Deep’a & Biri, Aril Brikha - Hope (Black Crow Records:BC002)
Deep'a & Biri, Aril Brikha - Hope
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イスラエルはテルアビブで活動するDeep'a & Biriは、以前にはDerrick Mayが手掛けたコンピレーション「We Love... Detroit」にも曲が採用されるなど、デトロイト・テクノとも共振するサウンドが特徴だ。2013年にはテルアビブにてBlack Crow Recordsなるレーベルも始動させたが、そのレーベルの2作目となる本作では自身の作品と共にAril Brikhaの新作を収録している。イランで生まれたという共通点を持つ両者がテルアビブでプレイした際に、政治的問題に直面した経験から生まれそうで、売上の一部はパレスチナ問題の平和活動へと寄付されるとの事。さて、それはさておき"Isthar"と題されたArilによる楽曲は正に彼らしいもやっとした上モノがトランシーで、えぐいシンセベースも流れるように快楽的な旋律をなぞり、幾分か落ち着いて内向的な雰囲気ながらも自身の個性が的確に反映されたテクノになっている。一方Deep'a & Biriがリミックスした"Ishtar (Deep'a & Biri Remix)"は、先ずは空間の奥底で重く響くキックが目立っており、メロディーを闇の中に閉じ込めるように後退させながらダビーな残響を打ち出した重厚なテクノへと姿を変えている。裏面のDeep'a & Biriによる"Har Zion 110"も空間の広がりを感じさせる残響が活きており、幾重にも重なっていく透明感のあるシンセのサウンドは幻想的でも、またその無機質な印象がどこか凍てついて荒廃した世界を喚起させる。がそれをArilがリミックスした"Har Zion 110 (Aril Brikha Remix)"は、有機的な音質を伴い人肌の温もりを感じさせるメランコリーなテクノへと姿を変えるのだから、リミックスというものは面白いものだと思わせられる。両者がリミックスをし合う事で、よりアーティストの個性が浮き彫りになるという分り易い一例だろう。



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MS00 / BEYOND THE DANCE TRANSMAT 4 (Lastrum:LACD-0235)
MS00 / BEYOND THE DANCE TRANSMAT 4
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テクノと言う音楽を聴く者にとって、おそらくTransmatと言うレーベルを避けて通る事は不可能に近いだろう。デトロイト・テクノのイノベーターであるDerrick Mayが1986年に設立したこのTransmatは、多くのダイヤの原石だったアーティストを世に知らしめ、デトロイト・テクノの代名詞にも近い程の評価を獲得した。Derrick本人はTransmatの音楽を単なるダンスミュージック以上の価値を持つものと考えている為、それらをテクノと呼ばれる事にはあまり納得していないそうなのだが、しかし本作を聴くと確かにDerrickの意図する事は分からなくもない。本作はレーベルにとって実に12年ぶり、通算4枚目となるレーベルコンピレーションだ。Transmatの過去の隠れた名作と共に、傘下のレーベルであるFragileからも、そして今後Transmatからもリリース予定のある若手、更にはDerrick自身の失われた未発表作までもが収録されている。収録曲の多くはダンスミュージックと呼ばれるテクノではある事に間違いはないが、それと共に音の持つ繊細な美しさは芸術的に磨き上げられ、感情を揺さぶる内省的な、もっと言えばシリアスな佇まいさえ浮き出ている。それはダンスフロアを離れた音がベッドルームで鳴る時にも、決して単調で飽きないように意識に働きかける音として(アーティストのその意図があったかどうかは抜きにしても)作られているようにも感じられるのだ。今までのコンピレーションと異なっているのはレーベル初期の作品から近年の作品、そして新作までも網羅した正にレーベルの歴史(の一部)である事だ。Choice(Laurent Garnier)やCarl Craig、Silent Phase(Stacey Pullen)の大傑作と共に、DjinxxやDouble HelixにTony DrakeやSans Soleilなどの一般的にはそれ程知られていない作品、そしてレーベル再始動のきっかけとなったGreg GowやDVS1の作品が網羅されている事は、Transmatの音楽性を包括していると言っても過言ではないだろう。また複数の若手アーティストの楽曲も、テクノの未来を切り開くべく可能性に満ちた内容となっている。最後にはDerrick Mayの作品が待ちわびているが、まあこれはある意味サービスとして収録された位の出来だ。それは逆にもはやDerrickが作品を作らなくても、レーベルには多くの才能が存在している事の証でもある。そのダンスの向こう側に存在する音を、是非体験して欲しい。

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