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Welcome To Paradise Vol. III (Italian Dream House 90-94) (Safe Trip:ST 003-3 LP)
Welcome To Paradise Vol. III (Italian Dream House 90-94)
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オランダの気鋭・Young Marcoは自身で主宰するSafe Tripからは様々なアーティストによるヴィンテージ感溢れるシンセが特徴なディスコやエレクトロを送り出す一方、Gigi MasinやJonny Nashと組んだスペシャル・プロジェクトのGaussian Curveにおいては遥かなる田園地帯を想起させるバレアリック性を発揮し、そしてMarcoの音楽性はそれだけではなくイタロ・ハウス/ディスコをこよなく愛する面もある。その意味では本作は彼が生み出した音楽ではないがセレクターとしての才能が発揮されてイタロを愛するパーソナル性が如実に発揮されたコンピレーションと断言出来る、それこそタイトルからしてこれ以上は無い位に適切な「楽園へようこそ(イタリアの夢のようなハウス)」という編集盤だ。2017年にはアナログで『Welcome To Paradise (Italian Dream House 89-93) 』(過去レビュー)がPart1とPart2で分けてリリースされており、このPart3でシリーズとしてはどうやら完結するようだが、80年代後半から90年代前半の短い期間に盛り上がったイタロ・ハウス名作を咀嚼するのにこの3枚の編集盤は間違いなく役に立つだろう。本作でも煌めくような美しい響き、ロマンティックで官能的な世界観、そして爽やかなバレアリック感が広がるイタロ・ハウスが満載で、例えばOptikによる"Illusion"は甘く清涼なシンセコードに大らかなベースラインと4つ打ちキックが安定したグルーヴを作るシンプルな作風だが、無駄な装飾をせずに明瞭なメロディーで楽園志向な世界観を生み出す作風はイタロ・ハウスのテンプレートでもある。Leo Anibaldiの"Universal"なんかは808 Statesの"Pacific"まんまだろというツッコミも入りそうだが、海辺の自然音らしきものを用いつつ透明感のあるシンセが伸びる爽快なハウスはこれぞバレアリックを体現している。4つ打ちだけでなくダウンテンポによって切なさが強調された"Deep Blue (The Inner Part Of Me)"は、イタロ・ハウスの特徴でもある情緒的なピアノのコードに色っぽい女性の声や鳥の囀りのサンプルも用いて、ぐっと感傷的な気分に浸らせる。アルバムのラストは名曲中の名曲、近年再発もされたDon Carlosによる"Ouverture"で、抜けの良いアフロなパーカッションが走りながら線が細くも優美なストリングスと煌めくピアノがクリスタルのような輝きを生み出す至福のバレアリック/ハウスで、ここが楽園でなければ一体何処なのかと思わせる程の多幸感だ。90年初頭の古き良き時代感満載な音楽は流石に時代感が強いもののどれもハッピーな雰囲気に満たされており素晴らしいが、また本作を纏めるにあたり未発表音源だった"Resounding Seashell"と"Dance To The House (Unreleased Edit)"が発掘されて収録されるなど、秘蔵音源的な意味合いでもこのコンピレーションの価値は高い。『Welcome To Paradise』というタイトルに嘘偽り無しの最高なコンピレーションだ。



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| HOUSE14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hunee - Hunchin' All Night (Rush Hour Recordings:RHMC 001)
Hunee - Hunchin All Night
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ダンス・ミュージックの業界に於いてレコード屋としてレーベルとして、そしてディストリビューションも行うRush Hour Recordingsの功績は非常に大きいが、特にタイムレスな作品のリイシューやそういった作品のコンパイルという点でもそのレーベル性は信頼に足るものだ。そのレーベルの2018年の話題作と言えば現在のレーベルを代表するアーティストの一人、Huneeがコンパイルを手掛けた本作で、主に8〜90年代に生まれたテクノやディープ・ハウスにディスコ、ファンクやアフロ等が選曲されている。ご存知の通りこのダンス・ミュージックの界隈では例えば普段DJがプレイするジャンルではなく、例えば影響を受けたルーツ系を纏めたコンピレーションも少なくはないが、ここではジャンルに幅はあっても基本的にはダンス・フロアに即している点で好感が持てる。そして本作で特に普段ダンス・ミュージックを聞く者にとって自然なのは、Ron Trentがリミックスを行った"Ritual Of Love (Ron's Vocal Beat Down Mix)"と、Larry Heardによる"Burning 4 You"だろう。どちらも希少性が高い事を抜きにしても曲そのものの魅力は当然格別で、Ronらしいダビーな残響を用いながら甘い呟きのボーカルの反復に陶酔させられる前者、ソウルフルな女性ボーカルに透明感のあるパッドや耽美なピアノを被せて仄かな情緒を生む無駄の無いシンプルな後者、どちらもディープ・ハウスが何たるかを証明するような作品だ。Don Lakaによる"Stages Of Love"は1986年の作品、甲高い女性ボーカルとアタック感の強いドラムが印象的なシンセ・ポップ/ファンクといった趣きで、現在のパーティーの朝方でかかっても全く違和感はないしんみり感情的なダンス・トラックだ。Villa Aboの1997年作"Made On Coffee & Wine"は今で言うロウ・ハウス/テクノ的なチージーで粗い音質が印象的で、適度にアシッド・ベースも鈍くうねってDJツール的な風合いが強い。1990年にアルバムを一枚残しただけのMappa Mundiによる"Trance Fusion"は、そのタイトル通りにサイケデリックな酩酊感のあるアンビエント・ハウス寄りな曲で、そのレイヴの空気感を含んだ快楽的な曲調はその時代感がありながらも今でも違和感の無いタイムレスな性質もある。それら以外の曲は対してエキゾチックなりアフロなりの要素が強く現れており、例えばCarlos Maria Trindade & Nuno Canavarroによる"Blu Terra"はタブラ等のパーカッションやパンパイプ等の民族楽器らの有機的な響きを用いてミニマリズムも取り入れたような実験的な曲で、キックは入っていないものの人力トランスのような高揚感もある。セネガルの口承音楽であるタスも収録されており、そのパフォーマーであるAby Ngana Diopによる"Liital (Michael Ozone's Liital Rhythm)"は、土着的で切れのあるパーカッションやリズムに乗せてラップというか喋りみたいな歌を被せた曲で、何か原始的なエネルギーが体を衝き動かすようだ。収録された曲群は国もジャンルもそれぞれ異なっていて一見コンピレーションとしての体裁を成してないようにも思われるかもしれないが、通して聞いてみれば決してそんな事はなく、例えばDJが長い持ち時間の中で音楽の変遷を見せるのをここでは一時間に圧縮したような雰囲気もあり、特にその中でも印象的な曲を抽出したようにも思われる。それは何度でも聞いていられる、クラシカルな佇まいも。



Check Hunee

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| HOUSE13 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Balearic Gabba Sound System - What You Really Need EP (Hell Yeah Recordings:HYR7133)
Balearic Gabba Soundsystem - What You Really Need EP
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今年1月に初来日を果たしたEnzo Elia。イタリアから「Balearic Gabba Edits」なるシリーズで過去の名作をバレアリック化した作品は、ニュー・ディスコやハウス方面でも御用達となり若手ながらも注目を集めている。本作はBalearic Gabba Sound System名義での作品となるが、中身はEnzoによるエディット作品という点で今までのシリーズの延長線上にあるものだ。しかし内容については今までの中でも格別で、イタリアのアーティストらしくイタロ・ハウスのクラシックに手を付けるなど、懐かしさと新鮮さが同居する素晴らしいエディット作品だ。A面にはSoft House Companyが1990年に放った"What You Need"のエディットが収録されているが、原曲を2倍以上の11分へと引き伸ばした事で先ずはDJとして使い易いように手が加えられている。また元々は今となっては野暮ったいハウスのリズム感だったが、ここでは細かく刻んだようなアレンジも施して今っぽいニュー・ディスコへと生まれ変わらせ、燦々とした太陽が降り注ぐようなトロピカルなピアノのコード感もより活きた開放感のあるエディットへと生まれ変わった。B面にも同じくイタロ・ハウスでは定番ともいえるDon Carlosによる"Ouverture"と"Chicago"のエディットが収録されているが、前者はアマゾンの中に居るような鳥の鳴き声もサンプリングされよりトロピカル感を増した透明感のあるディスコへと、そして後者はセクシーな女性の喘ぎ声をサンプリングしつつキックを抜いた事でよりリラックスしたリゾート感溢れるトラックへとアップデートされ、正にバレアリックなエディットを披露している。オリジナルからして既に名作といえるものだったが、その雰囲気を壊さずにモダンなバレアリックな要素を加えた本作が悪いわけがない。



Check "Enzo Elia"
| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Don Carlos - The Cool Deep (Irma:IRMA676)
Don Carlos - The Cool Deep
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寒くなってきたこの時期に紹介するのも申し訳ない位(リリースは半年前ですし)に、Don CarlosのCoolでDeepなハウスアルバム。リリース元は良質なクラブジャズをリリースする事から始まったイタリアのイルマから。このレーベルの底の深さは派生したレーベルの多さからも分かる通りで、チルアウトやラウンジ系、ヒップホップやファンク、ハウスやテクノ、ドラムンベースまでと拡張してきました。このアルバムも基本はハウスでありながらブラジリアンミュージックの陽気なノリや、フュージョンらしい抑揚のある旋律、そして都会的で洗練されたクールな空気を纏って清涼感のある音が拡がって行きます。爽やかなアルバムジャケットの様に透明感がありどこを切っても全く毒の無い清純なサウンドは、クラブミュージックと言う枠を越えたポップなアルバムと言えるでしょう。勿論力強いハウスのグルーヴが下地にあるので、躍動感溢れるダンスミュージックとしての聴き応えも十分。数カ月前ならばシトラスの様に爽やかで、夏のけだるさをすっきりと取り除くカンフル剤として機能したはず。

試聴

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Massage Nonmix By Kaoru Inoue (LD&K Records:LOCD-50056)
Massage Nonmix By Kaoru Inoue
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なんでもカルチャー雑誌「MASSAGE」が企画し、本物以上カルト未満なダンス・ミュージックをリビングで聴くと言うコンセプトの元リリースされたのが本作。コンパイラに選ばれたのは、日本が誇るクロスオーヴァーかつ楽天的な音楽家・井上薫。まあこの人の選曲ならば間違い無しのは確定だけど、その上サブタイトルは"Balearic In The House"なんて付けられているのだから、もう開放的で心地良いハウスが詰まっているのは言うまでもない。勿論ここに詰まっているのはハウスで踊れるトラックばかりなのだが、明らかにクラブでの喧騒とは異なる感覚があり、汗臭さが全くないのはやはり家でくつろいで聴く事を前提としているからなのでしょう。緩く紡がれるグルーヴは決して激情を呼び起こすのではなく、沈静と安堵をもたらし非日常的な一時間のトリップであるかの様です。井上薫の音楽は普段から非日本的、ワールドワイドな音楽性を感じさせるけれど、ここでも同じ様な感覚、まるで飛行機に乗って世界中を飛び回っている様な色々な景色を見せてくれるんですね。手放しに絶賛出来るほど素晴らしい最上級のリラクシングミュージック。

Check "Kaoru Inoue"

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| HOUSE4 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yukihiro Fukutomi - Equality Remixes (File Records:FRCD-147)
Yukihiro Fukutomi-Equality Remixes
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2004年作の福富幸宏の「Equality」はハウスに収まらないジャズやラテンも取り入れた気持ちの良いダンスミュージックアルバムでしたが、昨年そのアルバムをリミックスしたアルバムが出ていました。参加アーティストは、砂原良徳、Jazztronik、Mark de clive-lowe、Breakthrough、Dimitri From Paris、Don Carlos、Blackbeard、そして福富自身。まあ僕の知っているアーティストなんて砂原とJazztronik、Dimitriくらいなもんですが、オリジナルアルバム以上にバラエティーに富んだダンスミュージックになっていると思います。砂原担当のM1はエレクトロニック色を強めながらも、ラウンジで聴けるようなモダンなハウスでやっぱり上手いなぁの一言。Dimitri担当のM6は、ボッサ風に少々古臭い感じに仕上げて軽く爽やかになれますね。Don CarlosのM7はセオリー通りのハウスなんですが、スウィートにそしてしっとりとした出来で心地良いですね。でも何と言っても福富自身のM4が最高!ビートレスでアンビエント風に作り直していますが、こりゃ朝方のアフターアワーズで聴けたら最高ですわ!体から疲れが引いていき今にも天に昇ってしまいそうな高揚感があります。福富がこんなリミックスするなんて意外だけど、是非ともこの曲調でアルバムを一枚作って欲しいですね。全体的に家でBGMとしてかけると最適なアルバムかなと思います。

Check "Yukihiro Fukutomi"

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Kentaro Iwaki a.k.a. Dub Archanoid Trim - Italo Old - Old School Cuts Of House Music Scene In Italy 1990-1995 (King Record:KICP5034)
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岩城ケンタロウ特集第三弾。Dub Archanoid Trimこと岩城ケンタロウはStylusと言うレコードショップのバイヤーにしてDJ・アーティストであり、井上薫と共にレジデントを務める「Floatribe」などでも活躍し、既にクラブミュージックに感心の深い人には知れ渡っているアーティストであります。連日彼のMIXCDの紹介をしてきましたが、今回もまたMIXCDの紹介です。これまたIrma音源を使ったMIXなのですが、「Dubmosphere Mix」とは打って変わってもろにイタロディスコ的なMIXになっています。やっぱりディスコって言うとデケデケベースラインとか、どこかポジティブで楽観的な明るさがあり聴いてるだけで単純に気持ち良くなれますね。と言っても岩城節であるダビーで深い世界観も失う事なく、オプティミスティックな開放感あふれる世界観を演出しています。早過ぎもなく緩すぎも無い一番心地良いテンポの4つ打ちを刻み、徹底的にトラックのキャッチーな部分を使用し快楽を持続させるのそのプレイは、彼のMIXCDの中でも一番単純に気持ち良い物かもしれません。3枚もMIXCDを出していてこれ程までに各MIXCDごとに特色を出し、またクオリティーを高く保つなんて素晴らしいの一言。確実にこれからのシーンを背負っていける人であると思います。

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| HOUSE2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |