーとして曲を提供しておりますが、これらは言わずもがな往年のハウスクラシック的な作風で流石です。"Warriors Dance (Ron Trent Remix)"は古臭いシカゴ・ハウス風味を残しつつも、Ronらしいフュージョンテイスト溢れる美しいピアノのコードや抜けの良いパーカションを付け加え、爽やかさと開放感溢れるリミックスを施しております。そしてChezのロマンティックな音が強く出た朝方の穏やかさに包まれるディープハウス"Inga's Creme (Chez Damier Morning After Mix Part II)"は、アンビエントな空気も漂っており正にアフターアワーズに最適なリミックス。この二人を引っ張ってくる辺りのSimoncinoの音楽センス、今後も非常に楽しみですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Forever Monna (Balance:BR01US)
Chez Damier - Forever Monna

ここ数年のシカゴ・ハウスへの隆盛の一旦を担っているレジェンド・Chez Damier。新作をリリースする傍ら過去の名作を現在に呼び起こすリイシュー作業にも力を入れておりますが、本作もその一環で95年にリリースされたStacey Pullenと制作したハウス名盤"Forever Monna"を新たにリミックスし直し、更にはTrack Modeより04年にリリースされた"Your Love"のリミックス、そして近年Mojubaよりリリースされヒットした"Why"のエディットを収録といたせりつくせりな内容です。何と言っても"Forever Monna"のセルフリミックスが白眉で、今聴くと少し安っぽく古さを拭えないオリジナルからリズムの太さとグルーヴ感を格段に上乗せし、そこに耳元で囁くような甘い女性の呟きを加えて、成熟と言う言葉が相応しい進化を聞かせてくれました。普遍的な奇を衒わないディープハウスなのに、しかしDamierにしか醸し出せない厳かでロマンティックなこのハウスは、彼の今の脂の乗り具合を示しているでしょう。そして逆にオリジナルより軽快にエレクトロニック度を高めた歌物ハウス"Your Love"は、自己陶酔している男性ボーカルと相まって聴く者を陶酔させる事でしょう。"Why"はエディットされ時間が短くなっておりますが、気怠い雰囲気の中でブルースハープが揺蕩い琴線を震わす名作で、音に酔いしれるのは間違いありません。収録曲全て外れ無しの素晴らしい選曲&リミックスで、ハウスファンならばマストバイでしょう。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lawrence - Timeless (Cocoon Recordings:CORMIX035)
Lawrence - Timeless
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大仰な作品をリリースする印象が強いCocoon Recordingsですが、中にはレーベルの作風に捕らわれない音源もリリースしているようで、Lawrenceが手掛けたこのMIXCDは正にLawrenceらしい音が詰まった作品になっております。Lawrenceは自身でもDialやSmallville Recordsを運営する傍ら、Mule ElectronicやKompakt等からも欧州の洗練されたミニマルなディープハウスを送り出しているアーティストです。そんな経歴を知っている人にとってはこのMIXCDは期待通りの内容で、幕開けからして物悲しいエレクトロニックなハウスから始まり、そして序盤にしてChez Damier & Stacy Pullenの華麗なクラシックが投入され期待の高まる展開が。そこからスムースなハウスのグルーヴを保ちながら浮揚感のあるテッキーな流れへと突入し、Morphosisの陰鬱なハウスからAril Brikha、Delano Smithの心地良いディープハウスに繋がる瞬間は本作の山場と言えるでしょう。その後は一旦熱を冷ますように気の抜けたハウスを投入し、Mike DehnertやRobert Hoodのミニマルなテクノで再度かっちり引き締めつつ、ラストはPlaidのインテリジェントな曲で厳かに着地。Cocoonの快楽的な音とは異なる静かに燻るLawrenceの内省的な音が終始満ちていて、耽美な官能と厳かな美しさが堪能できるハウスミックスとして素晴らしい出来となっております。今っぽ過ぎる音なので"Timeless"と言うタイトルはどうかとは思うけれど、イケイケなCocoonから本作が出たと言う点でも評価出来るでしょう。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/09/24 Primitive Inc. presents Chez Damier in Tokyo @ Eleven
Chez Damier、日本のクラブでのプレイが長らく待ち望まれていたシカゴ・ハウスの最後の巨匠。古くはRon Trentとの出会いを機に伝説のハウスレーベル・Prescriptionを設立し、深遠な包容力とロマン溢れる情緒を伴ったディープハウスを量産し、DJ/アーティストからは絶大な評価を得ているアーティストだ。地道かつ長い活動歴を経て近年のドイツにおけるディープハウスのリバイバルでChez Damierの再評価も著しく、過去の遺産に頼らず現在進行形で名作をリリースし続けている。本来は3月に来日しプレイする予定だったが震災の影響でパーティーはキャンセルとなり、自分も期待していた分だけへこんだけれど、仕切り直して彼は日本へと遂に来てくれたのだった。
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| EVENT REPORT3 | 21:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Year Of The Rebel (Circular Motion Recordings:CMAL002)
Anthony Nicholson - Year Of The Rebel
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近年隆盛を誇っているように感じられるシカゴ・ハウスの中でも、特にエモーショナルな旋律を聴かせる存在としてRon TrentやChez Damierに継ぐ存在であるAnthony Nicholson。元々彼等3人は蜜月の関係でもあっただけに各々が影響し合いディープでロマンス溢れるハウスを展開していたものの、その中でも早くから生楽器主体のクロスオーヴァー/フュージョンの方向性に向かっていたのがAnthonyだろう。その過程でJoe ClaussellのSacred Rhythm MusicやNeedsとの邂逅も経てより生演奏を主体とした音楽性に近付き、そして前作から一年半の短いスパンでリリースされた新作はハウスと言うよりはフュージョンと言う言葉が相応しいアルバムになっている。前作同様に哀愁の歌物トラックはしっかり入っているものの、それ以上にプログラミンでの制作が減りドラムやパーカション、キーボードやギターを全面的に取り入れ、単なるDJツールと言う枠を越えた豊かな色彩を見せる音楽になっている。これをシカゴ・ハウスと呼ぶべきなのか…そんな事はどうでも良い事で、滴り落ちるようなピアノの旋律に心はときめき、波打つドラムやパーカッションのグルーヴには胸が高鳴り、そしてセクシーで甘い声にはうっとりするだろう。意識的にクラブミュージック外に評価される作風を打ち出しながらも、しかし従来のファンも突き放す事はしない音楽性で、本当に上手く円熟味を増しているアーティストだろう。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther - Do It Yourself (Secretsundaze:SECRET001)
Brawther - Do It Yourself
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ディープハウスの界隈で一際注目を集めているAlexandre GouyetteことBrawtherの新作が早くも登場。今まではChez Damier主宰のBalance系列からのリリースでしたが、新作はGiles Smith主宰のSecretsundaze10周年記念の一環としてリリース。A面にはシカゴハウスらしい卑猥な声ネタを使用した沈静な佇まいの"Spaceman Funk (Deep Club Mix)"と、みぞおちにどっしり響くキックが効いたグルーヴィーな"Do It Yourself (Alternative Mix)"を収録。今までの作風に比べるとミニマル度も高めなれど、浮遊感溢れる上物シンセの使い方はChez Damierらにも共通する内容で、ディープハウスをやっていた頃のRound One(Basic Channel)をも思い起こさせます。B面にはScubaのHotflush Recordingsからも作品をリリースしているニューカマー・George Fitzgeraldのリミックスを収録。この人は新世代のダブステッパーだそうですが、かっちりタイトな非4つ打ち横揺れグルーヴに洗練されたシンセのリフで躍動感を感じさせるデトロイト風なダブステップリミックスを施しており、オリジナルのディープハウスを上手くテクノに転換させていますね。まあしかしBrawtherのディープハウスは、若くして貫禄が感じられ今後の期待を感じずにはいられませんね。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
From The Vaults : The Definitive Sounds Of Prescription Records Vol.1 (Prescription:PCRCD005)
From The Vaults : The Definitive Sounds Of Prescription Records Vol.1
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何時からだろう、予感が確信へと変わったのは。空前のシカゴハウスリバイバルを皆は感じているだろうか。Rush HourやGene Huntによる未発表ネタの発掘、最初期シカゴハウスを支えたTrax RecordsのRe-Edit集、数々のシカゴハウス名曲のリイシュー、MojubaやOstgut Tonによるシカゴハウスへの接近など、今シカゴハウスの話題には事欠くことがないだろう。そしてその波の一端となっているのが90年代シカゴハウスの中でも一際輝いていたPrescription Recordsの復活だ。Prescriptionの共同主宰者であるChez Damierは傘下のBalanceを復活させ、そしてもう一人の主宰者であるRon Trentは本家Prescriptionを復活させ、共に自身の新作を披露しつつ新人の育成にも励んでいる。そして彼等がもう一つ力を入れている事が、かつてはレコードのみでのリリースの為に一般的と言えるまでに認知されなかった名曲群の発掘だ。このアルバムはタイトル通りにPrescription Recordsのカタログ倉庫から掘り起こされたレーベルの決定打とも言えるべきコンピレーションで、相当なマニアでもない限りは全てを収集出来ない掛け値なしの名曲が収録されている。KMS54番として認知されているあの名曲は"Don't Try It"とタイトルが付けられ、AbacusやKurt Harmon Project、A Man Called Adamらの隠れ名曲も入っている。そのどれもがレーベルの音 - 力強いパーカッションが生み出す跳ねるようなグルーヴ、コード感を生かした流麗なピアノやシンセの調べ、揺蕩うような穏やかなジャジーな雰囲気 - を持っており、初めて聴く人はシカゴハウスとはこんなにもロマンティックな音だったのかと驚く人もいるに違いない。リイシューが多い事自体には後ろ向きだと揶揄される事もあるかもしれないが、この90年代のシカゴハウスの素晴らしさを感じればそんな考え自体が野暮なものだと思われる。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Isaev / Cutout Classics Volume Three (Balance Alliance:BA08/BA09)
Various - Isaev / Cutout Classics Volume Three

ドイツを中心に脚光を浴びているChez Damier主宰のBalance Allianceから、ロシアの新鋭Konstantyn Isaevの新作がリリース。Volta Cab名義でも新作を続々リリースしているこの新鋭、詳細は不明ながらもChezに認められただけあり、レーベルカラーに沿った幻想的なディープハウスを聴かせてくれます。覆い被せられるダビーな音響が心地良い"Levatation Flight"はまるでRound One系のソウルフルなダブハウスを思わせるし、力強い4つ打ちにアシッディーで不気味なシンセが絡む"Free Falling"も良い鳴りを聴かせてくれます。そしてこの盤で特筆すべきは裏面にChez Damierが絡んだトラックが収録されている事。"In & Out (JT Donalson Dub)"はシカゴをベースとするユニット・Home & Gardenの曲で、Chezはボーカルとして参加。こちらはざっくりとした質感のラフなシカゴハウスで、Chezの艶めかしいボーカルが印象的。そしてこの盤の目玉である2004年にリリースされた盟友Ron Trentとの共作"Warfare"の未発表バージョンが、やはり断トツに素晴らしい。Ron & Chezの二人が揃えば駄作など出来る訳もないが、芯があり安定感のあるグルーヴィーな4つ打ちに陶酔感・透明感のあるメロウなシンセを被せたミニマルなディープハウスは、一聴して彼等の音と気付くほどの存在感を放ちます。既に金太郎飴的な彼等のスタイルが形成させておりますが、それでも彼等にしかこの郷愁に溢れたディープハウスは鳴らせないでしょう。

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| HOUSE6 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Brawther - Remixes (Balance:BL13)
Brawther - Remixes

一時期はアメリカ産ハウスの衰退には目も当てられない状況でしたが、そんな中で昨今ヨーロッパでリヴァイヴァルしているのがディープなシカゴハウスでしょう。特にかつてChez DamierとRon Trentが傑作を量産していたPrescription傘下のBalanceは、復活を果たしてからはChez自身の作品のリリースと共に彼が認める良質な新人の発掘にも力を入れていて、ヨーロッパでも相当に熱くなっている模様。そして特にレーベルが力を入れているのが、このフランスはパリからの新鋭・Alexandre GouyetteことBrawther。80〜90年のディープでアンダーグラウンドな音楽を好きだと言う26歳のBrawtherは、確かに自身の作風もオールドスクールなハウスを貫き通していて、ようやく古いUS産ハウスが若手にも掘り起こされる時が来たようです。本作は"Remixes"と言うタイトル通りにBalanceに関連のある曲のリミックスを収録しているのですが、目玉はChez & Ronが94年にKMSからリリースしていた大傑作KMS54番のBrawtherリミックス。原曲のロマンばっちりなディープハウスも良かったのですが、メインのボーカルを残してメロウでありながらパーカッシヴに仕上げた身軽なディープハウスも素晴らしく、Brawtherの才能は最早疑うべくもない事を感じさせました。また自身の曲をリミックスし直した"Le Voyage (Module Mix)"も、テクノ色の硬いキックとテックな上物を生かしたメロウなディープハウスで、フロアのピーク時間にもばっちりハマリそうです。その他含め全てBrawtherがリミックスした4曲、シカゴディープハウスを現在に復権させる内容で文句無しの一枚。ディープハウス好きならBrawtherは聴き逃せないでしょう。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Lost Tribes Regained EP (Future Vision Records:FVR019)
Ron Trent - Lost Tribes Regained EP

近年ドイツのディープハウスシーンで絶大な人気を得ているChez Damierのかつての盟友・Ron Trentは、Chezと共同で運営してたPrescription傘下のFuture Vision Recordsの活動を活発化させ現在量産体制に入っています。Chezの音楽性はドイツでも受ける厳かなディープハウスなのに対し、Ronのディープハウスはやはりアフロやトライバルな志向の強い生っぽさを打ち出しております。シリーズ物となるこの第一弾でも乾いたパーカッションが爽やかに突き抜けるディープハウスを収録していて、まあいつも通りと言えばその通り。渋いオルガンが自由に暴れ、不思議な呟きが挿入される"The Clan Speaks"でも跳ねるパーカッション使いは見事な物で、ディープでありながら浮遊感覚もあります。しかしそれ以上に素晴らしいのが裏面の"Oduworld"。メロウなピアノ使いにアフロな太鼓が入り乱れ幻想的なボーカルが霞の様に溶けていく余りにも郷愁を呼び起こすハウスで、まるで夏の終わりのあの切なさを思い出させます。そしてミックスに使い易いビートのみで構成されたアフロな"Open Roads"も収録。Ron Trentと言うアーティスト性が十分に感じられるEPで、いつも外しが無く素晴らしいです。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Wbeeza - Void (Third Ear:3ELP-2010_06)
Wbeeza - Void
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近年のディープハウスの流行の中でデトロイトやシカゴの重鎮たちの再評価が著しい昨今ですが、それと同時にその流れを汲むニューカマーも続々と育っております。Wbeezaは2007年にデビューしたUKベースのアーティスト。ビートダウン〜ディープハウスを得意とするThird Ear Recordingsからのリリースも多く、Wbeezaの音楽性も同様に黒くメロウでありChez DamierやDelano Smithら先人の技と心を受け継ぐ物です。決して無闇にアッパーに上げる事もしないし、大箱で受けるようなど派手な展開も無い…が厳かで内向的なソウルを燻るように燃やし続け、それと同時にヒップホップやジャズからも影響と受けたと本人談の通りに、黒い音の統一感を保ちながら小技を効かせたアルバム作りをしております。大半は叙情感たっぷりにロマンスの満ちたディープハウスで心地良く羽ばたきながらも、所々で渋いヒップホップやジャズトラック、インタールード的なトラックで沈静化もさせて、マンネリ化を感じさせないバランスの取れたアルバムと言えるでしょう。前述の通り決して派手な音楽ではないけれど、時代に関係なく普遍的に聴ける音楽とは得てしてこの様なアルバムなのだと思います。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2011/3/4(FRI)
STERNE @ Womb
Live : Hardfloor
DJ : Takkyu Ishino, Ten

2011/3/5(SAT)
FACE presents Andre Collins Japan Tour 2011 @ Eleven
DJ : Andre Collins, Ryo Watanabe

2011/3/5(SAT)
Only 1 DJ @ Grassroots
DJ : Keihin

2011/3/11(FRI)
CITY TRIANGLE VOL.2 @ Air
DJ : Ken Ishii, Mickey Zhang
LIVE : O.N.O

2011/3/12(SAT)
Return of The DJ 7 Hours @ Oppala
DJ : DJ Yogurt

2011/3/12(SAT)
Larry Heard Japan Tour 2011 @ Eleven
DJ : Larry Heard, ACKKY, Kez YM

2011/3/19(SAT)
Chez Damier in Tokyo @ Eleven
DJ : Chez Damier, STEREOCiTI, Remi, Kouki.K

2011/3/20(SUN)
The Boss @ Liquid Loft
DJ : 高橋透×Jazzy Sport Crew(cro-magnon, Out Of Control a.k.a Naoki Nishida, OKD)

2011/3/25(FRI)
Andres Japan Tour 2011 @ Air
DJ : Andres, T.Seki
Live : Coffee & Cigarettes Band

2011/3/25(FRI)
The Oath @ Oath
DJ : DJ Yogurt, Altz, Gonno

2011/3/26(SAT)
Hi-TEK-SOUL @ Air
DJ : Derrick May
| UPCOMING EVENT | 12:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
The Gathering - In My System (Remixes) (Silver Network:SILVER029)
The Gathering - In My System (Remixes)
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シカゴディープハウスの巨匠でありながら、近年のジャーマンディープハウスにもリンクして再度注目を集めているChez Damier。昨年はThe Gathering名義(ユニット?)の"In My System"がまたも大ヒットとなるなど熱い状況が続いておりますが、その熱も冷めないうちに更にリミックスEPが到着。A面にはリエディットやビートダウン方面で躍進中のThe Revengeがリミックスを提供しており、普段とは作風の異なるアシッディーで不機嫌なシカゴハウス風のディープハウスを披露しています。オリジナルのメロウさは抑えクールで無機質にしつつ、不思議なSEも加えてどこかミステリアスな空気漂う簡素なスタイルへと削り落とした印象。そしてB面にはフレンチハウスの第一人者・Chateau FlightからI:Cubeが、極上のプログレッシブハウスなリミックスを提供。最近のI:Cubeの音楽性は以前からは想像も出来ない程に大箱向けなプログレッシブハウス寄りになっているけれど、その違和感以上に力強いダンストラックの魅力が優っているのも事実。本作でもハードで図太いキックの上にサンプルボイスをループさせ、奥行きを感じさせるダビーな音響とど派手なシンセで空間を埋め尽くして、眼前に圧倒的な音の壁が立ちはだかる様です。これはフロアで聴いたら絶対盛り上がるのは間違い無いでしょう。ちなみに私はアナログ盤を購入したのですが、デジタル配信だと更に3つのリミックスも収録されている模様。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2010
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。世間では音楽が売れないだとか、アナログ文化の衰退だとか音楽業界の悲鳴が聞こえてきておりますが、決して音楽自体がつまらない物になった訳ではないと思います。ようは今までは金かけて宣伝していた物が売れていただけで、今はそのシステムが通用しなくなったので心底なファンしか買わなくなっただけなのでしょう。そんな時代だからこそ、自分の耳を信じて意識的に聴く事を、興味と探究心を持って新しい音楽を探す事を行い、受身でなく積極的に自ずから音楽を聴くようなリスナーが増えればなと思います。さてそれでは毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 11:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Brawther - Untitled (Balance Recordins:BL12)
Brawther - Untitled

90年代にRon Trent & Chez Damierが主宰していたPrescriptionと言えば伝説的なディープハウスレーベルなのですが、近年になりRonはPrescriptionを復活させ片やChezは傘下のBalanceを再始動させております。そしてChezが才能を見込んでBalanceから送り出すのが、フランスの新鋭・Alexandre GouyetteことBrawther。本作でも当たり前と言えば当たり前の事ですが、RonやChezらが得意としている浮遊感とアンビエンスが溢れる深いディープハウスが収録されており、Chezが入れ込むのも納得な内容です。特に秀逸なのは"Deep Down Paris"で、大海原を漂うかのように非常にゆったりとし、そして幻想的な靄が広がるようなシンセが美し伸びて行くディープハウス。クラブでの踊り疲れたアフターアワーズ向けな癒しのある曲で、心身共に浄化されそうです。逆に"Asteroids & Star Dust (Burst Mix)"は跳ねたリズム感を伴いつつセンチメンタルな音色が心地良いフュージョンハウスで、真夜中のフロアにもばっちり対応した曲。しかし90年代のシカゴハウスが21世紀の今になって、まさかヨーロッパのモダンディープハウス方面に飛び火するとは誰も予想だに出来なかったに違いない。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Osunlade - Occult Symphonic (R2 Records:R2CD016)
Osunlade - Occult Symphonic
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奇っ怪な飾り物を鼻にぶっ刺した姿が特徴的なアフロでスピリチュアルなアーティスト・Osunladeの新作MIXCD。ここ数年アルバムやらMIXCDやらを大量にリリースしている気もしますが、この新作はその中でも特に上玉。ジャンルで言えばハウスなんだけど、彼のルーツでもある生臭いトライバルな音や宗教めいたスピリチュアル性は控えめに、エレクトロニックな質感や深いダブの音響に取り組んだ選曲で、進化と言うか深化したOsunladeがここに居ます。テンション自体はかなり抑え目で一見地味な様ですが、実はオープニングからどろどろのダブハウスで黒いグルーヴに引きずり込み、中盤からは緩やかにテックな音に移行し真夜中の妖艶な色気を発し、そして終盤のリラックスしたディープハウスで華麗に終着点を迎えると言う非常にハイセンスな展開。派手に盛り上がり滝の様な汗をかく瞬間は皆無ながらも、エレガントで柔軟な音色やスムースな変遷にはムーディーと言う言葉がぴったり。例えばクラブのメインフロアよりも、ラウンジで酒を片手に男女で語らいながら聴きたくなるBGMとでも言えばいいのか。勿論踊っても一向に構わん。

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| HOUSE6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/10/01 Bed Making × 恥骨粉砕 @ heavysick ZERO
レジデントのL?K?OとDJ Yogurtがジャンルを飛び越えてメロウな一夜を織成すパーティーがBed Making。不定期に開催されており、今回は5ヶ月ぶりと言う事もあったので遊びに行ってきました。

フロアに到着した頃にはL?K?Oがプレイを始めたばかりでしたが、前回のこのパーティーで感じた様にL?K?Oのプレイは先が全く読めない。アップダウンの激しさやジャンルの振れ幅が大きく、何でこんな繋ぎになってしまうのかと摩訶不思議なプレイ。ヒップホップやR&B、レゲエ、またはサウンドトラック風な物から妖しいエスニック系、そしてテクノやハウスと奇想天外な旅路を繰り広げます。脈絡の無いトラックを違和感無く繋げてしまうセンスも然る事ながら、何をプレイしてもエロと言うか夜遊び好きで卑猥な饗宴が開かれている様で、確かにこれはBed Makingと言うパーティーのコンセプトを象徴しておりました。

その後はゲストのホテルニュートーキョーのライブ。事前情報ではラウンジ系の音楽をプレイするバンドかなと思っていたのですが、実際にBed Makingに合ったメロウでジャジーなライブを聴かせてくれました。驚いたのは9人編成と言う大所帯で、ギターやベース、ドラムの他にパーカッション、キーボード、サックスなども演奏していて、曲毎に管楽器が熱くファンキーに唸ったり、スティールパンが爽やかな清風を巻き起こしたりと大所帯を活かした味付けをしていて、単にお洒落でメロウ一色なだけではない熱いバンドである事も感じられました。ラグジュアリーだけれども、手に汗握る熱さもある感じ。

そしてホテルニュートーキョーのメロウな流れを引き継いでDJ Yogurt。この日は珍しくも?メロウなハウス中心のセット。前半は南国ビーチパラダイス風に賑やかでウキウキとするハウスから、徐々にパーカッシヴ・トライバルな音を強めて、更には郷愁をたっぷり含んだディープハウスまでと終始ハウス一色。特に中盤以降ではRon TrentやChez Damier、Needs関連の耽美なディープハウスでぐっとムーディーに染め上げて、自分の好きな音でもあったからとても心地良い時間帯でした。テンションは高くてもムードはメロウなので、結果的にはこれもまたBed Makingらしい音なのかな。色々なジャンルの音でメロウな一夜を堪能出来たパーティーでした。
| EVENT REPORT3 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gathering - In My System Part One (Gathering:ga01:ga01)
Gathering - In My System Part One
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シカゴハウスのベテラン・Chez DamierにChris Carrier、Jef Kの二人が加わった謎な組み合わせのGathering。突然Part.1と2の2枚のEPがリリースされましたが、ネットで調べた内容が正しければこのPart.1は、Jef KとChris Carrierのリミックス2曲が収録されております。A面はJef Kによるリミックスらしく、広大な海をゆったりと揺蕩う様なおおらかなディープハウス。Chez Damierと思われるムーディーな声がタイトル名を呟き、そしてうっすらと透明感のあるシンセストリングスも張り、落ち着きがありシックな夜の感覚が感じられますね。B面はChris Carrierによるリミックスだそうで、A面に比べてアグレッシヴでリズムも跳ねており、ミニマル色とシカゴ色も感じられるダンスミックスです。ボーカルやシンセにはダビーなエフェクトがかけられており、派手に盛り上げるならこちらが効果的かな。どちらもChez Damierらしいメロウかつムードはあり、ロマンティックなディープハウスが好きにはお勧めです。詳細とかが余り書かれていないので非常にブートっぽいんだけど、正規盤だそうな。

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| HOUSE5 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/06/26 Spinning Vol.2 @ 渋谷 Bar&Cafe特異点
友達と開催している"Spinning"の第二回は色々と課題は残っておりますが、無事終了しました。自分達レギュラー陣は割と大人しい選曲でメロウなハウスだったり緩めのセットでそんなに上げない内容でしたが、ゲストのDJ Aprilさんは古いシカゴハウスをパワフルにプレイしていかにもパーティー的な内容で盛り上げてくれました。時代が変わろうと本当に良い曲は変わらない良さがある訳で、そんな事を再認識させてくれるプレイだったと思います。

また次回に繋げる為に工夫なり努力が必要だと感じる点が多かったのですが、また必ずや次回開催したいと思います。遊びに来て頂いた皆様、どうもありがとうございました。

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| EVENT REPORT2 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/03/21 Spinning @ 渋谷 Bar&Cafe特異点
レギュラーパーティー化する予定の"Spinning"、無事終了致しました。お越しくださった皆様、どうもありがとうございました。そしてパーティーを知らずに飲みに来たお客さんの一人が、実は自分も読んでいるブログの管理人だったり、世界は狭いな〜とびっくり。

DJの平均年齢が30歳を越すロートルなパーティでしたが、各人の好みが出た音楽を十分に堪能出来ました。一番手のShooterさんはメタル〜ヒップホップ〜ポップ〜ダブステップなど、彼がブログで紹介している音楽を色々とプレイ。次のTakeshtさんはジャズっぽいのにデトロイト系の音も混ぜて洗練された音楽。beatjunkieさんはニューウェーブに2000年前後のハードテクノを織り込んでがっつんがっつんとハードに。

beatjunkieさんが盛り上げてくれて、自分は最後にプレイ。折角だし新曲を多めにやろうと言う意識が強すぎたのか、う〜んあまり良い流れを作れなかったよ…。緊張と酔いの為か、ミックスも全然合わせられなかったな。

何はともあれ自分の好きな音楽をプレイ出来る機会があり、程々に満足出来ました。また次回開催出来るように努めますので、皆様どうぞ宜しくお願いします。

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| EVENT REPORT2 | 11:30 | comments(7) | trackbacks(2) | |
2010/02/24 GOOD & EVIL NIGHT vol.14 @ Solfa
昨日は平日ながらもSolfaで面白そうなパーティーがあったので、中目黒に行ってきました。でついでなので、出演者の白石隆之さんが美味しいと呟いていた中目黒タップルームと言う地ビール専門店に行ってみた。ビールの種類はかなり多く、そのどれもが強烈な個性を発していて、確かに本当に美味い!カウンターもあるから一人でも飲みに行けるし、値段が高いからしょっちゅうは行けないけれどビール好きにはかなりお勧め出来る店でした。
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| EVENT REPORT2 | 14:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
2010/02/12 bug III @ Lazy Workers Bar
小野島大さん、24noさんが開催しているbug IIIでちょこっと回してきました。場所は渋谷の小さなバー・Lazy Workers Bar。以前は無かったDJブースが作られていて、しかも最新のCDJも用意されていたり、なかなかの設備。20名入ればいっぱいになってしまう小さなバーですが、むぅなかなか侮れん。

自分が着いた頃にはハッチΨさんがプレイ中。90年代のシューゲイザーを中心に回してましたが、ダムドの予想外なゴシックな曲も回したりしてびっくり。ダムドってパンクだけじゃなかったんだ…

で自分は一時間の中で下記のトラックをプレイ。新しいトラックと懐かしめのトラックを混ぜながら、黒っぽさとムーディーさとエモーショナルな音を表現したつもりです。しかしまあ好きな曲をかけると気分爽快ですね、スカッとしました。
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| EVENT REPORT2 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Time Visions 2 (Mojuba:mojuba g.o.d.2)
Chez Damier - Time Visions 2

現在ヨーロッパハウス隆盛の中でも特に目を見張るMojubaから、又してもシカゴハウスのレジェンド・Chez Damierの新作が登場。しかしまあシカゴのシーンから出て来たオールドスクーラーが今再び評価されるのは謎ですが、Mojubaのデトロイトとシカゴへの偏愛っぷりは本物です。流行や古い新しいに関係なく良い物は良いとして評価するMojubaには今後も注目。そして新作ですが、A面は前作からのリミックスとなる"Why(D's Deep Mix)"で、オリジナルの壮大な海をたゆたう感覚を壊さずに多少テンポを上げたディープハウス。リミックスとしての楽しみは少ないけれど、エレガンスなムードを保ちつつリスニングからフロア仕様になった事でクラブでもばっちし機能するでしょう。そして注目すべきは92年にリリースされていた"Help Myself"の未発表リミックスで、これを手掛けているのがCarl Craig。多分その当時にお蔵入りになっていたのでしょう、音自体も昔のC2らしく今よりも柔らかめでちょっとあどけない感じのディープハウス。最近はC2もかなりプログレ寄りで硬めの音になっちゃってますが、昔のアナログで安っぽいけれど温かさの感じる音も良いですね。残りの一曲はホーンの入ったファンキーかつソウルフルながっつりダンス系のハウスで、ぐっと来る感じ。捨て曲無しの素晴らしい一枚。

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| HOUSE5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Destination (Circular Motion Recordings:CMAL001)
Anthony Nicholson - Destination
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シカゴハウスの遅咲きの天才・Anthony Nicholson。90年代前半、Chez Damierと袂を別ったRon Trentの新たなる相棒となった後、自身のClairaudienceを立ち上げシカゴハウスを飛び越えたクロスオーヴァーな音楽性を打ち出し、更にはJoe ClaussellのSacred Rhythm Musicからも作品をリリースするなど世界標準のハウスを作り続けている人達の一人。作品毎にエレクトロニックなリフが印象的なテックハウス、アフロなパーカッションが爽快なアフロハウス、ジャジーで情感を誘うフュージョンハウス、そして優雅で耽美なディープハウスまで色々と手掛けておりますが、どの作品にも共通するのはやはりエモーショナルで人間味がある事。この人、マルチな才能を発揮してかキーボードやベース、ドラムなどは自分で演奏するし、勿論プログラミングで打ち込みもやって、更には甘い歌声で歌まで披露するなど多くを自分で手掛けている為、ライブ感・温かさの感じられる音楽性が打ち出せるのかなと思う。新作もやはりシカゴハウスの影響はほぼ抜けきったアーバンなセンスたっぷりのディープハウスやフュージョンハウスが満載。ゆっくりと羽を広げ舞い上がる様にリラックスした空気感と、そして胸を鷲掴みにする切なくて哀愁漂う旋律はもう彼の十八番と言った感じで、ダンスミュージックと言う視点以外からでも十分に聴ける内容でしょう。

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| HOUSE5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
16 Years Of Prescription Dubplates And Poetry Volume 1 (Prescription Records:PRCD003)
16 Years Of Prescription Dubplates And Poetry Volume 1
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悠久の時を経てシカゴディープハウスの伝説・Prescriptionが現代に戻ってきた。そう、Prescriptionと言えば90年代初頭にRon TrentとChez Damierが主宰し、大地を揺るがすダビーなパーカッション、そして幻想的で空間の広がりを感じさせるシンセなどを駆使し、とてつもなくディープでアフロなハウスを量産してきたシカゴハウスシーンの中でも屈指の才能を見せつけたレーベルであります。フロアでの聴き応えもありながら一曲としての完成度は高く、リスニングとしての価値が高いながらもアンダーグラウンドな活動故かレコード中心の活動で入手は困難だったところ、目出度くレーベルコンピのリリースとなりました。元々が入手困難な楽曲な上に、更には未発表曲なども加えた豪華仕様なのだから悪い訳があるまい。RonとChezの美的センスが結実した深淵なる"Morning Factory"、ジャジーハウスを得意とするAnthony Nicholsonと生み出した土着臭たっぷりな壮大なアフロディープハウス"Soul Samba Express"、ピアノの旋律が優雅な叙情を奏でるジャジーハウス"Foot Therapy"など、シカゴハウスの中でもそのエレガンスさとアフロな感覚はトップクラスで、16年の時を経た今も尚その輝きは失われるどころかより強くなっているとさえ感じさせます。そして近年活動が活発になりつつあるChez Damierはヨーロッパのモダンハウスともリンクしていき、Ron TrentはPrescriptionを再始動させており、両者ともまだまだ今後が楽しみな存在です。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
A Work In Progress - Untitled EP (Yore Records:yore-018)
A Work In Progress - Untitled EP
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本作はシカゴハウスの巨匠・Chez DamierとデトロイトのPriceless Oneなるアーティストの共同ユニット。なんでもPriceless Oneは"Music Institute"の創設者の一人らしく、だとすると相当なベテランになるはず。Andy Vaz主宰のこのYore Recordsは今までにもデトロイト系のアーティストの作品をリリースしてきているので、音楽的な相性は抜群でしょう。A面の"Moment Of Truth"はドライヴィングするファンキーなリズムトラックに、透明感のあるエレガンスなフェンダー・ローズと上品なシンセストリングスが絡み合う極上のディープハウス。疾走感がありフロアで盛り上がるのは当然として、リスニングとしてもうっとりする程の陶酔感があり文句無しです。B面の"Let Me Do Yore"は図太いキックが特徴的なピッチの遅いディープハウスで、A面に比べると荒々しさの目立つシカゴハウスの攻撃性が前面に出た一曲。安っぽいオルガンがファンキーで、かつてのシカゴハウスを思い出させます。両面非常に素晴らしい一枚でした。

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| HOUSE5 | 06:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Time Visions 1 (Mojuba:mojuba g.o.d.1)
Chez Damier - Time Visions 1

ドイツではディープハウスが熱いそうだ、いや現地に居ないからはっきりとは言えないけれど。しかし今や人気レーベルとなったMojubaは当初からデトロイトをも意識したディープハウスを量産していて、そして遂にシカゴハウスの巨匠・Chez Damierとも接続してしまった。Chez Damierと言えばRon Trentと共に伝説のディープハウスレーベル・Prescriptionを主宰していた事で有名で、ソウルフルな旋律とアンビエンスな音響、そして神聖なムードを持ったハウスを得意としています。そんなChezの新作がまさかMojubaからとはびっくりですが、新曲の"Why"は非常に素晴らしい。ブルースハープが切なく響くゆったりとした空間が広がるディープハウスで、まるで大海原をぷかぷかと遊泳するかの如く。とても単純な構成の曲なんだけど、薄くシンセストリングスなんかも入っていて、淡い叙情と耽美な音色に包まれてリラックス出来る一曲。そしてB面にはPrescription時代のレアトラックが2曲収録。既発とは言えこの頃のレコードを持っている人は少ないだろうし、大変価値のある収録だと思います。特に"Sometimes I Feel Like"は、シンセの独特のうねりが非常に美しくモダンハウスとの相性はとっても良いでしょう。

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| HOUSE5 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Dance Classic (Octave Lab.:OTLCD1258)
Ron Trent-Dance Classic
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個人的にも非常に尊敬しているシカゴハウスの巨匠・Ron Trentの最新作は、"Back To Basic"・"Return To Roots"をコンセプトにした80年後半〜90前半のシカゴハウスを掘り返した2枚組。昨年位から凄い勢いでEPをリリースしまくっていたんだけど、本作はそれらをコンパイルした構成みたい。音的に言うとRonとChez Damierが運営していた伝説のディープハウスレーベル・Prescriptionに相当に近い感じで、目新しさは全くの皆無。浮遊感とアンビエンス漂う上物と躍動感溢れるパーカッシヴなリズムを組み合わせた彼のかつてのスタイルまんまで、まあこれをどう感じるかは彼への音楽への思い入れ次第かな。自分はPrescriptionのEPも集めている位のファンなんでこの回帰路線は非常に喜ばしく、デジタルではなくアナログ中心の原始的な音には人間的な温かみを感じるし惹かれてしまいます。大海原に放り出されたような広大な世界観とマリアナ海溝にまで達する深い叙情は、きっとRonの90年代への懐かしさが作り上げた物なんでしょうね。ゆとり、リラックスを感じさせる大人のディープハウス。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/03/14 SiCK! @ ANGELO
デトロイトにはかつて"Music Institute"と言う伝説的なクラブがあったそうで、それを立ち上げたのがChez Damierと今回来日していたAlton Millerなのです。デトロイトと言えばテクノと言うイメージが大きいですがハウスも実は昔から充実していて、今回はそんな生き字引が横須賀に来てしまったのだ。って事でがんばって横須賀中央のANGELOってクラブまで行ってきた。横須賀って言うと自分の中では兎にも角にも米軍基地ってイメージですが、実際に行ってみたら飲み屋が多かった。そしてどうやらホッピーが人気があるらしい。何よりも横須賀の飲み屋に感心したのは、ホッピーを提供する時に三冷を守っていた事だ。東京だと氷をぶち込んでホッピーを出す店が多いけど、それだと味が薄まっちゃうんだよね。東京も横須賀中央の店を見習うべきです。

さてさてたんまり飲んでからANGELOに突入。知り合いが言うにはクラブと言うよりは元々ライブハウスであるらしいですが、なかなか良い雰囲気の箱でした。ワンルームでフロアとバーが一緒になっているんだけど、程よい大きさと自由きままで気の抜けたリラックス感が良いです。派手でもなく豪華でもなく、自然体で居られる場所と言うか。大箱には大箱の良さがあるのは分かるけど、最近はそんなに大きくなくて適当にだらだら出来る箱の方が自分にはしっくりくる。

Abdul Haqq

前の方ではデトロイト関連のイラストレーター・Abdul Haqqがキャンバスに向かって絵を描いていた。見れば一発で分かったけど、Red Planet(The Martian)の絵だった。そういや最近Red Planetシリーズは出ていないけど、プロジェクトは停止してしまったのだろうか?Red Planetの復活きぼんぬ。

音楽の方は正直言うと余り覚えていない。飲み過ぎた、寝てしまった、悔しい。Alton Millerの前まではまだ記憶があり、デトロイト系のテクノとかもかかっていて自分も楽しんでいたはずだが。Alton Millerは3時間のロングセットだったんだけど、最初の30分位しか聴けなかったかも。ハウス回してたっけ?う〜ん、記憶に無い、自分アホすぐる。朝方起きたのは、ユニコーンの"ヒゲとボイン"がかかっていた時だ。Alton Millerは殆ど聴き逃してしまった訳だ!飲み過ぎには気を付けないとと少々反省。しかしSiCK!関連の女の子?が売っていたミートパイが美味かった。美味しくて2枚も食べてしまった。音の記憶が余り無いのは寂しいが、とても楽しい一夜でした。

■Alton Miller-Selected Works(過去レビュー)
Alton Miller-Selected Works
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| EVENT REPORT2 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Charles Webster - Coast 2 Coast (NRK Sound Division:NRKCD042)
Charles Webster-Coast 2 Coast
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PeacefrogやDefected、NRKを含め数々のレーベルから数々の変名を用いて活動しているUKのアーティスト・Charles Webster。基本的には欧州的な洗練された美しさが光るハウスを得意するアーティストですが、女の子受けする様な陶酔と甘さが持ち味ですね。と言っても全然下品じゃないし、むしろ気品に満ちているのが他の人との違い。近年は一向に新作が出ないのでヤキモキしておりますが、去年はNRKからのMIXCDシリーズ・Coast 2 Coastに参加しておりました。MIXCDにおいても彼の特徴である甘さや気品は充分に活かされていて、アッパーに盛り上げるのではなくてしっとり聴かせるタイプのハウスミックスを披露しております。派手なミックスや過剰なイコライジングは聴かせる事はなく、終始一曲を長めにつないで曲その物の良さを知って貰う落ち着いたプレイ。ミックスプレイ自体には特徴はないんだけど、その選曲の良さが素晴らし過ぎる内容ですね。夜の似合うアダルティーな音楽、それはただ下品にエロイのとは異なり上品なエロスを伴う官能的な妖艶さ。一歩引いた大人の美学とも言えるかもしれない。Charles Webster、この人のそんなエロさが今宵も体を火照らすのでした。

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| HOUSE4 | 06:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker - Serious Grooves In The Mix (Serious Grooves:SGCD1)
Terrence Parker-Serious Grooves In The Mix
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デトロイトのハウスレーベル・Serious Groovesの音源を使用して、デトロイトのベテランハウスアーティスト・Terrence ParkerがMIXを手掛けたのが本作。ちなみにリリースは94年で日本ではAvex傘下のCutting Edgeから。昔はAvexもまともなクラブミュージックをリリースしていたと言う、今となっては懐かしい証拠。CD帯には「デトロイトテクノの従来型(ダーク、シリアス、インテンス)をくつがえすべく…」「なぜかとってもDISCO-TECH!」と書いてあります。別にデトロイトってダークなだけじゃなくてポジティブなメッセージ性だってあるじゃんよと思いますが、初期URは確かにハードコアだったしそれの事を指しているのかしら。それはおいといて兎角テクノが目立つデトロイトですが、本当はこんな昔からハウスも在ったんだなと感じさせる内容。色々なアーティストの曲が使用されている様に見えて実は大半はTerrence Parkerの変名で、他はChez Damier、Alton Miller、Claude Youngらの曲が混ざっています。音的には古さが漂っていて新鮮味はありませんしMoodymannやTheo Parrish程の黒い展開が待っているでもなく、ゴスペルハウスを少々水で薄めたような軽めのハウスなんですよね。確かにディスコティークな懐かしい思いが込み上げてくる音ですが、もうちょっと汗々する様などす黒いファンクネスがあると個人的には嬉しいです。良く言えばスムースな4つ打ちが続いて癖が無く聴きやすいけれど、デトロイトにはもっと熱い物を期待しています。

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| HOUSE4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Sessions (Studio !K7:!K7224CD)
Carl Craig-Sessions
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生きる伝説、テクノミュージックの至宝、未来と過去を紡ぐ者、一体どれ程の言葉があれば彼の全てを語る事が出来るのだろうか。デトロイトテクノのみならず電子音楽と言う範疇において、彼の活躍無くしては今のシーンが果たしてあっただろうか。その人こそデトロイトからの使者・Carl Craig。デトロイトテクノ第二世代に属す彼は、同世代のUndergorund ResistanceやJeff Millsとも異なる音楽性でデトロイトテクノの躍進・拡大に貢献し、デトロイトの個性を最も体現しているアーティストの一人である。

さて、彼はアルバムやCDを殆どリリースせずEP単体での仕事が多いので、レコードを聴かないリスナーにとってはなかなか普段は聴く機会が無いのではと思う。またリミックスワークも尋常ならざる量を請け負っているが、当然EPでのリリースなのでまだ見知らぬ曲がある人も結構な数になるであろう。そんな人達に朗報!近年の彼の仕事をまとめたミックスCDが2枚組でリリースされたのだ。まあわざわざ説明しなくても内容が超絶素晴らしいなんて事は誰にも分かるので、敢えて説明はしない。しかし勘違いはしないで欲しい。これは決してベストアルバムではない。あくまで彼の一部だ、一部。とてつもない量のリミックスワークをしている彼にとってベスト盤を出すのは、事実上不可能に近い。それでも本作は本当に素晴らしい事は保証する。僕は大半の曲はレコードで持っているので新鮮味は特にないけれど、CDで一同に聴けるのは本気(マジ)で感動ものである。そして最後に一言…

テクノリスナーならこれを聴かずして一体何を聴く?

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| TECHNO5 | 22:00 | comments(6) | trackbacks(5) | |
Jovonn - Spirit (Track Mode:TMCD1003)
Jovonn-Spirit
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90年代からアンダーグラウンドなハウス方面で活躍しているJovonnが、今の所唯一残しているアルバムが本作です。リリースはLarry Heard、Chez Damier、Anthony Nicholsonらを擁するTrack Modeからなので、当然本作もそのレーベルの趣旨に添ったソウルフルなディープハウスが繰り広げられています。この手のディープハウスの良さは派手に盛り上げるのではなくて、ソウルを心に秘めて渋みを効かせた落ち着きを感じさせる雰囲気がある所だと思います。歌物のトラックも必要以上に熱くなったりせずに、歌その物は主張せずにむしろ淡々と歌われる事によりトラック自体を際立てる作用さえ感じます。しかしあれですね、これってまんまLarry Heardじゃないかと思う位雰囲気が似ています。透明感のある音、暖かくメロウなメロディー、シンプルな構成とどこを取ってもまるでLarry節全開。どっちが先かと言う問題は置いておいて、クオリティーは高いですよ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Fuse Presents Shinedoe (Music Man Records:MMCD029)
Fuse Presents Shinedoe
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正直最近のテクノシーンにはうんざりだ。クリックだかミニマルだか知らないが、チマチマネチネチユルユルで一気に老け込んだ様な音ばかりが氾濫している(と思う)。まあ一過性の流行だとは思うけど自分はテクノに入り始めた頃にJeff Millsに衝撃を受けた人間なので、根っこにはハードミニマルみたいなゴリゴリ激しいテクノがあり、だからどっちかと言うとテンションの高く山あり谷ありのハードなテクノが好きなので最近のテクノシーンには少々食傷気味なのです。し〜か〜しだ〜、オランダのデトロイト系列レーベル・100% Pureでも活躍するShinedoeのユルユルMIXCDは、想像以上に素晴らしか〜。確かにユルユルではあるんだけど、ディープなシカゴハウスやベーチャン系テクノなどの奥行きはあってもリズムがかっちりしている曲を繋いでいて、更にはURの名曲で一気に盛り上がったり意外性もあって楽しめますね。ミニマルもシカゴもデトロイトもごった煮ながら激昂する展開は少ないけれど、ずぶずぶと足を引き込まれる引力には抗えません。流行のミニマルもそうじゃないかって?確かに似た感覚はあるけれど、自分はリズムは硬い方が好きなので本作の方が好みです。本作も流行っぽいヒプノティックさを持ち合わせていますが、それでもテクノ本流の音寄りなので流行が終わった後も聴けるはず。

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| TECHNO5 | 22:30 | comments(5) | trackbacks(3) | |
Love Deluxe 〜Atal Music presente Une Collection de House Music Volume 01 (Argus:GQCD10056)
Love Deluxe 〜Atal Music presente Une Collection de House Music Volume 01
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"Love Deluxe"ってなんて俗物的なタイトルで、ジャケットもそのまんまセクシーさを前面に打ち出した物で、まあ安直と言うか分かり易いと言うか。しかしそれら一般的な売れ線を狙った作品の出し方の割には、内容はむしろ逆に生真面目でディープなハウス作品を集めていて非常に好感が持てます。2004年創立、フランスの新興ハウスレーベル・Atalの初のコンピレーションとなるこのアルバムは、Chez Damier、Ron Trent、Alton Millerなどのハウスレジェンドの良質なトラックを収録し、ハウスフリーク悶絶の痒い所まで手が大変有効な一枚です。僕はAtalからリリースされていたEPもいくつかは購入していたんですけど、買い逃しもあったりして少々後ろ髪引かれる思いだったんですね。そうしたらこんな編集盤が出ちゃうもんだから、便利な時代になったなーと心強く思います。まあ参加しているアーティストが信頼の置ける人達ばかりなので当然悪い訳もないですが、ゆるゆるなディープハウス〜空気感溢れるアンビエントテイストのハウス、渋みと甘さの共存するジャジーハウスまで、基本的には肩の力が抜けたリラックスしたムードに溢れていて調度良いBGMとなっていますね。"Love Deluxe"と言うタイトル付けるのも分からないでもないけど、そんな安っぽいタイトルじゃなくてしっかりアンダーグラウンドな雰囲気のあるタイトル付ければ良いのにね。でもまあハウスを普段聴かない人がこうゆう地下のハウスを聴いて、そこがハウスの入り口となるなんて事もあったら嬉しいな。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Alton Miller - Rhythm Exposed (Distance:Di1332)
Alton Miller-Rhythm Exposed
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デトロイトハウスの最古参・Alton Millerのベスト盤や新作がリリースされるのに合わせ、彼の1stアルバムを紹介したいと思います。今でこそデトロイトハウスも世に認知されていますが、Theo ParrishやMoodymannなんかが出てくるまではデトロイトテクノは評価されどデトロイトハウスなんて大して見向きもされてなかったはず。僕もその中の一人でありますが、実は昔からデトロイトハウスだって地味ながらも静かな胎動を帯びていたのです。Alton Millerは実はそんなデトロイトハウスを長く支えてきた人で、更に言うならばデトロイトの伝説的クラブ"Music Institute"をChez Damierと立ち上げたその人なのです。確かにDerrick Mayもそこでプレイはしていたのですが、実際にオーガナイズしていたのは前者の二人でその影響たるや語る必要も無い位でしょう。とにもかくにも長い活動歴のあるAltonが2000年にリリースした本作は、ベテランらしい充実したデトロイトハウスと言えるでしょう。しょっぱなボトムが太く弾けるパーカッションが心地良い"Rhythm Exposed"から、ファンキーで硬いリズムに楽観的で明るいヴィブラフォンを絡めた"Vibrations"。ジャジーで落ち着いた詫び寂びを感じさせる"For All Time"、粘りけのあるグルーヴにだらりとした自身の歌を被せた"Love Ballads"、透明感ある上物がどこか寂しげな"Alone"など、どれもこれも大人の落ち着いた雰囲気があるハウスで良く出来ていると思います。まあベテランなのでこの位当たり前と言えばそうなのですが、デトロイトの黒さを程良く吸収して更に適度にソウルフルなハウスをやっているので聞き易い所も流石ですね。MoodymannとかTheo Parrishなんかはどぎついと思う人は、まずはAlton Millerはどうでしょうか。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Dance Anthology (Peacefrog Records:PF089CD)
Anthony Nicholson-Dance Anthology
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本日部屋に散らかったレコードを整理していたら、大量のClairaudience RecordsのEPを目にしました。Clairaudienceと言えばシカゴハウスの秀才・Anthony Nicholsonが立ち上げた、コアな人気を誇るハウス/クロスオーバーなレーベルですよね(今は活動してなさそうだけど)。シカゴハウスって言ってもモロにファンクファンクってのではなく、Ron TrentやChez Damier、NEEDSらと交流があった様に陶酔系ディープハウスで煌びやかで哀愁漂うシンセが使われたりする曲が多いですね。その彼が何故かPeacefrogから一枚のアルバムをリリースしています。アルバムと言ってもEP2枚をコンパイルした物で、8曲収録ではありますが別バージョンが幾つか収録された物になっています。完全なオリジナルアルバムと言う訳じゃないですけど、その質は絶対保証致します。特に黄昏時の侘びしさを感じさせる切ないメロディー、彼の作品には絶対にかかせない物です。微かな甘さと胸を打つ郷愁が混ざり合い、高揚ではなく夜のしっとり感を演出します。リズムはストレートな4つ打ちからパーカッシブな民族系、またはラテン系まで幅広く、重くはないが芯がしっかりとあり突き抜ける爽やかさがナイスです。音の空間処理が上手く、果ての無い広がりを感じさせ気持ち良いですね。Ron TrentにしろNEEDSにしろ、このAnthony Nicholsonにしろ、分かり易いハウスながらも安っぽさが皆無で、ハウスアーティストとして超一級の才能を感じます。ここら辺のアーティストは大好きなんで、プッシュしまくりな私でありました。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
USG Presents African Blues - Color in Rhythm Stimulate Mind Freedom (Distance:Di1132)
USG Presents African Blues Color in Rhythm Stimulate Mind Freedom
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今や押しも押されぬシカゴ出身のディープハウサー・Ron Trentの一大絵巻、USG(Urban Sound Gallery)プロジェクト。最初に言ってしまうと、本当に素晴らしい大傑作です。しかしこの作品が出るまでには相当の苦労もあったようです。元々は盟友Chez DamierとRonが一緒に伝説的なレーベル・Prescriptionのサイドプロジェクトとして創立されたUSGですが、二人は途中で仲違いしプロジェクトは挫折。しかしその後一人残ったRonは、シカゴの若き天才・Anthony Nicholsonとパートナーを組み、新たなるレーベル・Clairaudienceを設立しUSGプロジェクトを再起動させる事になりました。そして早すぎた傑作「Ncameu」(アルバム未収録)や「Word Sound Power」、「Coconut Jam」をリリースするもまたもやここでパートナーは仲違いし、プロジェクトは挫折。しかし一人残ったRonは諦めることなく、アフリカンブルースと言うコンセプトを前面に打ち出したトラック制作に打ち込む事になったのです。そうして作り上げられたこのアルバムは結果的にRon、Anthonyのソロ作、そして二人の共作が収録された素晴らしいアルバムとなりました。ハウスを聴いている人ならばそれだけで分かるでしょう、どれだけこのアルバムが凄そうかって事が。Ronのリズミカルなアフリカンパーカッションが躍動し、Anthonyのミニマルなシカゴトラックは疾走感があり、そして二人の深く広大で美しい世界が目の前に広がります。大地の鼓動系のトラックに小洒落た控えめの綺麗なシンセ音が華を添えて、アンビエント的な浮遊感も生み出しうっとりしてしまいます。EP主流のシーンにおいてアルバムと言うフォーマットでこれだけの質の高いトラックを揃えたアルバムは多いとは言えず、ハウスを聴くならばこれは絶対に聴くべきだと断言します。近年のRonやAnthonyの音の傾向は、ここから始まっている様な気がしますね。

2月25日Ron TrentがYellowに来日します。

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| HOUSE2 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Joris Voorn (MINIMAXIMA:MM211CD)
Fuse Presents Joris Voorn
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今や押しも押されぬテクノ界の超新星・Joris Voornの初のMIXCDが遂に登場。大ヒット曲「Incident」や1STアルバム「Future History」での活躍はまだ記憶に残る所ですが、今度はMIXCDも出してくれるなんてなんてファン泣かせな活動ぶりなんでしょう。新人と言う事もあって僕はアッパーにガツンと来るようなプレイを予想していたのですが、ここは意外にもクールで抑制の取れたベテランらしいプレイを披露しています。ここでは流行のAbleton Liveを使って40曲をMIX、19個のセクションに分けています。PCを使ってのプレイのせいかやはり曲の流れに気を遣ってスムースで緻密な展開があり、彼の気高くも美しい面が強調されて感じる事が出来るのではないでしょうか。美しいシンセラインが用いられた曲の他にも、テクノに止まらずハウスクラシックスやクリックハウス、有名なアーティストの楽曲が惜しげもなく導入されて単調に陥る事はありません。こいつ本当に新人かよって思うような精密機械ぶりですが、欲を言えば新人なんだからもっと爆走気味に、ガンガン盛り上げるプレイでも良かったんじゃないかと思ったりもしました。実際にDJでは「Incident」だって回すそうじゃないですか。決して地味と言う訳ではないですが抑えめのプレイなので、緩い上げ下げの展開をじっくり噛みしめて長く付き合っていこうと思います。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(4) | |
Slam - Past Lessons/Future Theories (Distinct'ive Breaks Records :DISNCD65)
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UK・グラスゴーのテクノシーンを支え、才能あるアーティストを数多く輩出しているSoma Recordings。そのレーベルの設立者であり中心的ユニットでもあるのが、このSlamです。ハードでアンダーグラウンドな硬派な面を見せつつも、デトロイトテクノからの影響を受けてメロディアスなトラックを量産しています。「Positive Education」等の大ヒット曲も出しながら日本での評価のされ方は不当な程の人気の無さですが、海外での評価は抜群でトラックメイカーのみならずDJとしても超一流です。この5年前に発売された2枚組MIXCDはテクノ、ハウスを分け隔て無く使いグルーヴィーかつタフでファットな傑作となっています。一枚目はハウス色が濃厚で、メロウでムーディーな流れから徐々に音を積み上げていき、終盤では音に厚みが出て来てアッパー目に盛り上げてきます。非常に丁寧なMIXを行っていて、スムースに盛り上がるその手腕にはベテランの円熟味を感じさせます。2枚目はテクノ色が強く出て、これぞいかにもSlamと言ったMIXになっています。メランコリックでアッパーな曲、パーカッシブな曲、洗練されたシャープな曲を展開を作るよりもひたすら気持ち良い状態を保ちつつ、アゲ目に繋いでいます。そしてラスト間際で自身の「Positive Education」からドラマティックに盛り上がる「Jaguar (Mad Mike String Mix)」の瞬間こそ、正に待ちわびた感動のエンディング。余りにも分かりやすい盛り上げ方ながらも、誰しも抗う事の出来ない感動が待ちわびています。Slam未聴の方は是非この機会に体験して頂きたいです。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Alton Miller - Stories From Bohemia (Peacefrog Records:PFG044CD)
Alton Miller-Stories From Bohemia
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デトロイトテクノ・ハウスにおいて伝説となっているクラブ、「Music Institute」のレジデントDJであったAlton Miller。そう、かつてはChez DamierやDerrick Mayとも共に活動をしていた、デトロイトハウスの牽引者である。活動歴も大変長いのだが、まだアルバムは「Stories From Bohemia」を含め2枚しか出ていない。しかしやはり大ベテラン、丁寧にしっとりと作り込まれソウルフルなディープハウスを提唱している。同じデトロイト系でもTheo ParrishやMoodymann程どす黒くはなくて、しっとりと生暖かくしんみり心に染み入る様な作風が特徴。多彩で渋いパーカッションと流麗なエレピやストリングスを、音数を絞ってシンプルに使う事でエモーショナルなメロディーが強調されている。派手な作風ではなく夜に小耳を傾けて、お酒でも飲みながら聴き入りたくなってしまう。Larry Haerdとかのハウスが好きなら、間違いなく聴かれるべき作品。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ian Pooley - Excursions (Obsessive:EVSCD35)
Ian Pooley-Excursions
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昨日Ian Pooleyの最新MIXCDを紹介したので、今日は過去のMIXCDを紹介。こちらはクラシック満載でデトロイトオタが喜ぶ様な曲が多く、テクノ、ハウス好きのどちらにも納得出来るMIXだと思います。し、しかしである…。ジャケットのプーリーのデブ顔のアップは何とかならないのかね?これは酷い、酷すぎる。ナルシストにしたってセンスなさ過ぎ。ま、それはご愛嬌、内容は充分に満足出来るから許してやって欲しい。Satoshi Tomiieの「Tears」やRon Trent & Chez Damierのハウス、R-Tyme、Maurizio、Carl Craigのデトロイト系、そしてアンビエントハウスの名曲「Sueno Latino」などとにかく盛り上がる曲が満載。かといって派手な構成かと言うとそうではなく、むしろ真夜中に一人でしっとり聴き入る様な緩めのムーディーなMIXとなっている。柔らかいベッドに身を埋めながら何も考えずに体を休める。BGMは疲れた心と身をほぐすかの様に、優しく浸透してゆく。ほわぁ〜、気持ち良いよぅ〜…徐々に眠りに落ちていく様だ。切れのある曲やバスドラの利いた曲とかもあるけれど、プーリーが回すと全てムード満点になってしまう。顔ジャケは許せないが、内容の方はナルシストだからこそと言える素敵な選曲ですわ。「Sueno Latino」に辿り着く頃には、既に真夜中の午前3時。真夜中のパラダイスです。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Anthony Nicholson - Necessary Phases (Track Mode:TMCD1005)
Anthony Nicholson-Necessary Phases
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いつも思うのだがなんで日本では「Body & Soul」だけあんなに人気あるのだろう?おかしくねぇ?おかしいっしょ!Ron TrentとかAnthony NicholsonとかChez Damierだっているじゃん?彼らはシカゴハウスの面で語られるべき人だけど、ハウスの成長の一端を担ったのは絶対彼らだと思うのだけど。曲作りに関しては彼らは超一流だよ。やっぱ知名度のせいか?ディープさでいったらまじでハンパじゃないんだけどね。元々はRon TrentとChez Damierが伝説的なディープハウスレーベル、Prescriptionを設立。その後袂を分かれたRon TrentがAnthony Nicholsonと手を組みアーバンなジャジーハウスレーベル、Clairaudienceを設立。まあそれも結局分解してしまうのだが、Anthony Nicholsonは一人でレーベルを存続し、今ではNEEDSやRon Trentとも仲良くやっているようだ。超早熟なRon Trentと比べるとAnthony Nicholsonは徐々に頭角を現していった様だが、最近の作品の質は言わずもがなって感じ。Ron Trentと組んでUSG名義で出したアルバム「Color In Rhythm Stimulate Mind Freedom 」(ハウス好きは必聴!)は深く、そして余りにも美しいハウス〜アンビエントな世界観を演出していたが、最近は生楽器での演奏を重視してハウスと言うフォームに拘らない作品を出しています。そして最新作がまたまた超優良レーベルTrack Modeから発表されました。最近はNEEDSとの交流もあるせいか、やはり生音指向になっています。ディープさは少なくなり、もっと広大で開放された爽快感が漂っています。リズミカルで爽やかなパーカッション、小綺麗なローズピアノの音、トラックに大人の渋みを付け加えるギターなどバンドで楽しく演奏している姿が浮かんできます。もはやディープハウスだけで語られるべき存在では無いのかもしれない。もっともっと羽ばたいて、これからも素晴らしい作品を作り続くけてくれるに違いない。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Musical Reflections (R2 Records:R2CD003)
Ron Trent-Musical Reflections
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シカゴハウスものが続いてるので、ここで一丁僕の大好きなアーティストRon TrentのMIXCDを紹介します。どれ位好きかと言うと、今でも彼の古いEPを見つけたら即買いする位好きです。ターンテーブルは無くレコードプレーヤーがあるだけなので、1枚1枚をただ聴く為だけにEPを買ってしまいます。元々は彼の名曲、Altered StatesのCarl Craig Mixで知る機会があって、それから彼のEPを集める様になりました。早熟であり早々と才能を開花させ、Chez Damierとコンビを組んでKMSから作品を出し、また伝説的なディープハウスレーベル:Prescriptionを設立(この時代のEPが喉から手が出る程欲しい僕です)。その後はフュージョンハウスの雄:Anthony Nicholsonと手を組み、ディープハウスのみならずアフロやジャズへの傾向を示し、より多様で深い音楽性を獲得し今に至っています。

シカゴハウスと言いつつも、彼の道はシカゴハウスがメインと言う訳でもないな…。ま、それはお許しを。MIXCDは今までに5枚位出していて、特に今回紹介するのは激マッシブプッシュ!今までの彼の旅路の総決算とも言えるMIXをしていると僕は思っています。ほんとイイ!口で言っても伝わらないだろうけど、イイ!トラックリスト見ても結構地味だと思うでしょ?はい、地味です。いや、地味じゃない。展開もあるし、なんて言うかソウルに満ちあふれた曲ばかり。テンポものんびりだし、地面をずぶずぶ這いずる様な重さと言うのはTheo Parrishを思い浮かべるんだけど、Theoに比べてRonの人気って…。まあ、それはしょうがない。出だしからジャジーでとにかくビートダウン、3曲目で既にハイライトのAnother Night!とにかく温かい、Ronのプレイは彼の温かさを感じる事が出来る!その後も普通のハウスは殆どなくて、ジャジーハウスって感じのが続くの。中盤はビート強めのNeedsなどで盛り上げたりして、終盤はアフロハウスやディープハウスでダンサンブルに飛ばしてくれる!彼が今まで取り組んできた事が、全て凝縮されこのMIXCDに詰まってるみたいじゃないか。Theo Parrishが好きならRon Trentも絶対好きなはずなんだろうけど、日本での人気の差には悔しいものがあるよ…。だからディープハウス好きな人は勿論、Theo Parrishが好きな人にも聴いてみて欲しいっす(泣)

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| HOUSE1 | 21:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |