Mood II Swing - Strictly Mood II Swing (Strictly Rhythm:SRNYC022CD)
Mood II Swing - Strictly Mood II Swing
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90年代のNYハウスは正に黄金時代、兎にも角にも雨後のタケノコようにハウス・ミュージックが量産され、そしてそれらは今も尚燦然と輝くクラシックとして現代へと語り継がれている。多くのアーティストが生まれ、育ち、一時代を築き上げたが、そんな時代の空気を目一杯吸い込んだ作品が、Mood II Swingによる3枚組コンピレーションの本作だ。Lem SpringsteenとJohn Ciafoneの二人組によるユニットは、Nervous RecordsやKing Street SoundsにCutting Traxx等のハウスの名門レーベルから作品をリリースし、またその手腕が買われハウスのみならずR&Bやポップ方面からもリミキサーとして起用され、そのアーティストとしての音楽性は評価も名高い。つまりは彼等は完全なるプロダクション・チームであり、NYハウスと呼ばれる音楽の立役者の一人(いや、二人か)と呼んでもよい存在だ。作風自体が何か特徴があるかと考えるとそうでもなく、スムースーなハウスの4つ打ちの上に丁寧なコード展開やメロディーを載せて、実直に温かくソウルフルな雰囲気に染めるシンプルかつ丁寧な、つまりは非常にクラシカルなスタイルを貫いている。だからこそ、今になってこの様にコンピレーションが企画されても、時代に影響を受けない音楽性がある事でハウスの素晴らしさを伝える事が出来るのではないか。冒頭の"Do It Your Way"からして滑らかなハウス・グルーヴと控え目に耽美なリフを軸に囁くようなボーカルを用いたベーシックを守るハウスであり、決して派手さを強調する事はない。続く"Living In Ecstasy (Mood II Swing NY Mix)"はもっとソウルフルなボーカルが前面に出て、飛び跳ねるような軽快な4つ打ちと綺麗目のメロディーが伸びる心がウキウキとするハウスで、もうこの時点でハウスの魅力が全開だ。更に数々のMIXCDに使われるハウスのクラシックである"Closer (King Street Moody Club Mix)"は、このシャウトするような熱量の高いボーカルに情熱的に展開されるコードや生っぽさも残したラフなビートも相まって、体の芯から熱くするようなソウルフルな感情が爆発する。オリジナルの素晴らしさは当然として、ハウスへと系統していた時代のEBTGやトランシーなBTの曲等を見事にアンダーグラウンドなハウスへと生まれ変わらせたリミックスも収録しており、それらもMood II Swingらしい人間味と温度感のあるハウスなのだから、リミックスと言えでも彼等の音楽性が十分に反映されたものとして見做してよいだろう。全33曲で4時間20分のお腹いっぱいなボリュームでオリジナルとは別にダブバージョンでも収録されている曲があり、もう少し曲を絞った方がより質を高めつつ聴きやすくなるのではと思う点もあるが、Mood II Swingの魅力を伝える観点からは問題はないだろう。ハウス・ミュージックの入門としても適切な作品だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Tracey Thorn - Night Time EP (Strange Feeling:012FEEL)
Tracey Thorn - Night Time EP
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待ちに待っていた邂逅とはこの事か、公私共にパートナを組んでいるEverything But The GirlのTracey ThornとBen Wattが10年ぶりに音楽制作を共にした作品がリリースされました。残念ながら二人による完全な新作とはいきませんでしたが、ロンドンのポップスバンド・The XXの"Night Time"をカヴァーしたこの作品は、ダンスミュージックに傾倒する以前のEBTGらしいメランコリーが存分に発揮されています。プロデュースには近年Traceyの作品を手掛け続けているEwan Pearsonが迎えられ、そしてBenはギターとバックボーカルを担当と万全の体制。アコギーの郷愁成分をたっぷり含んだメロウな旋律が冴え渡り、そしてEwanの程良く刺激のあるリズム感が生きるアコースティックとエレクトリックが融和したEBTGとも言える内容で、昔からのファンも間違いなく納得するであろうカヴァーです。そして他2曲はアルバム"Love And Its Opposite"(過去レビュー)から、"Swimming"のCharles WebsterとVisionquestのリミックスが収録されています。甘美なディープハウスを作らせたら間違いないCharlesのリミックスは、やはり切なくも甘い湿り気の強いメロウなハウスなんですが、行き過ぎずに一歩手前で寸止めするような抑制もあり大人な雰囲気。対してVisionquestのリミックスは更にEwan Pearsonがエディットを施しており、優雅に煌びやかな舞踏会のパーティーらしい佇まいと程良くポップなセンスが感じられるEwanらしい作品でこちらも素敵です。EPとは言えどもかなりの力作で、EBTG復活を期待せずにはいられないですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tracey Thorn - Love And Its Opposite (Strange Feeling:CD005FEEL)
Tracey Thorn - Love And Its Opposite
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Everything But The Girlのヴォーカリスト・Tracey Thornの3年ぶりのアルバム。前作同様、プロデュースはクラブミュージック系のアーティスト・Ewan Pearsonが手掛けております。が、前作のエレクトロニックポップな路線は受け継がずに初期の"A Distant Shore"(過去レビュー)にも近いアコースティック路線へと回帰しておりました。個人的にはこの変化は嬉しい限りで、ピアノやギターを中心としたシンプルな歌物中心なおかげでアンニュイなTraceyの声も際立ち、リラックスした朗らかな空気に溢れたアルバムとなっております。全体的なトーンはしっとりしながらも内向的な訳ではなく、母性に満ちたTraceyの声が優しく染み渡り清々しささえ感じられますね。しかし初期のアコギ一本で歌っていた頃から20年が経ちTraceyも大人になった分、剥き出しのささくれ立つ感傷じみた印象があったTraceyも、今では余裕さえ感じさせる落ち着きがあり円熟味も感じられます。カフェでお茶でも飲みながら、ほっと一息つきながら聴きたい一枚。

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| ETC3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Everything But The Girl - Eden (Blanco Y Negro:2292-40395-2)
Everything But The Girl-Eden
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イービーティージーなんて日本語表記されちゃったEBTGも、かつては今とは全く音の異なるネオアコ方面で注目を浴びていたユニットでした。自分はドラムンベース化してからのEBTGばかりを聴いていたのですが、ちょっとアコースティックで優しい音を聴きたくなったので初期アルバムも一通り購入してみたのです。そうしたら本当に思っていた通りのネオアコサウンドが出てきて、期待に願ったり叶ったり。この頃はエレクトロニクスなんて全く使用されておらず、ギター、ベース、ドラムにピアノなどのキーボード系、そしてホーンなどの管楽器による本当に生演奏ばかりで、ルーズなんだけど温かみのある音が心地良く耳に入ってくるのですね。まだまだ完成度と言う意味では100%ではないけれど、未完成ながらもがむしゃらな情熱や甘酸っぱさの滲み出る若さが感じられて何だか微笑ましくなります。またどの曲も3分以下でコンパクトにまとまっていて無駄が無く、そのライトな感覚が疲れている時に聴いても丁度良いのですわ。しかしよくよく聴いているとクラブミュージックに転向してからのEBTGとこの当時のEBTGは、音的にはジャンルは異なれど根底にある郷愁は全く変わってないですね。そう考えると上手に時代に乗ったユニットだったのかな。

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| ETC2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Ben Watt & Ivan Gough - In The Mix 2006 (inthemix.com.au:ITMCD002)
Ben Watt & Ivan Gough-In The Mix 2006
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最近めっきり作曲家としての活動を行わずDJに没頭しているEverything But The GirlのBen Wattと、オーストラリアのハウスDJ・Ivan Goughによる2枚組MIXCD。前者はかなり有名なんで知っていますが、後者は誰って感じ?Benさんに関しては毎年自身のレーベル"Buzzin' Fly "のコンピレーションMIXCDをリリースしているので、MIXCD自体に特に新鮮味を感じなくなってきました。音も現在のシーンに沿ったミニマル、エレクトロハウスなどの恍惚感を重視した選曲で、レーベル初期のカラーであるディープハウスの面影は余りないですね。流行を掴むのが上手いと言うべきか尻軽なのかは置いといて、すっかりクラブでのトランス感覚を意識したプレイはもうBenさんがDJ業にも慣れたと言う事なんでしょう。対して初耳のIvanの方はヒット曲も織り交ぜたテクノ、ハウスを横断する選曲。Benの方に比べると癖があり上げ下げが大きく派手目で、自分にはそこまでツボに来ない。ややエレクトロハウス色が強く流行のど真ん中を行っていますが、流行の中では没個性的で何かもう一つ欲しい所ですね。

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| HOUSE3 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Buzzin' Fly Volume 4 Selected And Mixed By Ben Watt (Buzzin' Fly Records:CD004BUZZ)
Buzzin' Fly Volume 4 Selected And Mixed By Ben Watt
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Everything But The Girlはそっちのけで自身のBuzzin' Fly Recordsの運営に力を入れているBen Wattですが、恒例となったレーベルサンプラーMIXCDがリリースされました。もうこのシリーズも4作目なのでそろそろ飽きてきたかなーと思っていましたが、意外にもシリーズの中で一番テッキーかつプログレッシヴで出来が良いかなと思えます。初期の頃はUS産のディープハウスを意識したムーディーで黒光りする面も見受けられたのですが、もう今では完全にヨーロッパの洗練された美意識を持ったテックハウス、またはBorder Communityに影響を受けたサイケデリックな感覚も微妙に表れていて、EBTG時代から変わらずに流行の音を掴むのが上手いなと思わせられます。悪く言えばただ流行に乗っているだけと言えるかもしれませんが、そんな安易な方法ではなく土台にしっかりしたメランコリーを持っていて作風がディープだろうとプログレッシヴだろうと、心を掴んで離さない魅力を持ち合わせています。そんな儚いトラックをじっくりと長い時間をかけてミックスしていくBenさんのプレイは、曲の良さを十二分に理解している正に職人技であってジワジワと高揚感が頂点に登り詰めて行きます。この美的感覚と高揚感は今年のハウスMIXCDの中では今の所、最上級に位置すると断言出来ますよ。注目としてはBorder Communityにも似たAbyss、そしてハイテックなManoo and Francois A、メランコリーなJustin Martin辺りの曲が素晴らしいです。大半の曲が未発表曲と言うのも非常に嬉しいですね。

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| HOUSE3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Watt - North Marine Drive (Cherry Red:CDBRED40)
Ben Watt-North Marine Drive
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先日EBTGことEverything But The Girlのヴォーカリスト・Tracey Thornのソロアルバム"A Distant Shore"(過去レビュー)を聴いて良かったので、EBTGのトラックメーカー・Ben Wattの作品もついでに購入です。本作はEBTG結成前の1983年作でありまして、既に当時から24年も時間が経っています。今ではクラブミュージックシーンでヒットを飛ばすBenさんですが、この当時はギターとピアノと自身の声だけを元に(時たまサックスも入るけど)非常にシンプルで繊細な音楽をやっています。それは音楽的にはネオアコかフォークソングになるんでしょうが、心を掻きむしられる様なひりひりとする感傷を感じます。柔らかで心地良いアコギの音と細いながらも優しいBenさんの声は清涼感や開放感と言う雰囲気よりは、静かな夜に一人しんみりと泣いてしまう寂しさや孤独感が浮かんできませんか?この時点でEBTGにも通じるセンチメンタルなメロディーラインも確立されているどころか、この頃の方が儚く繊細で脆い心情がより表現出来ているかもしれないですね。何も足さない何も引かない、最低限必要な分だけで最高の作品がここにあります。アコギの音色ってこんなに美しかったのですね、涙!

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tracey Thorn - Out Of The Woods (Virgin Records:CDV3030)
Tracey Thorn-Out Of The Woods
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EBTGことEverything But The Girlのヴォーカリスト・Tracey Thornの、前作から25年を経て2NDアルバムがリリース。EBTGの相方・Ben Wattは精力的にレーベル運営やらMIXCDを出したりやらで活動しているものの、EBTG本家は1999年の"Temperamental"から開店休業状態。そんな訳でTracey Thornの新作に期待していたのですが、事前情報の通り音はかなりエレクトロニック寄りになっています。Ewan Pearson(って誰?)がメインでプロデュースを行い、自分の知っている人だとCharles Websterなんかも参加していていて、やっぱりTracey自身もネオアコからクラブミュージックにシフトしている様ですね。ただEBTGの様にグルーヴィンなハウスミュージックかなと予想していたら、意外にもそうではなくてエレクトロニックなポップスと言う感じ。だから雰囲気としては近年のEBTGの様にシーンの最前線に居るというよりは、ネオアコ時代のEBTGを電子化して蘇らせた様にも感じられます。切なさや寂しさを胸一杯に歌うTracey譲の歌は昔と変わらずに今も心に響きますが、クラブシーン寄りのEBTGとネオアコ時代のEBTGの境にあるような今作は少々曖昧な立ち位置ですね。どうせクラブシーンの方にプロデュースを頼むなら、もっとフロア向けのトラックに編曲しても良かったんじゃないかなと思います。あと音が綺麗すぎると言うか小綺麗にプロダクションされてしまって、彼女の1stアルバム"A Distant Shore"程臨場感が無いですね。抜群のメロディーセンスは持っているだけに消化不良な点は否めないですが、EBTGの新作までの繋ぎとしては聴けると思います。つか早くEBTGは新作出せ!

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Tracey Thorn - A Distant Shore (Cherry Red:CDMRED35)
Tracey Thorn-A Distant Shore
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EBTGことEverything But The Girlのヴォーカリスト・Tracey Thornの、今から25年前のアルバム。EBTGと言えば80年代のネオアコな作風から90年代に入り突如ドラムンベースに接近し、その後はハウスなどに傾倒していきダンスシーンで一躍有名になったグループです。彼らの傑作"Walking Wounded"(過去レビュー)を聴いて貰うと分かるのですが、表現がダンスミュージックに変わっても根底にある憂いや青臭さは全く失われておらず、それどころかメランコリーな輝きを増しているかの様です。それをふまえてEBTG結成前のTracey Thornのソロアルバムを聴いてみます。ギター一本、そして自身の声を武器に、限りなくシンプルで限りなく清らかな和みを感じさせる音楽。音の質感が良いんですよ、正に目の前で演奏しているかの如く空気感・臨場感があります。そして透明感のあり柔らかいアコギの音が、ふんわりと優しい風を今この場所に導いてくれます。何も難しい事はやっていないし、マニアックに作り込んだ作風も無し。だからこそ大事となるのが耳を惹きつけるメロディーであり、このアルバムにはそんな清純で綺麗なメロディーが溢れています。シンプルだからこそ際立つメロディーなんですね。ネオアコ万歳!

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Massive Attack - Protection (Virgin Records:7243 8 39883 2 7)
Massive Attack-Protection
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毎度毎度アルバムリリースの間隔が長くて、ファンをヤキモキさせるブリストルシーンの最重要ユニット・Massive Attack。トリップホップと呼ばれるジャンルを開拓したそのサウンドは、ヒップホップやダブ、レゲエを高密度に圧縮し練り上げた非常に粘性の高い音で、一大ムーブメントを引き起こしたと言っても過言ではないでしょう。そんな彼らの1994年リリースの2NDアルバムが"Protection"。基本的に彼らの作品に駄作は無し(最新作を除く)と思っていますが、このアルバムも非常に素晴らしいです。彼らの中では一番レゲエとかヒップホップ色が強いと思うこのアルバムですが、それだけだったら僕は聴くのは逆にしんどいですね。どうして僕が彼らのアルバムを聴ける事が出来るのかと説明するならば、ブルージーなギターカッティングやメランコリックなピアノの音色、柔軟で広がりのあるストリングス、どこか陰りがあり神妙めいたゲストボーカルの歌などを、細かく緻密に配置してドラマチックで精美な世界観を創り上げているからです。Everything But The GirlのTracey Thornがボーカルをとる"Protection"を聴いてみなよ。後半のピアノアルペジオが流れる辺りでは、じんわりと心の底から込み上げる物があります。Trickyが歌う"Karmacoma"は、ズブズブと沼にはまっていくマッドな音ですね。Craig Armstrongがピアノを演奏する"Heat Miser"も、闇の中に光明が射してくるみたいで泣けてきます。ブラックミュージックを基にはしているのだけれど、それをUK流の美しい音と組み合わせ再構築した作業は確実に新たなるシーンを創り出したと言えるでしょう。Nicolette、Horace Andy、Nellee Hooperとゲスト陣も強力でこれ以上は考えられない最高のトリップホップアルバムだと思いますね。しかし異様に湿度が高いと言うか、何だこのずぶ濡れの音は…。

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| ETC1 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(1) | |
Everything But The Girl - Walking Wounded (Virgin Records:CDV2803)
Everything But The Girl-Walking Wounded
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昨日紹介したBen WattのメインプロジェクトがEverything But The Girl。メインにボーカルを務めるのはMassive Attackらのアルバムにも参加経歴のあるTracey Thorn。このTracey ThornとBen Watt、1984年頃からEBTGとして活動を始めるものの、当初はアコースティック色の強いボサノヴァ風の曲などをリリースしていました。既にそう言った曲調の時代から人気はあったようですが、一気に名前を広げたのは1995年リリースの「Walking Wounded」に依ってであります。その時のご時世と言えばとにもかくにもドラムンベースで、お店に行っても雑誌でもドラムンベースの言葉を見ない事は無かった気がします。そんな流れに一緒に乗っかりEBTGもごく自然とドラムンベースやハウスサウンドを取り入れ、アコースティックな時代とは別れを告げます。この冒険はかくも世間に受け入れられ、今ではEBTGはクラブ系ユニットとしての認識されています。しかし一気に作風をガラリと変えるのは危うさを含むのに、EBGTはよくぞやったなと驚きを隠せません。この作品で爆発的に人気が出たのは流行に乗った事がきっかけなのは当然ですが、一過性に終わらなかったのは彼らの書く曲が本当に素晴らしかったからでしょう。Traceyの声はウィットで太く力強く、またバックの曲はしっとりとメランコリーを感じさせ馴染みやすいメロディーながらも落ち着きがあります。難しい流れを用意する事なく、一聴して耳に残るシンプルなメロディーはやはり素晴らしいです。夜を感じさせるマイナーな曲調が、ここまでぴったりなユニットはそうは多くないかもしれないですね。近年はEBTGの活動が止まっているので、早く再開を望みます。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(6) | trackbacks(2) | |
Ben Watt - Buzzin' Fly Volume (Buzzin' Fly Records:CD003BUZZ)
Ben Watt-Buzzin Fly' Volume
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90年代のドラムンベースの流行に乗り一躍クラブシーンの人気者となったEverything But The Girlのメンバー、Ben Wattが送るBuzzin' Fly RecordsのショウケースMIXCDの第3段。EBTGはドラムンベースで人気が出ましたが、現在のBen Wattの趣向はヨーロッパ的ディープハウス。アメリカ産みたいにどす黒い訳でもなく、浮遊感と恍惚感の溢れるテッキーでメランコリックな路線が好みの様です。もちろんこのMIXCDでもBuzzin' Flyお得意のディープでメランコリックな曲がこれでもかと使われ、ほのかに甘くとろける妖艶さと都会的で洗練された音がブレンドされ、この音が流れるその場の空気をお洒落な物に一変させる力を持っています。ただこのシリーズも既に3作目なのですが、今までよりもテックハウス/プログレッシブハウス色が前面に打ち出され、恍惚感は今まででNO.1だと思います。ハイテンションでアゲアゲでは無く、ゆるゆるとまったり紡がれるハウスグルーヴが素敵(うっとり…)。ただBen WattのMIXCDが聴けるのは嬉しいんだけど、そろそろ本家EBGTの活動も再開して欲しいですね。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Watt presents Buzzin' Fly Vol.2 (Astralwerks:ASW60303)
Ben Watt presents Buzzin' Fly Vol.2
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Everything But The Girlとして活躍していたBen Watt主催のBuzzin' Fly RecordsのMIXCD。MIX担当はVol.1と同じく当然Ben Wattであります。身を見張る様なMIXをする人ではないが、雰囲気を持ったスウィートな選曲でDJの上手下手が技術だけでは無い事を教えてくれます。元々EBTGがメランコリックでどこか儚い曲を得意としていたので、MIXの方にもそういった影響が出ているのでしょう。vol.1と比べると少しディープさが薄くなった様な気もしますが、殆どメランコリックハウスで統一されて内容に違いはないと言うか雰囲気は一緒ですね。相変わらずセンチメンタルで儚い展開にはうっとりせずにはいられないし、女の子が部屋に遊びに来たらこれをかければ間違いないっ!って感じです。レーベルサンプラーとしてBuzzin' Fly Recordsのアーティストの曲も収録されているらしいけど、誰がそうなのか良く分かりませんね。個人的には「Nookie-Better Love」が超イイッす!確かドラムンのアーティストだった気がするんだけど、テッキーな上物が被った甘いハウスで大当たりですね。Vol.1が気に入った人はこのVol.2も当然買いでしょう。大人のセンスを感じさせる一枚です。

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| HOUSE1 | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Everything But The Girl - Adapt or Die:Ten Years of Remixes (Atlantic:R2 79683)
Everything But The Girl-Adapt or Die:Ten Years of Remixes
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また風邪がぶり返してきて、だる〜い一日でした。こんな日にはライトなBGMのEBTGがぴったりでした。元々はアコースティックな作風でしたが、95、6年のドラムンベースの流行時にドラムンを取り込み、一気にクラブオリエンテッドな作風に変わりました。流行を取り込んで今までのファンの失笑を買う事は良くありますが、EBTGに関しては上手い具合にダンスミュージックへシフトしたと思います。過去の作品は聴いた事がないので言及は出来ませんが、ダンスミュージックにシフトした以降の作品はどれも素晴らしい物だと断言します。

今回のコンピレーションはEBTGの作品を色々なアーティストがリミックスした物を集めた1枚で、ドラムンとハウス中心で構成されています。EBTGの音楽はしっとりした夜に聴く様な、落ち着きを持った大人な雰囲気を臭わせお洒落ですね。お洒落一言で片付けるのはどうかと思うのですが、クラブ的作りを持っていてもどこか知的な感じがあるんですよね。例え激しいドラムンであろうとも、アップリフティングな4つ打ちであろうとも、決して温度が上がる事なくひんやりとした感じです。それは冷たい音楽と言う意味ではなく、決して前面には出てこない温かさを持った音楽だと言う事だと思います。ボーカルのトレーシー・ソーンの儚い声が、クールな雰囲気を作っているのでしょう。ハウス好きは迷う事無く買って損無しのコンピだと思います。もれなく正にEBTGを象徴した美しいジャケット付き。

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| HOUSE1 | 21:35 | comments(4) | trackbacks(3) | |
Ben Watt - Buzzin' Fly Volume One (Buzzin' Fly Records:CD001BUZZ)
Ben Watt-Buzzin' Fly Volume One
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Everything But The Girlで活躍するBen WattのメロウでディープなMIXCD。元々はEBTGでアコースティックでメロウな音楽を作っていたが、ドラムンが流行した時にハウスやドラムンと言った系統に染まりました。元々メロディー重視のアーティストなので、基盤がダンスミュージックに変わっても、センチメンタルな部分は失われず尚一層良質な作品を出し続けています。このMIXCDにおいてもあまりエフェクト等は聴かせずに、4つ打ちハウスを一曲一曲を大切にロングミックスしています。5曲目のBen Watt - A Stronger Manと6曲目のS.O.M. - Musicaのスウィートなボーカルを生かした流れには切なすぎて最高です。ラストでNeedsのPassion Dance Orchestra - Worlds(Theme 2)が登場。フィナーレを飾るに相応しい名曲。どこをとっても甘く切なくムーディーに統一されて、男臭い部屋もこのCDをかければあっという間にムーディーな部屋に(笑)Body & SoulやMiguel Migsが好きな人なんかにはお勧め出来るかな。EBTGでも早く新作出してください。

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| HOUSE1 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) | |