D.K. - Distant Images (Antinote:ATN 038)
D.K. - Distant Images
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2017年はMelody As TruthのSuzanne Kraftとの共作、2018年はMusic From Memory傘下のSecond Circleからも新作をリリースするなど、ニューエイジ/アンビエント系では知名度を一躍高めているDang-Khoa ChauことD.K.。ロウ・ハウス寄りなマシンビート性が強い45 ACP名義、The Trilogy Tapesからの更に実験的でインダストリアル性もあるSlack DJs名義と、その名義毎に異なる音楽性を披露しているが、2016年にAntinoteからリリースされたD.K.名義の『Island Of Dreams』(過去レビュー)を聞けば分かる通りこの名義ではドリーミーで黄昏時のメランコリーが滲むダウンテンポな作風だ。本作は同様にAntinoteからの新作となればその路線を踏襲する事が期待されるが、冒頭の"Keyboard Study"からして"Electric Counterpoint"風なメロディーを反復させながらそれを割って入ってくる情緒的なストリングスや耽美なピアノが夕暮れ時のメランコリーを描き出す印象的な作品だ。静かに引いては寄せる波のように繰り返し感動がやってくるノンビート・バレアリック、先ずこの曲だけでも一気に耳を惹き付けられる事だろう。本作では曲毎にイメージは異なっており、"Days Of Steam"では弦楽器や木琴らしき音色がどこか異国の長閑な街並みを描写した音楽と言うか民族的な感覚もあり、そして同様にマリンバと思しきフレーズが心地良く弾みドリーミーなシンセが伸びていく清々しさ溢れる"Leaving"と、開放的な感覚に長けている。"Shaker Loops"でもやはりマリンバの連打が用いられているがここまで来ると現代音楽のミニマル的と雰囲気もあるが、胸を締め付けるような切ないメロディーが入ってくればシネマティックな作風へと変化する。そしてラストの"Distant Images"は鳴きのギターサウンドや感情的なピアノ、そしてカモメの鳴き声なども導入したいかにもD.K.らしいバレアリック/ニューエイジ風で、感動的な映画のワンシーンを見ているような余りにもメランコリーな響きが琴線に触れるラストを締め括るに相応しい曲だ。エキゾチックからトロピカルまで横断する音楽性は世界を旅するような感覚もあり、ゆったりと風景が移ろいゆく正にDistant Imagesなミニアルバムだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Daniel Wang - Everybody Get Dancin' - Daniel Wang's Personal West End Megamix (OCTAVE LAB.:OTLCD5096)
Daniel Wang - Everybody Get Dancin - Daniel Wangs Personal West End Megamix
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2015年3月にSalsoul Recordsの音源を使用したMIXCD『Orchestral Madness & Laughter』(過去レビュー)をリリースしたDaniel Wangが、今度はWest End Recordの音源のみを使用して再度メガミックスを試みている。レーベルの背景や各音源についてはおおよそライナーノーツでWang自身によって語られているので、敢えてここでの詳細な説明は不要だろうが、大雑把位に言うとMel Cherenによって1976年に設立されNYダンス・クラシックスとなる多数のディスコ名作を生み、ガラージ〜ディスコの発展に大きく寄与したレーベルである。現在のような機能性を重視したというよりは、4つ打ちながらも煌めくような装飾や温度感のある生演奏を重視して、実に感情豊かにダンスさせる曲が特徴だ。だからこそ、サンプリング中心の楽曲よりも人の手によって奏でられるディスコの偏執狂であるWangが、こういったディスコ・クラシックスによるメガミックスを手掛ける事に異論はない。だがこの余りにも著名なレーベルが故に今までにも多くのMIXCDやコンピレーションが制作されており、そこにWangが入り込む余地があったのかと思わなくもないが、結果的には非常にWangらしい只々ラブリーかつハッピーな笑顔溢れる世界観を作り出す事は出来たようだ。オープニングは一緒に踊りに行こうと誘われる甘くもファンキーな"Let's Go Dancin' (Club Version)"で始まり、優雅に舞うようなストリングスが美しい"Speak Well (Tom Moulton 12" Mix)"、ストリングスにギターにピアノやトランペットなどが豪華に彩る"Mary Hartman, Mary Hartman (Instrumental)"など、序盤からこれが喜びに満ちたディスコだと言わんばかりの展開だ。また中盤の"Heat You Up (Melt You Down) (Melt Down Mix)"はコズミックなシンセの使い方がプロト・ハウス的で、レトロ・フューチャーを感じさせる。本作では敢えてクラシックス中心ではなくWangの審美眼に適った変化球的な曲も多いが、勿論クラシックスも盛り込まれており、世界初のゲイ讃歌"I Was Born This Way (Tom Moulton 12" Mix)"(後にEarth PeopleのDanceにサンプリングで使用されている名曲)なんかはきっと耳にした事がある人は多い筈だ。後半からは少しずつ緩いグルーヴになり、センチメンタルな気分に染まる"You Can't Have Your Cake And Eat It Too (Instrumental Cake Mix)"など夕暮れ時の切なさが溢れ出してくる。ここに収録された曲は現在のダンス・ミュージックと比べると決して洗練されているものではないが、筆者自身が特にWest End Recordに詳しい訳ではないのでこういった古い曲も新鮮に聞こえつつ、そこにWangの愛らしさや陽気な気分が反映されている事でディスコ/West End Recordの魅力が十分に感じられる内容に上手く纏まっている。ディスコ好きは勿論、ディスコを全く知らない人にこそ聞いて欲しい一枚だ。

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| HOUSE11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2015/12/22 RUSH HOUR LABEL NIGHT @ Air
オランダはアムステルダムで世界的に高い知名度を得ているレーベルでありディストリビューターのRush Hourは、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのレアな作品の発掘に力を入れたり、またコンセプト重視の企画を立ち上げたりする傍ら、有名無名に拘わらず個性的なアーティストの作品をリリースし、ジャンルの枠を取っ払いながら身軽な活動で大きな勢力へと拡大した。そんなレーベルにとって2015年の素晴らしい功績は何といっても、ジャパニーズ・ハウスの創世記における確かな足跡を残した寺田創一の作品をコンパイルした『Sounds From The Far East』を手掛けた事で、この作品は勿論日本だけでなく海外でも寺田の新たなファンを再度作る事に貢献した。今回はRush Hourのレーベルショーケースでそんな寺田のライブが予定され、また近年のRush Hourの中でディスコやファンクの音楽性を打ち出して高い評価を獲得したHunee(前述の寺田のコンピの監修をしている)、そしてレーベル設立者の一人であるDJ Antalも出演と、レーベルファンであれば絶対に見逃せない一夜だ。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/10/31 DANIEL WANGとHALLOWEEN DISCO @ Unit
日本でもここ数年盛り上がりを見せるハロウィン。普段からパーティーを楽しんでいる当方にとっては、特にハロウィンだからといってパーティーに行こうとかそんな考えは無いのだが、今年はUnitで行われるハロウィンパーティーにディスコ伝道師のDaniel Wangが出演する。またUnit、Saloon、Uniceと3フロアを使用しているのは賑わいを増すハロウィンパーティーにはうってつけだろうし、寺田創一やCrystalのライブにやけのはらや高橋透など、その他にもそれぞれのフロアに様々なアーティストが出演するのだから、きっとハッピーな一夜になるのではと期待してハロウィンパーティーへと参加する事にした。
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| EVENT REPORT6 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Fabric 83 (Fabric Records:fabric165)
Joris Voorn - Fabric 83
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かつてRichiw Hawtinが成し遂げたPCによって各曲を最小のパーツにまで分解し、それらを再度組み立て上げて同時に複数のパーツを層のようにミックスする事で、新たなる曲として創造する手法は今では決して珍しいものではない。またその手法が時としてライブ感を失い、見せびらかすように芸術的な面だけを強調してしまう恐れは多々あり、例えばオランダのテクノ貴公子ことJoris Voornについては典型的にその例に挙げられよう。活動の初期は複雑なミックスをする事なくテクノ・クラシックも多用しながら若いエナジーが溢れがつがつとフロアを盛り上げていたプレイも、近年リリースしたMIXCDでは多数の曲を糸を細かく編み込むような芸術的なミックスを披露する事に専念し、何かクラブの衝動は欠けていたように思われる。そんな折、新たに発表されたFabricシリーズからのMIXCDには、何と20トラックの中に65曲を詰め込むという以前からの手法を踏襲した内容だ。そこにまたもクラブの熱狂は存在しているのか不安になったが、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。本人が「Abletonがターンテーブルなどでは成し得ない、エディットとミックスとリミックスを可能にした」と述べているように、正にPCでしかありえない重層的なミックスをしながら各曲の繋ぎ目さえも消え去ったシームレスなプレイを披露しているが、それはまた目的ではなく手段として活かしながら、ミックスによって新たなる曲を創造しながらフロアのディープな感覚も確実に残す事に成功している。Jorisらしい美しいメロディーや感傷的なムードに甘い陶酔感はたっぷりと発揮されているが、侵食され何時の間にか抜け出せないミニマルな機能美やドラッギーなトランス感は間違いなく真夜中のフロアで体験出来るそれであり、それらが自然と一体化してドラマティックな世界観を構築している。また単にテクノやミニマルだけでなく、プログレッシヴ・ハウスやスピリチュアルな歌モノやエレクトロニカなど、多様なジャンルの音から要素を抽出しながらそれを違和感なく溶け込ませる手法は、ここをピークに迎えているようだ。勿論本作のような余りにも緻密な構成は生のプレイでは再現する事は不可能だろうが、しかしリリースされる作品としては本作は究極的な表現でもあり、それがフロアの空気も伴っているのだから素晴らしい。



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| TECHNO12 | 20:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Dan Shake & Medlar - Walk EP (Delusions Of Grandeur:DOG 47)
Dan Shake & Medlar - Walk EP
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2014年にMoodymann主宰のMahogani Musicにおいて初めてデトロイト外から招かれたDan Shakeは、その特別待遇を受けた状況から既に注目の的だ。今年に入ってからはブリストルのBlack Acreから新作をリリースし快調な活動を見せているが、更に今ビートダウン/ブギー系なハウスでは話題となっているDelusions Of Grandeurからロンドンで活動するMedlarとの共作である本作をリリースする事で、その活動を盤石なものとしようとしている。タイトル曲の"Walk"は正にDanに期待されるMahogani Music系の濃厚なブラック・ミュージックをベースとしたブギー系ハウスであり、生っぽいチョッパーベースや感情昂ぶるソウルフルなコーラス、そしてマイナー調のシンセコードなど過去のハウス色が強かった頃のMoodymannを思い起こさせる作風で、最近の妙にライブ性やエンターテイメント性を打ち出したMoodymannに馴染めない方にはしっくりくるような内容だ。もう1曲のオリジナルである"I On You"は軽快なパーカッションが爽やかさを、耽美なストリングスと優美なエレピがしっとり感を、そしてゴージャスなホーンが色鮮やかに染める小洒落た感もあるハウスで、控えめな官能がじわじわと沁みるようだ。また本作にはドイツにて早くからデトロイトへの回答を示していたSoulphictionがリミックスを提供しており、原曲よりも色味や勢いを抑制した"Walk (Soulphiction Remix)"は金属がひしゃげるような効果音も入り混じってテクノ的なツール性も少々現れ、クールなディープ・ハウスへと生まれ変わっている。Delusions Of Grandeurからのリリースという事もあってその品質が保証済みなのは予測されていたが、それでも本作を聴くとDanにはMoodymannを継ぐ者としての活動を期待せずにはいられない。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Obas Nenor - My Way Home (Mahogani Music:M.M-35)
Obas Nenor - My Way Home
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Moodymannが主宰するMahogani Musicは基本的にはデトロイト出身のアーティストを手掛ける事を基本としているように思われたが、2014年にはイギリスからのニューカマーであるDan Shakeを掘り起こした事で、その触手を更に広げようとしている。その結果が2015年初の作品となる本作で、今度はイスラエルからObas Nenorなる若手アーティストの作品をリリースした。ObasはUSの名門ハウスレーベルであるStrictly Rhythmからデビューを果たしたばかりと、まだその才能は未知の部分が多いが、しかしMahoganiからのリリースとなればチェックしておいて損は無いはずだ。A面の"My Way Home"はGil Scott-Heronによる"Home Is Where The Hatred Is"の耳に残る部分をまんまサンプリングした作品で、このくらい原曲のテイストを残しているとエディットと呼んでもよい位ではと感じる程だ。蒸し返すような熱気を放出する生々しさにコズミックなシンセを被せてフュージョン的な豊潤な艶を生み出し、そしてデトロイト・ハウスらしいねっとりと重心の低いビートダウンなグルーヴで、感情を爆発させるようなソウルフルな作品として聴き応えは十分だ。裏面の"A Change Got To Come"は幾分かアッパーでよりフロアを沸き上がらせる勢いのあるハウスで、ソウルフルでエモーショナルなコーラスに豪華な管楽器などを用いてゴスペルを思わせる歌モノだが、低音で生々しくうねるベースがMoodymann系のダーティーな雰囲気も醸し出している。2曲のみの収録でそれぞれ曲尺も長くはないのにお値段が良いところもMahoganiらしいが、それでもついつい買ってしまうところもMahoganiなのだ。



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| HOUSE11 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Shake - Out Of Sight (Black Acre:ACRE053)
Dan Shake - Out Of Sight
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2014年にMahogani Musicから鮮烈なデビューを果たしたロンドン在住のDan Shakeが、その勢いに乗って早くも新作をリリースしている。リリース元はブリストルにてダブ・ステップやフットワークを中心とした黒い音楽を手掛けるBlack Acreとなるが、Shakeはそんな音楽性にもお構いなくデビューを飾ったMahogani Musicからリリースした作品の様に、煙たく湿り気を帯びたデトロイト・ハウスを再度手掛けている。"Out of Sight"は完全にKenny Dixon Jr.ことMoodymannの音楽性の配下にあり、特に初期のハウスの体裁を保っていた頃を思わせる楽曲だ。執拗なボーカルのサンプリングや妖艶な女性ボーカル、揺らめくようなシンセのフレーズや黒い情緒を生むオルガンのコード、そして妙に生々しく響く艶かしいドラムのリズムなど、一般的に想像されるデトロイト・ハウスを忠実になぞっている。曲そのものの良さは否定はしないが、しかしデビュー作と続けて聴くとやはり同じ事を繰り返している為に、アーティストの個性は以前よりも色褪せているようにも思う。裏面の"Traders II"ではカナダからデトロイト・テクノを追うRennie Fosterが制作に参加しており、その影響かかっちりと硬いキックからは少々テクノの面影も見せる。しかし蛇の様にうねるアシッドなベース・ラインの上を湿ったように蒸し返すサックスの妖艶なメロディーが感情を露わにするように蠢き、ジャズの響きも取り入れながら勢いのある骨太なデトロイト・ハウスとなっており、こちらの方は作品として面白いと思う。デビュー作に比べるとややインパクトは薄いもののそれでも新星の中ではやはり注目すべき才能に疑いようはなく、じっくりと時間を掛けて楽曲を制作し個性を磨き上げる事を期待したい。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Shake - 3AM Jazz Club (Mahogani Music:MM-34)
Dan Shake - 3AM Jazz Club

2014年、Kenny Dixon Jr.ことMoodymannが主宰するMahogani Musicから突如としてデビューしたDan Shake。ロンドンで活動するこのアーティストは、レーベルにとってはデトロイト外からの初のアーティストとなり、執拗にデトロイトという地にこだわり続けてきたレーベルの運営にも影響を与える程だ。しかし、本作を聴けば如何にそれも極自然の成り行きであり、Dan Chakeの才能が如何に突出しているかを理解するのは容易い。J DillaやFloating Points、そしてドラムやパーカッションの面からはTony AllenやFella Kutiから強く影響を受けていると公言する通り、正にその音はMahogani Musicに相応しい黒人音楽を濃縮したようなハウス・ミュージックとして成立している。"3AM Jazz Club"は完全にMoodymannの影響下にあるだろうか、ガヤ声のようなボイスサンプルを用いながらもふらつくようなマイナーコード展開のキーボード使いに、そして厚みあるふっくらとしたキックをドスドスと打ち鳴らしてうねるようなビートを刻み、非常にソウルフルかつファンクな展開で黒く染め上げている。"Thinkin"は対処的に直線的なビート感で押し切る骨太なハウスだが、やはりうっとりと心酔するようなエレピのコード展開が艶めかしく、そこに野蛮かつセクシーな歌が夜へと誘いだすように入ってくる。どちらの曲も何も知らされなければMoodymannの新曲だと思い込んでしまう程にMoodymannらしい曲であり、その意味ではまだDan Shakeの個性を確立させているとは言えないのも事実ではあるが、だからといって本作の価値が損なわれる訳ではない。この作品が間違いなくフロアを沸かすような曲である事は言うまでもなく、何はともあれデビュー作にて強烈な印象を残している。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Vagabundos 2012 (Cadenza Records:CADCD10)
Luciano - Vagabundos 2012
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近年は当初思っていたよりもアーティスティックと呼ぶべきか芸術的に崇高さも兼ね備えた音楽性を表現し、自身が主宰するCadenza Recordsも含め良くも悪くも上手く売る術を理解しているLuciano。とまあ少々皮肉を込めた言い方をするのは近年の作品の完成度が高いのは言うまでもないのだけど、初期の頃のもっと単純なワクワク感と言うものが薄れてきているからで、まあそれは活動が長くなれば仕方ない事でもあるのだが。そんな中で4年ぶりとなるこのMIXCDは先行でデジタル版がリリースされていたものの、CD版ではタイトルは同じでも内容は全く異なる選曲で纏められている。選曲を見れば分かる通りで本作はPCを使って各曲をパーツとしてミックスしながら再構築を行うデジタルミックスとなっており、曲の大半が近年リリースされたテックハウスやミニマルなものの、Lucianoらしい陽気なパーカッション使いや異国情緒漂う怪しさに相反する軽やかなエレガンスを伴う空気は流石と言うしかないだろう。特に文句の付けようもない程にバランス良く様々なエッセンスを取り込みしっとりしたグルーヴで品の良い音を聴かせてはくれるのだが、しかしPCを使ったにしても余りにも機械的と言うかかっちりと固めて制作し過ぎなのはミックスに必要なライブ感が欠けてやしないだろうか。展開も押し並べて平坦でクラブでのピークタイムのように突き抜ける瞬間も無く、良く言えばスムースに聞き流して何時の間にか終わってしまう印象なのだ。勿論彼が素晴らしいトラックを作ってきた事は事実だし、DJに於いても彼らしいチリアン発の個性はあると思うが、それでも少々Lucianoと言う名前だけが一人歩きしてしまっている感も否めないのである。真価は生でミックスを体験し評価するしかないのであろう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mr.V - Mix the Vibe : King Street To The Future (King Street Sounds:KCD271)
Mr.V - Mix the Vibe : King Street To The Future
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今やハウスと言えばベルリンディープハウスが隆盛を誇る中、NY産の本場ハウスは以前程の勢いを失っております。実際僕自身もNYハウスのクラシックと呼ばれる作品に出会う機会は減っているし、そもそもNYハウスをやっていたDJのプレイ自体もコテコテなハウスから変革している時代。それでもまだまだハウスの力を信じて伝統を守りながらも、新たなる局面にも立ち向かうNYハウスの老舗レーベル・King Street Soundsは活動を続けている。このハウス入門にも向いている"Mix The Vibe"シリーズは、余りにもベーシックなハウスが故に逆に作品毎の差異も無くなった印象も受けていたけれど、久しぶりに新作を聴いたら意外にも良いでないか(失礼)。新作はMasters At Workの魂を受け継ぐ若き才能・Mr.Vが担当。シリーズ20作目なので流石のKSSでもネタ切れかなと思っていたけれど、リミックストラックを多数使用した上に、音自体も以前よりもエレクトロニックを強めたテック仕様で良い意味で現代風。熱い汗を飛び散らすソウルフルなハウスはほぼ皆無で、洗練とメロウネスを極めたお洒落感の強い面もありますが、NYハウスの本質でもある歌物のメッセージ性もしっかり汲み取っています。ハウスのLove & PeaceだとかLove Is The Messageだとかは、やっぱり一緒に口ずさんで歌える詩があってこそ、そんな初心も忘れてはなりません。部屋聴きするのにも丁度ぴったりなMIXCDでしょう。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell (Tresor:Tresor142CD)
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell
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近々来日するDBXことDaniel Bellの傑作MIXCDが2度目のリイシュー。しかし最近はデジタル配信も増えている事だろうし、CDと言う形でのリイシューって需要あるんでしょうかね?これをまだ所持していない若年層程、デジタル配信の方を積極的に買うだろうし。そんな懸念はさておきデトロイト発ながらデトロイトテクノとは異なるミニマルを追求し開拓してきた彼が2000年にリリースした本作は、最近のミニマルブームの先駆けと言っても過言ではない一枚。一昔前ならミニマルハウスだとかクリックハウスだとか呼ばれていたアーティストの曲が収録されていて、Farben、LoSoul、Villalobos、Thomas Brinkmann、そしてハウスをやっていた時のHerbertまで使用していて、その先見性はもはや疑うべくもないでしょう。ハウスとミニマルの綱渡り的な、そうセクシーなムード保ちつつミニマルの単純なサイクルから生まれる高揚感もあり、しっとりと股間も濡れてくる様なうっとり気分に浸る事が出来るはずです。それだけでなくDaniel Bellのミニマルにはファンクの要素もあり、僕は今なら彼の音楽をミニマルファンクと呼びます。最近のミニマルがトリッピーな恍惚感や酩酊感を強調したのが多いのに対し、Daniel Bellがやろうとしていたのは明らかに人間臭さを感じさせるローファイかつファンキーな音楽で、そこに僕は心の奥底に秘める魂の熱さを感じるのですね。これぞ身になるミニマル。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May (Lastrum:LACD-0169)
Heartbeat Presents Mixed By Derrick May
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新作を出す出す、未発表曲を出す出す、コンパイルを出す出すと数々の嘘八百を繰り返してきたテクノシーンの二枚舌・デリックメイが、なんとなんと13年ぶりのMIXCDをリリースしてしまった!!!ある意味奇跡にも近い出来事だけれども、まずは喜びたい、そしてありがとうと感謝する。いつからか新作を作らなくなりクラブでのDJを体験する事しか出来なくなったデリックだけれども、クラブでは何度も素晴らしい体験をさせてくれている彼だ(最近は外す事も多いけれど)。この新作も完璧とまでは言わないが、最近の彼のプレイをそのまま反映した内容と言っても過言ではないだろう。テクノだけじゃない、ハウスだけじゃない、ミニマルもブロークンビーツもトライバルも回す。ジャンルなんか関係ない、彼が回せばどんな音楽であろうとデリックメイの世界の一部になってしまう。そう、それはHi-Tek Soulとも彼が呼ぶ人間臭くそして熱く激情が込み上げてくる音楽で、それをシカゴハウスから影響を受けた荒ぶれたイコライジングなどでよりパワフルに、よりファンキーに仕立て上げてしまうのだ。ヴァイナル中心で生でのミックスの影響もあるのかCDでも臨場感がばっちりある荒々しい内容で、目の前でデリックのプレイを聴いているかの様でもある。13年も経てば音的にも変わった点があるけれど、根本的な音楽に対する姿勢は変わっていないのだった。欲を言えばファンキーシットなシカゴハウスとデトロイト中心の音を聴きたかったかな。

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| TECHNO7 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Louie Vega's Dance Ritual Vol. 1 (D:vision Records:DV 3355/09 CD)
Louie Vega's Dance Ritual Vol. 1
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ハウス不遇の時代が続いている、自分も以前より聴く事が減っている。クラシックに成り得る名曲やヒット曲にも最近は出会わない。一体ハウスはどうなってしまったのか?そんな中、いつの時代もぶれずにNYハウスをプレイし続けるMasters At Workの片割れ・Louie Vegaの最新MIXCDが到着。自身が主宰するパーティー"Dance Ritual"を冠するだけあり、きっと彼が自信を持って作り上げたMIXCDなのであろう。一枚目はDayがコンセプトのミドルテンポで湿っぽい生音ハウスが中心。彼が得意とするラテン的なパーカッションなども聴ける小気味良い爽やかなトラックが多く、汗をたっぷりかいて踊るのではなくカフェでまったりしながら聴きたくなる優しいBGM。メロウな音が中心なので、秋の今の時期にはぴったりですね。対してNightはそのまんまクラブでのピークタイムを表現した、ガツンと踊れてアッパーな展開が繰り広げられ高揚感と快感に満ちた一夜。エレクトロニック度が高めでテック系も混ぜつつ夜の深みにはまっていき、ホットな歌物からディープハウスまで繋いで最後までテンションを保ったままパーティーは終了と言った雰囲気。正直な事を言うとハウスのマンネリ化を非常に感じていたものの、Nightの方の盛り上がりを体感するとやはりハウスのパーティーにたまには行きたくなる。まだハウス不遇の時代を壊す程の胎動は感じられないけれど、根ではハウスも好きな事を再認識した。

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| HOUSE5 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Sneak - Back In The Box (Back In The Box:BITBCD04)
DJ Sneak-Back In The Box
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自分の好きなハウスのジャンルの一つにシカゴハウスがありまして、シカゴからは数多くの優秀なるアーティストが輩出しているんだけど、その中でも特にパンピンでファンキーな人と言えばDJ Sneak。と言っても以前にリリースしたオリジナルアルバムがソウルフルでメロウな歌物ばかりだったのでがっかりした思い出がありますが、このNRKからの新たなるMIXCDシリーズではガチで彼の本領が発揮された内容となっていたので一安心です。シカゴハウスと言っても中にはメロウでジャジーなトラック物もあるんだけど、CajualやReliefなどのレーベルとDJ Sneakら周辺に関してはネタをサンプリングしてループさせたフィルター系のハウスを得意としていて、イケイケでファンキー、バキバキでとびっきりのダンスミュージックを聴かせてくれます。そしてそんな特徴を持ったハウスの中でも、特に1995〜2000年までの最良とも言えるトラックを集めてDJ Sneakがミックスしちゃったもんだから、こりゃ偉いこっちゃ。大半がシカゴハウスとフィルターハウスで占められていて、もう展開とか上げ下げを無視した終始ズンドコでイケイケ一直線なミックスなんですわ。重く重心の低いリズムとシャープで切れのある高音域を大幅に強調して、派手にアッパーに飛ばしていくどうしたって盛り上がってしまうプレイで、そんなプレイの前には展開が無いとか終始一辺倒だとかそんな無粋な意見は軽く吹き飛ばされてしまいます。全編同じ音ばかりで腹にもたれるどころか、愉快痛快、枯れた心さえ奮い立たすファンキーで熱いハウストラックスです。

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| HOUSE4 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Rush - Palazzo Volume Three (T:Classixx:TCLA0004-2)
DJ Rush-Palazzo Volume Three
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シカゴ出身のハウスDJ・DJ Rush、いやテクノDJなのかしら。とにかく音がゴリゴリで超絶ハイテンションでミニマルでファンキーで、変態性とダンスミュージック性を兼ね備えた大変痛快爽快なハードテクノであります。と言っても自分はDJ Rushに関してはシカゴハウスを中心にまとめたMIXCDを聴いた事がある位だったので、本作を聴いてみたら事前情報とかなりの差があり衝撃を受けました。これまじやばいっす、空前絶後の高速ハードミニマルテクノが徹頭徹尾。ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ、ズコズコズコズコズコズコズコズコ、ゴォォォォォォォ〜、とかね、ずっとそんな感じ。レビュー手を抜いている訳ではありません。まじでそんな風に終始ハードミニマルが貫き通されて、ひ弱な肉体もマッチョにパワーアップ間違い無し。シカゴハウスの狂気をハードミニマルにミックスした様なファンキーでハードなプレイは、正にDJ Rushの名の通り怒濤のラッシュを見せます。近年の脳に来る覚醒的なミニマルに対し、こちらは肉体に直接来る汗臭い体育会系テクノで、馬鹿度・変態度はずば抜けて高い数値を示してるね。中途半端なハードテクノは許さんと言う人は、是非ともこのMIXCDを聴いてみて欲しい。妥協・甘さは一切無しのガチな展開が待っております。うほっいい男!

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Watt & Ivan Gough - In The Mix 2006 (inthemix.com.au:ITMCD002)
Ben Watt & Ivan Gough-In The Mix 2006
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最近めっきり作曲家としての活動を行わずDJに没頭しているEverything But The GirlのBen Wattと、オーストラリアのハウスDJ・Ivan Goughによる2枚組MIXCD。前者はかなり有名なんで知っていますが、後者は誰って感じ?Benさんに関しては毎年自身のレーベル"Buzzin' Fly "のコンピレーションMIXCDをリリースしているので、MIXCD自体に特に新鮮味を感じなくなってきました。音も現在のシーンに沿ったミニマル、エレクトロハウスなどの恍惚感を重視した選曲で、レーベル初期のカラーであるディープハウスの面影は余りないですね。流行を掴むのが上手いと言うべきか尻軽なのかは置いといて、すっかりクラブでのトランス感覚を意識したプレイはもうBenさんがDJ業にも慣れたと言う事なんでしょう。対して初耳のIvanの方はヒット曲も織り交ぜたテクノ、ハウスを横断する選曲。Benの方に比べると癖があり上げ下げが大きく派手目で、自分にはそこまでツボに来ない。ややエレクトロハウス色が強く流行のど真ん中を行っていますが、流行の中では没個性的で何かもう一つ欲しい所ですね。

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| HOUSE3 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2 (Renaissance:REN31CD)
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2
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前職を辞めて一ヶ月、その間に久しぶりにPCゲームをしたりハローワーク通ったりお家で昼寝をしたり、なかなかグダグダな生活を送っていました。がやっと新しいお仕事が決まり、これからは責任を持って社会人としての生活を送る事になります。最初の内は研修期間だろうと思われるのでそこまでは忙しくないと思うのですが、その後はIT関連なので時間も不規則になり多忙な予感がしています。まあこのブログも多少ペースは落ちる可能性が高いけれど、マイペースでがんばるぞっと。

今日は昨日に続きプログレッシヴハウスのMIXCDで、担当はUKプログの新星・Nic Fanciulli。自分は全然彼に関しては知らないのですが、MIXCDの中で自分の好きな曲が使用されていたのでついつい買ってしまいました。"Early Doors"と"Late Night Floors"と言う風に2つの異なるコンセプトで選曲をされていますが、まずは"Early Doors"から。日が変わる前のクラブをイメージしたと思われるタイトルですが、確かにそこまでアッパーではないしむしろラウンジなどで軽くBGMとして流れる位の耳当たりの良い内容だと思います。透明感に溢れ身も心も軽やかにお酒の進みそうな音ではあるんだけれども、ちょっとビートが弱いかなと…。自分の中でプログレッシヴハウスと言うと、徐々にエネルギーを溜めて終盤に上げて行く強烈な4つ打ちが好きなので、物足りなさが残るかな。しょうがねーなーと思いつつ"Late Night Floors"を聴いてみると、こちらは最初から滑らかな4つ打ちが鳴っています。しかしこの人の選曲って良くも悪くもメロディーの起伏が多く、MIXCDなんだけれども一つの世界に統一されてないのですね。例えば他のDJだと色んな楽曲を使っても見事に調和の取れた世界観を創り上げるけど、この人の場合MIXじゃなくてコンピを聴いている気持ちになってしまうなぁ。流行のエレクトロハウスっぽい音や綺麗目の音も入れたりしてそつはないけれど、なんだか全体的に緊迫感が持続しないのは何故?比較するのは可哀想だけれども前日紹介したHernan Cattaneoに比べると、Nic Fanciulliはまだまだと思わざるを得ない出来ですね。自分が聴きたかったFunk D'Void(=Francois DuBois)の新曲は予想通り素晴らしかったです。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell (Tresor:Tresor142CD)
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell
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良いお仕事しますね、DBXことDaniel Bellさんは。デトロイトにおけるJeff Millsと並ぶミニマリスト・Daniel Bellですが、渋めの曲が多いので前者に比べると少々マニアックな存在だと思います。でもTresorからリリースされていたこのMIXCDは本気(と書いてマジ)で素晴らしく、廃盤となっていたのがやっとこ再発されました。2000年作なんだけどRicardo Villalobos、Herbert、Thomas Brinkmann、Farbenなどの現在も主流になっているクリックハウスとかミニマルハウスの類の曲を既に多用していて、先見性があったんだなーとそのセンスに驚かされます。コチコチとしたクリック系を回すにしても、スカスカのミニマルハウスを回すにしても、冷ややかなファンクが存在していて切れがあるよね。一聴して味気ない地味な音ばかりだと思うのは間違いで、リズムトラックを聴いて分かる通りファンクなハウス以外の何物でもないと思います(所謂アッパーなファンキーハウスとは違うぞ)。後半には沈み込みように微妙にメランコリーで淡いディープハウスに突入し、何故か夜のムードが出て来たりもします。盛り上げるだけが上手いDJじゃなくて、しみじみと聴かせるプレイもまた一流なのですぞ。職人とか仙人とかそんな言葉が相応しいDaniel BellのMIXCDでした。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
The Godfather Chronicles (Minimaxima:MB205CD)
The Godfather Chronicles
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HMV半額セール戦利品その1。日本ではデトロイトと言うとテクノ、ハウスですが、現地ではゲットーテック・ゲットーベースなる物が人気あるそうで。普段聞かないジャンルなのでいまいち分かりづらいですが、特徴を述べるとBPM160越えは余裕でエレクトロやヒップホップ、ハウスやテクノまでもスクラッチを混ぜつつ高速にミックスし、ビッチだとかセックスだとか卑猥な言葉がべろべろに挿入される最高にお下品な音楽だそうです。今作はそのシーンの中でも絶大な人気を誇るらしいThe GodfatherのMIXCD+ドキュメンタリーDVD付きの豪華なセット。MIXCDの方だけどLos HermanosやらTechnasiaの曲も入ってますが、殆どはゲットーテックのアーティストの曲が中心。48曲をプレイなんで当然1曲は1分程で繋がれてゆく超絶スピンの繰り返しで、もはや早さだけならJeff Mills以上だ!ビートは早くても生き生きとしたベースラインは失われておらず、腰がくねくね動いてしまいそう。音はまあ最低にチープで同じデトロイトでも、テクノの神格化された音とは正反対ですね。しかしこれもデトロイトの一部である事は間違いない事なので、興味がある人は聴いてみて欲しい。DVDの方ではゲットーテックのアーティストのコメントやら、クラブでのパーティシーンの映像もあるのですが、そのパーティーでは卑猥な女が尻を突き出してブリブリと振りまくるシーンも…。さすがデトロイト、本場は違う。DVDの中であるDJが、「クラブはセックスの為のベッドなんだ」みたいな事言ってたけど、日本じゃクラブでセックスは流石に無理ですw

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Submerge Live In Japan (Submerge:SUBJPDVD001)
Submerge Live In Japan
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もはやテクノ、ダンスミュージックに限らずに世界に存在する音楽の中で、確実に重要指定文化財として認められるべきUnderground Resistance。彼らがGalaxy 2 Galaxy名義で2005年2月13日にリキッドルームで行ったライブを、後世に語り継がれるべくDVDにパッケージ化。もちろんあの瞬間、あの場所を再現するなんて言うのは土台不可能な訳ではあるけれど、それでもこのDVDには充分に価値がある。なんと言ってもマスクを脱いだMad Mikeの素顔が見れる事だ。おぉ、実は結構格好良い顔をしてるんだね、Mad Mikeは。彼が今までマスクを被ってきたのには訳がある。「音楽で大事なのは、演奏者ではない。スピーカーから出る音が大事なのだ」とはMad Mikeの言葉で、だから今まで自分を認識不可能な存在として正体を明かさなかったのだ。今になって公に姿を現したのには、もう充分音楽で彼らの信念を伝える事が出来たと言う事なのだろうか?

さて、取り敢えずテクノ好きな人は僕が紹介せずともきっと買おうと思っている人も多いだろうし、内容も語らなくなって素晴らしい事は分かっている。ラテンパワー全開のLos Hermanos、シットでファンキーなElectrofunk、そしてフュージョン節丸出しのGalaxy 2 Galaxy、そのどれもが人力でテクノを演奏している。このマシンに頼らずに人力でと言うのが、彼らの真骨頂であり彼らの信念である。マシンに頼るから悪いのではなく、彼らのソウルを表現するのに人力である必要があっただけの事。Love & Peaceに溢れた演奏は、聴く者を魅了し希望を抱かせるには充分なエネルギーが詰まっている。URは本当に素晴らしいコミュニティーだよ。

残念なのは、Los Hermanosが演奏したKraftwerkのDentakuと、Galaxy 2 Galaxyが演奏したKraftwerkのNumbersが版権の問題によりカットされている事だ。むぅ、これは悔しい。あとMad Mikeよ、JaguarのクレジットにMad MikeとGerald Mitchellの名前しか無いのはどうゆう事なんだ?あれはDJ Rolandoが手掛けている曲のはずだ。Mad Mikeは真の男なのだから、その釈明を聞かせて頂きたいぞ。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
ウホッいい男!DVD Submerge: Live In Japan
HMVのレビューへリンク

神様ありがとう。いや、神様じゃなくてMad Mike様。随分とメジャーになったなぁと思いつつ、みんな買うだろうライブDVDでしょう。

Los Hermanos
1 Welcome To Los Hermanos
2 Very Existence
3 Deeper Presence
4 Aguila
5 Birth 3000
6 Guidance
7 Quetzal
8 Resurrection
9 Jaguar

Electrofunk feat. Mr. De'
10 Ass Jiglin'
11 Ass & Tities
12 Detroit Zoo
13 Give It Up
14 Sex On The Beach
15 Shake It Baby
16 Vine
17 Da Blues
18 Do It To It
19 Song 4 Sydney
20 Space Traveler
21 Full Circle
22 Throw

Galaxy 2 Galaxy
23 Return Of The Dragons
24 Final Frontier
25 Moo Horse
26 Time Line
27 Inspiration
28 First Galactic Baptist Church
29 Soul Saver
30 Jupiter Jazz
31 Afro's, Arps And Minimoogs
32 Momma's Basement
33 Birdland
34 Hi-tech Jazz
35 Amazon

日本盤ボーナス映像:Galaxy 2 Galaxy@Metamorphose 2005.8.2
36 Inspiration
37 Hi-tech Jazz
| TECHNO3 | 20:00 | comments(6) | trackbacks(0) | |
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones (Cutting Edge:CTCR14441)
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones
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もしかしたら世界で一番有名かもしれないハウスレーベル、King Street Sounds。ハウス好きじゃなくてもその名は聞いた事があるだろうそのレーベルの設立者は、なんとヒサイシオカ氏日本人なのである。いや、まさか本場USでそんなレーベルを日本人が作ったなんてほんと凄い事だと思います。でもそれは彼の嗅覚の成せる業、アンダーグラウンドなダンスミュージックから時代の流れに沿った最先端のハウスまで、良質な音楽を提供する姿勢があるからこそなのでしょう。そんな彼の下には数多くの才能あるアーティストが集結し、数多くの天才がKSSに楽曲を提供しています。そしてヒサ氏はクラシックなハウスだけに止まらずより自由な楽曲を送り出す為に、Nite Groovesと言うレーベルも設立し当然そちらも大成功。そしてKSS設立12週年を記念したMIXCDがこれです!ミキサーには、Andre Collins & Nick Jonesだそうで僕も名前くらいは聞いた事があるアンダーグラウンドながらも、ヒサ氏が信頼をして送り出す位の素晴らしいDJです。DISC1のAndre Collinsはアッパーにどす黒く、がつんと踊れるピークタイム仕様。しかしソウルたぎるそのプレイは、聴く者の心を熱くさせるエモーションがあります。またDISC2担当のNick Jonesは、ラテンハウスやジャジーハウスを多様しスウィートかつリラックスしたプレイを見せます。いやいや、しかし一つのレーベルだけでこんなに素晴らしい楽曲が揃うなんて、本当に凄い事じゃないかな?KSSはこれからも時代をリードして、新たなる才能を発掘してくれると確信しました。EP中心のダンスシーンに於いて、こういったレーベルサンプラー的MIXCDは大層嬉しいのですが、レーベルサンプラー以上の質を伴っています。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Welcome To My World (Womb Recordings:WOMB011)
Ben Sims-Welcome To My World
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みんな最近はハードミニマル系のMIXCDで良い物がねえなぁ〜って思ってませんでした?僕は思ってました。一時期は充実してたんですけど、今年はさっぱりですよね〜って、思ってたら

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!!!!!!!!

ベンベンベンベン、ベンシムズのトライバル+ハードミニマルな超絶MIXCDがキタんですよ!!!やっぱりこいつ凶悪ですな、ターンテーブル3台+CDJ2台をフル活用した音数多めの激しく興奮するプレイを見せてますよ。当初はWOMBでのプレイを録音した物と思っていたのでかなり不安になっていたのですが、スタジオ録音と言う事で音質も良好。Jeff MillsからChester Beatty、Renato Cohenや今をときめくJoris Voorn、果ては自身のKilla ProductionsやGreenwich Allstarsなどハードミニマル勢の大御所を惜しげもなく使いまくり、テンションが一向に下がる事がありません。最初から最後まで全てがピークタイム仕様で休む暇を与えず、徹底的にハードグルーヴで攻めまくります。疲れている時には聴く気がしないけど、力を持て余している時にはこれを家で爆音でかけたいっ!周りの民家なんか気にするんじゃねえ!(嘘です。)体中の血をたぎらせ踊り狂うのだ!

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| TECHNO2 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Blaze - Soul Heaven Presents Blaze (Soul Heaven:SOULH02CD)
Blaze-Soul Heaven Presents Blaze
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最近MIXCDを聴く機会が多いのですが結構お腹一杯気味です。このBLAZEの最新MIXCDも2枚組だし、なんでかこの頃発売されるMIXCDは複数枚のが多いんですよね。でBLAZEのMIXは派手なテクとかは特に無いんだけど、選曲は無難と言うかまあ安心出来る場合が多いです。まずDISC2はStephanie Cooke、Kings of Tomorrow、Kerri Chandler、Studio Apartmentなど爽やかで生っぽい選曲中心。BLAZE好きが一番満足出来る様なソウルフルでしっとり温かみのある構成で、こってり重い感じもなく軽くBGMとして聴くと丁度良い感じですね。今回気に入ったのがDISC1の方で、こちらは普段のBLAZEっぽくないMIXです。Jerome Sydenham & Dennis Ferrerの「Sandcastles」やVince Watsonの覚醒的な重心低めのテック系ディープハウスなんかも混ぜたり、生っぽいハウスは少なめ。味付けが濃いこってりこてこてで肌にまとわりつく様な粘りのあるグルーヴで、暑い夏なのに体をもっと熱くさせます。しかしどちらのMIXもボーカル曲が多いね。まあそれがBLAZEの売りなんだろうけど、インスト系ディープハウスMIXなんかも聴いてみたいね。あ、でもそれじゃあBLAZEがやる意味ないのか?

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |