Marcel Dettmann - DJ-Kicks (Studio !K7:K7340CD)
Marcel Dettmann - DJ-Kicks
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長きに渡りテクノ/ハウスに限らずダンス・ミュージックのリスナーを楽しませてきているMIXCDシリーズ『DJ-Kicks』、その最新作には遂にベルリンはBerghainでレジデントを務め、日本に於いてもその知名度を高めるのに貢献したMarcel Dettmannが登場。過去には『Berghain 02』(過去レビュー)、『Fabric 77』(過去レビュー)、『Conducted』(過去レビュー)とまた人気を博すMIXCDシリーズも手掛けているが、やはりこのDJ-Kicksシリーズはそれらとは異なり真夜中のダンスフロアを意識するよりはアーティストの個人的な好みを反映させたものが特色だろう。そう言った意味ではDettmannによる本作は比較的ダンスフロアにも適応しつつ、他アーティストのシリーズに比べると果敢なチャレンジ精神は少ないかもしれないが、オールド・スクールなテクノからエレクトロやニューウェーブまで取り込んでホームリスニングにも適した構成は、確かにピークタイムのダンスフロア的ではないが彼のパーソナリティーは如実に反映されている。スタートは90年代の古いテクノであるCybersonikをDettmannがリミックスしたバージョンで開始するが、ビートの無くなったリミックスによって静謐な立ち上がりとなっている。そこにOrlando VoornやDettmann自身の硬質でロウなテクノを繋げていき、更にはInfinitiによる古き良きテクノを自らリミックスした"Skyway (Marcel Dettmann Remix)"もセットする事で激しさだけではなく不思議なムードを纏ってリスニング性を保っている。しかし彼のミックスにしては意外にも展開の振れ幅は大きいだろうか、中盤までのMystic BillによるバウンシーなハウスやDas Kombinatによる鞭で打つようなエレクトロ、Clarence Gによるラップ等の流れはDJ-Kicksの特性を意識しているようだ。そこからも闇の陰鬱なムードを保ちながらもハードさを回避し、リズムやグルーヴを常に変容させながら普段の持続感とは異なる展開の多さによって耳を惹きつけ、終盤にはThe Residentsのユーモア溢れるニューウェーブから最後はデトロイトの叙情性もある"Let's Do It (Rolando Remix)"によってエモーショナルなラストを作り上げている。彼が今までに手掛けたMIXCDに比べると本作がベストであるとは言えないものの、しかし普段はプレイしない選曲や自身の特別なエディット/リミックスも多用した点にも興味深さはあり、DJ-Kicksらしさは十分にあるだろう。



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| TECHNO12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Zip - Fabric 67 (Fabric Records:fabric133)
Zip - Fabric 67
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テクノ/ハウス両面から最高品質のミックスを送り出し人気シリーズとなっているFabricの最新作は、まさかのZipが起用された。Thomas Franzmann、またの名をDimbimanやPantytec、最も知られている名義はZipであろうか、ドイツはミニマルハウスのPerlonを設立したメンバーの一人でもある。決して大きな注目を集めているわけではないがレーベル運営を含めての音楽活動は実績があり、Perlonのオフィシャルコンピでのミックスを除けばZipがやりたい様にやったMIXCDは今まで手掛けていなかったのは意外と言わざるを得ないだろう。しかし今となっては当初よりもコマーシャルな面も増してきているFabricシリーズにZipがどう反応するかは興味があったが、結果的に言えばZipらしく非コマーシャルな玄人向けなミックスをしているのが幸いだ。内容的にはハウス、それも新旧万遍なく90年代から最新のミニマル調のハウスを、淡々と平たく延ばすようにプレイしている。Perlonを運営している事からも想像出来るだろうが、無駄な脂は落として飾り気もない生っぽい質感のハウスを派手なエフェクトを足す事もなく、単純で簡潔な反復の作用によって低空飛行を続けていく。パーティーの時間帯で言えばまだ序盤でメインの前辺りと言えばよいだろうか、重くはないがフロアに根ざした安定感のある4つ打ちを刻みながらも決して高揚感を煽るような展開はない。多少の湿り気が控えめな情緒を滲ませていてエモーショナルではあるが、何処か内向的でうつむきがちに粛々とプレイしている姿が浮かんでくる。勿論それは退屈なものではないし、リラックスした空気を感じさせながらミニマルハウスらしい単調な展開が好作用を及ぼし、脳の中枢までじんわりと侵食する陶酔感を生み出す事に成功している。展開ではなく選曲で楽しませるミックスになるのだろうが、90年代の曲をさり気なく掬い上げるそのセンスも気に入っている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Curtin - Lifeblood (Mobilee:mobileecd010)
Dan Curtin - Lifeblood
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既に活動暦20年にも及ぶデトロイトシーンで活躍していたDan Curtinの4年ぶりのアルバム。"デトロイトシーンで活躍していた"と過去系なのは、最早彼がデトロイトの影響下を離れたテクノの位置に存在しているから。特に本作はドイツの新興レーベル:Mobileeからのリリースと言う事もあり、デトロイトの感情剥き出しな面は抑えられ、綺麗目でクールなテックハウスが中心。デトロイトのアーティストなんかは音が粗かったりチープだったりしても、むしろそれを逆手に取った生々しいエモーションを表現するけれども、現在のDan Curtinはインテリっぽく良く練られた構成と洗練された音で、いかにも今っぽい音楽を鳴らしている様に感じます。そしてテクノ、ハウスのみならずヒップホップ、ダウンテンポ、アンビエントまでもバラエティーに富んだアルバムは、フロアで聴かせるだけを目的とした音楽ではなく、じっくりと室内で聴き込む事も考えて作られたのではないでしょうか。かつてはバリバリデトロイトな作風だったアーティストがこうも変わってしまうのは残念に思う気持ちもありますが、だからと言ってこのアルバム自体は十分に聴き応えのある内容なので、余計に悩ましく複雑な気持ちです。

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| TECHNO8 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May (Lastrum:LACD-0169)
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May
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新作を出す出す、未発表曲を出す出す、コンパイルを出す出すと数々の嘘八百を繰り返してきたテクノシーンの二枚舌・デリックメイが、なんとなんと13年ぶりのMIXCDをリリースしてしまった!!!ある意味奇跡にも近い出来事だけれども、まずは喜びたい、そしてありがとうと感謝する。いつからか新作を作らなくなりクラブでのDJを体験する事しか出来なくなったデリックだけれども、クラブでは何度も素晴らしい体験をさせてくれている彼だ(最近は外す事も多いけれど)。この新作も完璧とまでは言わないが、最近の彼のプレイをそのまま反映した内容と言っても過言ではないだろう。テクノだけじゃない、ハウスだけじゃない、ミニマルもブロークンビーツもトライバルも回す。ジャンルなんか関係ない、彼が回せばどんな音楽であろうとデリックメイの世界の一部になってしまう。そう、それはHi-Tek Soulとも彼が呼ぶ人間臭くそして熱く激情が込み上げてくる音楽で、それをシカゴハウスから影響を受けた荒ぶれたイコライジングなどでよりパワフルに、よりファンキーに仕立て上げてしまうのだ。ヴァイナル中心で生でのミックスの影響もあるのかCDでも臨場感がばっちりある荒々しい内容で、目の前でデリックのプレイを聴いているかの様でもある。13年も経てば音的にも変わった点があるけれど、根本的な音楽に対する姿勢は変わっていないのだった。欲を言えばファンキーシットなシカゴハウスとデトロイト中心の音を聴きたかったかな。

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| TECHNO7 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Dan Curtin - We Are The Ones Weve Been Waiting For (Headspace Recordings:HS-019CD)
Dan Curtin-We Are The Ones Weve Been Waiting For
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ここ数年いまいちぱっとしなかったからどうでも良かったんですけど、90年代中期に人気を誇っていたデトロイトフォロワー・Dan Curtinのニューアルバムが6年ぶりに出ました。Peacefrog Recordsからリリースしていた頃は、スピリチュアルでジャズとテクノをハードに混ぜ合わせた様な素晴らしい曲が多かったのですが、近年は余り活動もしてなかったのかな?ちょっとシーンに埋もれていて、危うく忘れかける所でした。しかし久しぶりの新作はベテランらしく、派手ではないもののバランス良くまとめられている作品だと思いました。デトロイトテクノの流れを組んだ流麗なシンセ音を基調に、全体的に丸みのある音で耳への当たりが優しいですね。デトロイト本家の音と言うより、ヨーロッパ産のデトロイトフォロワー的な音でファンキーさは少なく少々薄味ではあります。その分洗練された綺麗目のプロダクションで、落ち着きがあってしっとりしてますな。僕にはFabrice Lig辺りの音がすぐに頭に浮かんできましたよ。復活作としては及第点を差し上げましょう。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |