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Amp Fiddler - Amp Dog Knights (Mahogani Music:M.M 41 CD)
Amp Fiddler - Amp Dog Knights
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先日来日ライブを行ったばかりと近年精力的な活動を見せるデトロイトのベテランであるAmp Fiddler。2018年にはデトロイトのファンクバンドであるWill Sessionsとの共作である『The One』で、バンド演奏を中心としたライブ感溢れるソウルやファンクを披露していたが、元々はPファンク軍団でもキーボードを担当していただけありDJではなくプレイヤーとしての面からの音楽性で評価されるアーティストだ。しかしその前作でもある2017年にMoodymann率いるMahogani Musicからのリリースとなった本作は、当然クラブ・ミュージック寄りの内容とはなるがファンクだけでなくハウスにR&Bやヒップ・ホップなど、つまりはデトロイトの黒人音楽が息衝く内容で、そこには前述のWill Sessionsをはじめとしてデトロイトに根ざしたAndresや故James YanceyことJ Dillaに注目株のWaajeed、本作で多くの曲でボーカルを担当するNeco Redd、そして勿論Moodymann自身も制作に加わるなど多くのゲストを招いて、ソロ作品ながらも様々な表現を見せている。オープニングはラジオ番組を再現したようなサンプリングから始まるざっくりグルーヴィーなヒップ・ホップで、スモーキーな音像は正にデトロイトのビートダウン様式と言えよう。続く"Return Of The Ghetto Fly"は過去の作品のリメイクとなるが、ここではJ Dillaのトラックも用いてヒップ・ホップのリズムとPファンクの熱いゴージャス感があるコーラスが混じる熱量と粘性の高い曲となり、濃厚なブラック・ミュージックを展開する。"It's Alright (Waajeed Earl Flynn Mix)"は先行EPをWaajeedがリミックスした曲だが、かなりロービートでヒップ・ホップ寄りだった原曲よりも優しさに満ちたシルキーな響きのR&Bとなり、艷やかな官能に魅了される。勿論Mahogani直系な紫煙が揺らぐスモーキーで訝しくもソウルフルなハウスの"Good Vibes"もあれば、Will Sessionsも参加して舐め回すようなどぎつさがあるPファンク全開な"Put Me In Your Pocket"もありと、多くのアーティストを起用する事で多彩な音楽性に繋がっている。アルバムの後半も盛り上がり所は多く、メロウなコーラスを用いてしっとりと聞かせるざっくりと湿っぽいヒップ・ホップ"It's Alright"から、囁き声の色っぽい歌でMoodymannをフィーチャーしてアルバム中最もアダルトかつセクシーなR&Bとして聞かせる"I Get Moody Sometime"、そして何とNYハウスの大御所であるLouie Vegaが期待通りに力強くハウスの4つ打ちを刻みながらもエレピやシンセが華麗に彩るリミックスをした"So Sweet (Louie Vega Remix)"と、ダンス/リスニングといった区分けも関係なくこれぞMahoganiの熱くソウルフルなブラック・ミュージック節が全編貫いている。やはりキーボード奏者でジャズやファンクをルーツにするだけあって構成能力に長けたアーティストとしてどれも耳に残る魅力があり、ハウス・ミュージックという区分だけで聞くにはもったいない名作だ。



Check Amp Fiddler
| HOUSE14 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Waajeed ft. Ideeyah - Strength EP (Dirt Tech Reck:DTR14)
Waajeed ft. Ideeyah - Strength EP

かのJ Dillaもメンバーであったデトロイトのヒップ・ホップ集団であるSlum Villageの元メンバー、そんな肩書きを持つRobert O'BryantことWaajeedはヒップ・ホップを嗜む人にとっては知っていて当然の存在なのだろうが、そうでない当方にとっては馴染みは薄い。しかし近年Sound SignatureやPlanet Eといったデトロイトの大御所レーベルからのリリースやAmp Fiddlerへのリミックスの提供もあり、ハウス・ミュージックの方面からも目に付くようになっていたが、自身が主宰するDirt Tech Reckからのこの作品を聞いてWaajeedはハウスへと傾倒している事を確信している。本作はリリースされたばかりの『From The Dirt LP』の先行EPだが、特筆すべきは同じデトロイトから新世代として頭角を現しているJay DanielやUR一派のJon Dixonをリミキサーに起用している事で、もしWaajeedを知らない人にも興味を抱かせるような人選となっている。勿論オリジナルの曲もソウルフルなハウスとして素晴らしく、Ideeyahの優しく包容するような感情豊かな歌、そしてカラッと乾いたパーカッションが爽快に響き優美なピアノのコード展開やコズミックな電子音が飛び交う"Strength (Original Mix)は、じんわりと低温状態から温まっていくような渋い流れがある。そしてWaajeedによるもう一つのバージョンである"Strength (Waajeed’s String Mix)"は同様に抜けの良いパーカッションが爽快に弾けながらより強い4つ打ちで疾走し、エモーショナルなシンセストリングスが躍動的に展開するややゴージャスな作風で、デトロイト・ハウスのポジティブな方面に属す希望を高らかに歌い上げる曲だ。面白いリミックスとなったのは"Strength (Jay Daniel Remix)"で、エッジの効いた硬いヒップ・ホップのリズムへと塗り替えつつそこにデトロイトらしい叙情性のあるパッドを配し、フュージョン風な煌めくシンセの旋律で豊かな味付けを加えている。最もデトロイト・ハウスらしい雰囲気があるのは"Strength (Jon Dixon Remix)"で、オリジナルの作風を大きくいじる事はせずにリズムをややかっちりと硬く強調し、そしてドラマティックな展開を生むデトロイトよろしくなシンセストリングスを用いて壮大にポジティブな光で包み込んでいく作風は、正にUR一派らしいHi-tech Jazzの延長線上といった作風だ。デトロイト好きにとっては堪らないリミキサーの起用でそれぞれが期待通りのリミックスを披露しているが、オリジナルの2曲もアルバムへの布石という点で十分に聴き応えがあり、Waajeedのハウス・ミュージックの方面での評価を上げる事は間違いないだろう。



Check Waajeed
| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tornado Wallace - Lonely Planet (Running Back:RBCD09)
Tornado Wallace - Lonely Planet
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にわかに注目を集めるオーストラリはメルボルンのダンス・ミュージック、その中でもバレアリックやディープ・ハウス方面で特に人気があるアーティストがTornado Wallaceだ。Delusions Of GrandeurやInstruments Of Raptureからは黒さも滲むディープ・ハウスを、Beats In SpaceやESP Instituteからはバレアリック的な開放感のあるハウスをリリースし、そしてまたアシッド・サウンドを用いた荒々しい曲も制作する傍ら手腕を買われJose Padillaのアルバム制作にも参加するなど、忙しない程に活況な音楽活動を見せている。初めてEPをリリースしたのが2010年なのだから初のアルバムまでに7年もかかってしまった訳だが、ようやく期待の作品が届けられた。7曲で36分とボリュームは少な目ではあるもののその内容は集大成として感じられ、今までに彼が展開してきた作風が一つのアルバムに纏まっている。始まりはアルバムタイトルである”Lonely Planet”からで、環境音らしきサンプリングを交えた壮大な旅を予感させるおおらかな展開で、土着的なドラムやパーカッションも加わったかと思いきやメランコリーなシンセによってバレアリック・ジャーニーへと誘い込まれていく。続くもダウンビートながらもロウなリズム感や残響広がるギターを用いてエキゾチック感をアピールした"Trance Encounters"は、音の伸びが開放感へと繋がりゆっくりと見知らぬ異国へと旅立つよう。"Today"はボーカリストのSui Zhenをフィーチャーした歌モノだが、何かパンチのあるキックやスネアに懐かしいアナログシンセ風サウンドは80年代風のポップスを思わせる面もあり、それが懐かしさを誘い出す。小気味良いグルーヴ感ながらもその上をゆったりと流れる大らかなシンセ、"Warp Odyssey"は典型的なバレアリック・サウンドであり、リラックスした空気が通底する。その流れに乗って感動がピークへと達するのが"Voices"で、尺八らしき和の音に哀愁のギターサウンドと透明感のある電子音が繰り広げる嬉々とした世界観、途中からはしっとりとしたドラムやアシッド・サウンドも加わって、ドラマティックな映画のサウンド・トラック的な流れも。アルバムを通して聞いてみた後にはニューエイジ的な思想も感じられ、現代から先祖返りしたような原始的なムードもあり、その懐古的な響きがバレアリック感を更に強めていたのだろう。昼間から現実逃避をして心地良い夢に浸れそうなアルバムである。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
EMMA HOUSE XX Non Stop Mixed By DJ EMMA 30th Anniversary (Universal Music:UICZ-9075)
EMMA HOUSE XX Non Stop Mixed By DJ EMMA 30th Anniversary
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1985年にDJ活動を開始してから芝浦GOLDやSpace Lab Yellow等伝説的な箱でレギュラーパーティーを開催し、また早くからクラブの臨場感を宅内でも体感させるMIXCDの制作に積極的に取り組み、現在も尚シーンの最前線でDJとしての生き様を見せるEMMAは、日本のダンス・ミュージックに於ける生き字引の一人と呼んでも過言ではないだろう。本作は2015年にDJ活動30周年を迎えた事を記念するMIXCDであり(リリースは2016年10月)、またシリーズとしても20周年目の通算20作目と、記念づくしの『EMMA HOUSE』シリーズの最新作である。彼の音楽を現す『EMMA HOUSE』にはハウスという言葉が使われているが、決してハウスだけではなくテクノやロックにアシッド・ハウスまでも網羅した分け隔てないダンス・ミュージックのプレイが前提であり、当然本作もそんな彼のクラブに於けるプレイがそのまま閉じ込められている。Disc1は彼の音楽性では最も特徴と思われるソウルフルなNYハウスの"A Deeper Love (A Deeper Feeling Mix)"で始まり、いきなり胸を熱くするソウルフルな歌によってぐっと引き込まれていく。続くピアノの華やかなコード展開に盛り上がるピアノ・ハウスの"Soul Roots (Piano House Mix)"、現在形のロウでトリッキーなハウスである"Looking 4 Trouble"から90年代のハードなハウス時代を象徴する"Jumpin"へと繋がれるなど、ある種のクラシック的な趣きでがつがつと攻める前半。そしてEMMAの中で再燃するアシッド・ハウスの勢いを爆発させた"Acid City"から"The Original Disq Clash (DJ EMMA Jesus Remix)"へと流れは正に現在と言う時代性も含んでおり、そこからイタロ・ディスコ名作の"Chase"やハードロック・バージョンの"I Feel Love"へと古き時代に戻り懐かしさを誘いつつ、ラストにはこれまたハウス・パーティーでは定番とも言える"You Are The Universe (Curtis & Moore's Universal Summer Groove)"で幸せなパーティーの空間を共有する雰囲気を作って上手く纏めている。Disc2も古き良き時代のゴスペル・ハウスやレイブ・アンセムから現在のバレアリック・ミュージックやソウルフル・ハウスまで、過去と未来を同列に混在させる選曲で実に感情的に実にドラマティックに聞かせるプレイで、これこそEMMAの魂を震わすDJなのだ。驚くべき展開は無いかもしれない、流行を意識する事もない、そんな事に頼らずともクラブでのパーティーで培われた経験を元に実直に音楽に向き合った結果、真っ直ぐにプレイする事が感情が最もダイレクトに伝わる事を証明しているかのようだ。

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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Telephones - Vibe Telemetry (Running Back:RBCD08)
Telephones - Vibe Telemetry
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2014年にRunning Backからリリースされた「The Ocean Called EP」(過去レビュー)を契機に、その後はJose Padillaによる久しぶりのアルバムでの共同制作も行い一気に注目を集めたノルウェーのHenning SeverudことTelephonesは、バレアリックの新風の中で特にアルバムの完成が待たれていた一人だろう。その音楽性は真夏の弾けた多幸感、トロピカルかつドリーミーなリゾートの雰囲気、澄み切った青々しい爽やかさ、輝かしい程の太陽光に包まれたオーガニックな感覚などいわゆる閉鎖空間で圧迫感のあるクラブとは真逆の開放感溢れる野外でこそ映えるであろうバレアリックなもので、だからこそ本作は真夏のシーズンに間に合っていればという思いはあるが、それを差し引いても期待に答えた素晴らしいアルバムだ。幕開けはノンビートのアンビエント系である"147 Stars"で、遠くに南国の鳥の囀りも微かに聞こえつつ色彩豊かな電子音がねっとりと融けて徐々に胎動を始めるような曲は、この後の大らかなバレアリック・ジャーニーを予感させる。続く"Sierra"ではキレのあるハイハットや安定感あるキックによって軽やかにリズムが弾け、そして輝かしくピュアな響きのピアノコードが嬉々とした感情を誘発し、ややイタロ・ハウス的なゴージャスさも持ち込んで一気に視界は開けていく。奇妙な電子音のリズムに引率される"Tripping Beauty"はマリンバのミニマルな反復がエキゾチック感を生み、未知なる世界が待つ密林奥地へと足を踏み入れるトロピカル・ハウスだ。アルバムには複数のインタールも用意されており、虫の鳴き声らしきサンプルなど環境音が用いられた"Highs and Bungalows"や意識もカラフルな電子音の中に融解するドリーミー"Expanse"など、ダンスの合間にはほっと一息ついてリラックス出来る瞬間もある。アルバムの後半でも底抜けの多幸感が色褪せる事はなく、トライバルな太鼓が爽やかなグルーヴを刻み澄んだ電子音が湧清水のように溢れ出してくる"Entropikalia"や、正にイビサ・バレアリックを体現する黄昏時の切なさが滲み出るディープ・ハウスの"Dtmf"など、アルバムのラグジュアリーでリゾート感覚に統一された世界観はTelephonesに期待していた物が見事に反映されている。本の束の間の南国への旅行は心身を解放へと導き、穏やかな至福の時間を作る事は間違いなく、イビサを体験した事がない者にもバレアリックな感覚を少しでも味あわせてくれるだろう。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Len Leise - Lingua Franca (International Feel Recordings:IFEEL049)
Len Leise - Lingua Franca
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現代のバレアリック・ミュージックを体現するレーベルの代表格と言えば、Mark Barrottが率いるInternational Feel Recordingsである事に異論を唱える者は少ないだろう。DJ HarveyのプロジェクトであるLocussolusやイビサを代表するJose Padilla、そして日本からはGonnoやSteve Cobbyなどそうそうたる顔ぶれが並んでおり、このレーベルから作品をリリースする事は成功する事を半ば保証されている。そして、レーベルが新たに立ち上げたミニアルバム・シリーズの第一弾に抜擢されたのは、メルボルンのレコード・コレクターであると言うLen Leiseによるものだ。何でもBarrottがLeiseのカセット作品を惚れ込みレーベルから作品をリリースする事を打診し、その結果として2014年には「Music For Forests」をリリースする事に成功したそうだが、そこでの高評価が本作へと繋がったのだろうか。本作ではどうやら曲によってはとある地名が曲名に盛り込まれているようで、それを眺めるだけでも世界各地を旅するような感覚に陥ってしまう。アルバムはモロッコを意識した"Forlorn Fields"はエキゾチックな鐘の音色とのっそりとした気怠いビートに先導され、続く"Leaving Llucmajor"ではスペインらしい爽やかで情熱的なシンセのフレーズが開放感を生む中で、笛らしき音や弦楽器風な旋律も加わって鮮やかな色彩を帯びる。”Route To Reutov”はロシアのイメージなのだろうが、情熱的なサックスにしんみりするジャジーダウンテンポなものの、全体の印象は何だかトロピカルな感覚もあってInternational Feelらしい。そして辿り着いた先はインドであろう"Mandala Maksim"で、宗教的な怪しさも発する瞑想的な電子音の反復とオーガニックな打楽器の響きは、快適なダンスビートでありながら確かにインドの風景が浮かび上がる。裏面へと移り変わるともっとダンスフロアを意識した曲が現れ、土着臭放つアフロと変異体ディスコが手を組んだ"O Caminho"や木管楽器とベルの音が麗しく躍動する"Tria Bells"と、表面の長閑なバレアリック感とは対照的なエネルギーの高い多幸感が待っている。世界各地を巡るコンセプトとして面白い事もあるが、青々しい自然と共生するオーガニックな響きと豊かな電子音の絡みや抑圧から解放された大らかな作風は正にInternational Feelの音楽性にはまっており、シリーズ第一弾として今後の期待を抱かせるには十分過ぎるだろう。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/4/10 OPPA-LA 15th Special - man""man - & - Apache!- @ Oppa-la
湘南は江ノ島と浜辺を前にした素晴らしい光景を望めるOppa-laは、都内からは遠く遊びに行くのにハードルは高いものの、行けばきっと多くの人が満足出来るであろう素敵なクラブだ。そんな場所も遂に15周年だそうで、この度DJ Hikaruが主宰するApache!と併せて、DJ Hikaru × DJ Nobuによる二人会が日曜の夕方に開催された。真夜中のパーティー、都会的な雰囲気とは異なるクラブでのプレイはまた普段とは異なる魅力がきっと存在する筈だ。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Moonlight Rendezvous (Suburbia Records:SUCD1003)
Good Mellows For Moonlight Rendezvous
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橋本徹が設立したSuburbia Recordsは、正にこの『Good Mellows』シリーズの為であったのだろう。由比ヶ浜にあるバーガーショップ“Good Mellows”でのDJ経験を基に、貴重な音源を用いながらも根本はメロウな音楽の領域を広げる事を目的としたこのシリーズは、橋本が予てから手掛けている『Free Soul』のファンとは異なるクラブ・ミュージックのリスナーにもアピールする内容だ(だからこそ、逆に『Free Soul』のファンにも聴いて頂きたい)。第1弾の"週末の浜辺"から第2弾の"夕暮れ時の感情"へ、そして本作では遂に"月明かりの下のランデブー"へと夜の時間へと入った事を示す内容だ。ありがたい事に毎回アルバムには橋本自身による丁寧な曲解説が収録されているので、こんなレビューを読むよりはもうアルバムを買って聴いて読んで…と思うばかりだが、当方からも作品の紹介はしたいと思う。冒頭には2015年に残念ながら亡くなられた横田進による"Amanogawa"が配置されている。横田と言えばテクノやハウスのみならずアンビエントやディスコなど、奇才とでも呼ぶべき多彩な才能を発揮していた日本のクラブ・ミュージックに於ける先駆者の一人であり、その才能は早くから海外でも認められていた程だ。ここでは正に月明かりに下にいるような、柔らかく優しい音色が天の川のよう連なるアンビエントな曲で、今回のシリーズの幕開けに相応しいだろう。続くLexxによる"All That Is Now"、哀愁のギターが広がるフォーキーな雰囲気でぐっと湿っぽさを増す。次のDonsoによる”Waati”ではアフリカらしい民族的な歌やパーカッションも聞こえるが、可愛らしいエレクトロニクスの使い方のおかげで随分とモダンにも思える。アルバムの途中にはMark BarrottやEddie CにAndrasなど話題のアーティストの楽曲も収録されているが、夜の雰囲気ではありながらもどれも落ち着いていてパーティーの喧騒からは離れた静謐な世界観が発せられる。そして中盤のメロウさがピークに達するPortableによる"Surrender"は、全く無駄のないすっきりとした構成でメロウネスを浮かび上がらせるボーカル・ハウスで、胸を締め付けられる程に切ない。後半の聞き所と言えば間違いなくMarcos Valleによる"1985 (Theo Parrish Remix)"だろう。原曲のメロウネスを全く壊す事なくざらついたビートダウンへと塗り替えた本作は、力強いビートながらも優しく包み込む包容力に満ちあふれている。最後はジャズ・ピアニストのJessica Laurenによる"A Pearl For Iona"で、これまた波以外の音が消え去った浜辺で、しんみりと月を望むような風景が浮かび上がる情緒的な曲でラストに相応しい。多くの曲が初CD化と音楽的に貴重である事は抜きにして、ただただ橋本による夜の風景を喚起させるような想像力のある選曲が素晴らしく、『Good Mellows』という言葉通りの内容にジャンルを越えて愛すべき作品だと感じずにはいられない。さて、次は一体どんな場面、どんな時間帯へと移り変わるのだろうか。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Sunset Feeling (Suburbia Records:SUCD1002)
Good Mellows For Sunset Feeling
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「週末の海辺」から「夕暮れ時の感情」へ、橋本徹による『Good Mellows』シリーズの第二弾は少しずつ時間の経過を現すようだ。メロウというテーマを軸としたシリーズではあるが、この企画に為に新たに立ち上げられたSuburbia Recordは、入手困難な作品やアナログのみの曲を積極的に紹介する方針があり、本作では収録された曲の半分は初CD化とその意味でも大変意義のあるコンピレーションだろう。ただしそれが単にレアな作品を紹介するというだけには留まらず、『Free Soul』の切なく心に染みる音楽をクラブ・ミュージックの方面から解釈したならばとも仮定出来る音楽性は、ダンス・ミュージックが単に踊りの為の快楽的なものだけでなく感情的な面で訴えかける要素がある事も示している。オープニングを飾るのはポーランドの新星であるDas Komplexによる"Like A Fish"で、正にタイトルが示すように船が大海原をゆっくりと航海するような長閑なバレアリックで、旅の始まりとしては適切だろう。続くは近年クラブ・ミュージック側にも影響を及ぼしているイタリアのアンビエント・アーティストであるGigi Masinによる"Clouds"で、寂しげなシンセのリフレインと滴り落ちる切ないピアノのメロディーが、何処までも穏やかな地平が続く世界を喚起させる。中盤のSeahawksによる"No More Raindrops (Steel Pan Dub)"は爽やかなスティール・パンや残響揺らめくギターが空間の広がりを感じさせ、有機的で生暖かいダブ・ハウスといった趣きだ。そこから続くJose Padillaの"Adios Ayer"からMark Barrottの"Deep Water"の流れは、現在のバレアリックを先導するInternational Feel関連の音としての纏まりがあり、また大自然の営みを感じさせる優しいアンビエンスが素晴らしい。アルバムの後半には、頭角を現し始めているAndras Foxによる初期シカゴ・ハウス的な簡素な味わいのメロウさが特徴な"Running Late"、そして最後にByron Stingilyによる軽快なパーカッションと囁くような甘美なファルセットボイスで魅了するボッサ・ハウスの"Flying High (MAW Brazilian Vocal)"と、ハウスのグルーヴで憂いと高揚を伴いながらすっきりと余韻を残す事なく終了する。アンビエントからバレアリック、ハウスからジャズやダブまで景色が移ろうか如くジャンルの変遷も見せながら、全てをメロウで抱擁する夕暮れ時の切ない音楽観には誰しもうっとりと溺れるに違いない。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jose Padilla - Lollipop (International Feel Recordings:IFEEL 046)
Jose Padilla - Lollipop
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90年代のイビサに於けるバレアリック・ミュージックの先導者であるJose Padillaは、その人気が故に00年代に入ると"Cafe Del Mar"や"イビサ・バレアリック"などといった言葉のみが一人歩きしていたようにも思われる。メジャーに寄り過ぎていただろうし、制作面でもその活動はほぼ停止してしまっていた。しかし、そんな彼を再度ダンス・フロアへと引き戻したのが現在のバレアリックを体現するInternational Feelであり、同レーベルからリリースされた『So Many Colours』(過去レビュー)には確かに現在のダンス・フロアとも密接にリンクするバレアリック・ミュージックがふんだんに詰まっていた。本作はそんなアルバムからのシングルカットとなり、アルバムの中でも特にキュートかつセンチメンタルな、つまりは甘酢っぽい郷愁を放つ"Lollipop"のリミックス作品となっている。オリジナルのEPバージョンである"Lollipop (12 inch Version)"は当然その夕暮れ時の切なさに満ちていてかっちりしたグルーヴも走るバレアリック・ハウスだが、フレンチ・ハウスのベテランであるI:Cubeがリミックスした"Lollipop (I:Cube Remix)"は趣向を変えて、キリッと引き締まったテクノ寄りな硬めのリズムも持ち出しつつもぼやけたような淡いパッドと管楽器のような奇抜なメロディーを加えて、彼らしい捻りの効いたディープ・ハウスとなっている。I:Cubeは更に"Lollipop (I:Cube Casiotone Reprise Mix)"も提供しており、こちらはオリジナルの雰囲気を継承しながらカシオトーンの可愛いシンセの音色を強調し、よりしっとり感を出したメランコリーなダウン・テンポを披露している。そして最もダンサンブルなリミックスを行ったのが近年のリイシューで再度注目を集めているDream 2 Scienceで、"Lollipop (Dream 2 Science Remix)"はフルートとヴィブラフォンの柔らかく優しいメロディーと滑らかに横揺れする4つ打ちで90年代NYハウスの匂いを強く漂わせるオールド・スクールな作風で、奇を衒わない実に直球ハウスな内容だ。どのリミックスにもそれぞれの持ち味があり、全曲外れ無しと素晴らしい。



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| HOUSE11 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Seaside Weekend (Suburbia Records:SUCD1001)
Good Mellows For Seaside Weekend
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ジャンルに拘らずに良質な音楽をコンパイルする『Free Soul』シリーズを立ち上げ、そして現在のカフェ・ブームの発端となった仲間と寛げる場所である『Cafe Apres-midi』を手掛けた事で知られる橋本徹。そんな彼が新たに立ち上げたSuburbia Recordsは、入手困難ながらも良質な音楽をアナログ化、またはアナログ音源のみをCD/配信の商用に乗せるなど、彼が素晴らしいと思う音楽をフォーマットの領域を超えて広げていく事を目的としているようだ。そんなレーベルの第一弾は由比ヶ浜にあるバーガーショップ“Good Mellows”でDJを行なった時の経験を端緒としているそうで、タイトルからも分かる通り海辺の夕暮れ時のメロウな感覚を表現おり、『Free Soul』との違いはよりバレアリックやチルアウトの成分が強い事だろうか。オープニングにはいきなりJoe Claussell率いるMental Remedyによる"Just Let Go"を持ってきており、溶けるように絡み合う清らかなアコギとピアノの甘美な調べからは正に夕暮れ時のしみったれた感情が染み出し、人がコントロールし作り出す事の出来ない神聖な風景が目の前に広がるようだ。続く期待の若手であるAxel Bomanによる"Fantastic Piano"も、やはりピアノがフィーチャーされた桃源郷のような世界が広がるダウンテンポだが、単に甘いだけでなく癖のある奇抜な作風がイージーリスニングとは一線を画している。そしてバレアリック最前線のInternational FeelからL.U.C.A.による"Blue Marine"が続き、海鳥の鳴き声と波の音のイントロから始まり広大な海へとのんびりとした航海を始めるような大らかなダウンテンポにより、ジャンルを越えて音楽の旅へと繰り出していく。その後も優美な輝きを放つアシッド・ジャズ、しっとりと有機的なフュージョン・ディスコ、フォーキーなダウンテンポ、夢に浸るアンビエント感のあるニュー・ディスコなど垣根を越えながらも、メロウと言うコンセプトの元に週末の浜辺の長閑ながらも切ないムードに染めていく。アルバムの最後には正に真夏の一曲である憂愁が満ち溢れる"Summer Daze"を橋本徹がエディットしたものを配置したおかげで、しんみりとした余韻を残して最高の流れで幕を閉じる。派手なミックスを必要とせずに一曲一曲をフルにプレイするスタイルは、選曲重視で存分に曲の良さを引き出しながら、海辺のサウンド・スケープを描き出すへと繋がっているのだ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jose Padilla - So Many Colours (International Feel Recordings:IFEEL042CD)
Jose Padilla - So Many Colours
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イビサ・バレアリックを代表する"Cafe Del Mar"の元レジデントDJ…という肩書きは最早不要か、2014年には現在のバレアリック・シーンの席巻するInternational Feel Recordingsから久しぶりとなる新作をリリースし、華々しくシーンへの帰還を示したJose Padilla。そしてその流れを継続して目出度く14年ぶりとなるニューアルバムの本作を完成させた。ここで個人的に述べさせて頂くとPadillaの本業はDJであり、定期的に曲を作っているわけでもなくクラシックになるような曲を残しているわけでもなく、DJと比較すれば決してトラック・メーカーとしては絶賛する対象ではないと思っている。と本人も恐らく自分に足りない物は理解しているのだろうか、本作ではレーベルを主宰するMark Barrottにバレアリック新星のTelephones、ビートダウン系のTornado Wallaceを共同制作として招き寄せ、Padillaのバレアリックな感性を更に現在のダンス・ミュージックに適合する事に成功している。先行EPとなった"Day One"はTelephonesと制作したもので、これは牧歌的なマリンバとラグジュアリーなシンセが官能的に展開する現代版"E2-E4"と呼びたくなるバレアリック・ハウスで、アルバム開始から既にイビサの黄昏に出くわしたような郷愁が待ち受ける。続く"On The Road"ではTornado Wallaceの持ち味であるビートダウン色が出ており、低重心のビートとベースがねっとりとしながらもスパニッシュギター的な情熱的な音色がじっくりと昂揚へと導いていく。そしてこれまた先行EPとなった"Solito"ではMark Barrottが参加しており、こちらは霧が立ち込める生っぽい湿度の中から官能が広がるダウンテンポで、確かにBarrottによる有機的でトロピカルな持ち味が生かされた作品だ。また"Afrikosa"ではPeter KingやJan Schulteとも共同制作を行なっており、土臭い香りを放つ土着的なビートと生々しいうなり声がミックスされた民族的なファンクを鳴らしている。スタイルとしては纏まりには欠けるものの制作に参加したアーティスト毎にその個性が曲へと反映され、夢のような多幸感に満ちたハウスから湿った湿度感が色気を伴うダウンテンポ、ねっとりとしたビートダウンや原始的な力漲るファンクなど様々な要素が融け合いながら、最終的にはPadillaがイビサで培ったバレアリックな雰囲気へと染め上げられている点で、Padillaはリーダー的な立場として存在感を示しているのだ。一人では成し得なかった脳内のアイデアを多数の協力者を得る事により、International Feelらしい現代版バレアリックとして見事に体現している。



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| HOUSE11 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jose Padilla - Day One (International Feel Recordings:IFEEL039)
Jose Padilla - Day One
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バレアリック方面の音楽では飛ぶ鳥を落とす勢いのInternational Feelだが、そんなレーベルから元祖バレアリックの一人・Jose Padillaが新作をリリースしている。イビサにてバレアリック・サンセットを体験出来るCafe Del MarのレジデントDJとしての活動で知られるPadillaに対し、その音楽性に共感したInternational Feelが2014年には契約を結び、そして復活の狼煙となる"Solito"をリリースした。本作はInternational Feelから2作目となるEPであり、これからリリースされる予定のアルバムの試金石とも呼べる作品ではあるが、その"Day One"は正に感傷的な夕方を想起させるバレアリックスタイルのハウスで期待通りの作品となっている。共同プロデューサーとして名を連ねるノルウェーからのニューディスコ方面の新星・Telephonesの功績は大きいだろう。牧歌的なマリンバとラグジュアリーなシンセが溶け合った余りにもドリーミーなメロディーはTelephonesからの影響に思われるが、控えめに官能的な女性の声のサンプリングも用い、一点の曇りも無い開放感溢れるバレアリック・ハウスに仕上がったこの曲は、ここ最近のInternational Feelの作品群の中でも特に快楽的だ。その耳に残る美しいメロディーや官能的な世界観は、2015年度版"Sueno Latino"と呼んでも差し支えないだろう。そして裏面にはTelephones自身が"Day One (Telephones Club Dub)"としてリミックスを提供しているが、こちらはそのタイトル通りに所謂リミックスらしいリミックスではなく、大幅に手を加える事はせず原曲を最大限に尊重してよりドリーミーにより"Sueno Latino"風に近付けたような作風だ。2014年には彼が名声を高める契機になったCafe Del Marで再度DJを始めるようになったPadillaだが、その影響かイビサの情景をふんだんに含んだ音楽性が楽曲へも反映されており、バレアリックの酸いも甘いも知り尽くしたアーティストの帰還を告げるに相応しい作品だ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mitsu The Beats - Celebration Of Jay (Jazzy Sport:JSPCDK-1023)
DJ Mitsu The Beats - Celebration Of Jay
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デトロイトから生まれ多くのアーティストに影響を残した今は亡きJay DeeことJ Dilla。その音楽はヒップホップを中心にしながらもレア・グルーヴやダンス・クラシックにエレクトロ等多彩なルーツを盛り込み、ヒップ・ホップと言う枠を越えて音楽シーンに少なからず影響を与えている。当方の様にヒップホップに造詣の無い人間でも多少はJ Dillaの音楽に触れているのだから、よりヒップホップを熱心に愛する人達にとってJ Dillaの存在はきっと計り知れない大きさなのだろう。そしてここ日本でも非常に強い影響を受け本人の音楽的な基礎となったと公言するのがDJ Mitsu The Beatsだ。日本に於ける、いや世界的に見てもジャジー・ヒップホップの先駆けの一人でもあるDJ/アーティストで、事実日本のみならず海外のアーティストとの交流(共作やリミックス等)も多くその評価に偽りなく、メロウな旋律とファンキーなグルーヴをクロスオーヴァーさせる手腕は世界レベルだろう。本作は師と仰ぎ尊敬するJ Dillaの為に、そして今のDJ Mitsu The Beats自身を確認する為に、J Dillaへと捧げられたと本人は述べているが、正にその通りで20曲45分と短い時間の中に多くの曲を詰め込みJ Dillaスタイルにより、多彩なビートと豊かなメロディーを披露している。生っぽいざっくりとした、しかし温かく血の通ったビートはキレとしっとりした質感があり、そこにフェンダーローズ等のキーボードの麗しいメロディーが丁寧に彩っていくスタイルは、ソウルの情熱やジャズのニュアンスも含んでJ Dillaの音楽を咀嚼した上での回答となるような作品だ。全編微睡んだように気怠く甘い夢を見るようなメロウな雰囲気に統一されているが、リラックスしながらも引き締まったグルーヴを生み出す厚みのあるループのおかげで、単に雰囲気なだけのヒップホップとは異なるビートに強い拘りを持った確固たる意志が感じられる。曲尺の短さを活かして小気味良く展開する流れも余韻を残さずにさくさくと多彩なビートを聞かせる事に繋がっており、良い意味でそのあっさり感さえも清々しい。J Dillaをこよなく愛する人にも、そしてヒップホップに馴染みの無い人にも是非とも手に取って聴いて欲しい一枚だ。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Shake - 3AM Jazz Club (Mahogani Music:MM-34)
Dan Shake - 3AM Jazz Club

2014年、Kenny Dixon Jr.ことMoodymannが主宰するMahogani Musicから突如としてデビューしたDan Shake。ロンドンで活動するこのアーティストは、レーベルにとってはデトロイト外からの初のアーティストとなり、執拗にデトロイトという地にこだわり続けてきたレーベルの運営にも影響を与える程だ。しかし、本作を聴けば如何にそれも極自然の成り行きであり、Dan Chakeの才能が如何に突出しているかを理解するのは容易い。J DillaやFloating Points、そしてドラムやパーカッションの面からはTony AllenやFella Kutiから強く影響を受けていると公言する通り、正にその音はMahogani Musicに相応しい黒人音楽を濃縮したようなハウス・ミュージックとして成立している。"3AM Jazz Club"は完全にMoodymannの影響下にあるだろうか、ガヤ声のようなボイスサンプルを用いながらもふらつくようなマイナーコード展開のキーボード使いに、そして厚みあるふっくらとしたキックをドスドスと打ち鳴らしてうねるようなビートを刻み、非常にソウルフルかつファンクな展開で黒く染め上げている。"Thinkin"は対処的に直線的なビート感で押し切る骨太なハウスだが、やはりうっとりと心酔するようなエレピのコード展開が艶めかしく、そこに野蛮かつセクシーな歌が夜へと誘いだすように入ってくる。どちらの曲も何も知らされなければMoodymannの新曲だと思い込んでしまう程にMoodymannらしい曲であり、その意味ではまだDan Shakeの個性を確立させているとは言えないのも事実ではあるが、だからといって本作の価値が損なわれる訳ではない。この作品が間違いなくフロアを沸かすような曲である事は言うまでもなく、何はともあれデビュー作にて強烈な印象を残している。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/5/20 Nagisa Music Festival Tokyo Edge Effects @ ageHa
今回金環日食に合わせてageHaで行われた"渚"に遊びに行ってきましたが、当ブログの過去記事を検索したところ以前ageHaに行ったのが2010年の7月末だったので、なんとほぼ2年ぶりのageHaへの訪問となりました。久しぶりのageHaと言う事もあり、また出演するアーティストも好みの人が多く楽しみにしておりましたが、日曜夕方から月曜朝までの開催と言う事もあり多少の危惧も感じておりましたがどうだったのでしょうか。
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| EVENT REPORT3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Sounds You Can Feel... Mixed By Doc Martin (Classic Music Company:CMCCD104)
Sounds You Can Feel... Mixed By Doc Martin
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一時期は隆盛を誇っていたハウスですが、最近は世界規模で(特にニューヨーク)ハウスに陰りが出ているのを感じます。新譜も以前に比べると名作が減っている気がするし、少々心配な所。その中でも比較的日本で人気を保っているのは西海外ハウスだと思います。これもひとえに歌物でキャッチーなKaskadeやAnanda Projectの存在の影響が大きいですが、他にもMark FarinaやMarkus Wyatt、Miguel Migsなどのベテランが揃っていて、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの客層の両方を上手く掴んでシーンを盛り上げております。そして西海岸ハウスのアンダーグラウンド方面を支えるのがDoc Martin。生粋のDJで今までにも数枚のMIXCDをリリースしておりますが、このClassic Music CompanyからリリースされたMIXCDもなかなかの出来。基本的にDocのプレイも西海岸ハウスの例に漏れずふらふらと緩めのプレイですが、更に彼には一つの音だけに納まらない自由性がありハウスを中心としながらも、ハウスの中でディープ〜テック〜アシッド〜ディスコなどを旅の様に巡るプレイをしています。聴いてすぐに体が反応する様な瞬発力は無いけれど、時間をかけてじわじわと深みに嵌っていくトランシーな感覚があり、それが他の西海岸ハウスのアーティストと異なる点ですね。非常に地味で渋いプレイではあるものの、酸いも甘いも知り尽くしたベテラン的な流れが聴ける一枚。

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| HOUSE5 | 00:10 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Trip Do Brasil (Krypton Records:COL 491115 2)

Trip Do Brasil
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一時間のブラジルへの小旅行。燦々と熱い太陽の光が降り注ぐ南米のダンスグルーヴがパックされたブラジリアンダンスミュージックコンピ、Trip Do Brasil。有名無名色んなアーティストのトラックが収録されているけれど、生演奏を中心とした生命力に溢れた統一性があるので違和感は特に感じない。オーガニックと言う言葉では容易い表現になってしまうが、本当に人間の手によって作り出されたと感じられる爽やかさと温かさがあり、そして何よりも心地良いサンバやボサノヴァのグルーヴが体を揺らす。南米の情熱は心を熱くし、体に作用するのだ。幾つかお勧めの曲を挙げると、DJ CAMのアマゾンの奥地に迷い込んだようなボッサハウスは、メロウかつチルで良いセンスしてる。FARMAKITの曲はズンドコトライバルなリズムの上に、トランシーなシンセリフが乗ってきて大地の鼓動を表現してるみたいだ。しかし、やはり特筆すべきはJoe ClaussellとJephte Guillaumeによる"Agora e seu tempo"、この曲だけの為に本作を購入しても良い程の楽曲だ。メロウなアコギの旋律、爽やかな風を舞い起こすパーカッション、そして郷愁を呼び起こす歌。そう、まるでこれは神の啓示みたいなスピリチュアルメッセージなんだろう。間違いなく涙無くしては聴けない名曲。CDでフルバージョンで収録されているのは、本作のみのはず。聞き逃す事無かれ。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Madlib - Shades Of Blue (Blue Note:7243 5 36447 2 7)
Madlib-Shades Of Blue
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私のように普段ジャズを聴かない人でもその名前位は耳にした事があるでろうジャズの名門レーベル・Blue Noteの音源を、アングラヒップホップシーンの人気アーティスト・Madlibが好き勝手に使用して作り上げたアルバム。この為にわざわざ数人の架空の人物まで生み出して架空のバンド編成でリミックスをすると言う凝った内容ですが、音自体は原曲を全く知らない自分でも楽しめるソウルフルでメロウなヒップホップになっておりました。元ネタを全く知らないので何がどうリミックスされているのか分からないのが残念ですが、Madlibのねっとりとしながらも切れを感じさせるビートはJ Dillaにも匹敵すると思います。サンプリングなのか生演奏なのか判断出来ない具合のリズムトラックは、非常に躍動感に溢れていてそこら辺の安っぽいヒップホップとは段違いの鋭さがあります。多分原曲よりもかなりリズミカルで踊りやすくリミックスされていると思うんだけど、でも上物のエレピとかフルートなどはしっかり残っているせいかジャズの音も感じさせ、ヒップホップとジャズの境目がスムースに繋がれた内容。と言うよりもジャズとヒップホップってこんなにも親和性が良いのか、それともMadlibのプロダクションが凄いからなのか。自分が原曲を知らない分、もしかしたら違和感を感じないだけかもしれないけど。メロディー自体は相当にメロウで甘美なんだけど、自由自在に刻まれたビートの鋭角さやわざと粗雑感を出したローファイサウンドのおかげで、甘美と渋みが同時に味わう事の出来るジャジーヒップホップだと思います。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 11:10 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson (Trax Records:CTXCD5001)
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson
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取り合えず本日で一旦シカゴハウス特集は終わり。最後はシカゴハウスにおいて最も重要な二つのレーベルの内の一つ・Trax Recordsについて。自分は勿論Trax Recordsが設立された当時(84〜85年?)はまだお子ちゃまな訳で当時の状況に関しては詳しく知らないのですが、Larry Shermanによるレーベル運営に関しては相当酷いもんだったらしいです。レコードの売り上げに対しての対価を払わないだとか(Larry Heardはその事のうんざりして自分のレーベルを立ち上げた)、最も有名な酷いエピソードはレコードプレスには材料費がかかるので、売れ残ったレコードを買い集めてそれを再プレスし販売していた(だからTrax Recordsのレコードの音は悪いそうです)とか、とにかく無茶しまくり。それにやたらめったら何でもかんでもリリースしていたから、音楽の質にもばらつきがあって決して優良なレーベルであるかと言うとそうでもないんです。それでもAdonis、Phuture、Joey Beltram、Larry Heard、Marshall Jefferson、Vincent Lawrence、Sleezy D、Frankie Knuckles、Armando、Farley Jackmaster Funkを含め多くの素晴らしいアーティスト達がここを経由して行った事を考えると、やはりシカゴハウスだけに限らずハウスと言う音楽においてとても重要な存在であった事は否定出来ません。

さて前置きはそれ位にしてそんなTrax Recordsの20周年記念盤が本作。1、2枚目はMaurice JoshuaとPaul JohnsonがTrax音源を使用しミックスを施していて、3枚目はアンミックスのコンピレーションとなっております。チープでファンキーなシカゴハウスや毒々しいアシッドハウス、そしてディスコな歌物までTraxの魅力が満載で、80年代のハウスの流れを知るには十分過ぎる内容となっております。音楽としての完成度は決して高い訳じゃないから聴く者を選ぶ感じなんだけど、ハウスについて掘り下げようと思うなら決して避けては通れないですね。

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| HOUSE4 | 21:15 | comments(6) | trackbacks(1) | |
Sa-Ra - The Hollywood Recordings (Babygrande:BBG-CD-316)
Sa-Ra-The Hollywood Recordings
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以前にJ Dillaのレビュー書いた時にUna Noche Perfecta Para El Descargaのbigflagさんにお勧めして頂いたのが、このSa-Ra。ヒップホップと言っても色々あるんでしょうけれど、自分が好きなのはラップ重視よりメロディーのしっかりあるトラック重視の物で、だからメロウなJ Dillaは拒否反応を示す事無く馴染めた訳です。そしてこのSa-Raも同じでラップや歌は多いけれど、それ以上にインストでも通用しそうな楽曲作りが素敵です。色々な音楽に影響を受けていると言う彼らの発言通り、ジャズやファンク、エレクトロなどの音が見え隠れするヒップホップで、安っぽいシンセの音やフェンダーローズを使って上手くコズミックな感じを表現しております。リズムトラックに関しても変幻自在で様々なビートを叩き出しますが、しっかり踊れるグルーヴも持ち合わせていてめっちゃファンキー。そしてやはりメロウなメロディー、これ重要。自分はこれが無いヒップホップは苦手なのですが、その意味ではSa-Raは軽く及第点を超えています。音的に何か新しさは感じないけれど、流行り廃りに関係の無い音楽として長く聴けるアルバムだと思いますよ。ヒップホップファンだけに限らず、メロウな音を求めている人には是非ともお勧めします。

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| ETC2 | 21:15 | comments(4) | trackbacks(1) | |
DJ Mitsu The Beats - The BBE Sessions (Octave:OTCD2125)
DJ Mitsu The Beats-The BBE Sessions
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自分はあんまりヒップホップは聴かんです。ラップが苦手なんす。でもJay DeeことJ Dillaを聴く様になってからは、ヒップホップにも比較的免疫が出来てきました。しかしJ Dillaを知ったきっかけは、彼が亡くなった時に色々なメディアで悲報が流れた事に因るもので、なんだか出会いが別れみたいで寂しいです。さてさてJ Dillaもリリースを重ねていた良質なヒップホップを送り出すレーベル・BBEの音源を使用したMIXCDが、日本企画盤でリリースされております。ミックスを手掛けるのは日本のヒップホップユニットのGAGLEでトラックを製作しているDJ Mitsu the Beats。良いですね、このMIXCD。何が良いって、J Dillaのトラックの様にメロウでスモーキーなヒップホップがたくさん使用されていて、しっとりとしたムード感が心地良いのですわ。かといってリズムがひ弱な訳でもなく、カチッとした芯のあるビートがしっかりと根を張っていてタフでもあるし。格好良いなぁ格好良いなぁ、スクラッチも決まりまくりだぜ。ヒップホップが苦手な人でもこれならいけるはず、太鼓判を押しちゃいます。

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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
J Dilla - Ruff Draft (Stones Throw Records:STH2153)
J Dilla-Ruff Draft
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第参弾。彼の死去後リリース作品の中では一応最新作ですが、2003年作のEPに未発表曲などを追加した編集盤に近い内容です。2枚組と言う形態ですが片方がボーカル入りで片方がインスト、しかしながら1枚30分以下なので2枚合わせてようやくフルアルバムのボリュームになります。ボーカル入りの方は殆ど聴いてないので特にコメントは無しですが、インストの方はなかなか良いです。"なかなか"と言う表現を使うとそこまで良くないのかって話になるんだけど、ボリュームが少ないし寄せ集めっぽい展開なので、他のアルバムに比べるととっちらかった印象がある様な。ざっくりラフなビートは正にタイトル通りで一曲一曲は確かにカッチョイイと思いますが、全体としては決め手に欠けますね。まあ普通のヒップホップに比べたら極めてスモーキーで渋くファンキーなリズムだし、買って損する事はまずないでしょうが。ちなみにJ Dillaのサンプリングは凄いって色々な場所で説明されているんだけど、自分にはどの音がサンプリングでどの音が打ち込みなのか分かりません。リズムをサンプリングで組んでるって事なのかしら?

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
J Dilla - The Shining Instrumentals (BBE:BBECD077)
J Dilla-The Shining Instrumentals
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第弐弾。J Dilla死去後に"Donuts"で彼にずっぼりはまった僕は、とにかく他のアルバムもどうしても聴きたい衝動にかられました。そして手に取ったのが本作で彼の死去後にリリースされた遺作でありまして、"The Shining"のボーカルを抜いたインストバージョンなのであります。僕がヒップホップの何が苦手かと言うと変な歌い方をするラップがとにかく苦手で、だからこそトラックその物の良さが分かるインストバージョンに手を出したのでした。彼が亡くなった後だから余計に感じる事かもしれないけれど、本作の音はラフと言うか臨場感に溢れている気がします。彼が懸命に生きようとしていた証なのか生々しい感触が、やはりどこか寂しさを呼び起こし感傷に浸る自分がいます。メランコリーと言えばそうだしソウルフルでもあり、ぐぐぐっと心を引き寄せる温かいメロディも感情にゆったり深く染みこんで行くようです。かと思えばスモーキーなサウンドプロダクションはどこか訝しさを感じさせ、Theo ParrishやMoodymannを思い起こさせる点もあったり。そういえばJ Dillaもデトロイトのアーティストで、ならばこの音も黒人のソウルが一杯に詰まっているのは当然の事だったんですね。

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| ETC2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
J Dilla (Jay Dee) - Donuts (Stones Throw Records:STH2126)
J Dilla(Jay Dee)-Donuts
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第壱弾。2006年2月J Dilla死去との情報が伝わり、色んな雑誌や音楽系ブログでその紹介がされていました。僕には一体何のこっちゃと言う感じで、ただとにかく非常に素晴らしいアーティストが亡くなったと言う事だけは何となく分かりました。僕が何故J Dillaを知らないかと言うと単純にヒップホップは皆無と言ってよい程聴かないからで、つまりJ Dillaはヒップホップアーティストらしいのです。元Slum Villageのメンバーであり、Common、A Tribe Called Quest、De La Soulなどのプロデュースを手掛け、膨大な数に昇るトラック提供やリミックスを行ってきたそうで、ヒップホップに疎い僕でも上記のアーティストの名は知ってる位なので、きっとJ Dillaは凄いのでしょうね。そんなこんなで興味を持って最初に買った作品が本作ですが、ヒップホップと思い込んでいたけれど僕自身はそうではなくソウルだなと感じています。ダウンテンポとブレイクビーツに心を締め付ける郷愁と温かさを練り込んで、死ぬ間際にありったけのヴァイブを表現しているんですね。この手の音楽でこんなにカッコイイと思ったのは本当に久方ぶりですが、本作リリース直後に亡くなった事を考えると何だか物悲しい気持ちにもなってきます。また1分前後の曲が31曲連なったショートストーリーは、瞬く間に話が進んでいくのですがそのテンポの良さも絶妙です。本作で彼の虜になった僕は、結局他のアルバムも購入する事になったのでした。

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| ETC2 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Trip Do Rythmix The Seven Year Inch Mixed By MKL (P-VINE Records:PCD-2610)
Trip Do Rythmix The Seven Year Inch Mixed By MKL
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クロスオーバー系のMIXCDを紹介するのは久しぶりでしょうか。あんまり普段こぞって聴く程でもないしなかなか紹介出来ないのですが、この盤は久しぶりにキターって感じなので紹介する事に。かつて「Trip Do Brasil」と言うブリジリアンハウスやらボッサハウス、もしくはブラジリアンテイストを含んだトラックを集めたコンピレーションアルバムがシリーズでヒットしていたのですが、それらを3 Generation WalkingのMKLが選曲&ミックスしてしまいました。Jose Padilla、Doctor Rockit(Herbert)、Mental Remedy(Joe Clausselle & Jephte Guillaume)、Isolee、Larry Heard、Blazeなど豪華なアーティストから、素晴らしい曲を提供しつつまだ僕の聴いた事のアーティスト(それはこのジャンルに対する自分の知識の無さのせいなのだが…)まで幅広く選ばれ、世界を駆けめぐる旅行の様なミックスが施されています。ハウス、ジャズ、ブロークンビーツ、ヒップホップ、ブラジリアンなど選曲に統一性は無いものの、もっと大きな視点で見ると世界中を旅するようなクロスオーバーな感覚に溢れ、ジャンルの壁など気にしない包括性を感じる事が出来ます。元々はブラジリアン音楽の為に作られた曲を集めているので、一様に感じられるのはブラジルの陽気さでしょうか。燦々と輝く太陽の下、笑顔を振りまいて軽やかに踊る人達の姿を容易に想像出来ます。しかしやはりこのミックスはそれ以上の物を感じさせます。当初のコンセプトであったブラジリアンテイストよりも、現在の流行でもあるクロスオーバーシーンに対しての総決算的な意味合いが強いですね。4つ打ち、非4つ打ち、ビート、ジャンル、それらはバラバラでも決してダンスを止まらせないグルーヴを感じさせ、70分間を通して聴く内に世界旅行にいつの間にか出かけている事でしょう。クロスオーバー好きな人はもちろん、Joe Clausselleの様なディープハウス好きにもお勧め。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |