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Joe Morris - Exotic Language (Shades Of Sound Recordings:SOS EL)
Joe Morris - Exotic Language
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作品をリリースし始めてからおおよそ10年、リーズ出身のバレアリック寄りのディープ・ハウスを手掛けるJoe Morrisが完成させた初のアルバムは、バレアリックからイタロにアンビエントやニューエイジにダウンテンポまで、現時点に於ける自身の活動の集大成的にバラエティー豊かなスタイルを盛り込んだ素晴らしい作品となった。過去にはIs It Balearic?やPleasure Unitからのリリースがある事からも分かる通り、Morrisの音楽性は大きな括りで言えばカラフルな色彩感覚を持つ穏やかなバレアリックになるのだが、本作にはダンスからリスニングまで豊かな感情性や深い情緒性によって心に訴えかける音楽性がある。ホタルの島と題された"Firefly Island"は微かな虫の鳴き声や波の音などフィールド・レコーディングも用いる事で自然の中の疑似空間を演出しており、緑の木々が生い茂り生命が宿る大地に降り立ったような神秘的なニューエイジでアルバムは開始する。続くPrivate Agendaをフィーチャーした"Perfume"は聖なる歌と繊細ながらも優雅でフォーキーな響きのダウンテンポで、甘く切ない10ccの歌が脳裏に浮かんでくるようだ。と思えばイタロ・ハウス風なカモメの鳴き声、そしてレトロなリズムマシンのベースやドラムがシカゴ・ハウスを思い起こさせる"A Dance With Jupiter"は、美しく透明感のあるシンセの旋律からトリッピーで明るいアシッド・サウンドも加わって、実に爽快感かつエモーショナルな空気を纏った古典的なハウスを踏襲している。その一方で湿り気のあるドラムや重いベース、遠くまでヌメッと響くダブ音響が効いた"Echo Station"ではダブやレゲエに取り組んでいるが、優雅なピアノやコズミックなシンセを用いて、アルバムから浮かないようにしっとりメロウな一片となっている。そしてまたも鳥の囀りに土着的なパーカッションを合わせ、幻想的なパッドやキラキラしたシンセを重ねた"Celestial Plantation"は、リズムがもし入っていれば90年代のアンビエント・ハウスかと思うような作風で、温かい太陽の光が降り注ぐリラックスした楽園的なムードは海辺のリゾート地か桃源郷か。また、やや毒々しいうねるアシッド・ベースを用いた"Acid Safari"は力強いパーカッションの鳴りが深い密林を思い起こさせ、アシッド・ハウスとトライバルの融合した切ないダウンテンポで面白い作風だ。曲毎に多彩な音楽性による個性があり実にバラエティーに富んだアルバムなのだが、しかし全体を包括する雰囲気は間違いなく楽園ムードのバレアリックで、爽快感あるダンスからしっとりスローモーなリスニングまでどれも抑圧とは無縁のリラックスした多幸感に満たされている。International FeelやHell Yeah周辺の音楽が好きな人にとっては、これ以上にドンピシャなアルバムはなかなか無いだろう。



Check Joe Morris
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Joe Morris - Jacaranda Skies (Pleasure Unit:PU 07)
Joe Morris - Jacaranda Skies

日本ではそれ程流通していないように思うイギリスのニュー・ディスコ/バレアリック系の新興レーベルであるPleasure Unit、過去の作品を聞いてみても現在形にアップデートされた哀愁漂うディスコの音楽性があり、懐かしさと共に未来への視線が感じられる。その最新作はリーズで活動するJoe Morrisによるバレアリック志向なハウスだが、そう言えば以前に橋本徹が『Good Mellows』シリーズにもこのアーティストの曲を選択していたり、またIs It Balearic?やBalearic Socialからもリリース歴がある事からも分かる通り、やはりメロウで温かい感情性のある作風が発揮されている。タイトル曲の"Jacaranda Skies"が正にそんな音楽性を示しており、金属的なパーカッションの持続やバウンドするキックによる4つ打ちが心地好いビートを作りつつ、その上を走るメロウで懐かしさを生む可愛らしいメロディーや幻想的なシンセストリングス、そしてトランペットらしき高らかなソロも入ってくれば、それは開放感溢れるバレアリックなハウスなのだ。対して"Mangrove Dawn"は抽象的な霧のようなサウンドに包まれるアンビエント・トラックで、そのぼやけた音像の中からドロドロとした酩酊感溢れるアシッド・ベースがうねるように浮かび上がり光に包まれるようなシンセが溢れ出すその壮大な展開は、「マングローブの夜明け」と題されているのも納得の密林の奥地に広がる神秘的で美しい光景をイメージしているのか。"The Lost Garden"もぐっとテンポを落としたサウンド・トラック的なリスニング指向の曲で、エキゾチックなパーカッションが土着感を生みつつ、ぼやけて霧の中に消え入るようなスライド・ギターや民族的な木琴系の音で意識を溶かしていくような甘美なサイケデリック性もあり、その異世界の夢の中を彷徨っている。最後はタイトル曲のビートを弱めに変えた"Skies Reprise"だが、若干おとなしくしっとり目の空気が強くなりよりメランコリーさが際立っているように思う。全4曲、それぞれに持ち味がありながらバレアリックな方向性での纏まりもあり、捨て曲無しの力作。これからやってくる夏のシーズンにもはまりそうな野外向けのサウンドだ。



Check Joe Morris
| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Beautiful Lights (Suburbia Records:SUCD1007)
Good Mellows For Beautiful Lights
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渋谷にて良質な音楽を提供するCafe Apres-midiを運営する橋本徹が、近年メロウをコンセプトに選曲するシリーズ『Good Mellow』も本作にて9作目。作品毎に風景や環境を想起させるタイトルを付けてはそれに見合った選曲を行い、コンセプトを遵守しながらメロウを追求するシリーズは、橋本の新たなる顔となりつつある。アナログでしかリリースされないレアな曲などもさらっと盛り込む事で貴重な音源の紹介に貢献しつつも、しかし本質は音楽そのものであり、ディープ・ハウスからバレアリックにアンビエントやジャジーなものまで網羅したメロウな響きが根底にある。そんな新作のテーマは「美しい光」と太陽の朗らかな光を全身で浴びるようなイメージなのだろうか、比較的ここでは清々しく明るめでムードが強いように思う。幕開けにはUnknown Mobileによる"No Motion"、鳥の囀りとフィールド・レコーディングによってオーガニックな響きと澄んだ空気に満ちた透明感のあるアンビエントで、まるで朝靄の中の目覚めのようだ。続くはSorcererによるアコギやマリンバらしき音色に微睡むフォーキー・バレアリックな"Afro Heaven"、そして甘くも気怠いメロウでジャジーな"Southern Freeez (Mudd's Mix For Emma)"を通過すると序盤のハイライトが待ち受けている。それこそKenneth Bagerによる"Love Won't Leave Me Alone"で、Jean Luc Pontyの麗しいヴァイオリンも映える何にも束縛されずに開放感溢れるメローかつバレアリックなハウスは、その華麗な美しさに酔いしれる事は間違いない。コンピレーションが単なるBGMではなく素晴らしい音楽の紹介という導きの意味があるならば、この曲はアルバムの中でもその目的に最も適っているだろう。そこからは牧歌的なメロディーで多幸感が広がるテクノ寄りの"For You (DJ Koze Mbira Remix)"、優雅に舞い踊るピアノと軽やかに走るジャジー・グルーヴによって心地良い爽快感のあるディープ・ハウス"Father"、そして洗練されたジャジーなトラックに甘く優しいボーカルが朗らかさを添える"Rescue Me (The Sophisticado L.O.V.E. Mix)"、旬のアーティストであるLay-Farによる煌めく音色が華やかで端正なハウスの"Like The First Time"と比較的フロア方面からの曲が並んでいるが、そのどれもが音楽的に豊かでリスニング性を持っているからこそDJミックスではなくコンピレーションの中でも映えるのだ。そしてラストはメルボルンからのニューカマーであるAlbrecht La'Brooyによる"Encounter (Midnight)"、神秘的なアンビエントのムードとしっとりとハウスのグルーヴで徐々に微睡みに落ちていくように静かにクローズを迎える。タイトルに偽り無しの外交的な空気が広がる中で美しい光に包まれるようなサウンドは快適性に満ちており、勿論このシリーズに通底するメロウネスは本作でも変わらず、質素な部屋を彩るBGMになる事は間違いない。

Tracklistは続きで。
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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |