CALENDAR
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Yu Su - Watermelon Woman (Technicolour:TCLR034)
Yu Su - Watermelon Woman
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

男社会的な業界だったダンス・ミュージックの界隈においても、近年は女性DJ/アーティストが正当に評価されるようになってきたのだろうか、その存在感は日増しに強くなっている。そしてアジア圏のアーティストの台頭も珍しくはないが、その顕著な例を挙げるとしたら中国人女性アーティストのYu Suは適任だろう。カナダはバンクーバを拠点にしているその人はまだ2016年頃からリリースを始めたばかりの新星だが、2018年作のジャンルが混合したディープ・ハウス『Preparations For Departure』、そしてエクスペリメンタルからバレアリックまで網羅した『Roll With The Punches』(過去レビュー)といった、数少ない作品群はユニークな特徴をもってしてリスナーに強い印象を残している。そんな彼女の新作はHerbie Hancockの「Watermelon Man」に触発されて制作した曲のようで、過去の作風に比べてよりフロア向けのダンスに接近したハウスになっているが、それでも独特な世界観は変わらない。ミッドテンポの土着的なハウス・グルーヴを持つ"Watermelon Woman"は、中東的な訝しいシンセのメロディーと生々しいベースラインが先導しつつスペーシーなSEやダビーなエフェクトを利用して、アッパーな曲調でなくとも幻惑的かつトリッピーな効果でズブズブとはめていくタイプのフロア仕様な曲調になっており、モダンなダンス・ミュージックの中でもどこにも属さないような感覚が新鮮だ。別バージョンとなる"Watermelon Woman (Dub)"はダブとは言いながらもぐっとテンポを落としてヒップ・ホップ的な感覚もあり、上モノは削り落とした上でスカスカとなった構成の中で揺れるベースラインや微かに入るオリエンタルな響きによって、より変異体ダウンテンポな変化を見せている。そして注目勢力であるメルボルン勢の一人、Francis Inferno Orchestraがリミックスをした"Watermelon Woman (Francis Inferrno Orchestra's Augur Sacrifice Dub)"はざらついて土着パーカッションを活かした勢いのあるリズムと鳥の鳴き声らしき音も導入して、深い密林の奥地で儀式を行うかのような怪しい雰囲気が発せられ、その騒がしくも生命力が宿る響きは最もフロアを興奮させるであろう。新曲は1曲のみで他には別バージョンやリミックスだけだが、それでもYu Suの前途洋洋を予感させる魅惑的な音楽であり、これからも活躍が楽しみだ。



Check Yu Su
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Ian O'Brien - Understanding is Everything (Octave Lab.:OTLCD1965)
Ian O'Brien - Understanding is Everything
Amazonで詳しく見る
 Amazonで詳しく見る(MP3)
UK屈指のデトロイト・フォロワーであり、そしてフュージョンやジャズをこよなく愛するIan O'Brien。テクノと呼ばれるダンス・ミュージックから始まり、遂には本物のジャズにも匹敵するエモーショナルなクラブ・ジャズやフュージョンのスタイルを確立し、00年代前半には音楽家として春を迎えていた。しかしそこから長い沈黙の期間が続く事となり、その間にMIXCDやコンピレーションの制作、他のアーティストとの共作などで時折表舞台には現れたものの、このニューアルバムのリリースまでに12年もの時間を要す事となった。その間にもクラブシーンは目まぐるしく変わり新しいジャンルが生まれては消え…しかしIan O'Brienは全くブレる事なくルーツに対して正直に、彼にとっての代表作とも言える"A History Of Things To Come"(過去レビュー)を継ぐ作品として新たなるマスターピースにも成り得る素晴らしいアルバムを完成させた。本人が述べるように若かりし頃に影響を受けたデトロイト・テクノ的な作風は封印され、エモーショナルな要素を長く熟成させ豊潤な音色を打ち出した、つまりは前作のジャズ/フュージョン路線を更に推し進めている。何と言ってもHerbie HancockやLonnie Liston Smithと言ったスピリチュアル・ジャズの巨匠の作品を臆する事なくカヴァーし、Innerzone Orchestraの"Bug In the Bassbin"をリミックスするなど、自分のルーツを隠さずに誠実かつ真摯な思いで音楽と向き合っている事から、Ianがどれだけ本気なのかも伝わる事だろう。DJではなくアーティストとして才能を持つ彼らしく、ヴィンテージなアナログ・シンセやローズ・ピアノ、ギターやパーカッションにドラムまで殆どの楽器を彼が演奏しているのだが、電子音と生音の選び方がとても自然でゴージャスなのに嫌らしさが全く無く、温かく豊かな感情のみが強調される事に成功している。少しだけ足が地面から浮くような心地良い浮揚感にピュアな気持ちだけが残った透明感、最初から最後までエモーショナルでポジティヴな感情で満たされており、安らぎの世界が地平の先まで広がっている。この新作までに随分と待たされてしまったが、その空白期間を埋めるには十分過ぎる名作である。

試聴

Check "Ian O'Brien"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbie Hancock - Sextant (Columbia:CK64983)
Herbie Hancock-Sextant
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
現代ジャズピアニスト、又はコンポーザーとして活躍しているHerbie Hancockの1973年作。Hancockと言えばスクラッチを導入した"Future Shock"(過去レビュー)が有名ですが、本作もそれに負けず劣らずなエレクトロファンクで格好良いです。まず出だしの"Rain Dance"からして奇妙なシンセ音が不安定にピコピコと導入されていて、これはジャズなのか?と自問自答したくなります。電子音が大々的に導入されていてかつてのジャズの枠を飛び越えた面があり前衛的と言う言葉が相応しいのですが、やはり根はブラックミュージックだけありねちっこいファンクがドロドロと渦巻いているのが分かります。またミニマル的な反復も多めに使用されていて、快楽度を高めるのに一役買っておりますね。"Hidden Shadows"なんかは管楽器やワウワウなベースなどが前面に出ているだけありまだジャズの体裁を保っておりますが、内に沈み込むような黒い世界はもうジャズと言うよりは完全にファンクですね。そして20分にも渡る超大作"Hornets"、これはアルバムの中でリズムが一番弾けていて汗臭さを感じさせる作品。長く聴いている内にスピリチュアルかつコズミックな音色に包まれて、インナーシティーへとダイブ出来るのでは。



試聴

Check "Herbie Hancock"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Herbie Hancock - Future Shock (Columbia Records:CK65962)
Herbie Hancock-Future Shock
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
アマゾンでお安く購入出来た歴史に名を残すエレクトロ、Future Shock。Herbie Hancockと言えば王道ジャズアーティストなのですが、テクノ好きの僕がただのジャズアルバムを買う訳がありません。このFuture Shockだけはデトロイトテクノのオリジネーターたちも影響を受け、世の中にエレクトロの存在を知らしめた一枚なのだそうです。と言う事で期待して買ってみたのですが、1983年作と言う事もあってか古い音だな〜とまず感じました。今だったらこんな音、誰でも作れるんじゃね?と思うのは間違いないと思います。しかしそれは過信と言う物であり、リズムマシーンやアナログシンセを使用して黒人音楽を電気化して演奏したその結果は、やがてはデトロイトテクノの誕生の一端にも繋がったのではないでしょうか。Kraftwerkが自らを機械化してエレクトリックミュージックの新たなる道を切り開き、Herbie Hancockはそこにファンクやソウルの要素を持ち込み更に開拓を広げた、僕はそう思います。またスクラッチが大々的に取り入れられていて、一般的にスクラッチを認知させたのもこのアルバムだと言う事らしく、ここからヒップホップへの繋がりもあったのでしょう。ダサ格好良いとはこのアルバムの事を言います。

試聴

Check "Herbie Hancock"
| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Optimo Presents Psyche Out (Eskimo Recordings:541416 501334)
Optimo Presents Psyche Out
Amazonで詳しく見る(UK盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
ジャイアントインパクトッ!!年に数枚出るか出ないかの怪作、かつ傑作!現在の時点で年間ベスト3入りを断言する超絶MIXCDが出ました。こんなのが出るなんて知らなかっただよ。お店で暇だからなんとなく試聴したら、これがすんげぇ〜やべ〜と言うか、もう電撃走って即レジに持って行っちゃいましたよ。トラック見て貰えると分かるんだけど、HawkwindとかSilver Applesのサイケデリックロックに混ざって、Fast EddieとかMr.Fingersのアシッドハウス、Sweet ExorcistやThrobbing GristleのCarl Craig Re-Versionなどのエクスペリメンタルテクノ、果てはエレクトロディスコダブなど何でも使える物は使っちゃってるんだよね。ただこのMIXCDはビートで踊らせると言う事では無くて、本能に訴えかける麻薬的な魔力を持っているのです。はっきり言ってごちゃ混ぜ過ぎて踊れるとかそうゆう物じゃないんですよ。もう脳味噌の奥にずぶずぶと音が進入してきて、脳味噌をシェイクシェイク!ずぶずぶとダークワールドに引き込まれたら最後、抜け出る事は不可能。覚醒的なサイケデリック空間で、ヨダレをウヘウヘ垂らしながら聴く事になるでしょう。とにかく強烈すぎ!これは聴いてみないと分からない。今日このレビュー読んだ人はマジで買わないと損ですっっっ!!ストレートなテクノ求めてる人は、そうゆうの期待しちゃダメよ。

試聴

Tracklistは続きで。

Check "Optimo"
続きを読む >>
| ETC1 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |