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2018/3/17 Groovement Showcase @ Vent
Balanceからのデビューで注目を集めたポルトガルのJorge Caiadoは、現在はGroovementやInner Balanceのレーベル運営やまたディストリビューションも行いつつ、自身ではDJや楽曲制作も行う等、ポルトガルのシーンでは一際存在感を高めている。特にGroovementではSai YoheiやSTEREOCiTI、そして直近ではKaoru Inoueの作品もリリースするなど、少なからずとも日本のアーティストに対し興味を持っているようだ。今回Caiadoの初来日のパーティーには前述のInoueとSTEREOCiTI、そして新鋭Yoshinori Hayashiが出演するなどレーベルショーケースとして開催されているが、そんな場に対して各DJがどんなプレイを披露するのかと興味は尽きない。
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| EVENT REPORT6 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
STEREOCiTI - Reflexions (Groovement:GR030)
STEREOCiTI - Reflexions

ベルリンへと移住したKen SumitaniことSTEREOCiTI、移住後も古巣Mojubaから侘び寂びと仄かなエモーショナル性のあるディープ・ハウスをリリースしていたが、この度ポルトガルはリスボンのレーベルであるGroovementから新作をリリースした。Groovementはレーベル関係者の一人でもあるJorge CaiadoやデトロイトのTerrence Parker、日本からはSaiもリリースをするなど注目されるレーベルになっているが、どういうわけかSTEREOCiTIもこのレーベルからリリースした事は何か彼に音楽的な変化があったのかは興味深くあった。"Eu Lembro"を聞いてみるとこれは過去のMojubaから出ていた作風と近いように思え、隙間を強調したミニマルでハウシーなグルーヴに幻想的に延びる上モノのパッド、奥行きを体感させる音響など如何にもSTEREOCiTIらしく思う。やや鋭利な切れ味のあるリズム感はテクノ寄りになったかと思わせるが、宇宙空間を漂うようなSEやデトロイト的な旋律などエモーショナルな点ではそう以前と変わってはいない。"Wee Hours"もやはりグルーヴとしてはハウスのそれと感じられるものの、鈍いアシッドサウンドやヒプノティックに反復する電子音などからはテクノの雰囲気が伝わってきて、ひんやりとクールで機能的な作風は何かしら変化が見受けられる。タイトル曲の"Reflexions"はオールド・スクールな音質と弾むようなリズムに朗らかに浮遊しながら動き回る電子音を配し、控えめに気品や優雅さを纏ったようなディープ・ハウスで、シンプルな響きから叙情性を引き出す魅力的な曲だ。そして"Cancoes do Vento Sul"は今までの作風よりも格段にオプティミスティックで、アブストラクトな音像があった過去の作風からぐっと霧が晴れて嬉々とした空気を浴びるハウス・トラックであり、透明感のある電子音も心地良く舞っている。何か心情的な変化が音に対しても変化を及ぼしたのか、それを知る由もないが、しかし確かな変革の時期は訪れているのか。そう言えば以前会った時にはDJよりもライブをもっとやりたいとも言っていたが、よりアーティストとしてトラックメーカーとして表現力を磨き上げたいという意思があったとしたら、この変化にも関連があるのかもしれない。



Check "STEREOCiTI"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jorge Caiado - Beyond The Atlantic (Balance Recordings:BL14)
Jorge Caiado - Beyond The Atlantic

Chez Damier主宰によるBalanceの新作は、なんとポルトガルと言う珍しい出身の20代前半による新星・Jorge Caiadoのデビュー作となっている。このレーベルならばと言う安心感はあるものの、それでもこの新星による初の作品はミドルスクール世代のハウスやデトロイトの時代の空気を含みつつ、Chez DamierやRon Trentが得意とする浮揚感を伴うハウスを既に体現しているのだ。深い残響音をバックに流麗なパッド音を薄く伸ばして幻想の世界へと誘いこむディープ・ハウスの"Bodiee"はかつてのChez+Ronの作品にも類似しているが、ここはやはり"Beyond The Atlantic"が一押しである。序盤はスムースなコード展開を繰り返すムーディーかつジャジーなハウスかと思いきや、途中から原始的なシンセサウンドがデトロイト風に入ってきて、そして後半では妙な高揚感をもたらすアシッドベースが入ってくるじわじわと盛り上がってくるミドルスクールなハウスで素晴らしい。他にバウンス感の強いタフなビートがどっしりと脈打つ"My Life"や色っぽい女性ボーカルをスパイスに大人の色気たっぷりかつパーカッシヴに仕上げた"Make Sure"と、デビュー作ながらもどれも軽く水準を超えた作品を収録している。Balanceらしいアンビエンスや浮遊感は非常に心地良いが、しかし新人にしては何処かシリアスで既に落ち着きを感じさせるのは意外だ。

試聴

Check "Jorge Caiado"
| HOUSE8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Glimpse & Giles Smith - Can't Take My Eyes Off You (Balance Alliance:BA011)
Glimpse & Giles Smith - Cant Take My Eyes Off You

Chez Damier主宰のBalance Alliance新作は、意外にも関わりのなさそうだったGlimpse & Giles Smithが手掛けております。どういう訳かGiles Smithがレジデントを務めるパーティー"Secretsundaze"の10周年を記念した企画物で、参加したメンバーの影響が出た分だけレーベルの味であるディープハウスとGlimpseのミニマル感が融合が上手く纏まった印象。"Can't Take My Eyes Of You"はレーベルの持ち味である淡いメランコリーや揺らぐ浮遊感、そして全身を包み込むようなアンビエンスを漂わせながらも、展開を抑えてねっとりと上げ下げを繰り返すミニマルを打ち出して長く深みに嵌めていくトラック。色っぽくてセクシーな夜のディープハウスとして絶品な一曲です。そしてGiles Smith & Martin DawsonによるTwo Armadillos名義の"On The Run"は、荒っぽいリズムトラックの上にハンドクラップや透明感のあるパッドを仕込み懐かしさや簡素さを感じさせるディープハウスとなっております。そしてもう一曲は"Can't Take My Eyes Of You (Jorge Caiado Remix)"のリミックスで、オリジナルからの大きな乖離はないものの軽めのキックへ変更しジャジーな風味を付け加えたハウスが収録。一つの楽曲として成り立つ質とそしてDJツールとしての質が両立しており、ディープハウス好きには堪らない一枚となるでしょう。

試聴

Check "Glimpse" & "Giles Smith"
| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |