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James Holden - A Cambodian Spring OST (Border Community:49BC)
James Holden - A Cambodian Spring OST
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鬼才James Holden、トランスやプログレッシヴ・ハウスから始まりいつしか幻惑的なサイケデリック・テクノやアンビエント、実験的なエレクトロニカ風やアバンギャルドなロックまで、多様な音楽性を発揮しながらもそれぞれのジャンルにおいても尖った才能を見せ付ける強烈な存在が、2019年初頭には『A Cambodian Spring』という映画のサウンドトラックまでもリリースした。映画はグローバリズムに飲み込まれるカンボジア、ボウンカク湖を開発する政府に反対する民衆の姿を捉えたドキュメンタリーであるが、この映画の監督が2013年作の『The Inheritors』(過去レビュー)に収録されている"Self-Playing Schmaltz"の使用を求めた事から、最終的には映画全編の音楽をHoldenが手掛けるようになったそうだ。本作は『The Inheritors』制作にも用いられた古いアナログシンセのProphet 600を全面的に利用して制作されたそうで、また映画の内容もあってか不安気でどんより陰鬱としたムードのサウンドトラックはHoldenの分裂症気味で退廃したイメージに沿っており、ダンス・ミュージックではないものの実に彼らしいサイケデリックな音楽になっている。徐々に話が始まるように静けさが広がるオープニングの"Srey Pov's Theme"は、ぼんやりと暗いドローンとパルスのようなか弱くも神経質なシンセによるアンビエント調な曲。(製作中に壊れてしまった)ハモンドオルガンとシンセによって重厚感と閉塞感を打ち出した"Monk's Theme Part I"、それに続く"Downturn Medley"も同様にオルガンが下部で静かにうねりながらどんよりとした闇を生んでいる。一方で非常にHoldenらしいトランス感溢れるサイケデリアを発揮しているのが"Solidarity Theme (Villagers)"や"Solidarity Theme (Release)"で、快楽的なシンセサウンドのアルペジオが少しずづ高揚感を獲得する躍動的な曲で、特に後者は神々しく展開して圧倒的な眩い光に飲み込まれるようだ。3部構成となる"Disintegration Drone"シリーズは前述の朽ち果てたハモンドオルガンとProphet 600が神経をすり減らすようなどぎついドローンを鳴らし、展開らしい展開もなく只々機械が呻き声を上げるような構成は狂ったようにも思われるが、こういった破滅的な音響もHoldenが世界観が現れている。一曲一曲は短くまたダンス・ミュージックでもなく、聞く前はファンにすれば物足りなさを感じるかもしれないが、しかし実際に聞けば何処を切り取っても完全にHoldenの恍惚と狂気が交錯するサイケデリックなテクノである。徐々に壊れていくような中にも美しさが存在する強烈なアンビエント風サウンドトラック、十分にHoldenのオリジナルなアルバムになっている。



Check James Holden
| TECHNO14 | 11:00 | comments(0) | - | |
Lost Souls Of Saturn - The Awakening (R & S Records:RS 1908)
Lost Souls Of Saturn - The Awakening
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2017年に名門テクノレーベルのR&S RecordsからデビューしたLost Souls Of Saturnは、完全な新人ではなく実は人気DJのSeth TroxlerとPhil Moffaによるユニットだ。とは言いながらも個人的に両アーティストがお気に入りではなかったのだが、この新作ではBorder Community主宰のJames Holdenが久しぶりにリミックスを提供しているのだから、自然と注目せずにはいられずに購入に至る。Troxlerについては機能的でDJ向けの曲を作るアーティストであるが、Moffaについては全く知らなかったので調べてみると、最近ではドローンを用いた重厚なアンビエント・アルバムも手掛けていたりしている。そんな二人によるLSOSは、最近はなかなかリミックスも行わないHoldenさえもが興味を抱く程に独特で奇抜な音楽性を含んでおり、このEPでも単純なクラブ・トラックではなくアンビエントに民族音楽やスピリチュアル性に映画音楽といった要素が一つなり、ライブ感に満ちた胎動と共にダークかつサイケデリックな世界を構築している。"The Awakening"は平坦なドローンを用いた穏やかなアンビエントで開始するが、その闇の何で繊細ながらもヒプノティックな電子音の粒が不気味にうなり、そして宗教感がある祈りのような重層のコーラスも加わり、静謐ながらも厳かな佇まい。しかし中盤以降は闇の奥底でズカズカと鳴る民族的なパーカッションによって土臭さも獲得し、破壊的なエネルギーが炸裂し強烈なグルーヴに飲み込まれていく。しかしやはり格が違うのはHoldenで、元々8分だった曲が12分越えまで拡大された"The Awakening (James Holden's Past Life Rave Regression)"は、序盤こそ原曲のエスノ・トライバルな雰囲気は残しているが、次第に鋭利でささくれだったビートを刻みながら毒々しくもトランシーなモジュラーシンセのループによってHoldenらしいトランス感で包んでいく。重層的なシンセが生み出す目くるめくサイケデリックな幻覚、浮かんでは消える崇高なコーラスもより魔術のように効いてきて、Holdenの狂おしくも美しく音響によって麻薬のようにズブズブと嵌めてくるサイケデリック・エレクトロは圧巻以外の何物でもない。Holdenのリミックスは言わずもがな素晴らしいが、LSOSの音楽性も個性的であり、本作の後にリリースされたアルバムも注目すべきだろう。



Check Lost Souls Of Saturn
| TECHNO14 | 22:00 | comments(0) | - | |
James Booth - Bath Time (Funnuvojere Records:FV001)
James Booth - Bath Time
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Panorama Barでもレジデントを担当するMassimiliano Pagliaraが2019年1月にFunnuvojere Recordsを始動させた。Pagliara自身がバレアリックな多幸感のある音楽を制作している事からも分かる通りレーベルも方向性としては同様で、栄えあるレーベル第1作に抜擢されたのは100% SilkやGrowing Bin Recordsからやはりローファイで素朴な響きのバレアリックなディスコやテクノを手掛けるJames Boothだ。彼の音楽もダンス・ミュージックの前提はありながらも肩の力が抜けて、どちらかといえば暗い密閉空間のフロアよりは陽が射す開放感ある野外向けのバレアリック性があり、その意味ではレーベル初の作品になったも納得だ。本作では以前よりもダンス方面へのビート感を増しており、例えば"DXXX"では80年代ディスコ風なシンセ・ベースの快楽的なラインやドタドタとしたドラムのビート感があり、安っぽく垢抜けない音質を逆手に取ってローファイながらも新鮮なバレアリック感あるディスコを聞かせる。"Bath Time"は澄んだ美しいパッドのドローンと簡素なリズムが引っ張っていくアンビエント風だが、途中から輝かしいシンセやからっと乾いたパーカッションも加わると弾ける躍動感を獲得して高揚とした至福に包まれ、例えばパーティーの真夜中の時間帯を抜けた先にある朝方のフロアで鳴っていそうなテクノ/ハウスだ。そしてピアノらしきエレガントなコードと刺激的なハンドクラップやリズムがディスコティックな雰囲気を生む"Roller Chrome"、ドタドタとしたリズムマシンの肉感溢れるビートが逞しくもニュー・エイジ風な瞑想を誘うシンセと控え目な中毒的アシッドが快楽を誘発する"Such Is Life"と、どれも基本的には闇のヴェールを振り払うようなポジティブなダンス・ミュージックで、長閑で穏やかなリゾート感さえあるバレアリック性が清々しい。アーティスト、レーベル共に今後の動向に注目したい。



Check James Booth
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Amp Fiddler - Amp Dog Knights (Mahogani Music:M.M 41 CD)
Amp Fiddler - Amp Dog Knights
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先日来日ライブを行ったばかりと近年精力的な活動を見せるデトロイトのベテランであるAmp Fiddler。2018年にはデトロイトのファンクバンドであるWill Sessionsとの共作である『The One』で、バンド演奏を中心としたライブ感溢れるソウルやファンクを披露していたが、元々はPファンク軍団でもキーボードを担当していただけありDJではなくプレイヤーとしての面からの音楽性で評価されるアーティストだ。しかしその前作でもある2017年にMoodymann率いるMahogani Musicからのリリースとなった本作は、当然クラブ・ミュージック寄りの内容とはなるがファンクだけでなくハウスにR&Bやヒップ・ホップなど、つまりはデトロイトの黒人音楽が息衝く内容で、そこには前述のWill Sessionsをはじめとしてデトロイトに根ざしたAndresや故James YanceyことJ Dillaに注目株のWaajeed、本作で多くの曲でボーカルを担当するNeco Redd、そして勿論Moodymann自身も制作に加わるなど多くのゲストを招いて、ソロ作品ながらも様々な表現を見せている。オープニングはラジオ番組を再現したようなサンプリングから始まるざっくりグルーヴィーなヒップ・ホップで、スモーキーな音像は正にデトロイトのビートダウン様式と言えよう。続く"Return Of The Ghetto Fly"は過去の作品のリメイクとなるが、ここではJ Dillaのトラックも用いてヒップ・ホップのリズムとPファンクの熱いゴージャス感があるコーラスが混じる熱量と粘性の高い曲となり、濃厚なブラック・ミュージックを展開する。"It's Alright (Waajeed Earl Flynn Mix)"は先行EPをWaajeedがリミックスした曲だが、かなりロービートでヒップ・ホップ寄りだった原曲よりも優しさに満ちたシルキーな響きのR&Bとなり、艷やかな官能に魅了される。勿論Mahogani直系な紫煙が揺らぐスモーキーで訝しくもソウルフルなハウスの"Good Vibes"もあれば、Will Sessionsも参加して舐め回すようなどぎつさがあるPファンク全開な"Put Me In Your Pocket"もありと、多くのアーティストを起用する事で多彩な音楽性に繋がっている。アルバムの後半も盛り上がり所は多く、メロウなコーラスを用いてしっとりと聞かせるざっくりと湿っぽいヒップ・ホップ"It's Alright"から、囁き声の色っぽい歌でMoodymannをフィーチャーしてアルバム中最もアダルトかつセクシーなR&Bとして聞かせる"I Get Moody Sometime"、そして何とNYハウスの大御所であるLouie Vegaが期待通りに力強くハウスの4つ打ちを刻みながらもエレピやシンセが華麗に彩るリミックスをした"So Sweet (Louie Vega Remix)"と、ダンス/リスニングといった区分けも関係なくこれぞMahoganiの熱くソウルフルなブラック・ミュージック節が全編貫いている。やはりキーボード奏者でジャズやファンクをルーツにするだけあって構成能力に長けたアーティストとしてどれも耳に残る魅力があり、ハウス・ミュージックという区分だけで聞くにはもったいない名作だ。



Check Amp Fiddler
| HOUSE14 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Captain Vinyl Presents Diggin' Disco (Universal Music:UICZ-1681/2)
DIGGIN DISCO presented by CAPTAIN VINYL
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2018年7月22は『サタデー・ナイト・フィーバー』が日本で公開されてから丁度40周年だったそうで、それに合わせて各レコード会社がDisco Feverキャンペーンとして色々なディスコ関連の作品を制作していた。本作もその一連の作品であり手掛けているのは「Captain Vinyl」を名乗る二人、キング・オブ・ディギンことMuroと日本におけるガラージ/ディスコの伝道者であるDJ Noriだ。Captain Vinylは渋谷はContactにて毎月最終火曜の夕方に開催されているパーティー名でもあり、熱心なディガーである彼らが7インチレコードをメインに用いて自由なジャンルで自己表現を可能とする場だ。そんなユニット名が冠された本作は前述のキャンペーンに関するものなので基本的にはディスコを軸にしているが、流石はベテラン中のベテランで聞く者を楽しませる/幸せにするような選曲が貫かれており、またディスコを知らない人がそれにのめり込んで行くのも助けるクラシカルな選曲でもあり、ディスコの魅力を実直に伝えてくれる。Noriサイドはいきなりジャズ・ファンクの傑作でありハッピーな気持ちにされてくれる"Happy Music"から始まり、レゲエ色強い土着ディスコな"Now That We've Found Love"や煌めく色彩感覚がモダンなフュージョンの"Starchild (Remix)"など名作もがっつり用いつつ、"Finally (Choice Mix)"や"The Whistle Song (Ek Mix - Fade)"など心を熱くするソウルフルなハウス・クラシックも用いるなど、ディスコから派生したハウス・ミュージックへも手を広げて歴史を紐解く。中盤の"I Wanna Rock You"から"I Feel Love"など快楽的なシンセベースを用いたディスコの大傑作2連発にはどうしたって笑みがこぼれてしまう展開もあるが、後半には" My First Mistake"や"Any Love"などストリングスやギターにベースなど生演奏を軸にゴージャスかつ人情味溢れる熱い曲調のディスコへと振れて、偏にディスコと言っても色々なスタイルを楽しませてくれる。一方でMuroサイドも初っ端から耳を惹き付ける選曲で、哀愁あるヴォコーダとポップなサウンドで煌めく雰囲気の"The Sound Of Music (European Mix)"で始まり、陽気なノリを保ってハッピーな気持ちにさせてくれる歌モノなソウルフル・ディスコの"I Need Your Lovin' (M+M Lovin' All Night Mix)"や"Circles (Joey Negro Extended Disco Mix)"を通過するが、ポップなメロディーだけではなくズンズンとした肉感的なグルーヴ感も強く打ち出して熱気溢れるディスコ・フロアを喚起させる。中盤以降にはディスコ・パーティーで聞き覚えがあるだろう汗迸る激熱ファンクな"I Just Wanna Do My Thing"からストリングスも華やかな歌モノディスコの"Let's Go All The Way (Down)"などこちらもクラシックを繋げて、ラストはドラム・パーカッションが爽快な晴々しい正にハッピーな"Happy Feet"で締め括る。どちらもベテランDJとしての横綱相撲的なディスコの王道を用いながら、しかしソウルフルな感情性が強いNoriサイドに対し弾けるグルーヴ感重視なMuroサイドとそれぞれがアピールする音楽性でも明確に差が現れており、この2枚組で十分にディスコの魅力を堪能出来る企画物としてお薦めである。

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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Francis Inferno Orchestra - Hygiene (Superconscious Records:SCR011)
Francis Inferno Orchestra - Hygiene
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近年新しい才能の台頭が著しいオーストラリアはメルボルンから勢いに乗るアーティストの一人、Griffin JamesことFrancis Inferno Orchestraは、Sleazy Beats RecordingsやKolour RecordingsにDrumpoet Communityといった人気レーベルからディスコ・テイスト溢れるハウス、または滑らかな質感を持つテック・ハウスをリリースしており、派手に目立つ個性を放つわけではないが堅実な作風に期待が寄せられるアーティストだ。2017年にはVeranda Culture名義でアンビエント〜ニューエイジに挑戦したアルバムもリリースするなどその作品毎に変化の幅はあるが、本作は90年代レイヴをも意識したようなトライバルなブレイク・ビーツによる荒々しく生々しいリズム重視の曲が中心で、よりフロアの高揚感を引き出す作風が現れている。水の流れる音や雷鳴など環境音を用いたアンビエンスから始まり、「エクスタシー」というボイスサンプルが印象的な"Hygiene"は彼らしい幻想的なアンビエントな感覚もあるが、次第に土着的なパーカッションも加わりズンドコとした揺れるブレイク・ビーツを刻みだせば、快楽的なシンセのコード展開も相まってひたすら気持ちの良い展開が続くレイヴ風ハウスだ。"Mongrel"も音の響きやブレイク・ビーツの構成は基本的には変わらないが、原始的な雄叫びのようなボイス・サンプルとドコドコと押し迫るトライバル・ビートの応酬で、旋律は用いずにひたすら躍動感溢れるリズムが肉体性を伴いながら体を刺激するオールド・スクールなハウスだ。そして表題曲の別バージョンである"Hygiene (My Everlasting Rhythmo)"はそのタイトル通り、アンビエンスな感覚を取り除き様々なパーカッションによるトライバルなビートや鳥の鳴き声らしき環境音を軸により深い密林の中で鳴っている土着感覚を引き出して、DJツールとしての性能を高めたバージョンになっている。どれも完全にダンスの方向へ振り切れた作風は今までの路線からすると意外だが、フロアでもインパクトの大きい曲として映える事は間違いない。



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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI (Air Texture:AIR006CD)
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI
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2011年にニューヨークにて設立されたAir Textureは、KompaktのPop AmbientシリーズやExcursions In AmbienceにInstinct Ambientといったレーベルに触発されているそうで、端的に言うとアンビエントに焦点を絞ったそのレーベル名まんまのシリーズを提供している。それぞれの作品はCD2枚組で1枚のCDを1アーティストがコンパイルを担当し、そして収録曲は未発表曲のみで構成されているという、アンビエントのシリーズ作品としては十分に期待を寄せられるだけの魅力が伝わってくる(当方はこの6弾がリリースされるまで、このシリーズの存在を知らなかったが)。そして最新作はOstgut Ton等でも活躍し近年交流を深めているSteffi & Martynが担当しているのだが、過去のシリーズが比較的ノンビート中心でアンビエントやドローンに焦点を絞っていたのに対しここではダンス・フロアを沸かすDJの性質故か、基本的にはダンス・フロア寄りでありながらアンビエントな性質もある、もっと言ってしまうと現代版「Artificial Intelligence」と呼んでも差し支えない曲が選曲されている。事実Steffiが主宰するDolly周辺はAIテクノの影響を匂わせているし、Martynの作風にしてもダブ・ステップやデトロイト・テクノからの影響を滲ませ、両者とも単純な4つ打ちからの乖離してリズムの自由さやベッドルーム内での想像力を働かせる音楽性があり、それらが端的に表現されているのが本コンピレーションだ。AIテクノの現代版という説明は決して過去を懐かしむようなものではなく最新のアーティストによる曲がある事で、例えばApollo等でも活躍するSynkroの"Observatory"は夢の中へと落ちていくようなパッドを用いたねっとりとしたダウンテンポを披露しており、穏やかな近未来感が心地好い。Ostgut Ton一派のAnswer Code Requestもここでは普段のハードな作風は封印しているが、ハートービートのようなリズムに美しく広がる残響を用いたディープなアンビエントの"Pasiris"を披露し、熱狂に入っていく前のパーティー序盤の感覚がある。元祖AIで忘れてはいけないのがKirk DegiorgioことAs Oneで、"The Ladder"は90年代前半のそのAIテクノそのものな自由なブレイク・ビーツや流麗な響きのシンセのメロディーなど、一見踊り辛いようなテクノがしかし今の多様性の中では自然と鳴っている。他にも知名度の高いテクノ系のアーティストから殆ど作品をリリースしていないマイナーなアーティストまで、それらは区別される事なく収録されており、テクノやエレクトロにブレイク・ビーツやダブ・ステップなどのジャンルも、大きな枠で捉えるとアンビエント的な感覚に包まれている。これらがしかも全て未発表曲というのだから、その質の高さも含めて驚いてしまう。



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| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
CC:DISCO! Present First Light Vol.1 (Soothsayer:SS0036)
CC:DISCO! Present First Light Vol.1
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シティーポップを思わせるキッチュなジャケットに目を奪われ、そして実際に音を聞いてみれば緩く開放的な雰囲気のバレアリックかつブギーなディスコが満載のコンピレーションに、もう心は即座に虜になってしまう。本作を編纂したのはメルボルンで活動するCourtney ClarkeことCC:DISCO!で、15歳の頃からラジオDJを開始し現在は自身でClub Cocoなるパーティーを運営しながら地元との密接な繋がりを持っているようだが、その音楽的な才能が評価され今では世界各地の大きなフェスティバルやパーティーにも出演をして忙しないツアー生活になっている。調べてみると公式な作品のリリースは無くDJのみによって正確な評価を獲得しているのだから、音楽への嗅覚や審美眼もきっと間違いないのないものなのだろうが、それは本作を聞けば確信へと変わる。ここに収録された曲は全てが未発表曲のようで、オーストラリアやニュージーランドで活動するローカルなアーティストの曲をCC:DISCO!が見事に掬い上げており、低い知名度に反比例して曲の質はどれもこれも素晴らしい。ニューカマーであるAngophoraによる"Settled"は、哀愁が滲むギターとぼんやりとしたシンセによって白昼夢に誘い込まれるニューエイジ風だが、オーガニックな響きが温かく体を包む。続くRings Around Saturnによる"Abarth"は大手を振って闊歩するような4つ打ちのブギー・ディスコだが、ここでも揺らぐ情緒あるギターやフュージョン風なシンセが懐メロ的な味わいを持っており、リラックスしたムードの中に甘い陶酔も仄かに混ざっている。Jace XLの"Really Want That"では光沢のあるポップなシンセ使いと甘く誘うような歌声もあって、80年代の都会的なシンセ・ポップで非常に甘美な懐かしさがある。一方で滑らかで心地好い浮遊感を持つディープ・ハウスを聞かせるのはLove Deluxeによる"Ivan's Hymn"で、霞の中で鳴るような繊細なピアノのコードとポコポコとした軽いパーカッションに引っ張られながら、揺らめく官能の世界を展開する。またDJ Simon TKによる"Never follow a druid to a second location"は安っぽい音によるリズムや荒々しいギターが鳴るローファイなシンセ・ロックだったり、Midnight Tendernessの"Precipitation Meditation"では爽やかなフルートや透明感のあるシンセを用いてドリーミーな情緒が浮かび上がるバレアリックなアンビエント風だったり、Sui Zhenの肩の力が抜けたアフタービートが気怠さを誘う甘いレゲエな"No More Words"もあったりと、決してディスコだけではなく多方面の音楽を咀嚼して多幸感への統一感を纏めている。真夜中の熱狂的なフロアと言うよりは昼間の野外フェスで鳴っているようなリラックスした選曲で、明るい時間帯のホームリスニングにもぴったりなコンピレーションだ。来週には初来日もある真夜中のパーティーではどんなDJをするのか、楽しみでならない。



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| HOUSE13 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2018/5/12 Sunset Lounge @ 江ノ島展望台
Sunset Lounge1

温かくなり始める春の季節と共にやってくる、そう今年も遂にやってきた湘南は江ノ島で開催されるSunset Loungeも前身のFreedom Sunsetから含めると15周年。海風が吹き抜ける江ノ島の頂上から夕暮れを見下ろせる絶好のロケーション、開放的な場で心も体も踊り出すダンス・ミュージックを浴びるパーティーは、人種や老若男女を問わずに魅了する。今回の5月開催ではレジデントとも言える井上薫を筆頭にオールジャンル・ミックスなクボタタケシ、繊細で煌めく電子音を聞かせるInner Science、DJ Kenseiらによるプロジェクトのcolorful house band、湘南をベースに活動するDJ Dante、そして主宰者であるshibaをユニットのsorto&nodo+shiba+No.9と、今年もジャンル問わずにダンスとリスニングの両面で楽しませてくれるアーティストが集まっており、期待せざるを得ない。
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| EVENT REPORT6 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paradise Box - Hookup EP (Crimes Of The Future:COTF 014)
Paradise Box - Hookup EP
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ロンドンのCrimes Of The FutureからリリースされたParadise Boxの新作は、このアーティストについて全く情報を持ち合わせていなかったものの、試聴した際にオールド・スクールかつ懐かしい雰囲気やメロウネスを持っているハウスに耳を惹かれてついつい購入したものだ。この名義では過去2014年にEPを1枚出しているだけだが、どうやらメルボルン在住のS. Woodwardのプロジェクトによるものらしく、全くの新人というわけでもなさそうである。"Hookup"はざらついてロウなシカゴ・ハウスらしいリズム感にアシッドの響きや陰鬱なメロディーを用いたハウスではあるが、アシッドのベースに煽られながらも何処かメランコリーな雰囲気は情緒感がふんだんだ。"Running Up That Hill"はKate Bushによる80年代のシンセ・ポップのカバーだが、原曲の壮大でゴージャスな響きや歌を抑制しながらその悲哀に満ちたメロディーをより浮かび上がらせ、シンセ・ポップの感覚は残しつつもコズミック感溢れるニューディスコ的な作風へと生まれ変わり、これはフロアでも心に深く訴えかける見事なカバーに仕上がっている。"Ya Mo Be There"も同様にJames Ingram & Michael McDonaldの80年のシンセ・ポップのカバー作品で、原曲の80年代風の強いアタック感は残しつつインストにした上で温かいドリーミーなシンセで上書きする事で、メロウな郷愁と刺激的なファンク性がより色濃く発揮されたディスコ・ハウス/シンセ・ポップになっている。最後の"Sunrise Energy"は鳥の鳴き声なども取り入れながらブレイク・ビーツで揺らすバレアリック感溢れる開放的なハウスで、しかしこちらもやはりその懐かしいリズム感や音の響きにオールド・スクールな音楽性がある。そもそもが80年代のシンセ・ポップを2曲もカバーしている辺りにParadise Boxのレトロ志向な音楽性は散見しており、それはオリジナルの楽曲へも素直に反映されているのだが、それが現在のシーンにもフィットした作風へと昇華されているのだから単に懐古主義として見過ごすには勿体無い作品だ。



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| HOUSE13 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dopplereffekt - Cellular Automata (Leisure System:LSR020)
Dopplereffekt - Cellular Automata
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アンダーグラウンド、またはミステリーという表現がこれ程適切なユニットは他にそうはいない、メンバーであるJames Stinsonの死によってユニットは消滅し伝説化したデトロイト・エレクトロのDrexciya。コンセプトであるDrexciya人の深海の冷えた世界を表現したエレクトロはダンス・ミュージックの著名人からも高く評価を受けるものの、ユニットが消滅した事でそのストーリー仕立ての音楽もおおよそ途絶えてしまい、その音楽の継承者は今も尚そう多くはない。しかしDrexciyaは一人ではない事が幸いだったのだろう、もう一人のメンバーであるGerald Donaldは多数の名義を用いて活動しており、Drexciyaを継ぐ者としての存在感を放っている。その中でも特に知名度の高いものがこのDopplereffektだろうが、アルバムとしては実に10年ぶり、3作目となる本作は蓋を開けてみれば全てノンビート作品と驚くべき内容だ。ビートレスな事でアンビエントな性質も強くはなっているが、しかしオープニングの"Cellular Automata"を聞いてみれば重厚なベースラインや電子音のシーケンスからは間違いなくエレクトロの響きが発せられており、暗く何処か謎めいたSF的世界観は正にDrexciyaのものだろう。続く"Von Neumann Probe"も鈍く蠢くベースには毒々しさが宿っているが、その一方で祈りのような女性の声やデトロイト的な神秘的なシンセからは逆境の中に希望を見出すポジティブな感覚もあり、ただ陰鬱なだけの作品ではない。エレクトロと言えばKraftwerkに強く影響を受けたジャンルであり、それが如実に感じられる"Gestalt Intelligence"ではピコピコした電子音のシーケンスが用いられているが、アンダーグラウンドを地で行くDonaldにかかれば凍てついた世界観へと変貌する。モジュラーシンセらしき音が振動するように鳴りながらデトロイト直系の情緒的なパッドが降臨する"Isotropy"は、アルバム中最も美しいアンビエントで荒廃する世界の中の救いだ。Drexciyaと言えばどうしたって不気味で暗くハードな音楽性と言うイメージがあるが、それも逆境から生まれた未来へのポジティブな思いと考えれば、こうやって音自体に安らぎが現れるのも自然な流れなのだろう。尚、幾何学模様のデザインであるジャケットからも分かる通り、本作は音自体もそれに準じたイメージが強く、エレクトロでありながら独特の内在するリズム感が面白い。そしてビートレスな事で浮かび上がったエレクトロのシンセの美しさにも気付かされたり、Drexciyaの伝説はまだ続いている。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2018 (Kompakt:KOMPAKT CD 142)
Pop Ambient 2018
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シリーズ物としては長い歴史を誇るKompaktが手掛ける『Pop Ambient』シリーズもこの2018年を冠した本作で18作目に突入。アンビエント・シリーズとしては最高峰に属するのは言うまでもないが、それもKompaktの元頭領であり現在は芸術的に音楽を追求するWolfgang Voigtがこのシリーズに限ってのみ監修をしているからこそで、昔よりはやや商業的な動きもあるKompaktの中でもこのシリーズのみはVoigtの審美眼によって純粋にアンビエントの追求を継続している。例えば日本からは過去のシリーズにも登場しているYui Onoderaが本作にも(しかも2曲も)起用されていたりと、他のアーティストもそうだが単に知名度を優先したような選び方でない事は明白だ。またVoigtが来日した際に制作を依頼されたと言うHiroshi WatanabeことKaitoもシリーズ初参戦を果たす等、Voigtのネットワークが有効に働いているのだ。アルバムはKompaktの中では新世代に属するFresco & Pfeifferの"Splinter"によって幕を開けるが、凍えきった厳寒の空気が広がる冬景色の中でか弱い灯火で暖を取るようなアンビエントは、静けさの中に優しさが溢れている。そしてYui Onoderaによる"Prism"は彼らしい荘厳なドローンと弦の音色を用いて大人数の演奏によるクラシックを聞いているかのような重層的な響きがあり、ゆっくりとした流れの中に生命の胎動にも似た動きが聞こえる。レーベル初登場となるカリフォルニアのChuck Johnsonは、薄いパッドを静けさを保ちながら伸ばしてその中に悲哀を醸すペダル・スチール・ギターを鳴らし、夢と現の狭間に居る心地良い"Brahmi"を提供。そしてダンス・ミュージックだけでなくアンビエントに対しても造詣の深いKaitoには当然注目で、アコースティック・ギターの和んだメロディーとしなやかに伸びるパッドで広がりのある大空へと浮かび上がっていくような開放感ある"Travelled Between Souls"を提供しており、幻想的なトランス感を誘発する。Kompakt組として常連のThe Orbはやはり普通のアンビエントをやる事はなく、ややダブ/レゲエの音響やリズムも匂わせコラージュ的な捻れた世界観のある"Sky's Falling"はアーティスト性が出ていて面白い。同様にレーベルの古参のT.Raumschmiereは雪が吹き荒れる厳寒のような重厚なドローンによる"Eterna"において、大きな動きはないものの圧倒的なドローンの重厚さの中にロマンティックな響きを閉じ込め、ただただその壮大さに圧倒される。他にも同シリーズには常連のKompakt組がいつも通り静謐で美しいアンビエントを提供しており、シリーズの長さ故に金太郎飴的な点もありつつも他の追従を許さないレベルの高さを誇っている。凍える冬に温まるBGMとして是非利用したいアンビエント・アルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kerri Chandler - DJ-Kicks (Studio !K7:K7358CD)
Kerri Chandler - DJ-Kicks
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一般的なDJMIXシリーズとは一線を画し、敢えて真夜中の熱狂的なパーティーのフロアではなくDJ/アーティストの個人的な楽しみにも近いミックスを聞かせるような内容の「DJ-Kicks」は、それぞれのDJのルーツや自然な好みを体験出来る楽しみとまたホームリスニング性を意識したプレイの楽しみがあり、WEB上でミックスが無料で聞けてしまう今という時代においてもMIXCDとしての存在意義を十分に示している。そしてここにシリーズ中でも特にそんなコンセプトを強く意識して実現させたのがUSハウスの大御所、Kerri Chandlerだ。Kerriと言えばズンドコ太い4つ打ちのビートに流麗なコーボード使いにシンセやテッキーな電子音を用いて、クラシカルでソウルフルなハウスからモダンなテック系まで手掛ける稀代のDJ/トラック・メーカーだが、ここではそういったパワフルなダンスビートは一切含まれていない。本作について彼は「皆をニューヨークの街歩きに連れて行くようなイメージ」と述べており、彼のブラック・ミュージックとしてのルーツを掘り起こしながらダンス・ミュージックと言う定義に拘らずに、音楽そのものを楽しんで貰うような雰囲気を感じ取れる。ジャンルで言えばハウスは無く、ジャズやR&Bにヒップ・ホップやディスコにソウルと、そして収録された曲の殆どは7〜80年代の楽曲と新鮮味は無い筈なのに、しかしKerriの優れた審美眼によって選ばれた楽曲が目も覚めるような素晴らしい展開を見せる。雑踏の環境音を用いた"Intro"から始まりLeroy Hutsonによる優美なピアノと感情的なホーンによる静かに燻るソウルの"Cool Out"、Rasaによる夕暮れ時の切なさにも似た感傷的なAORの"When Will The Day Come"、The Foreign Exchangeによる光沢感のあるシンセ使いが麗しいネオ・ソウルの"Body"と、序盤から緊張が解けたようにレイドバックしつつ身も心も穏やかに温まるソウルフルな選曲にこれは確かにKerriの音楽性だと納得させられる。中盤にはまさかのT La Rockによるスクラッチもばりばり入ったエッジの効いたヒップ・ホップの"It's Yours"を通過し、Andre Ceccarelliの土着的なのに優美なジャズ・グルーヴの"Stock No. 1"へと繋ぐ驚きを感じさせつつ違和感を感じさせないはまった展開を披露し、流石DJとしての選曲や流れにも全く隙きが無い。中盤のハイライトであるBeckie Bellによるフレンチ・ディスコの"Music Madness (Extended Charles Maurice Version)"は、誰しもそのキャッチーな構成と可愛らしいボーカルに耳を奪われるに違いなく、当方のように古い音楽に造詣がない人にとってはブラック・ミュージックの歴史を教示されるような思いも受ける。そしてJames Masonによるブギーで麗しいフュージョンの歴史的名曲"Sweet Power Of Your Embrace"も通過し、Kerriによるエクスクルーシブな粘性の高いレゲエ/ダブ調の"Stop Wasting My Time"でぐっとテンポを落としつつ、Innerzone Orchestraカバーによる名曲"People Make The World Go Round"で燻り続ける炎のようなソウルでじわじわと感情を熱くし、最後はヴィブラフォンの響きが甘美で黒くアダルティーに湿る"Liquid Love"でしっとりとしたラストを迎える。ハウス・ミュージックのDJによるバック・トゥ・ザ・ルーツ的な音楽観は、音楽の掘り起こしや再認識の意味を持ちつつそれ以上に選曲自体が素晴らしくどれもメロウでソウルフルな性質があり、クラシカルな作風は時代に左右されずに楽しむ事が出来るだろう。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/10/8 Daze Of Phaze @ Saloom
元Future Terrorのクルーであり一時期はCabaretのメンバー…という肩書きは最早不要だろう、楽曲制作を一切する事なくDJという行為のみで自己の音楽性を伝えるKabuto。半ばヒット曲を作る事が自身の名声を高めDJでも知名度を得る事が習慣になっているこの業界で、KabutoはDJのみによって評価を得ている珍しいタイプだ。そんな彼が2016年に新たに始動させたのがDaze Of Phazeで、当然の如く知名度の有無に拘らずに現場主義というか一貫してDJの質を追求した人選を行っているが、今回のパーティーに招かれたのはAndrew James Gustav。当パーティーの初回ゲストでもある彼はKabutoと同様に一切の楽曲をリリースする事はなく、やはりDJのみによってヨーロッパでも高い評価を得る事に成功した稀有な例だが、日本では余り知られていない彼のアティチュードについては是非ともHigher Frequencyのインタビューを読んで頂きたい。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nathan Fake - Providence (Ninja Tune:ZENCD240)
Nathna Fake - Providence
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まさかまさかのレーベル移籍。奇才・James Holden主宰のBorder Community創立の初期からレーベルの中心アーティストとして名を連ねていたNathan Fakeが、なんとUKはこれまた奇才レーベルであるNinja Tuneから5年ぶりとなるアルバムをリリースした。今思うと既に毒気付いたサイケデリックなダンス・ミュージックを得意とするBorder Communityの枠を飛び越し、寧ろここ数年はダンス・ミュージックへのこだわりは希薄になっていたようにも思われるFakeが、だからこそよりフリーフォームなエレクトロニカ性を目指した事でNinja Tuneへと行き着いたのも何ら不思議ではないのかもしれない。くらくらとするようなサイケデリックな色彩は全く変わっていないのは、オープニングの"Feelings 1"を聞けば明らかだ。中毒性の高いギラギラとしたシンセがうねるようにシーケンスが組まれ、脳髄をこねくり回すように刺激する。続くタイトルトラックの"PROVIDENCE"も同様に神経質な電子音がドリルのように突き刺さってきて、そして刺々しく鋭利なドラムマシンが鞭の如く叩かれるが、所謂踊りやすいダンストラックとは別の変態的なベクトルに向いている。"HoursDaysMonthsSeasons"は初期の頃の牧歌的でのどかな世界観をやや思わせる所もあるが、アンビエントのようなふんわりとドリーミーな流れから徐々にリズムが消失して、神々しいシンセに包まれてドラマチックに盛り上がっていく圧巻の一曲だ。また新機軸として珍しくボーカルを起用した"DEGREELESSNESS"は、アブストラクトで不気味な歌と棘のような痛々しいリズムに先導されるダーク・エレクトロで、激しく盛り上がったフロアの後に残った喪失感さえ漂っている。ノンビートの曲にしてもリズムの入った曲にしても、それらが体を揺さぶらないというわけではないのだが、やはり一定のビートによるダンスという事を目的にするよりは自由な音響で意識・神経を直接作用するような刺激的な音楽を目指しているようで、Border Communityを離れた事で自己のアーティスト性を飛躍させているように感じられる。また"SmallCityLights"のドンシャリとしたリズムはロック的で、ドゥームメタルのようなスロウで重厚感があり荒廃した風景が広がる曲もあれば、"CONNECTIVITY"のようにノンビートながらもどぎついシンセのうねりが激しい躍動感を生み出す熱量の高い曲もあり、羽根を伸ばして心の赴くままにNathan Fakeという個性的な音楽を鳴らしている。テクノだとかエレクトロニカだとかそんなジャンル分けも無意味な程に自身の音を完成させ、ドラッギーなサイケデリアが満たされたアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Dance 2017 (Secretsundaze:SSXCD004)
Various - Dance 2017
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Giles Smith & James Priestleyによって主宰されているロンドンのSecretsundaze、同名のサンデー・アフタヌーン・パーティーとしても定着しているパーティー兼レーベルは、今までにその二人によってパーティーの雰囲気をパッキングしたであろうMIXCDをリリースしてきたが、この度初のレーベル・コンピレーションを纏め上げた。彼等の説明に拠れば「'80年代後期から'90年代かけてのダンスコンピレーションのタイトルに因んで付けた」との事だが、その内容は90年代とはかけ離れた現在のテクノやハウスを収録しており、一部の曲を除いてレーベルが過去に発表した曲の編集であるから正にレーベル・ショーケースなのだ。レーベルから3枚のEPをリリースしている事から特に信頼を得ているであろうEthyl & Floriは、音数を絞ったハウシーな4つ打ちに憂いを感じさせるエレピを展開させた”Shelter"を提供しており、非常にシンプルではある作風だが丁寧に情緒的な空気を作っている。今や売れっ子の一人であるハウスDJのBrawtherによる"Spaceman Funk (Deep Club Mix)"も同様に無駄の少ないハウスだが、こちらは跳ねるような軽快な4つ打ちに疾走感がありその上でふんわりとした浮遊感ある上モノを被せる事でよりグルーヴの走りが強まっている。Wbeezaによる"Ferguson"は特に勢いのあるツール的な曲で、これもハウシーな4つ打ちではあるもののカチッとした硬いリズム感で疾走する意外にもハードさもあり、ミニマルなトラックとの相性も良さそうだ。喜ばしい事に未発表も収録されており、エグいアシッド・サウンドが侵食しつつ情緒的なストリングスで仄かに優美さの映えるディープ・ハウスの"Baia 2012 (Aybee's Solar Dub)"や、またネタとして有名な"Little Sunflower"をサンプリングしたFred Pによる花弁が静かに花開くような優雅さを聞かせるハイテックな"Trust"と、これらもSecretsundazeのアーバンかつモダンな作風が根付いている。他にも激しくビートが躍動するテクノや朗らかなムードが広がるジャジー・ハウスも収録されており、思っている以上にジャンルとしての幅は広いもののレーベルの音に対する確かな嗅覚を感じ取れるであろう良作揃いで、流石15年以上も同名パーティーを続けているだけの経験に培われた音楽センスだ。尚、Disc2は曲順も同じままに軽くミックスされた物だが、これは特に必要性はないのでは?と思う。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2017 (Kompakt:KOMPAKT CD 135)
Pop Ambient 2017
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夏の陽気も迫るこの頃、既に季節外れではあるものの年初の厳寒におけるテクノの風物詩にもなったKompaktが送るアンビエント・シリーズの『Pop Ambient』、その2017年度盤を紹介しておきたい。このシリーズに関してはKompaktの元オーナーでもあるWolfgang Voigt(最近Gas名義を復活させた)が選曲を担当しており、アンビエントに対しての特別な審美眼を持つ彼だからこそ、毎年リリースする事で金太郎飴的な内容にはなりつつもその質の高さが保証されている信頼の置けるシリーズだ。本作でもKenneth James GibsonやLeandro FrescoにAnton KubikovやJens-Uwe Beyerなど新旧Kompakt関連のアーティストが曲を提供しているが、注目すべきは珍しく邦人アーティストであるYui Onoderaが参加している事だ。広告や建築空間への、または映画や舞台の音楽制作も行うクリエイターだそうで、クラブ・ミュージック側からは見えてこない存在ではあったが、本作では2曲も収録されるなどVoigtもその実力を認めているのだろう。アルバムの冒頭に用意された"Cromo2"は、透き通るようなシンセのドローンに繊細なピアノの音一つ一つを水玉のように散りばめて、美しさと共に神聖な佇まいを含ませた幻想的なアンビエントで、正に『Pop Ambient』シリーズに相応しい雰囲気を持っている。もう1曲はScannerとの共作である"Locus Solus"、こちらも柔らかく優しいピアノ使い聞こえるが、シンセのドローンが揺らぐ事でハートビートのような躍動感も体感させる。さて、Voigtはというとリミキサーとして参加して”Hal (Wolfgang Voigt Mix)”を提供しており、オーケストラを思わせる荘厳なストリングスやピアノによって重厚感に満ちたアンビエントを作り上げ、そのスケール感の大きさはVoigtらしい。Leandro Frescoは"Sonido Espanol"と"El Abismo"のどちらも吹雪を思わせるノイズ風のドローンが何処までも続く音響アンビエントで、雪が降りしきる極寒の地を思わせるところは『Pop Ambient』の季節にぴったりだろうが、逆に他のアーティストは音数を絞りながら有機的な響きでほんのりとした温かさを表現しており、Popという言葉が馴染み易さに繋がる一般的な意味であれば、そのタイトルはあながち間違ってはいないだろう。春が来るまでの寒い季節に、眠りに落ちるためのBGMとしてやはり聞くべきか。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr. Fingers (Rebirth Records:REB036CD)
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr.Fingers
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シカゴ・ハウスのレジェンド…とだけで括るのでは恐れ多い、時代を越えて何時までも残る曲を制作する音楽家として孤高の位置に存在するMr. FingersことLarry Heard。初期シカゴ・ハウスのロウで荒ぶれる作風から、次第にそこにツール性のみならず趣深い情緒や琴線に触れるエモーショナル性を加えた張本人であり、伝説的な存在として尊敬の眼差しを浴びながらも今も音楽家として制作を続け、求道的な生き方を続けている。アーティストとしての技量は言うまでもないが今までにDJとして公式にミックスをリリースした事はなく、活動歴30年を経てようやくMr. Fingers名義でのミックスがここに届けられた。オフィシャルでの初のミックスである事は非常に貴重ながらも、今回はイタリアのレーベルであるRebirthの10周年を記念した作品とあって、あくまでレーベルの音楽性を伝えるショーケースが前提になっている。レーベルからの作品にはテクノからハウスにディスコ、USから欧州まで幅広い要素があり、レーベルを追い続けている人でなければその全容を計り知るのは困難だろう。しかし決してDJとしては超一流という訳でもないLarryが、ここでは穏やかで慎み深い点で音楽的には親和性のある事をベースに、ショーケースとしては十分に魅力あるミックスを披露している。ショーケースというコンセプトが前提なのでトリッキーさや派手な展開はほぼ皆無で、曲そのものの良さを打ち出す事を前提としたミックス - それは普段のLarry Heardのプレイでもあるのだが - で、幽玄なディープ・ハウスからアシッド・ハウスに歌モノハウス、またはディープ・ミニマルも使用して、穏やかな地平が何処までも続くような優しさに満ちた音楽性だ。丁寧に聞かせる事でしっとりと体に染み入るような情緒性を含みつつも、勿論ダンス・ミュージックとして体が躍り出すようなグルーヴ感もあり、Larryらしい大らかな包容力とレーベルの美しく幽玄な音楽性が見事にシンクロして相乗効果を発揮している。リスニングとしての快適性が故に部屋で流していて自然にさらっと聞けてしまうBGM風にも受け止められるが、それもLarryやレーベルの音楽性としてはあながち間違っていないのかもしれない。願わくば次はショーケースとしてではなく、よりパーソナリティーを打ち出したMIXCDも制作して欲しいものだが、さて今後の活動を気にせずにはいられない。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Scuba - Fabric 90 (Fabric Records:fabric 179)
Scuba - Fabric 90
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2016年8月に薬物により2名の若者が亡くなった事で一旦は閉鎖へと追い込まれたUKは名門クラブのFabricで、最後にプレイしたのがダブ・ステップで先陣を切るPaul RoseことScubaだったそうだ。本作はその出来事に前に制作されていたのでその出来事と特に関連付けられてはいなかったが、奇しくもクラブの閉鎖後に同レーベルより初めてリリースされた作品がScubaが手掛けた本作だったのは、何か運命的なモノを感じずにはいられない。Scubaと言えばテクノの現在の聖地であるベルリンはBerghainにダブ・ステップやベース・ミュージックによって攻勢をかけ、テクノとダブ・ステップの溝を埋めつつ、また本人もベルリン系のテクノへの傾倒を示す事で評価を獲得していた。しかし5年前にリリースされたアルバムは意識的にダブ・ステップから距離を置いて大衆的な作品をリリースし、当方はそこで一旦Scubaへの興味を失いかけていたのだが…。しかし、そこはやはりFabricシリーズに起用されただけあり、ダブ・ステップのビートとテクノのひんやりした質感によってかつてのアンダーグラウンドな雰囲気を十分に纏い、息もつかせぬ展開を駆け抜けるミックスを披露している。驚いた事に本作ではCDとしては19トラックに分けられているものの、実際には42にも及ぶ大量の曲が使用されており、常に複数の曲が入り組むように編み込まれる事でビートの多様性と緩急自在な展開を作り出している。そして単に勢いで飲み込んでいくだけの作品ではなく、例えば出だしではビートのある曲にPatrick Cowleyによる不安気なアンビエントの"Uhura"を被せて深遠な音響空間を作っていたり、ビートもかっちりした4つ打ちからボディーブローのように鳩尾に刺さる鋭利なダブ・ステップに端正なミニマル、または痺れるような覚醒感ある電子音や奥深い空間演出を成すダビーな音響など、様々な要素を散りばめながらそれらがばらばらになる事なく一つの世界観として纏めあげている。確かに余りにも膨大な曲を用いてはいるのだがそれらはベルリン的な冷たさや闇のムードによって結び付けられており、ここでは意識的でなければテクノとダブ・ステップの垣根を感じる事は無いほどだ。そして作品の最も盛り上がる中盤も素晴らしいが、ラスト10分位のテンションが落ちてきてビートが変容しつつズブズブと深みにはまり、暗闇の中からメランコリーな情緒も現れてくる流れは、暗さの中にもドラマティックな盛り上がりを感じる事だろう。予想を良い意味で裏切る妙技が炸裂したミックス、Scubaの深化がここに表現されている。



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| TECHNO12 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - Cheetah EP (Warp Records:WAP391CD)
Aphex Twin - Cheetah EP
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2014年の『Syro』(過去レビュー)での華々しい復活劇(後にこのアルバムはグラミー賞を受賞した!)以降、SoundCloudには膨大な未発表音源をアップロードするわ、コンセプチュアルなEPを2枚もリリースするわ、間違いなく活動が再度活発化しているRichard D. JamesことAphex Twin。常に人を食ったような音楽性、またはプロモーション方法やPVなどは何が本当で何が嘘かも分からない所もあるが、本作はタイトル通りにCheetah社の非常にレアなシンセサイザー・MS800を使用した作品だそうで、その扱い辛い機器をわざわざ用いる事でその機器自体のデモストレーションを自ら買って出たと捉えるべきなのだろうか(機材の使用が本当ならば)。そのシンセサイザーの音を楽しむという観点で聞くと、"CHEETAHT2 [Ld spectrum]"ではふらつくような不安定なパッドの裏で鳴っている多少光沢も含んだような朧気な電子音が恐らくそれなのだろうが、確かにその独特な鳴りはなかなか他では聞けるものではない。よりその音色を明確に体験出来るのはそれぞれ30秒前後のインタールードである"CHEETA1b ms800"や"CHEETA2 ms800"で、ただ音で戯れているだけのようにも思われるが、覚醒感と清涼感とほんのちょっとの毒気を含んだその電子音の個性はテクノ好きを十分に魅了するだろう。機材の特徴を率直に聞かせる為に近年の作品に比べると随分とシンプルで洗練されており、リズムもかつて程には奇抜ではなく分り易いダンス・グルーヴを刻んでいるが、明るさの中にも何処か歪んで捻くれた感覚が練り込まれており、Richard独特のユーモアとシニカルの狭間が展開されている。極度に扱い辛い機材を使用してこんなの簡単だぜっ!みたいに軽々と楽曲を披露しつつも、機材の特徴を生かしつつ自身の個性もしっかりと表現する辺りに、やはりRichardの天才肌があるのだ。と言う事で比較的大人しい作品ではあるものの、恍惚を誘う電子音の魅力を存分に味わいつつ、インテリジェンス/IDM系のテクノとしての確かな自負も伺える作品だ。尚、アナログ盤にはダウンロードコードも付いてくるので、買うならやはりアナログを勧めさせて頂く。



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| TECHNO12 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Holden & Camilo Tirado / Luke Abbott - Outdoor Museum Of Fractals / 555Hz (Border Community:48BC)
James Holden & Camilo Tirado / Luke Abbott - Outdoor Museum Of Fractals / 555Hz
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James Holden率いるBorder Communityは、本人とレーベルに属するアーティスト含め、発足当初の毒々しいサイケデリアを放つダンス・ミュージックから徐々にダンスにさえ依存しない音楽性を強め、異彩/奇才と呼ぶべき個性を発揮している。本作はそんなBCの奇抜な音楽性がより開花したアルバムで、現代音楽家/ミニマリストの巨匠であるTerry Rileyの生誕80週年を祝うイベントの為に作成された曲を、アナログ2枚組の両面に渡り2曲を各40分前後ずつ収録している。まずは近年リバイバルとなっているモジュラーシンセを担当したHoldenと、タブラ奏者であるCamilo Tiradoがコラボした"Outdoor Museum Of Fractals"は、ひたすらリフレインするシンセと豊潤な響きを聞かせるタブラが延々と穏やかに継続するニューエイジ的なインストだ。モジュラーシンセ独特のサウンドが当然キモではあるのだが、何か大きな展開を作るでもなく内へ内へと潜るような輪廻のフレーズと言うべきか、広がりではなく閉塞的なフレーズがより瞑想へと誘うようで、そこにエキゾチックなタブラが何か宗教的な成分も添加し呪術的な魅力を発するミニマルとなる。何だかRileyの"A Rainbow in Curved Air"を思い起こさえるムードもあり、フラットに延びる快適さは底抜けに多幸感のあるアンビエントとしても通用するか。一方でLuke Abbottによる"555Hz"やはりモジュラーシンセにチベタンゴングも用い、ぼんやりとした低音で響くゴングの音色に発信音のような電子音を被せて、より抽象度の高い音響インストメンタルを披露。その持続感は正にドローンだが快とも不快とも言えない不思議な音響はスピリチュアルで、何だか寺院の中で鳴っている密教音楽にも類似している。どちらの曲も最小限の楽器でモジュラーシンセの音を聞いて悦に浸るような音楽性だが、そこにBCらしいトランス感やサイケデリアがまぶされており、ドラッグを必要としないトリップ・ミュージックとして機能している。曲尺が長いのでアナログの両面に渡り収録する事で曲は切れてしまっているが、アナログ盤にはDLコードが付いてくるのでご安心を。



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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
AFX - Orphaned Deejay Selek 2006-08 (Warp Records:WAP384CD)
AFX - Orphaned Deejay Selek 2006-08
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2014年の『Syro』(過去レビュー)、2015年の『Computer Controlled Acoustic Instruments Pt2』と続けて作品をリリースし、休火山が突如噴火するように突発的な活動を見せるRichard D JamesことAphex Twinが、前述の作品に続いてリリースしたのが本作。AFX名義では10年ぶりという売り文句が元々作品毎に音楽性が全く違う彼にとっては意味のない事であるが、やはりそれでも前の2作とは表向きは異なる路線なのだから、その奇才/多彩性に驚かずにはいられない。タイトルからは2006〜08年頃に制作された事を匂わせるが、実際にそうであるかは全く分からない。音楽的には特有のふざけたアシッド+ドリルン・ベース路線ではあるのだが、かつての荒唐無稽に発散するような暴力的なビートは抑えられ、音を間引きながらより鮮明にリズムや奇妙な音が浮かび上がり、それによって確実にAFXらしさが伝わってくる。冒頭の"Serge Fenix Rendered 2"からエグいシンセが早急に動き乱れるコミカルなアシッド・テクノで、そこに続く"Dmx Acid Test"では変則的なビートに変化したリズムにビキビキなアシッドが絡み、序盤から疾走感のある勢いはありながらも支離滅裂な世界観は感じられない。"Bonus EMT Beats"では荒れ狂う硬いドラムマシンのビートが生々しい臨場感を生み出し、"Midi Pipe1c Sds3time Cube/Klonedrm"では逆に牧歌的な感覚もある電子音が眠気を誘いそうでありながら不協和音で崩し、相変わらずEPという小さなボリュームの中でさえ色々な要素が詰まっている。しかし『Syro』とは確かに異なる音楽性ではあるが、かつてのAFXのイメージを塗り替える理路整然とした制作を思わせる点では類似点も見かけられ、そのハイファイなサウンド自体にまた感嘆してしまうのだ。



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| TECHNO12 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra - Where Will You Be Spending Eternity? (Superconscious Records:SCR004)
Francis Inferno Orchestra - Where Will You Be Spending Eternity?
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決して多作ではないもののディスコ~ブギーな懐かしみのある曲からモダンでジャジーヴァイブス溢れるハウスまで、作品毎にハウスを軸に異なる要素を盛り込んでくるオーストラリアはメルボルン発のGriffin JamesことFrancis Inferno Orchestra。初期にはUnder The ShadeやSleazy Beats Recordingsなどのディスコの要素の強いレーベルから、近年ではDrumpoet CommunityやFina Recordsなどテック・ハウスの性質も伴うレーベルからと、やはり時代によって多少の音楽性の幅を持っている。そしてこの新作は自身で主宰しているSuperconsciousからのリリースとなるが、ここでも彼にとっては新機軸となる要素を盛り込んでおり、またちょっとした注目を集めてもおかしくないのではと感じられる。それが顕著なのが"Kalamari Desert"で、ドリーミーな甘いストリングスと壊れかけのドラムマシンが唸っているようなリズムが不釣合いながらも同居し、荘厳な音響で包み込むアンビエント色もあるハウスはDJプレイの始まりとしても嵌るような曲だ。"Harmony"も華麗なストリングスを用いて華やかさがあり、太いキックが入った4つ打ちリズムで跳ねるようなグルーヴが爽快なこの曲は、以前からの作風に近いディープ・ハウスだ。対して裏面はまた色合いが異なる曲が収録されており、切り刻むような粗いハイハットやスネアに鈍いベースラインが響く"Kamakama"は昨今のロウ・ハウスの風合いがあるが、そこに呪術的でヒプノティックなシンセのフレーズが散りばめられて何か禍々しさも滲み出ている。そして、それを同郷のSleep Dがリミックスをした"Kamakama (Sleep D's Mycellium Mixx)"は、金属的なざらつきは残しながら幾分かダビーな音響を加える事でムーディーさも兼ね備えたディープ・ハウスへと変化している。本作で少々アーティストの個性を掴むのは難しいかもしれないが、フロア対応型の粒揃いなEPではあるし、ある程度の幅の広ささえもアーティストへの今後の期待に繋がる用に感じられる。



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| HOUSE11 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Mason - Recollection ∈ Echo (SHOUT! PRODUCTIONS:SHOUT-278)
James Mason - Recollection ∈ Echo
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2012年、『Rhythm Of Life』(過去レビュー)の日本盤リイシューに合わせてWax Poetics Japan No.21に掲載されたインタビューで、2012年の年末には未発表曲を出す予告をした時には胸が高鳴ったものだ。結局、それが実際に遂行されるまでには3年もかかってしまった訳だが、しかしそれでも尚この失われた作品が日の目を見る事に、感動を隠さずにはいられない。そう、今ではレア・グルーヴやフュージョン・ソウルを象徴するアーティストの一人と呼んでも過言ではないJames Masonの新作は、歴史的傑作である1977年作の『Rhythm Of Life』の直後に制作された未発表曲集であり、本来であれば当時リリースされる予定であった2ndアルバムに収録アルバム向けの曲も含まれている。アルバムは"Sweet Power, Your Embrace"の続編として作られたという"The Love Song"で幕を開けるが、そこから既に『Rhythm Of Life』と何ら変わらない流麗でエモーショナルなメロディーやファンキーなベースやギターが鳴り、アーシーで生っぽい質感と人間味のある温かさに満ちている。続く"Angel Eyes"で聞けるソウルフルで歌声や気分を高揚させる嬉々としたサックスからは、輝かしい未来さえ感じられるだろう。"I've Got Your Love"では一転して感傷的なフェンダー・ローズのコード展開を用いたバラードを披露し、"Cool Out"ではエレクトロ風なビートも用いて現在のディープ・ハウスに繋がるような深さも演出するなど、『Rhythm Of Life』同様にジャズ/ソウル/ディスコ/フュージョンを咀嚼しJames Masonたる個性を放つ音楽へと昇華させている。ディスコ的な輝かしいビートやシンセに美しいコーラスを導入した"The Dance Of Life"、そして同様に自由にメロディーを奏でるシンセがコズミック感さえ生む"Space Walking"と、躍動感あるダンス・トラックも古くはあるが決して色褪せない魅力を放っている。そう、『Rhythm Of Life』に魅了されたファンならば再度このアルバムに魅了され、そして虜になる事は間違いのない作品だ。Masonがライナーノーツで述べるように残念ながらオリジナルテープの損傷は酷く、音の歪みや揺らぎを取り除く事は出来なかったが、しかし尚それが本作の価値を失わせる事はなくMasonの魅力を再度世に知らしめるマジックさえ感じられるのだ。ただただ本作がリリースされた事に感謝したい。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Berkson & What Feat. JoJo De Freq - Make It True (Play It Say It:PLAY005)
Berkson & What Feat. JoJo De Freq - Make It True

古くはPoker Flat Recordingsなどからクールなテック・ハウスをリリースしていたロンドンで活躍するDan Berkson & James What。暫くはリリースが途絶えていたものの2014年には息を吹き返したように作品を続けてリリースしたが、本作はその中の一枚でリミキサーにMr. FingersことLarry HeardとUKハウスの大ベテランであるLuke Solomonがリミキサーとして参加している。本作ではJoJo De Freqをボーカルとしてフィーチャーしている影響もあってか、今までの作品に比べるとやや正統派ディープ・ハウスへと傾倒しているように思われる。カラッと乾いたキックの4つ打ちはシカゴ・ハウス風ながらも、そこに控えめに流麗なコード展開のパッドが被さり色っぽいボーカルが入ってくれば、それはモダンでエモーショナルなディープ・ハウスへと染まる。そしてその上にいつの間にか挿入される動きの多いアシッドのベース・ラインは、決して世界観を壊す事なく情緒性にスパイスを加えるような味付けで、非常にクールながらも穏やかな温かさを生んでいる。UKハウスの中でもアクの強い個性を持つLuke Solomonが手掛けた"Make It True (Luke Solomon 4 Turnings Remix)"は、リズムにメリハリを付けて弾む感覚を含ませながら全体が筋肉質になったようなファンキーなハウスに仕立て上げ、如何にもLukeらしい変異体アシッド・ハウスを披露。そしてやはり完全にLarry Heardの個性へと塗り替えられた"Make It True (Mr. Fingers Psychedelic Jungle Mix)"は、オリジナルから無駄を削ぎ落とし間を活かした構成へ作り替えられ、耽美なエレピやタイトル通りにサイケデリックなメロディーを加えて、厳かな佇まいながらも静かに情緒が薫るようなディープ・ハウスへと生まれ変わっている。オリジナルとリミックス、それぞれにアーティストの異なる個性が光る内容で、パーティーの音楽性に合わせて対応出来るような一枚ではないだろうか。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/4/4 Deeep Detroit Heat @ Air
テクノに於ける聖地とも言えるデトロイトの中でも、特にDJ歴の長いTerrence Parker。1979年にDJを始めたそうで既に経歴は35年を越えるが、受話器ヘッドフォンを使用した見た目の特徴と、ヒップ・ホップのスタイルを応用してテクノからハウス、ファンクやソウルにイタロ・ディスコまでミックスするゴスペル・ハウスと称されるプレイは、多くのDJからも高い評価を得ている。元々来日自体はそれ程多くなく昨年は大雪が降る中で東京以外でツアーを行っていたのだが、今回は5年ぶりに都内でのクラブに出演となった。そしてそれを迎え撃つのはFuture TerrorにてParkerを初来日させたDJ Nobu、そしてDJ ShibataやYou Forgotなどハウス・ミュージックに於いてはそれぞれ定評のあるDJで、充実した布陣となった。
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| EVENT REPORT5 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra - A New Way Of Living (Voyeurhythm Records:VRLP01)
Francis Inferno Orchestra - A New Way Of Living
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2010年のUnder The Shadeからのデビュー以降、Sleazy Beats RecordingsやDrumpoet Communityなどのレーベルからディープ・ハウスからビートダウンな作風まで手掛けて、それぞれの作品が高い評価を得ていたメルボルン発のGriffin JamesことFrancis Inferno Orchestra。生っぽいブギーな質感に緩くメロウな感性から熱く昂ぶるファンキーな情熱まで込めて、フロアで映えるようなハウス・ミュージックを得意とするアーティストが、デビューから4年を経て初のアルバムを完成させた。アナログでは1枚でのボリュームなのでミニアルバムとして受け止めるべきであろうが、今までのEPとは異なりアルバムとしての流れはしっかりと出来上がっている。幕開けとなる"First Light"では華麗なピアノのコード展開が凛としているが、対照的にざらついてけたたましいビートがロウ・ハウス的で、荒い中からだからこそ美しさが際立っている。続く"Rap Beef"もやはりヒップ・ホップらしいドタドタとした荒い4つ打ちが目につき、そこにディスコのサンプルを用いたのであろうボーカルを反復させ、手に汗握るようなファンキーな展開を披露する。"Watching The Stars"ではオールド・スクールなシカゴ・アシッドらしいベースラインも登場し、硬いパーカッションも相まってほぼ現在のロウ・ハウスへと一致する作風になっている。そして裏面へと続くと、今までの荒い作風から一転してエモーショナルな温度感を強めたハウスが登場する。優雅に舞い踊るようなストリングスを配してスムースな展開を行う"Ellingford Road"、どっしりと重いキックが大地に根を張ったようなビートを刻みながらも切ないエレピが郷愁を誘う"The More You Like"、アルバムの最後を飾るに相応しいファンキーながらも華々しいゴージャスな音使いが目立つ"G.A.B.O.S."と、そのどれもが情熱的で切なく心にぐっと染み入るようだ。捨て曲はなくボリューム的にも適度な量なので上手くアルバムとして纏まっており、初のアルバムはFrancis Inferno Orchestraの名声をより高めるのではと思う。作風としては特に斬新な面は見受けられないのは否めないが、ハウス・ミュージックに対する誠実さと言う点で評価すべきだろう。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Priestley & Giles Smith - 10 Years Of Secretsundaze (Secretsundaze:ssxcd003)
James Priestley & Giles Smith - 10 Years Of Secretsundaze
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先日来日したばかりのSecretsundaze - James Priestley & Giles Smith - による公式MIXCDの中でも、この作品はパーティーの10周年を記念する物としてパーティーの主旨が最も端的に表現されているのかもしれない。Secretsundazeは真夜中ではなくそのタイトル通りに日曜の昼間に開催されるロンドン屈指のサンデーアフタヌーン・パーティであり、テクノやディープ・ハウスだけでなくジャズやディスコなども紡ぎながら、じっくりと盛り上げていくパーティーだそうだ。日本にもここ数年二人揃って来日しSecretsundazeを開催しているが、オールナイト公演という性質上どうしても上げめのプレイとなり、本国のSecretsundazeとは異なるのではという疑問を消し去る事が出来ない。そんな疑問を持つ理由としてやはり本作の印象がどうしてもSecretsundazeらしさとして当方に植え付けられている事もあるのだが、ここで展開されるクラシカルな音楽性とモダンな響きの融合は類まれなるレベルに達している。先ずJames Priestleyが手掛けたミックスはメロウなビートダウン風なハウスである"Rain Parade (Mark E Remix)"からゆっくりと始まり、そしてコズミック感のある"Transatlantic Loading Bay"へと繋がる最高にロマンティックな流れが形成される。そして"Harlequin"や"Taking Over Me"などハウスからブロークン・ブーツまでビート感に振れ幅を持たせながらも徹底的に感情的で、そして中盤以降では生っぽくも煌めく多幸感を打ち出したディスコや色っぽいシンセ・ファンクも飛び出して、Secretsundazeらしい大胆かつクラシカルなフリースタイル性が満ちている。そんな自由奔放なプレイの最後にはフレンチ・ディスコの"I Love You Dancer"を用意して、ぐっと切なさを増して綺麗に着地する。対してGiles Smithは序盤から端正な4つ打ちのテクノやハウスを積み重ねながらビルドアップさせていくスタイルで、"Make Me Feel"や"Feel It"にしても揺蕩うような浮遊感と空間的な深みを伴い、非常に伝統的とも言える丁寧なプレイを行う。流れを壊す事なく滑らかに丁寧に曲調を守りながら、そこに仄かにエモーショナルな成分も加えてこちらもJamesに負けじと洗練されたドラマティックな展開を聞かせるのだ。終盤の"Ronin"以降はその洗練に磨きをかけて淡い白色光に包まれるような幻想的なサウンドが広がり、盛り上がったまま心地良い余韻を残してミックスは終了する。JamesとGiles、Secretsundazeとして一緒に活動しながらもその対照的なプレイは、しかしどちらにもストーリー性があり、これこそがSecretsundazeらしいという印象を鮮烈に残すのだ。願わくば日本のSecretsundazeでも、いつかこのようなプレイが聴ける事を願っている。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/2/21 Secretsundaze @ Air
昨年に引き続き今年もロンドンのサンデーアフタヌーンパーティーであるSecretsundazeがAirで開催されるに合わせ、レジデントのJames PriestleyとGiles Smithが来日する。本国では午後の早い時間帯から開催される事から、テクノやハウスだけでなくジャズやソウル、ファンクにブロークン・ビーツなどフリースタイルでゆっくりとフロアを温めていくスタイルだったと彼等は述べるが、ここ日本ではオールナイトでの開催が恒例となっている。またパーティーを主宰するだけでなくThe Secret Agencyなるエージェンシーも運営し、将来有望な若手から実力が認められているベテランまでアーティストのプロモートを行うなど、DJとしての活動だけでなくシーンを作っていくような動向は目が離せない。
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| EVENT REPORT5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aphex Twin - Syro (Warp Records:WARPCD247)
Aphex Twin - Syro
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2014年8月、突如としてロンドンの空にAphex Twinのロゴが記載された飛行船が出現し、話題と疑問を振りまいた。そして、その後AphexのTwitterアカウントでは暗号化されたURLが呟かれ、正しい特設サイトへとアクセスすると「ARTIST NAME」や「ALBUM TITLE」が記載されている事が見つかった。そう、これはRichard D. JamesことAphex Twinによる13年ぶりとなる新作の壮大なプロモーションだったのだ。相変わらずの奇行とユーモアを振りまくAphexにとって13年ぶり、いや2005年にリリースされた「Analord」シリーズ、2006年にはそれを纏めた"Chosen Lords"(過去レビュー)がリリースされていたので、正確には8年ぶりとなる新作となる本作は相も変わらずAphexらしい音を鳴らしている。巷では"Selected Ambient Works 85-92"(過去レビュー)の頃のような作品とも評価されているそうだが、確かにあの頃のような夢のような無邪気なアンビエント性が通底しているが、しかしリズムはそれ以降のより壊れかけの複雑なビートを刻むダンサンブルな要素もあり、決して懐古的な作品とも異なっている。それどころかAphexも時代に合わせて進化しているのだろうか、穏やかで優しい音は今までの中でも最も綺麗な響き方をしており、過去の作品のように敢えて録音状態を悪くしている点は見受けられない。また、曲の展開・構成に関しても捻りのきいたユーモアや奇抜性はあれども、かつてのように悪意を持って崩壊していくような暴走気味の意志は感じられず、それどころか冷静な意志をもってして音と戯れるような抑制の取れた感さえもあるのだ。ビキビキとしたアシッドのベース・ライン、脱力された骨抜きグルーヴから躍動するダンス・グルーヴにファンクなリズム、そして大量のハードウェア機材から生み出されるファットな音質などから構成されたトラックは、確かに普通ではない異形なテクノではあるが決して荒唐無稽ではないのだ。そういった意味では毒々しい悪意もなければ破天荒な壊れ方もなく、かと言ってアンビエント一辺倒な作品でもない本作が、Aphexの音楽史の中で必ずしも傑作と呼ばれる事にはならないだろう。しかしそういったAphexらしい奇抜で狂ったような音楽性に頼らない本作だからこそ、Aphexの素が見れるような作品でもあり自然体と受け止められる人懐っさがあるのだろう。




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| TECHNO11 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Fabric 77 (Fabric Records:fabric153)
Marcel Dettmann - Fabric 77
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ドイツで最大級の人気を博すクラブ・Berghain、そこでレジデントを持つDJは複数いるが、その中でもやはりクラブの顔として存在感を放つのは(少なくとも日本では)他ならぬMarcel Dettmannだろう。日本に来日する度にパーティーでもフロアを満員にする程の人気を誇っているが、その音楽性は余りにもハードな面を持つ一方で、伝統的なシカゴ・ハウスから最新のダークなテクノ、又は理路整然とした機械的なマシンビートのミニマルに深遠なアンビエントまで網羅し、オールド・スクールからモダンを一つの世界に収めたテクノとしてミックスする手腕が持ち味だ。本作は彼にとって3作目となるMIXCDだが、その音楽性自体に大幅な変化は見られない。やはりオープニングには闇の奥底から静かに浮かび上がるダークなアンビエント"Arthure Iccon"でゆっくりと始まるが、続く"Sun Position"では錆び付いた金属が擦れるようなビートを、更に"Inside Of Me"でくらくらとした目眩を誘発する催眠的なミニマルをミックスし、序盤からして既にDettmannの淡々としながらも静かに重圧をかけていくようなグルーヴが疾走っている。そして序盤のピークはAnswer Code Requestによる"Transit 0.2"において現れる。空虚で機械的なビートの上に何度も被さっていくシンセのレイヤーが、爆発を伴い疾走感を増していくようで、そこから真っ暗なフロアの中に潜って行くように荒くれたテクノ〜幻惑的なミニマル〜不気味に唸るエレクトロまでミックスされ、甘さの全く無い廃退的な音が続いていく。しかし作品として制作されるMIXCDを聴くと、パーティーで彼のプレイを聴く時以上に理知的というか、単にハードな音楽をミックスしハードな展開を作るDJとは全く異なる抑制の取れたグルーヴ感がDettmannのDJを特徴付けているように思われる。表面的にはハードな曲は既にそれ程使用されていないが、曲の持つムードや鈍い響きにロウなビート感などを感じ取り、それらを的確にミックスしながらフロアの喧騒に内面的なハードさとストーリーを与えていくのだ。そして、本作の魅力はそれだけでなく、ここに収録された多くの曲が自身が主宰するMDRからの未発表曲でもあり、このMIXCDが未来へと繋がっていると言う点でも興味を掻き立てられるだろう。



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| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Defected Presents House Masters - Masters At Work (Defected Records:HOMAS21CD)
Defected Presents House Masters - Masters At Work
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ハウス・ミュージックにおける歴史においてどうしても通らずにいる事は出来ないアーティストがおり、今尚パーティーで燦然と輝くクラシックな音楽がある。Defected Recordsはそんなアーティスト毎に焦点を絞り過去の作品をコンパイルした「House Masters」というシリーズをリリースしているが、その最新作には遂にMasters At Workが登場した(ちなみに以前にもVegaとDopeは、それぞれ単独となる名義でこのシリーズにも登場している)。Louie VegaとKenny DopeによるMAWは今でこそ一緒に活動をする事は少なくなったが、ラテン・ミュージックやジャズから育ったVegaとヒップ・ホップやファンクからの影響が強いDopeは、互いの音楽性をクロスオーヴァーさせながらハウス・ミュージックの地盤を固めつつ、そして柔軟に拡大を行ってきた稀代のユニットだ。その余りある意欲と才能の為かオリジナル曲もリミックス曲も膨大な量があり、それらを遍く収録する為にこのシリーズでは初となる4枚組の大作となった。ここには現在も尚パーティーで聴く事が出来るクラシックが収録されているが、何はともあれMAWの中でも外す事の出来ない曲と言えばNuyorican Soul名義による"The Nervous Track (Ballsy Mix)"ではないだろうか。4つ打ちからの脱却としてヒップ・ホップ風ブレイク・ビーツと生のライブ感覚を持ち込み、ハウス・ミュージックに彼等の多様なルーツを落とし込んだ作風は今でこそ当たり前に聞こえるが、リリース当時の衝撃はきっと大きかったと想像するのは容易い。またRiver Ocean名義による"Love & Happiness (Yemeya Y Ochun) (MAW Original Remix Extended)"も生のラテンなパーカッションが怒涛のグルーヴを生み出し、何処かスピリチュアルでもある歌も相まって熱狂的なアフロ・ハウスを鳴らしている。そんな肉感的で人間味のあるダンス・ミュージックを手掛ける一方で、彼等は音楽的にメロディーやメッセージ性も大事にしており、Bebe Winansによる"Thank You (MAW Mix)"ではゴスペルのような歌と耳に自然と残る愛らしいメロディーが生きており、時代に左右されない普遍的な音楽性を手掛ける事という点でも類まれな才能を発揮している。その他にも本作にはMAWの代表曲が多数収録されており、もしこれから彼等の音楽を初めて聴くという人には、間違いなく本作を勧める事が出来る程に充実した内容となっている。リヴィング・レジェンドという言葉が一人歩きしてしまっている時代、しかしMAWこそリヴィング・レジェンドと呼ぶに相応しい存在である事を知らしめるコンピレーションだ。



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| HOUSE10 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2014/11/30 choutsugai presents -Pablo Valentino Japan Tour In Tokyo- @ Solfa
Motor City Drum Ensembleの立役者…という説明も最早不要だろうか、ジャズやファンクにビートダウンまでをカバーするMCDEとFaces Recordsを主宰し、また自身ではCreative Swing Alliance名義でも活動するPablo Valentino。DJにおいてもハウスのみならずファンクやヒップ・ホップなど縦横無尽にブラック・ミュージックを包括するプレイで魅了するが、そんなPabloが一年ぶりの来日を果たす。また日本からはデトロイト・ハウス〜ロウ・ハウスからの影響を公言するYou Forgotも出演と、日仏ハウス合戦が日曜の夕方に繰り広げられた。
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| EVENT REPORT5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Abbott - Wysing Forest (Border Community:45BCCD)
Luke Abbott - Wysing Forest
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視界も眩むようなサイケデリックでトリップ感のある電子音楽を世に放つBorder Community(以下BC)は、テクノというスタイルに寄り添いつつもダンスフロアに執着しない事に意識的であるように思える。それはレーベルオーナーであるJames Holdenの壊れかけの電子音響が広がるアルバムからも感じ取れるだろうが、Luke Abbottもそこまで破壊的ではないにしろ同じような意識を持ち合わせている。2010年にBCからリリースした初のアルバムである"Holkham Drones"(過去レビュー)で、既に多彩な色彩感覚で空間を歪ませたサイケデリックなテクノを開眼していたが、この4年ぶりとなるニューアルバムではその路線を更に突き詰め自身の個性を確立している。Luke自身は本作においてAlice ColtraneやDon Cherryらのスピリチュアルジャズから影響を受けたと述べているが、冒頭を飾る"Two Degrees"からしてその即興的な形のない抽象的なサイケデリアが蠢き、その流れは圧巻の"Amphis"へと続く。12分にも及ぶ"Amphis"はノイズ混じりの電子音が浮遊する田園風景が眼前に広がるサイケデリックな音響テクノではあるが、決して真夜中のフロアで興奮を呼び起こすようなトラックではない。むしろ牧歌的で穏やかな地平が地の果てまで続くテクノであるが、モジュラーシンセの不安定な動きさえも利用した構成は即興性が息衝き、まるで生き物かのように音は変容を続ける。続く"Unfurling"でも楽器と戯れている姿が浮かんでくるが、闇の中で蠢く混沌とした音響は一転して内向的だ。だからこそ次の"Free Migration"でのLukeらしい明るくも中毒的なシューゲイザーテクノでのトリップ感が映えるのだろう、ここでアルバムは早くもクライマックスを迎える。アルバムの後半には"Tree Spirit"や"The Balance of Power"の悪ふざけするようにトリップ感のある電子音が芽を出し、いつしかサイケデリックな霧の中に埋もれてしまうが、アルバムの最後における"Amphis (reprise)"で安息の日を迎えたかのような余りの静寂に包まれたアンビエントは、永遠に覚めない夢なのだろう。敢えてダンス・ミュージックに拘らずに、BCらしい自由なサウンドデザインはここに極まり、Luke Abbottは最高の白昼夢を提供する。




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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Farben & James Din A4 - Farben Presents James Din A4 (Faitiche:faitiche 12cd)
Farben & James Din A4 - Farben Presents James Din A4
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2000年前後のクリック・ハウス隆盛の中で、一際異才を放っていたJan Jelinek。特にジャズからのサンプリングを用いて全くジャズを匂わせない程に解体し、そこに快楽的なダンス・ミュージックとは異なる緻密なグルーヴとコラージュ的な音響の魅力を再構築した"Loop-finding-jazz-records"(過去レビュー)は、今尚色褪せない名作であろう。そんなJanの異なる活動がFarben名義であり、こちらはよりフロア寄りでファンキーな音を素直に追求し、変態的な遊び心も閉じ込めた"Textstar"(過去レビュー)で確固たる地位を確立した。がFarben自体の活動は2004年に止まっていたものの、2010年頃から再度始動させてからアルバムとしては12年ぶりの本作がようやくリリースされた。新作とは言いながら本作はDennis BuschことJames Din A4の作品を、全面的にJanがリミックスした作品であり、厳密な意味ではオリジナルアルバムではないのかもしれない。しかしかつてサンプリングにより自身の音を確立していたJanからすれば、このリミックスアルバムもJan=Farbenのオリジナルアルバムと呼んでも差し支えないだろう。前作から12年も経過しているがFarbenらしいファンキーなリズム感に有機的に揺らぐサウンドや静謐で幽玄な世界観は今も続き、時間の経過を感じさせない作風はFarbenが早過ぎた証拠なのだろうか。ビートは明らかにダンスビートのそれを刻んでいるが、それさえもが有機的で人肌を感じさせる温度感があり、そこにコラージュのような緻密なシンセが切り貼りされ、抽象的な音のループが合わさる事でミニマルの陶酔感を生み出している。機械的な電子音楽というジャンルにもかかわらず、しかし生々しさやオーガニックな質感を失う事なく湿っぽい音響を生み出し、ユーモアを含む実験的な鳴りとハウスのグルーヴ感を両立させるバランス感はFarbenの十八番だろう。Farbenを待ち侘びていたファンも、そうではないミニマル・ハウス好きなファンにもお薦めしたいアルバムだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/7/19 Larry Levan Birthday Celebration and Victor Rosado Together with Tribute Tour 2014 @ Air
7月20日はガラージの祖となったLarry Levanの誕生日、そして今年は生誕60周年になるそうで、AirとLiquidroomで連日Larryのトリビュートパーティーが開催される事となった。Larryといえば伝説的なゲイクラブであるParadise Garageの初代レジデントであり、そこではディスコやソウルにファンク、ロックやヒップ・ホップにテクノも…とジャンルに固執する事なくスピリチュアルなプレイを披露し、それらは後にガラージ・サウンドと呼ばれるようになったそうだ。今回はそんなLarryの意志を受け継ぐVictor Rosadoが来日し、また日本からはParadise Garageの体験者でもあるDJ Nori、そしてガラージへの造詣も深いDazzle Drumsも出演し、Larry Levanの世界観を蘇らす。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Future Disco Vol. 7 - 'Til The Lights Come Up (Needwant Recordings:NEEDCD013)
Future Disco Vol. 7 - Til The Lights Come Up
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2009年にUKに設立されたNeedwant Recordingsはハウスとディスコに焦点を当てたレーベルで、発足当時からモダンなニュー・ディスコを集めた"Future Disco"なるシリーズをリリースし続けている。2010年にはその第3弾の"City Heat"(過去レビュー)もリリースしていて、その頃は額面通りにディスコな愛くるしさが強く出た作品だったと思う。そして久しぶりに手に取ったこの第7弾"'Til The Lights Come Up"のコンセプトは、パーティーの早い時間帯から最後まで踊る者に捧げたそうで、「パーティーの早い魔法のような時間帯」をイメージしているそうだ。大半はこの1〜2年にリリースされた新しい作品が収録されているが、以前のシリーズに比べるとディスコ色は残りつつも今風のフロアを意識したディープ・ハウス色が前に出ており、その意味ではより洗練されたトラックが多い。Terrence Parkerによるピアノのコード展開が煌めく美しいハウスの"Finally"や、Mount Kimbieの曲をDJ Kozeがリミックスした"Made To Stray (DJ Koze Remix)"が収録されている時点で、ディスコよりは整ったビート感とすっきり整った電子音が打ち出されたハウスに重点が置かれているのは分かるだろう。ブリブリしたベースラインに透明感のあるパッドのメロディーが快楽的なMirror Peopleの"Kaleidoscope (Psychemagik Remix)"、ADAの可愛らしいキャッチーなメロディーと牧歌的なボーカルが絡む"Maps (Michael Mayer / Tobias Thomas Remix)"など、ディスコの一聴して心を惹き付けるようなポップな感覚も勿論ある。パーティーの早い時間帯をイメージしているのでアッパーな勢いよりも、じっくりとフロアを温めるようなしっとり感情的な趣が強く、特にホームリスニングとしても良いBGMになる事請け合いだ。CD1はミックス仕様、CD2はアンミックス仕様なのでDJをする人にも便利な作品となっている。



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| HOUSE9 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deep Into Nite Grooves Mixed & Selected By DJ Spinna (Nite Grooves:KCD278)
Deep Into Nite Grooves Mixed & Selected By DJ Spinna
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NYハウスの伝統とも殿堂とも言えるKing Street Sound。一方、そんなハウスから零れ落ちながら時代に則すようにディープかつテッキーなハウスをリリースしてきたのが、姉妹レーベルであるNite Groovesだ。両者のレーベルはハウスを根底としそれ程大きな隔たりがあるわけではないが、敢えて言うならば前者がソウルフルで伝統的な、後者がエレクトロニックで現代的なと特徴付けられるかもしれない。そんなNite Groovesも2014年には設立20周年になるそうで、そのレーベルの軌跡を辿るべく集大成とも言えるMIXCDをリリースした。ミックスを手掛けたのは古くからレーベルと交流もあるDJ Spinnaで、ファンクやヒップホップにロックやハウスにテクノまで自由自在にジャンルを横断するプレイには定評があり、ならばこそNite Groovesの歴史を過去から未来へと向かって紐解く事にも難はないだろう。さてミックス自体はと言うとレーベルのショーケース的な扱いではあるので、DJ Spinnaの自由奔放なプレイが聞けるわけではないのだが、さりとてMIXCDとして平凡であるかと言うとそうでもない。音自体はエレクトロニックでしっかりとビートの強いハウス中心で、そこに潜って行くようなディープさや染み入るメロウな感覚、ずっしりした4つ打ちからざっくりしたジャジーなリズムまで、そしてハウスには重要な情熱的なボーカルトラックも織り交ぜて時代とジャンルを横断した選曲を行っている。このミックスの中心にあるのはあくまでレーベル性であり、それを正しく表現する為にDJ Spinnaはトラックの持ち味を壊さないように滑らかかつ自然なミックスを行っており、その意味ではNite Groovesの本質を体験すると共にエレクトロニックなハウス・ミュージックの入門としても適しているのだ。勿論20年にも及ぶレーベルの全てが詰まっているわけではないが、レーベルの過去、そしてこの先向かう未来を知るには十分過ぎる内容だろう。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/2/22 secretsundaze @ Air
2002年、UKはロンドンで隠れ家のようなロフトで日曜の昼間に開催していた事から名付けられたパーティー"secretsundaze"。Giles SmithとJames Priestleyらによって立ち上げられたパーティーは、当初は口コミのみの周知でウェアハウス・パーティーとして開催されていたそうだが、いつしか評判は広まりビルの屋上など屋外にも場所を移しながらUK屈指のテクノ/ハウス・パーティーに成長している。アンダーグラウンドがその性質を失う事なく、世に認められたパーティーと言えるかもしれない。現在ではレーベルとしてのSecretsundaze、DJマネージメントとしてのThe Secret Agencyも運営するなどその活動の場は広がっており、その動向は注目すべき存在だ。
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| EVENT REPORT5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Fabric 73 (Fabric Records:fabric145)
Ben Sims - Fabric 73
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時代と共にシーンに寄り添うアーティストも入れば、そんなのはお構いなしと愚直なまでに自分のスタイルを貫き通すアーティストもいる。Ben Simsは間違いなくその後者に属するアーティストで、90年代後半のハードミニマル隆盛の時代からシーンの最前線へと飛び出し、00年代に入ってから周りがエレクトロやディープなテクノへと転身する中で、今でもスタイルを守りつつ残っている数少ない存在だ。ヒップホップのDJからスタートしたと言う彼の芸歴は本作でも活きており、3台のCDJを使用してライブミックスを行った上にエディットを施し、それらを最終的にAbletonでミックスし直した事で怒涛のハードグルーヴが渦巻くミックスとなった。ベテランからアンダーグラウンドなアーティストまで44曲にも及ぶトラックを使用し、その中には自身によるエディットを含め18曲も未発表曲が含まれていると言う事実は驚愕だが、音自体はBen Simsと言わざるを得ないどこか古臭さも残りながら野性的で図太い。執拗なまでの4つ打ちを貫きつつ矢継ぎ早にミックスされる事で、全体を通して一つの音楽となるような曲の境目も気にならない痛快なプレイだが、恐らく現在のシーンと照らし合わせるとやはり何処か野暮ったいと言うか時代から取り残されている感は否めない。しかしこの音こそがBen Simsを個性付けているとしたら、疑う事なく自身の道を歩み続ける彼の気概は本物だ。エレクトロやシカゴ・テクノのファンキーさとハードテクノのシャッフルする疾走感、そこに少々のミニマルのディープな要素も織り交ぜつつ、後半に進むに連れて草を刈り取る芝刈り機のように全てを巻き込みながら爆走するグルーヴ感の前には抗う事など出来やしない。ハードなだけの音楽には飽きつつもある当方だが、たまにこんな愉快痛快で突き抜けたミックスを聴くと何だか心が沸き立ってくる。

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| TECHNO10 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2014/1/17 UNIT / root & branch presents UBIK "THE FIELD JAPAN TOUR 2014" @ Unit
テクノのみならずロックファンも虜にするKompaktのThe Field。昨年には4枚目となるアルバムをリリースし順調な活動を続けているが、そのアルバムではバンド形態を封印しハードウェア中心の作風へと原点回帰。今回の来日公演でも当然バンドセットは封印し、ハードウェアでのライブを披露する事になった。日本からはGonno、Crystal、Inner Scienceら現在クラブシーンで注目を集めるDJや、そして人力ミニマルと称されるNISENNENMONDAIのライブも予定され、その一夜全てが期待されるパーティーとなっていた。
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| EVENT REPORT4 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/12/21 PRIMITIVE INC. & UNIT presents KOMPAKT.JAPAN 05 20th Anniversary edition KAITO "Until the End of Time" Release Party @ Unit
今年はドイツはケルンのテクノレーベル・Kompaktの20周年。年内にあるのかないのか微妙だったものの、紆余曲折の末ようやくレーベル20周年記念とKaitoのアルバムリリース記念を合わせたKompakt Japanの開催が決まった。今までにもKompaktの人気アーティストを招待し開催を続けていたが、今回はデンマークの新星・Taragana Pyjaramaを招待。弱冠22歳ながらも一枚のEPがKompaktに認められ、2012年にはKompaktよりデビューアルバムもリリースしている。そして日本のKompaktと言えばHiroshi WatanabeことKaito。今回は何と90分にも及ぶライブを行うと言う事で、いつも以上に特別にKaitoがフォーカスされるパーティーとなっていた。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra - Dreamtime EP (Drumpoet Community:dpc 044-1)
Francis Inferno Orchestra - Dreamtime EP
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失礼ながらクラブミュージックにおいては決して先進的とは言えないオーストラリアだが、最近ではそんな国からも才能を感じさせる新鋭も出てきており、このGriffin JamesことFrancis Inferno Orchestraもその一人だ。Kolour RecordingsやSleazy Beats Recordings、そして前作はFina Recordsからのリリースと比較的ビートダウンやディスコ・テイストを打ち出すレーベルからと相性が良いのだろうか、基本的には感情性豊かで洗練された黒さを発するハウスを得意としている。新作はこれまたディープ・ハウス方面では注目を集めるDrumpoet Communityからのリリースだが、この作品によって更なる高い評価を得る事は間違いないだろう。ゆったりとしたジャジーグルーヴの中に浮かぶ色気のある女性ボーカルを用いた"Amber Express"、バウンス感のあるずんどこした4つ打ちに耽美なエレピのコード展開がアーバンテイスト溢れる"You're The One"、A面の2曲はリラックスしたビートダウン感覚に気品さえ感じられる。逆にB面では高揚したフロアで映えるよりピークタイム向けの曲が2曲収録され、弾けるクラップ音にエレクトロニックなリフが先導するファンキーな"Dreamtime"、そしてアシッドでありながらコズミックな感覚もあるフレーズが飛び交い宇宙へ飛翔するギャラクティック・ハウスの"Dusty Echoes"と、デトロイト・ハウスのエモーショナルな感覚が通底している。アッパーな曲もビートを落とした曲も統制の取れたソウルフル/エモーショナルな赴きがあり、お世辞抜きに捨て曲無しのEPだ。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Holden - The Inheritors (Border Community:40BCCD)
Holden - The Inheritors
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幸か不幸か常にリスナーの期待を良くも悪くも裏切り衝撃を与えるアーティスト、それがJames Holden。プログレッシヴな音楽を生み出すBorder Communityの頭領として、そして世界各地のフェスやフロアで阿鼻叫喚を引き起こすDJとして、真の意味でのプログレッシヴな活動を続けている。そして1stアルバムからから既に7年も経過しテクノシーンも変化を見せる中で、Holdenの2ndアルバムも賛否両論の評価を得る程の変化を遂げていた。前作もそもそもが既存のダンスミュージックに当て嵌まり辛い音楽性ではあったものの、この新作に於いてはそれを一切捨てていると言っても過言ではない。快楽だけを誇張した単なるトランス、個性が欠如した踊りやすいだけのツール的なテクノ、そう言った安易な利便性の一切を否定するような、どこか壊れたようなマシンから発せられる不安定で狂った音楽。奇妙なと言う表現を超越した神経質でノイジーな音、ガチャガチャと混沌としながらも原始的な体感となるグルーヴ、そして圧倒的な恍惚を醸し出す狂気にも似たサイケデリア。Holden自身が手掛けたアナログマシンやデジタルソフト、それのみならずギターやベースにシロフォンと言った楽器も自身で演奏する事で、生の音と電子の音が融解し生々しく個性的な音が浮かび上がっている。DJが使い易いツール的な曲はほぼ皆無と言ってよいだろうが、延髄に直接作用するこの刺激的なサウンドの前には抗う事なで出来やしない。最初に賛否両論で評価は割れていると述べたが、当方はJames Holdenのプログレッシヴ=前衛的な個性を断然支持する。退廃的で甘美なサイケデリックミュージックだ。

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| TECHNO10 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/7/13 FREEDOMMUNE 0<ZERO>ONE THOUSAND 2013 @ 幕張メッセ
昨年に引き続き今年も宇川直宏氏によるFreedommuneが開催される事になった。”東日本大震災復興支援イベント”と言う姿勢は変わらないものの、昨年の一人平均160円しか募金がされなかった事を考慮して、今年は入場の際に一人最低1000円の募金が義務付けられている。出演するアーティストは音楽イベントに出演はしないであろう少々変わった面白味のある人もいて、募金額が0円だろうと1000円だろうと、もしくはそれ以上であっても行ってみたいと思わせられる魅力がある。
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| EVENT REPORT4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sandwell District - Fabric 69 (Fabric Records:fabric137)
Sandwell District - Fabric 69
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2010年頃からベルリンのアンダーグラウンド界隈で注目を集めていたSandwell District。FunctionことDavid SumnerとRegisことKarl O'Connorから成るこのユニットは、誠に残念ながらFabricの名物MIXCDシリーズの69作目で終焉を迎える事が空気として伝わってきている。公式リリースとしては初のMIXではありながら最終作でもあり、その観点からすると集大成と捉えるべきなのだろうか。以前にパーティーでSandwell Districtのプレイを聴いた時には煮え切らないプレイにやきもきしたものの、本作ではCDと言う媒体のおかげか選曲の繊細な妙技を感じられ、Sandwell Districtらしい鉄の鈍い輝きを放つダークな展開を終始保った重厚感のあるテクノの地平が広がっている。メディアの話では本作はソフトウェアによって入念にミックスが行われた作品との事で、パーティーらしい激しいライブ感よりはアートとしての精巧な展開がより強く表現されている。出だしの3曲からしてRegisやFunctionが制作に絡んでいる曲から始まるのはご愛嬌としても、序盤から新しい何かが萌芽するような胎動から始まり、大きな変化を作らず繋ぎ目も分からない程に滑らか展開を伴ってビートは強みを増していく。その後も杭を打ち込むような安定感のあるキックが刻む中で、荒涼とした景色が広がる灰色のモノクロームな音像を見せながら大きな山も谷も作らずに水平構造を保つ展開が続く。疾走感や重圧による強迫的な音ではなく密閉された空間から生まれる闇の不気味さが通底し、空気としてのインダストリアルやポスト・パンクのアティチュードは確かに存在しているのだ。行き過ぎたハードテクノへの反抗と言うべきか、表面的に過激な音は本作では殆ど聴かれない。しかし鳴っている音の雰囲気は朽ち果てた末の荒涼とした世界を目の前に描き出しており、単なるハードなテクノとは一線を画す事を意識してミックスをしているのが伝わってくる。オリジナル作品においても聴かせる事も重視していたSandwell Districtらしさは本作でも軸としてあり、確かに最終章として円熟味を開花させたミックスと言えよう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2012
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。相変わらず音楽は作品が売れないだとか、パーティーも以前に比べると活気がないだとか、ここ数年同じように苦しい状況が続いています。しかし昔から変わらず、それどころか都内ではパーティーもどれに行くべきか悩むくらいに溢れており、その充実度は昔よりも遥かに高いでしょう。またクラブミュージックに於いてさえデジタル配信は既に充実していますし、その一方で再度アナログでのリリースに拘るアーティストも増えてきたり、音楽を聴く為の環境自体は十分に整っている事は間違いありません。決して音楽自体の魅力が失われているわけではないと、私は信じています。さて、それではそんな気持ちで選択した毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra - Astral Breeze EP (Fina Records:FINA009)
Francis Inferno Orchestra - Astral Breeze EP
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Under The ShadeやKolour Recordingsと言ったスローモーなハウス/ディスコを得意とするレーベルから作品をリリースし、オーストラリアはメルボルンから注目を集めているGriffin JamesことFrancis Inferno Orchestra。過去の作品を見るとSession VictimやNicholasにSimoncinoと言ったオールド・スクールを現代に蘇らせるアーティストともスプリット盤をリリースしていて、やはりFIOもディスコやブギーの影響を持ったテックハウスをリリースしている。タイトル曲の"Astral Breeze"からして何処か懐かしいシンセコードの展開と何処かコズミックなボーカルサンプリングが特徴となり、ノスタルジアが広がって行く穏やかなテックハウスで懐古的な印象はあるものの、音自体は現時代的で洗練されている点が新世代なのだろう。そして裏面にはファンキーな掛け声と透明感のあるエレピで太いグルーヴに上品さを兼ね備えたハウストラック"Here's To Feeling Good All The Time"と、ディスコネタを反復させフィルターかけまくった重心低めでファンキーなビートダウンである"Silk & Smoove"の2曲を収録している。若手ながらもどれも間違いなくフロア受けするであろうツボをついた作品で、今後の活動にも注目しておきたいアーティストだ。



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| HOUSE8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - Fabric 66 (Fabric Records:fabric131)
Ben Klock - Fabric 66
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Ostgut Ton、Berghein勢が気を吐いて活動するベルリンのシーンにおいて、Ben Klockもまた独自のテクノ路線を突き進む個性的なアーティスト/DJだ。Bergheinに於ける活動が認められ一躍トップクラスのDJとなった彼ではあるが、そのせいか近年はアーティストとしての活動よりもDJとしての側面が強く、新作はアーティストアルバムではなく名門MIXCDシリーズのFabricへミックスを提供する事になった。正直に言うと最近は作品も出していなかったしリリース前はそれ程期待してなかったのだが、蓋を開けてみれば凍てついた空気にベルリンの幅のあるテクスチャーを織り交ぜた展開になっていて溜飲が下がった程だ。本人が「普段のセットで盛り上がる作品にはしたくなかった」と意識したのが影響したのか、勢いのあるテクノだけではなく幅広い音を取り込みながら深みや広がりを聞かせ、例えば真っ暗闇の深海を潜っていくように未知なる旅を繰り広げるスリリングな内容となっている。重苦しい音圧や過激なグルーヴ感に頼るのではなく冷たく無機質な音のムードで荒廃したベルリンテクノのイメージを生み出し、やたらめったら体感的にハードな音ではなく精神的にストイックな音に統一されている所にテクノと言う言葉から感じられるマシンソウルが見え隠れするのだ。非4つ打ちの暗黒な音に包まれる前半、その後殺伐としたアシッドやミニマルを通過したかと思えば、荒れ狂うトライバルや硬質な音がダビーに広がるダブ・ステップもあり、後半に入ればハードで機械的な音とディープな空気が混ざりながら終盤のピークへと上り詰めていく。そして最後はピークから静寂へと一気に裏返り、何とAlva Notoの夢幻の世界に溺れるアンビエントで厳かな佇まいの中、静かに終焉を迎える。様々な要素で畳み掛けるプレイがあったからこそラストがより感動的に演出されたのだろうか、Ben KlockのDJの素晴らしさを再度認識する事が出来た素晴らしいMIXCDだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Hikaru - High Psy (Modulor Japan:MDJCD1020L)
DJ Hikaru - High Psy
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気怠い夏の蒸し暑ささえも味方に付けてしまうゆるチル無国籍MIXCD、ミックスを担当したのはBlast HeadのDJ Hikaru。高円寺Grassrootsでの活動を経て沖縄へ移住してからは更に異国情緒とオーガニックな趣を増した感もあるDJ Hikaruのプレイだが、本作はクラブでのジャンルを横断するプレイはそのままにクラブの熱狂的な一夜とは趣向が異なるレイドバックした空気がBGMとして最高の機能として働く内容だ。出だしはスティール・パンの響きが爽やかなPepe Californiaの南国風トラックから始まりいきなり脱力系だが、更にWild Rumpusの甘い夢に溶け込むダウンテンポやSeahawksのトロピカルな音で火照った体をクールダウンさせる。もうこの時点で気分は人混みに揉まれる都会を離れて、未だ見果てぬ極楽浄土への世界へとトリップする。そこからは妖艶なレゲエや土着的なサイケ・ロックにグルーヴィーなディスコダブ、哀愁漂うメロウなヒップホップに男泣きのポップス、エレクトロニックなハウスまで方向性を決める事無く、しかし緩くてチルアウト感満載な空気は保ちながら盛り上げていく。チルアウトなのに盛り上げるとは一体おかしな表現だが、心身の緊張感は解きほぐし涼しさを保ちながら楽天的な高揚感のみ増していく無国籍バレアリックサウンドとでも呼べばいいのだろうか。南国が目に浮かんでくる一時間のサウンド・ジャーニー、夏休み気分に浸れる最高にチルアウト、この夏の清涼剤となる事だろう。

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| ETC3 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Mason - Rhythm Of Life (SHOUT! PRODUCTIONS:SHOUT-245)
James Mason - Rhythm Of Life
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例えその名を知らなくてものDJが何度もプレイする事でいつの間にかそのアーティストの虜になっていた、クラブに通っているとそんな出会いは少なくはないだろう。そしてレア・グルーヴ、フュージョン・ソウルを代表する、そして近代のクロス・オーヴァーな流れの中で評価をされたJames Masonは、自分にとってその端的な例だ。正直に告白するとレア・グルーヴなる音楽への造詣は殆ど無いのだが、しかしクラブの朝方で度々耳にしていた"Sweet Power, Your Embrace"は僕の頭の中に残り続けていたのだ。この曲のふくよかでメロウな旋律、黒いギターやベースの泥臭さの中にも光る清々しい期待感、大らかで華麗なムードは踊り疲れた朝のクラブには最適だったのだろう。いつしかこの曲がMasonの曲だと知った時、そこからこのアルバムに辿り着くまでに時間はかからなかった。アルバムには前述のクラシックのみならず、忙しないグルーヴに強烈なスラップベースが絡む"Free"、唯一のインストトラックである気怠く甘い"Mbewe"、躍動感溢れるドラムプレイと力強い歌が先導するファンキーチューン"I've Got My Eyes On You"など、ジャズ/ソウル/ディスコ/フュージョンと言った音楽の垣根を超えた普遍的な曲が散りばめられている。基本のメロディーや構成を重視した音楽は時代を超え、そしてジャンルとしての曖昧さがクラブでのクラシックに繋がり、James Masonの評価は後から絶対的なモノとなったのだ。この度リイシューされたアルバムでは全曲リマスターされたのは嬉しい限りだが、更にオリジナルには未収録であった"I Want Your Love"や"Nightgruv"、そして"Sweet Power, Your Embrace"の未発表バージョンまでもが収録されている。"Nightgruv"なんかは今でもハウス系のパーティーでかかったりする事がある程にハウスグルーヴを感じ取れ、やはりここでもMasonのジャンルに縛られない音楽性は生きているのだ。今更こんな事を自分が説明するまでもなく傑作ではあるのだが、自分の様にレア・グルーヴに興味が無い人には是が非でも聴いて欲しいと思う。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
James Blake - Love What Happened Here (R & S Records:RS 1111)
James Blake - Love What Happened Here
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ベース・ミュージック、またはポスト・ダブステップと呼ばれる音楽の中で一際異彩を放っているUKの若き才人・James Blake。移り変わりの早いクラブミュージックと言うジャンルに於いてはもはやダブステップでさえも最新の音楽とは言えない中で、彼は周りの流行り廃りに飲まれる事もなく我が道を行き、尚且つポピュラーな音楽性を以ってして確実な評価をものにしている。穿った言い方をすれば一般的に聞かれやすいアルバムではUKベースのブルーアイドソウルを聞かせる事で人気を博している様に思われるが、決してメジャーではないアナログ媒体でのダブステップ以降の実験的な音楽に挑戦している方が、面白みと言う点は勝っている事に異論はないだろう。そして"CMYK EP"以来となるR&Sからの当EPも、期待を裏切る事なく後者の音を聞かせてくれる。タイトル曲である"Love What Happened Here"はダブステップなのか否かはもはや問題ではなく、(歌は確かに入っているが)歌物ではなく細かいビートで尖りを出すトラック物であり、どこか乾燥しながらも豊かな情感を誘発する点はアルバム路線にも近寄った印象はある。しかしただ単にしんみり聞かせるだけではなく、まだクラブミュージックとの繋がりも保持しながらソウルとの狭間を綱渡りするスリリングな攻め方に非凡さを感じられるだろう。更に"At Birth "では意外にも4つ打ちのディープハウスを披露しているが、内に秘めたる感情を吐露する様に影のある暗さが重くのしかかり、感情を揺さぶる力に全くぶれはない。そして回転数が狂ったかと錯覚する"Curbside"は、奇妙に音程のずれたボーカルに乱れるダウンテンポなビートが絡み合う歪な一曲だ。EPと言う小さな媒体の中でこれだけの幅を見せながら、James Blakeの激情が炸裂するその音楽性の統一感があるのだから、これは一本取られた言う他にあるまい。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Sneak - Fabric 62 (Fabric Records:fabric123)
DJ Sneak - Fabric 62
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かつてのシカゴ・ハウスと言えばチープ、ファット、シンプルと言った言葉で形容される、つまりはそれ程深い音楽性は無く直感的な衝動に任せたハウスミュージックであったと思う。そこからシカゴ・ハウスは枝分かれしメランコリーな情感を描き出す方面、又はエロティシズムを強調した方面、そして相も変わらず衝動のみを頼りにした元祖な路線とアーティストは各方面へと羽ばたいて行ったが、その中でもDJ Sneakは元祖シカゴ・ハウスを今に受け継ぐ匠と言えるだろう。何と言っても90年代中期にシカゴ・ハウスの突然変異レベールであったCajual RecordsやRelief Recordsから作品をリリースしていた事を考えれば、彼のサウンドが考えるよりも感じろと言うスタイルを貫くのは当然の事だ。そんな彼も遂にFabricのMIXCDシリーズに抜擢されると言う快挙を成し遂げたが、そんな大舞台であっても彼のスタイルは変えずにストレートなシンプルかつファットな音楽を鳴らし続けていた。大部分のトラックはここ1~2年の間にリリースされた物でそもそもがシカゴ・ハウスですらない曲も多いが、しかし単純な繰り返しを強調したシンプルな展開、ださく垢抜け無い音色、そしてそこから生まれる尖ったファンキーな感覚は確かにシカゴの物と同一と言っても過言ではないだろう。それ故に一本調子な面は拭えないし前半は調子が上がらないのも事実だが、後半に向けてノリを上げて跳ね感も出てくると、その単調さが逆に昂揚感を保持し続けるグルーヴ地獄へと引きずり込んでくれるだろう。何気に最初から最後まで殆どのトラックが歌物・声ネタで占められており、やはりDJ Sneakはサンプル物が好きなんだと言う事も感じられるMIXCDである。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jazzanova - Upside Down (Sonar Kollektiv:SK232CD)
Jazzanova - Upside Down
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Jazzと言う単語を含んだそのユニット名以上にテクノ、ハウス、ソウル、ヒップホップなど幅広いジャンルを咀嚼し、ベルリンのクロスオーヴァー可を押し進めたJazzanova。人気、実力共にトップクラスである事はご存知ながらも、彼らが主宰する"Sonar Kollektiv"も含め時代から取り残されつつある事も事実。ならば現在のクラブミュージックシーンに於いて前線で活躍しているアーティストに再構築させるのも、Jazzanovaを時代に最適化させる手段としてはベストな方法であったのだろうか、まあそんな目論見があったかどうかまでは知らないが兎に角Jazzanovaの名曲群を著名なDJ/アーティストにリミックスさせた作品集がリリースされました。リミックスを提供したのはJazzanova本体からAlex Barck、Innervisions組からHenrik SchwarzやÂme、ドイツディープハウスの雄であるMotor City Drum Ensemble、UKのブロークン・ビーツで活躍したAtjazzなどクロスオーヴァーな音楽を手掛ける事を苦としないアーティストが揃っています。だいたいは想像が付くかと思いますが、生の質感を含むディープハウスや透明感のあるシンセサウンドと研ぎ澄まされたビートを組み合わせたテックハウス、またはライブ感のある生演奏が主張するジャズハウスなどで、Jazzanovaの丹念に精錬された上品な空気やインテリな面を損なわない様に手堅いリミックスを披露しております。勿論彼等の安定感のある作品も良いのですが、本作にて注目すべきはそう言った著名どころではなく余り名が知れ渡っていないYe:Solar、Soldiers Of House、Midnight Maraudersらのリミックスだと思います。Ye:Solarは完全にジャズ化させメロウで渋い枯れ感を漂わしているし、後者の二人は夜のクラブにフィットした幻想的な音に包まれる穏やかなディープハウスを披露し、知名度とは反比例するかの様に各々の個性を出しつつ質の高い踊れるクラブトラックを提供しております。オリジナルトラックは未聴なので断定は出来ませんが、本作を聴くと恐らくJazzanova本体よりもよりクラブへ上手く馴染むトラックが多い様に思われました。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/3/10 Move D JAPAN TOUR 2012 @ AIR
今週はMove DことDavid Moufangのジャパンツアーが予定されておりましたが、その一つであるAIRでのパーティーにはSTEREOCiTIやDJ Nobuが一緒に参加する事になっていたので、面白そうな一夜になると確信し遊びに行ってきました。David Moufangと言えば16年前のReagenz名義でのアルバムが素晴らしいアンビエント作品なのですが、最近ではMove D名義でPhilpotやWorkshop、Uzuri等から有機的でメランコリーなディープハウスをリリースしており一体どんなDJを披露するのか、そして他の日本人もMove Dを意識したセットを披露するのかと興味深い一夜でありました。
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| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
James Mason - I Want Your Love (Rush Hour Recordings:RH-RSS 3)
James Mason - I Want Your Love
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新人の発掘作業と共に古典を猛烈な勢いで現代に蘇らせているオランダのRush Hour。それがデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスだけだと思うのは誤りで、最近ではレア・グルーヴと呼ばれるジャンルにまで手を広げています。そして最新のリイシューとなるのがそのレア・グルーヴと言う分野において、古典中の古典であるJames Masonのアルバム未収録であったレア作品になります。所謂典型的なクラブミュージックではないので自分も暫く彼の存在には気付いておりませんでしたが、朝方のクラブで知らない内に彼の曲を聴く事は何度もあり、つまりは現代のダンスミュージックにも多大なる影響を及ぼした存在であるのは間違いありません。そして大傑作"Rhythm Of Life"がリリースされたのが1977年ですが、そこから20年を経た後の1996年に突如リリースされたのが本作だった様です。リイシューされるに辺り"Nightgruv (Unreleased Longer Edit)"が追加されており、これがタイトル通りの夜の音と言ったメロウでアーバンな作品で秀逸です。陶酔するキーボードの旋律は湿り気を帯びた吐息を吹きかける様に雰囲気があり、リズムは規則正しいハウスの4つ打ちを刻み、ミニマルで平坦な展開が長く続く事で夜の優美な時間帯が持続します。そして裏面には11分にも及ぶ"I Want Your Love"が収録されており、こちらはスペーシーなシンセ使いや耽美なエレピ、腰にくるベースラインや熱気のこもった歌も挿入されバンド風な演奏に艶があり、一般的に想像するソウル・フュージョンと呼ばれる曲でしょう。本当に的確なリイシューをするRush Hourのセンスにはぐうの音も出ませんね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller I (Clone Classic Cuts:C#CC022CD)
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller I
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シカゴ・ハウスなどの復刻に力を入れているオランダClone Recordsより、デトロイトの最恐エレクトロユニット・Drexciyaの作品がシリーズとして復刻されている。James SinsonとGerald Donaldから成るこのユニットは1992年にUnderground Resistance関連のレーベルよりデビューを果たすと、URやRephlex、Warp、Tresorなどのレーベルから続々と暗くハードなエレクトロをリリースし瞬く間に注目を浴びる。当初はプロフィールが明らかにされていなかったせいかそのミステリアス性も含め正にアンダーグラウンドな存在であったが、しかしJamesの死によってDrexciyaは伝説と化し消滅してしまった。そしてURのリーダーであるMike Banksの意向により今後リプレスはされず、本作にてDrexciyaの歴史は永遠に閉ざされる予定だ。ここには最良のエレクトロが収録されており、特に活動初期のレアな作品がコンパイルされていると言う点で非常に価値がある。しかしこれは単なるエレクトロではなく、かつてない程に暗く、不安を煽る程に不吉だ。系譜としては間違いなくKraftwerkやModel 500の魂を受け継いでいるがポップなセンスは徹底的に排除し、抑圧に抗うように荒削りな暴力性と混沌とした深みのあるエレクトロだ。どこか垢抜けないチープなアナログサウンドを多用しながらも、一向に光の射さない深海でもがくように恐怖感が募る。つまりはオーヴァーグラウンドに対し、Drexciyaは深海の住人(アンダーグラウンド)として抗戦をしていたのだ。だから控えめに言っても万人受けする音楽ではないし、冷たく孤独な音に辟易してしまうかもしれない。しかしだからこそ彼らがURクルーとして認められたのも事実で、もし本物のエレクトロを求めているのであればこのシリーズこそ最適であると言える。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hit It & Quit It Radio Revue Vol.1 with Recloose & Frank Booker (Fingertips Records:FTIPS74003)
Hit It & Quit It Radio Revue Vol.1 with Recloose & Frank Booker
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かつてデトロイトを地元に活動していたMatthew ChicoineことReclooseは突如ニュージーランドに移住し、今では現地で知り合ったFrank Bookerと"Hit It & Quit It"と言うレディオ番組を主宰している。本作はその番組をコンセプトにしたMIXCDで、確かにレディオ放送らしくMCを織りまぜ曲を紹介するようにミックスがされていく。さてReclooseと言えばテクノとジャズのみならずヒップホップやソウルなど音の国境を越えた音楽性を持っており、殻をぶち破るように自由なクロスオーヴァーを体現していたのだが、そんな経歴を知っている人であれば本作は期待通りのプレイをしてくれたと感じるだろう。幕開けはスクラッチとMCを多用したヒップホップの流れで賑やかに始まり、そこからコズミックなファンクやリズムが暴れまくりのソウル、腰にぐいぐい来るディスコなど時代錯誤感の強いレトロな味を前面に出し粘り強いグルーヴを醸し出す。ジャンルはばらばらだが決してちぐはぐな印象は無く、全体のトーンとしては人肌の温かみを感じさせ弛緩した空気に統一されているのだ。さて、そこから更にどす黒いデトロイト・ビートダウンや優雅なブロークン・ビーツやフュージョン、甘くて夢に落ちそうなダウンテンポやレゲエなど、彼らが影響を受けた全ての音楽を曝け出す選曲を行い、緩くはあるが引っ掛かりのある鋭いリズムを保って最後まで陽気に踊らせる。ニュージーランドに移住した影響は、音の温かさやリラックスした雰囲気に出ているのだ。MCを入れた事で生放送を聴くような臨場感もあり、未発表曲・新曲を中心とした曲を紹介すると言うレディオ放送のコンセプトも見事に成功したと言えるだろう。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kate Wax - The Holden Edits (Border Community:33BCE)
Kate Wax - The Holden Edits
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James Holdenが主宰するBorder Communityに新たなメンバーが加わったのだが、それが曲を作り自らも歌ってダンスミュージックにアプローチをかけているKate Waxなる女性アーティスト。Mental Groove RecordsやOutputからも作品をリリースしていたのだが、この度Holdenに気に入られたのかBCに参加する事になった。でBCから初となる作品はBCから今後リリースされるアルバムからの先行EPなのだが、両面共にHoldenがリミックスを行なっており最早Holdenの新作だろと突っ込みたくなる内容。"Echoes & The Light (Holden 12" Edit)"はHoldenらしいギトギトに毒気を感じさせるシンセがミニマルなリフを刻みながら、モタモタしながらもどっしり安定感のあるグルーヴを生み出す4つ打ちに、魅惑的なか細い声で快楽へと誘うKateの歌が乗るテクノ。テクノとは言いながらもニューウェーブっぽさもあり、少しでも触れたら毒に冒されそうな危うさがびっしばし漂っているのがHolden流。対して"Holy Beast (Holden Woolly Beast Edit)"はやはりギトギトなシンセが効果的ながらも、揺らぎを感じさせる旋律の組み方で意識もくらくらとしてしまう覚醒感が強く、意識がドロドロと音に溶け込んでしまいそうだ。Holdenの作風は音圧や音の密度に頼らずに、呪術的なシンセの鳴りが潜在意識に問いかける事で、フロアでの意識をハイにさせる感覚を生んでいる。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
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タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Agoria - Fabric 57 (Fabric:fabric113)
Agoria - Fabric 57
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今年オリジナルアルバムを出したばかりのフレンチテクノの貴公子・Agoriaですが、その熱も冷めやらぬ間に名門FabricからMIXCDもリリースさせました。今までにもジャンルレスに縦横無尽なMIXCDを3枚もリリースしているけれど、今年出たアルバムから毒々しさが消えて洗練されたのと同様に、本作もかつての作風に比べると艶はありながらもやんわりと落ち着いた印象を受けました。序盤のVainqueurやMoritz von Oswaldのダブテクノなどどっしり重たいグルーヴから深く始まり、歌物テクノも多用して刺激的に盛り上げつつ、そこからSpace Dimension ControllerやInfiniti、そして自身のヒット曲"Speechless"などデトロイト系で一気に未来へと加速して行く中盤。ただヒット曲をプレイするだけでなくそこに声ネタを被せて原曲以上の盛り上がりも作る技も披露しつつ、ゴリゴリのブギーハウス〜アシッドハウスで攻撃的になったと思いきや、終盤ではJose JamesやCarl Craig(本当C2の曲はよく使うな)でぐっと夜のアダルティーな世界へと突入するディープハウスからElla Fitzgeraldのジャズトラックでしっぽりと終焉を迎えるドラマティックな展開。散々色んな方向へと引きずり回されながらも、そこはAgoriaの審美眼で選びぬかれた曲が使われており、派手な夜の喧騒と言うよりはエレガントな大人の舞踏会の夜のようです。ベテランらしく深化したと言う表現がしっくりきました。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2010
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。世間では音楽が売れないだとか、アナログ文化の衰退だとか音楽業界の悲鳴が聞こえてきておりますが、決して音楽自体がつまらない物になった訳ではないと思います。ようは今までは金かけて宣伝していた物が売れていただけで、今はそのシステムが通用しなくなったので心底なファンしか買わなくなっただけなのでしょう。そんな時代だからこそ、自分の耳を信じて意識的に聴く事を、興味と探究心を持って新しい音楽を探す事を行い、受身でなく積極的に自ずから音楽を聴くようなリスナーが増えればなと思います。さてそれでは毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 11:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Jatoma - Jatoma (Kompakt:KOMPAKT CD86)
Jatoma - Jatoma
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ドイツテクノ帝国の総本部・KompaktがThe Field、Wallsに続いて送り出す新星は、デンマークの3人組ユニットであるJatoma。なんでも平均20歳弱と言う若さだそうですが、それ以外の情報が未知な謎のユニット。The Field、Wallsらと共通するのはクラブサウンドにロックらしい演奏やノリを取り入れたと言う事で、その点では最早新鮮味は感じられないけれども、Kompaktらしいキュートでポップなサウンドやエレクトロニカ的な不思議な電子音、シューゲイザーの淡い世界など色々な要素を含んでおりただのダンスミュージックじゃあありません。彼らはAnimal CollectiveやFour Tet、James Holden、Herbertらの大ファンと公言している通り、単純な4つ内のダンスミュージックだけを披露するだけでもなく、音をこねくり回し遊んでごちゃごちゃとごった煮にしたファンタジーとユーモアの広がる童心の世界を創り上げておりました。しかしまあ浮き沈みの激しいテクノシーンの中で10年以上も繁栄しているKompakt、そんなレーベルのお眼鏡にかなうのも納得。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/10/10 MADCHESTER NIGHT 2010 @ SEATA
イギリスにおいて90年前後に爆発したムーブメント、それがマッドチェスター。ダンスとロックの邂逅によるインディーダンス、アシッドハウスによるトリップ、危険なエクスタシーの誘惑はクラブ・ハシエンダでの狂乱を呼び起こし、ロック野郎共さえもダンスの道に引き込んでしまった。今回はマッドチェスターの時代を体験したDJ Yoda、Kenji Takimi、DJ Yogurtの3人がそんな時代を再現した。

内容に関してはもうツボに入りまくりの選曲で、Primal Scream、My Bloody Valentine、The Stone Roses、New Order、The Charlatans、James、The La's、KLF、The Boo Radleys、Rideなどのロックミュージックのダンスリミックスを中心とした踊れてロッキンなプレイ。つまりはロックとダンスが交差して個人的には一番ロックが楽しかった時代を思い出させる内容で、今となってはちょっとダサさも漂うインディーダンスを懐かしくも思いつつ腰にグイグイくるグルーヴでしっかりと踊らせて頂きました。予想していたアシッドハウスやアンビエントハウスは殆どかからなかったはずで、踊れるロックと言うコンセプトでプレイしたのかもしれないですね。残念ながら朝方4時頃にクラブを出てしまったのでDJ Yodaのプレイは聴けなかったのですが、その後にもBlurやMassive AttackもプレイされUKロック満載な一夜だった様です。一年に一度のパーティーだそうですが、たまにはこんな時代を感じさせるコテコテなパーティーは懐かしさもあって楽しいものです。また来年も是非!
| EVENT REPORT3 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Abbott - Holkham Drones (Border Community:30BCCD)
Luke Abbott - Holkham Drones
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エレクトロクラッシュ系では名門のOutputからデビューしたLuke Abbottが、James Holden率いるBorder Communityに活動の場を移し満を持しての1stアルバムを完成させました。昨年はTaico ClubとWombに初来日しキュートかつ退廃的なライブを繰り広げましたが、そんなライブを思い出させる本作も正にBorder Community直系の内容。一見カラフルでポップな音を前面に打ち出しつつも、目も眩む様な光に包まれる色彩感覚と不安な感情を呼び起こすブリープなサウンド。メロディーやリフ自体はとてもメランコリーで人懐っこいのに、歪で破壊的なSEや生々しいリズムトラックはリスナーを突き放しもし、まるで美しい薔薇には棘があるのと同じ印象。じわじわと麻薬が肉体を侵食し精神に作用を及ぼす如く中毒的な音は、視界を歪ませながら意識を快楽と恍惚のるつぼへと引きずり込む事でしょう。サイケデリックロックとテクノとアンビエントの邂逅、と言えば一言なんだけどBorder Communityはそのミックスバランスの加減が上手いなあ。HoldenがAbbottのトラックをセットリストに組み込むのも当然な訳です。

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| TECHNO8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Surgeon - Fabric 53 (Fabric:fabric105)
Surgeon - Fabric 53
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UKのマット・デーモンとも呼ばれる(嘘です)Anthony ChildことSurgeon。眼鏡を掛けたその知的な見掛けとは裏腹に、彼の繰り出す音は暴力的でサドスティックなインダストリアルテクノが特徴。流行に振り回される事なく一貫したハードな美学を持ちつつも、このFabricシリーズの最新作ではダブステップも取り込んだ上で相変わらずのハードな音を鳴らしておりました。もっとも彼自身も数年前からダブステップには接近していたので本作への流れも違和感は無いのですが、ダブステップのみならずデトロイトテクノやミニマルも使用し、相変わらずの幅の広さ故の面白さを感じさせてくれます。跳ねと疾走間に溢れたグルーヴ、中にはメランコリックな流れもあり、そして強靭で厳ついハードな音は確かにSurgeonの専売特許。雑食性がありつつもハードな音の統一感は流石その筋のベテランであり、Jeff Mills以降のハードミニマルの分野を率先して開拓して来た人物だけあります。かつて多くのハードミニマリストが路線変更を必要としたのに対し、Surgeonの視点に今も昔もブレは全くありません。信頼のおけるアーティストとは、かくあるべき。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Ben Klock - Berghain 04 (Ostgut Ton:OSTGUTCD13)
Ben Klock - Berghain 04
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現在のテクノシーンを引率するベルリンテクノの重要レーベル・Ostgut Tonから、レーベルの中心的存在の一人であるBen KlockがMIXCDをリリース。大半が新曲や未発表曲と言う現在のテクノシーンの最先端を披露しつつも、実はOstgut Ton音源の使用率も高かったり、またデトロイト系やシカゴハウスも使用したりと、意外や意外にミニマル一辺倒ではありません。以前クラブで彼のプレイを聴いた時はもっとハードで疾走感があるミニマル中心だった気がしますが、本作はそこまでハードでもなく深海を航海する潜水艦の様なディープな印象が強いですね。とは言え音自体はモノトーンで陰鬱、そして金属的な硬い鳴りとざらついたインダストリアル的な音もあるので、Ostgut Tonらしいと言えば確かにそうかも。そして時折真っ暗な深海に光が刺し込むが如く叙情漂うデトロイティッシュなトラックも入ってきたりと、効果的なアクセントもつけられております。しかしクラブで聴けばそれなりに盛り上がる内容ではあるんだろうけれど、家で聴いている限りだとシリアス過ぎて内に内にと沈み込んでしまいそう。彼がレジテントを務めるBerghein/Panorama Barにおいて、ゲルマン達はこの様な音楽で狂喜乱舞しているのだろうか?謎である。

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| TECHNO8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/07/03(SAT) UNIT 6th Anniversary Premier Showcase @ Unit
Special Live : Cluster
Live : Boris, evala
DJ : Fumiya Tanaka, KENJI TAKIMI, Ten

2010/07/03(SAT) Four Seasons of Deep Space ~Summer~ @ Eleven
DJ : Francois K., Toshiyuki Goto

2010/07/09(FRI) SUNSET PALM 2010 PRE-PARTY @ Unit
Special Guest DJ : Ewan Pearson
Special Guest Live : Dachambo
DJ : Shinya Okamoto, Motoki aka Shame
Live : qii

2010/07/09(FRI) ARIA 10 @ Air
DJ : Joel Mull, DJ Sodeyama

2010/07/16(FRI) Terrence Parker's 30 Years of DJing Anniversary Tour @ Eleven
DJ : Terrence Parker, DJ NOBU, Conomark

2010/07/16(FRI) ALTVISION @ Unit
Special Live Showcase : POLE VS. DEATBEAT
DJ : DJ Wada, Ree.K, Hina

2010/07/17(SAT) W @ Womb
DJ : James Holden, DJ Wada

2010/07/18(SUN) Mark Farina Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Mark Farina, Remi

2010/07/18(SUN) Metamorphose pre-party LIQUIDROOM 6th ANNIVERSARY @ Liquidroom
DJ : Theo Parrish, Maurice Fulton

2010/07/31(SAT) Blue Windy Night "Clash" @ ageHa
Live : Los Hermanos
DJ : Green Velvet, DJ Tasaka

7月も気になるパーティー多数ですが、仕事の都合でどれに行けるかは未定。取り敢えず糞ファンキーなゴスペルハウスを展開するであろうTerrence Parkerだけは聴きたい。
| UPCOMING EVENT | 15:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
James Holden - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7261CD)
James Holden - DJ-Kicks
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人気MIXCDシリーズ最新作になんと奇才中の奇才・James Holdenが登場。Holdenと言えばプログレッシヴハウスと言うジャンルから出発した新星ですが、ジャンルを飛び越えテクノやトランス、エレクトロニカやポストロックまでも飲み込み、James Holdenの音としか表現出来ない唯一無二の世界観を創り出すまでに成長したアーティスト。そんな彼がMIXCDを手掛ければただの4つ打ちだけが聴ける訳はなく、テクノやシューゲイザーやアシッドハウスやら…とかもうジャンルで括るのはナンセンスなHoldenとしか言えないミックスになります。特に彼が作る世界観には強烈なサイケデリアとトリップ感が満ちていて、時間軸と空間軸さえも歪めてしまうよう毒気のあるサイケデリックな音は心地良ささえも超越した狂った夢想を誘発し、薬無しでぶっ飛んだ感覚を生み出します。かと思えば突如天使の舞うノスタルジーに満ちた和やかなムードや、デカダン的な壊れ行く中から生まれる耽美な美しさが降りてきたりと、奇想天外なミックスとは正に本作の事。目も眩むほどの強烈な色彩に包まれて、身も心も昇天してしまう。

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| TECHNO8 | 10:00 | - | trackbacks(0) | |
Matthew Hawtin - One Again, Again (Plus 8 Records Ltd.:lus8107CD)
Matthew Hawtin - One Again, Again
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Richie Hawtinの弟・Matthew Hawtinが手掛けるレトロなアンビエントミックス。ライナーノーツによれば1993〜98年までデトロイトにおいて、踊る為のテクノルームとチルする為のアンビエントルームがあるパーティーを開催していたそうで、本作品はそこでプレイしていた初期アンビエントを紹介する為に企画したそうです。と言う訳で内容は自分以上のおっさん世代には懐かしいであろうトラック満載で、The Irresistible Force、Sun Electric、Link、Pete Namlookらのアンビエント大御所から、TheoremやFUSEらのPlus 8一派、果てはサイケデリックロックのPorcupine Treeなんかも詰め込まれております。アンビエントフルコースとは言いつつも抽象的でノンビートな流れが多いので、楽天的でふわふわと気持ち良いと言うよりは、宗教音楽的な瞑想に誘う鎮静作用が強くなかなかの荘厳な音が広がっております。座禅を組み神妙な気持ちで、そして正面に対峙して聴く様なある意味ハードコアなアンビエントなので、馬鹿になってラリパッパーで聴くのには向いてないでしょうね。寝る時に小さな音でかければ安眠アンビエントには成り得るかもしれませんが、一番はやはりお香を焚いて目を閉じて瞑想しながら聴くのがベストでしょう。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell (Tresor:Tresor142CD)
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell
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近々来日するDBXことDaniel Bellの傑作MIXCDが2度目のリイシュー。しかし最近はデジタル配信も増えている事だろうし、CDと言う形でのリイシューって需要あるんでしょうかね?これをまだ所持していない若年層程、デジタル配信の方を積極的に買うだろうし。そんな懸念はさておきデトロイト発ながらデトロイトテクノとは異なるミニマルを追求し開拓してきた彼が2000年にリリースした本作は、最近のミニマルブームの先駆けと言っても過言ではない一枚。一昔前ならミニマルハウスだとかクリックハウスだとか呼ばれていたアーティストの曲が収録されていて、Farben、LoSoul、Villalobos、Thomas Brinkmann、そしてハウスをやっていた時のHerbertまで使用していて、その先見性はもはや疑うべくもないでしょう。ハウスとミニマルの綱渡り的な、そうセクシーなムード保ちつつミニマルの単純なサイクルから生まれる高揚感もあり、しっとりと股間も濡れてくる様なうっとり気分に浸る事が出来るはずです。それだけでなくDaniel Bellのミニマルにはファンクの要素もあり、僕は今なら彼の音楽をミニマルファンクと呼びます。最近のミニマルがトリッピーな恍惚感や酩酊感を強調したのが多いのに対し、Daniel Bellがやろうとしていたのは明らかに人間臭さを感じさせるローファイかつファンキーな音楽で、そこに僕は心の奥底に秘める魂の熱さを感じるのですね。これぞ身になるミニマル。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Four : Twenty Recordings Presents Music : 03 (Four:Twenty Recordings:four:mix002)
Four : Twenty Recordings Presents Music : 03
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デトロイトのPlanet-Eからの作品や"% Black"シリーズでの奇天烈でディープなミニマルトラックで注目を浴びたGlimpseが、ブリストルのテクノレーベル・Four:Twenty音源を使用しミックス&エディットを行ったMIXCDが発売。Four:Twentyと言うレーベルは初耳ですが、Loco DiceやMartin Buttrichらも作品をリリースしているからミニマル/テックハウス系なのでしょうか。ここでは27曲を使用しながらも8つのセクションに分けられており、滑らかで自然な流れでありながら早々と景色が移り変わるような展開があり、一時さえも目を離せないプレイを披露しております。基本は透明感と恍惚感の強いシンセが鳴るディープなテックハウスが中心ですが、音の統一感がしっかりある割には飽きが来ないのは、やはり多くのトラックを詰め込み展開を調子良く作ったおかげでしょう。廃退的で暗めのムードの中にもしっとり聴かせる叙情があり、それがロマンティックな煌きになる瞬間もあり、リスニングとしてとても心地良い空気を生み出していると思います。そしてがっつり踊るだけがテクノではなく、こんなアダルティーで色気のあるテクノも真夜中のフロアで聴いてみたいですね。

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| TECHNO7 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert (Global Underground Ltd.:GU038CD)
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert
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UKテクノシーンにおいて絶大な人気を誇るDJ・Carl Coxの最新MIXCDは、アメリカの砂漠で行われている"Burning Man"と言う世界で最も過酷なフェスティバルでのライブ録音と言う話だったのですが、ライナーノーツを読んだ限りだとスタジオ録音って書いてある。実際にMIXCDを聴いてみたら音が普通に良かったので、きっとスタジオ録音でしょう。しかしトラックリスト見ても分からないアーティストばかりで、もう時代についていけないよ。Coxと言えばとにかく限界ぎりぎりまでバキバキズンドコと音数大目でアッパーなハードテクノを回して、すんげぇ太いグルーヴを生み出していた記憶があるのですが、このMIXCDは良くも悪くも今風でそこそこにはアッパーだけと随分と落ち着いたと言うか大人になった印象。クリッキーなミニマルとかパーカッションがポコスカ鳴っているミニマルとか、ブリープでぎとぎとしたテクノや上物が妖艶なトランシー系とかか回しているものの、ソリッドで勢いのあるテクノは殆ど無くて残念。じわじわと恍惚の深みにはまらせるタイプのMIXCDだと受け止めれば理解は出来なくもないけれど、Coxにそれを求めているリスナーっているのかね?爆音の中で何も考えずに無邪気に踊れるような勢いのあるテクノを聴かせて欲しかったです。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Scuba - Sub:Stance (Ostgut Ton:OSTGUTCD11)
Scuba - Sub:Stance
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近頃ダブステップが盛り上がっているようですが、テクノに接近しているダブステッパー・Scubaが何故かベルリンミニマル最前線のOstgut TonからMIXCDをリリース。ダブステップとテクノの邂逅は最早珍しくも無いですが、このMIXCDはその中でも決定打とも言える程に素晴らしい出来。ダブステップと言えばやはり横揺れ系の独特のリズム、硬質で引き締まったキックなどが特徴ですが、本作ではそれらの要素が目いっぱい詰まっていて目まぐるしい流れが展開。まるで山あり谷ありのジェットコースターのようでもあり、否応なく体が揺さぶられてしまう勢いがあります。そして闇夜の中から這い出してくる叙情とメランコリーはデトロイトテクノともリンクし、真暗な空間の広がりを感じさせるダビーな音響はBasic Channelのようでもあり、暗いインダストリアルな音の中にも壮大なドラマツルギーが展開し、破壊力と美しさが混在しているのです。Basic Channelがデトロイトテクノとダブスタップに取り組んだら、もしかしたらこんな音になるのかも?ベルリンミニマルとダブステップの新たなる胎動がここには詰まっております。先日の来日プレイに行っておけば良かったなと多少後悔が残る位の快作。

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| TECHNO7 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz - Live (Studio !K7:!K7220CD)
Henrik Schwarz - Henrik Schwarz Live
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今やベルリンテクノを代表すると言っても過言ではないINNERVISIONSの最重要メンバーの一人・Henrik Schwarzのライブ盤は、自身の曲や自身が手掛けたリミックスを使用したライブミックス。これがテクノやハウスと共にジャズやファンク(例えばJBやSun Ra、Kuniyuki Takahashiなど)までおさえた選曲で幅広いながらも、漂う香りはブラックマシーンソウルと言ったどす黒いグルーヴが渦巻いていて興奮が収まりません。アシッディーで不気味な雰囲気の漂うシカゴ系、流麗な黒光りするテックハウス、汗臭い熱を帯びたファンク、感情を揺さぶる歌物ディープハウスなどが目まぐるしく展開し、フロアの興奮を感じさせる上げ下げの効いた展開が広がっていきます。色々なジャンルからの選曲となっているものの、だいたいは本人が関与した曲の為かとっ散らかった印象は無く、むしろ夜の妖艶さが滲み出るアダルティーな感覚に統一されております。そして血沸き肉踊るライブ感もありながらクールな感触はドイツらしくも、この艶のあるエロさや鈍く光る黒さがドイツのシーンから出てきたと言うのは、今でも不思議な程に意外性があります。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 11:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Dextro - Winded (16K Records:16K002)
Dextro - Winded
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James Holden率いるBorder Communityからもリリース暦のあるDextroの2ndアルバム。ボーコミ自体がダンスミュージックの枠を飛び出してシューゲイザーやサイケを意識した方面に行ったのと同じく、このDextroもテクノと言う音からはかなり離れてほぼシューゲイザー化しております。キラキラとしたアコギのアルペジオや生っぽいアンビエンスなシンセが一面を覆いつくし、こってりこてこてな甘美と霧に消え行く夢幻の世界が広がるエレクトロニカシューゲイザー。全体的にバンドサウンドかの様な湿っぽさや生っぽさが余計に郷愁を強く感じさせるし、どの曲もメロディアスでしんみり感は相当強い。夏から秋にかけての黄昏時の寂しさを呼び起こしそう。サイケ化したBoards Of Canadaや昔の4ADやChapterhouse、Ulrich Schnauss辺りが好きな人には、つぼにはまるんじゃないでしょうか。歌物の"Momentary"が絶品で、広い青空へとふわりと飛び立つ感じを受ける開放感のある一曲。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Warp20 (Unheard) (Warp Records:WARPCD203)
Warp20 (Unheard)
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WARP20周年最後のすかしっぺ。ベスト盤やらカヴァー盤やらエレグラやらで盛り上がってたみたいですが、個人的にはかなり肩透かしを喰らっていたのでWARP20周年と言われても全然盛り上がっておりませんでした。でようやく期待に応えてくれたのが未発表曲を集めてくれた本作。ベスト盤はともかくとして最近のWARPの音を示したカヴァー盤より、本作の未発表曲の方が古参のWARPファンは嬉しいのではないかと思う内容。Nightmares On Wax、Broadcast、Plaid、Autechreらの昔からのWARP勢、そしてBoards Of Canada、Clarkらの新世代、極めつけはURのDrexciyaの片割れ・故James StinsonのElecktroidsまで収録されていて、そりゃもうヨダレ出まくりでしょう。Nightmares On Waxなんかは1990年制作のトラックなんで、オールドスクールっぷりが発揮されたダウンテンポでまだ荒い作りが逆に格好良いですね。Broadcastのシューゲイザーを匂わせる切ない歌物、Seefeelの極寒を感じさせるクールなアンビエント、まだ今ほど難解でなくピュアなAIテクノをやっていた頃のAutechreら辺りも、古くからのWARPファン向けなトラックで良い感じ。そして本物のエレクトロを継承するElecktroidsだ。これが元祖エレクトロ、流行のエレクトロとは全く異なるダークかつチープで狂気させ感じさせる正にURの音。その他のトラックも含め全体的にエレクトロニック度が高めで、WARPの音とはやっぱりこれだよねと再度認識させるのに相応しい一枚。

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| TECHNO7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Arpanet - Quantum Transposition (Rephlex:CAT161CD)
Arpanet-Quantum Transposition
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Underground Resistanceに所属していたデトロイトの最後の謎・Drexciya。そのオールドスクールなエレクトロは恐怖すべき程暗く、そして深い。世界中のアーティストから賞賛を浴びていたユニットも、メンバーの一人・James Stinsonの死によって終焉を迎える。しかし先にDrexciyaを脱退していたGerald Donaldがその血を受け継ぎ、様々な名前で現在も活躍しております。そしてその名義の一つ、Arpanetの2005年作はなんとRichard D. JamesことAphex TwinのRephlexからリリースされてるんだ。リチャは以前インタビューでデトロイトテクノには全く興味は無いけれど、Drexciyaだけは大好きみたいな事を言っていたんだな。だからきっとRephlexからDrexciya関連の作品をリリース出来た事は、きっと彼にとっても名誉な事に違いない。内容の方もばっちりでかつてのオールドスクールなKraftwerk系のエレクトロにアンビエントっぽい浮遊感も感じさせ、そしてDrexciyaの悲壮感漂う暗さも充満しております。光の射さない深海を彷徨う潜水艦の如く、やはりDrexciyaには明るい地上からは徹底的に隔絶された求道的な物を感じるね。ただDrexciyaの時からは幾分か音もすっきり洗練されてきているので、比較的聴き易くなっている印象もある。それを良しとするかどうかは人それぞれだけど、僕は好きです。

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| TECHNO7 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Oscar Mulero - Tresor Mix : Under Review (Tresor Records:TRESOR.235)
Oscar Mulero - Tresor Mix : Under Review
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かつてドイツテクノと言えば何はともあれTresorだった。Tresorの一番最初のリリースは何とX-101(Underground Resistance)で、デトロイトとのコネクションも持っていた。Tresorは硬派にテクノやミニマルテクノ、ハードテクノを作り続けてきたドイツテクノの良心であり、そして30代のテクノリスナーにとっては思い出のレーベルであろう。最近は以前ほどの勢いは失っているものの、硬派なテクノを作るレーベルと言う点においては信頼のおけるレーベルの一つだ。そしてここにそんなレーベルの歴史を掘り返したMIXCDが届けられたのが、これが本当に素晴らしい。トラックリストを見ただけで分かるだろ?悪い訳がないじゃない?世の中はちまちまとしたミニマルだとか、つまらないエレクトロハウスだとか流行ってるけれど、Tresorはいつだってテクノなんです。これこそがテクノ、俺が求める硬派なテクノ、そして本場のエレクトロも入っている。小細工無し、硬めの音で統一された勢いのあるテクノがふんだんに詰まっている。中盤以降のバキバキでスピード感に溢れるハードテクノ(もしくはミニマルテクノと呼んでもいい)の流れには、感慨深さと今一度テクノの素晴らしさを感じた訳で。ここから感じる強烈なテクノの衝動は、自分がハードテクノを理解した頃の衝動と一緒で、これこそがクラブで聴きたいテクノなんだと痛感した。Tresorの歴史を紐解くだけでなく、テクノの歴史を感じられる素晴らしいMIXCDだ。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(5) | trackbacks(2) | |
Steve Bug - The Lab 02 (NRK Sound Division:LAB002)
Steve Bug-The Lab 02
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ミニマル旋風の中で着実に評価を上げてきたPoker Flatのボス・Steve Bugが、重要ハウスレーベルの新たなるMIXCDシリーズ"The Lab"の第二段に抜擢されました。この人の作るトラックは凄い秀でてる訳じゃないけれど、DJMIXに関しては中々グルーヴィーで色気やディープさを伴いベテランらしい大人なプレイが多く、アーティストと言うよりはDJ気質なお方だと思います。今回は2枚組みでそれぞれコンセプトを分けてプレイ。CD1はハウス〜ディープハウスの現代的要素をフューチャーした滑らかで深みのある音をコンセプトに、小さなクラブで一晩中プレイするのを意識した展開だそうです。実際殆どアッパーにはならずに緩みのあるグルーヴで、ミニマルでパーカッシヴなずぶずぶと深みにはまるプレイ。終盤テッキーで幻想的な場面も出てくるけれど、結構地味かな…。対してCD2はアップリフティングに、でもソウルフルかつテッキーな大箱向けのプレイだそうですが、う〜ん、やっぱり地味じゃないかな。ディープなミニマルを中心に終始陰鬱な音が続いて、ずっと沼の底に陥るような印象。これが今のクラブのメインストリートなの?なんかいかにもテクノって感じではないんだよな、ハウシーではあるけれど。一晩中こんな落ち着いたのを聴いて踊るほど自分はまだ歳くっちゃいないし、もっとテクノらしい衝動がある方が俺は好きだけどな。それに以前は聴けたセクシャル、アダルティーな要素が薄まっているのも個人的には残念。自分とSteve Bugの求める音に距離感を感じました。

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| TECHNO7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/09/21 So Very Show ! “Border Community” show case @ Womb
シルバーウィーク四発目、ボダコミュ総帥のJames HoldenとレーベルメンバーのLuke Abbott。絶倫の俺(※嘘です)でも四発は辛いです。がマイミクと一緒に行く予定だったので、眠気に負けないようにエスタロンモカとレッドブルでドーピングして行きました。クラブ前にバーでアルコール注入。テクノ談義で盛り上がった勢いのまま、WOMBへ移動。
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| EVENT REPORT2 | 07:45 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2009/09/19 TAICOCLUB '09 KAWASAKI @ 東扇島公園
FREEDOM SUNSETでベロベロになった状態で電車の中でもベロベロで女の子に絡みつつ、川崎駅へ到着。シャトルバスはいっぱい出てるから予想よりも楽に東扇島公園に到着。バスでも駅から30分はあるんで、立地はちょっと悪いけど。公園自体は結構大きくて芝生も多いし、寒くなければ快適だったはず。つか川崎を舐めてました、長袖シャツ一枚持っていたけどそれでも超寒かった。余りにも寒くて死ぬかと思ったけど、女の子からセーター借りて助かりました。本当にありがとう。女の子の服って、男とボタンのかけ方が反対なんすね?では適当に記憶のある限りで感想を。
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| EVENT REPORT2 | 22:20 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2009/09/05 (SAT)
Makin' Love Mix @ Grassroots
DJ : DJ Yogurt, LATIN QUARTER, LUV RAW

2009/09/08 (TUE)
INNERVISIONS Presents THE GRANDFATHER PARADOX @ Air
DJ : SECRET GUEST DJS

2009/09/12 (SAT)
root & branch presents UBIK @ Unit
DJ : MIRKO LOKO, MOODMAN, DJ NOBU

2009/09/18 (FRI)
TOKYO COLLABORATION #20 @ Womb
DJ : Francois K., OSAMU M

2009/09/19 (SAT)
TAICOCLUB’09 KAWASAKI
DJ : Carl Craig, JAMES HOLDEN, Theo Parrish, OMAR-S, DJ KENSEI and more
Live : sleeparchive, ISOLEE, monolake, 原田知世(萌え☆)

2009/09/21 (MON)
So Very Show ! “Border Community” show case @ Womb
DJ : James Holden
Live : Luke Abbott

2009/09/22 (TUE)
HORIZON presents TOM MIDDLETON "ONE MORE TUNE" TOUR @ Unit
DJ : TOM MIDDLETON, ALTZ, TAKIMI KENJI

2009/09/22 (TUE)
SUBLEVEL×2E2L presents DOC MARTIN JAPAN TOUR in TOKYO @ Womb
DJ : DOC MARTIN, LUU, PUNCHI

2009/09/26 (SAT)
Reel Up '09 - Ken Ishii 15th Anniversary Party - @ Womb
DJ : KEN ISHII, YAMA, Renato Cohen
Live : Motor

2009/09/26 (SAT)
AIR 8TH ANNIVERSARY #2 @ Air
DJ : Theo Parrish

9月上旬に行けるのはINNERVISIONS位かなぁ…。メタモには行けないし凹むが、タイコに行けるから我慢。タイコ行ってもシート敷いて寝ながら聴くだけで十分。ジェームスホールデンかセオパリのロングセットは、どっちか行きたいな。と言っても8月に色々ありすぎたんで、9月は落ち着きも欲しいところ…
| UPCOMING EVENT | 12:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Factory Records : Communications 1978-92 (Warner Music UK Ltd.:2564-69379-0)
Factory Records : Communications 1978-92
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イギリスのマンチェスターで創立された伝説のインディーレーベル・Factory。まさに音楽の工場的にJoy Division(New Order)やHappy Mondays、The Durutti Column、A Certain Ratioらを輩出した素晴らしく馬鹿馬鹿しいレーベルだ。そんなレーベルの音源を時代順に正しく収めた4枚組みのコンピレーションが本作。Factoryと言えばやはりクラブハシエンダを忘れてはならない。オマンチェブームの発端であり、UKにおいてアシッドハウス爆発のきっかけになったクラブでもある。しかしドラッグが流行ってお酒が売れないから常に赤字経営だったとか、ドラッグ抗争による危機に晒されていたとか、とにかくその知名度とは裏腹に不安定なクラブだったらしい。そして母体Factory、初期のニューウェーブから後期のダンスムーブメントまで時代を作っていったレーベルの一つである事は言うまでも無い。本作収録曲を見て驚いたのは、Cabaret VoltaireやJamesまでの作品もリリースしていたと言う事。確かに前衛的だったんだね。自分もNOやハピマン位は聴くものの他のアーティストに関しては聴く機会が無かったので、この手のコンピは大変有難い。時代が時代だけに音が古いんだけど、そのダサささえも愛らしい。そしてブックレットには収録曲の解説やジャケット絵も収録されていて、その美しいアートワークにも感動物だ。非常に美味しいコンピレーションですな。

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| ETC3 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ken Ishii - Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2 - (Music Mine:IDCS-1030)
Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2
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夏目三久アナウンサーのコンドーム持った写真が流出してショックだとかキメエだとか騒いでおりますが、世の中の可愛い子は男とばんばんセックスしまくってるのは常識。彼氏が居なければセフレが居る。魅力的な女には常に男が居ると思って間違いない。俺もばんばんしたいです。

日本が世界に誇るテクノゴッド・ケンイシイの4年ぶりのMIXCDですが、ジャケットのセンスは正直どうなんでしょう。最近のケンイシイは我等常人には理解出来ない方向を向いている気がします。しかしそれはそれ、これはこれ、長きに渡り国内・国外のテクノ野郎共と対峙してきたその実力は間違いなく世界レベル。本作においても確実にケンイシイのプレイだと言う事が聴いて分かる音が存在していて、流行のミニマルは予言通りに一切無しのガチテクノ。無闇に玄人ぶったりマニアックな選曲をする事はなく、コアなリスナーからテクノに馴染みの無い者まで楽しめるアッパーでソリッドかつ、大箱受けする大仰な構成が聴き取れます。クラシックと言われる昔ながらのトラックだって出し惜しみ無く投入し、いやが応でも盛り上げてくれるのです。最後の自身の"Extra"なんて、もう感慨深いよね。これでテクノにはまった人も多いんじゃないかしら?ただ何て言えばいいのかな、アルコール摂取し過ぎてセックスで逝くに逝けないもどかしさみたいな感覚、何となくスピード感が足りない寂しさがあるのが残念。俺はケンイシイの生のDJプレイでもっとハイエナジーなプレイを聴いた事があるだけに、このMIXCDでも更に吹っ切れてくれたら良かったのにと思う。ちょっと小奇麗に纏め過ぎたかな。

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| TECHNO7 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
The Best of James (Fontana:536 898-2)
The Best of James
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例えばNirvanaがカルト的な人気を得てもPearl Jamが正当な評価を得なかった様に、例えばManic Street Preachersがイギリスにおいては絶大な人気を誇ろうと日本では過小評価される様に、例えばSmashing Pumpkinsがオルタナ代表格として認知されてもLive(ライブって言う超人気のあったUSのバンドね)は無視され続けたように、そして日本においてThe Smithに対してのJamesが正にそんな位置付け。The Smithと同じくオマンコ…じゃなくてオマンチェ出身で、活動開始もだいたい同じ頃の1981年位かしら。でもまあとにかくJamesは初期の頃は確かに本国UKにおいても、The Smithに比べると格段に人気がなかったんだ、そりゃ当初は名曲が無かったですから。しかし、しかし91年に再レコーディングされリイシューされた"Sit Down"は爆発的な人気を博し一躍トップアーティストの仲間入りしたもんですよ。がですよ、それでも日本では一部の評論家やへヴィーリスナーを除き無視され続け、今でも同じ様な扱いを受けている。オマンチェと言えばThe SmithからNew Order、The Stone Roses、Happy Mondays、そしてOasisまでも輩出した由緒あるロックの街で、Jamesも同じ様に語られてもおかしくないバンドのはずなんだけど…。初期U2とかThe Smithのサウンドが好きな人には、Jamesの音楽もきっと心に響くはず。ギミック無しでメロディー重視の直球ブリティッシュロックで、甘さとほろ苦さの混じった青臭い音楽ですよ。





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| ETC3 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism (Eskimo Recordings:541416 501724)
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism
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Lindstromとのコンビでディスコダブブームを席巻するPrins Thomasの、タイトル通りでスペーシーな2枚組MIXCD。ジャーマンプログレのHolger Czukay、ファンクのParliament、スペースロックのHawkwindに混じって、Boards Of CanadaやTres Demented(Carl Craig)などのテクノ、日本からはCrue-L Grand OrchestraやDub Archanoid TrimとWaltz(Altz)、そしてハウスやイタロディスコ、レアグルーヴなどがまとまり一つの宇宙を形成する面白いミックスだと思います。本人曰わく2枚まとめて一つの作品だと言う事で1枚目のラストから2枚目の出だしが繋がっておりますが、1枚目は2枚目までにじわじわと上げていくゆったりとした内容、2枚目はよりダンサンブルでよりエモーショナルな内容。いやダンサンブルではあるんだけどやはり肩の力が抜けリラックスしふらふらとしたトラックが多く、ベッドルームで広がっていく宇宙を想像しながら聴けるような音で、決して馬鹿になって大騒ぎする様な音楽じゃあないです。でもバレアリックでもコズミックでもスペーシーでもサイケでも何でも良いんだけど、開放的で楽天的な恍惚の中毒がじわじわと浸透してくるんですね。選曲の幅の広さとは対称的に音の雰囲気にばらつきは感じられず、CosmoでGalacticでPrismなキラキラとしたハッピーな音に統一されていて気持ちEーです。力作っちゅーか怪作っちゅーか、ブームの先端にいるアーティストの本領が炸裂したお勧めの2枚。

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| HOUSE4 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Spirit Catcher - Coast2Coast (NRK Sound Division:NRKCD044)
Spirit Catcher-Coast2Coast
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たっましぃ〜を掴みし者!って事でNRKのCoast2Coastシリーズの最新作は、ベルギーのディスコテック大使・Spirit Catcherが担当。彼等が鳴らす音楽はまるでディスコの様に煌きと輝きがありつつも洗練された華々しさを持ち、フロアでも聴衆を歓喜の渦に巻き込むドラマティックなテックサウンドが特徴なんですが、DJの方でも割かしとそんな特徴は受け継いでいるみたいです。やはり綺麗目のテック系やミニマル系が中心で、まるで雲一つ無い空の透き通るような透明感と清涼感に包まれて、ヨーロッパの典型的なテックハウスを十分に味わえる選曲ですね。ただ以前のMIXCDにも感じた事なんだけれど、どうもこの人達はDJ気質ってよりはアーティスト気質なんでしょうかね?良い選曲だとは思うんだけど、余り展開が無くて全体的にのっぺりしていてイマイチどっかんっと盛り上がらないのが残念。終盤は少々上げ目にはなるけれどパンチは弱く、メインフロアよりはラウンジとかで緩めに流れているミックスと言った風に感じられてしまうのですね。やっぱり序盤は緩めでじわじわ、終盤はアゲアゲってのが僕は良いと思うのですが、どうなんしょ。ミックス仕様、DJユースの為のアンミックス仕様の2枚組み。

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| HOUSE4 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francois K. - Essential Mix (London Records:8573 82178 2)
Francois K-Essential Mix
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フランソワケヴォーキン、NYクラブミュージックシーンの生き字引。数々の有名なアーティストの音楽制作に手を貸すと共に、自身でWave Musicを設立し才能あるアーティストの育成に貢献し、そして自身はジャンルレスな選曲で音楽を紡ぎダンスミュージックの素晴らしさを世に伝える。彼の前ではどんな音楽だろうとそれ自身が良ければ差別される事なくミックスの中に放り込まれ、ディープスペースを形成する一つ流れの中に組み込まれる。フランソワは数多くのMIXCDを発表してきたがその中でも最も評価が高く、そして最もディープスペースを感じ取れるのがこの"Essential Mix"。正にタイトル通りの極めて重要で極めて基本的なミックス。彼の長年に渡るDJ生活の中でも特に彼が好み重要な曲を余す事なく注ぎ込んだ極上のミックスであり、NYダンスミュージックの歴史でもある。テクノ、ハウス、エレクトロ、ファンク、ヒップホップ、クラブジャズ、ドラムンベースなどが違和感無く同じ時系列に存在し、ダンスミュージックの多様性と過去を感じさせ、未来への展望を伺わせる内容。選曲は言わずもがな各曲の自然な繋ぎ方、展開のまとめ方はさすがベテランと言うべきもので、文句の付け所の無い歴史的傑作だと断言出来ましょう。惜しむらくは現在廃盤となっていて入手困難かつ、オークションなどでもかなり高額化してしまった事だろう。



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| HOUSE4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ron Trent / Jerome Sydenham - Need 2 Soul Vol.1 (Need 2 Soul:N2SCD001)
Ron Trent / Jerome Sydenham-Need 2 Soul
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2005年に設立されたロンドンを拠点とし良質なハウスをリリースするNeed 2 Soul。今までにRon Trent、Anthony Nicholson、Glenn Undergroundらが作品をリリースしているので、今後も楽しみです(新鮮味はないんだけどねー)。そんなレーベルからレーベル名を冠したMIXCDが発売されていまして、ミックスを手掛けるのはシカゴ〜ディープハウスの重鎮・Ron Trentと、最近更にテクノ化している元スピリチュアル系のJerome Sydenham。どちらも良質なトラックを量産する傍ら、DJとしても世界を駆け回っていてその実力に嘘偽りはございません。

まずはRonサイドですが、彼が手掛けてきたMIXCDの中では本作は割りとオーソドックスなディープハウスが中心です。彼の音ってアフロなパーカッションの効いたハウスの中にも、どこか幻想的でアンビエンスな音が漂っていて浮遊感があるんですよね。またキックもドンシャリで重く響いてきて踊れるし、哀愁の滲むメロディーに溺れたりも出来るし、フロア・ホーム両対応な音楽性だと思います。滅茶苦茶アッパーに上げる事もなくあくまで空気に溶け込む様な聞かせ方が、ベテランらしい余裕があって上手いなと。ちなみに自身の曲を4曲も回しているんだけど、やっぱり自分の曲に自信があるんでしょうね。

対してJeromeですがこちらはやはりテクノトラックも使用して、エレクトロニックな音が強めです。プログレッシヴ系やテックハウス、ディープ目の音もあり深みにはまる様なプレイで、シンセの音が気持ち良いですね。でも思ったよりはアッパーでなくて緩みを生かしたプレイで、フロアでのピーク時間帯と言うよりはその後の熱冷ましの時間帯って印象を受けますかね。どうせテクノ方面のトラック中心なら、もっと上げ上げでも良かったかなとも思ったり。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
UPCOMING EVENT
2008/09/05 (FRI)
SQ presents AGORIA WORLD TOUR'08 @ Unit
DJ : Agoria, R.i.v.e.r, Dr.Shingo

2008/09/06 (SAT)
FLOATRIBE @ Unit
DJ : Kaoru Inoue, Kentaro Iwaki
Live : Kentaro Iwaki×Toshizo×Nori

2008/09/12 (FRI)
PUBLIC IMAGE @ Mado Lounge
Special Guest DJ Set : First Transmission From Jeff Mills
Live : Ryo Murakami
DJ : Akr, Sisi, Zuyack

2008/09/13 (SAT)
MINUS CONNECTED #04 -PLUS8 SPECIAL
DJ : Adam Beyer, Akr

2008/09/19 (FRI)
Endless Flight @ Unit
Guest Live : Isolee
Live : Koss aka Kuniyuki
DJ : KZA, Toshiya Kawasaki

2008/09/19 (FRI)
In:Flame @ Air
DJ : RAUDIVE a.k.a. Oliver Ho, DJ Sodeyama, Takuya

2008/09/20 (SAT)
NIXON presents "om:tokyo" @ Liquidroom
DJ : Mark Farina、J-Boogie、Anthony Mansfield、Groove patrol
Live : Samantha James

2008/09/22 (MON)
CHaOS @ Womb
DJ : Fumiya Tanaka, Zip

2008/09/26 (FRI)
AIR 7th Anniversary [01] @ Air
DJ : Ken Ishii, Kaoru Inoue, Ryota Nozaki, DJ Sodeyama, ☆Taku Takahashi

2008/09/26 (FRI)
Taicoclub Presents So Very Show! @ Womb
DJ and Live : Jimmy Edgar
Live : De De Mouse
DJ : Kaoru Inoue

2008/09/27 (SAT)
WOMB Presents W @ Womb
DJ : Steve Bug, DJ Wada

2008/09/27 (SAT)
Directions @ ageHa
DJ : Funk D'Void, Osamu U

2008/10/04 (SAT)
CLASH39×STANDARD @ ageHa
DJ : Francois K., Ken Ishii

2008/10/04 (SAT)
Animismic ~Deep Spiritual and Organic~ @ Unit
DJ : Ron Trent, DJ Olive

久しぶりのジェフミルズ。2010年1月1日12:01AMに東京に帰還するらしいけれど、2009年〜2010年はカウントダウンで来日って事ですよね?それまではもうジェフは来日しないそうなので、今回は何としても行かないと。10月4日はフランソワ、ケンイシイ、ロントレントが被ってしまった。迷うなぁ…。
| UPCOMING EVENT | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Sound Signature Sounds (Sound Signature:SSCD1JP)
Theo Parrish-Sound Signature Sounds
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お目出たい事に現在は廃盤となっているTheo Parrishの初期コンピが、この度リイシューされる事になりました。元々は2000年に日本盤(過去レビュー)と輸入盤でリリースされていて、盤によって微妙に内容の異なる仕様です。自分は日本盤を所持しておりますが、"Overyohead"が収録されている日本盤の方がお勧めかなと思います。今回は輸入盤仕様でリイシューされる事になりましたが、レコードからの収録ばかりだし入手が難しかったので、充分に価値のある内容になっていますよ。全ての楽曲が素晴らしいのですが、"Took Me All The Way Back"の図太くハードで煙たいローファイハウスは本当に絶品です。セオはゆったりしたハウスだけだと思っていると、確実に衝撃を受けるでしょう。"Moonlight"や"Music Pt.1"などはいかにもセオ的な漆黒のディープハウスで、どこか艶めかしさが漂っていて大人のムードも感じられますね。"Dusty Cabinets"なんかはベースラインからして、完璧に初期シカゴハウスのアシッド感覚が滲み出ていて不穏な空気でいっぱい。やはり今聴いても全くその輝きは失われる事もなく、そのクオリティーにはぐうの音も出ませんでした。結局セオの人気はその後鰻登りで、現在へと続く訳でした。

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| HOUSE4 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7207CD)
Henrik Schwarz-DJ-Kicks
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近年注目を浴びているHenrik Schwarz、自分の中ではInnervisionsからリリースしているアーティスト位の認識しかなく、正直どんな音楽性かは殆ど知りません。しかしながらネットや雑誌でもこの"DJ-Kicks"は評判が良かったので、興味を持ち購入に至りました。聴く前に取り合えず選曲はチェックしてるんだけど、とにかく何でも打ち込んであってジャンルの幅は広いんだけど、一応統一性は感じられる。それは黒い音が中心って事。James Brown、Marvin Gaye、Pharoah Sanders、Drexciya、Rhythm & Sound、D'Angelo、Arthur Russellらのファンク、ジャズ、エレクトロ、レゲエ、ソウル、ディスコと言った黒人音楽をふんだんに使用していて、なかなか良い黒光りをしているのです。この多岐に渡る音楽性は非常に面白いし、またこれだけ黒い音なのにファンキーと言うよりはドイツっぽいドゥープな雰囲気を発しているのが不思議。現実を超越する呪術的な雰囲気の如く黒いサイケデリアを呼び起こす原始的な音楽ですね。ただMIXCDと言うよりはコンピ的な印象を受けてしまうのは、やはりジャンルの幅の広さゆえでしょうか。どうしても音やテンポの差がが激しくなってしまうので、聴いているとはっと時折り醒めてしまう瞬間もありました。それでも真っ黒な音楽で覚醒した世界を見せ付けるHenrik Schwarzは、奇才と言う以外に他は無いでしょう。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
UPCOMING EVENT
2008/07/05 (SAT)
DEFECTED presents Charles Webster Release Party @ AIR
DJ : Charles Webster
Special Live & DJ : Jazzin' Park

2008/07/11 (FRI)
UNIT 4th Anniversary @ UNIT
Live : Moritz von Oswald Trio feat. Vladislav Delay & Max Loderbauer (ex. Sun Electric, NSI), Flying Rhythms
DJ : Fumiya Tanaka, Juzu a.k.a. Moochy, Hikaru (Blasthead) and more

2008/07/12 (SAT)
LIQUIDROOM 4th ANNIVERSARY @ LIQUIDROOM
Live : Los Hermanos
DJ : Larry Heard

2008/07/20 (SUN)
Real Grooves Volume 28 "Musique Risquee Label Night" @ UNIT
DJ : Akufen, Maxxrelax
Live : Deadbeat

2008/07/25 (FRI)
CLUB MUSEUM "4 HOURS of DETROIT ROOTS !!" @ UNIT
GUEST DJ : SUBURBAN KNIGHT a.k.a. James Pennington
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House

予定が空いてしまったので、Moritz von OswaldとLos Hermanos+Larry Heardのどちらにも行ける事になりました。YELLOW亡き後UNITががんばっております。この調子でUNITは良いパーティーを開催して頂けると助かります。
| UPCOMING EVENT | 14:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Mark Farina - Fabric 40 (Fabric:FABRIC79)
Mark Farina-Fabric 40
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当ブログでも幾度にも渡り紹介しているMark Farinaが、人気MIXCDシリーズ・Fabricの最新作に登場。シカゴ出身、そしてアメリカ西海岸のサンフランシスコのハウスシーンを代表するファリナですが、MIXCDのリリース量は尋常ではなく本作で一体何枚目なのかも覚えておりません。彼のMIXCDは基本的にマッシュルームジャズと呼ばれる気怠いヒップホップセットと、そしてお気楽でファンキーなパンピンハウスセットの二種類あるのですが、本作は後者の方。流石に今までのリリース量が半端ではないので近年は彼のMIXCDも食傷気味ではあったのですが、本作はFabricからのリリースと言う事で内容も折り紙付きで再度ファリナのミックスに好感を抱きました。終始ドンドコでパンピンなリズムのファンキーな音を保っているものの、何故かムードは開放感に溢れ昼下がりのまったり感が漂ってきて爽やかな温度を保持しております。なんかこうノリが良くても激しすぎずにだらりとしている矛盾性は珍しく、相反する二面性が同時に存在しているのはファリナのDJスキルの高さなのでしょう。う〜ん、もうすぐ夏の到来を感じさせるファンキーで楽天的なハウスミックス、これを聴くと海に行きたくなるね。

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| HOUSE4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ben Sims - Ekspozicija 08 : Escapism Pt.2 (Explicit Musick:EXPLICITCD008)
Ben Sims-Ekspozicija 08 : Escapism Pt.2
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一時期は隆盛を誇ったハードグルーヴテクノももはや過去の遺産。ハードなプレイをしていた多くのDJがハードテクノに見切りをつけて、流行のエレクトロやミニマルにあっさり鞍替えする悲しい世の中。そんなハードグルーヴが下火なこのご時世の中、一人息巻いている真の漢がいる。その人こそかつてハードグルーヴで一躍シーンの最前線に躍り出たBen Sims。現在でもターンテーブル3台をフル活用し、バカテクで迫力に溢れたグルーヴを聴かせるハードテクノ好きにとっての神である。はっきり言って今のシーンの流れでは正直ベンシムスタイルでの活動は難しいと思われるのに、頑なにスタイルを変えない彼の心意気には敬意さえ抱いております。

さて本作でも以前と変わらぬバカテクで70分の中に41曲も詰め込む尋常ならざるミックスを披露していて、あれよあれよと移り変わる音の変遷はやはり凄い。一曲の中で良い箇所だけを繋げて常に盛り上げるのがこの手のミックスプレイの醍醐味で、かつてJeff Millsが実践していた事を現在に引き継ぐ巧みの技であります。選曲は彼の大好きなシカゴアシッドやデトロイトテクノ、そしてヨーロッパのテクノまで混ぜてざっくりと野性味溢れる音に仕上げております。しかし曲をただ繋げるだけではなく、多くの曲に彼がエディットを施していて良い感じのドンシャリした音になっていますね。音は洗練されておらず野暮ったいし曲も繋ぎ過ぎでどこかせわしないけれど、ファンキー度とトライバル度はやはり並々ならぬ内容と言えましょう。元々Jeff Millsに影響を受けていた自分には、この手のミックスは永遠に外せないですね。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tom Middleton - Renaissance 3D (Renaissance:REN40CD)
Tom Middleton-Renaissance 3D
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昨日に引き続き今日も大作MIXCDなので聴くのもレビュー書くのも正直しんどい。そんな作品を手がけたのは90年代の輝けるアンビエントシーンを築いたGlobal Communicationの片割れ・Tom Middleton。この人かなり多くのMIXCDを手掛けていて、まあ当たり外れがあるんだけど本作は当たりに属す内容だと思います。しかし本作を聴いて思うのは、もはやTomにGCの過去の栄光を求める必要も無く、アンビエント性が無くとも素晴らしいアーティストだと断言出来る事。本3枚組みCDではクラブでのプレイを意識した"Club"、彼のスタジオワーク集である"Studio"、そして彼のお気に入りの曲を集めた"Home"とそれぞれコンセプトを明確にし違った内容を楽しめる物になっています。

まず"Club"、DJプレイを意識しているだけあって4つ打ちでグルーヴィーですが、結構ハウスビートが強めでスムースなプレイは心地良いですね。透明感、恍惚感に溢れたテックハウスを多めに使用し、上げもせず下げもせず比較的緩やかな波を作りながら舞い上がる様なプレイ。勿論クラブで聴いても絶対気持ち良いのだろうけど、部屋の中で晩酌しつつ聴いてもうっとり出来る内容ですよ。

対して"Home"ではTomの好きなようになんでもかんでもごちゃ混ぜなプレイで、テクノ、アンビエント、ダウンテンポ、ブロークンビーツなどが一つのミックスの中に存在しています。全く統一感の感じられないプレイですが、これはTomにとって思い入れのある曲や特別な意味合いを持つ曲を選んだ為でしょう。哀愁じみた懐かしさが沸いてくるメロウな内容で、チルアウト的な感覚で受け入れられると思います。

そして最後は彼の作品やリミックスワークを収録した"Stuido"ですが、アルバムリリースの無いCosmosやThe Modwheel名義での曲が収録されているので、大変嬉しい内容ですね。しかしここでの彼の仕事を聴く限りだと既にアンビエントには心あらずと言った感じで、アッパーでキャッチーなハウスが最近の彼の作風なんでしょうかね。内向的だったGCから比べると全く正反対な外向的かつオプティミスティックな音は少々戸惑いも感じますが、美しいシンセの使い方などは昔と変わらず今も冴えています。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Luke Slater - Fear And Loathing (React:REACTCD210)
Luke Slater-Fear And Loathing
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2月18日のエントリでLuke Slaterの話が出てきたので、久しぶりに彼の魅力が味わえる全盛期の頃のMIXCDを聴いてみました。とにかくLuke Slater、もしくは別名義のPlanetary Assault Systemsと言えばゴリゴリぶっ太くワイルドな音を聴けるハードな野郎と言うイメージがありまして、昔はまじで好きでした(ハード路線を逸脱した近年は好きじゃない)。オリジナル作品がそうでありますからDJプレイも例にも洩れずかなりハードで、男気なり根性なりを感じられるDJでした。2001年リリースである2枚組の本MIXCDもやはりハードな展開が貫かれ、気合いを注入したい時にはぴったりな内容であります。

まずは一枚目、Jeff Mills、Ben Sims、Player、Regis、James Ruskinなど今となってはなんだか懐かしささえ感じる一昔前のハードなお方達のトラックがずらり。スピード感、重量と共に一級品でとにかく一直線にガツンガツンなプレイが聴けるのですが、不思議と粗雑さは感じないですね。確かに音は荒々しいのですが、乱暴にミックスするのではなく丁寧にミックスしている様でワイルドな中にもまとまりがあります。トライバル、ミニマル、ハードテクノなどが渾然一体となり肉体をしばきあげる好内容ですね。

対して二枚目ですが、こちらはスピード感よりも重厚さ、そして深みを感じさせる意外な内容です。ハードテクノもミニマルも確かに使われているのですが、勢い一直線ではなくドスンドスンと揺れが生じる重みがあり横揺れ系のグルーヴィーな展開ですね。ぶりぶりベースなエレクトロも出てきたり、渋みの効いたファンキーな音も聴けて全く予想していなかった意外な内容ながらも、じっくり聴き込めるミックスです。一枚目の激ハードな音の後に、二枚目のちょい緩めの音が来ると良い感じでアフターケアになりますね。

しかし久しぶりにこの様なハードなテクノを聴くと、やっぱりハードテクノって痛快で格好良いと思います。なんで最近は全く人気が無いんでしょうね?

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| TECHNO5 | 07:30 | comments(7) | trackbacks(1) | |
Fairmont - Coloured In Memory (Border Community:20BCCD)
Fairmont-Coloured In Memory
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脅威の新人…ではなくて、実は既にKompakt Extraやミニマル/クリックで密かに注目を集めているTraum Schallplatteなどからもリリースを重ねているJake FairleyことFairmontのアルバムが、今最も旬なレーベルであるBorder Communityからリリースされました。結論から言いますとやはり出来は文句無しに良いと思います。その上で思うことは、レーベルメイトのJames Holden、Nathan Fakeもフロアに拘わらずにプログレッシヴロックやシューゲイザー、エレクトロニカなどを意識したアルバムを発表しておりますが、このFairmontも同じ路線を歩んでいて余りアーティスト毎の特色を感じられないかなと。モヤモヤと幻惑的な景色を創造する虚ろなメロディー、中毒性の高いリスキーな音色は正にBorder Communityの専売特許で神経にヤバイ感じに作用しますが、その音はHoldenらとどこに差があるのでしょうか。ジャンルの枠組みを壊すべく付けられたBorder Communityと言うレーベル名ではありますが、そのレーベルカラーを壊さない様に作られた作品は逆説的にもレーベルの枠組みに収まってしまっているのではないでしょうか。確かにファンが望む音楽をそのままリリースした事は分かりますが、このレーベルだからこそもっとアーティスト毎に特色が出てきても良いとは思うのです。だからと言って余りにもレーベルから外れた作品を出すと僕を含めファンは文句を言うわけで、聴くほうは勝手なんですけどねw。敢えて言うならNathan Fakeがフロアを意識した"Dinamo"があるように、このレーベルももっとフロアを意識したら面白いんじゃないかと思います。こうずらずらと講釈たれましたが、家でまたーり聴くには最高に気持ち良いですよ。

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| TECHNO5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Depeche Mode - The Darkest Star (Mute Records Ltd.:XL12BONG37)
Depeche Mode-The Darkest Star
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これでBorder Community特集も一旦終わり。最後もDepeche Modeと言うゴシックロックバンドの曲を、James Holdenがリミックスした物です。こちらは2006年作と言う事もあって、全くアッパーでは無くて神経をじわりと浸食していくドープなリミックスを披露しています。元々Depeche Mode自体がどこかダークで危うい雰囲気を醸し出している人達なのですが、更にHoldenが手掛けると余計に不気味さが増してきて相乗効果はばっちですね。コロコロとクリッキーな音使いながらもザクザクと潰される様なリズムトラックがどこか荒廃した日常を思わせ、完全にHolden特有の亜空間に引き込まれてしまいます。でもこうゆう音を聴く限りだと、明らかにHoldenって薬中じゃないかと思う。音その物がかなり危ない空気を纏っていて聴く者を狂わしてしまいそうな作用を持っているのは、Holden自身がいっちゃってるからなんでしょう。

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| TECHNO5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
New Order - Someone Like You (London Records:NUOXX10)
New Order-Someone Like You
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さてBorder Community特集も佳境に入ってきましたが、今度はJames Holdenのリミックスワークを紹介したいと思います。レーベルの人気とは裏腹に近年は彼の新曲がリリースされる事は少なくなっておりますが、リミックスワークに関しては依然変わらぬ依頼がある様でぼちぼちとリミックスを行っております。オリジナル作品と共にリミックスも素晴らしい出来映えで、Holdenに関して深く知りたいならば必ずリミックスも聴かないといけません。本作はUKロックのベテラン・New Orderの曲をJames HoldenとFunk D'Voidがリミックスした内容で、今作に関してはHoldenの方が俄然インパクトを感じるぶっ飛びな内容です。時代は2001年と彼の仕事の中ではかなり古い方なのですが、それだけに今よりもかなり勢いがあってアッパーです。ある意味変態性が少ないとも言えますが、強烈な4つ打ちビートのプログレッシヴハウスなので一般的な受けは良さそうですね。それに狂ったサイケデリアが既に芽を出していて、ダークな雰囲気を身に纏っていました。まじでこれは格好いいぞ。対してFunk D'Voidの方は、Holdenの方を聴いた後だと凡庸に感じてしまいましたね。綺麗目のテックハウスで彼らしいと言えばそうだけど、地味に感じてしまうのはHoldenの方が強烈過ぎるからでしょう。いや、自分はFunk D'Void自体は大好きだし、他に素晴らしいリミックスワークは色々とありますけどね。

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| TECHNO5 | 20:50 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Holden - A Break In The Clouds (Border Community:01BC)
Holden-A Break In The Clouds
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さてBorder Communityと言えば、やっぱり主催者のJames Holdenが一番キテます。レーベルの記念すべき最初の作品こそこのEPでありまして、元々はプログレッシヴハウスと言われていたHoldenがテクノシーンでも認められる事になったであろう記念的作品でもあります。これ以前もプログレシーンでは注目を浴びていたそうなのですが、自分は好んでプログレを聴く訳でもないのでHoldenに関しては全然知らなかったんですよね。それがテクノのMIXCDに本作があれよあれよと使われる事になったので、自分もようやくHoldenの存在に気付きました。確かに一般的なプログレともトランスともテクノとも似て異なるサウンドが聴け、それは奇妙で不思議な感覚だけでなくドラッギーで神経を麻痺させていくようなトランス感があり、正にボーダレスで使われるべき傑作だと思います。無駄に音が詰め込まれすぎておらずシンプルながらも、覚醒的なメロディーによってじわじわと空間を浸食する音作りには非凡さを感じますね。とにもかくにも本作によってBorder Communityは、今後の躍進を約束されていた様なものだったんですね。

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| TECHNO5 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ricardo Tobar - El Sunset (Border Community:18BC)
Ricardo Tobar-El Sunset
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ダウンロード音源が勢力を増してきているこの頃ですが、自分は相変わらずシングルはレコードで揃えています。DJをする訳でもないのですが、わざわざ裏返したりする面倒さも曲を大事に聴くと言う感覚を思い出させられたり、大きなジャケットでアートワークも楽しめるし、レコードからなかなか離れられません。それとPCで音楽を聴くと言う習慣が無いと言うのも原因ではあるのですが。

さて、近年テクノシーンで一大勢力を築き上げたJames Holdenが運営するBorder Communityのレコードが溜まってきたので、一気に紹介したいと思います。まずは最近リリースされたばかりのRicardo Tobarなる新人アーティスト。やっぱりこの人も今までのBCと同じくシューゲイザー風なノイズに淡いメロディーを載せた内容で、自分がBCに期待している音そのまんまで良いですね。でも別に新しい音では無いですよ。だってそもそもシューゲイザーって90年初頭の流行で、それって更にダンスミュージックともリンクしていたから、今更ロックとダンスの融合なんて誰も新鮮だなんて感じないでしょ。だからと言って本作を否定する訳でもなく、良い物は良いと思う。ノイズの波に飲み込まれて世界が壊れていく様な廃退的なサウンドに痺れまくりです。

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| TECHNO5 | 09:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Summer Sessions 2 Mixed By DJ Heather & Onionz (OM Records:OM-274)
Summer Sessions 2 Mixed By DJ Heather & Onionz
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ここ一週間猛暑が続いていて本当に死ぬかと思う位の暑さでしたが、週末でやっと快適な気温になりほっとしました。しかしラニーニャ現象だから猛暑だとかとってつけた様な解説を聞くけれど、○○現象ではなくて単純に温暖化してるだけだろうと突っ込みたくなります。○○現象のせいにするのではなく、現実に目を向けろと思うこの頃。

さて多少は暑さも解消された週末ですが、今日は猛暑にぴったりな夏向けの盛り上がりハウスMIXCDをどうぞ。リリースはやっぱり夏が似合うサンフランシスコのOM Recordsで、とにかく何も考えず開放的に踊りたいなら海が近い場所の音楽シーンなのです。一枚目はDJ Heatherなる女性DJがミックスを担当していて、シカゴハウス系の人だとか?確かにシカゴらしいスカスカでパンピンでファンキーな曲が数珠繋ぎになっていて、からっと乾燥した爽やかさとノリノリご機嫌なノリは夏向けと言うのが適切です。随分と明るい選曲で思考や意識とは別に誰でも盛り上がるのは明白ですが、個人的にはシカゴらしい凶悪で粗悪な音が前面に出る方が好きだったりします。でもまあ使い道としては海に向かうドライビング途中にでも爆音で聴けば、きっとスピード違反して海には着けない事でしょう。

しかし実は一枚目にはそこまで興味は無くて、テクノも使った二枚目に興味があったから購入したんです。だってFunk D'VoidもTechnasiaもLos HermanosもHardfloorもDeetronも入っているなんて、正に僕好みじゃありませんか!勿論ハウス中心のセットではあるけれど、その中にスパイスとしてクールなテクノがバランス良く入っているから、テクノ/ハウスのどちらのファンにも聴いて貰える様な内容です。ハウスにしても一枚目とは異なり多少ディープで感覚的に深みにはまっていき、ただ楽天的な一枚目とは雰囲気も音も違います。これは夏向けか〜?と疑問は湧いてくるけれど、むしろいつ聴いても楽しめる普遍的なミックスだからこっちの方が断然お勧め。テンションも一枚目より抑え目だし、ゆるゆるだらりと聴ける感じ。こちらは海から家に帰る途中のドライビング中に聴くと、喧騒の後の郷愁を味わえるかと思います。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2 (Renaissance:REN31CD)
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2
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前職を辞めて一ヶ月、その間に久しぶりにPCゲームをしたりハローワーク通ったりお家で昼寝をしたり、なかなかグダグダな生活を送っていました。がやっと新しいお仕事が決まり、これからは責任を持って社会人としての生活を送る事になります。最初の内は研修期間だろうと思われるのでそこまでは忙しくないと思うのですが、その後はIT関連なので時間も不規則になり多忙な予感がしています。まあこのブログも多少ペースは落ちる可能性が高いけれど、マイペースでがんばるぞっと。

今日は昨日に続きプログレッシヴハウスのMIXCDで、担当はUKプログの新星・Nic Fanciulli。自分は全然彼に関しては知らないのですが、MIXCDの中で自分の好きな曲が使用されていたのでついつい買ってしまいました。"Early Doors"と"Late Night Floors"と言う風に2つの異なるコンセプトで選曲をされていますが、まずは"Early Doors"から。日が変わる前のクラブをイメージしたと思われるタイトルですが、確かにそこまでアッパーではないしむしろラウンジなどで軽くBGMとして流れる位の耳当たりの良い内容だと思います。透明感に溢れ身も心も軽やかにお酒の進みそうな音ではあるんだけれども、ちょっとビートが弱いかなと…。自分の中でプログレッシヴハウスと言うと、徐々にエネルギーを溜めて終盤に上げて行く強烈な4つ打ちが好きなので、物足りなさが残るかな。しょうがねーなーと思いつつ"Late Night Floors"を聴いてみると、こちらは最初から滑らかな4つ打ちが鳴っています。しかしこの人の選曲って良くも悪くもメロディーの起伏が多く、MIXCDなんだけれども一つの世界に統一されてないのですね。例えば他のDJだと色んな楽曲を使っても見事に調和の取れた世界観を創り上げるけど、この人の場合MIXじゃなくてコンピを聴いている気持ちになってしまうなぁ。流行のエレクトロハウスっぽい音や綺麗目の音も入れたりしてそつはないけれど、なんだか全体的に緊迫感が持続しないのは何故?比較するのは可哀想だけれども前日紹介したHernan Cattaneoに比べると、Nic Fanciulliはまだまだと思わざるを得ない出来ですね。自分が聴きたかったFunk D'Void(=Francois DuBois)の新曲は予想通り素晴らしかったです。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Hernan Cattaneo - Sequential Vol.2 (Renaissance:REN34CD)
Hernan Cattaneo-Sequential Vol.2
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何故アルゼンチンからこんなにも人気のあるプログレッシヴハウスのDJが生まれたのか、未だにその原因は分かりかねますが、とにもかくにもHernan CattaneoのDJプレイは素晴らしいです。と言っても彼のDJをクラブで体験した時にはアゲアゲでかなり派手だったので余り良いイメージは無く、むしろCDでリリースされているDJMIXの方が気に入っております。本作でも彼の「極限までディープなハウス」をプレイすると言うコンセプトはしっかりと守られていて、無駄にアゲル事も無く丁度踊りやすいテンポでじわじわとエネルギーを溜めていくスタイルが確立されています。普段プログレッシヴハウス自体をさほど聴かないので他のアーティストとは余り比較出来ないのですが、Hernanに関しては一つのDJプレイの中で余りごちゃごちゃ音を入れる事はせず一つの世界観に統一されている感じはありますね。そうゆう意味で余り派手さは無いのですが、音への集中が切れる事なくどんどん深い世界へと引き込まれていく麻薬的な魅惑があります。ディープ、幻想的、覚醒的、崇高、Hernanに関して浮かぶ単語はそんな物かな。大きな起伏とかは無いけれどじっくり耳を澄ませば、いつの間にかHernan Cattaneoの世界が待ちわびている事でしょう。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
J Dilla - Ruff Draft (Stones Throw Records:STH2153)
J Dilla-Ruff Draft
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第参弾。彼の死去後リリース作品の中では一応最新作ですが、2003年作のEPに未発表曲などを追加した編集盤に近い内容です。2枚組と言う形態ですが片方がボーカル入りで片方がインスト、しかしながら1枚30分以下なので2枚合わせてようやくフルアルバムのボリュームになります。ボーカル入りの方は殆ど聴いてないので特にコメントは無しですが、インストの方はなかなか良いです。"なかなか"と言う表現を使うとそこまで良くないのかって話になるんだけど、ボリュームが少ないし寄せ集めっぽい展開なので、他のアルバムに比べるととっちらかった印象がある様な。ざっくりラフなビートは正にタイトル通りで一曲一曲は確かにカッチョイイと思いますが、全体としては決め手に欠けますね。まあ普通のヒップホップに比べたら極めてスモーキーで渋くファンキーなリズムだし、買って損する事はまずないでしょうが。ちなみにJ Dillaのサンプリングは凄いって色々な場所で説明されているんだけど、自分にはどの音がサンプリングでどの音が打ち込みなのか分かりません。リズムをサンプリングで組んでるって事なのかしら?

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
J Dilla - The Shining Instrumentals (BBE:BBECD077)
J Dilla-The Shining Instrumentals
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第弐弾。J Dilla死去後に"Donuts"で彼にずっぼりはまった僕は、とにかく他のアルバムもどうしても聴きたい衝動にかられました。そして手に取ったのが本作で彼の死去後にリリースされた遺作でありまして、"The Shining"のボーカルを抜いたインストバージョンなのであります。僕がヒップホップの何が苦手かと言うと変な歌い方をするラップがとにかく苦手で、だからこそトラックその物の良さが分かるインストバージョンに手を出したのでした。彼が亡くなった後だから余計に感じる事かもしれないけれど、本作の音はラフと言うか臨場感に溢れている気がします。彼が懸命に生きようとしていた証なのか生々しい感触が、やはりどこか寂しさを呼び起こし感傷に浸る自分がいます。メランコリーと言えばそうだしソウルフルでもあり、ぐぐぐっと心を引き寄せる温かいメロディも感情にゆったり深く染みこんで行くようです。かと思えばスモーキーなサウンドプロダクションはどこか訝しさを感じさせ、Theo ParrishやMoodymannを思い起こさせる点もあったり。そういえばJ Dillaもデトロイトのアーティストで、ならばこの音も黒人のソウルが一杯に詰まっているのは当然の事だったんですね。

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| ETC2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
J Dilla (Jay Dee) - Donuts (Stones Throw Records:STH2126)
J Dilla(Jay Dee)-Donuts
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J DillaことJay Deeこと、本名James Dewitt Yanceyの特集第壱弾。2006年2月J Dilla死去との情報が伝わり、色んな雑誌や音楽系ブログでその紹介がされていました。僕には一体何のこっちゃと言う感じで、ただとにかく非常に素晴らしいアーティストが亡くなったと言う事だけは何となく分かりました。僕が何故J Dillaを知らないかと言うと単純にヒップホップは皆無と言ってよい程聴かないからで、つまりJ Dillaはヒップホップアーティストらしいのです。元Slum Villageのメンバーであり、Common、A Tribe Called Quest、De La Soulなどのプロデュースを手掛け、膨大な数に昇るトラック提供やリミックスを行ってきたそうで、ヒップホップに疎い僕でも上記のアーティストの名は知ってる位なので、きっとJ Dillaは凄いのでしょうね。そんなこんなで興味を持って最初に買った作品が本作ですが、ヒップホップと思い込んでいたけれど僕自身はそうではなくソウルだなと感じています。ダウンテンポとブレイクビーツに心を締め付ける郷愁と温かさを練り込んで、死ぬ間際にありったけのヴァイブを表現しているんですね。この手の音楽でこんなにカッコイイと思ったのは本当に久方ぶりですが、本作リリース直後に亡くなった事を考えると何だか物悲しい気持ちにもなってきます。また1分前後の曲が31曲連なったショートストーリーは、瞬く間に話が進んでいくのですがそのテンポの良さも絶妙です。本作で彼の虜になった僕は、結局他のアルバムも購入する事になったのでした。

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| ETC2 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Marques Wyatt - Horizons (OM Records:OM150)
Marques Wyatt-Horizons
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Marques Wyattと言うアーティストを全く知らないのですが、西海岸ハウスシーンをリードするOM Recordsからのリリースと言う事で中古で安く仕入れた本作。OM Recordsはサンフランシスコ発祥のレーベルなんで、自分のイメージとしては太陽が燦々と降り注ぐ陽気なビーチで、時にファンキーに時にドリーミーな顔を覗かせるハウスと言うイメージがあります。そして本作にはそんな面以外にも、更には心をぐっと掴むようなドラマチックで儚い面も見せつけるのでした。まずはジャケットに注目。"地平線"と言うタイトル通りのジャケットですが、この太陽が正に沈む瞬間の消えゆく美しさには涙が出そうになります。音楽的にはディープハウスと言う事になるのでしょうが、そこにはジャジーな渋い感覚やラテンのファンキーさ、またはトライバルの土着具合も有り、それらが自然と滑らかに繋がれております。そしてそこから生まれるのは、ジャケット通りのしんみりと心に染みこみ涙を誘うノスタルジア。大幅な振れ具合の無いある意味平坦なミックスではありますが、それが逆に徐々に感動をもたらす事に成功していると思います。陽気な夏と言うよりは、詫び寂びな秋のOM Recordsって感じですね。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hug - Heroes (Kompakt:KOMPAKTCD55)
Hug-Heroes
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近年の多作ぶりで充分に名前も知られているであろうJohn Dahlback。従兄弟のJesper Dahlbackも人気を得ているので、二人揃ってスウェーデンテクノを今率先していると言っても過言ではない存在。John Dahlbackは1985年生まれらしく、そうするとまだ22歳位だよね?なのに彼のリリースペースは毎月一枚を超える猛スピードな活動っぷりで、ほんと息をつく暇も無い位ですよ。さてそんなJohn DahlbackがKompakt傘下のK2、そしてKompaktで活動する時の名義がHugでございます。Hug名義での1stアルバムが最近リリースされたのですが、いやー大した若者ですよ。全然若者らしくないベテランらしい超弩級ディープな音で、22歳にしてこんなに浮世離れしたトラックを作るなんて。基本はKompaktからのリリースと言う事もあってミニマルなリズムが中心なんですが、ドラッギーな上物が入ったりメランコリーなメロディーが乗ったりして、空間が歪んでいくような効果を生み出しているんですね。そんな強烈な音を発しつつもどこか気の抜けた雰囲気もあって、ぬらりひょんみたいな掴み所の無い感じですな。今っぽい音と言えばそうなんだけど、フロアでかけるとぴったりはまる曲ばかりだし頭一つ抜け出てると思いますよ。ドイツのミニマルハウス/テクノが好きなら聴いて損はないと思うけど、この目のクラクラするサイケデリックな感触はJames Holdenとかと似てる気もするなー。どうでしょうか?

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Dark Energy - Collided Energy (Soundscape:SUBJPCD-009)
Dark Energy-Collided Energy
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デトロイトテクノの中でも取り分け闇の面を司り、Underground Resistanceの活動を末永く支えるデトロイトの最古参の一人・James Pennington。URの中ではSuburban Knight名義での活動がメインでありましたが、今回はURのカタログーナンバー29が付けられている"Dark Energy"名義でのアルバムがリリースされました。なんでもこの名義はThe Martianとの共同作業との事なんですが、The Martianって結局Mad Mikeを含めたURオールスターズって言う認識になるのかな?にしたってこのアルバムに含められている曲は、Suburban KnightやDark Energy名義でリリースした物ばかりなんだがどうゆう事なのか?いまいちどうゆうコンセプトでこの名義のアルバムをリリースしたのか分かりませんが、結論から申しますと9割以上の曲はEPに収録されている曲でオリジナルアルバムとは到底言い難いです。しかも遡れば1991年にリリースされた曲も収録していて、この拡大再生産的なアルバムの出し方は正直どうなのよ?オリジナルを大事とするデトロイトテクノがこんな過去のEPを集めただけのアルバムを出すなんて、流石にデトロイト好きの僕も警報を鳴らしたくなります。収録されている曲は笑みも浮かんでこないダークなテクノだったり、デトロイトらしいロマンティックなテクノもあったり、彼らしいストイックなテクノばかりで充実していると思いますよ。しかしやっぱり現在の時流の音とは到底言えないし、古臭さも否めないんじゃないかな。流行云々を抜きにした音だけど、これらを今更リリースするのは首を傾げたくなります。過去のEPとか持ってない人は、これを機に聴いて欲しいってスタンスなんですかね。普通にオリジナルアルバムを創って下さい、お願いします。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - Immer 2 (Kompakt:KOMPAKTCD46)
Michael Mayer-Immer 2
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これぞKompaktスタイル!ドイツテクノシーンの中核を担うKompaktですが、抱えるアーティスト、そしてその楽曲たるや他のレーベルと比較にならない程素晴らしく、現在のミニマル流行を起こした要因となっているレーベルの一つだと思います。その表だったボスがMichael Mayerでありまして、WIREやクラブイベントで何度も来日しているのでもうお馴染みですよね。その彼の最新MIXCDがコレなんですが、正にKompaktの音を象徴するようなプレイとなっていても〜たまらんですね。テンポは遅いんだけどもドロドロと重いリズムでミニマルの展開を作り、非常にたくましいグルーヴが感じられます。中盤まで重く暗い流れでこのまま続くかと思ったら、6曲目"Advance"で煌びやかでセクシーなシンセがばりばり入ってきて、一気に快楽度が上昇し恍惚の世界に引き込まれます。そしてミニマルなリズムは保ったまま、妖艶なメロディーや幻想的なシンセが入っている曲を続けて回して、前半の陰から陽のプレイへと完全にシフト。Kompaktはミニマルテクノの面を持っていますが、また同時にポップな面も持ち合わせていて、それを両方上手く表現していますね。終盤では何げに流麗なテックハウスに移行して、ラストに向けて感動的なまでも盛り上がりを聴かせてくれました。ほんとKompaktの良い所取りなMIXCDで、文句の付け所もありません。ミニマルシーンが盛り上がり粗悪な作品も増えていますが、Kompaktの作品ならば騙される事はないと保証致します。ちなみに梱包されている用紙にkompakt-mp3の中からMichael Mayerが選んだMP3をDLする為のパスワードが書いてあり、お買い得感が高いですね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Deetron In The Mix (Music Man Records:MMCD020)
Deetron In The Mix
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群馬温泉の旅行から帰ってきました。温泉に一杯浸かったので疲れは取れましたが、音楽の紹介は滞らずに行わなくては!と言う事で新年一発目の紹介は、スイスのハードトライバル野郎・Deetron。ハードなテクノを作りつつも、デトロイト系でも名作を作る事が出来る器用な男です。アーティストとして一流なのはフロアで使えるトラックをリリースしまくっているのでご存じでしょうが、DJとしても僕はかなり好きです。彼のMIXを好きになったきっかけは、彼が手掛ける公式MIXCDとして一枚だけ発売されている「Deetron In The Mix」のおかげです。使われているトラックは計37曲、さすがJeff Mills影響下にあるDJです。矢継ぎ早に曲をミックスして流れを損なう事なく、最後までだれずに聴けます。そして注目すべきはハードミニマルとデトロイトテクノを並べてミックスしている事。テクノ好きならばこの両者の掛け合わせで満足出来ない人なんて居ないんじゃない?ハードミニマルだけだと単調さが嫌って言う人もいるかもしれないし、デトロイトテクノだけだとちょっと激しさが足りないよねって事になるかもしれない。けれどもDeetronのプレイは、ハードテクノの激しい流れとデトロイトテクノの未来的なシンセサウンドが交互にやってきて、お互いを補完しあう様な相乗効果を見せていると思います。またハードはハードでも、かなりファンキーなトライバル調の曲が多いです。つまりは太鼓がポコポコ鳴り腰を直撃するパーカッシブな野性味に溢れ、まあ分かり易いと言えば分かり易いミックス。これを聴いて踊れないならば不感症の可能性有り!踊れる要素が全て詰まっているさ。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2006
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年はPRIDEの不祥事で格闘はK-1しかTV放映されません。非常に残念です。さて、今年の年越しは万座温泉で過ごすので、31日から3日までは外出しています。なのでこの更新も前もってまとめておいたのが、自動でアップされるようになっています。今日は年間ベストを選ぶと言う事で、時間をかけて今年リリースされた物で印象に残ったのを探していたのですが、あちらを立てればこちらが立たず状態でどれを切るか本当に迷いました。年間ベストとは謳っておりますが、実際の所数日後に選び直したらまた内容は変わるだろうし、今の時点の気持ちで選んで物と考えた頂いた方が宜しいかと。でもどれも最高に素晴らしい音楽ばかりなんで、是非参考にしてみてくださいね。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 12:00 | comments(12) | trackbacks(4) | |
DJ DEX a.k.a. Nomadico - Invisible Show Case Vol. 01 Part One & Two (Submerge:SUGCD-002-1~2)
DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part One
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DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part Two
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昨日で今年のCDレビューは最後と言いましたが、すいません、嘘こきました。とても大事なMIXCDを紹介し忘れていたので、今日もレビューします。そもそも何故このMIXCDを今まで紹介していなかったと言うと、アマゾンでは販売されていないから。Part OneはタワーレコードやHMVなど大型レコード店で、Part TwoはCisco、Disk Union、Underground Galleryなどのレコード専門店で販売されると言う変則的なリリースだったのですね。ただ内容に関しては今年一番聴き込んだ程に素晴らしく、今まで数多くリリースされたMIXCDの中でも最上級に位置する物だと僕は思っています。それを作ったのがコードナンバーUR061を冠するUnderground Resistanceの新参者・DJ DEXことDan Cabelleroで、TimelineやLos Hermanosのメンバーの一人でもあります。勿論URのコードナンバーを与えられる辺りでMad Mikeも才能を認めているのは周知ですが、DJ DEXのミックスはまじで眉唾物です。元々ヒップホップ上がりらしいのですが、そんな経歴を思わせる巧みでスムースかつパワフルなプレイで怒濤の流れを作っているんですわ。殆どがUR関連の曲で固められていますが、過去の名曲から新曲、Re-Editを含む未発表曲、そしてジャンルはテクノ、ハウス、エレクトロ、ラテンを何の違和感も無く混ぜています。URの歴代オフィシャルDJでもあるJeff Mills、James Pennington、DJ Rolandoも本当に才能ある人達だったのですが、DJ DEXもそれ以上に広がりと奥深さをを見せてきていますよね。今時にしては珍しいタンテのみを使った一発録りの為か、勢いや攻撃性が前面に出ている時もあるかと思えば、未来を夢見るデトロイトのロマンティックな音が沸いてきたり、URの歴史がここに結集している様に聞こえます。しかし幾ら僕がここで説明しても、きっと真価はなかなか伝わらないと思いますし、トラックリストだけ見たって良さは分からないでしょう。だから是非とも自分の耳で確かめて欲しい、DJ DEXのプレイを。これを聴けばデトロイトにも新しい息吹が吹こうとしているのを感じ取れるはずです。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Urban Tribe - Authorized Clinical Trials (Rephlex:CAT180CD)
Urban Tribe-Authorized Clinical Trials
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こんばんわ、Tokyo Experimentの管理人・マチュです。と言っても毎日更新しているのも当然私です。残念ながら今日でCDレビューは終わりです、今年のですが。来年もどんどん紹介し続ける予定ですので、これからもヨロシク。今年最後のレビューはデトロイトのダークサイド、Sherard IngramことUrban Tribeです。Mo Waxからリリースされた1stアルバム(過去レビュー)には、Anthony Shakir、Carl Craig、Kenny Dixon Jr.(Moodymann)が参加して強力なダウンテンポ作品となっていたのですが、この2NDもなかなかの物。リリースはなんとAphex Twin(Richard D. James)主宰のRephlexからと言う事で、作風が見事なまでに変容を遂げていました。いかにもRephlexらしい音で、簡単に言うとエレクトロ。電気仕掛けの鞭でビシバシとしなやかにしばかれる棘のある音で、前作のディープでメランコリーな世界は何処へやら。あ〜これは故Drexciyaを思い出してしまったよ。そう言えばAphex Twinは、デトロイト系にはそこまで関心なさそうだったけどDrexciyaだけに関しては相当興味を示していたな。だからDrexciyaにも通じるこのアルバムを、自身のレーベルから出したのかな?作品自体はシンプルなエレクトロと言ってしまえば終わりだけど、狂った感もあるハードで無機質な感覚はまるで怒ってるみたいだ。デトロイトの反骨精神が出ていると考えれば、これもデトロイトテクノの一つなのかもね。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - No Way Back (Lastrum:LACD-0094)
DJ Nobu-No Way Back
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今日本では新しい風が吹き始めています。その中で最も注目を浴びているが、Future Terrorを主宰するDJ Nobuでしょう。色々な雑誌でデトロイト関連に合わせて彼も紹介されているので、デトロイトテクノ好きはもうご存じのDJです。Future Terrorは数年前から千葉で行われているのですが、その場所柄に関わらず今では大勢のファンを集めるアンダーグラウンドなパーティーだそうです。ただ勘違いしないで欲しいのはデトロイト関連で紹介されているからと言って、彼がデトロイト物ばかりをかけるDJでは無いと言う事。敢えてデトロイトとの関連を示すならば、フロンティア精神溢れる挑戦者だと言う事でしょうか。千葉の廃墟ビルから始まったFuture Terrorは、DJの知名度に関係なくイベント自体の内容を楽しんで貰う為のコンセプトでファンを徐々に集め、真のダンスフリークが集まる場所となった様なのです。とまあ、自分がFuture Terrorを一度も体験した事はないので、ここまでの話は全てネット上の情報を集めた物。

さて彼の新しいMIXCDを実際に聴いてみると、Thomas Fehlmanのアンビエントから始まりSleeparchiveのミニマルテクノが続きます。その後も中盤まではミニマルな選曲が続き、その後からいかにもなシカゴハウスやイタロディスコが入ってきました。途中James Holdenのリミックスも入ったり流行もしっかり取り入れていますが、何故か最新のテクノが使われていても彼がプレイすると洗練された印象は持ちません。音自体は冷ややかな印象を持っているのに、底に蠢くドロドロな黒さは彼の熱い血潮なのでしょう。フロアを激震させる野性味溢れる暴力的なプレイが、踊る僕らの心も体も疲れ果てるまで踊らせるのです。ヒット曲に頼らずとも熱い濃いグルーヴはここに存在し、スキルや熟練度とは別にプレイに大事な物はソウルなんだと実感させます(勿論最低限のスキルは必要でしょうが)。ワイルドでドラッギー、ホットでダーク、アンダーグラウンドな狭い空間でのパーティーを喚起させる名MIXCDの誕生です。

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| TECHNO4 | 22:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Holden - The Idiots Are Winning (Border Community:14BC)
Holden-The Idiots Are Winning
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テクノなのか、ハウスなのか、プログレッシブハウスなのか、サイケデリックトランスなのか。現在のクラブシーンを圧巻するJames Holdenの音楽は、言葉では上手く説明出来ない混沌さがある。10代の頃にプログレッシブハウスで注目を集めた彼は、その後自身の本当にやりたい音楽をリリースする為に、現在最も注目を浴びているレーベル・Border Communityを設立した。そこからの彼の活躍ぶりは、テクノ、ハウス、プログレ、垣根を越えて様々なリミックスを行い、後は皆の知る通り現在の人気ぶりに繋がっている。そしてだ、遂に彼のオリジナル1stアルバムの到着だ。しかし実の所、このアルバムは彼の既発曲を集めたEPと言う位置付けらしいのだが、まあそんな事は内容には関係ないはずだ。それでももしかしたら期待を裏切れらた人も多いかもしれない。何故ならば所謂フロアトラックは多い訳ではなく、むしろホームリスニング的な構成になっているからだ。ノンビートで淡い世界観を見せるアンビエント風の曲あり、ギクシャクとしたエレクトロニカ風の曲あり、意外とも思える内容。Holdenに依れば「じっくり聞き込める音楽を作りたかった」との事で、確かにこの作風ならば家で聴くにはもってこい。もちろんフロアを震撼させる「Lump」「10101」「Idiot」など、強烈に脳を覚醒させるサイケデリックな曲もあり、非常にバランスの取れたアルバムだとも思う。何よりも彼が作り出す音は、毒気付いた恍惚感と狂気に満ちた覚醒感に溢れていて、神経その物を浸食していく。彼の音楽はドラッグと同じ効果があるのではないか?そう思わせるだけの、中毒性を持った刺激的な音なのだ。ある人は吐き気を催すかもしれないし、ある人はヨダレを垂らす程没頭するかもしれない。James Holdenの音楽は、量が多ければ致死量を超えるドラッグなのだ。僕は、大曼荼羅の世界観をイメージした。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell (Tresor:Tresor142CD)
Globus Mix Vol.4 The Button Down Mind Of Daniel Bell
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良いお仕事しますね、DBXことDaniel Bellさんは。デトロイトにおけるJeff Millsと並ぶミニマリスト・Daniel Bellですが、渋めの曲が多いので前者に比べると少々マニアックな存在だと思います。でもTresorからリリースされていたこのMIXCDは本気(と書いてマジ)で素晴らしく、廃盤となっていたのがやっとこ再発されました。2000年作なんだけどRicardo Villalobos、Herbert、Thomas Brinkmann、Farbenなどの現在も主流になっているクリックハウスとかミニマルハウスの類の曲を既に多用していて、先見性があったんだなーとそのセンスに驚かされます。コチコチとしたクリック系を回すにしても、スカスカのミニマルハウスを回すにしても、冷ややかなファンクが存在していて切れがあるよね。一聴して味気ない地味な音ばかりだと思うのは間違いで、リズムトラックを聴いて分かる通りファンクなハウス以外の何物でもないと思います(所謂アッパーなファンキーハウスとは違うぞ)。後半には沈み込みように微妙にメランコリーで淡いディープハウスに突入し、何故か夜のムードが出て来たりもします。盛り上げるだけが上手いDJじゃなくて、しみじみと聴かせるプレイもまた一流なのですぞ。職人とか仙人とかそんな言葉が相応しいDaniel BellのMIXCDでした。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Sessions presents Cajmere VS Green Velvet (Ministry Of Sound:MOSCD130)
Sessions presents Cajmere VS Green Velvet
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今となってはMIXCDもシリーズ化するのが常套手段。UKのMinistry Of Soundもそんなご時世に当然ハウスのMIXCDシリーズ「Sessions」を立ち上げて、Derrick Carter、DJ Sneak、Mark Farina、Josh Winkら渋い面子を引っ張って来ていましたが、遂にシカゴハウスの変態野郎・Curtis Alan JonesことGreen Velvet/Cajmereを参戦させました。一人二役を演じる面白いコンセプトで、Cajmereではハウスを、Green Velvetではテクノをプレイしています。CajmereプレイのCD1ではエレクトロニックでファンキーなスカスカハウスをプレイ。意外なのは彼にしては熱い衝動を感じさせるソウルフルな音が感じられ、狂気じみた変態プレイ以外も出来るんだねーと初めて思いました。ファミコン世代のダサ目の音が、逆に郷愁を誘います。Green VelvetプレイのCD2はまあいつも通りと言うか、CD1と変態性は一緒でも更に凶悪でダークなエレクトロ、アシッド、テクノをプレイ。一曲目からいきなりビキビキとアシッドベースでまくり立てられて、二曲目で自身の不穏なエレクトロ「Flash」を投入。もはや常軌を逸脱した狂気の音楽、暗黒の音に包まれます。中盤では切れ味鋭いファンキーなテクノも混ぜたりして、パンピンに盛り上げもします。と言っても音自体はシカゴハウスが根底あり、無駄の削ぎ落としたスカスカの音は格好良いですね。その後もエレクトロ、テクノを使って上げ下げしてまるで目まぐるしいジェットコースターに乗ってるみたい。CD1、CD2とも異なるプレイで楽しめるし、シカゴハウスの中でも一番強烈な音を聴かせてくれてほんとサイコー!お見事としか言い様がないですね。



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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Angel Molina - Wax Sessions (Sonar Music:SM007-CD)
Angel Molina-Wax Sessions
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僕が普段聴くテクノのMIXCDと言えば一枚のCDの中に2〜30曲は曲を詰め込んだ、矢継ぎ早な物が多いです。曲の中の良い部分だけどどんどん繋いでいくと言うコンセプトに基づいているのですが、昨日紹介したSven Vathなんかは一曲を長めに聞かせるスタイルですね。別に長めに聞かせるのも嫌いではないのですが、そうすると選曲によって良い悪いの重みが増えてきます。今日は一曲を長めに聞かせるタイプで、意外に素晴らしかったMIXCD「Wax Sessions 供廚鮠匆陲靴泙后Angel Molina、90年初期から活動をしているスペインのテクノDJだそうです。スペインと言えばCristian Varelaの方が有名なんだけど、地道にAngel Molinaも活動しているらしいです。そんな活動の長さゆえか、過激なプレイをこれでもかと見せつける事もなく、深みがあり一枚のCDの中にストーリーを感じさせるベテランのプレイを残してくれました。まずはJeff Millsのディープなテクノからデトロイト系のAardvarckに繋ぎ、3曲目でJames Holdenを投入しサイケデリックな世界に引きずり込みます。そのままディープなミニマルで繋いでいく内に、あれ???いつのまにか太く上げ気味の4つ打ちに変調しているよ?中盤から後半にかけてはメロディアスでアッパーなテクノ、粗めのハードテクノを混ぜて上げ下げを用意し、最後までがつんと肉体を刺激してくれます。一曲を長めに聞かせるからこそ自然な繋ぎが出来ていて、これもMIXの醍醐味なんだなと思わせるプレイです。旬のアーティストもふんだんに使われていて大変素晴らしいですが、知名度の低さで損をして感じがありますね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse-In Live Sets Vol.2 (ナウオンメディア:NODD-00067)
Fuse-In Live Sets Vol.2
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2000年からデトロイトシティーを盛り上げるべく、そしてテクノの聖地としてテクノを知らしめるべく、Carl Craigが立ち上げたDetroit Electronic Music Festival(DEMF)。ただ元々は無料フェスであった為イベントの資金難は現在まで続き、デトロイト市との確執もあったりでCarl Craigが蚊帳の外に出されたり、色々と苦難に阻まれているイベントがDEMF。そんな苦難があって2003〜4年はDerrick Mayが主宰し、自らの資産をなげうってまでDEMF改めMovementを開催するも、結局は借金漬けになってしまう。2005年はKevin Saundersonが有料のフェスとしてFuse-Inに改め開催するも、多くの人間を集める事は叶わず彼も借金を背負う事に。2006年はプロモーターが見つかりなんとか開催するも、出演アーティストの大半はデトロイトに関係ない人だったり。となんともまあ厳しい現実ではあるDEMF。これはきっとアメリカではデトロイトテクノはヨーロッパ程深く浸透しておらず、またデトロイトがテクノの聖地だと言う認識もないからではあると思う。多分DEMFがヨーロッパや日本で行われれば多くの人を集める事が出来るだろうに、なんとも悲しいアメリカの現実だ。

さて、このDVDは2005年のFuse-In参加アーティストから、Model 500(Juan Atkins)、Kevin Saunderson、Stacey Pullen、James Pennington、Aril Brikhaら約20アーティストを収録。Juan Atkinsのエレクトロライブは初めて見たけど、やっぱり本物は格好良い。でも糖尿病のせいか痩せ過ぎな気もして、ちょっと心配だぞ。James Penningtonも硬派で芯のあるプレイ、さすがURのメインDJだ。しかし地元デトロイトハウスの重鎮・Mike Clarkよりも、ミニマルテクノのMarco Corolaの方が人気あったり、なんだかイベントの主旨ぶち壊しな面も…。ヒップホップのSlum Villageが出たりしているのは、許容を広げると言う意味では良いかもね。でもまあ、かつては荒廃していたデトロイトから毎年の如くこうやってダンスミュージックイベントが行われるなんて、ほんと素晴らしい事だとは思うよ。後はデトロイトアーティストを中心にイベントが行われ、かつ客をしっかり繋ぎ止める事が出来るようになれば、その時こそ本当の成功だと言えるだろうね。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Lavelle - Global Underground Romania #026 (Boxed:GU026CD)
James Lavelle-Global Underground Romania #026
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渋谷のHMVでプログレッシブハウスのMIXCDシリーズ:Global Underground(Amazonでシリーズを検索)が1000円以下で叩き売りされています。その中で何か買ってみようと思い、色々悩んだ挙げ句あまりプログレっぽくないJames LavelleのMIXCDを購入しました。James Lavelleと言えばトリップホップの革新的レーベル・Mo'Waxを立ち上げた人物であり、かつてはUNKLEと言うユニットをDJ Shadow(現在は脱退)と組んでいたり、まあ名前はとにかく有名だった(既に過去形である…)。そんな彼がプレイする音楽とはどんなものなのか、とにかく聴いてみる事にした。

一枚目、ブレイクビーツ中心のダークでサイケデリックなプログレ風。楽観的な明るさはなく、むしろ悲壮感が漂うどこか切ないメロディーが多い。へーJamesってこんなプレイをする人なんだとちょっと見直した。光の差し込まない暗闇の中を手探りで彷徨う様な、そんなヘビーな世界観。闇だからこそ逆に際立つ妖艶な美しさと言うか、説明しづらいけどただの派手なだけのプログレではない。リズムも単調に陥らずに体を揺さぶり続け、久しぶりに4つ打ち以外のMIXCDでも良いなと思った。

二枚目、いきなり鬱な位ヘビーなRichie Hawtinの曲から。序盤はまたブレイクビーツで同じ展開かなと思ったら、4曲目のPeace Divisionからは4つ打ちプログレへ移行。ここからは完全にエレクトロニックで高揚感のあるトラックが続きます。プログレ特有の艶のある煌めき感があり、鈍く黒光りするファンキーな音の連続。リズムはハウス的なスムースな4つ打ちで、途切れる事のない快楽を持続させます。終盤はちょっとやり過ぎな位トランシーな時もありますが、確かによだれの出る気持ち良さだ。エンドルフィンがドバドバと出るような危険な香りのする音だ。

James Lavelleってプログレのアーティストではないはずだけれども、このシリーズに抜擢されたのは功を奏したかも。プログレの高揚感とトリップホップから生じるサイケデリック感が、上手にブレンドされている様に思いました。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Blaze Production Presents James Toney Jr. Project -Natural Blaze (Life Line Records:LLCD-1001)
Blaze Production Presents James Toney Jr. Project-Natural Blaze
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僕自身Blazeと言うユニットにはさほど思い入れもなければそんなに詳しい訳でもないが、この「Natural Blaze」は日本でとにかく大ヒットしたのを覚えている。今これを紹介するのは、先日Yellowにライブの為に来日していたからである。BlazeはJosh MilanとKevin Hedgeから成る伝統的なハウスユニットで、もう20年以上も活動している。テクノ好きの僕でもその名前は聞く位の人気ユニットであり大変ポピュラーではあるが、かといって時代と共に消えてしまう存在とも異なる才能がある。決して彼らの曲には大きなインパクトと言う物を感じた事はないが、ただただ人の心に残るメロディーやハーモニーを彼らは知り尽くしていると言えるだろう。大味になりすぎる事もなければ、決して地味でもない。ブルージーだったりスウィートだったりメランコリックだったり、しかしどれも優しく人の心に語りかけるソウルがある。僕の好きなディープハウスとは一線を画しどちらかと言うとイージーリスニングに聞こえてしまうが(失礼…)、その濃厚過ぎない適度な爽やかさが彼らの魅力とも思えるのだ。もちろん内容が軽い訳ではなく、人情に溢れたエモーション、熱いソウルを感じずにはいられない。それでも彼らの音楽からは爽やかな風が吹いてくる。とにかく「Elevation」だけでも聴いてみなよ、きっと君の心にぐっと来るだろう。このアルバム、Blazeの中でも一番ヒットしたんじゃないだろうか。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Urban Tribe - The Collapse of Modern Culture (Mo Wax:MW102CD)
Urban Tribe-The Collapse of Modern Culture
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今では激レアとなってしまい高値の付いているSherard IngramことUrban Tribeの1stアルバムがコレ。テクノなんぞそんなよくわからん頃にリリースされて、Carl CraigとSherard Ingramの合体ユニットなんかと紹介されて興味を持っていたけれど、実はCarlさんは数曲で協力をしているだけで、半分位はデトロイトハウサー・Anthony Shakirが共作やプロデュースをしている。その他にも漆黒のソウルマン・MoodymannことKenny Dixon Jr.も参加していて、デトロイトハウス好きはヨダレが出る思いでしょう。と思いきや何故かJames Lavelle率いるMo’Waxからリリースされていて、その内容たるやトリップホップとかアブストラクトと形容されるかなり煙たい作品になっている。デトロイトテクノ色が少ないと言えばそうなんだけど、このアルバムから漂ってくる悲しさはなんだろうね。Moodymannと同じく艶のある黒さってのは感じれるけど、あちらが怒りを前面に出しているのに対し、Urban Tribeは荒廃したデトロイトシティーの嘆き、憂いを表現しているみたい。でも荒廃した街にも希望が生まれる様に、この音楽の中にも一筋の美しさが徐々に芽生えてくる。人間くさいざらついた質感の音も艶めかしく、生まれたばかりのプリミティブな音にはっと息を飲む瞬間もある。テクノともハウスとも違うデトロイトの新たなる局面が、Urban Tribeによって迎えられた。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Cajmere - Techno > Funk (303 Recordings:TOT3001)
Cajmere-Techno > Funk
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シカゴハウスの強烈な変態サウンドを現在も継承するCurtis Alan JonesことCajmere、またの名をGreen Velvet。Green Velvet名義ではピコピコで電子的な面を強調したテクノ/ハウスをやりつつも、相当にタフで狂った方面に行っておりますが、Cajmere名義ではレイザーラモンHGよろしくなハードゲイ風で、音数を絞ったシンプルなシカゴハウスを継承しています。そのはずなのに、Cajmere名義のこのMIXCDは何故にハードテクノなのか???特に序盤における怒濤のハードテクノ攻めにはびっくりしましたが、これこそが正に彼のタフな音楽性をそのまま象徴しているのかとも思えます。基本ズンドコ節の疾走しまくりハードテクノで、いつ緩める時があるのかと思ったら最後まで一気に走り抜けておりました。殆どシカゴハウスの変態サウンドは感じられないけれど、最近こうゆうハードテクノMIXCDは少ないので懐かしさを感じます。Cajmereがプレイする意味は分からないけど、それを抜きにすれば本当に楽しめます。Ben SimsやTechnasiaのDJプレイが好きな人にお勧めですね。

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| TECHNO3 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Alex Smoke - Paradolia (Soma Quality Recordings:SOMACD47)
Alex Smoke-Paradolia
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馬鹿にしてる訳じゃないんだけど、今回のワールドカップで一番格好良かったのはジダンでした。あのラストに見せた重く切れ味のある頭突きは、きっとこれからも幾人の人をなぎ倒して行くのだろうと感じさせた。引退なんてもったいないよw

前置きは今日の音楽紹介には関係ございません。今日はUKのスコットランドの名門テクノレーベル・Somaからの新星、Alex Smokeを紹介します。最近の流行はプログレッシブハウス界に止まらずクラブミュージックシーンを騒がせるJames Holden率いるBorder Community系(以下BC系)なんですが、ほんとにコレ系の音が巷に溢れ出している様な気がします。しかし名門のSomaでさえクリック系やらBC系に手を出してしまうのは、時代の流れと言えど少々悲しいものがあります。まあ、良い物は良いって事で多めに見ましょうか。このアルバム、BC系と言う事でサイケデリックな世界観は突出しており、じわりじわりと来る覚醒感はヤバイです。瞬間的に来るのではなく徐々に浸食する感じが、BC系なんですよね。メランコリックと言うべきかメロディアスと言うべきか、その割りには不安を煽る不気味な旋律で明るさは見えてこないです。リズムはずぶずぶとした適度な重さとクリック系のすっきりした軽さが混ざり、BPM120程のスロウな流れで暗闇の中に引き込まれて行くよう。新人ながらもなかなか手堅い出来で、今後も充分に期待出来るんじゃないでしょうか。MIXCDにも彼の曲はよく使われているし、取り敢えずBC系が好きな人は聞いといてちょ!

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Surgeon - Force + Form (Tresor:Tresor117CD)
Surgeon-Force + Form
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実はJames Holdenイベントの同日、Unitでは極悪ハードミニマルテクノユニット:British Murder Boysが5 Hours Gigsを慣行していました。本当はこっちもすご〜く行きたかった位、やばいユニット:BMB(名前からして凄い!)。それもそのはずこのユニットは、Jeff Millsフォロワーとして名を挙げたSurgeonと、アンダーグラウンドハードテクノでは右に出る者はいない凶悪さを誇るRegisがタッグを組んだユニットなのです。

今日紹介するSurgeonの作品は1999年リリースながらも、一応最新アルバムです。ドイツテクノ帝国の一端:Tresorからのリリースなので、当然安心印なのですが…やっぱ安心どころか危険なアルバムです。妥協も甘さも許さないサドスティックなハードミニマルテクノが延々とループし、わんこそばの様に止めてくれよと言ってもそんな事は許しません。元々はJeff Millsフォロワーですが最近だとそれを上回るハードさを追求して、完全にフォロワーの域を脱し自分の道を極めていると思います。ハードミニマルよりもハード、それはインダストリアルまでも侵略したハードさを兼ね備え、徹底的に人間味を廃した冷ややかな機械音が鳴り続けます。最初これを聴いた時は全く理解出来なかった覚えがありますが、後になってここまでストイックな音楽にハードの美学を感じました。近年のJeff Millsに落胆している人は、真っ先にSurgeonを聴くべきです。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(1) | |
2006/04/21 CROSS MOUNTAIN NIGHT Feat. JAMES HOLDEN @ WOMB
今日は余り元気がありませんです、はぃ。。。。。。。。・゜・(/Д`)・゜・。うわぁぁぁぁん

すっごい楽しみにしていたJames Holdenには行ってきたんですよ。まあ今や大人気だし、当然WOMBも激混みでさ。それはしょうがないよ。(でもあんだけ混んでたら素直に音を楽しむのは難しいと思うぞ〜)。でもな、何で3〜4回もドリンクぶっかけられなきゃあかんのよ?激混みの中でタバコ吸うお馬鹿もいるし、周りを顧みず自分勝手に踊る阿呆もいるし、とにかく酷かった。
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| EVENT REPORT1 | 10:00 | comments(6) | trackbacks(0) | |
James Holden - At The Controls (Resist Music:RESISTCD59)
James Holden-At The Controls
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今でこそテクノやハウス方面でも注目の的になっているJames Holdenですが、元々はプログレッシブハウス畑の人です。オックスフォード大学在学中の19歳の時にリリースした「Horizons」が注目を集め、その後はSashaと共同作業をしたりリミックスを量産したり、プログレ界では若き新星として人気を誇っていたそうです。ところがその人気とは裏腹にHolden自身はレーベルの制約に縛られ、自分の好きな音楽を創れなかったと語っているのです(それで売れるなんて皮肉めいてますが…)。ならば制約に縛られない自分のレーベルを作るかと言う事で出来上がったのが、今最も旬なレーベル・Border Communityです。情報の早い人はご存じ、Nathan Fakeらを擁するプログレッシブハウスに捕らわれない真の意味で前衛的なレーベルです。ここから発信される音は、テクノともハウスともプログレともロックとも言える独特な音で、クラブミュージックとしての固定概念はありません。本当に好きな音楽を創っていると感じられるのは、その自由性の為でしょう。(逆に過去のプログレ時のHoldenが好きだった人は、今のHoldenにどう感じているんでしょうね?)

前置きが長くなりましたが、James Holdenの趣味満開のMIXCDが遂にリリースされました。これは本当に凄い、今まで数多くのMIXCDを聴いてきた僕でも結構な衝撃を受けました。いや、衝撃と言うよりもただ単純にぞっこんになってしまっただけなのですが。Richie HawtinとAphex TwinとMassive Attackが共存し、自身やBorder Communityのアーティストの曲、またはエレクトロニカやポストロックまで、多岐に渡って色々な曲が収録されています。かつては「Balance 005」(過去レビュー)と言うバリバリトランシーなMIXCDをリリースしたHoldenの姿はもはや無く、完全に一段階上がったHoldenがここに居ます。本人曰くベッドルームで聴く音楽を意識したという通り、直球ストレートなダンスミュージックはここにはありません。その代わり10代の甘酸っぱい青春を思わせる郷愁とギラギラと怪しく輝く恍惚感が共存し、身も心も溶けてしまいそうなドラッギーな世界観は今まで以上に強くなっています。Holdenの発する音は、それがプログレだろうとテクノだろうと関係無く、いつだってサイケデリックなんですね。ジャンルはばらばらでも統一感があり、そこにHoldenのセンスと言う物を感じます。これこそ新世代の到来を告げるMIXCDですよ。

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| TECHNO3 | 18:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
AFX - Analogue Bubblebath 3 (Rephlex:CAT008CD)
AFX-Analogue Bubblebath 3
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Aphex TwinことRichard D Jamesは最低だ、糞野郎で狂ってて、いっちゃっている。まあ色々な虚言癖があるけれど、多分それはマスメディアを小馬鹿にする為に演じてる部分も大きいんだろうけど。それにしたってここまでマスメディアやファンを騒がせ、度肝を抜き、ネタの尽きないテクノアーティストは彼の前にも後にも彼以外いないんじゃないかな。「Chosen Lords」への布石となったであろうこの「Analogue Bubblebath 3」は、なんと13年前の1993年作なんだけどこの時点から既に尋常じゃないね。ハードでメタリックなリズムが無造作に並べられて、異様かつ奇妙なアシッドな音色が絡み付き、もはやテクノとかそんな言葉で表現出来ない電子音楽化しているのだよ。正直ここまで奇抜で不愉快な音には彼の悪意さえ感じるのだけれども、何だろうね、結局僕らはAphex Twinの奴隷になってしまっているんだよね。彼の悪意の側面には子供の様な無邪気さも見え隠れし、トラック1、6、8辺りにはエンドルフィンを触発する快楽がどくどくと吹き出して来ているね。彼の対極的な2面があるからこそより彼の魅力が輝くのだろうけど、なんかそれも彼の演技の内なんじゃないかとは思う。彼の一番の力と言うのは、実はメディアへの宣伝の仕方だったのかもしれないな。勿論、音楽そのものの素晴らしさがあってこそ、ここまでの名声と評価を得たのは言うまでもないでしょうがね。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
PEOPLE WANT MORE LIFE @ YELLOW
2006/04/14 (FRI)
DJ: JEFF MILLS(AXIS), TAKAMORI K.

MATERIAL feat. IAN POOLEY @ AIR
2006/04/21 (FRI)
Guest DJ: Ian Pooley

CROSS MOUNTAIN NIGHT feat. JAMES HOLDEN @ WOMB
2006/04/21 (FRI)
DJS: JAMES HOLDEN, TORSTEN FELD, Dr,SHINGO

CLUB MUSEUM @ UNIT
2006/04/21 (FRI)
Special Live Performance: BRITISH MURDER BOYS(SURGEON & RISIS) -5 hours gig-

UNDERGROUND RESISTANCE "INTERSTELLAR FUGITIVES" TOUR @ LIQUIDROOM
2006/04/28 (FRI)
Featuring members:INTERSTELLAR FUGITIVES SPECIAL LIVE UNIT
Formed by - GERALD MITCHELL as THE DEACON (UR044), THE ANALOG ASSASIN (UR040), CORNELIUS HARRIS as THE ATLANTIS (UR3.14), RAY 7 as THE UNKNOWN SOLDIER (UR051)
...And maybe more fugitives
DJs:SUBURBAN KNIGHT aka JAMES PENNINGTON (UR011), DJ S2 aka SANTIAGO SALAZAR (UR057), DJ DEX aka NOMADICO (UR061)

STANDARD 4 @ WOMB
2006/04/28日 (FRI)
GUEST DJ: JORIS VOORN
DJ: KEN ISHII, SATOSHI ENDO

MOODYMANN JAPAN TOUR 2006 @ YELLOW
2006/04/29 (SAT)
DJs: MOODYMANN aka Kenny Dixon Jr, Alex From Tokyo

PANORAMA @ YELLOW
2006/05/02 (TUE)
DJs : Kentaro Iwaki a.k.a Dub Archanoid Trim, Terre Thaemlitz
LIVE: LUOMO a.k.a VLADISLAV DELAY

CLASH 12 feat. DERRICK MAY @ ageHa
2006/05/06 (SAT)
DJs :Derrick May, Ken Ishii, DJ Tasaka, Fumiya Tanaka, DJ Wada, Q'Hey
Toby, Yama, Shin Nishimura, DR.Shingo, Kagami, RKD1 & RKD2
LIVE : Chester Beatty, Newdeal

JAPANECTION PRESENTS SOUL DESIGNER TOUR @ WOMB
2006/05/19 (FRI)
DJs: Fabrice Lig, Jean Vanesse, Ken Ishii, Sisk
| UPCOMING EVENT | 23:55 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Nathan Fake - Drowning In A Sea Of Love (Border Community:10BCCD)
Nathan Fake-Drowning In A Sea Of Love
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最近大型リリースが多いですね。今日紹介するこのNathan Fakeの1stアルバムも、相当なファンの方が待っていたのではないかな。現在最もシーンで注目を集めるJames Holden(過去レビュー)率いるBorder Communityのアーティストで、元々はプログレッシブハウス方面で人気を博していたものの、現在では既にシーンを飛び越えてエレクトロニックミュージックと言うシーン全体で絶賛の嵐。僕はディープミニマルな「Dinamo」の大ヒットで彼の存在を知る事になったのだが、この初のアルバムはまた全く毛色の異なる問題作とも言えるでしょう。と言うか果たして今までのプレグレッシブハウスのファンがこれを気に入るかどうか、そこら辺は否定せざるを得ないかなと。一般的にダンスミュージックと言える作品では無く、ここから感じる音は懐かしきシューゲイザーの憂い。My Bloody Valentine(過去レビュー)やMogwai(過去レビュー)が好きだと言う彼の嗜好が前面に出た淡いサイケデリックな音は、どこまでも広がって行く夢幻の世界を感じさせる。電子的でありながらオモチャでひねり出したような可愛い音、心地良いギターノイズ、なんて幻想的で儚い世界なんだろう。プログレッシブハウスファンを裏切った作品かもしれないが、内省的で自分の原点を見つめ直した作品としては良いのかもしれない。またセンチメンタルなエレクトロニカが好きな人には、素直に受け入れられるでしょう。この路線も充分に素晴らしく満足はしたので、次は「Dinamo」路線のアルバムも期待したい所です。

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| ETC1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |
John Tejada - Plus : Los Angeles (Plus:PLUS104)
John Tejada-Plus DJ Mix Vol.4
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John Tejadaのめちゃ上手なプレイを堪能出来るMIXCDがこちら、Technasiaが送るPlusシリーズの最終章です。Charles Siegling、Amil Khan、Shin Nishimuraと続いたシリーズに、何故かTejadaがトリを飾ります(Technasiaと交流があったんでしょうけど)。今までの人達がかなりアッパーで激しいプレイを聴かせていたのとは対照的に、Tejadaはクリッキーな曲から始まり物静かです。シカゴハウスを通過した様なクリックや生っぽい音を生かしたクリックで、派手な展開もなく全く以て地味なんですが渋いの一言。中盤以降は徐々にテンションを高めつつテクノ色も増やして、ミニマル調に変化してゆきます。暗めな曲調が多いながらも、時折目の覚めるような派手なトラックをぶち込みはっとさせてくれたりもします。元々はヒップホップDJだったらしく、テクノにしては珍しい巧みなスクラッチもばしばし差し込んで痺れる〜!実際あんまりTechnasia関連の音っぽいかと言うとそうでもないけれど、めちゃくちゃプレイの上手いって事は聴けば分かります。後半は普通にテクノテクノで盛り上がるし、最初から最後までパーフェクトッ!自分の持っているMIXCDの中でも、相当ランキングは高いですね。

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| TECHNO3 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
James Holden - Balance 005 (EQ [Grey]:EQGCD008)
James Holden-Balance 005
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正直今までこのMIXCDを聴いてなかった事を後悔、罪深き事をしました。今となってはテクノ方面でも一躍有名となったプログレッシブハウスの若き天才、James Holden。「Dinamo」の大ヒットも記憶に残るNathan Fakeらを擁するBorder Communityレーベルを主宰し、プログレッシブハウス方面のみならずテクノやハウス方面からも注目を浴び現在も人気は鰻登りなHolden。一年位まえからウェブ上ではHoldenは凄い、やばいと言うコメントは見つけていたものの、僕自身がプレグレッシブハウスは殆ど聴かない為ずっと無視していました。しか〜し、友人宅でこのMIXCDを聴かせてもらった時には衝撃が走りました。こんな驚きは久しぶりだったのかもしれません。プログレッシブハウスと聞いていた音は、実はそうではなく比較的テクノよりで、でもトランスもプログレッシブハウスもエレクトロも取り入れられて最高に陶酔感のある音楽だったのです。最近はジャンルの垣根が低くなりハウスのテクノ化、ミニマルのクリック化などが起きていますが、プログレッシブハウスのテクノ化も進んでいるようです。そしてHoldenの音は僕がそれまで体験したプログレッシブハウスの音とは一線を画し、脳味噌トロトロぐちゃんぐちゃんのメルトダウンを起こすようなやばい陶酔をもたらし、アシッド注入しまくりでドラッギーなサイケデリック感がありました。ことMIXCDの2枚目の方に関しては、相当にトランシーで憂いのある上物が神経を麻痺させたり、アシッドぶりぶりなベースがトリップを誘発し、聴き終わる頃にはもうよだれ垂れまくりの逝った世界に引き込まれている事でしょう。2枚組と言う事で緩いテッキーな流れからアッパーな盛り上がるピークまで、山あり谷ありの盛り上がりを感じられるプレイが存分に収録されています。ドラマチックに幻想的に、そして危険な世界を体験出来るこのプレイは本物です。3月には新しいMIXCDが出るし、4月21日にはWOMBに来日します。今から首を長くして待っておけ!

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| TECHNO3 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Underground Resistance - Interstellar Fugitives (Underground Resistance:UGCD-UR045)
Underground Resistance-Interstellar Fugitives
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「Interstellar Fugitives 2」の発売に伴い、廃盤になっていたPart 1も日本盤として再発される事になりました。このアルバムこそがUnderground Resistance(以下UR)の初のオリジナルアルバムで、それこそレコードのみでの活動を行っていた彼らの事を考えるとようやくCDで、しかもURグループとしての集大成を聴ける事は大変喜ばしい事だと思います。ところでこれがコンピレーションだと思っているならそれは過ちで、URは個人では無くURと言う民族を越えた共同体なのです。なのでこのアルバムは紛れもなくURと言う共同体が作り上げた、渾身のフルアルバムなのです。僕は「Interstellar Fugitives」のエレクトロは得意ではないので今まで放置していましたが、Part 2購入と同時にPart 1も購入してみました。最初になんですが、これはオリジナル盤とは2曲入れ替えがありまして、と言うのもオリジナル盤に曲を提供していたDrexciyaが他界した為、弔いの為にそういった処置をされているようです。しかし98年発売時にはこのURの初のアルバムには、僕は余り賛同出来ませんでしたね。デトロイトテクノを聴き始めたばかりだと言う事もあったのでしょうが、やっぱり音が今よりも強烈と言うか全部聴き通すには体力がないとしんどいです。それ位ダークでタフなエレクトロな作品だったのですが、今聴いてみると耳も慣れたのかむしろファンキーな所に共感を覚えました。確かに電子楽器に依って作られた曲なのですが、黒人の音楽に感じるエモーショナルなヴァイブスが闘争心みたいな感情で表現されています。URを語る点に於いて「Hard Music From Hard City」と言う言葉があるのですが、正に厳しい環境から生まれたハードミュージックなんだと思いました。Part 2に比べるとアンダーグラウンド色が強く、これこそが実態を現さずに活動していた頃のURのコンセプトが一番強く出ているアルバムでしょう。ライナーノーツはデトロイト大先生かつMad Mikeの親友・野田努が担当しているので、一見の価値は有り。「Interstellar Fugitives」=「銀河感逃亡者」のストーリーも和訳されているので、この機会に読んでみましょう。

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| TECHNO3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Agoria - Cute & Cult (Different/PIAS:DIFB1055CD)
Agoria-Cute & Cult
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最近新譜がどんどん出るので聴くのが追いつきません(汗)。年の瀬だって言うのに、また強烈なMIXCDが出ちゃいましたよ。フランスからのニューカマー・Agoriaさんの変幻自在、奇天烈なプレイが存分に味わえる「Cute & Cult」がそれです。Agoriaさんはフランステクノシーンにおけるデトロイトテクノフォロワーで、その中でも単にデトロイトテクノを模倣したもの以上のアルバム「Blossom」で注目を浴びています。そしてミックスプレイもやっぱり一筋縄ではいかず、Carl Craigや69、Phylyps(Basic Channel)に混ざってLucien & LucianoやMathew Jonsonのクリック、Anthony Rotherのエレクトロ、Alter Egoのジャーマンテクノ、RadioheadやIggy Popのロック、しまいにはAge Of Loveのトランス?!までも収録。普通の4つ打ちテクノだけが好きなら苦手な人もいるかもしれないけど、抗えないインパクトは感じるはず。ドラッギーなエクスペリメンタルテクノから、緩やかなテックハウス、ダーティーなロック、ギトギトのエレクトロ、高揚感満載のトランス、未来派デトロイトテクノが、入れ替わり立ち替わりで聴く者を刺激ます。ただ聴くだけじゃない、心で感じるんだ!こんな不規則なテンポやリズムでも、きっと踊れる、勝手に体が動くでしょう。今年の珍盤ベスト1か?

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Slam - Nightdrive (Resist Music:RESISTCD54)
Slam-Nightdrive
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近年のテクノの流れの一つにクリック、エレクトロニカ化の傾向があると思います。ハードミニマルテクノのDJもクリックハウスを導入した作品を作ったり、MIXCDでも激しいだけではなくクリックハウスを混ぜた緩いプレイをしたり、とにかくジャンルの垣根が徐々に低くなっているのではないかと思います。…ってそんなん余り僕は好きではありません。ハードミニマルテクノのアーティストがわざわざ他の事やらんでもえーやろと!(そうゆう意味じゃSpeedy JとChris Liebingの共作は、終始ハードに徹していて男気を感じましたが)。

それでグラスゴーのテクノ番長、SLAMの登場ですよ!…と久々のMIXCDを期待してたら、こいつらも路線変更しやがってるぜ。あぁ、おいら寂しいよ、SLAMにはハードでソリッドなプレイを期待してるのに、何でSLAMもクリックハウスやらエレクトロハウスやら回して、そんな流行に乗ってしまうかな?もちろんプレイとしては決して悪くはないし新鮮味もあるんだけど、これをSLAMがやる事に余り意味は感じないかなと。全体的にダークで冷えた曲群の中にも妙に艶のあるポップなメロディーが絡むHiroki Esashikaの曲や、プログレ・テクノシーンでも人気を博しているNathan Fakeの曲など、そこかしこに妖艶で美しい曲を差し込んできて上手い流れはあると思います。ただ個人的にはSLAMにはハードであって欲しい、ストレートな4つ打ちを聴きたい、その思いが強いです。てな訳でこのMIXCDよりも、以前に紹介した「Slam - Fabric 09」の方がお勧め出来ます。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Shadow - Endtroducing... (Mo Wax:MW059CD)
DJ Shadow-Endtroducing...
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いつも同じ様なのをばかり聴いていたので、ひょっこり見つけたDJ Shadowのアルバムを聴いてみました。そう言えばこれってかなり評判良かったっけな。それにMo Waxレーベル自体も好調で、そのオーナーJames LavelleもUNKLE(DJ Shadowも参加)として活躍していたっけ。今じゃMo Waxなんて見る影も無くなった気がするけれど、こうゆう業界ってほんと流れが早いんだなと感慨深いです。でDJ Shadowって元々ヒップホップDJなんでしょうか?このアルバムもヒップホップらしいざっくり感があるんですよね。その時の名はトリップホップなんて名付けられてたけど、結局トリップホップって何なのでしょうね?アシッドジャズらしい細かいビートやら、美しいピアノサウンドが入っていて意外と聴き易いですよね。ヒップホップだけなら僕はあんまり聴かないんですけど、メランコリックかつどろどろとねちっこい感覚もあって今ならすんなり聴けました。しかし歴史的傑作かどうかは分かりません。単純に自分の趣味と違うだけなのかも。

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| ETC1 | 22:30 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Fuse Presents Joris Voorn (MINIMAXIMA:MM211CD)
Fuse Presents Joris Voorn
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今や押しも押されぬテクノ界の超新星・Joris Voornの初のMIXCDが遂に登場。大ヒット曲「Incident」や1STアルバム「Future History」での活躍はまだ記憶に残る所ですが、今度はMIXCDも出してくれるなんてなんてファン泣かせな活動ぶりなんでしょう。新人と言う事もあって僕はアッパーにガツンと来るようなプレイを予想していたのですが、ここは意外にもクールで抑制の取れたベテランらしいプレイを披露しています。ここでは流行のAbleton Liveを使って40曲をMIX、19個のセクションに分けています。PCを使ってのプレイのせいかやはり曲の流れに気を遣ってスムースで緻密な展開があり、彼の気高くも美しい面が強調されて感じる事が出来るのではないでしょうか。美しいシンセラインが用いられた曲の他にも、テクノに止まらずハウスクラシックスやクリックハウス、有名なアーティストの楽曲が惜しげもなく導入されて単調に陥る事はありません。こいつ本当に新人かよって思うような精密機械ぶりですが、欲を言えば新人なんだからもっと爆走気味に、ガンガン盛り上げるプレイでも良かったんじゃないかと思ったりもしました。実際にDJでは「Incident」だって回すそうじゃないですか。決して地味と言う訳ではないですが抑えめのプレイなので、緩い上げ下げの展開をじっくり噛みしめて長く付き合っていこうと思います。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(4) | |
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones (Cutting Edge:CTCR14441)
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones
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もしかしたら世界で一番有名かもしれないハウスレーベル、King Street Sounds。ハウス好きじゃなくてもその名は聞いた事があるだろうそのレーベルの設立者は、なんとヒサイシオカ氏日本人なのである。いや、まさか本場USでそんなレーベルを日本人が作ったなんてほんと凄い事だと思います。でもそれは彼の嗅覚の成せる業、アンダーグラウンドなダンスミュージックから時代の流れに沿った最先端のハウスまで、良質な音楽を提供する姿勢があるからこそなのでしょう。そんな彼の下には数多くの才能あるアーティストが集結し、数多くの天才がKSSに楽曲を提供しています。そしてヒサ氏はクラシックなハウスだけに止まらずより自由な楽曲を送り出す為に、Nite Groovesと言うレーベルも設立し当然そちらも大成功。そしてKSS設立12週年を記念したMIXCDがこれです!ミキサーには、Andre Collins & Nick Jonesだそうで僕も名前くらいは聞いた事があるアンダーグラウンドながらも、ヒサ氏が信頼をして送り出す位の素晴らしいDJです。DISC1のAndre Collinsはアッパーにどす黒く、がつんと踊れるピークタイム仕様。しかしソウルたぎるそのプレイは、聴く者の心を熱くさせるエモーションがあります。またDISC2担当のNick Jonesは、ラテンハウスやジャジーハウスを多様しスウィートかつリラックスしたプレイを見せます。いやいや、しかし一つのレーベルだけでこんなに素晴らしい楽曲が揃うなんて、本当に凄い事じゃないかな?KSSはこれからも時代をリードして、新たなる才能を発掘してくれると確信しました。EP中心のダンスシーンに於いて、こういったレーベルサンプラー的MIXCDは大層嬉しいのですが、レーベルサンプラー以上の質を伴っています。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Welcome To My World (Womb Recordings:WOMB011)
Ben Sims-Welcome To My World
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みんな最近はハードミニマル系のMIXCDで良い物がねえなぁ〜って思ってませんでした?僕は思ってました。一時期は充実してたんですけど、今年はさっぱりですよね〜って、思ってたら

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!!!!!!!!

ベンベンベンベン、ベンシムズのトライバル+ハードミニマルな超絶MIXCDがキタんですよ!!!やっぱりこいつ凶悪ですな、ターンテーブル3台+CDJ2台をフル活用した音数多めの激しく興奮するプレイを見せてますよ。当初はWOMBでのプレイを録音した物と思っていたのでかなり不安になっていたのですが、スタジオ録音と言う事で音質も良好。Jeff MillsからChester Beatty、Renato Cohenや今をときめくJoris Voorn、果ては自身のKilla ProductionsやGreenwich Allstarsなどハードミニマル勢の大御所を惜しげもなく使いまくり、テンションが一向に下がる事がありません。最初から最後まで全てがピークタイム仕様で休む暇を与えず、徹底的にハードグルーヴで攻めまくります。疲れている時には聴く気がしないけど、力を持て余している時にはこれを家で爆音でかけたいっ!周りの民家なんか気にするんじゃねえ!(嘘です。)体中の血をたぎらせ踊り狂うのだ!

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| TECHNO2 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Valentino Kanzyani - Intecnique (Intec Records:INTECCD04)
Valentino Kanzyani-Intecnique
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テクノ界の3大DJの一人、Carl Cox主宰のIntec Recordsはアッパーでハードかつ、スタイリッシュなテクノにおいては一二を争うレーベルであります。と紹介したにも関わらずIntecから発売されたこのMIXCDは、別にIntec関連のレコードを使用してる訳でもないんですがね…。ミキサーはハードミニマル系で地味に知られているValentino Kanzyaniが担当。今まで2枚MIXCDを出しているはずだけど、それ程ツボに来る物でもなかったので期待してなかったのですが、今作は今までより良いと思います。Intecからなのでやっぱり音はハードなのに結構綺麗目で、意外にもジャーマンアシッド風にぶりぶりとしたベース音が気持ち良いです。また流行のラテントライバルでは無くてストレートにハードテクノをがんがん回して、後半に行くに連れて音数も増してきます。ハードなのに時折入るデトロイト系の透明感溢れるシンセ音も、清涼感を感じさせますね。ラストにはDepeche Modeのボーカル曲を持ってくるんだけど、ゴシック風なハードテクノで新鮮味がありました。敢えて言うならピークはラストでしょう。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Southport Weekender Vol.3 (SuSU:SUALBCD11)
Southport Weekender Vol.3
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Joey Negro、Miguel Migs、Giles Petersonが担当した「Southport Weekender」、Blaze、Joe Claussellが担当した「Southport Weekender Vol.2」、そして三作目は何とDimitri From Paris、Jazzie B、Quentin Harrisの異色の組み合わせ。つうか3枚もあって一通り聴くだけでもお腹イパーイです。喜ばしいシリーズではあるが、ほんとファン泣かせなシリーズでもありますね。Dimitriは予想通りなディスコ系でとにかく弾けています。Quentinはムーディーな典型的NYハウス。個人的に一番気に入ったのが、Jazzie Bのソウル・ファンク系のMIX。基本的にはハウス系のMIXCDなのである程度スムースな選曲ではあるけれど、腰に来るリズムと艶めかしいファンキーさがツボです。ダウンテンポ〜アッパーまで自在に展開を広げて、終わりまで休む暇もなく楽しめますね。他の二人はセオリー通りのハウスとは別に、こうやって異色なMIXがあると逆に新鮮さが際立ちます。また三者三様の味があるので、自分の好みの一枚って言うのが必ずあるのではないでしょうか。全て聴く時は気合いを入れて聴きましょう。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Lorne Burden - 430 West presents Back To The Rhythm (Concept Music:CEPTCD5)
Lorne Burden-430 West presents Back To The Rhythm
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近頃デトロイト物はレコードもCDもラッシュで新作の発売や、旧作の再販がなされているのでついでにコレも紹介。「Blackwater」が大ヒットしたOctave OneはBurden5人兄弟からなるユニットで、その中の一人Lorne Burdenが手がけたMIXCDがこれ。とにもかくにもデトロイトクラシック祭りで、自身のOctave OneやRandom Noise Generation、そしてソロ名義のKSRも織り交ぜて豪華な選曲となっている。特に未発表曲も多く含んでいる事もあり、デトロイト好きにはなけなしのお金を叩いて購入する価値もあるでしょう。テクノかなと想像して最初は聴いた覚えがありますが、アッパーではないが攻撃的でかつ適度な緊張感もあり、デトロイトハウスの新たなる一面を伺う事が出来た物でした。「Blackwater」も収録されているけれど、個人的にはファンキーでより黒さを感じる事が出来る他の曲群に注目が行きます。また時にはディープでエモーショナルな展開を見せ、時には野蛮で攻撃的な一面も現れたり、全体の雰囲気は統一されていても単調に陥る事もありません。実はトラックリスト見て貰えれば分かるとは思いますが、大半の曲がLorne Burden(というかOctave OneやRNG)が関与しています。ある意味このMIXCDは彼らのストーリーを紹介する広報的な一枚なのかもしれません。それにしたって、相当良い曲が詰まっていると思います。

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| HOUSE1 | 22:34 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Body & Soul NYC Vol.3 (Wave Music:WM50060-2)
Body & Soul NYC Vol.3
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さぁ、今年も遂にこの時がやってきました。Danny Krivit、Francois K、Joe Claussellの3人が揃って催している「Body & Soul」 in Japan!!とにもかくにもハウスパーティーの中では一番の名実があり、現在では年に一度日本でしか行われていないので外人も参加したければ日本に来るしかないと言う、外人にとってははた迷惑なイベントだろう。そんなイベントを家でも体験出来るのがこのMIXCD。この3人が揃えば当然優良な物しか出来ないので、安心して買う事が出来ると思います。ディープハウスからトライバルハウス、ジャジーハウス、そしてデトロイトテクノまでおのおのの名曲がずらりと納められています。前半は深くトライバル的な展開で始まりますが、「Romain-Philly's Groove」が凄いな〜。素晴らしいトラックだとは小耳に挟んでいたけど、初めて今回聴いた瞬間にキタッ!!て感じだ。ぶっといグルーヴに躍動的なパーカッションが弾け、高らかに響き渡るトランペット?の音。クラブでかかればノリノリで腰をフリフリ、踊らずにはいられまいって曲だね。中盤ではデトロイトクラシックが2曲連続で使われているけれど、これはFrancois Kの趣味だなと思う。3人の中では一番前衛的と言うかやっぱり他の二人より頭一つ抜けている人だと思っています。Francoisは最近じゃDerrick Mayとも競演したり、テックハウス路線に力を入れたり自分の好みにも合っているしね。「Jaguar」は言わずもがなハウスに比べて人気のないテクノが、ハウスシーンに多大なる影響を及ぼした曲。深淵でもの悲しげな雰囲気に、神秘的なメロディーが反復し聴く者全てを魅了します。「Groove La Chord」もテクノ、ハウス両シーンで人気のある曲。切れ味鋭いシンセが被さる独特な曲です。後半ではメロウなハウスに移ってまた大きなボムが投入されちゃいます。そう「Elements of Life」、これがフロアを狂喜乱舞の世界に陥れる傑作です。ラテン調の陽気な打楽器が軽快に打たれ、爽やかな風に包まれる名曲です。そして爽やかになったのにラストではまたホットな「Casa Forte」によって暑くなってしまいます。Joe Claussellのリミックスと言う事もあり、強烈なトライバル感。この人ジャングルにでも住んでいたのでしょうか…。全体的に通して飽きずに聴ける、優良印を押して勧める事が出来るMIXCDですね。「Body & Soul」イベントの前にこれで予習するのが吉でしょう。

しかし日本でしかこのイベントを開催しない事には、やはりマネーの力が絡んでいるのだろうと少し寂しくなりますね。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Musical Reflections (R2 Records:R2CD003)
Ron Trent-Musical Reflections
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シカゴハウスものが続いてるので、ここで一丁僕の大好きなアーティストRon TrentのMIXCDを紹介します。どれ位好きかと言うと、今でも彼の古いEPを見つけたら即買いする位好きです。ターンテーブルは無くレコードプレーヤーがあるだけなので、1枚1枚をただ聴く為だけにEPを買ってしまいます。元々は彼の名曲、Altered StatesのCarl Craig Mixで知る機会があって、それから彼のEPを集める様になりました。早熟であり早々と才能を開花させ、Chez Damierとコンビを組んでKMSから作品を出し、また伝説的なディープハウスレーベル:Prescriptionを設立(この時代のEPが喉から手が出る程欲しい僕です)。その後はフュージョンハウスの雄:Anthony Nicholsonと手を組み、ディープハウスのみならずアフロやジャズへの傾向を示し、より多様で深い音楽性を獲得し今に至っています。

シカゴハウスと言いつつも、彼の道はシカゴハウスがメインと言う訳でもないな…。ま、それはお許しを。MIXCDは今までに5枚位出していて、特に今回紹介するのは激マッシブプッシュ!今までの彼の旅路の総決算とも言えるMIXをしていると僕は思っています。ほんとイイ!口で言っても伝わらないだろうけど、イイ!トラックリスト見ても結構地味だと思うでしょ?はい、地味です。いや、地味じゃない。展開もあるし、なんて言うかソウルに満ちあふれた曲ばかり。テンポものんびりだし、地面をずぶずぶ這いずる様な重さと言うのはTheo Parrishを思い浮かべるんだけど、Theoに比べてRonの人気って…。まあ、それはしょうがない。出だしからジャジーでとにかくビートダウン、3曲目で既にハイライトのAnother Night!とにかく温かい、Ronのプレイは彼の温かさを感じる事が出来る!その後も普通のハウスは殆どなくて、ジャジーハウスって感じのが続くの。中盤はビート強めのNeedsなどで盛り上げたりして、終盤はアフロハウスやディープハウスでダンサンブルに飛ばしてくれる!彼が今まで取り組んできた事が、全て凝縮されこのMIXCDに詰まってるみたいじゃないか。Theo Parrishが好きならRon Trentも絶対好きなはずなんだろうけど、日本での人気の差には悔しいものがあるよ…。だからディープハウス好きな人は勿論、Theo Parrishが好きな人にも聴いてみて欲しいっす(泣)

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| HOUSE1 | 21:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Suburban Knight - My Sol Dark Direction (Peacefrog:PFG025CD)
Suburban Knight-My Sol Dark Direction
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遂に明日Galaxy 2 Galaxyの来日ライブがある訳だが、そこにUnderground Resistanceの裏番長、James PenningtonことSuburban Knightも一緒に来日します。Suburban Knightは既に15年以上の長いキャリアがあるにも関わらず、とても寡黙なアーティストで作品は数える程しかない。URやTransmatなどからEPを出しているが、一般的にダークテクノの先駆けと言われている「The Art Of Stalking」は、正に暗黒パワーと負のエネルギーに満ちている。きっとデトロイトのネガティブな面を表しているのではないかと、僕は勝手に思いこんでいるのだが。そんな曲も収録したキャリア初のアルバムが、2003年に何故かPeacefrogから発売されました。個人的に一番クラブ映えする曲は「Midnight Sunshine」で、やはりダークながらも青い炎が揺らめきながら徐々に熱を帯びていく様な、ダークかつ躍動的なハードテクノである。しかしながらアルバム全体のトーンとしては、やはり暗い。何故そこまでにSuburban Knightは暗いのか?かつてのDrexciyaばりのエレクトロとハードテクノを足した様な感さえもある。決して彼の作品を聴いてハッピーな気持ちになれる事はないだろう。これは決して良い環境とは言えなかったデトロイトで育ったSuburban Knightの心情を、表現したアルバムなのかもしれない。さあ、明日のDJはどうなんだい?今まで2度程聴いた事はあるけれど、DJの時はデトロイトクラシックも多用してダークな一面以外にもポジティブな面も見せてくれた。明日もきっと僕らを楽しませてくれるのだろうか…

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| TECHNO1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Upcoming Event
2005/01/07 (FRI) VADE feat. ADAM BEYER @ WOMB
DJ:ADAM BEYER, SODEYAMA

2005/01/09 (SUN) HUMP ZERO 5 @ ageHa
DJ:DERRICK L. CARTER & LUKE SOLOMON, Dego, DJ KENSEI
DJ HIRAGURI、Greenkeepers, etc

2005/01/21 (FRI) a night with DJ Matthew Herbert @ CAY
DJ:Matthew Herbert, DJ KENTARO IWAKI
LIVE:PAINTING:nu:g

2005/01/22 (SAT) UNITE @ Unit
DJ:TOM MIDDLETON, DJ KENT, HIROSHI WATANABE

2005/01/29 (SAT) JET SET PRESENTS route #15 @ Yellow
DJ:HAKAN LIDBO, TOWA TEI, KZA(FORCE OF NATURE)
Laetitia a.k.a HITOSHI OHISHI
LIVE:DATA 80

2005/02/04 (FRI) Breath @ AIR
DJ:DJ Katsuya, yoshihisa.h
LIVE:Special Guest

2005/02/13 (SUN) metamorphose presents SUBMERGE TOUR @ Liquidroom
LIVE:Galaxy 2 Galaxy, Los Hermanos, Mr.DE'
DJ:James Pennington, B.CALLOWAY

年越しイベントは終わっても、パーティーは今年も続いてゆく。Herbertが来ますけどDJなので、多分行かないでしょう。注目はUNITでのTOM MIDDLETON & HIROSHI WATANABE。アンビエントで有名なTOM MIDDLETONはDJではテクノ、ハウスを横断したプレイで期待出来るし一緒にワタナベさんも出るので今回はまじで行かないと。HUMP ZERO 5も行きたいが金が無い…。DERRICK L. CARTERのダーティーでハードなハウスはテクノ並のあげっぷりでやばいっすよ。DATA 80(=HAKAN LIDBO)のライブも気になるなぁ。「One More Time」のメランコリー+テックハウスって感じです。

そしてもう言わずとしれた伝説が現実になる瞬間の到来、Galaxy 2 Galaxyが来日です。前回TIMELINEで来てますけど、多分演奏内容に大差は無いと思います。しかしそれでも期待せずにいられないのは、やはりデトオタのさだめ。
| UPCOMING EVENT | 19:36 | comments(0) | trackbacks(1) | |
V.A. - House Things Vol.5 (Flower Records:FLRC-022)
House Things Vol.5
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NEEDSのパーティーでNEEDSの知名度が意外と低い事が分かったので、NEEDS布教活動を始めるとする。今回は第1弾。このコンピはFlower Recordsの高宮永徹がレコードでしか聴けないような旬な曲や、ハウスクラシック、未発表音源等をまとめた物である。クリーエーターの作家性に敬意を示し敢えてMIXは行っていないとの事です。と言うだけあって良い曲揃いです。3曲目のTouch Oneと言うのがNEEDSのLarsとAnthony Nicholsonとの共作で、普段のNEEDSとは多少違った雰囲気。ヴォコーダーのボイスにちょっと緩めのビートでほんわかした雰囲気です。郷愁を感じさせますね。4曲目のWalter JonesのMaurice Fulton Remixはハウスと言うのか苦言するが、奇天烈で変態な音を出しています。現在「MU」と言う日本人女性とのユニットで一躍名を挙げているらしいです。8曲目のKerri Chandler - Atmospheric BeatsはLarsも先日回していた曲のリメイクですが、これはほんと素晴らしい。ヘヴィーボトムなリズムにトランペットが高らかに鳴り響くクラシック中のクラシック!5-7曲目は浮遊感たっぷりのテックハウスで、夢見心地で気持ちの良い曲です。粒ぞろい、いや良い曲揃いなので普段EPを買わないハウスファンにとっては、自信を持ってお薦め出来る一枚です。

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| HOUSE1 | 19:26 | comments(0) | trackbacks(0) | |