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Waveform Transmission - V 2.0-2.9 (Astral Industries:AI-08)
Waveform Transmission - V2.0-2.9
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現在隆盛を誇るアンビエント・ミュージックと一口に言ってその曖昧なジャンルは、始まりとなった環境音楽からヒーリングと呼ばれるもの、または瞑想系や踊り疲れた後のチルアウトなど、様々な形となって枝分かれしている。2014年に設立されたロンドンのAstral Industriesも流行となる前から既にこのジャンルの探求を実践しているレーベルの一つで、過去の名作の復刻に勤しみつつモダン・アンビエントのリリースにも力を入れ、ドローンを重視したクラブ観点からのアンビエント・テクノとして頭一つ抜きん出た存在だ。そのレーベルから2017年にリリースされた本作を手掛けたのはWaveform Transmission、この言葉を聞くとデトロイトのハード・ミニマルの魔術師のアルバムを思い起こしてしまうが、そうではなく同じデトロイトのダブ・テクノ/アンビエントの重鎮であるRod Modell (DeepChord/Echospace)とChris Troyによるユニットなのだが、なんと1996年の『V1.0-1.9』以来のアルバムとなるのだからおおよそ20年ぶりの作品というわけだ。前述のアルバム以降のModellの活動はDeepChordやEchospace等多くの名義を用いて、フィールド・レコーディングやアナログの柔らかい揺らぐような音響を活かした幻想的なアンビエントをサウンドスケープとして表現してきたが、一方でTroyはこのWaveform Transmission以外では活動の痕跡を見つけるのは難しくミステリアスな存在ではあるが、こうして20年も経て再結成をする位なのだからModellと同じくアンビエントに対する偏執的な愛があるに違いない。さて、アルバムはと言えばアナログだと片面に18分の曲がダブルパックで計4曲の72分が収録されているが、1曲は2〜4のパートに分かれてそれぞれ異なった風景を見せる。チリチリとした柔らかなヒスノイズや風が吹くようなフィールド・レコーディングから初まり濃霧のようなシンセのドローンコードが心地好い"V 2.0-2.1"は、後半からは極寒の吹雪が吹き荒れるような不鮮明なノイズ・ドローンによる色彩が失われた世界へ突入する。"V 2.2-2.3"は不思議なフィールド・レコーディングにぼんやりとしながらも荘厳なシンセ・ドローンが神秘的で、無重力の宇宙空間で遊泳を楽しむかのような優雅で美しいアンビエントだが、後半は一転してエレクトロニクス性が強くダビーな音響が奥深くへと誘っていく。"V 2.4-2.7"の前半も非常に美しく、壮大なアンビエンス音響に包まれつつ広大な空にか弱くも美しい星の光が瞬くような電子音が散りばめられた流れだが、後半は抽象性を高めるように繊細なディレイやエコーをを用いたダブ音響によってここではない何処かを演出する。最後の"V 2.8-2.9"は不思議な程に幻想的なコード展開を重視したメランコリーな響きで、自然音や電子音が融和しながら快適な瞑想の時間帯を提供してくれるだろう。Modellにとってアンビエントなスタイルは以前から存在するものであるが、過去のダンス・トラックとして機能するミニマル・ダブな作風よりも本作は完全にリスニングやBGMとしてのアンビエントに振り切れており、そこには精密で美しい電子音や優しい自然音が境目なく融合しかつて無い程の深遠なるアンビエンスが広がっている。



Check Rod Modell & Chris Troy
| TECHNO14 | 21:00 | comments(0) | - | |
DeepChord - Auratones (Soma Quality Recordings:SOMACD117)
DeepChord - Auratones
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デトロイトから執拗にミニマル・ダブの探求をライフワークとするRod ModellによるDeepChordは、その完成された音楽性が故に最早大きな革新や変化は見受けられない事から金太郎飴的な制作活動になっているが、オリジネーターであるBasic Channelが築き上げたミニマル・ダブに更にアンビエント性も加えて純度を高める事で、追随を許さない程に自分達の音を確立している。近年は定期的にアルバムをUKはグラスゴーの名門テクノレーベルであるSoma Recordingsよりリリースしており、本作で同レーベルより通算5枚目となる事からその実力を買われているのは間違いないだろう。前述したように本作でも作風に変化はなく、アルバムはドローンによる深い霧の中で虫の鳴き声が響くフィールド・レコーディングらしき"Fog Hotel"から始まる。そこから物静かにしっとりしたキックが入ってくる"Moving Lights"に繋がると、幻惑的な作用を生むダビーな上モノも加わって、引いては寄せる波のような残響が心地良いミニマル・ダブの世界へと突入する。これ以降はチリチリとしたヒスノイズ、蠢くように揺らぐ残響、ミニマルの一定間隔を守る4つ打ちのグルーヴといった要素を軸に、全ての曲はミックスされる事でライブ感を打ち出しながら催眠的に作用する。基本はミニマル・ダブと言う作風ではあるが、曲によってはミニマル・テクノの収束性やレゲエのリズム、ダブな残響にアンビエントの雰囲気といった要素のどれかに振れながら、単調になりがちな音楽性に変化も加えてアルバムの統一感はありながらも飽きさせない展開で持続性を持たせているのだから覚めない夢の心地良さが続くようなものだ。淡々としたキックが持続する中に官能的に揺らぐ残響に陶酔してしますダンス色強いミニマル・ダブの"Underwater Galaxies"から、一転してビートは一気に消失しオーロラのように豊かな色彩を見せながら羽ばたく上モノが広がるドローン・アンビエントの"Roca 9"への切り返し、そこから再度薄いドローンと爽やかに残響が広がる大らかなダブ・テクノの"Azure"でビートが走り出す流れ等もあり、金太郎飴的な音楽性が強いDeepChordとは言えども決してアルバムが単調で間延びすると言う事はない。精神の深層世界の探検を促すように瞑想状態を誘発するダブ/ドローンの効果は、全編に作用しながらリスニングとしてもダンスとしても満足させるアルバムになっているのだ。



Check DeepChord
| TECHNO13 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House (Upset Recordings:UPSETMIX33-34)
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House

これまでにもテクノやハウス、R&Bにジャズ、アンビエントやダブ/レゲエと多岐に渡ってコンセプト重視なMIXCDを手掛けているDJ Yogurt。パーティーに合わせてそのスタイルを自由自在に変えるプレイがMIXCDによって家でも聴けるのは非常にありがたく、クラブに行けない人にとってもDJ Yogurtの長年の経験に裏打ちされた幅広く深いダンス・ミュージックを体験出来る点で、価値のあるシリーズだ。そんなMIXCDの最新作は今までありそうで無かったダブ・テクノとスモーキー・ハウスという音に焦点を当てた内容で、2枚組でも1500円弱なお値打ちな事もありお勧めの作品だ。先ずはダブ・テクノの方であるが、これはミニマル・ダブやダブ・ハウスと呼んでも差し支えないのない選曲で、いきなりRhythm & Soundの乾いた残響がうっすらと広がるダブの"Music A Fe Rule (Part 2)"で始まる辺り、もうこの手の音が好きな人にとっては間違い無しの内容だ。基本的にはBasic Channelが生み出したミニマル・ダブの揺らぐ残響を伴うテクノ〜ハウス〜レゲエ辺りが中心となっており、じわじわと侵食する序盤からズブッとヌメった深みにハマる展開、極限まで無駄を削ぎ落として骨格が浮かび上がるダブな時間帯、そして軽快で膨らみのあるグルーヴが心地良いダブ・ハウスなど、つまりはBasic ChannelやDeepchord周辺のディレイやエコーによる音の広がりが感じられるトラック中心なのだ。後半では上げ気味なハウスのグルーヴから一転して重心の低いドタドタしたレゲエ色の強い展開まで広がり、そこから"E2E4 Basic Reshape"のように官能的なミニマル・ダブやアフロ・アフリカンなダブの"Ole (A Remix by Moritz von Oswald)"など、またしてもDJ Yogurtが惚れ込むベーチャンの流れで音が熟すように温かくなり終わりを迎える。そしてスモーキー・ハウスというタイトルが付けられながらも、肩の力が抜けてリラックスしたディープ・ハウスやテック・ハウス中心の方は、上げ過ぎる事なくリズミカルな4つ打ちを軸に滑らかな流れで心地良く闊歩するようだ。気怠く夢のようなメロディーや柔らかく肌に染みこむような鳴りがあり、また密閉されたクラブよりは開放的な屋外の雰囲気を感じさせる和やかなムードで、燦々と太陽光が降り注ぐ真夏の海沿いをドライブするのにぴったりな陽気なノリが感じられる。真夜中のクラブ的なダブ・テクノ、昼間の屋外なスモーキー・ハウスみたいな相反する性質も感じられたり、2枚セットで楽しめるMIXCDだ。

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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Ultraviolet Music (Soma Quality Recordings:SOMA CD 111)
Deepchord - Ultraviolet Music
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デトロイトからミニマル・ダブを偏執的に追求するRod ModellことDeepchordは、最早本家のBasic Channelがその名義での活動を停止させている状況では、その方面の極北に位置する存在だろう。ダンス・ミュージックであろうとアンビエントであろうと、そこに徹底的にミニマル・ダブの音響を駆使して制作する姿勢からは、頑固な職人気質さえ感じられる。ここ数年は自身で主宰するDeepChordやechospace [detroit]ではなく、UKはスコットランドのSomaからアルバムをリリースする事が多いが、この新作でSomaからは通算4枚目とレーベルとの仲も良好のようだ。本作についてのアナウンスからは、90年代のアンビエントや深夜の雰囲気、デトロイト・テクノやディープ・ハウスにベルリンまでの要素の幻惑的な混合と述べられているが、それはおおよそ今までの彼の作風とそれ程乖離していないようとも思うがどうだろうか。アルバムの開始からぼんやりとした朧気なキックと霞がかったシンセのレイヤーが幻惑的な響き方をし、そこにヒスノイズが浮遊しながら深い密林の奥地へと誘うような迷宮的ミニマル・ダブは、何ら今までのDeepChordと変わらないだろう。前作の『20 Electrostatic Soundfields』(過去レビュー)は意識的にクラブのダンスビートから離れてサウンドデザインを目的としていたものの、本作では元の作風へと戻り躍動感のある揺れるビートを叩き出している。官能的な残響の揺らぎ、目眩を引き起こすようなシンセやノイズにビートの層、色々な音が積み込まれ圧倒的な情報量の多さで意識を麻痺させるのは、正に彼お得意のミニマル・ダブだ。その上、アルバムの曲間は切れる事なく続いている為に、その幻惑作用は途切れる事のない持続感を持ち、アルバム2枚160分にも及ぶ非現実的なジャーニーへと誘ってくれる事だろう。ミニマル・ダブの金太郎飴的なこの存在は、一体何処まで貫き通す事が出来るのかも気になる所だ。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Fabric 83 (Fabric Records:fabric165)
Joris Voorn - Fabric 83
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かつてRichiw Hawtinが成し遂げたPCによって各曲を最小のパーツにまで分解し、それらを再度組み立て上げて同時に複数のパーツを層のようにミックスする事で、新たなる曲として創造する手法は今では決して珍しいものではない。またその手法が時としてライブ感を失い、見せびらかすように芸術的な面だけを強調してしまう恐れは多々あり、例えばオランダのテクノ貴公子ことJoris Voornについては典型的にその例に挙げられよう。活動の初期は複雑なミックスをする事なくテクノ・クラシックも多用しながら若いエナジーが溢れがつがつとフロアを盛り上げていたプレイも、近年リリースしたMIXCDでは多数の曲を糸を細かく編み込むような芸術的なミックスを披露する事に専念し、何かクラブの衝動は欠けていたように思われる。そんな折、新たに発表されたFabricシリーズからのMIXCDには、何と20トラックの中に65曲を詰め込むという以前からの手法を踏襲した内容だ。そこにまたもクラブの熱狂は存在しているのか不安になったが、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。本人が「Abletonがターンテーブルなどでは成し得ない、エディットとミックスとリミックスを可能にした」と述べているように、正にPCでしかありえない重層的なミックスをしながら各曲の繋ぎ目さえも消え去ったシームレスなプレイを披露しているが、それはまた目的ではなく手段として活かしながら、ミックスによって新たなる曲を創造しながらフロアのディープな感覚も確実に残す事に成功している。Jorisらしい美しいメロディーや感傷的なムードに甘い陶酔感はたっぷりと発揮されているが、侵食され何時の間にか抜け出せないミニマルな機能美やドラッギーなトランス感は間違いなく真夜中のフロアで体験出来るそれであり、それらが自然と一体化してドラマティックな世界観を構築している。また単にテクノやミニマルだけでなく、プログレッシヴ・ハウスやスピリチュアルな歌モノやエレクトロニカなど、多様なジャンルの音から要素を抽出しながらそれを違和感なく溶け込ませる手法は、ここをピークに迎えているようだ。勿論本作のような余りにも緻密な構成は生のプレイでは再現する事は不可能だろうが、しかしリリースされる作品としては本作は究極的な表現でもあり、それがフロアの空気も伴っているのだから素晴らしい。



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| TECHNO12 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
HVL - Away From Everything We Know (Organic Analogue Records:OA 002)
HVL - Away From Everything We Know

Rough House Rosieでの活躍も目覚ましいグルジア出身のGigi JikiaことHVLが、今年2枚目となる新作をOrganic Analogueよりリリースしている。東欧特有の神秘的な瞑想感を伴うディープ・ハウスはHVLの個性として確立されているが、この新作でも基本的な路線に変わりはない。タイトル曲の"Away From Everything We Know"はリヴァーブによって幻想的に揺らめくシンセの奥にロウなアシッドのベース・ラインと女性のポエトリーを配し、心地良い浮遊感の中にもベースとキックによる明確なグルーヴが刻み、Deepchordを思わせるアンビエンス感の強いディープ・ハウスだ。放射状に広がるようなディレイのシンセを用いながらもカタカタとしたロウなパーカッションを用いた"Space Venture"は、DJ Sprinklesが得意とするような枯れた感もある幽玄さがあり、荒ぶる事なく静かに心に侵食する。一方裏面の"Cygnus Loop"はブレイク・ビーツ風につんのめったリズム感が切り刻むようにエッジが効いていて、その上ではすっと軽く伸びる透明感のあるシンセと未来的な光沢感のあるシンセの絡み合い、A面の曲よりはファンキーな躍動が強い。また本作で特筆すべきは、Wild Oatsからのリリースが注目を集めたGBやJulian Abelar名義でも活動するGabriel Reyes-WhittakerがThe Reflektor名義でリミックスをしており、"Away From Everything We Know (Reflektor Remix)"は原曲の浮遊感を抑えた代わりにデトロイト的なレトロ・フューチャーを思わせるシンセの懐かしいメロディーを強調し、またカチッとした生っぽいビートに変化させた事でブギーな感覚を打ち出していて、面白いリミックスを披露している。HVLの緩やかに揺れるディープ・ハウスは言うまでもなく極上だが、The Reflektorのリミックスもより個性的で上手くハマった快作だ。



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| TECHNO11 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/11/23 Excursion @ Oppa-la
2014年5月、Future TerrorのDJ NobuとCabaretのdj masdaによって新たなパーティーであるExcursionが立ち上げられたが、今回はその2回目の開催。Oppa-laという場所柄、そして二人によるB2Bスタイルという事もあり普段の緊張感溢れるプレイとは異なるリラックスしたプレイを行うのが特徴だそうだが、今回はそこにWord Of MouthとSisiも参戦と興味深いDJが揃った。きっと各々がハウスセットを披露するパーティーになるであろう事を期待し、初のExcursionを体験しに行く事にした。
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| EVENT REPORT5 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Rainbow Disco Club Vol.1 (Endless Flight:ENDLESSFLIGHTCD13)
Prins Thomas - Rainbow Disco Club Vol.1
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2010年より東京晴海の海を望むロケーションで開催されているRainbow Disco Clubは都市型フェスとして定着してきているが、その音楽感を更にMIXCDとして表現したシリーズがEndless Flightと共同でスタートした。その第一弾にはRDCにも出演歴のある北欧ノルウェーのニュー・ディスコ大使であるPrins Thomasが抜擢されている。Prinsは過去にもニュー・ディスコを中心としたバレアリック路線なMIXCDをリリースしていたが、本作では一転して幅広い楽曲/音楽性を含みながらもテクノとしてのスタイルを披露している。しかし、それも最近テクノ路線のレーベルであるRett I Flettaを彼が始動させた事を考慮すれば、極自然な流れだったのだろう。始まりはDonato Dozzyによるビートレスかつトリッピーな電子音響なテクノから始まり、この時点で今までのPrinsとは異なる空気が発せられている。続くFloating Pointsによるディープなダブ・ステップで低空飛行を続け、The Shooktのサイケデリックな曲から遂にリズムに動きが見せ始める。Deepchordによる機能性を重視したミニマル・ダブ、Bjorn Torskeによる無邪気で陽気なムードに溢れたニュー・ディスコ、Marcellus Pittmanによる錆びた無機質なビートが鳴るロウ・ハウスなど、ジャンルは多彩だがロングミックスによって曲がいつ入れ替わったのかを曖昧とする自然な流れによって、不思議ととっ散らかった印象はない。寧ろ様々な音楽性がミニマルなミックスによって一つの流れを生み出し、特に中盤以降はビート感の強い曲が並んだ事でライブ感のある盛り上がりを見せている。ラストの盛り上げ方も圧巻だろう、一端Shedによる望郷の念を呼び起こすロマンティックな曲で仕切り直しをしつつ、最後にNY's Finestのハウス・クラシックで感情の昂ぶりを保ったままミックスは終了する。確かに以前のようなキラキラした底抜けの幸福感は薄れており、その分だけクラブを意識したグルーヴ感重視なプレイではあるのだが、しかしその中にもやや緊張感のあるコズミックな多幸感も存在する。何よりもニュー・ディスコなアーティストと言う自身の特徴や個性を振り払うかのような挑戦心あるミックスであるが、それがファンの期待を失う事なく新たな魅力を伴っている事は、Prins Thomasが単なるニュー・ディスコだけのアーティストではない事を気付かせてくれるのだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2014/10/11 Cabaret 15th Anniversary Party Daniel Bell 10 hours @ Unit
Cabaretはテクノ/ハウスといった音楽をミニマルというスタイルに落とし込んだ音楽性で、その方向に確かな一貫性を持った質実剛健なパーティーだ。名古屋を拠点として活動を開始したが、今ではSo Inagawa、dj masda、Kabutoの3人がレジデントDJとなり海外から流行とは無縁の個性的なアーティストを招致しつつ、その活動を15年にまで伸ばしている。今回のパーティーはそのCabaret15周年記念となるが、そこに呼ばれるのは今までにも幾度となくCabaretを盛り上げたDaniel Bell、そして今後Cabaret Recordsからリリース予定があるIsherwood、そして日本からはJun Kitamuraと多くのゲストを迎えて入れて、15周年を祝う事になった。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Yagya - Will I Dream During The Process? DeepChord Redesigns (Subwax Bcn:SUBWAX BCN CD02:2)
Yagya - Will I Dream During The Process? DeepChord Redesigns
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雪が降り積もるアイスランドからこんこんとしたドローン/アンビエント・テクノをリリースするYagya。豪雪地帯を思わせる残響に覆われた抽象的なドローン・アンビエントを展開し、寡黙な活動ながらも、いやだからこそと言うべきか過去の作品は廃盤となりながらもよりカルト的な人気を博している。本作はそんな彼が2006年にリリースしたアルバム"Will I Dream During The Process?"(過去レビュー)を、デトロイトのミニマル・ダブの極北であるRod ModellことDeepChordが丸々リミックスし直したアルバムで、その奇跡的なコラボレートという前提からして話題性は抜群だ。何でもCD版は全世界で250枚のみと非常に限定されたリリースだったのだが、実はデジタル配信もされている上に、日本限定で直ぐにリプレスされて少し拍子抜け。が作品自体はDeepChordの手腕が存分に発揮された過剰な音響に包まれるミニマル・ダブが何処までも続き、恐らく多くのファンが期待する音が聴けると言う観点で当たりであろう。オジリナルは柔らかい残響を活かしながら宗教的かつ神秘的なアンビエンスを奏でていたものの、DeepChordのリミックスはフロアからの視点で見据えたダンス・トラックとしての機能を添加し、よりテクノらしくよりダンスらしいグルーヴ感を備えている。元々DeepChord自体がアンビエントな性質を伴う音楽性ではあるが、やはりYagyaに比べると残響の奥に確かなキックを刻みながら躍動感のあるビートを生み出し、溢れる情緒を掻き分けながら突き進む機能性を伴っているのだ。YagyaとDeepChordでは似て非なる性質があり、リスニングとダンス、アンビエントとテクノ、情緒性と機能性など近い距離にいるようでそれぞれの個性がある事を、本作を聴いて理解させられる。結果的にはYagyaの作品をDeepChordが作り直したという事実よりも、DeepChordの作品として聞こえるような個性で上書きされた事で、オリジナル的なミニマル・ダブとして成り立っているのは面白い。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - 20 Electrostatic Soundfields (Soma Quality Recordings:SOMA CD104)
DeepChord - 20 Electrostatic Soundfields
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Rod ModellとMike Schommerがデトロイトで主宰するレーベルであり、そしてRod Modellがアーティスト活動の名義としても使っているDeepChordは、USに於けるミニマル・ダブの第一人者と言ってもよいだろう。近年ではDeepChord名義の作品をUKはグラスゴーの伝統的レーベルであるSomaからリリースしているが、本作はSomaからの2011年、2012年のアルバムに続く3枚目となるアルバムだ。インタビューでは元々は映像に合わせる音楽を制作していたと述べており、確かに長尺な曲もインタールード的に短い曲も収録され、ダンスフロアを意識せずに淡々と風景が移ろいゆくようなシネマティックな内容となっている。前作の"Sommer"はDeepChordの作品の中でも一際4つ打ちのリズムを強調したダンスアルバムだったが、その意味ではビートレスな流れが目立つ本作は対極的なアルバムと言えよう。最近はテクノやダブへの興味が薄れていてフィールドレコーディングにはまっているともRodは発言しているが、PCを使用せずにキーボードやループマシンにエフェクターなど簡素な構成で制作された本作は、確かにそれ程作り込まれた印象を受ける事もなく、常に変化し続けるフィールドレコーディングのように定型を成さずに浮遊感のあるサウンドが漂っている。シンプルな機材に依る制作の影響はライブ感のある有機的なムードとして表れており、全ての曲が切れ目なくミックスされている事もあってか、絶え間ない夢心地のアンビエンスを放出するのだ。金太郎飴的にミニマル・ダブを追い求め探求していたDeepChordには正直に言えば膨満感もあったが、ここにきてサウンドデザインへ拘りを見せた事で新たなる魅力を獲得した。本作はフロア向けではないものの、寝る前のBGMとして最高のアンビエント・ミュージックに成り得る。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/11/23 Future Terror 12th Anniversary @ Unit
12年に渡って千葉と言う場所だけに限って開催され続けていた、正に地元密着型の叩き上げパーティーがFuture Terrorだ。DJ Nobuを中心に音楽もメンバーも変化を遂げながら、しかし千葉と言うローカル性を守りながらファンを増やし続けてきた。今年の3月にも千葉でパーティーがあったものの、既にキャパオーバー状態であったのが実情で、12周年はそんな問題も考慮して遂に東京はUnitへの初進出となった。そんな12周年のゲストにはまだそれ程知名度は高くないのだろうが、DJ Nobuが惚れ込んだMetaspliceとVrilを招致している。当方もこの2アーティストについては情報を持ち合わせていないものの、有名無名に限らずDJ Nobuが惚れ込み自信を持って勧めるアーティストなのだから、期待せずにはいられない。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/11/8 root and branch presents "ubik" featuring Miles a.k.a. MLZ @ Unit
UKはマンチェスターのModern Loveは実験的なダブテクノにおいて高い評価得ており、Andy StottやDeepChordにClaro Intelectoなど注目すべきアーティストを抱えている。今回はそのレーベルから代表格であるDemdike Stareの片割れ・Miles a.k.a. MLZことを招き寄せているが、日本からもインダストリアルやダブ・ステップも咀嚼したハードなプレイを聴かせるKeihin、そしてノイズまみれの踊らせないライブが話題となっているRyo Murakamiも参戦と、モノクロームで退廃的な一夜が確定していたパーティーだ。
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| EVENT REPORT4 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Sommer (Soma Quality Recordings:SOMA CD099)
DeepChord - Sommer
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視界も眩む薄膜のノイズと過剰なリヴァーブによるミニマルダブを生み出し続けるUS屈指のBasic ChannelフォロワーであるRod ModellことDeepChordが、前作から一年経たずして早くも新作をリリースした。前作同様にUKの名門テクノレーベルのSOMAからのリリースと言う影響もあるのか、長尺なミニマルトラックを得意とするDeepchordにとっては意外にも感じられる5分前後のコンパクトな曲がアルバムを占めるようになった。今までにも用いていたフィールドレコーディングは本作でも利用していて、バルセロナやアムステルダムにベルリンと言った世界各地の環境音を霧靄のように張り巡らせているが、しかしミニマルダブと言うスタイルは引き継ぎつつも今までに聴けなかった明確なメロディーが浮かび上がり、意識的にDeepchordのイメージを塗り替えるが如くよりテクノ化したスタイルへと変貌を遂げている。不鮮明なノイズの中に姿をくらますアブストラクトな閉塞感は後退し、より肉体感を刺激する外交的なダンストラックの比重が増し、そこに麻薬的な精神作用が無くともビートで耳を惹きつけアンビエンス感溢れる幻惑のメロディーで魅了するテクノへと進化しているのだ。その意味では以前よりもDeepChordらしいやり過ぎな残響音のミニマルダブの個性は減っているが、ダンストラックとしてのバランスを考えると本作は優れたアルバムとなっている。

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| TECHNO9 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/8/3 HIROSHI WATANABE "Contact To The Spirits 2" RELEASE PARTY @ Air
ワタナベヒロシにとって特別な意味合いを持つまでになったMIXCD「Contact To The Spirits 2」のリリースパーティーが日本各地に渡って開催されましたが、その最終章は代官山はAIRにて開かれました。特にこの最終章ではMIXCDにも曲が起用されワタナベさんが気になっているアーティストを集め、デトロイトからはミニマル・ダブ狂のDeepchord presents Echospace、日本からはワタナベさんもプロデュースしたMingussにJun Yamabe exe MexicoやBirdcageが出演とリリースパーティーのラストを飾るに相応しいパーティーとなりました。
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| EVENT REPORT3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 2 (Octave Lab:OTLCD-1760)
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 2
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5年前にKaito名義でリリースした"Contact To The Spirits"(過去レビュー)はKaitoの魅力と、そしてKompaktとの共同プロジェクトとしてKompaktの魅力を世に伝える意味で特別であった。そして本作はそのタイトルの続編ではあるが名義は本名でとなり、Kompaktの制約も無くなるなど相違はあるが、やはり特別である事は曲目を見て気付くはずだ。一目見て気付くのは彼との繋がりもそれ程なさそうであったデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスが導入されている事で、リスナーからすれば少々意外な印象を受けるだろう。しかし本人から聞かせて頂いた話では元々NYでの活動時代からそれらを好んで聴いていた訳で、本人の中ではデトロイト・テクノと結び付く事はなにも意外な事ではないと伺った。となると今それらが表面化してきた事は、レーベルや名義での制約から解き放たれ自分自身の中に常に存在する音楽を、自然と手繰り寄せミックスした結果なのだろう。だからと言って本作がデトロイト系のミックスであるとも思わない。やはりここで聴けるのはワタナベヒロシと呼べる音であり、それは優しく包み込み包容力やそれに相反する沸き起こる力強さを伴うテクノ/ハウスである。これまで以上にリズム/グルーヴの変化の付け方は深みを増し、幻想的なトランス感を呼び起こす音から生々しい肉体感を感じさせる音まで広がりを聞かせながら、曲と曲とを多層的に被せる事で未知なる展開を生み出す事に成功している。また一瞬足りとも気の抜けない流れの中で、最後には日本人の曲が3曲並んでいる事は同じ日本人として喜ぶべきだろう。無理な展開は感じさせずにそれらは当たり前の様に自然とミックスされているが、そこにワタナベさんが日本のダンスミュージックの期待を一身に背負っている気概は伝わってくるだろう。彼にとってもう6枚目となるMIXCDであるのに、停滞とは全く無縁であるどころか明日へと前進を尚続けている。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DeepChord - Hash-Bar Loops (Soma Quality Recordings:SOMACD091)
DeepChord - Hash-Bar Loops
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タイトルが"大麻樹脂の反復"と言う極めてヤバいアルバムを制作したのは、アメリカからのBasic Channelフォロワー第一人者であるRod ModellことDeepChord。なんでもオランダのアムステルダム滞在中に、大麻バーにたむろう人々などが居る街の雑踏からインスパイアされて制作したとの事。しかしDeepChordはミニマルダブの境地に辿り着いた存在であり、同時にミニマルダブを金太郎飴的に制作しており、普段と作風も変わらずいつも通りの深くてスモーキーなミニマルダブを披露しております。と言うか全編に渡ってまるでBCの"Quadrant Dub"が繋ぎ目無くミックスされているようで、際限なく深みに嵌る70分は確かにヤバイ香りがぷんぷん。紫煙をくゆらしながら不鮮明な音の揺らぎに身も心も任せれば、もはやそこは現世から離脱した涅槃の境地。リヴァーブの聴いた奥深い音は広がりを感じさせつつも、過剰とも思える紫煙が精神的に完全に自己の内なる世界へと引き込む酩酊感の強い効果があり、きっとハッシュをキメているのと似たような感覚を引き起こすのでしょう。汚らしく荒れたざらつきのあるサウンドには、しかしそれは官能的ですらある甘美な酔いを感じさせ、ハッシュが無くともうっとりと耳を傾けて聴くのもまた一興であります。どう聴いてもBasic Channelにしか聴こえませんが、そんな突っ込みは野暮ってもんです。

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| TECHNO9 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DeepChord presents Echospace - Liumin (Modern Love:LOVE064)
DeepChord presents Echospace - Liumin
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目下Basic Channelフォロワーの極北を突き進むDeepChordことEchospaceの3年ぶりのアルバム。"流民"と題されたタイトルと関係あるのか、東京のざわめく雑踏をフィールドレコーディングした音も利用して作られたミニマルダブで、前作と似通いながらも踊れる要素が強くなっており1stアルバムを凌駕する出来です。1stでは過剰なまでのリヴァーブなどを駆使して霧靄の中に迷い込んでしまう程の不鮮明な世界を作り上げておりましたが、新作ではそう言った過剰なエフェクトの使用は控えて以前よりはくっきりとリズムが浮かび上がるミニマルダブになっておりました。曲によってはしっかりと重めの4つ打ちが入っていて、リヴァーブから生まれる揺らぎだけでなくグルーヴから生まれる揺らぎも感じられ、以前よりも肉体的な気持ち良さがはっきりと強くなっております。特に"BCN Dub"では土着的な上物も空間の奥底から響いてきて、ファンキーにさえ感じられるトライバルな音が鳴っていました。そして初回盤にはボーナスディスクが付いており、こちらはDisc1から大気の要素を抽出したと言う説明通りのノンビートなアンビエントになっております。まるで人込みに溢れた都会を一人彷徨うかの様なしんみりとした寂しさに満ちており、新宿や渋谷の空虚な夜の街に放り出された気分になります。躍動感のあるDisc1、静かに音の拡がるボーナスディスクと対称的な内容で聴き応え十分。

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| TECHNO8 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - Radio Rothko (theAgriculture:AG052)
Deadbeat - Radio Rothko
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Basic Channel好きなら是が非でも買いなさいと断言するミニマルダブミックスの決定打となる一枚が登場。これを手掛けるは昨今のミニマルダブシーンで確実な評価を得ているDeadbeat、そしてマスタリングにはPoleことStefan Betkeを迎えております。Deadbeat自身がライナーノーツでベーチャンの多大なる影響を延々と語っている事からも分る通り、本作はベーチャンとそのフォロワー達による楽曲がほぼ占めており、全編通して最高に気持ちの良い残響音を感じられるミニマルダブとなっております。一応展開を分けるなら序盤はテクノ、中盤はレゲエ、終盤はハウスと言う括りも出来る内容ですが、どこを切り取ってもエコーやディレイが絶え間なく響いていて脳味噌も融けてしまいそうな恍惚の沼が広がっております。幾層にも被さりながら地平線の彼方まで広がる残響音は、正にベーチャンから始まったミニマルダブの極み。内容的にはベタベタなミニマルダブで驚きも特には無いのですが、懐古的な選曲だけでなく近年湧き出てきたフォロワー達のトラックもしっかりと使用していて、ベーチャンの系譜が今でも継続している事を感じさせくれるのは嬉しい限り。ベーチャンが蒔いたミニマルダブの種は、続々と開花している様でもある。

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| TECHNO8 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Kaito - And That Was The Way (Kompakt:KOM 208)
Kaito - And That Was The Way
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もうすぐリリース予定のワタナベヒロシことKaitoのビートレスアルバムからの先行シングルカット。とは言ってもA面にはアルバム未収録の"And That Was The Way (Echospace Dub)"が収録。ミニマルダブの現在形であるEchospace(Deepchord)がリミックスを提供していて、Kaitoの音源を完全にEchospaceへと塗り替えていて流石な手腕。押しては引き返す波の様なダビーな音響がどこまでも続くシンプルなのに奥深いミニマルダブで、しっとり濡れた感も妙に艶を感じさせます。しかし僕が気に入ったのはB面に収録されているKaito自身によるビートレスな3曲。正直に言おう、初めて聴いた時、僕は泣きそうになった。それ程までに切なく、そして美しい世界が広がっている。単なるビートレスなアレンジなどはされていない。よりオーガニックで、そして清流が溢れる泉の様に優しさが満ち溢れている。以前クラブで会った時にワタナベさんが、本作はアコースティックな音色を強調したと言う話をしていたのだけれども、正にその通りの人間的な温度を感じさせる音色。アンビエントではない、単なるビートレスでもない。ワタナベさんの朗らかな人柄が表現されたソウルテクノだ。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2009/06/12 Luv & Dub vol.2 CHICAGO vs DETROIT @ KOARA と Todd Terje Japan Tour 2009 @ LIQUID LOFT
6月12日は幾つか気になるパーティーがあって迷っておりましたが、まずはシカゴォォォォVSデトロイトォォォォなるパーティーに向かう。渋谷にあるKOARAは初だったのですが、小さなバーと小さなフロアがあってなかなか良い雰囲気。音楽目当てじゃなくても飲みにくるだけでも全然使えそうなバーでした。久しぶりに会った友人と談笑を交わしつつも、バックではDeepchordっぽいのやPUBのアンビエントかつミニマルダブでトロトロと心地良い音楽から、Larry HeardやIan O'Brien関連、そしてデトロイトのムーディーなハウスまでジャストで快適な4つ打ちがかかり、デトロイトとシカゴのソウルに心を打たれる。朝までここに居たいな〜と言う気持ちが湧いてきて迷うものの、後ろ髪を引かれつつLIQUID LOFTへ移動。

LIQUID LOFTではTodd Terjeなるノルウェイのアーティストがゲストで、久しぶりに大勢の人で賑わうLOFTを体験。LOFTの奥には新しくレストランが出来ていて、落ち着いた感じでソファーやらテーブルを使用出来るようになっていたのでこれは良いんじゃないかな。お酒もそんなに高くないし適度な音量でDJのプレイが聴けるので、ラウンジとしても使い易そう。Todd Terjeを目的に行ったわりには、久しぶりに会った友人達と恋話とか恋話とかそんな話ばかりして音楽を聴くのは二の次になってしまったのが反省点。キラキラと輝くディスコティックでハッピーな感じだったかな、良い意味で派手だった気がする。ここら辺の音楽はストイックとは対称的なルーズ加減と、馬鹿になって楽しめる多幸感があるのだろう。たまにはこんなのも悪くないですね。

■Can You Jack? (Chicago Acid And Experimental House 1985-1995)(過去レビュー)
Can You Jack? (Chicago Acid And Experimental House 1985-1995)
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| EVENT REPORT2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Claro Intelecto - Metanarrative (Modern Love:Love038CD)
Claro Intelecto-Metanarrative
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マンチェスターのテクノレーベル・Modern Love、その響きからして素敵です。このレーベルが注目を浴びたのはDeepChordの"The Coldest Season"(過去レビュー)がリリースされた時だったと思いますが、その後に出たClaro Intelectoのアルバムもなかなかの良作です。いやまあ、最近まで全然知らなかったんだけどね。DeepChordと同じレーベルからリリースしているとは言え音楽性は全く同じと言う訳でもなくて、過剰なダブ空間は封印されダビーな音響は柔らかめにスパイス程度に使われております。むしろデトロイトの叙情性を前面に打ち出していて、うっとりとする幻想的なシンセがふわふわと漂う様な夢の世界が繰り広げられております。それとは対称的にリズムははっきりとしたミニマルが刻まれておりますが、緩やかにしなやかなそれはハウスのそれに近い感じ。確かにダンストラックではあるものの聴く事を強要しない自然な鳴り方と言うか、とても優しく人体に親和性の高い音って言うのでしょうかね。ジャケットの如くとても美しく気品のあるテクノです。またアンビエントとしても聴ける位の気持ち良さがあり、ホームリスニング向けにお勧めしたいと思います。

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| TECHNO6 | 00:10 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Intrusion - The Seduction Of Silence (echospace [detroit]:echospace 313-3)
Intrusion-The Seduction Of Silence
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デトロイトからのBasic Chennelフォロワーの最前線として定着した感もあるEchospace、またはDeepChordですが、そのEchospaceのメンバーの一人であるStephen Hitchellのソロ作品がIntrusion名義で登場。変名が多過ぎて何が何だか分かりませんが、頑張って着いて行きましょう。しかしぶっちゃけ限定商法やらどの作品も余りにも似通っている事もあって、最近は飽食気味で本作も買おうか迷ってたんだけど、意外にも買っておいて良かった。もしかしたら今までの作品の中で最もアンビエンス度が高くて、曲毎にヴァリエーションも感じられるし、浮遊感あふれる音響空間は素直に気持ち良いですね。ヴィンテージマニアらしくアナログ機材を中心とした柔らかいアナログシンセのディレイやリヴァーヴは、押しては返す波の様に幾度となく繰り返されいつの間にか夢幻の空間へ飛ばされてしまう音響の如く。またレゲエっぽい生温くて湿っぽい音が人肌の様で、妙に耳に優しく入り込んで来て体の中を満たしてくれたり。ミニマルダブではあるけれど、やはり本作はアンビエンスとして聴くのが最適と思えます。ただひたすら緻密で美しいアンビエントミニマルダブの極北。

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| TECHNO6 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rod Modell - Plays Michael Mantra (Silentes:200720)
Rod Modell-Plays Michael Mantra
昨日に続いて今日もRod Modell(=Deepchord、Echospace)の作品ですが、本作はMichael Mantraの"A/B"と言う作品をカヴァーした内容との事。Michael Mantraと言うアーティストも知らないし"A/B"は尚更なので、オリジナルとの比較が出来ないのが残念ですが、カヴァー自体は心地良いアンビエントトラックです。一曲30分がニ曲で合計60分の超大作ですが、それ程長さを感じさせないどころかむしろいつまでも鳴り続けて欲しいとさえ思える微睡みの世界が広がっています。本作では過剰なリヴァーヴは控えめでむしろ肉体を優しく包み込む様な柔らかい残響音が特徴で、また電車の走る効果音などが挿入されているせいか、広大な何処でもない空間で独りで居る錯覚を覚えます。大きな展開が無く柔軟なキックの4つ打ちが永遠に続くアンビエントでありながらミニマルでもあり、だからこそ快楽の持続が出来ていて就寝用のBGMとして非常に最適です。ヘッドホンで聴くと最大の音響効果を感じられるとライナーには記載がありますので、是非とも一度ヘッドホンで聴いて欲しいと思います。

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| TECHNO6 | 13:40 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Rod Modell - Incense & Black Light (Plop:PLOP3)
Rod Modell-Incense & Black Light
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Deepchord、Echospace名義でヒットトラックを量産し続けているRod Modellのソロ作。ジャケット写真は夜中の新宿駅ガード下であろうか、「都会の闇の覚醒した旅」をコンセプトにした夢幻の時間を感じさせるサウンドトラック的アルバム。相変わらずコンピューターを使わずにヴィンテージなアナログ機器でノイズ混じりの過剰なリヴァーブを生み出しておりますが、彼が今までに聴かせてきた音源に比べるとインダストリーで廃退的な印象を受けます。一見反映している様にも見える東京と言う一大メトロポリスですが、人々の心は疲れきっている。本作でのモノトーンな音は空虚に満ちた都会的な空気を映し出しているのかもしれませんが、しかしながら同時に幻惑的に救いや希望も感じられてまるでレクイエムかでもある様です。とまあ勝手なイメージを妄想しましたが、ストーリー仕立てのせいかなかなかバラエティーに富んでいて、彼がリリースした他のアルバムに比べるとバリエーションがあって楽しく聴けるんじゃないでしょうか。いやね、だって他の作品はバージョン違いとかばっかりだったから、アルバム通して聴くと飽きやすいのは否めなかったですからね。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Convextion - Convextion (Down Low Music:dLVEXTCD)
Convextion
近年Echospace、またはDeepChordと一緒に名を見かける事が多いGerard HansonことConvextion。デトロイトテクノやBasic Channelに強く影響を受けたと言うその音楽性は、確かにEchospaceらと共通する点があってダビーな音響を含みながらも叙情性も感じさせる音楽性が特徴です。本作は2006年に2枚組みのLPとしてリリースされていたのですが、2008年になってようやくCD化されました。内容はなんと1996年から2006年までに制作されたトラックを集めたそうですが、10年かかってアルバム1枚とはどんだけスローペースなんですか。この様なアーティストって普段どうやって生活しているのか気になります。それはさておきトラック自体は文句の付け様の無いミニマルダブテクノで、EchospaceやBasic Channel好きなら聴いておいて損はないと思います。激しい曲は無いのでじっくりと耳を澄ませてその耽美な音色を味わう聴き方が効果的と思われますが、空間の拡がりを感じさせる音響はフロアで聴いても気持ち良いでしょうね。とは言っても革新性は無いし流石にこの手の音がプチバブル状態なので、もっと本家を追い越して行く様な流れが必要だとも思います。勿論それは難しい事だとは思いますが、Basic Channelの後光に頼ってるだけではいかんかなと。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Starlight (echospace [detroit]:echospace313-2)
Model 500-Starlight
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昨年にLPのみで限定リリースされていたModel 500の"Starlight"リミックス集が、ようやくCDでリリース。CDも500枚限定らしいですが、マジなんでしょうか?リミキサーにはDeepchord、Echospace、Intrusionなどの名で活動しているRod ModellとStephen Hitchell、あとはデトロイトで活動しているSean Deason、Convextion、Mike Huckaby。原曲はBasic ChannelのMoritz von Oswaldがエンジニアとして参加しているせいか、デトロイトテクノと言うよりはディープなミニマルでModel 500にしては珍しい作風です。そんな曲を各アーティストがリミックスしているのですが、ものの見事に大半はベーチャンまんまな過剰なリヴァーブの効いたミニマルダブを展開しております。一つ一つの曲で評価するならば文句無しに格好良いんだけれど、さすがに一曲のバージョン違いを延々と聴かされるのはなかなかしんどいです。Sean Deasonだけはシャッフルしたリズムを使ってデトロイトテクノに仕上げているので、口直しに丁度良かったですね。まあしかしQuadrant Dubみたいな曲の連続だわな、艶っぽくてエロい。

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| TECHNO6 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Quantec - Unusual Signals (Echocord:echocordcd03)
Quantec-Unusual Signals
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最近はBasic ChannelのMoritz Von Oswaldも本格的に活動を再開しておりますが、そのベーチャンフォロワーもデトロイトのDeepchordなど目を見張る物があります。そして今度はデンマークのコペンハーゲンからSven SchienhammerことQuantecが登場。ベーチャンフォロワーなんでDeepchordと同じく特に説明も要らない音楽性ですが、Deepchordが過剰なエフェクトで奥深い空間を演出するのに対し、Quantecは引き算の美学に向かった作品と言えるかと思います。音数は隙間が生かされる様に削ぎ落とされて、残った音には適度なディレイやエコー処理を施し、それが丁度良い残響音を感じられる空間を生み出しているのです。やり過ぎではないから耳も疲れないし、またその適度な残響音には気品漂う大人の色気さえ漂ってくる様な、そんな一歩上を進むハイソなミニマルダブではないでしょうか。静かな佇まいの中、音の揺らぎ、ディレイ、エコーをじっくりと感じられる高品質な音響空間が広がっていきます。本作は最近の大推薦盤です。

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| TECHNO6 | 19:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
DeepChord - Vantage Isle Sessions (echospace [detroit]:echospace313-1)
DeepChord-Vantage Isle Sessions
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もはやBasic Channelのフォロワー以上でも以下でもないので、とかく説明の必要の無いDeepChord=Echospace。Rod ModellとStephen Hitchellらのタッグは、Basic Channelが築き上げたミニマルダブの純度をそのまま高め今に継承しているのですが、限定ヴァイナルの販売方法が多いせいかなかなか音源が手に入れ辛いのが難でした。本作も元々は限定EP2枚組みの形で販売されていたものの、ようやくCD派にも入手の機会が回ってきて嬉しい限りであります。しかしこのリリースの前にもプロモのみとの触れ込みでCDが少数販売されていたのですが、こうやって公式でリリースされたりするのはプロモを買った人に失礼ではないかと…。まあそれはさておき本作は2002年のDetroit Electronic Music Festivalで披露されたライブ音源を元に、解体・再構築した音源だそうで全曲同じ曲のバージョン違いって事らしい。うん、どの曲も似たり寄ったりと言うか全編ディレイ・エコーを多用しまくったミニマルダブだわ。芸が無いと言えばそうだし、ある意味ここまで首尾一貫していると逆に何も言えなくなります。アナログのざらついた音が気持ち良い。波の様に繰り返されるエコーが気持ち良い。ただそれだけで、他は何も要らない。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2007
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年は特に年末年始は予定が無いので、今日はDynamite!!でも見ながら酒を飲みつつ年を越そうと思います。ちなみにロシアン皇帝VSチェ・ホンマンなんて、でくの坊のチェに勝ち目なんてねーだろ。何て言いながらチェが勝ったらどうしよう…。そう言えば今年は長年お世話になってきたシスコがクローズしたり、クラブ営業への圧力が一層高まったり、クラブミュージックがどんどんと良くない状況になっているのを感じました。元々一般人には馴染みのない世界、音楽なのに更に追いつめられてどうしようもない状況ですな。まぁ中には一般受けにヒットしてるアーティストもいるので、今後はよりアンダーグラウンドとオーバーグラウンドで境が出来ていくのでしょうか。とにかく真夜中のクラブ営業だけは、法を改善して問題を無くして欲しいですね。何で24時間営業の居酒屋で飲むのは合法で、クラブで夜中に踊るのは違法なんでしょうね?意味の無い法律は必要ありません。

無駄口が続きましたが、これから2007年のマイベスト作品を紹介致します。でも昨日掲載した売上ベストに出ている作品は敢えて外してあります。それらの作品でも自分の年間ベストに入っている物はありますが、折角なので今日はそれ以外を紹介したいと思います。ベタなチョイスではありますが参考にして頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 17:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Deepchord Presents Echospace - The Coldest Season (Modern Love:Love033)
Deepchord Presents Echospace-The Coldest Season
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テクノ、いやエレクトロニックミュージックの枠組みの中で最もその影響を深く残したとも言えるBasic Channel。彼らのミニマルかつアブストラクトな作風は彼らがテクノから離れた後もシーンに色濃く影響を残し、ベーチャンに追い付き追い越せと竹の子の様に追随が出て来ています。そして2007年、最もベーチャンの音を引き継いでいるのがデトロイトのRod ModellとシカゴのStephen Hitchellから成るユニット・Echospace。もはや革新性も目新しさも全くないけれど、ヴィンテージなアナログ機材だけに因って作られたサウンドはテクノ界の至宝品。リヴァーブやディレイなどのエフェクトに因り柔らかく深々と押し寄せるエコーは霧靄の中から幻想的な空間を生み出し、空間の中をふわふわと音が浮遊する環境の中でいつしか閉鎖された密閉空間の中に閉じこめられた感覚に陥ります。またベーチャンに比べると幾分かアンビエンス的な要素もあり、そこまでストイックでは無いので心地良く聴ける安心感もあります。クラブで大音量で聴けば覚醒して踊れるだろうし、家で聴くならば精神安定剤として作用する非常に便利で優れたテクノでしょう。何も説明を受けずに本作を聴いたならば誰もがベーチャンの新譜と勘違いする程似通った作風ではありますが、それを抜かせば絶賛する事しか出来ない大傑作なのは間違いなし。ベーチャン本家がテクノに戻ってこなくても、今はEchospaceがいる!2007年最強のミニマルダブテクノ。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |