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D.K. - Mystic Warrior EP (Antinote:ATN046)
D.K. - Mystic Warrior EP
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Antinoteの主軸アーティストの一人、フランスはパリのDang-Khoa ChauことD.K.は同レーベルからニュー・エイジ/アンビエント/バレアリックという要素が一つになった作品をリリースしており、また近年はMelody As TruthからはSuzanne Kraftとの共作やMusic From Memory傘下のSecond Circleからも作品をリリースしていたりと、その流れを見れば基本的にはリスニング志向の強い音楽性である事は明白だ。(しかし45 ACP名義やSlack DJs名ではロウ・テクノやインダストリアルも披露しているが)。だからこそこのAntinoteからの新作がダンスへと向かった事にやや驚きは隠せないが、とは言っても単純にテクノやハウスという言葉で一括りにするのは難しいその音楽は、敢えて言うのであればニューエイジ・ハウスが適切だろうか。タイトル曲"Mystic Warrior"はロウでどたどたとした4つ打ちのリズムに金属的なパーカッションやジャングルを思わせるサンプリングを被せて、中盤以降になると鐘の幻惑的なフレーズやミステリアスなシンセによって更に異境の地を進んでいく訝しいハウスで、タイトル通りにミスティックな作風だ。"Elements"も同様に簡素でロウなドラムマシンの4つ打ちビートに不思議な打撃音のSEを合わせて随分とささくれだった響きだが、しかし尺八のような和テイストがある笛やエモーショナルなシンセのメロディーに引っ張られる中盤以降になると、途端にぐっと熱い感情性を増した瞑想感覚のあるハウスに成る。裏面の2曲はより奇抜な音楽性が発揮されており、詰まりのある変則的なリズムに深い森の中で鳴っているようなパーカッションが乱れ打ち、エキゾチックな笛や訝しいシンセが原始的な胎動を生み出す"Worries In The Dance"、奇妙なウォータードラムやベルに土着的なパーカッションが霊的な世界へと誘う何かの儀式のような"Earth People"と、D.K.のニュー・エイジ性が色濃く反映された作品と言えよう。フロアを意識しながらも単純なダンスでもない異形な世界観、これは非常に面白い変化だ。



Check D.K.
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - The One With The Remixes (Omena:OMR001)
Seb Wildblood - The One With The Remixes
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Seb Wildbloodなるアーティストについて特に存じていたわけではないが、アルバム『:~^』からのリミックス企画となる本作には注目すべきアーティストがリミックスを提供しており、十分な話題性を持っている。バレアリック・ハウスの新世代として注目を集めるTelephonesやD.K.、You're Meの一人であるYu Su、話題のStudio Barnhusを主宰するKornel Kovacsと、それぞれ異なる音楽方向を向きながらも皆が個性を持ち確かな実力を持っているのだから、当然リミックス企画としても期待しないわけにはいかない。何はともあれ11分にも及ぶ大作の"Wet Plants (Telephones Remix)"がお世辞抜きに素晴らしいバレアリック・ハウスで、ポコポコとした抜けのよいパーカッションと跳ねるようなキックの4つ打ちのハウス・グルーヴは意外にもタフだが、そこに澄んだように透明でメロウなシンセがレイヤーとなって覆い尽くしていくドリーミーな世界は南国の新緑が茂り水飛沫が弾けるエキゾチックかつトロピカルなムードで、フロア受けする事間違いなしのリミックスだ。対してブロークン・ビーツ寄りに崩れたビートとローファイな音質の"The One With The Emoticon (Yu Su Remix)"は、その無駄が無く骨が浮かび上がったリズム感に物哀しげに望郷の念が込められたような切ないメロディーでダウナーにさせる音楽性で、確かにYu Suの淡くメロウな音の鳴りをしている。"Wet Summer (Kornel Kovacs Remix)"も同様にメロウではあるが、更にローファイ寄りで音の隙間はありながらも硬いブレイク・ビーツでリズミカルに躍動しつつ、牧歌的で淡くほのぼのした音使いが昼下がりのうたた寝を誘う。そして神々しいボイスも用いて幻想的かつ神秘のニューエイジ風に仕上げた"Interlude (DK Remix)"は、オーガニックで温かい響きを活かしながらドリーミーな旋律ともやもやとした音響でぼかして、トロトロ甘い夢の世界へ誘うようだ。おおよそどのリミックスも大雑把に括ればバレアリックな方向性があり快適性は抜群だが、それでもダンスからリスニングまで明確に各々の個性を打ち出して、十分に手腕が発揮されたリミックス集で素晴らしい。



Check Seb Wildblood
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
D.K. / S.K. - D.K. / S.K. (Melody As Truth:MAT9)
D.K. S.K. - D.K. S.K
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近年のバレアリック・ミュージックの隆盛は目を見張るものがあるが、そのムーブメントを作る一つのレーベルとしてMelody As Truthを欠かす事は出来ない。元Discossessionのメンバーであり近年はGaussian Curveとしても一躍名を挙げたアーティストであるJonny Nashが主宰するレーベルだが、そのレーベルのもう一人の中心人物がオランダで活動するSuzanne Kraftで、同レーベルをベースに穏やかな静けさの中で夢遊する有機的なアンビエントをリリースしている。そしてまた別に静謐なバレアリック/アンビエント方面で評価を集めているDang-Khoa ChauことD.K.というアーティストがいるが、このS.K.とD.K.がコラボレーションした本作はその両者に期待する音楽性が見事に融和しており素晴らしい。鈍いスネアや優雅なハイハットは間を作りながらゆったりとしたビートを刻み、そこに波紋が広がっていくような零れ落ちる鍵盤のメロディーや美しいパッドが抽象画のようにぼやけて彩りを行う、物憂げなニューエイジ風の"Xerox"からして音の余韻が美しい。そして神秘的な鍵盤のフレーズから始まる"Burn"はそこにリバーブのかかったピアノやギターらしき音を導入しながら、その数を絞る事で繊細に音の間が美しく映えて白昼夢に浸るかのようなアンビエントだ。そしてタブラらしきパーカッションを用いて何処か寺院のようなスピリチュアルな響きもある"No Man's Ground"は、アジアンな打楽器も取り入れる事でエキゾチックな雰囲気を携えつつも、夢の中を彷徨うようなイマジネーションを刺激するニューエイジ色が強いか。"Hammond Blue"では透明感のあるシンセの粒が舞い踊る中で優雅なパッドがアクセントを作る事で豊かな色彩を伴うビートレスながらも動きのあるアンビエントで、そして"Bricks In White"において抽象的なサウンドコラージュに合わせて静謐なピアノのフレーズを被せてミステリアスに展開していくニューエイジな作風は神々しく、最後の"Fade"では何処までも伸びる美しいドローンの上にセンチメンタルなメロディを配して消え入るように静かに、しかし感情性を高めていく。全体を覆う軽くリバーブの効いたもやもやとした音響の中に、音と音の間の余白の美しさが際立つようなシンプルな構成が、すっきりとしながらも気怠い安眠を誘うようなアンビエント/バレアリックな世界は期待以上。寝起きのBGMとしても、昼下がりのうとうとする時間帯にも、夜中寝る前の時間帯にも適したアルバムだ。



Check D.K. & Suzanne Kraft
| ETC4 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
D.K. - Distant Images (Antinote:ATN 038)
D.K. - Distant Images
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2017年はMelody As TruthのSuzanne Kraftとの共作、2018年はMusic From Memory傘下のSecond Circleからも新作をリリースするなど、ニューエイジ/アンビエント系では知名度を一躍高めているDang-Khoa ChauことD.K.。ロウ・ハウス寄りなマシンビート性が強い45 ACP名義、The Trilogy Tapesからの更に実験的でインダストリアル性もあるSlack DJs名義と、その名義毎に異なる音楽性を披露しているが、2016年にAntinoteからリリースされたD.K.名義の『Island Of Dreams』(過去レビュー)を聞けば分かる通りこの名義ではドリーミーで黄昏時のメランコリーが滲むダウンテンポな作風だ。本作は同様にAntinoteからの新作となればその路線を踏襲する事が期待されるが、冒頭の"Keyboard Study"からして"Electric Counterpoint"風なメロディーを反復させながらそれを割って入ってくる情緒的なストリングスや耽美なピアノが夕暮れ時のメランコリーを描き出す印象的な作品だ。静かに引いては寄せる波のように繰り返し感動がやってくるノンビート・バレアリック、先ずこの曲だけでも一気に耳を惹き付けられる事だろう。本作では曲毎にイメージは異なっており、"Days Of Steam"では弦楽器や木琴らしき音色がどこか異国の長閑な街並みを描写した音楽と言うか民族的な感覚もあり、そして同様にマリンバと思しきフレーズが心地良く弾みドリーミーなシンセが伸びていく清々しさ溢れる"Leaving"と、開放的な感覚に長けている。"Shaker Loops"でもやはりマリンバの連打が用いられているがここまで来ると現代音楽のミニマル的と雰囲気もあるが、胸を締め付けるような切ないメロディーが入ってくればシネマティックな作風へと変化する。そしてラストの"Distant Images"は鳴きのギターサウンドや感情的なピアノ、そしてカモメの鳴き声なども導入したいかにもD.K.らしいバレアリック/ニューエイジ風で、感動的な映画のワンシーンを見ているような余りにもメランコリーな響きが琴線に触れるラストを締め括るに相応しい曲だ。エキゾチックからトロピカルまで横断する音楽性は世界を旅するような感覚もあり、ゆったりと風景が移ろいゆく正にDistant Imagesなミニアルバムだ。



Check D.K.
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
D.K. - Island Of Dreams (Antinote:ATN 026)
D.K. -  Island Of Dreams
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非現実的な空間で、しかし何だか安らぎのムードが漂うニューエイジ風なジャケットに惹かれ、自然と手を伸ばして購入された方は間違っていない。本作は45 ACP名義ではL.I.E.S.からロウ・ハウスなアルバムをリリースし、Slack DJs名義ではThe Trilogy Tapesからもリリースするなど、その名義毎に作風を分けて活動しているD.K.によるミニアルバムだ。この名義では2014年にもAntinoteよりミニアルバムをリリースしており、他の名義とは全く異なる気がのどかで可愛らしいメロディーを活かしたバレアリックな雰囲気を持つ内容で、ダンスフロアに依存度が低くもBGMとして馴染む音楽性を披露していた。それから2年、またもAntinoteからリリースしたミニアルバムはよりダンスとしてのグルーヴから距離を置き、メランコリーやノスタルジーを増したリスニング寄りの曲が中心だ。確かに淡い色彩が滲むジャケットからは懐かしさが漂ってくるが、アルバムや曲名も情緒的なムードを呼び起こす名が付けられており、忙しない現代世界から離れた安らぎの島へと辿り着いたかのようだ。幕開けとなる"Evening Shadows"ではベルや鉄琴らしき音に透き通る幻想的なシンセが切ないメロディーを鳴らし、いきなり哀愁で胸いっぱいになるダウンテンポで始まる。弛緩はしているがはっきりとしたリズムを刻む”Ivory Forest”も、淡さが滲むシンセのメロディーが複数現れ、しっとりとした有機的な質感もあって温かさが伝わってくる。少しだけ弾けるようなリズム感が心地良い"Play On"、ややアンビエントな壮大さもあるハウス寄りの”Journey To The Sun”など、それらも鍵盤弾きしているようなリラックスして大らかな音色が地平線の果てまで届くようで、誰もいない開放感のある夢の島をイメージしてもおかしくはないだろう。そして裏面へと続くとむせび泣くようなサックスとセンチメンタルな木琴系のリフに、爽快に広がるパーカッションが感動のピークへと導く”Memories”や、トロピカルな色彩を感じさせる最もダンス寄りのハウス・トラックである"Raindrops"、夕暮れ時のオレンジ色に染まりつつある海辺を喚起させるダウンテンポの"High On The Sea"と、ちょっとした盛り上がりも加えながらサウンドトラックのように曲毎に場面場面を創造させるような流れを作るのだ。ミニアルバムとは言いながらも30分もない短さではあるが、確立されたセンチメンタルな世界観がほんの束の間の休息となり、癒しの一時を提供してくれる事だろう。



Check "D.K."
| HOUSE11 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |