Mike Huckaby - Tresor Records 20th Anniversary (Tresor Records:Tresor.245)
Mike Huckaby - Tresor Records 20th Anniversary
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今でこそドイツテクノのメインストリームではなくなったが、かつてテクノと言えばここが真っ先に上がる位に勢力を誇っていた老舗中の老舗であるTresor Records。工場跡地を利用した如何にもドイツ的なシチュエーションのクラブに、そして今では重鎮と言える迄に成長したアーティストを率先的に紹介し続けてきたレーベル、その両面でTresorは世界のテクノをリードし続けてきた。特にSurgeonやJoey Beltram、Fumiya Tanakaの世界的リリースと言ったハードテクノに於ける功績は言うまでもなく大きく、何と言ってもレーベルの初のリリースがUnderground Resistanceだった事は驚きだ。またDerrick Mayをして「デトロイトはドイツの衛星都市だ」と言わしめた程にデトロイトとベルリンの結び付きは強く、URに始まりJeff Mills、Eddie Fowlke、Blake Baxter、Juan Atkins、Robert Hood、Drexciyaを積極的にヨーロッパに持ち込み、享楽的な面を排し切実な現実を生き抜く為の硬派なテクノを迷いなき信念を以てして推し進めていた。そんなレーベルも2011年で遂に設立から20年が経ち、その記念盤としてデトロイトからMike Huckabyを迎えてMIXCDをリリースした。音だけ聴けば身も蓋もない言い方をすれば一昔前…どころか現在の時流であるBerghain周辺のテクノの丹念に練り上げられた音は無く、今聴けばそれ程ハードにも感じられず音圧や圧倒的な勢いも、かつて感じていた程には感じられないだろう。時の流れは無常なのだろうか、いやしかしここにはハードテクノもミニマルもエレクトロもゲットー・ファンクも同列に並べられているが、Tresorの快楽や享楽からは距離を置き闘争心剥き出しのスピリッツが一貫して感じられる。例え音そのものは古くなろうともTresorの生き様や意思が、今のベルリンに影響を与えた事は間違いなく、テクノの原点を理解する意味でも重要な記念碑となるであろう。

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| TECHNO9 | 13:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Thom Yorke - The Eraser RMXS (Beggars Japan:WPCB-10088)
Thom Yorke-The Eraser RMXS
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発売延期どころか発売中止になりかけていたThom Yorkeのソロアルバム"The Eraser"のリミックスアルバムが、ようやく日本だけで初回限定生産でリリースされました。プレスは海外なのに日本だけで発売って、一体どう言う事なんでしょう?後から結局海外でもリリースされたりするんじゃないかと思いますが。さてリミキサーにはクラブミュージック方面の人達が選ばれておりまして、これがなかなか通好みな面子。インドストリアルハードテクノのSurgeon、Kompaktからのテックハウサー・The Field、ノーフューチャー頭領のCristian Vogel、ダンスミュージックの新たな波からダブステップのBurialとVarious、そしてフォークトロニカのFour Tetなど自分の知っているアーティストが多く、リリース前から楽しみにしていました。詳しくはライナーに更にアーティスト毎の詳細が載っているので、そちらを読んで欲しいと思います。曲に関してはオリジナルは未聴なので比較は出来ませんが、リミックス自体はだいたい想像通りで楽しめる内容でした。ブレイクビーツ調の廃退的なハードテクノを聴かせるSurgeon、ミニマルでトランシーな牧歌的テックハウスを聴かせるThe Fieldらは妥当な出来。The Bugって言うアーティストは全然知らない人なんだけど、破壊的でトリッピーなダブを披露していてこれが予想外にカッコイイな。Four Tetはセンチメンタルをメロディーを生かして、ポストロックとエレクトロニカの中間を行くような湿っぽい音がはまってます。BurialとVariousはまんまダブステップ、横揺れ系の硬めのリズムが特徴。クリボーだけは2曲リミックスを提供していて、変態系テクノサウンドを披露。しかし今回のこんな人選を見ていると、Thom Yorkeの興味は電子音楽に向かっているんでしょうかね?

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Hakan Lidbo - Dunka Dunka (Musick:Musick16)
Hakan Lidbo-Dunka Dunka
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エレクトロニックミュージックと言うのは一人でも作れるせいか創作意欲がある人だと異常な程多作な方も居る訳でありまして、10数種に及ぶ名義で数え切れない程リリースを重ねているHakan Lidboもその一人であります。テクノに詳しい方なら別名義のData 80を思い出すでしょうが、僕はData 80の甘酸っぱいディジタルディスコな作風の魅力に取り付かれてしまって彼のファンになりました。奇しくもアルバム"Data 80"(過去レビュー)をリリースしていたForce Tracksは一度倒産しており、この愛らしい名作は現在だと入手が難しい様です。それはさておき様々な名義を持つ彼は音楽的にも幅広く精通しており、テクノ、ハウス、ジャズ、エクスペリメンタル、ロックなどとにかくジャンルに拘らずにリリースを重ねています。この新作は一応テクノと言う事になるのでしょうが、一般的なテクノからは少々離れていてノイズーに暴力的・攻撃的な音が刺激的なエクスペリメンタルテクノになるのかな。もうちょっと分かり易く説明するとCristian Vogelらに代表されるNo Future系の音を思い出しましたが、そうゆう意味では現在のご時世だと古臭い音と認識されてしまいます。癖が強いので好き嫌いがはっきりする内容で、何故こう言った音を今リリースしようと思ったのかは真意が読めません。でもアナログ機材で作られたと思われる図太いシンセ音は好きな人は好きだろうし、このご時世に浮いている内容は逆に完全に独自の路線を突き進んでいるとも思いました。出来るならまたData 80路線の音を聴きたいですが。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Stacey Pullen - DJ-KiCKS (Studio !K7:!K7049CD)
Stacey Pullen-DJ-KiCKS
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デトロイトを代表するDJと言えばJeff Millsなのだろうけど、あれはハードミニマルスタイルであってデトロイトにはもっと色んな側面もあります。僕が秘かに気に入っているデトロイトのDJは、Derrick Mayの最後の愛弟子・Stacey Pullenです。Silent Phase名義でも活躍をして、テクノにファンキーなアフロ魂を注入しデトロイトテクノ第3世代?としても注目を浴びていました。まあしかしあんまり作品数が多くないし、一般的な知名度はそこまで高くないかもしれないです。でもこの人はDJが特に素晴らしくて(生で聴いた事ないけどね…)、以前紹介した「Fabric 14」(過去レビュー)なんか最高ですよ。滑らかに緩やかに、心地良い浮遊感と伴ったハウシーな選曲で最高にイカシテました。では今日紹介する「DJ-KiCKS」はどうかと言うと、またこれも良い感じです。こちらはモロにデトロイト色濃厚なんですが、特にリズムが切れまくってます。体を上下に揺さぶるアフリカンリズムが前面に出て、ファンキー&トライバル!そしてがつがつと攻め上げつつも、デトロイトのソウルが籠もったロマンティックなメロディーを伴った曲が後半には待ち受けています。原始的な踊る欲求を呼び覚ましデトロイトへの哀愁を思い出させるストーリーを作るプレイは、先輩のDerrick Mayに勝るとも劣らないです。一度生で聴きたいDJの一人ですわ、はい。

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| TECHNO3 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cristian Vogel - Rescate 137 (NovaMute:NoMu077CD)
Cristian Vogel-Rescate 137
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実は今日はUNITでTRESOR関連のイベントがあり、そこにクリボーことCristian Vogelも来日している。クリボーと言えばノーフューチャーと言うアート集団の総帥であり、ノーフューチャーと言う言葉とは裏腹にテクノの未来の鍵を握っている人物でもある。テクノが生まれて早20年以上、その間にもテクノは変容し続け数多くの道を歩み始めた。しかしそれでもやはりスタイルが固定化されつつある今、クリボーの作り出す音楽にはまだ未知の可能性を感じる事が出来る。と言うよりも確実に既成概念をぶち壊す様なクレイジーな音を発している。テクノ?ロック?アシッド?エレクトロ?一体どんな風に例えればいいのだろ?一応4つ打ちのリズムは有るもののぎくしゃくとしたビートに、ノイズとも取れる捻れた機械音が被さり、Autechreの世界観に近い物を感じる。しかしAutechreと一線を画すのはクリボーにはパンクとかファンクとか、もっと肉体性を感じる事が出来る所。僕にとってAutechreはやはり無機質なマシーンミュージックであり、クリボーは人間の生々しいライブ感を感じられるのだ。世の中はAutechreばかり騒いでいるけれど、クリボーもかなりインパクトのある音楽を作っているんだけどな…。まあクラブでがつんと踊れる音楽では無いし、家で気難しく聴く様な音楽だから普通のテクノに飽きたら聴いてみると良いかもしれない。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - Globus Mix Vol.5:letsallmakemistakes (Tresor:Tresor157CD)
Matthew Herbert-Globus Mix Vol.5 Letsallmakemistakes
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一昨日新しく届いたCDプレーヤーが昨日突然壊れました。サポセンに電話したら今日引き取りに来てくれて修理と言う事になり、早い対応には感心しましたがPCでしか音楽が聴けなくなりました。
そして今日はPCのデータが一部ぶっ飛びました。今も応急処置でネットは出来ますが、いつまた壊れるか分かりません。こう何度もデータが消えるのはHDDに問題あるんじゃないかと。HDDのエラーチェックをするとやはりエラーばかり。おいおいぉぃ、これは不良品なのか?買ったばかりのHDDなのに…。

と言う事でかなりモチベーションも低く、音楽を聴く時間もかなり減っています。でHerbertが21日に来日DJと言う事で、彼のMIXCDを紹介しましょう。アーティストとしては抜群のセンスを誇る彼ですが、MIXCDの方はどうなんでしょうか?やはりMIXの方でも奇才を発していて、スカスカのハウスが中心な独特なプレイ。ともすればアシッドハウスにも似たようでもあり、このスカスカ加減はDBXやRicardo Villalobosのプレイにも似たような感じが。しかし後半ではCristian Vogel一派のノーフューチャー系の展開に行ったり。やはり一筋縄ではいかない奇才です。普段のエレガントでお洒落なHerbertとは異なり、クールで芯のあるミニマルを淡泊にこなしています。生のプレイは2度聴いた事あって下手だし面白くも無かったのですが、このMIXCDはシカゴハウスな雰囲気があって見直しました。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |