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Gerry Read - It'll All Be Over (Pampa Records:PAMPA033)
Gerry Read - Itll All Be Over
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先日述べたようにPampa Recordsの面白さはフロアで映えるダンストラックとしての機能性だけでなく、それに相反するような実験性やコミカルなポップさを兼ねそなえている事で、曲によってはクラブを覆う闇を消し去るような明るく陽気なものもあり、奇抜ではありながらも決してとっつきにくい音楽性ではない。そんなレーベルの方向性をリードする主宰のDJ Kozeの才能は疑うべくはないが、それを追従する存在と呼んでも過言ではないのが若手アーティストのGerry Readだ。Pampa傘下のFourth WaveをはじめとしてDelsinやAus Musicからディスコ・ハウスからロウ・テクノまで、それらもひねくれたユーモアと呼べる実験性と陽気なポップさを両立させており、例えばMatthew HerbertのAccidental Jnrからのリリースもあれば当然その奇抜な音楽性を想像出来るのは容易いだろう。2019年にリリースされた本作もその音楽性は変わらず、どころかサマーブリーズよろしくな爽快感とメロウネス爆発な世界観に心酔せずにはいられない。ドタドタと粗雑なキックとバンジョーの朗らかなフレーズで始まる"It'll All Be Over"は、そこからソウルフルなボーカル・サンプルとジャジーな切ないギターのフレーズに切ないキーボードを詰め込んで、くどい程までにポップス性を磨き上げた真夏の陽気ながらも夕暮れ時の切なさも込み上げる情熱的なディスコ・ハウスで、これぞPampaなユニーク性だ。"Satyricon"も路線としては似ており、爽快なビート感に呟き風ボーカル・サンプルがしっとりとして、カウベルの可愛らしい音色やほんのり郷愁を添えるギターも加わり陽気なハウスになったと思うと、途中には逆回転風のコラージュも織り交ぜて酩酊したような瞬間も生み出すユニークなハウスで、その遊び心が美味く展開を盛り上げるように役立っている。Readのオリジナルの素晴らしさだけではない、DJ Kozeによる"It'll All Be Over (DJ Koze Remix)"はそれ以上に完璧なピークタイム・トラックで、その切なくもメロウなディスコ・ハウスに感嘆せずにはいられない。方向性は原曲と同じだが、フィルター・ハウス風でより滑らかなグルーヴ感で機能性を磨き、甘いメロディアスな部分をループさせて執拗に用いる事で、濃密なまでのメロウネスを発揮している。リミックスと言うよりはエディットに近い位に原曲へ寄せてきているが、DJとして使うならDJ Kozeのリミックスだろうなと思う映える作風だ。PampaというレーベルのみならずReadの存在感も増すEPで、流石の出来だ。



Check Gerry Read
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | - | |
100DSR Compilation (Delsin Records:100DSR)
100DSR Compilation
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オランダと言えば古くからデトロイト・テクノに影響を受け、実験的かつフロアだけに集約されない広範囲なテクノをリリースする事に長けたレーベルが多い。その中でも1996年にオランダはアムステルダムに設立されたDelsin Records(とその傘下のAnn Aimee)は、ベテラン勢の安定した作品を手掛けると共に新人の発掘・育英にも力を注ぎ、数々の名作を世に送り出してきた重要なレーベルだ。最初にデトロイト・テクノに影響を受けたと述べたが、勿論そこから大きく飛翔しミニマルやブレイク・ビーツにリスニング系なども手掛けており、その多様性を十把一絡げに述べる事は最早出来ない。そんなレーベルの運営も17年に及ぶが、そのカタログ100番を飾るために用意されたのが本コンピレーションである。CDでは2枚組で、Delsinに関わりの深い新旧アーティストが(全てが新曲と言う訳ではないが)曲を提供しており、正にDelsinの音楽性を知るためにはこれぞと言うべき内容になっている。如何にもDelsinらしいピュアな響きを持つBNJMNによるリスニング系の曲もあれば、Delta Funktionenによる鈍い響きと低いベース音がダークな雰囲気を持つテクノもあり、ダブ・ステップに傾倒した今っぽいA Made Up Soundによる曲もある。Claro Intelectoの荒々しい残響が交錯するダブ・テクノもあれば、IDM的な音と戯れるようなCimのエレクトロニカもあり、Ross 154(Newworldaquarium)の退廃的なビートダウンだってある。極み付きはデトロイト第2世代のJohn Beltranが雨上がりの感動的な情景が浮かび上がる余りにも切ないアンビエントを披露している。これがDelsinだ、決して安住の地に留まらずに様々な音を吸収しながら、今という時代の音を創り出す現在形のテクノ・レーベルなのである。もしテクノを聴いていてDelsinに馴染みが無いのであれば、是非この機会に接触するには良い機会となるだろう。



Tracklistは続きで。
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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn & Cassy - Cocoon Heroes (Cocoon Recordings:CORMIX040)
Joris Voorn & Cassy - Cocoon Heroes
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数多くのタレントを擁するドイツのCocoon Recordings。夏の間は享楽の地と化すイビサはAmnesiaで著名なDJを集めて"Cocoon Heroes"を開催しているが、そのパーティーをCDとしてJoris VoornとCassyがパッケージしたのが本作だ。とは言ってもこの二人が年中Amnesiaでプレイしているわけでもなければ、生粋のCocoonのメンバーと言うわけでもないので、レーベルカラーとは関係なく二人のDJが聴けると言う意味では安心してよいだろう。Joris Voornのミックスについては80分の中に26曲も詰め込み完全にグルーヴをコントロール下においた精密なプレイを聴く事が出来るが、やはり初期の頃に比べると妙に大人びていると言うか抑制されたミニマル色強めな印象だ。恐らく全てがPC内で組み立てられているのだろう、確かに上品に纏められたプレイには繋ぎも展開も違和感無くスムースに聴けるのだが、しかしそれにしたって少々臨場感や人間味と言うものが欠けている気がする。後半に入ればミニマルに深く潜っていく音とメロディアスな音が融け合いながら、パーティーでのピークタイムへと駆け上がっていく昂揚感が増しては行くのだが、初期の初々しさも感じられたテクノクラシックを使用したプレイの方が彼には合っている気がするのだが。対してCassyは13曲だけの使用ながらも鉄鋼のような芯のある太さを基盤に持ちつつ、官能的な夜っぽさや野性的なトライバル感を含むテクノともハウスとも取れる中庸なプレイをしている。しかしJorisの何処か機械的なミックスに比べCassyの方はグルーヴが走っていて、むしろこちらの方が男らしい気迫を感じさせる力強い音を鳴らしている。個性的なプレイではないのだがパーティーの白熱した光景が浮かび上がる生き生きとしたプレイではあるし、余りに凝ったミックスよりは単純な方がやはり踊るには適している場合もあるのだろう。

試聴

Check "Joris Voorn" & "Cassy"

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |