Antoine Kogut - Remixes (Versatile Records:VER125)
Antoine Kogut - Remixes
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フレンチ・ハウスと言ったら兎にも角にもVersatile Records、ストレンジな電子トラックから耽美なディープ・ハウスに、ダンスからリスニングとバランス感覚に優れた老舗レーベルは、ダンス・ミュージックという忙しない業界に於ける流行り廃りとは距離を置いて迷い無き道を突き進む。本作はフランス人アーティストであるAntoine Kogutが2018年にリリースしたアルバム『Sphere Of Existence』からのシングルカットで、レーベル主宰のGilb'RとI:CubeによるChateau Flight、そしてI:Cube単独、3人組のDJクルー&ライブバンドであるFlegon、そしてAntinoteからレフトフィールドなダンスをリリースしたRaphael Top Secretの4組がリミックスを提供している。アルバム自体はゆったり肩の力が抜けた切ないバレアリックなモードだったものの、このリミックスではそういった雰囲気を引き継ぎながらもクラブ感覚を増したダンス性も加わり、曲によっては興奮に包まれる真夜中のバレアリック・ダンスになっている。"Sphere Of Existence (Chateau Flight Remix)"は甘く囁くような歌を活かした90年代のイタロ系バレアリック・ハウス調で、メランコリーを誘うサックスの響きから覚醒的なアシッドのシーケンスへの転調を伴い、耽美な鍵盤のコード展開と疾走するビート感の流れも含んで、実に大らかで心地好く展開する。I:Cube単独のリミックスとなる"Sphere Of Existence (I:Cube Unexpected Dub)"では、そのダブミックスという通りに派手なメロディーは抑えられてその代わりにタム等のパーカッションを活かしたビート重視の作風となり、やや内向的で陰鬱さもあるディープ・ハウス仕様。"L'oeillet Noir (Flegon Remix)"はバンドらしく生っぽさを打ち出したざっくり質感で、ドラムやオルガンに鍵盤といった楽器を生演奏しているのだろうか、しみじみと情緒深く聞かせるスローモーなディスコ・スタイル。そして"Current Density (Raphael Top Secret Remix)"は繊細なフェンダー・ローズが優美さを奏でつつ、ヒップ・ハウス的な軽く跳ねるリズムで浮遊感を伴って、色っぽさや官能といった芳香もする大人びたハウスになっている。どのリミックスにも各アーティストの音楽性が繁栄されているが、流石Versatileらしく基本はダンスな作風ながらもメロディーやハーモニーも尊重した音楽的な豊かさが活きており、メランコリーな気分に浸れる事だろう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chateau Flight - Dam House EP (Versatile Records:VER123)
Chateau Flight - Dam House EP
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フレンチ・ハウスの代名詞でもあったVersatile Recordsの中枢を成しその先駆者として活動を行っていたのが、Gilbert CohenことGilb'R & Nicolas ChaixことI:CubeによるChateau Flightだ。近年はフレンチ・ハウス自体が以前程には賑わっていないという状況も関係があるのか、それぞれソロ活動はしながらもChateau Flightとしての活動は全く音沙汰が無い状況で一ファンとしては残念な思いであったが、何と2018年に4年ぶりとなる新作EPがリリースされた。元々フレンチ・ハウスの中でも耽美なだけでなく癖のあるストレンジ感を持ったユニットではあったが、随分と久しぶりとなる新作においてもその性質に更に磨きをかけており、ダンスとしての機能性の中にユニークな特異性を潜ませてChateau Flightとしての存在感を強烈に発している。"Crazy"は特に今までの作品と比べても異質なビートレスなアンビエントの形をしており、闇が這い出てくるダークな幕開けに耽美で繊細な電子音を散りばめて静かに朽ちていく退廃美を感じさせ、そこからも不気味なクレージーという呟きやトリップ感のある音響が飛び交い、美しさと狂気が混在する彼等なりの芸術作品なのだろうか。そんな曲をダンス・トラック化した"Crazy (House Mix)"は弾力のあるキックが軽快なリズムを刻んだハウストラックになっており、揺らめくトリッピーな音響の中により優美でお洒落な上モノを活かしてメランコリーな空気も携えて、マッドなフレンチ・ハウスは快楽的だ。特に不思議な鳴りをしているのは"Lo"でミッドテンポな安定感のあるリズムで始まり、何処の国とも分からないエキゾチックな笛の音やレイヴ風なシンセ、ぐるぐると回転するような木琴のような奇妙な音階などが風景が切り替わるように現れて、終始じわじわとした低空飛行のグルーヴながらも摩訶不思議な世界観でトリップさせる。そして"Sargan"は10分にも渡る強烈なテクノで、骨太ハードではないが膨張したベースラインと切れ味のあるリズムで疾走感を出しながら、明確なメロディーはない奇妙な鳴りの電子音を散らしながらサイケデリックな空気で包み込む。短いインタールードも含めて5曲のEPながらも、ボリュームは十分にありそしてどれも過去の作品以上に優美ながらも奇天烈なサウンドでぶっ飛んでおり、Chateau Flightの復活の狼煙をあげるには相応しい作品だ。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I:Cube - Double Pack (Versatile Records:VER 120)
I:Cube - Double Pack
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フレンチ・ハウスの老舗レーベルであるVersatile Recordsは今でこそ多彩なアーティストを擁しているが、そのレーベル発足時から活躍するのがNicolas ChaixことI:Cubeだ。レーベル運営を行うGilb'RとのユニットであるChateau Flightでの活躍も華々しいが、このソロ活動ではフィルター系のまんまフレンチ・ハウスではなくより自由なエレクトロニック・ミュージックがベースにあり、特に作品を重ねる毎にその奇抜で変幻自在な音楽性は拡張を成しており、ベテランだからと言って全く落ち着くどころか尖った個性をより尖らせている。新作はアナログではダブルパックでのリリースでミニアルバム的な扱いだろうか、その分だけ収録曲も多くその多彩性は富んでいる。初っ端はアフロ・トライバルな抜けの良いパーカッションが乱れ打ちつつ、そのタイトル通りにミニマルな旋律のフルートが密林の奥の怪しい祭事かのような雰囲気を醸す"Flutes Souterraines"で、エキゾチックな効果音も入る事でより催眠的な効果を強くしている。"Troglo Dance"もエキゾチックな感覚はあるものの、アタック感の強いドラムと光沢感のあるシンセリフから感じられるのはディスコの系譜で、野暮ったくも簡素な味わいが逆に新鮮に聞こえる。一方で眠気を誘うようなぼんやりとしたシンセがにうっとりさせられ繊細な電子音も組み込まれたディープ・ハウス性の強い"Bifurque"や、アシッドなベース音が膨張しながらも壮大でゴージャスなシンセが感動的に展開する真夜中の雰囲気たっぷりなバレアリック・ハウスの"Ramurc"と、どちらも大らかな作風の中に美しいメロディーを活かした曲だ。そして奇抜性が特に発揮されている"La Nuit Des Rats"、変則的なブレイク・ビーツと民族的なパーカッションが生み出す不気味なグルーヴは黒魔術か何かの儀式か、何かが生まれる胎動らしき原始的なエネルギーがほとばしりトランス感覚を誘うこの曲は、ジャンル分け困難なダンス・トラックだ。ひとえにフレンチ・ハウスと言っても単純なものではなく、流石ベテランらしくその底深さを教示する如く様々な要素を披露しているが、実験的だけでなくどれもにI:Cubeらしいメランコリーがあるのも素晴らしい。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - DJ-KiCKS (Studio !K7:K7348CD)
Michael Mayer - DJ-KiCKS
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クラブに行かなくても、そしてCDすら買わなくても、最早オンラインでパーティーでのプレイを録音したDJMIXが無料で聞けてしまう時代に、敢えてお金を取ってMIXCDを販売する意味を見つけるのは難しい(勿論音が良いとか、良く練られているとかはあるだろうが)。だからこそ逆説的にクラブの雰囲気ではなくパーソナルな感情を綴ったようなDJMIXとして成功したのが、このStudio !K7が送る『DJ-KiCKS』シリーズだ。1995年に開始して20年以上60作を超えるこのシリーズは、浮き沈みの激しいダンス・ミュージックの業界に於いては最早ど定番と呼んでも差し支えないが、その一方でクラブのハイエナジーな雰囲気を再現しただけのMIXCDとも異なる点で独自性を確立させていた。本作はKompaktの主宰者の一人であるMichael Mayerによるもので、普段はテック・ハウスを軸にミニマルなグルーヴ感でポップやニューウェーブの雰囲気を含むプレイをする記憶があるが、ここでは本人も「できるだけパーソナルな内容にしたかった」と述べている通り一般的な真夜中のダンス・パーティーで聞けるプレイよりもリラックスした緩やかさと程良い甘さがあり、そして丁寧に各曲の魅力を伝える事に専念するかのように1曲を長くプレイしている。幕開けはアバンギャルドなトロンボーン楽曲の"The Tape Is Chill"で夢現の朧気な雰囲気で、そこに自身の新曲であるパーカッシブなハウスの"The Horn Conspiracy"を繋げてビートが動き出す。ギラついて毒っ気もあるニューディスコ調の"The Darkness (I:Cube Remix)"からジャーマン・プログレのダンス版みたいな"Feuerland"の流れは、Kompaktらしいユーモアとポップさもあるのはやはり頭領だけの事はあるか。中盤でのロックでニューウェーブ調の"Gary"で俗世的に攻めつつ、"Apart (Michael Mayer Remix)"や"Please Stay (Royksopp Remix)"等のメランコリーな歌物やポップなニューディスコによってしっとり感情が温まる後半の流れは盛り上がりどころで、そして"Hot On The Heels Of Love (Ratcliffe Remix)"によるエクスペリメンタルながらも叙情性ふんだんなダンス・トラックで多幸感はピークに達する。そしてビートが消失して落ち着きを取り戻す牧歌的な"Landscapes"から、再度力強くリズムを刻み出して感情を昂ぶらせる"Abandon Window (Moderat Remix)"でドラマティックなフィナーレを迎える。やや陰鬱さや内向的な要素もありながら、しかしポップでメランコリーに振れる展開もあり、普段のミニマル寄りのプレイと違っても確かにここにはうっとりと酔いしれてしまうような魅力があり、『DJ-KiCKS』として存在意義も感じられる好内容。夜の
ベッドルームでじっくり耳を傾けて聞くのにぴったりだ。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed (Smalltown Supersound:STS294CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed
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コズミック系やニュー・ディスコと呼ばれる音楽では特に人気を博すPrins Thomasが、そこからアンビエントへと向かった大作『Principe Del Norte』(過去レビュー)はクラウト・ロックやテクノも取り込み、意外性だけでなく音楽的な豊かさを見せつけた傑作だ。コズミックな要素のあるニュー・ディスコにアンビエントの夢想やクラウト・ロックのサイケを合成し、ダンス・フロアだけに囚われない表現の拡張を行い、アーティストとして更に高みに達する事に成功した。そしてその延長上に待っていたのは世界各地から実力はアーティストを招いたリミックス集で、アンビエントマスターのThe Orbやミニマル・ハウスの重鎮であるRicardo Villalobos、フレンチ・ハウスからはI:CubeにRunning Back主宰のGerd Janson等がそれぞれの作風を活かしつつオリジナルを尊重したり、又は個性的に染め上げたりして自由なアルバムになっている。オリジナル盤を活かしたと言う意味ではやはりThe Orbによる"H (The Orb Orbient Mix)"がまっとうで、無重力空間を演出する電子音が浮遊してノンビートながらも心地良いうねりのグルーヴを生んでいくアンビエント・ダブは、音楽的な相性の良さもあり期待通りのリミックスだ。ユニークなリミックスを披露しているのはサイケ・プロジェクトであるSun Arawによる"B (Sun Araw Saddle Soap Remix)"で、多幸感あるギターサウンド等ニュー・ディスコの面影は残しつつも、何処かコミカルな電子音がふざけたようなユーモアとなっており、気の抜けた牧歌的サイケを展開する。原曲は13分もあった大作の"C"だが、メランコリーで湿り気を帯びたディスコ・ハウスへと変化させた"C (I:Cube Remix)"、オリジナルのバレアリック感に優しくアシッドベースを加えて多幸感を増長させた"C (Young Marco Remix)"、そして完全に贅肉を削ぎ落として自身のスカスカなツール性重視のミニマルへと仕立てあげた"C (Ricardo Villalobos King Crab Remix)"と、三者三様のリミックスは比較しても面白いだろう。勿論それらのみならずThomas自身による未発表曲も秀逸で、多幸感に満ち溢れた緩過ぎるアンビエントから弛緩しながらも眩い輝きを放つニュー・ディスコまで披露し、『Principe Del Norte』の世界観がここに継承されている事は明白だ。リミックス集としての面白みは当然だが、Thomasによるアンビエントへの傾倒が一時的なものではない事に期待が膨らんでしまう。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
PBR StreetGang - Shade EP (Crosstown Rebels:CRM 166)
PBR StreetGang - Shade EP
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ロンドンを拠点とするCrosstown Rebelsは節操がない位に様々なDJ/アーティストの作品をリリースし、テクノ/ハウス構わずに大量のカタログを所有する名門レーベルの一つだ。そんなレーベルの新作はイギリスはリーズのユニットにであるPBR StreetGangによるもので、今までにもWolf Music Recordingsや20:20 VisionにToy Tonicsなどから作品をリリースするなど何処かのレーベルを拠り所とする事ない事もあってか、作品毎にテクノ~アシッド・ハウス〜テック・ハウス〜ニューディスコと多様な姿を見せている。本作ではハウス寄りながらもダークでアンダーグラウンドな匂いを発する作風が強く、タイトル曲でもある"Shade"では地べたを這いずり回るような低いアシッド気味なベースラインとざっくりしたリズムを強調し、そこにスカスカの上モノが幻惑的な作用を引き出すように使用され、隙間を活かす事で軽快な走りを見せながらツール的な機能性を高めて汎用的な使い方の出来るトラックに仕上げている。A面のもう一つの曲である"Reading"も作風に差はなくハンドクラップを用いる事で弾けるようなリズム感がありながらも、やはりアシッド気味なベースラインと小刻みに揺れ動くヒプノティックなシンセを配置し、展開は極力抑えながらもちょっと悪っぽくて危ういムードがフロアの深い闇に似合っている。どちらも派手な作風ではないものの、展開を抑える事でじわじわと神経を侵食するような効果が持っているだろう。そしてB面にはフレンチ・ハウスの大ベテランであるI:Cubeが"Shade (I:Cube Remix)"を提供しており、原曲からの雰囲気をがらっと変えたアーリー・ハウス/ブレイク・ビーツ色を強めてレイヴの雰囲気にぴったりなリミックスを披露している。大波に揺られるような崩れ気味のビートに耽美なピアノの旋律やスクリュー音のようなSEも加えて、闇の中に美しさが舞う荘厳な世界観を展開し、アンダーグラウンド性はありながらも大箱のピークタイムに合う派手目の仕様だ。そしてその後にはクレジットにはないものの、この曲の後にはおそらく"Reading"の別バージョンも収録されており、計4曲どれもフロア即戦力となるであろう充実のEPだ。



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| HOUSE12 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Paradise Goulash (Eskimo Recordings:541416507275)
Prins Thomas - Paradise Goulash
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ノルウェーのニューディスコ大使と称されるPrins Thomasによる新作は、計3枚にも渡ってジャンルの壁を取っ払って、兎に角あらゆる音楽を楽しんで貰う意図でミックスされた大作だ。そのタイトルからも分かる通りNYの伝説的なクラブであるParadise Garageへのトリビュート的な内容であり、確かにジャンルレスという点においてその意思を受け継ぐコンセプトであろう。元々2007年には同様にニューディスコだけに限定されずに底抜けの多幸感を打ち出した怪作である『Cosmo Galactic Prism 』(過去レビュー)を披露しており、それを前提とすると2014年にリリースされた『Rainbow Disco Club Vol.1』(過去レビュー)はテクノを中心としたミックスとなった事で奇妙なユーモアは後退し、彼らしい賑やかなごった煮サウンドによる恍惚感は喪失してしまっていたと思う。そんな流れを踏まえて、本作は再度ジャンルレスかつタイムレスな選曲を行う事で、単にダンス・ミュージックの躍らせるという機能性だけにこだわらずに、変幻自在な流れによって惑わされながら何処か掴み所のない恍惚状態を引き起こす面白い作品に出来上がったと思う。勿論様々なジャンルは用いながらもバランスを壊す突飛な流れにはなっておらず、CD1〜3の流れに沿って大まかなジャンルの区分けはされている。CD1は最もレイドバックしており、牧歌的なロックから始まり民族的なジャズや懐かしみのあるハウス、夢現なアンビエントから艶かしいファンクを通過してのディープなアシッド・テクノまで、肩の力が抜けたプレイでゆっくりと温めながら多用なリズムと音色によって先ずは肩慣らし的な導入だ。CD2では2000年以降のニューディスコやテクノにハウスなど現代的なダンス・ミュージックが中心となり、徐々にビートは力強さを増しながら夜のパーティーへ向かうざわめきを喚起させる魅惑の快楽的な時間帯へと突入する。その流れを引き継いだCD3ではより快楽的な真夜中の時間帯から始まり、ディープかつミニマルな流れを保ちながらエクスペリメンタルな電子音楽へと遷移し、湿っぽく可愛らしいジャズやライブラリーミュージック的なリスニングの曲、そして熟成したような味わいのあるプログレッシヴ・ロックを経過して下降気味に終焉へと向かう。CD3枚に渡って起承転結がはっきりとした流れは非常にスムースで、パーティーの始まりから終わりまでを意識したようにも感じられるし、多数のジャンルを過剰に詰め込んだ事でその情報量の多さに抵抗の出来ない恍惚感も生まれている。流石に3枚合わせて200分越えなのでお腹いっぱいにはなるものの、Thomasらしく外向きの享楽的なパワーが発散するDJプレイが目に浮かぶようで、やっぱりこんなミックスが彼らしいと思わせられる内容だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Jose Padilla - Lollipop (International Feel Recordings:IFEEL 046)
Jose Padilla - Lollipop
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90年代のイビサに於けるバレアリック・ミュージックの先導者であるJose Padillaは、その人気が故に00年代に入ると"Cafe Del Mar"や"イビサ・バレアリック"などといった言葉のみが一人歩きしていたようにも思われる。メジャーに寄り過ぎていただろうし、制作面でもその活動はほぼ停止してしまっていた。しかし、そんな彼を再度ダンス・フロアへと引き戻したのが現在のバレアリックを体現するInternational Feelであり、同レーベルからリリースされた『So Many Colours』(過去レビュー)には確かに現在のダンス・フロアとも密接にリンクするバレアリック・ミュージックがふんだんに詰まっていた。本作はそんなアルバムからのシングルカットとなり、アルバムの中でも特にキュートかつセンチメンタルな、つまりは甘酢っぽい郷愁を放つ"Lollipop"のリミックス作品となっている。オリジナルのEPバージョンである"Lollipop (12 inch Version)"は当然その夕暮れ時の切なさに満ちていてかっちりしたグルーヴも走るバレアリック・ハウスだが、フレンチ・ハウスのベテランであるI:Cubeがリミックスした"Lollipop (I:Cube Remix)"は趣向を変えて、キリッと引き締まったテクノ寄りな硬めのリズムも持ち出しつつもぼやけたような淡いパッドと管楽器のような奇抜なメロディーを加えて、彼らしい捻りの効いたディープ・ハウスとなっている。I:Cubeは更に"Lollipop (I:Cube Casiotone Reprise Mix)"も提供しており、こちらはオリジナルの雰囲気を継承しながらカシオトーンの可愛いシンセの音色を強調し、よりしっとり感を出したメランコリーなダウン・テンポを披露している。そして最もダンサンブルなリミックスを行ったのが近年のリイシューで再度注目を集めているDream 2 Scienceで、"Lollipop (Dream 2 Science Remix)"はフルートとヴィブラフォンの柔らかく優しいメロディーと滑らかに横揺れする4つ打ちで90年代NYハウスの匂いを強く漂わせるオールド・スクールな作風で、奇を衒わない実に直球ハウスな内容だ。どのリミックスにもそれぞれの持ち味があり、全曲外れ無しと素晴らしい。



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| HOUSE11 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/7/15 TIMEWARP ~I:CUBE "M" MEGAMIX WORLD WIDE TOUR~ @ Eleven
DJ Alex From TokyoとTRによるレギュラーパーティーであるTimewarp、今回のゲストはフランスはパリからChateau FlightのメンバーであるNicolas ChaixのソロワークであるI:Cubeが呼ばれていた。I:Cubeと言えば個性的でありユーモアのあるフレンチ・エレクトロを一貫して鳴らし続けていたアーティストであるが、滅多に来日しないアーティストが今回はライブを披露すると言うので期待を胸に遊びに行ってきた。
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| EVENT REPORT3 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I:Cube - "M" Megamix (Versatile Records:VERCD025)
I:Cube -
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フランスはパリの最新のモードを発信するVersatile Records、その中心にいるのがGilb'RとNicolas ChaixによるChateau Flightだ。二人の異なる音楽性が交わる事によって生まれるダンスミュージックは、デトロイト・テクノやディープハウス、ブロークンビーツやジャズなどがエレガントに融合し、フランスに対する美のイメージを喚起させる。今回はそんなChateau FlightのNicolas aka I:Cube名義でのアルバムが、前作から6年ぶりに届けられた。エレクトリック・ミュージック
に影響を受けたI:Cube単独での作品と言う事もあってか、Chateau Flightに比べると湿っぽさや生っぽさは隠れて奇天烈な電子音が飛び交うダンスミュージックが大量に並んでいる。開放感のある楽天的なディスコに低空飛行を続ける暗めのミニマル、浮遊感のあるテックハウスに万華鏡のような幾何学的な美しさのあるダウンテンポなど、実に多彩な音を聞かせているがエレクトロニックな煌く音質の統一感は感じられる。1時間のアルバムの中に先行EPとしてリリースされた曲も含め24曲がミックスされている事もあってか、良い感じで盛り上がってきたと思いきや即座に次の曲へと入れ替わり、目まぐるしい展開はなかなか一つの世界感に没頭させずに大量の情報で意識を困惑させトリップ感を生み出すようでもある。勿論I:Cubeらしいアクの強さとエレガンスを自然と両立させてもいて、ただ単にお洒落なだけのフレンチ・ハウスとは一線を画しダンスミュージックに対する深い造詣が感じられる前衛的なアルバムだ。



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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tête - Rotor (Innervisions:V31)
Tête - Rotor
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昨年もベルリンディープハウスシーンを引率していたInnervisionsは、今年も年明け早々から強力なトラックをリリースしました。Têteなる初めて耳にするユニットですが、実は現在脂の乗っているChateau FlightからI:CubeとÂmeからFrank Wiedemannと言うInnervisionsで活動する二人のコンビ。レーベルインフォによればJupiter-6やTB-303、TR-808等のヴィンテージなアナログ機材を元に二日間で制作されたトラックを収録との事。タイトル曲の"Rotor"は妖艶な上物がアルペジオを奏でながら別の発信音らしき音が淡々と鳴り続け、微細な変化のあるミニマルな展開にどっぷり嵌めるハウス。一見地味ながらもスルメの様な味わいがあります。そして裏面の"Zuckerzeit"、初っ端からおどろおどろしい狂気の滲み出るダークな音が出てくるが、しかし途中から上昇気流に乗っていつの間にか心地良いトリップ感に包まれるテックハウス。単純な展開の様でSEやら色々な音色が細かく配置されていて、アート的にも感じられる芸術的なトラック構成は、Chateau FlightとÂmeと言うメンバーが揃っただけの事がありますね。しかしInnervisionsのアナログ盤のパッケージは毎度の事手がかかっていて、アナログを買う事で満足度が高まります。そんな面も含めてInnervisionsの音楽性はアート的ですね。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Gathering - In My System (Remixes) (Silver Network:SILVER029)
The Gathering - In My System (Remixes)
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シカゴディープハウスの巨匠でありながら、近年のジャーマンディープハウスにもリンクして再度注目を集めているChez Damier。昨年はThe Gathering名義(ユニット?)の"In My System"がまたも大ヒットとなるなど熱い状況が続いておりますが、その熱も冷めないうちに更にリミックスEPが到着。A面にはリエディットやビートダウン方面で躍進中のThe Revengeがリミックスを提供しており、普段とは作風の異なるアシッディーで不機嫌なシカゴハウス風のディープハウスを披露しています。オリジナルのメロウさは抑えクールで無機質にしつつ、不思議なSEも加えてどこかミステリアスな空気漂う簡素なスタイルへと削り落とした印象。そしてB面にはフレンチハウスの第一人者・Chateau FlightからI:Cubeが、極上のプログレッシブハウスなリミックスを提供。最近のI:Cubeの音楽性は以前からは想像も出来ない程に大箱向けなプログレッシブハウス寄りになっているけれど、その違和感以上に力強いダンストラックの魅力が優っているのも事実。本作でもハードで図太いキックの上にサンプルボイスをループさせ、奥行きを感じさせるダビーな音響とど派手なシンセで空間を埋め尽くして、眼前に圧倒的な音の壁が立ちはだかる様です。これはフロアで聴いたら絶対盛り上がるのは間違い無いでしょう。ちなみに私はアナログ盤を購入したのですが、デジタル配信だと更に3つのリミックスも収録されている模様。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ripperton - Miegakure EP (Green Records:GR09.2)
Ripperton - Miegakure EP
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元Lazy Fat Peopleの一人・Rippertonが、今年リリースしたアルバムからシングルをカット。リミキサーにはフレンチハウスの先駆者であるChateau FlightからI:Cubeと、オランダのMark Augustなるアーティスト。注目すべきはI:Cubeが手掛けたプログレッシヴハウス方面、そして大箱向きなエレクトロニックハウスなリミックス。Chateau Flightと言えば兎にも角にもフィルターハウスと言う認識もあったでしょうが、今回は壮大な音響空間を生み出したプログレ系。原曲の線の細いメロウなボーカルハウスの色を一気に塗り替えて、メロウな旋律は残しつつダビーな音響で広い空間を感じさせリズムも図太く低音を効かせたピークタイムチューンへと肉付け。どこか儚げなで物哀しい雰囲気も、フロアの爆音で聴いたらうっとり陶酔するに違いないでしょう。対してMark Augustのリミックスはオルゴールらしい音がドラマティックに展開し、どちらかと言うとリスニング向け、又はピークまでにじわじわと深みにはめて行くタイプのリミックス。真夜中の墓場を散歩するようなおどろおどろしさも感じられます。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/06/26 Spinning Vol.2 @ 渋谷 Bar&Cafe特異点
友達と開催している"Spinning"の第二回は色々と課題は残っておりますが、無事終了しました。自分達レギュラー陣は割と大人しい選曲でメロウなハウスだったり緩めのセットでそんなに上げない内容でしたが、ゲストのDJ Aprilさんは古いシカゴハウスをパワフルにプレイしていかにもパーティー的な内容で盛り上げてくれました。時代が変わろうと本当に良い曲は変わらない良さがある訳で、そんな事を再認識させてくれるプレイだったと思います。

また次回に繋げる為に工夫なり努力が必要だと感じる点が多かったのですが、また必ずや次回開催したいと思います。遊びに来て頂いた皆様、どうもありがとうございました。

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| EVENT REPORT2 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I:Cube - Picnic Attack (Versatile Records:VER006)
I:Cube - Picnic Attack
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フランスのクラブミュージックと言えば自分の中で真っ先に上がるのが、テクノのLaurent GarnierとそしてハウスのChateau Flight。この二人はフレンチテクノ・ハウスでは絶対に外せないアーティストです。そしてChateau Flightのメンバーの片割れ・Nicolas ChaixことI:Cubeの1stアルバムにして傑作なのが本作。一時期は兎にも角にもフレンチハウスが流行っていた時期があったけど、そんな中でも本作は特に輝いている一枚。近年のI:Cubeと言えば雑食性を帯びてバラエティーに富んできているけれど、この頃はまだ真っ当にフィルターハウスを中心に作っていた頃。薄膜が張られた様な薄い4つ打ちのグルーヴながらも、逆にそれを生かした緊張感と繊細で煌く音色はフランスの耽美さを端的に表していて、芸術性の高いトラックが連なっています。フィルターハウスと言えばシカゴハウスも得意とする分野なんだけど、シカゴの音に比べるとフレンチのそれは下品じゃなくてやはり優雅で上品さが漂っているのよね。中には"Picnic Attack"や"Disco Cubizm"(Daft Punkがリミックスして大ヒットした名作)の様なイケイケでファンキーな曲もあるけれど、上品さも決して損なわれないのです。ついでにそんなフィルターハウスに混ざって、当時別に流行っていた西ロンを意識したジャジーなブロークンビーツも数曲収録されております。片手間に手掛けた訳じゃなくブロークンビーツのトラックもかなり本気と言うか、複雑なリズムに拘りがあって生きているグルーヴが存在しているね。ワインでも飲みながら聴いて、エレガンスな一時を過ごして欲しいと思います。



Check "I:Cube"
| HOUSE5 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz / Âme / Dixon - The Grandfather Paradox (BBE:BBE120CCD)
Henrik Schwarz / Âme / Dixon-The Grandfather Paradox
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ミニマルミュージックとはなんぞや、そんな問いに応えるべくInnervisionsメンバーが勢揃いし50年に渡るミニマルミュージックをミックスした面白いコンセプトのMIXCD。つまりはテクノ以前のミニマルをも包括した内容で、現代音楽のミニマル代表格・Steve Reichやジャーマンエレクトロニクスの奇才・Conrad Schnitzler、Yesにも一時期参加していたPatrick Morazに混じって、デトロイトミニマルのRobert HoodやフレンチハウスのI:CubeやLa Funk Mob、ポストロックのTo Rococo Rotなどジャンルを軽く超越した選曲になっております。展開的にはかなり地味な部類でひたすら淡々とテンション低めで繋げていくリスニング仕様なんですが、一曲一曲がかなり奇抜な音を放っていてミニマルと言う枠を超えたエレクトロニックミュージックの変態性を感じられるミックスだと思います。どれ一つとしてまともな所謂ポピュラーな音を感じさせる事はなく、感情を排した電子音が無限とも思われる時間の中で繰り返されるのみ。しかしその反復の中で見えてくるミニマルの恍惚感、反復から生じる覚醒感は、ミニマルミュージックにしか成し得ないものかもしれません。実力ある3人が揃った割には地味だと感じるかもしれませんが、麻薬的にはまる深い世界観はやはり一級品。折衷主義的ミニマルに酔いしれろ。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Muting The Noise 01 (Innervisions:INNERVISIONSCD02)
Muting The Noise 01
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現在、ミニマルやハウスと言った音楽では最も注目を集めているであろうレーベルが、ドイツのInnervisions。Âmeの大ヒットに続き、Tokyo Black Star、Henrik Schwarz、Marcus Worgullら注目株だけでなく、フランスのテクノ伝道師・Laurent GarnierやChateau Flightさえもこのレーベルから新作を発表するなど、才能あるアーティストが続々とInnervisionsに集結しております。ところで現在のダンスミュージックシーンの最先端を進んでいるであろうInnervisionsですが、本作はビートレスな曲中心の非ダンスミュージック的なコンピレーションです。"Muting The Noise"と言うタイトルからも分かる通り、肉体に躍動を呼び起こすのではなく精神に安堵と快適をもたらすはずの静かな内容です。と言ってもアンビエントやチルアウトの様に浮遊感があって底抜けに享楽的かと言うとそうでもないし、内省的でどこか重苦しさを感じます。シンセの音色などは美しいけれどInnervisionらしいドゥープな面も見え隠れしていて、快楽の中に一滴だけ毒液が注入された様なイメージ。個性が強いので場合によっては逆に落ち着けなくなる様な音ではありますが、Innervisionsがそれだけ独特の音を放っていると言う事かもしれません。ジャーマンプログレの大御所・Klaus Schulzeを参加させたのは驚きですが、相変わらず18分と長尺な曲を提供していてどぅぅぅ〜んと気分も重くなりました。

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| TECHNO6 | 18:15 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Jesper Dahlback - Stockholm Mix Sessions 2 (Turbo:TRB60102)
Jesper Dahlback-Stockholm Mix Sessions 2
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DK、Lenk、Sunday Brunch、Svekなど20以上に渡る名義で活動し、テクノ、ディープハウス、エレクトロ、アシッドなど様々なジャンルの方面でヒットを飛ばす若き才人・Jesper Dahlback。Adam Beyerと共作している事からもJesperの作風はハードな物と決め付けていたのですが、以前にリリースしたMIXCDでは耽美なディープハウスを回していてびっくり!トラックリストにI:Cube、Metro Area、Luomo、Next Evidenceなどが名を連ねている辺りで想像は付くと思いますが、全編メロウで緩めなムードのディープハウスでこれが心地良いんですわ〜。ハウスと言っても黒さは殆ど無しで欧州産の洗練された上品な甘さが漂う内容で、がっつり踊るクラブ向けと言うよりはスイーツな大人が集まるラウンジ向けのラグジュアリーなハウス。勿論馬鹿にしてる訳じゃなくて、それ位アダルティーな空間を演出するのにはぴったりな音だと言う事です。なんでこれはお家で聴いても当然気持ち良い訳で、夜中にワインを用意して自己に陶酔しながら聴くのが一番の効果的な聴き方なんじゃないでしょうか。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2006/06/24 Fête de la Musique @ 東京日仏学院
土曜日は久しぶりに野外イベントに行ってきましたよー、雨との予報ながらも晴れたので気分もウキウキ。野外イベントと言ってもダンスミュージックオンリーのイベントではなく、東京日仏学院で行われた音楽祭なのです。ただフランス関係の学校と言う事もあり、トリを飾ったのはフランスのアーティストであるI:Cube。みんなもご存じChateau Flightの片割れですよー。しかもそれがただで見れちゃう挙げ句、この時にプレイする曲目はプラネタリウムの為に作った音楽なのです。
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| EVENT REPORT1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I:Cube - Live At The Planetarium (Versatile:VERCD016)
I:Cube-Live At The Planetarium
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昨年12月から日本科学未来館で公開されているプラネタリウムでは、Rei Harakamiが提供した音楽が流されているそうです。テクノとプラネタリウムの相性は良いのか、フランスでも2005年6月にプラネタリム鑑賞会においてテクノのライブ演奏が行われていました。フランスにおけるハウスシーンの重鎮Chateau Flightの片割れであるI:Cubeは、そのプラネタリウムの為に完全新曲となる55分のコズミックジャーニーを創り上げたのでした。Chateau Flightと言えばフレンチハウスの雄ながらもデトロイトテクノから強く影響を受け、フランスのモダンな優雅さとロマンチックなデトロイトの空気を見事に調和させたユニットでもあります。ただ今までは少々遊び心に溢れていたりユーモアを先行させる面もありましたが、このサウンドトラックではコズミックでデトロイトの未来への希望を匂わせる面を前面に出しています。今までのカッティングエッジに富んだ音楽から、一気に懐古的な音楽にまで後戻りしてしまった彼の思いがいかなるものかは想像出来ませんが、デトロイトテクノ好きな僕にはそれはもはやどうでも良い事です。この作品は元々全体の流れを通して聴く物である為曲毎にタイトルはつけられておらず、よりイマジネーションが働く作品となっております。耳を傾けている内に徐々に暗闇が広がっていき、無限の宇宙には星や惑星が浮かび上がり、長い長い永遠の旅に引きずり込まれていきます。心地は良いけれど快楽的なアンビエントではないし、チルアウトでもない。この感覚はどろどろと強烈な思考が渦巻く、70年代のジャーマンプログレッシブロックのコズミック感覚に近いものがあります。部屋を真っ暗にし想像力をかき立て、内なるインナーシティーにダイブして欲しいと思います。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I:Cube - 3 (Versatile:VERCD011)
I:Cube-3
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フレンチミュージックの紹介が続けば、フレンチハウスシーンをアンダーグラウンドな面から支えるVersatile Records関連も紹介せねばいかん。特にレーベル設立者であるGilb'Rと友人のI:Cubeから成るChateau Flightは、ファンクやソウル、ジャズのエッセンスをデトロイトテクノやハウスと融合した華麗なる音楽を送り出している。さてVersatile Recordsの中で一番の働き者と言えばI:Cubeな訳で、複数のEPと4枚のアルバムをリリースしている。このタイトル通りの彼にとっての3枚目のアルバムは、より深化を遂げてモロにハウス基調の曲は少なくなってきている。そう言った変化が好き嫌いがあるにはせよ、現代風のクラブジャズやディスコ調のビートを持ち込み、デトロイトテクノから引き継がれる流麗なシンセサウンドを多用した事により、円熟味のあるディープなエレクトロニックミュージック化している事は認めねばならない。メジャー路線で分かり易い音楽で知名度上げたDaft Punkらに対し、I:Cubeは総合的なダンスミュージックを咀嚼・再構築し、クラブシーンでの支持を得てきた訳である。何と言っても色々なジャンルを取り込もうとも、I:Cubeの音楽には一貫して華麗で凛とした耽美さが封じ込められている。これこそフレンチハウスシーンで僕が最も好きな点であり、またそのシーンを特徴付けているものではないかと思う。安易なフレンチフィルターハウスに負けない渾身の一枚。



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| HOUSE2 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Playgroup - DJ Kicks (Studio !K7:!K7127CD)
Playgroup-DJ Kicks
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Four Tet、Black Strobe、DK7、Colder、MU、The Raptureなどなどテクノやハウス、ロック、ニューウェーブを今風に鋭く表現するユニットが、Outputと言う一つのレーベルから作品をリリースしています。ここら辺のジャンルは自分はいまいち疎いので良く分からないんですけど、前述のアーティストはどうやら人気があるらしく、一種の流行なんかになっているみたいです。DK7はJesper Dahlbackのテクノユニットだし、MUはエレクトロパンク、Four Tetはポストロックだし、いまいちレーベルの方向性は分からないのですが刺激的な音を送り出している事は間違いなさそうです。そのOutputを設立したのがPlaygroupのTrevor Jacksonで、刺激的なレーベル運営を続けさせている彼の嗅覚がこのMIXCDに顕著に現れています。ディスコやハウス、そして大半は80年代調のニューウェーブやをディスコダブ中心で、脳天気なゆったりした展開でありつつも殺伐とした閉塞感が漂っています。激しくはないのにこの尖り具合は社会への反抗の様であり、パンクでありロック。普段4つ打ちを聴く自分ではこれじゃあ踊れないけれど、ニューウェーブ調の廃退的な音に刺激されます。昔のNew OrderやDepeche Modeが好きな人は、グッと来る物があるんじゃないでしょうか。

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| ETC1 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Versatile Mixtape Mixed By Dj Gilb'r (Versatile:VERCD012)
Versatile Mixtape Mixed By Dj Gilbr
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フランスで一番お洒落で上品なハウスレーベルと言えば、真っ先に思い浮かぶのがVersatileです。レーベルを主宰するChateau Flightを筆頭に、Pepe Bradock、Next Evidence、Phil Asher、Kirk Degiorgio、Future Beat Alliance、Franck Rogerなども作品をこのレーベルから発表するなど繊細で美しい楽曲を得意とする人達が集まっています。今作はVersatile音源からChateau FlightのI:Cubeが選曲を、DJ Gilb'Rがミックスを行っています。しかしハウスは世界中に色んな音があれど、ここまで洒落ていてキザな音はそうは無いんじゃないでしょうか。しかもただの洒落たハウスじゃなくてクラブでも使用出来るリズム感もあるし、メジャーに対して尖った感覚も持ち合わせています。お洒落なハウスは数あれどそういった物に埋もれる事もなく、Versatileとしてレーベルカラー・上品さと硬派さがしっかり出ていますね。ハウス、ジャジー系、ディスコ、テクノなど色々な物がミックスされていますが、どこを切っても上流階級の様にエレガンスで、侍の様に男気に溢れています。目玉は何と言ってもChateau Flightの「Cosmic Race」でしょうか。究極にエレガンスと繊細を極め、クリスタルの結晶に光が乱反射する様な美しさを発しています。他にもうっとりメロメロになる曲ばかり。静かな夜のお酒のお供にどうでしょうか?

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| HOUSE2 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chateau Flight - Puzzle (Versatile:VERCD004)
Chateau Flight-Puzzle
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フランスのハウスシーンと言えばやっぱりDaft Punkなんだろうけど、僕はI:CubeとDJ Gilb'Rから成るChateau Flightが一押しです。Chateau Flightと言えば近年の「Cosmic Race」が大ヒットしたので、耳にしている人も多いんではないかと思います。まあハウスだからと言ってNY系を想像してもらうと全く違うのですが。むしろデトロイトやジャズからの影響が大きくて、ブロークンビーツが中心ですね。キラキラした感じはデトロイトからの影響を感じるし、フレンチユニットらしくお洒落と言うか洗練されています。生っぽい楽曲を生かしてリズミカルなジャズテイストなんだけど、余り音は一杯詰め込んだりしていないので非常にすっきりしています。と思いきや中にはエレクトリックで神秘的な曲もあったり。こうゆうのを聴くと自分がハイソになった気分がしてくるのは、思い込みでしょうか。まあフレンチハウスだしお洒落である事は間違いない…かな?Ian O'Brienの「A History of Things to Come」なんかが好きな人には合いそうですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:55 | comments(0) | trackbacks(0) | |